トピックス

-山下議員

 発言の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として質問いたします。

 最初の質問は、都市再生緊急整備地域における再開発についてです。

 7月2日、都市再生特別措置法に基づき、金沢駅から武蔵、南町、香林坊、片町にいたる都心軸エリアが都市再生緊急整備地域として指定されました。今議会の補正予算案には緊急整備地域に係る補助金が多数盛り込まれており、そのほか税制優遇や規制緩和を受け、民間による再開発がすすんでいくとみられます。

 日本経済新聞が2023年夏、「ゆがむ官製都市」と題して、「民需なき官製再開発広がる」など、暴走する再開発事業にメスをいれる記事を連載しました。地方都市において、需要のない巨大な再開発ビルの一部を行政が買い取り、補助金とフロア購入で公的資金が二重投入され再開発が成り立っている構図を明らかしています。

 市長は昨年の12月に続き、今年8月にも近鉄不動産本社を訪問し、旧都ホテル跡地の早期再開発を要請されています。いったい何を懇談し、何を約束してきたのか、明らかにしてください。

-村山市長

 金沢都ホテル跡地については、6年半以上更地の状態が続いております。県都金沢市の玄関口に位置する駅前の開発については、まちの発展に大きな影響を及ぼすということから、私自ら近鉄不動産に出向いて、地域整備方針に沿った早期の開発を要望してきたものであります。倉橋社長からは、北陸一のブランドとなる複合施設を実現するため、現在ハード・ソフト両面ともに検討を深めているということ、できるだけ早く都市再生特別地区に関する協議を始めることができればとの考えが示されました。今後、これまで以上に近鉄不動産との情報共有等を図るべく、新たに相互の実務者レベルでの具体的な協議を強く要請したところであります。

-山下議員

 2024年2月に策定された未来共創計画は、1985年策定の「金沢市基本構想」に掲げられた3つの理念「市民主体」「豊かな人間環境の構築」「国際的文化産業都市」を引き続き継承していくとしています。市民のための市民によるまちづくりを推進するとうたう「市民主体」が、この都市再生緊急整備地域における都市再生特別地区での開発や市街地再開発事業において保障されているのでしょうか。

 都市計画は本来、市民、住民の生活向上に資するものであり、住民参加、住民合意のもと行われるべきです。市民の声を聞き反映させていくことが重要だと考えますが、市長の認識を伺います。

-村山市長

 市民主体のまちづくりを進めることが重要であるということはもちろん認識しております。本市ではこれまでも、独自のまちづくり条例に基づいて、一定規模の開発を行う事業者に対し近隣住民等からの意見への適切な対応を講じさせるとともに、事業者と住民との協議の調整を図ってきたところであります。また、市街地再開発事業におきまして、都市計画法に基づいて事業計画案の検討段階で住民意見を反映するための説明会を開催するとともに、先般、都市計画審議会で了承が得られた都市再生特別地区の運用指針におきましても、事業計画の提案に先立って十分な住民説明会を行うこと、また、住民意見を事業内容に反映させることを事業者の責任として明示をしております。

-山下議員  

 金沢市は、区域ごとに景観形成方針と基準を定め、市民とともに歴史と文化が息づくまちの景観を大切にしてきました。金沢駅周辺は高さ規制があり、60mを超える建物を建築できないことになっています。しかし都市再生特別地区となれば、高さ規制を除外した開発が可能となる整備地域方針が示されています。

 高さ規制の除外には市民的合意がなく、民間事業者の儲ける開発のために景観や文化を損なうことがあってはなりません。市民とともに育んできた景観を守ることこそが行政の責任であると考えますが、見解を伺います。

-村山市長

 先般、都市計画審議会において了承されました運用指針におきまして、地域整備方針に即した民間開発を促すための庁内横断組織を設けることといたしました。今後、都市再生特別地区の都市計画決定に向けましては、この中で事業計画の妥当性について判断することとしておりますほか、あわせて景観審議会や都市計画審議会にお諮りをしながら、周辺環境との調和や本市固有の都市景観に配慮した事業計画となるように誘導していくこととしております。事業者から具体的な事業計画の提案があった際には、歴史的まちなみや豊かな自然環境を保全しながら開発を進めてきた本市のまちづくりの規範である保全と開発の調和の考え方を大切にしながら、事業者との協議を重ねてまいりたいと存じます。

-山下議員

 市長は昨日、市政を担う決意を聞かれ、「歴史と文化を未来につないでいく」と答弁されました。そうであるなら、やはり市民とともに築いてきたまちづくりの規制をしっかりと守っていくことを強く求めたいと思います。

 市民からは、旧都ホテル跡地は高層マンション中心の建物が建設され投資物件になるだけではないかと懸念の声が寄せられてます。首都圏を中心に超高層マンションの建設を伴う再開発が進むなかで、投機目的での住宅取得や転売によって住宅価格高騰が引き起こされています。いまや地方都市も例外ではありません。市民の居住環境や地域の持続性を守るためにも、居住目的でない住宅投資や転売目的の取引防止など、不動産投機に対する指針や規制が必要だと考えますが、見解を伺います。

-村山市長

 マンション取引に対する制限につきましては、開発事業者やマンション購入者の権利などを踏まえた慎重な対応が必要であると考えております。今のところ市として指針等を定める予定はありませんけれども、居住実態のない住戸の増加による住環境の悪化、また施設の管理・運営に支障が生じることなどの懸念から、首都圏の一部の自治体において開発事業者等に対して複数物件の購入禁止、また一定期間の転売制限などについて要請しているということは承知をしております。今後、他の自治体の動向を注視していきたいと思います。

-山下議員

 本来再開発は、公共の福祉に資するべきでありますので、開発事業者の利益追求の手段とならないよう求めたいと思います。

 老朽化した建物の更新やにぎわいの創出、地域活性化を望む声は、都心軸周辺に限らず市内各地に存在しています。金沢市全体の面積のうち、わずか0.13%にあたる59haのこの区域に対し、巨額な予算が集中することに市民的理解が得られるのでしょうか。

 過去、都心軸エリアにおける14の市街地再開発事業では、総事業費1,771億円、補助金は451億円にものぼります。都市再生緊急整備地域における民間開発事業に対する補助金の投入や税控除措置は、市財政へ極めて大きく影響することが予想されます。今後、市民福祉や医療、教育、防災などの基礎的予算が圧迫される懸念は拭えません。持続可能な財政運営と市民生活の安定をいかに両立させるのか、具体的な見解を求めます。

-村山市長

 今回、駅東都心軸として指定をされたこの地区については、金沢のまちの玄関口でもあり、そして何よりまちなかの賑わいを創出する大切な区域だというようにとらえております。この都市再生緊急整備地域の開発を促進していくため、今回、一定規模以上の再整備にかかる解体等に対する助成など、様々な支援措置を講じることといたしましたが、こうした大規模な開発には一定の期間を要するという中で、必要となる経費は事前の審査等である程度把握できるものであります。他の施策に大きな影響を及ぼすことのないよう、毎年度の予算編成の中で対応してまいります。

-山下議員

 大型再開発を優先するあまり、市民の福祉予算が削られるよということがあってはなりません。市民の暮らしを守るという自治体本来の役割を踏まえ、再整備のあり方を再考すべきと求めて、次の質問にうつります。

 子どもの権利を保障する施策の充実について伺います。

 長期休み明けは、子どもの自殺が増加する傾向にあるといわれています。8月20日、夏休み明けを控えた子どもや保護者に向けて、文部科学大臣が~不安や悩みがあったら話してみよう~とメッセージを公表しました。教育長も2学期の開始にあたって、児童生徒・保護者・教職員それぞれに向けてメッセージを発信されています。このタイミングでメッセージを発信した背景と目的についてお聞かせください。

-野口教育長

 長期休業明けは、対人関係の再構築や、学校生活への適応、また学業に対する悩みなど、こどもたちが不安や負担に感じる要因が様々に重なり合う時期であります。また全国的にも、不登校児童生徒数が増加する傾向にありますし、今ほど議員がお触れになられましたように自殺者の数も増加する傾向にあります。こうしたことから、2学期の始業にあたりまして、児童生徒、保護者、教職員に対してメッセージを発信いたしました。

-山下議員

 児童生徒、保護者、教職員それぞれの実情と照らしたとき、そのメッセージがどのように受け止められているかということも考えます。「ひとりで悩まず、先生や家族、友だちに話してみてください」という呼びかけが安心につながったという声がある一方で、「自分の思いを言葉にすることが難しく、話しを聞くよと言われることさえ苦しい」という声や、教員からは学校現場は多忙を極め、「自分らしさを大切にしたいけど難しい」との声も聞かれました。すでに学校を休みがちだった生徒は「やっぱり学校ありきで逃げ場がない」と話していました。

 メッセージでは、子どもたちが安全・安心な学校生活を送ることができるよう全力を尽くすと述べていますが、児童生徒、教職員双方に対する心のケアや支援について、どのような取り組みを行っているのか伺います。

-野口教育長

 各学校におきましては、日々の様子や端末を活用した心の健康観察を通じて、ひとりひとりの状況把握に努めております。体調や表情の変化、遅刻・欠席等で気になる児童生徒がいないか、注意深く観察をして、必要に応じてスクールカウンセラーなどによるカウンセリングに繋げております。加えまして、小学校4年生、小学校6年生、中学校1年生、中学校2年生を対象に、毎年2回のWEBQUアンケートを実施し、児童生徒の状態を多角的に把握することで、学級内の良好な人間関係の構築に繋げております。また学校教育は教職員と児童生徒との人格的な触れ合いを通じて行われるものであり、教職員のメンタルヘルスは極めて重要であると捉えています。そのため毎年ストレスチェックを確実に実施して、その状況把握に努め、必要に応じてカウンセリングに繋げております。そうしたほか、校内の業務分担を見直すなどの対応も行っております。

-山下議員

 また今回のメッセージがどのように届いて受け止められているかということも、ぜひ今後見ていっていただきたいと思います。

 次に性教育の充実についてお聞きします。

 2023年の12月議会でも、性教育について取り上げ、子どもたちが人間らしく健康で幸せに生きていくための力を育む性教育の必要性を求めました。

 近年、教職員による児童生徒への性加害・性暴力の報道が続いています。子どもの人権が踏みにじられる、決して許されない行為です。今回の性加害事件を受けて、文科省は7月1日に「児童生徒性暴力等の防止等に関する教師の服務規律の確保の徹底について」通知を出しました。

 金沢市においても、子どもたちの安心・安全な教育環境の確保は喫緊の課題だと考えます。そこで金沢市では、どのような対策をとっていくのかお聞かせください。

-野口教育長

 今般の国からの通知を受けて、各学校には性暴力等を未然に防ぐ観点から、児童生徒と教師が2人だけになるということを回避することや、更衣室等の定期的な点検を行うこと等の措置に加え、改めて児童生徒への性暴力を防止するための校内研修を実施するように通知したところでございます。本市におきましては、この通知の内容に加え、性暴力等を含めた服務規律の徹底について、今後も校長会議や学校訪問等を通して指導するとともに、不祥事防止に向けての校内研修の実施や安全な学習環境の整備について、各学校に周知してまいります。

-山下議員

 ぜひ適切な教育環境の整備をお願いしたいと思います。そしてまた、子どもたちが安心して相談できる専門的な知識を持った相談体制の強化もあわせて求めておきます。

 性加害事件を受けて、一般社団法人 人間と性教育研究協議会が8月21日、「子どもたちに性暴力のない安心・安全な教育環境を確保するために」と題する声明文を発表しました。声明では、おとなや教職員自身が、性を人権として学ぶ機会を保障されないままいることや、インターネットを中心に氾濫する性差別的・暴力的な歪んだ性情報が子どもへの性暴力を招いていることを指摘しています。あわせて、子どもたちの人権を守るためには、包括的性教育を学ぶ機会を保障することを強く求めています。そこでお聞きします。現在、教職員に対する性教育研修は、どのような内容が実施されているのでしょうか。また、包括的性教育について研修に組み込む検討をされているのか伺います。

-野口教育長

 これまでも人権教育の一環として、多様な性のあり方の尊重などについて研修を実施しております。仰せの包括的性教育は、身体の発達にとどまらず、人間関係や自己肯定感、またジェンダー平等や性の多様性など、性を巡る幅広いテーマを含んでおりますことから、引き続き教職員研修において重要な課題として取り組んでまいります。

-山下議員

 加害者臨床で、性犯罪加害者の治療や再犯防止プログラムに携わってきた斉藤章佳氏は、「最初の加害をおこさせないためには、アプローチの一つとして包括的性教育が重要だ」と語っています。加害者自身も、性的同意や性的自己決定権など「親や学校からも教わらなかった」「もしちゃんと学んでいたら事件を起こさなかったかもしれない。もっと早く知りたかった」と語っています。

 日本では、性に関する教育が体や生殖の仕組み中心であり、学習指導要領には「はどめ規定」があることで、受精に至る過程や妊娠の経過を取り扱わないとしています。しかし、子どもたちを被害者にも加害者にもせず守るためには、人権を軸とした人間関係や性の多様性、ジェンダー平等など、より広い内容を学ぶ国際標準の包括的性教育の学びが不可欠だと考えます。

 包括的性教育の内容を市独自に教育課程へ反映させる考えはあるか伺います。

-野口教育長

 本市におきましては、健康教育推進プラン2024に基づき、包括的性教育を教育課程に反映し、性に関する不安や悩みへの対処の仕方や、性被害の防止や対処などについて理解を深められるように、健康教育全体計画を作成して、性に関する指導の充実を図っております。加えて毎年、性の問題について教職員や保護者への啓発、または児童生徒への保健教育の充実を目的に、助産師などの専門家を派遣いたしております。引き続き発達段階に応じて包括的性教育の内容を学ぶことができるように、性に関する指導の充実を図ってまいります。

-山下議員

 ぜひ、子どもの人権を守るという視点で、この性教育に取り組んでいただきたいと思います。

 次に、従来の健康保険証の発行終了とマイナ保険証について伺います。

 政府は今年12月2日以降、従来の健康保険証の利用を停止して、いわゆるマイナ保険証への一本化を決めています。しかし現状は、マイナ保険証の利用率は伸びず、次々と例外措置が設けられています。その結果、医療機関で使用される証明書が、顔認証付きカード、資格確認書、スマートフォン提示、マイナポータルのPDFなど、現在少なくとも9種類に及ぶという異常な事態です。

 厚労省は、2026年3月末までは有効期限の切れた保険証や資格情報のお知らせのみでも受診できると通知しました。しかし、周知が十分とは言えず、有効期限が切れたので受診できないのではないか、どの証明書を見せればいいのかなど、誤解や不安が生じ、受診をためらう事例も報告されています。そこで、金沢市は国保加入者に対して、どのように厚労省の通知を周知しているのか明らかにしてください。

-南市民局長

 マイナ保険証の移行に向けましては、納入通知書等を送付する際に制度改正をお知らせするチラシを同封するほか、新聞広報や市のホームページ、公式LINEなどを通じて広く市民への周知を図ってきたところでございます。期限切れの保険証や資格情報のお知らせのみによる受診につきましては、国は制度移行期における暫定的な対応であり、医療機関等を受診する際はあくまでマイナ保険証または資格確認書の提示が基本であるとしておりますことから、市として積極的な周知までは行っておりません。

-山下議員

 厚労省は、マイナ保険証を持っていてもその利用が困難な方には、申請によって資格確認書を発行するとしています。申請すれば交付されるということですが、対象者の範囲が不明瞭であるとの指摘もあります。丁寧な周知と対応が必要だと考えますが、市としてどのように市民に情報提供を行い、相談や申請に対応しているのか伺います。

-南市民局長

 要介護などでマイナンバーカードでの受診が困難な方がいらっしゃいます。そんな方にはマイナ保険証を所有していても申請により資格確認書を交付しておりまして、介護サービスの事業所や障害福祉サービスの事業所などに対しては申請手続等の案内を行い、周知をしてきたところでございます。また、市民や施設関係者からの相談や申請に対しては、市独自のマイナ保険証コールセンターを設置するなど、丁寧な対応を行っているところでございます。

-山下議員

 制度の複雑化により、医療機関では窓口対応が煩雑となり、実務・費用面での負担が増加しています。9月19日から一部の医療機関や薬局で、スマートフォンによる保険証提示を開始するとしていますが、事前の実証事業では利用者が1%未満にとどまり、さらなる現場の混乱が懸念されます。医療へのアクセスの公平性を損なう制度はただちに中止するべきだと考えます。金沢市として、従来の保険証の復活を国に強く求めるべきではないですか。見解を伺います。

-村山市長

 マイナ保険証を利用することによって、診療時に過去の健診結果、また薬剤情報も共有できます。適切な医療に繋がるという市民の利便性が高まることから、国に従来の保険証を復活するよう求めることは考えておりません。

-山下議員

 この制度の複雑化によって、受診できるかどうかが個人の理解力や医療機関の設備に左右される現状は、平等に保障されるべき受療権を侵害していると言えます。金沢市として、医療機関への支援や、市民への丁寧な説明と相談体制の強化も合わせて求めたいと思います。

 次に自動車運転免許証自主返納についてうかがいます。

 近年、高齢ドライバーによる交通事故が社会問題として注目されています。大きな事故につながる前に免許証を返納したいけれど、病院や買い物などに移動手段がなくなる不安と不便さで悩む高齢者やその家族から相談が寄せられています。

 金沢市は全国の傾向と同様に、75歳以上の免許証保有者数は年々増加している中で、自主返納者数は年間800人余りと横ばいです。自主返納者支援制度の新規利用者は5年前と比較して2倍となっていますが、新規自主返納者の約4割にとどまっています。自主返納者数と支援制度の利用者数が伸びない状況を、どのように分析しているのかうかがいます。

-村角都市政策局長

 75歳以上の高齢者の運転免許証の自主返納者数については、コロナ禍では一旦減少したものの、その後再び増加傾向に転じているところでございます。高齢者運転免許証自主返納支援制度の利用者数につきましても、コロナ禍を経て再び増加に転じることに加えまして、新規の申請者数も年々増加してきておりますことから、さらなる制度の周知に努めていきたいと考えております。

-山下議員

 新規の支援制度の利用者が増加しないひとつに、自主返納する年齢と支援制度の対象年齢に開きがあることが要因ではないかと考えます。警視庁の発表によると、2024年の運転免許証申請取消件数は全国で42万件を超え、うち75歳以上が約26万件、75歳未満も約16万件にのぼります。この件数からみても、高齢者の自主返納とあわせた移動支援の必要性は75歳以上に限らず、75歳未満にも広く存在していると言えるのではないでしょうか。

 金沢市の支援制度の対象年齢を現行の75歳以上から引き下げ、より多くの高齢者が安心して免許証を自主返納できる環境を整えるべきだと考えますがいかがですか。

-村山市長

 運転免許証の更新時や交通違反時には、認知機能検査が義務付けられている、これの年齢が75歳以上となっております。それをもとに本制度も同様の対象年齢としているものでありまして、対象年齢の引き下げは考えておりません。

-山下議員

 小松市では、支援制度の対象を原則65歳以上としており、65歳未満であっても障害のある方や病気等の心身の事情により自主返納された方も対象にしています。実際に運転ができなくなった事情を抱えた市民のニーズにかなった要件だと考えます。

 金沢市においても対象年齢の拡充はもちろん、こうした心身の事情による自主返納者も対象となるよう拡充を求めますが、見解を伺います。

-村山市長

 現行のこの支援制度ですけれども、あくまで75歳以上の高齢者の運転免許証自主返納を支援するということを目的としたものでありまして、対象者の拡大は考えてはおりません。

-山下議員

 金沢市の免許証自主返納の支援策である「高齢者公共交通乗車券購入助成制度」は、バス・鉄道の定期券、回数券等の購入助成となっています。自主返納した高齢者からは、バス停や駅が遠く、移動手段としてタクシーを利用したいという声も多く寄せられています。こうしたニーズに応えるためにも、支援内容にタクシー利用を加える検討を求めますが、いかがですか。

-村山市長

 この制度についてですけれども、免許証返納後の高齢者の日常生活における移動を支援するということだけではなく、バスや鉄道を利用した買い物などの継続的な外出機会を創出することで健康増進を図ることも目的としております。その効果がタクシー利用については限定的となりますので、タクシー利用への助成については考えておりません。

-山下議員

 ぜひ実態をみて、対象の拡充を今後検討していただきたいというふうに思います。公共交通の利便性向上や、コミュニティバスの充実、徒歩や自転車で移動しやすいインフラ整備ということも、こういう交通弱者を支える環境整備としては必要だと思います。このことも引き続き求めていきたいと思います。

 最後は、戦後80年、金沢市平和都市宣言40周年の節目にあたり、金沢市として平和の尊さをどのように次世代に継承していくのかという点で、数点伺います。

 金沢市は、広島市および金沢市遺族連合会と共に、8月7日から15日まで「ヒロシマ原爆・平和展」を開催しました。展示では、被爆に関する資料のほか、金沢と広島に住むお二人による被爆体験の講話も行われました。市民のみなさんとともに、戦争や核兵器の恐ろしさ、悲惨さを知り、平和や命の大切さについて考える貴重な機会になったと捉えています。そこで、この企画展を通じて、市としてどのような役割を果たせたと考えているかお聞かせください。

-村山市長

 この期間中ですけれども、延べ約2,500名の方々にご来場いただきました。新たに実施したVRゴーグルによる原爆被害等の疑似体験、私もさせていただきました。また被爆体験講話や体験談の朗読会などによって、原爆による悲惨な状況、また命の尊さを伝えることができたというように考えております。今回のヒロシマ原爆・平和展の開催を通じまして、改めて平和の尊さ、戦争の悲惨さを後世に伝えなければいけないということの思いを強くしたところであります。

-山下議員

 今後も同様の平和事業を継続・発展させていく考えがあるのかもお聞かせください。

-村山市長

 ヒロシマ原爆・平和展につきましては、共催となります広島市の意向を確認する必要はありますけれども、こうした周年記念事業として今後も継続していきたいと考えております。なお、毎年夏に開催しております「ヒロシマ・ナガサキ原爆と人間」ポスター展につきましては、明年度以降も継続して実施していく予定であります。今後展示物の更新や関連図書の設置などについて検討してまいりたいと存じます。

-山下議員

 戦争の記録や記憶を次世代に継承するうえで、やはり被害だけではなく加害の歴史を伝えることも重要だと考えます。7月末に石川県庁で開催された旧陸軍731部隊のパネル展を見てきました。731部隊は、非人道的な人体実験を含む重大な加害の歴史を持ちます。部隊と関わりのあるここ金沢でも、この歴史に向き合う責任があるというふうに考えます。

 近年、一部では歴史を歪めるような言説が広がっていますが、戦争における加害の責任を曖昧にすることはできません。過去の過ちを繰り返さないためにも、過去の事実を学び、平和の尊さについて考える機会をつくることは、自治体の重要な役割だと考えます。市民団体と連携して資料の展示や学習の場を設けるなど、戦争加害の歴史に向き合う取り組みを進めるべきだと考えますが、見解をうかがいます。

-村山市長

 本市は今から40年前に平和都市宣言を行いました。この中では世界の人々と友好関係を深める中で、恒久平和に貢献をしていくことを宣言したものであります。この宣言に基づきまして引き続き平和の尊さと戦争の悲惨さを伝える取り組みに重点を置いて、周知・啓発を行っていきたいと考えております。

-山下議員

 友好関係を深めるためにも、やはり過去の歴史に向き合う、そして私たちの加害の歴史に向き合うということは大変重要だと思います。改めて検討を求めたいと思います。

 質問の最後は、核兵器廃絶についてです。

 ヒロシマ原爆・平和展での市長の挨拶で、核兵器について一言も触れられなかったことは、たいへん残念でなりません。金沢市の平和都市宣言は、世界の恒久平和と核兵器の全面禁止・廃絶の実現に向けて不断の努力をしていくことを宣言しています。核兵器廃絶に対して、市長として明確な姿勢を示すことが求められていると考えます。

 金沢市は、核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現を目指す平和首長会議に2009年から加盟しています。現在、世界166カ国、8,516都市、日本では1,740都市がこの理念を共有しています。今年8月9日、長崎市で開かれた第13回国内加盟都市会議では、日本政府に対し、核兵器禁止条約への署名・批准と、来年の第1回核兵器禁止条約再検討会議へのオブザーバー参加を強く求める文書が採択されています。

 加盟都市である金沢市も同様に、国に対して同様の働きかけを行うことを求めますが、市長の見解を伺います。

-村山市長

 核兵器禁止条約への署名・批准等の国への要請につきまして、本市も加盟する平和首長会議の国内加盟都市会議としてこの要請を行ってまいりました。改めて市として直接要請する考えはありません。

-山下議員

 2017年に国連総会で採択され、2021年1月に発効した核兵器の全面禁止・廃絶に向けた核兵器禁止条約に、唯一の戦争被爆国である日本はいまだ署名・批准していません。ですので、やはりこの平和首長会議に加盟をしている市長としても、この平和都市宣言をしている金沢市からも、明確な姿勢を示すことが必要だというふうに思います。改めてその必要性を求めて、私のすべての質問を終わります。

-森尾議員

 私は、日本共産党市議員団のトップバッターとして、質問いたします。

 最初の質問は、消費税減税実施を求める市民の願いについてです。去る7日、石破首相が辞意を表明しました。自民党政治そのものが行き詰まり、退陣に追い込まれたものです。今、物価高騰からどのように暮らしを守るかが問われています。先の参議院選挙で国民は、自民、公明の与党を過半数割れとの審判を下しました。物価高騰対策では、野党はこぞって消費税減税を公約に掲げました。その実現が求められています。市長は、参議院選挙で示された消費税減税実施を求める市民の願いをどのように受け止められていますか。伺います。

-村山市長

 物価高騰、またこれに伴う実質賃金の減少が続くという中にあって、これまで以上に消費税の負担感が増しているということ、これが減税を求める声に繋がっているものと思っております。 

-森尾議員

 この参議院選挙を通じて、外国人や外国にルーツに持つ人を敵視する論調である排外主義をめぐって、危惧する意見や危機感を表明する声が広がっています。国民生活の困難な事態と政治の閉そく感が背景にあるとの指摘があります。主婦連合会の河村会長は「政府が国民の不安を解消し、暮らしを支える施策を強く打ち出さないと、困窮する人があふれてしまう」と危機感を訴え、「生活必需品の消費税率を下げることは一つの方法」との見解を表明しています。市長。消費税減税実施を国に求める考えはありませんか。見解を伺います。

-村山市長

 少子高齢化が急速に伸展してきているという現状におきましては、消費税は社会保障制度を維持・継続させるために必要不可欠な財源であると捉えております。消費税をはじめとした税の体系については、国民の負担軽減という観点だけでなく、景気への影響や世代間の公平性など、様々な観点から国が責任を持って判断すべきものと考えておりまして、市として消費税の減税を国に求める考えはありません。

-森尾議員

 質問の第2に、市民のいのちとくらしを守る緊急対策についてです。国民の怒りと悲鳴を表すデータが明らかにされました。家計の支出に占める食費の割合である「エンゲル係数」が全国の37都市で最高の値となったということです。全国47都市の比較を見ると、金沢市は高い方から19番目に位置しています。9月の食料品の値上げが1422品目。今年の値上げは、累計で2万品目の大台を超えるとのことです。物価高騰が市民生活を直撃しています。市長は、こうした事態をどのように受けとめますか。市民生活の現状についての見解を伺います。

-村山市長

 実質賃金の減少が長期化しているということ、これが市民生活の安定、地域経済の成長の足枷となっていると捉えています。加えて、米の価格をはじめとして食料費の高騰が家計の状況を示す指標にも表れてきていると認識しております。さらに米国の関税措置の影響により、景気が下振れするリスクがあり、企業や市民の不安が広がっておりますことから、いち早く賃金の上昇が物価上昇を上回るという賃金と物価の好循環を実現させ、これを定着させることが肝要と考えています。

-森尾議員

 災害級の猛暑が続き、熱中症による救急搬送が急増しています。金沢市消防局にお聞きします。熱中症による救急搬送の人数、屋外・屋内別、65歳以上の方の割合について明らかにしていただきたいと思います。

-油消防局長

 お答えいたします。本年8月末までの熱中症による救急搬送人員は271人で、過去最多をすでに更新しております。発生場所は屋外が165人、屋内が106人で、年齢別では65歳以上の方が最も多く164人で、全搬送人員の61%を占めております。

-森尾議員

 屋内から熱中症による救急搬送のうち、エアコンの使用状況と、エアコンが設置されていても使用していない状況をお聞きします。

-油消防局長

 屋内で発生した救急現場106件のうち、エアコンの使用状況につきましては、未設置が34件で、設置されていた72件のうち、使用されていない事案は47件となっております。

-森尾議員

 市長に伺います。エアコンが設置されていない状況が約3割いらっしゃいます。エアコンが設置されていても、使用していない方が実に65%にものぼります。どのように受け止めておられますか。伺います。

-村山市長

 こうして猛暑が続く中、熱中症警戒アラートもずっと出たままという日が長く続きました。ぜひ適切に設置いただき、また設置をいただいた場合には適切に利用していただきたいというように思います。

-森尾議員

 東京都は、急遽8月末からエアコン設置に対する支援策を打ち出しました。設置する際に8万円の助成をするとしました。しかし一方、低所得者への対策はさらなる改善が必要だという指摘があります。一方、金沢市としてはエアコン設置への支援策はありません。市長、支援を行う考えはありませんか。

-村山市長

 自治体に応じて様々な施策があるというように捉えております。高齢者世帯等へのエアコン設置の補助につきましては、効果的な支援のあり方や、市民の間での公平性などを考慮する必要がありますので、現時点では考えておりません。ただ、東京都を含め助成を行っている自治体があるということは承知をしております。他都市の動向は注視してまいりたいと考えております。

-森尾議員

 電気料金への支援策として、水道料金基本料金を減免する対策が実施されています。県内でも、輪島市に続き、加賀市、珠洲市が打ち出しました。金沢市での実施を求めますが、市長の見解を伺います。

-村山市長

 水道料金についての質問でよろしいでしょうか。電気・ガスやガソリンなどの全国民の生活に影響のあるエネルギー価格の引き上げ対策を国が行っておりますので、本市ではこれまでも物価高騰の影響を特に強く受ける低所得世帯や、地域経済を担う中小企業等に対し重点的に対策を講じてまいりました。財源に限りがある中で、水道料金の基本料無償化など、多額の財政需要が見込まれる全市民を対象とした支援策は実施することが難しいと捉えています。

-森尾議員

 次に、医療機関と介護事業所に対する支援策について伺います。いずれも、存続・継続の危機を迎えています。去る5月23日、中核市市長会が医療機関の赤字による存続危機に対して、診療報酬の見直しなどを求める提言を発表しました。市長は、この提言内容を国に働きかけると共に、金沢市として医療機関への支援を行う考えはないか。伺います。

-村山市長

 物価高騰、そして賃上げの社会経済情勢もあいまって、厳しい経営状況に直面しているという医療機関に対して、緊急に十分な財政支援を講じること、また弾力的に診療報酬を改定すること、こういったことを中核市市長会に加えて全国市長会からも国へ要望したところでありますので、国の動向を注視していきたいと思います。なお、医療提供体制の確保については、地域の実情に応じて県が担うということになっております。本市として医療機関に支援することは考えておりません。

-森尾議員

 共同通信が行った全国の知事と市長村長へのアンケートによると、介護保険持続に97%が危機感を表明しています。理由は、現場の人手不足と物価高騰などによる経費の増加を挙げています。介護事業をめぐるこうした事態について、市長はどのように受け止めておられますか。伺います。

-村山市長

 多くの自治体が介護保険制度の持続に危機感を持っていると回答したこと、これは承知をしております。介護保険制度については国が統一的に運用しておりますことから、全国市長会が3年に1度の報酬改定を待たずに臨時改定を行うように国に要望しております。本市としてはその動向を注視しているところであります。なお、人手不足への対応ということにつきましては、今年度から奨学金返還支援制度を創設するなど、これまでも様々な人材定着策を講じているところであります。

-森尾議員

 介護事業所に対する実態調査を行い、現場の要望に応えた支援策を求めたいと思います。市長の見解を伺います。

-村山市長

 本市では現在、介護事業者に対して介護労働実態調査を実施しています。この中で職員の雇用や定着に関すること、また介護報酬も含めた運営上の課題などを調査しております。この調査結果を踏まえて、必要な支援策を検討していきたいと存じます。なお、物価高騰による経費の増加など、運営に関する費用につきましては、介護報酬などで必要な措置が行われるべきものと考えております。全国市長会を通じて国に要望しているところであります。

-森尾議員

 この質問の最後に、学校給食費無償化の実施について伺います。

 今日の経済状況や子どもたちをめぐる状況などから、学校給食費無償化の早期実施が求められています。市長は国がやるべきことだとして、金沢市での実施を拒否されています。住民の福祉向上を図るのが自治体の役割と考えるなら、直ちに学校給食費無償化の実施が求められると考えます。見解を伺います。

-村山市長

 学校給食の無償化については、自治体間での格差が生じないように、国の指導により全国一律かつ恒久的に実施されることが望ましい、そして恒常的に多額の財源を要しますので、本市独自の給食費無償化は考えておりません。引き続き、検討を進めている国の動向を注視していきたいと存じます。なお、令和4年度から学校給食にかかる保護者負担と給食食材費との差額を全額公費で負担しておりますが、その継続について物価高騰、賃金上昇などといった経済状況を勘案して、明年度の予算編成の中で検討してまいりたいと存じます。

-森尾議員

 県内11の市の中で、学校給食費無償化を実施していないのは野々市市と金沢市であるということを、繰り返し述べてきましたが、改めて指摘をしておきたいと思います。

 質問の第3に、大雨被害と浸水対策について伺います。

 去る8月7日、記録的大雨による被害が発生しました。この9月補正予算にその復旧と支援対策が打ち出されています。そこで、被害状況に応じた支援策の活用を進めるために、罹災証明書が求められます。その発行状況について明らかにしていただきたいと思います。

-川畑総務局長

 罹災証明書と被災証明書を合わせた申請件数は、昨日9月9日時点において356件であります。

-森尾議員

 床上浸水及び床下浸水の発行状況はどうなっていますか。

-川畑総務局長

 床上浸水につきましては今のところ24件になります。床下浸水にありましては、床下浸水以外のものもございますので、数字についてはそれを差し引いた数字になります。

-森尾議員

 浸水被害状況では、床上・床下の浸水被害は約660世帯に及んだとしていますが、罹災証明書の発行は9月3日時点で181件にとどまっています。なぜ少ないのでしょうか。今後の対策について伺います。

-川畑総務局長

 当初、推計から1000件ほどというふうに推計しておりました。現時点では、申請件数につきましては浸水被害推計よりも少ない状況ではありますが、今回補正予算でお諮りしております支援策の本格化等を機に、一定程度増加するものと捉えております。今後につきましては、予算をお認めいただきましたら、市のホームページや新聞広報・SNSなど、今回の支援策を様々な媒体・機会を通じてより一層の周知に努めてまいりたいと考えております。

-森尾議員

 今後の浸水対策について3点伺います。

 第1に、河北潟周辺の浸水被害対策です。河北潟が干拓事業によって、そこに流入する河川の沿線と河北潟周辺に浸水被害がたびたび発生しました。その対策とし、排水機場が設置されました。沿岸部に設置されたのは10ヵ所で、国営が5ヵ所、県営の4ヵ所は金沢市へ移管されています。県営のもう1ヵ所は、地域の土地改良区へ移管されています。河北潟流域部には、金沢市が設置したものが7ヵ所あります。さらに、大野川沿線には、5ヵ所の排水機場があります。こうした排水機場が十分機能を果たしていく上で、今後の対策とリニューアル計画について明らかにしていただきたいと思います。

-紙谷農林水産局長

 今後の対策につきましては、県や河北潟周辺の2市2町の関係部局、土地改良区等によって構成されます河北潟連絡協議会におきまして、被災要因の分析・検証を行うとともに、現在行われている河川工事や排水機場整備なども踏まえ、効率的・効果的な被害軽減策や、冠水・高潮に備えるための中長期的な対策について、協議・検討を進めていくこととしております。

 金沢市域に受益があります河北潟沿岸部の国営排水機場につきましては、現在国が令和13年度までの供用開始に向け整備を進めています。そのうち、八田と潟端南につきましては、昨年度から供用を開始しております。また、木越につきましては、令和8年度の供用開始に向けて施工中でございます。大浦につきましては、早期の着工に向けて関係機関等と調整しているところでございます。その他、大場につきましては、県が令和9年度の供用開始に向けて改修を進めているところでございます。

-森尾議員

 2つに、河川改修と内水対策です。伏見川、金腐川の改修が求められています。県に対して、どのような要望をされていますか。金沢市が管理する柳橋川の改修について合わせ見解を伺います。

-木谷土木局長

 県が管理しております伏見川、金腐川においては、県から新たな改修計画はないが、今回の大雨を受け、状況を確認しながら堆積土砂の撤去を実施する予定と聞いております。本市からも早期対応を強く要望したところであります。また、市が管理する柳橋川については、現時点では改修計画はありませんが、随時状況を確認しながら堆積土砂の撤去作業を行っていくこととしております。

-森尾議員

 内水対策は金沢市の事業となっています。ポンプによる排水対策と雨水貯留槽の設置などが必要となっています。近岡地区、間明地区、大浦地区での対策について明らかにしてください。

-木谷土木局長

 間明地区、大浦地区、近岡地区は、浸水リスクの高い地区として認識しており、浸水対策の重点地区として位置付け、浸水被害の軽減に向けた各種取り組みを実施しているところであります。間明地区や近岡地区においては、仮設ポンプの設置による対策を実施しており、特に浸水被害が頻発する近岡町地内で、今年度大型のポンプ場整備に向け、下水道計画の変更に着手しております。また、雨水貯留施設については、当該3地区とも、今年度整備を進めており、間明地区2丁目の施設は今年度末の工事完成、近岡町地内と松寺町地内の施設は令和8年度末の完成を目指しているところです。

-森尾議員

 3つに、線状降水帯についてです。金沢市総合治水対策実施計画には、この線状降水帯に対する対策がありません。早急に検討が求められます。市長からの見解をお願いします。

-村山市長

 気象庁の線状降水帯に関する情報提供については、令和3年6月から運用を開始された比較的新しい情報であります。現在の総合治水対策実施計画には反映されておりませんが、近年各地で線状降水帯による豪雨被害が頻発しておりますことから、今月末開催予定の金沢市総合治水対策推進協議会での意見をお聞きしながら、線状降水帯への対策について計画に反映してまいりたいと考えています。

-森尾議員

 質問の第4は、生活保護減額違法の最高裁判決についてです。

 生活保護減額は違法との最高裁判決が、去る6月27日下されました。2013年から2015年にわたって、生活保護基準の大幅な引き下げが行われました。平均6.5%、最大10%もの生活扶助費が減額され、削減額は670億円にのぼりました。その影響は生活保護受給者のみならず、様々な社会保障の分野に及びました。これに対し、全国で1027人が訴えを起こし、12年間に渡るたたかいが全国で取り組まれてきました。市長は、この最高裁判決について、どのように受け止めておられますか。見解を伺います。

-村山市長

 今回の生活保護基準引き下げ処分の取り消し訴訟にかかる最高裁の判決についてでありますけれども、国から情報提供がありまして承知をしておりますが、大きな判断がなされたというように受け止めております。

-森尾議員

 金沢市では4人の方が訴えを起こした訴訟が、この9月17日、名古屋高裁金沢支部で判決を迎えます。当然、最高裁判決を受けての判断が示されるものと思います。市長は判決を受けただちに謝罪と、減額をさかのぼって支給することを表明する必要があると考えますが、見解を伺います。

-村山市長

 現状では国とともに被告として判決を待っている状況であります。現時点でこのことについてお答えすることは適切ではないと考えます。

-森尾議員

 最高裁判決を受けて今回、名古屋高裁金沢支部で判決が下されると考えています。判決を受けて、直ちに謝罪と、遡っての支給を行うように強く求めておきたいと思います。

 質問の最後に、金沢市中央卸売市場再整備事業について伺います。

 今回打ち出された構想・方針は、水産と青果を一体で現在地建て替えの方針を覆し、水産は現地で、青果は金沢港周辺の県有地に移転するとのことです。これに関わって新保副市長は、議会への説明・答弁の中で、再整備基本計画が打ち出したのは「1.一体型総合市場 2.工期10年以内 3.現地建て替え」、この3つのポイントを堅持していくと繰り返し述べてこられました。今回打ち出された新たな構想・方針は、大きく異なるものです。説明を求めたいと思います。

-新保副市長

 昨年度来、基本計画を踏まえ、市場事業者の皆様とともに様々な選択肢を比較考慮をしていく中で、皆様の要望や意見を調整したうえで、最終的に青果棟を湊3丁目地内の県有地に移転、水産物棟を現在地に整備するという方向性を固めたものであります。比較考慮する中では、この一部移転案が最も工期が短縮され、建設コストの縮減が図れること、またそれぞれの敷地の特性を踏まえ、市場の付加価値をさらに高めていくことができることから、持続可能な市場運営が可能となるものと考えております。また同一会計のもと、一体的に事業を運営していくことに変わりはなく、引き続き本市と市場事業者の皆様が一体となって、事業を進めていくこととしております。私自身も足を運び、検討を進めてまいりましたが、工期やコストなどでなかなか調整が難しく、工期・コストともに市場の将来性を勘案する中で市場事業者の皆様との調整が最終的に整ったのが青果棟の移転案だった、そういうことでございます。

-森尾議員

 市長に伺います。先の6月議会の私の質問に対し、答弁拒否を繰り返しました。そして、今回突然の表明ということになりました。令和5年1月、基本計画を取りまとめました。その基本は先に述べた3つのポイントにありました。これを変更するなら、それなりの理由が必要だと、こう私は質問の中で述べました。議会と市民への情報開示と審議、市場関係者の理解と合意づくりが十分とは言えませんでした。市長は、今回打ち出された方針によって、皆さんが喜び活気ある市場を作り上げることができると、こう考えていらっしゃるんですか。伺います。

-村山市長

 今ほど新保副市長から答弁がございましたとおり、転換してきた理由ということ、これは基本計画に基づいて検討を進めてきましたが、工期・コストなどの調整が難しく、その工期やコスト、市場の将来性も含めて勘案する中で、市場事業者の皆様との調整が最終的に整ったのが青果棟の移転案であったということであります。6月議会の中では、一部機能の移転を含めて検討しているという旨、答弁をいたしましたが、基本計画に基づいて検討してきた様々な選択肢の中に、一部機能の移転案、仮設案も含めて検討してきたものであります。

-森尾議員

 以下4点について、具体的に伺います。

 水産は現地で建て替え、青果は金沢港周辺の県有地に移転するという新たな構想・方針を打ち出しました。そこで、今後の課題と方針についてどう考えるか。第1に、水産と青果が分離するということになります。中央卸売市場として機能していくのか。伺います。

-村山市長

 青果部と水産物部がともに金沢の豊かな食と文化を支え北陸のハブ拠点となるとともに、環境負荷の小さい船舶・鉄道での輸送も視野に入れて、国内外の産地から豊富な生鮮食料品が集まる、魅力ある市場を目指していきたいと考えております。加えまして、それぞれの敷地の特性を踏まえて、市場機能の充実に資する加工等の施設や、賑わいを創出する施設などを誘致するということで、市場の付加価値をさらに高めていくなど、持続可能な市場運営につなげていきたいと考えております。また、青果棟が移転したとしても、同一会計のもとで一体的に事業を運営していくことには変わりはありません。引き続き本市と市場関係者が一体となって、販路開拓や魅力発信などの取り組みについても推進してまいります。

-森尾議員

 令和5年1月に打ち出された基本方針の中では、「金沢の豊かな食と文化を支え北陸のハブ拠点となる。一体型総合市場を目指す」と書いてあるんです。指摘しておきます。

 第2に、青果は金沢港周辺の県有地に移転するとのことですが、この用地は工業用地です。海風が強く、周辺は浸水被害地域です。鳥などによる被害が予想されるなど、果たして適地なんでしょうか。見解を伺います。

-村山市長

 この県有地については、移転用地として施設整備に必要な面積を有しておりまして、交通アクセス面も優れています。また、現市場からも近距離にあり、早期に取得が見込めるなど、湊3丁目地内の県有地は青果棟移転整備する適地だと考えております。他方で、当該用地については現在、工業専用地域であります。賑わいの創出、飲食店などの設置が可能となるように、港湾法に基づく分区制度の活用について検討・協議を進めていきたいと考えています。なお、ご懸念の海風や浸水等への対応についてでありますが、今後、ハザードマップや近隣の状況等を確認したうえで、必要な対策を講じてまいりたいと存じます。

-森尾議員

第3に、水産は現地で建て替えるとのことです。そうしますと、青果が予定していた区域の利用計画というのはあるのでしょうか。伺います。

-村山市長

 青果棟を移転整備することによって、現市場敷地の有効活用が可能となりますので、市場の付加価値を高める活用を検討したいと考えております。今後検討を深めていくことになりますけれども、市場関係者の加工等の施設、あるいは金沢の食を体験できる飲食や物販の賑わい施設などが想定されるというように思います。

-森尾議員

市長、こんな声があります。「用地の一部を売却して、必要な費用に充てるんじゃないか。」否定されますか。

-新保副市長

 特に現状、そういうことは考えておりません。

-森尾議員

第4に、重要な問題であります、現在の使用料金の問題です。これは新しく整備された市場でも、現行の使用料は維持されますか。伺います。

-村山市長

 市場再整備後の使用料については、建設資材や人件費の高騰が続く中で、コールドチェーンなどの品質管理の高度化に向けた施設機能の充実などによって、整備費の増加が見込まれますことから、基本的には現行使用料より増額となることが想定されます。今後基本設計を進める中で、市場事業者と連携し、必要な市場機能を確保しながら、規模の最適化や施設の簡素化等による整備費の縮減など、使用料の負担軽減に向けた方策を検討したいと考えています。

-森尾議員

 市長、この使用料の問題を巡って、市場関係者としての話し合いを含めて約束されたんじゃないですか。どんな内容で約束されたのか、伺います。

-村山市長

 先般7月31日、馳知事の方にこの県有地の取得について要望を行いました。その同じ日に、市場関係者との間で意見交換を行い、要望も提出されたところであります。これまで使用料について、前回の要望の中でもここに触れていただいておりましたけれども、使用料を増額するということは否定をされておりません。ただその増額の率についてということで否定があった、そこ(使用料負担の軽減を図ること)についてはその目標に近づいていけるように努力をしていきたいと思います。

-森尾議員

 質問の最後に、本来公共事業というのは、基本計画、基本設計、実施設計と進み、建設事業費の予算化を経て工事へと進められる、これが公共事業の進め方だというふうに理解しています。したがって、この再整備事業について今一度、基本計画に立ち戻り、構想・計画をやり直すべきではありませんか。もちろん、市場関係者の理解と合意づくりが必要だと考えます。改めて、この再整備事業について、基本に立ち戻って事を進めるという点についての見解を伺っておきたいと思います。

-村山市長

 現在、青果棟を湊3丁目地内の県有地に移転、水産物棟を現在地に整備する方向で、基本設計の作成作業を進めておりまして、基本計画をやり直すことは考えておりません。基本設計や中長期経営戦略の作業を進める中で、並行して基本計画の検証作業を行うということ、これは今年の3月の議会でもお認めいただいた内容と承知しております。来年2月の基本設計の策定までに、検証結果も報告したいと考えています。

-森尾議員

 基本計画を立てたにも関わらず大幅な変更をすると。一方、基本設計もままならず、途上だと。両方をいっぺんに進めるんだということでは、公共事業の進め方の基本を自ら覆すことになるんです。基本計画を見直し、そして必要な基本設計へと進めることを改めて求めて、質問を終わります。

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私は日本共産党市議員団を代表して、議会議案第6号「持続可能な高額療養費制度になるようさらなる議論を求める意見書」に対し、反対の立場から討論を行います。

高額療養費制度は、がんや難病など長期にわたる治療や高額な医療費が必要となる患者やその家族にとって、安心して治療や療養を受けるための、まさに命綱とも言える重要な制度です。

政府は、今年8月から2027年にかけて、この制度の自己負担限度額を段階的に引き上げる方針を示していました。しかし、がん患者や難病患者、医療関係者から、引き上げに対する強い懸念と怒りの声があがり、世論の大きな反対のうねりを受けて、石破首相は3月7日に8月の引き上げ方針を見送ると表明しました。

しかしながら、政府が掲げる「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋」には、2028年度までに高額療養費制度の自己負担限度額の見直しが盛り込まれたままです。石破首相も「秋までに改めて検討する」「引き上げないとは断言しない」と述べており、負担増が完全に撤回されたわけではありません。

全国がん患者団体連合会が実施したアンケートには「今の状況でも収入が減り、生活が厳しく引き上げはとんでもない」と多くの声が寄せられました。金沢市だけをみても、2023年度に国民健康保険で8万4721件もの高額療養費制度の利用があり、この制度が多くの市民の生活を支えていることは明らかです。負担上限額の引き上げが実施されれば、その影響は計り知れません。むしろ患者や国民が求めているのは、今でさえ厳しい自己負担額のさらなる軽減です。命と健康を脅かすような制度改定は決して認められません。

財源や予算のあり方の議論も必要です。政府が進めようとした負担増の規模は約100億円ですが、国の新年度予算では1機あたり200億円にもなるF35戦闘機を11機購入するとしています。こうした税金の使い方を見直せば、高額療養費制度を持続させる財源は十分確保できるはずです。

本意見書は、持続可能な制度となるようさらなる議論を求めるとしていますが、「制度見直しの影響を丁寧に検討するなど」と、自己負担限度額の引き上げを否定していません。金沢市議会として、患者にとって命綱とも言える高額療養費制度の自己負担限度額の引き上げは白紙撤回するよう国に強く求めるべきです。よって、本意見書に反対いたします。

 私は、日本共産党市議員団を代表して、議会議案第4号 国民生活を守るために食料品の消費税減税を求める意見書に反対する討論を行います。

 物価高騰に苦しむ国民生活をどのように守るのか。その対策をどのように進めるのか。このことが問われています。

 一回きりの給付ではあらゆる商品、公共料金やサービスに及ぶ物価高騰には焼け石に水となってしまいます。また、消費税減税の対象を食料品に限ったり、その期間を1年や2年とするのではなく、わが党は、全てのものを対象に消費税をすぐに5%に減税し、消費税の廃止をめざすことを提案しています。

 その財源は国債発行にではなく、大企業・富裕層への減税・優遇税制に対し、応分の負担で確保するというものです。

 消費税5%への減税が実施されることによって、平均的勤労者世帯では、年12万円の減税となります。

「食料品だけ0%」にした場合に比べて2倍の減税額となります。

 税率を一律5%にすれば小規模事業者やフリーランスにとって負担となっているインボイス制度を廃止することができます。

 物価高騰に対する対策として最も有効な対策であり、世論調査でも消費税減税・廃止を求める声は、7割を超えています。

 したがって、この意見書が提案する食料品に限らず、すべてのものにかかる消費税を半分に減税し、さらに、消費税廃止をめざすという立場から、この意見書には反対です。

以上で反対討論を終わります。

 私は提出者を代表し、議会議案第3号 核兵器禁止条約に参加し批准することを求める意見書の提案説明を行います。

 『原爆の子』と題する一冊の本があります。広島に原爆が投下され、6年の歳月が経過した中で広島の少年少女の訴えをつづったものです。

 この本は、次のように記載しています。

 「今日原爆の七回忌を迎えるにあたって、私は一瞬にして悲しくも、また痛ましくも、消えて亡くなった24万7千人の霊前に、この手記を献げて、その冥福を祈り、世界の平和へ出発したい」昭和26年8月6日と記載されています。

 今年、被爆80周年です。この間の平和の取り組みは力強く世界に広がり、核兵器禁止条約を作り上げ、世界に発信し続けています。昨年、日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞しました。被爆者の方々の平和への取り組みを高く評価し、激励しました。ノーモア―ヒロシマ、ノーモア―ナガサキ、ノーモア―ウァーとの訴えが世界に広がりました。こうしたもとで、今回、意見書を提案いたしました。

 核兵器は最も非人道的な兵器である。我が国では、1945年8月、広島と長崎への原爆投下によって、21万人を超える人たちが一瞬にして亡くなり、多くの人が、その後も生涯にわたる被爆の苦しみを経験してきた。

 このような非人道的兵器である核兵器を違法とする初めての国際法規として、2021年1月22日に核兵器禁止条約が発効された。核兵器禁止条約は、核兵器の保有のみならず、開発、製造、実験、貯蔵、移転も禁止している。2022年6月に開催された締約国会議には、オブザーバーとしてNATO加盟国も数多く参加し、「核兵器をなくす」という希望に向かって賛同が広がり、2025年5月10日時点で、条約の署名国は94か国に、批准国は73か国となっている。こうした中、ロシアをはじめとした核兵器保有国が核兵器の保有及び使用による威嚇を続ける限り、世界の平和は脅かされており、私たちは今、重大な時代の岐路に立たされている。核兵器禁止条約は核兵器根絶の第一歩であり、多くの国の参加が求められている。また、金沢市は、1985年12月21日に平和都市宣言を決議し、核兵器の全面禁止・廃絶は人類すべての願いであり、われわれはその実現に向けて不断の努力をしていかなければならない。と明記しました。

 日本政府に対し、核兵器禁止条約への署名、批准など条約への参加を求める意見書は、この6月23日現在、718自治体となり、全自治体の4割にのぼっています。

 この意見書は、国におかれては、核兵器禁止条約への署名・批准を行うよう強く要望するものです。

 なお、突然、6月21日アメリカ・トランプ大統領が、イランの核施設3ヵ所を空爆したことを発表しました。これは、国連憲章と国際法に違反する暴挙であり、イランへの攻撃をやめるよう求めるものです。更なる戦火拡大につながりかねません。さらに、核施設への爆撃は、核戦争への道につながるもので絶対に許すことはできません。一刻も早く核兵器廃絶を実現し、核の脅威をなくさなければなりません。そのことを訴え、 この意見書が議員各位の賛同を得て採択されるよう求め提案説明といたします。

私は提出者を代表して、議会議案第2号「医療機関の崩壊危機に対する緊急支援を求める意見書」について、提案理由説明を行います。

いま、物価高騰などの影響を受け、医療機関の経営状況は深刻化し、その多くが崩壊の危機に直面しています。

今年3月、日本病院会など6病院団体が2024年6月の診療報酬改定後の経営状況に関して緊急調査を行ない、日本医師会とともに合同声明を公表しました。

この調査によれば、医業利益が赤字の病院は69%、経常利益が赤字となった病院は61%にのぼり、いずれも前年より大幅に悪化しています。

診療報酬は公定価格ですが、物価高や人件費の上昇が十分に反映されておらず、医療の現場からは「このままでは、ある日突然、病院がなくなる」「地域医療は崩壊寸前だ」との切実な声があがっています。

また5月15日には、全国知事会も厚生労働省に対して、地域の医療提供体制を将来にわたって維持・確保するため社会経済情勢を適切に反映した診療報酬となるよう改定を求める緊急要望を提出しています。

物価上昇率が2.7%に達する中、診療報酬の改定はわずか0.88%にとどまりました。すでに全国各地で、診療科の縮小や入院患者の受け入れ制限、救急医療の縮小・廃止といった事態が広がっています。また、賃金カットやボーナス減額により、医療従事者の大量離職が進行しており、医療現場の人手不足がさらに深刻となっています。この問題に対処するためには、国費5000億円を投入することで診療報酬を実質的に2%引き上げ、他の産業に比べて低水準にとどまっている医療・福祉分野の処遇改善を図ることが求められます。医療機関の危機的な状況は、国民の命に直結する重大な問題です。

この意見書は、崩壊の危機に直面する医療機関を緊急支援するため、国に対し、5000億円の国費を投入し、患者負担を増加させることなく診療報酬の基本部分を引き上げ、医療従事者の処遇改善を図るよう強く求めるものです。議員各位の賛同をお願いし、提案理由説明といたします。

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