トピックス

-山下議員

 質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として、質問いたします。

 最初の質問は、児童福祉施策についてです。毎年私たちは、保育関係者や保護者のみなさんとともに保育料の無償化を市に要望してきました。新年度予算に3歳未満児の第2子の保育料無償が盛り込まれ、要求の前進に喜びもあります。引き続き、保育料の完全無償化を求めていきたいと思います。経済的な負担なく保育所等を利用できることは子育て世帯の願いであり、社会で子育てをしていくという行政の責務でもあります。またあわせて、子どもたちが安心して過ごし、職員が安全に保育できる環境を整えることも行政の責務です。そこで6月議会に引き続き、保育所や認定こども園等の改築・改修費を国が2分の1補助する「就学前教育・保育施設整備交付金」についておたずねします。昨年、国の交付金が第1次申請分で想定の予算に達したため、第2次以降の申請が打ち切られました。本市では9施設が改築・改修を希望し申請を予定していましたが、当初の予定通り補助を受けることができたのでしょうか。今年度2回目以降の申請の結果と、新年度における申請の状況を明らかにしてください。

-安宅こども未来局長

 今年度の保育施設等の整備でございますが、建て替えの3施設と大規模修繕の1施設につきまして補助申請を行い、先般、追加の内示があったことから、最終補正予算に事業費を計上しているところでございます。一方、一部施設の大規模修繕につきましては、着工時期の関係で明年度実施することとし、国へ協議案件の登録を行ったところでございます。

-山下議員

 新年度、申請の状況が変更になったというふうに伺っていますが、改築・改修を予定している保育所等にどのような影響が考えられますか。お聞かせください。

-安宅こども未来局長

 明年度の実施分から申請方法が変更となることから、現段階ではどのような影響が出るかはちょっと不明でございますが、今後施設への直接的な影響が出ないよう、国と協議してまいります。

-山下議員

 資材や人件費等の高騰で、施設の改築・改修においても厳しい状況があると聞いています。こうした高騰分は交付金に加味されているのでしょうか。市独自でも補助が必要だと考えますが、いかがですか。

-安宅こども未来局長

 今年度の国の補助単価および基準額につきましては、物価高騰を踏まえた増額がなされております。整備費用につきましても、これまでも国・市・施設が一定のルールに基づきまして負担してきていることから、市独自の財源措置は考えておりません。

-山下議員

 よりよい保育等を提供するために、各施設では今後も改築・改修が行われていくと思いますので、引き続き保育環境の十分な整備とその支援をお願いしたいと思います。

 次の質問に移ります。こども誰でも通園制度は、保護者の就労状況を要件とせず、6か月から満3歳未満の保育所等に通わない乳幼児が通園できる制度です。どの子にも健やかな育ちを保障し、保護者の子育てに関する負担を軽減して、社会全体で子育てをしていくという制度の理念は共通認識ですが、子どもの安心・安全が保障されるのか、また保育所等預かる側の負担が大きいなど、すでに懸念の声が出ており、抜本的な見直しが必要だと私たちは考えます。そこで、新年度本市が行うモデル事業についてうかがいます。まず、本制度の利用対象となる乳幼児の想定数と、いくつの施設で行う予定かお聞かせください。

-安宅こども未来局長

 モデル事業では、延べ300名が利用することを想定しておりまして、今後設置する設備や運営などの基準を満たした施設を選定する予定でございますが、必要な施設数は確保したいというふうに考えております。

-山下議員

 制度導入にあたって保育士からは、通常の保育でも人手不足の中で、人見知りの多い時期の子どもを受け入れる体制が取れるのか、子どもの安全を保障できるのかという不安の声を聞いています。すでに試行的事業を行っている他自治体の園では、ベテランの保育士を配置して対応しているとのことです。しかし一方で、本制度は保育士資格を有しなくても従事できるとあります。本市はモデル事業をすすめるにあたり、保育士の配置基準や資格の有無について、どのように考えているか明らかにしてください。

-安宅こども未来局長

 施設側が設置します設備や運営などの基準を定める条例を、6月定例月議会に上程する方向で現在準備を進めておりまして、その中で保育士の配置基準や資格の有無について定めていくこととなります。

-山下議員

 十分子どもの安全が守れる配置と資格要件を設定していただきたいと思います。本制度には、利用する施設や曜日などを決める「定期利用」と、全国どこでも居住地以外の施設でも空きがあれば利用できる「自由利用」が認められています。しかし、環境の変化に敏感な6か月から2歳までの乳幼児にとって、施設を固定しない短時間の利用では、子どもも保護者も不安のなか過ごすことになります。保育施設での死亡事故はゼロ歳児と1歳児で8割となっており、預けはじめに非常に多く、この「自由利用」は子どもにとって安心・安全な場所とは言えません。本市のモデル事業では利用上限を月10時間としていますが、「定期利用」として行うのか、また「自由利用」も想定しているのか、うかがいます。

-安宅こども未来局長

 子どもと保育者との関係が構築され、効果的な支援に繋がることが期待されることから、モデル事業では定期利用を想定しておりますが、自由利用については今後他の自治体の状況を踏まえて研究していきたいというふうに考えています。

-山下議員

 本制度は、利用したい保護者が直接施設の空きを調べて申し込むという方式で、自治体による利用調整はありません。行政の関与が大きく後退するという点でも問題だと考えます。困難を抱える家庭の利用につながるのかという懸念もあります。2026年度より本格実施と国は決めていますが、すでに課題が多く見られており、現場の実態から制度の再構築が必要だと考えます。モデル事業をすすめるなかで、保育関係者や利用者の幅広い意見を聞いて課題を検証し、市としても国に対して安心できる保育制度の構築を求めるよう要望しますが、見解をうかがいます。

-村山市長

 本市としてモデル事業を実施していく中で、保護者や実施施設の意見なども聞きながら、効果検証を行うこととしております。国においても次年度、事業の検討を進めるということを聞いております。まずはその動向を注視していきたいと考えています。

-山下議員

 このままの制度ではやはり子どもの安全が守れないというふうに考えますし、行政のかかわりが後退するということはやはり「保育の市場化」への懸念が拭えません。公的責任で、ぜひ保育士の処遇改善と配置基準を大幅に拡充して、すべての子どもたちに安心で安全な質の高い保育を提供できるような制度の構築を改めて求めたいと思います。

 次に、不登校支援について伺います。まず、現状と課題についてです。12月議会で、当事者実態ニーズ調査の回答に「学校にかわってほしい」という子どもやその保護者の声が多いことを紹介しました。新年度からの金沢型学校教育モデルを実践していくというふうにありますが、そのなかに不登校や学校に行きにくい児童生徒が含まれているのか、うかがいます。

-野口教育長

 お答えいたします。私は教育におきましては、誰ひとり取り残されることがないこと、このことが最も大切にされるべきことだと思っております。この考え方に対しまして、この4月から実践が始まる新金沢型学校教育モデルでは、まず金沢探究スタイルを通して児童・生徒が自分事として課題をとらえ、学ぶ喜びと感動を大切にした学びを展開すること、また金沢リフレクションにおきましては、自分自身の成長や良さを実感する場を設けることで、すべての児童・生徒が自分に自信を持ち、学習や人との関わり等に関する意欲が回復するよう努めることといたしておりまして、不登校児童・生徒や学校に行きづらさを感じている児童・生徒も踏まえた実践となることを前提といたしております。

-山下議員

 寄せられた声をもとに3点うかがいます。いまでも、どこへ相談したらよいかと悩む保護者に出会います。学校からの情報提供がなく一人であれこれ調べ思い悩まれています。本市は保護者や子どもたちに相談や支援先等の情報が行き届くよう、どんな積極的取り組みをしているかお聞かせください。

-野口教育長

 私はこれまでも議会におきまして、不登校で悩んでいる保護者への支援は大切であると答弁してきております。そのため、教育プラザでは教育と福祉が連携し、0歳から15歳までの子どもに関わる様々な相談事業を実施しており、パンフレットや電話相談カードなどを配布し、広く市民への周知に努めております。また、市と不登校民間支援団体との連絡会におきまして、不登校になった際にどんな支援があるのか、どこに行けばいいのかわからないなどの当事者の声にお答えし、官民の様々な情報を掲載したリーフレットを作成し、各学校や医療機関に加え、多くの人に届くよう、市民センターや図書館等で案内するとともに、ホームページやポータルサイトでの発信も行っております。また後ほど触れさせていただきますが、校長会議等におきましても、得た情報は確実に保護者等に伝わるように周知をいたしております。

-山下議員

 そうした取り組み、十分承知しております。その中でも、届いていない方がいるというのが今の声です。なので、ぜひ学校を通じてでもいいですし、子どもが持ち帰るパンフレットにもそのリーフレットのQRコードをつけるとか、入学式にいっぺんに渡すんじゃなくてもっと見やすい時期に、子どもが行きづらい5月とかそういう時期に、そうした案内が届くような工夫が必要だというふうに思います。

 2点目、学校教育センターの不登校や発達障害の相談事業を利用してきた保護者が、義務教育が終わる段階で利用できなくなり、親子で世の荒波に放り出された感じだったというふうに話されていました。幼少期から関わりを積み重ねてきたセンターで15歳以上も継続的な支援をしてほしいという声です。いま全国の高等学校における不登校生徒数も過去最多となり、高校入学後に不登校になる、または中退する生徒がいることを見ても、中学校卒業後の支援も必要ではないでしょうか。対象を18歳まで拡充することを求めますが、いかがですか。

-野口教育長

 学校教育センターにおきましては、義務教育である小中学校の児童・生徒、その保護者、教職員などを対象に、来所での面接相談や不登校支援を行っております「そだち」教室等での相談事業を実施いたしております。卒業後も相談を希望する保護者につきましては、県教育支援センターやすらぎ金沢や、医療機関等の関係機関にご紹介し、必要に応じて連携を図っておりますことから、学校教育センターでの18歳までの拡充については考えてはおりません。

-山下議員

 継続的に同じ場所で支援をしてほしいという保護者のお声にも、ぜひ応えていただきたいと思います。

 3点目、保護者の置かれている現状からお伝えします。働く保護者、とくに働く母親は子どもが学校に行きにくくなると仕事を遅刻、早退する、または休まざるを得ない状況になります。休職や離職を選択せざるをえなかった方も身近においでます。また、ひとり親の保護者は仕事をやめることができず、子どものケアが十分にできないとつらい思いをしています。子どもの心配とあわせて仕事と生活の不安を抱え、心理的にも追い詰められている現状があります。保護者の負担を軽減することも課題と考えますが、市としてどのような取り組みをしているか伺います。

-野口教育長

 不登校児童・生徒の保護者の方の心理的負担を軽減するため、保護者がひとりで悩みを抱え込まないように支援をすることは大切なことであると、これは自分はしっかりと思っております。そのために、本市では「教育プラザ富樫」「教育プラザ此花」での保護者に対する相談体制の強化を図りますととともに、校長会議や不登校支援担当者の会議等におきまして、相談機関や民間支援団体等の情報を確実に周知するように求めております。教職員とかスクールカウンセラーとの相談によって、家庭から少しでもお子さんが外に出られるようになったという、その変化というものが、保護者の方の心理的負担の軽減に繋がるものと考えておりまして、引き続き多様な不登校支援に取り組んでまいります。

-山下議員

 続いて、新年度予算に盛り込まれた事業についてうかがいます。2023年度の金沢市における不登校児童生徒数は小学校で498人、中学校で823人です。ひとりひとり状況が違えば、そのひとりひとりに応じた支援が求められます。不登校と定義されない学校に行きづらい児童生徒の状況をふまえても、多様な支援体制があることは重要だと考えます。

まず、学びの多様化学校についてです。これまで再度にわたり当事者の声を聞くこと、支援者も含めた実態調査を求めてきましたが、実態調査を行なったうえでの基本構想策定になるのか伺います。

-野口教育長

 昨年の11月に学びの多様化学校設置検討委員会からご提出いただきました答申の中には、「個々のニーズに応じた学習支援や、個々に応じた進路指導等について検討することが必要である」と示されております。学びの多様化学校では、児童・生徒の意思を十分に尊重しつつ、個々の状況に応じ、特別な教育課程を編成して、教育活動を行う必要がありますことから、明年度策定する基本構想には、不登校児童・生徒やその保護者などの意見も反映させていきたいと考えております。

-山下議員

 それでは、基本構想はどこでどのように策定していくのでしょうか。「将来の見通しが持てない」と悩んでいる当事者に、学校設置までの見通しを示すべきと考えますが、想定しているスケジュールを明らかにしてください。

-野口教育長

 学びの多様化学校設置検討委員会からは、校種、教育課程、立地環境等に留意して、さらに議論を深めることが必要であるとのご答申を受けておりまして、明年度答申に示されました検討課題を踏まえて基本構想を策定することといたしております。今後の整備スケジュールにつきましては、基本構想の策定と合わせて検討していきたいと思っております。

-山下議員

 ぜひその都度、市民のみなさん、そして子どもや保護者の方に届くように報告をしていただきたいと思います。

 次は校内教育支援センターについてです。新年度は、校内教育支援センター支援員の配置が全小中学校に拡充されるということです。本市は校内教育支援センターの役割をどのように位置づけているのかうかがいます。

-野口教育長

 校内教育支援センター、特に今年度、中学校で拡充をさせていただきまして、1年間実践をしてまいりました。自分なりに学校を巡ったり先生方と話をする中で、この校内教育支援センターは非常に有効であったというように実感しております。校内教育支援センターは、児童・生徒が学校には行けるが自分の教室には入れないときは、少しの時間でも学校へ登校し過ごしたいときなどに利用できる居場所でありますとともに、児童・生徒の意思に寄り添いながら、ひとりひとりのペースに合わせた学習支援や、相談活動等を行い、児童・生徒の気持ちに応える多様な学びの場としての役割を担うことを目的といたしております。今議会に予算についても計上させていただいております。さらに小学校でも拡充できないか、取り組んでいければと思っております。

-山下議員

 校内教育支援センターについて、教員のなかにも支援の方向性について葛藤があるというような報告を見ました。また、子どもたちは「教室に入らずさぼっていると思われているのでは」という心理的負担があるという声も聞いています。位置付けられた役割の認識に違いがあれば、児童生徒やその保護者、教員にとっても負担のかかる場所になってしまいます。負担なく利用できる校内教育支援センターの役割とその周知が必要だと考えますが、いかがですか。

-野口教育長

 そうしましたご懸念等も十分に想定をいたしておりました。校内教育支援センターにつきましては、その役割や支援を実施する上での留意点などをまとめた運営の手引きを、すべての小中学校に配布いたしますとともに、校長会議、また学校訪問などを通して、校内教育支援センターのさらなる充実に向けて指導・助言を行っております。合わせて、学校だよりなどを通じながら、児童・生徒本人や保護者にも校内教育支援センターの役割などについて周知するように指導いたしております。

-山下議員

 校内に児童生徒が心身ともに安心できる居場所の拡充を引き続きお願いします。

 次に、メタバースを活用したオンライン支援体制についてうかがいます。オンライン支援については、対面の相談・支援があるなかで、不登校の児童生徒がオンラインメインになってしまうのではないかという懸念や、身体的・心理的なフォローに欠けるのではないかという懸念の声もありますが、メタバースを活用したオンライン支援に取り組む目的を伺います。

-野口教育長

 メタバースを活用したオンライン支援を行う目的は、学校や社会とつながりが持てず、家庭で多くの時間を過ごしている児童・生徒の社会的自立を図るとともに、教育から取り残されることのないように、学びの機会を保障することにあります。メタバースの活用に当たりましては、アバターを介して人とつながることから始め、将来の対面に向けた支援につなげていきたいと考えております。

-山下議員

 全国では他の自治体も含め、民間のオンライン学習塾や不登校支援のNPOなどもすでに実施をしていますが、実施主体によっては、学校復帰を目指すもの、つながりの居場所として位置づけるものと、運用や目的が様々です。本市はどのように運用していくのか、開設時期もあわせて明らかにしてください。

-野口教育長

 メタバースの活用につきましては、数年前から教育委員会におきまして研究を進めてまいりました。運用に当たりましては、外出することができず、家庭で多くの時間を過ごしている不登校状態にある小中学生を対象に、家庭から一人一台端末等を使用し、本市教育委員会が設定をいたしました仮想空間におきまして、児童・生徒がアバターと呼ばれる分身を通じて人と繋がることや、様々な活動を体験できるようにと考えておりまして、明年度中の開設を目指すことといたしております。

-山下議員

 オンラインだけでなく、やはり対面支援との連携は欠かせないというふうに思いますので、またつぎのステップにどうつなげるかということも、継続的に支援を求めていきたいと思います。

 次に子どもの居場所についてです。不登校支援において、学校復帰を前提としない子どもの居場所が、子どもからも保護者からも求められています。いま地域にある社会資源を最大限に活用するということが必要だと考えます。新事業に、城北児童会館での不登校等の中学生を対象とした学習支援の実施や、夏休みの子どもの居場所づくりに市が支援をしていくことも示されました。不登校の子どもたちは、普段から居場所がなく家で過ごさざるをえない状況にあります。夏休みだけでなく1年を通して、居場所や学びの環境を整えていくことが必要ではないでしょうか。子どもが歩い

て行ける児童館や公民館、集会所等の既存の施設を活用した居場所の取り組みの拡充を求めますがいかがですか。

-村山市長

 本市では不登校を子どもを含め、すべての子どもが安心して過ごすことができる子どもの居場所づくりを支援しております。すでにいくつかの児童館や公民館、集会所において、地域主体のこども食堂や学習教室が通年で行われております。また明年度からは、城北児童会館で不登校の中学生を対象とした学習支援を行いますほか、長土塀青少年交流センターにおきましては中高生の自由な居場所となるユースセンターを開設することとしております。様々な施設の活用を図りながら、子どもが安心して過ごせる場所を広げていきたいと考えています。

-山下議員

 ぜひ、多くの居場所の設置をお願いいたします。子どもたちは「いまの学校に自分の居場所がない」ということで、全身で表現していると思うんですね。学校が子どもの権利を保障する安心できる場所になるように、また引き続き議論していきたいと思います。

 次に、市立病院事業についてうかがいます。国会では、少数与党の自民党、公明党が、来年度予算案を成立させるために、維新の会と「国民医療費の最低4兆円削減」を念頭に置いた合意文書を結びました。とんでもない削減です。赤字経営に苦しむ医療現場をさらに追い込み、患者負担が増えることは言うまでもありません。私たちはこうした医療崩壊を招く政策合意には断固反対です。こうした国の医療費削減に進むなか、よりいっそう公立病院の役割が問われてきます。市立病院が2023年地域医療支援病院に指定され約2年が経過しました。地域医療を支える柱となるべく、どのような役割を果たしてきたのか伺います。

-村山市長

 地域医療支援病院として、開業医等からの紹介患者に対する医療提供や、医療機器の共同利用を通じまして、地域の医療機関との外来機能の分担・連携強化を進めてきております。引き続き南部地域の拠点病院としての役割を果たしてまいりたいと存じます。

-山下議員

 地域医療支援病院となって、2023年10月から「特別な料金」と言われる選定療養費を徴収することとなりました。紹介状のない場合の初診は7700円に、また市立病院から他の医療機関への紹介状をもらったが再度市立病院を受診した場合の再診について3300円にと、市民に新たな負担が増えています。「特別な料金」の徴収は、市民の受療権の保障に逆行するものであり、受診抑制につながると考えますが、市立病院において「特別な料金」の徴収で、どのような影響が表れているのか明らかにしてください。

-松矢市立病院事務局長

 当該制度は、初期医療について基本的に開業医等へ受診を促す制度であります。開業医等からの患者紹介率が、令和4年度の64%に比べ、令和6年度は今年1月末時点ではありますが88%に増加していることからも、地域の医療機関との連携が強化され、地域医療全体の充実が図られてきていると考えております。

-山下議員

 「特別な料金」の徴収で受診抑制につながらないようにお願いいたします。

 次に、移転整備事業についてうかがいます。2018年「市立病院の今後のあり方検討会」が設置され、コロナ禍にも重なりましたが5回の検討会議を経て2021年2月に「市立病院の今後のあり方に関する提言書」が出されました。検討会のなかで、市立病院の課題や公的病院の役割が明確になりました。そこで改めて、市立病院の移転新築整備がなぜ必要になったのか、お聞かせください。

-村山市長

 現在の病院施設を建設してから35年以上が経過しました。設備の老朽化等により建て替えが必要となり、病院機能を維持しながらの現地建て替えが困難であるということから、現在の平和町公園での移転整備を行うことといたしました。

-山下議員

 市民や職員のアンケートにも取り組みながら、新病院の整備の方向性等を議論し、2024年3月に基本構想が策定されました。能登半島地震を経験し、公的病院の役割のなかに、災害拠点病院としても重点がさらに置かれたのではないでしょうか。基本構想では、病床数を維持し、経営形態は、独立行政法人化や指定管理者制度を選択せず、「地方公営企業法の全部適用」を継続することが示されました。国が打ち出している地域医療構想のもと、全国では病床削減や公立病院の統廃合、民間譲渡が迫られるなかで、市立病院が公立病院の役割を継続する方向性を示したことはたいへん重要です。国は2040年を見据えた「新たな地域医療構想に関するとりまとめ」を2024年12月に公表しました。これまでも掲げていた「病床の機能分化・連携」をさらに推進していくとあります。要するに病床削減をさらに進めて行こうという方針を変えていません。地域医療の崩壊を招かないためには、病床数や経営形態を維持継続していただきたいというふうに考えますが、今後も継続が示されていくのかうかがいます。

-村山市長

 ご指摘いただきました病床数につきましては、救急や感染症、また災害等の政策的医療など、公立病院としての役割を果たしていくためにも、現在の306床を維持することとしております。昨年度策定した基本構想におきましては、現時点では経営形態の見直しを行わず、地方公営企業法の全部適用を継続していくこととしておりまして、基本計画におきましても変わりはありません。

-山下議員

 新年度、市立病院移転整備のために市立病院事務局に「市立病院建設準備室」を新設し、移転整備に向けた基本設計に着手していくとのことです。令和2年の提言書では、基本構想からおおむね10年以内の完成を目指すことが適当であるとありました。そこで「建設準備室」の役割と、今後の整備スケジュールをお聞かせください。

-村山市長

 明年度基本設計に着手いたしますとともに、移転候補地の用地取得や財源確保、医療連携に向けた関係機関との調整などが本格化いたしますことから、建設準備室を設置をいたします。整備スケジュールにつきましては、今のところ設計業務で約3年、工事で約3年の期間を見込んでおりますが、詳細なスケジュールにつきましては設計段階で確定する予定であります。

-山下議員

 ぜひ公立病院の役割を後退させず、コンセプトにあるように「地域住民とともにつくる未来型自治体病院」ということで、市民とともに新病院建設をすすめていただきたいというふうに思います。

 質問の最後は、公共交通についてです。公共交通は、まちづくりのあらゆる施策分野に共通した基盤となるインフラです。地域住民だれもが、いつでも、どこでも、自由に安全に移動することは、健康で文化的な生活を営むうえで欠かせません。本市では、2023年3月に策定した第3次金沢交通戦略に基づきすすめられてきましたが、そこに市民的ニーズと市民的合意があるのかが問われます。

そこで、連節バスの導入についてお聞きします。通常の路線バスと比較して、輸送力が約1.5倍の連節バスを導入し、市内で実証運行を行うというものです。その路線が平和町線等、と示されました。そこで、連節バス導入の目的と、連節バスを走行させる路線を平和町線と選定した理由を明らかにしてください。

-村山市長

 連節バスは、第3次金沢交通戦略に基づいて、バス1台当たりの輸送力を高めるとともに、運転手不足にも対応するため、導入したいと考えております。導入にあたりましては、交通事業者や道路管理者等とも協議をいたしまして、右左折の回数が少ない路線での運行が必要との判断のもとに、まずは金沢駅と金大付属学校を結ぶ平和町線に導入することといたしました。

-山下議員

 2026年から実証運行を開始するという計画ですが、それまでの2年間は走行環境の整備を行うということです。南部は大型トラックが多く走行する地域です。普段から大型トラックや連節トラックが走り、騒音や道路陥没などの影響を受けています。地域住民からは安全性や道路環境について心配の声があがっています。道路やバス停など、これから環境整備が行われると思いますが、市民生活や通常の交通への影響はないのか伺います。

-村山市長

 整備にあたりましては、通常の路線バスの運行や一般の道路交通、歩行者の安全・安心など、市民生活に影響が出ないように道路管理者や交通管理者等関係機関との調整を行いまして、整備をすることとしております。

-山下議員

 ぜひ周辺住民に対して、丁寧な説明と合意のうえで進めることを求めます。

 実証運行後の事業の見通しについて明らかにしてください。

-村山市長

 実証運行から確認された走行環境等の安全性、また路線バスの利用状況等も踏まえまして、導入路線など、本格運行に向けた課題について、交通事業者とともに検討していくこととしております。

-山下議員

 最後の質問は、交通政策の構築についてです。連節バス導入の特定事業計画の策定についても、金沢市交通まちづくり協議会において意見聴取を行っています。協議会はどのような委員で構成されているかお聞かせください。

-村角都市政策局長

 協議会の委員でございますが、学識経験者2名、交通事業者5名のほか、労働、市民、経済団体等から6名、国・県で6名、市が2名の合計21名でございます。男性18名、女性3名の構成となっております。

-山下議員

 国土交通省は2024年11月、あらゆる分野の計画、法律、政策などをジェンダーの視点でとらえ直し、すべての人の人権を支える仕組みにつくり直していく「ジェンダー主流化」の取り組みを始めると宣言しています。交通機関やバスダイヤが男性優位に構築されているという実例やデータもあるなかで、交通政策における意思決定の場に女性を増やすことは欠かせません。先程も答弁にありましたように協議会は委員21名のうち女性は3名となっています。意見聴取の課程に、ジェンダーの視点が欠如していると指摘せざるを得ません。あらゆる政策にジェンダーの視点をと言われている今日、本市はそうした視点で交通政策の構築に努めているのか伺います。

-村山市長

 交通政策については男女や世代を問わずに広く市民や来街者の視点に立って推進することが重要と考えております。協議会の中で女性の委員の数を増やしてきたいという思いは同じに思っております。協議会委員の委嘱にあたりましては、男性の委員が多いという現状を踏まえまして、他の協議会と同じく関係団体に対してできるだけ女性委員を推薦していただくよう努めております。

-山下議員

 ぜひ交通政策もジェンダーの視点で進めていただきたいと思います。

 バス利用者はもちろん、多様な市民の声を十分にくみ取った公共交通政策の構築にむけて、やはり欧州のように行政が責任をもって積極的に予算をつけていくことも求められます。引き続き、市民の移動する権利を保障する地域公共交通の実現を求めて、私の質問を終わります。

 私は、日本共産党市議員団を代表して、以下質問いたします。

 今年、戦後80周年を迎えます。終戦後の昭和22年(1947年8月)文部省が「あたらしい憲法のはなし」と題する中学生向けの教科書を発行しました。その中に、「戦争の放棄」という項目の中で、次のように記載されています。「こんどの憲法では、日本の国が、けっして二度と戦争をしないように、二つのことをきめました。その一つは、兵隊も軍艦も飛行機も、およそ戦争するためのものは、一切もたないということ。もう一つは、よその国と争いごとがおこったとき、けっして戦争によって相手をまかして自分をとおそうとしないということをきめたのです」と述べています。戦後80周年をむかえる現在の日本はどうでしょうか。日本政府は、2023年から2027年度の5年間で43兆円もの防衛費増額を決定し、2027年度に国内総生産比で2%へと倍増させる空前の防衛費拡大計画を打ち出しました。これによって2025年度予算での防衛費は、過去最大の8兆7005億円という規模となっています。さらに、先のトランプ米大統領との会談によって、さらなる防衛費拡大を約束してきました。米国国防次官は、3月4日「できるだけ早く3%以上」に引き上げるよう日本に要求しました。多くの国民は、戦争する国づくりではなく、平和の方向を歩むことを願っています。金沢市平和都市宣言が今年40周年を迎えます。この平和都市宣言は、核兵器廃絶と平和の実現に向け不断の努力することを内外に明らかにしたものです。市長、戦後80周年を迎え、金沢市平和都市宣言のもつ意味と内容をどのように市民に発信されるのか伺いたいと思います。また、新年度予算に盛り込まれた「ヒロシマ原爆・平和展in金沢」の開催について、具体的内容について明らかにしていただきたいと思います。

-村山市長

 世界の恒久平和、核兵器なき世界の実現は人類すべての願いであります。我々はその実現に向けて不断の努力をしていかなければならないと思っています。平和都市宣言は本市固有の歴史・文化を発信し、世界の人々と友好関係を深める中で恒久平和に貢献していくということを宣言したものであります。今年は戦後80年であり、本市にとっては平和都市宣言40周年の節目の年でありますことから、毎年開催している「原爆と人間展」の展示ポスターを充実するほか、8月に「ヒロシマ原爆・平和展in金沢」を開催する予定であり、これらの機会をとらえて、平和都市宣言の基本理念を改めて広く市民に呼び掛けていきたいと考えております。「ヒロシマ原爆・平和展in金沢」の詳細につきましては、現在金沢市遺族連合会や広島平和記念資料館など、関係機関との調整を進めているところであります。写真パネルや被災資料の展示、被爆体験者の講和、体験手記の朗読のほか、新たにVR技術を活用した映像体験を行う予定であります。戦後80年が経過し、被爆者の高齢化、被爆体験の風化が懸念される中で、被爆当時の状況を聞き、体験することで、戦争と核兵器の恐ろしさ、平和の大切さ、そして命の尊さを考える機会にしたいと考えております。

-森尾議員

 第二に、開かれている県議会において、馳知事が金沢港を「特定利用港湾」に指定したい旨、国から申し入れがあったことを明らかにしました。これは、自衛隊や海上保安庁が訓練等に円滑に利用できるよう指定するものです。すでに国は、令和6年12月末で8空港、20港湾を指定し、さらに全国各地の空港と港湾を指定しようとしています。これに対し、全国各地で反対の要請や行動が取り組まれています。日本科学者会議は昨年10月、この指定は戦争する国づくりへと進めるものだとして撤回するよう国に要請しました。市長。こうした国からの指定に反対し、県に対しても国からの申し入れを断るよう求めていただきたいと思います。市長の見解を伺います。

-村山市長 

 特定利用港湾は、自衛隊や海上保安庁が訓練等で円滑に利用できる枠組みを構築することを目的に国が指定するものであり、これまでに全国で20港湾が指定されております。また国からは指定後も一般利用が主であるということが示されております。他方、能登半島地震では金沢港を拠点に能登被災地への災害支援活動が行われており、大規模災害時の迅速かつ効率的な災害支援や防災・減災に向けた港湾整備の促進にもつながると考えています。県からは年度内の指定に向け国との手続きを進めていくと聞いております。市として指定に反対することは考えておりません。

-森尾議員 

 質問の第二に、新年度予算と市民の願いにこたえる5つの提案についてです。

 物価高騰が続き、市民生活は一段と厳しい状況となっています。この3月の食料品の値上げは2343品目にひろがり、2025年に入っての累積の値上げ品目数は、1万品目を超える事態となっています。新年度予算はこうした市民の暮らしを守るものとなっているのか。問われています。具体的に5つの提案を通じて市長の見解を伺います。

 まず、一つはコメ不足と価格高騰についてです。コメの値上がりが異常です。店頭で5㎏あたり、昨年2000円台だったものが3000円を超え、4000円台と平均価格は1.9倍となっています。昨年夏のコメ不足の際に、政府は秋になれば新米が出荷され、コメ不足は解消すると述べてきました。ところが、新米が出荷されると今度は価格が高騰しました。ようやく政府は備蓄米を放出することを打ち出しましが、事態の解決に至っていません。市民は主食であるコメ不足と価格高騰に怒りの声を上げ、解決策を強く求めています。昨年の9月議会でこの問題を取り上げた際に、市長は「国の動向を注視する」として、関係者の声を聴くこともしませんでした。コメの需要が705万トンに対し、供給は661万トンであり、コメ不足は深刻です。この間の減反政策によって、今回の事態となったものです。米を減らす政策から増やすための抜本的転換が求められています。市長。国に対してコメ不足と価格高騰に対する打開策を求めるべきです。見解を伺います。

-村山市長

 米価の高騰につきまして、国は需要に見合うだけの米の量は確実にあり、また政府備蓄米の引き渡しを3月半ばに行うことで、流通の安定化につながるとしていますので、市としてはその動向を注視してまいります。

-森尾議員

 金沢市は、来年度「農業と森づくりプラン」を見直します。この際に、コメ作りへの積極的な施策と支援策を盛り込むよう求めます。見解を求めます。

-村山市長

 本市では金沢の農業と森づくりプランに基づいて農地の集積・集約化、大型の補助整備などの生産基盤整備の推進や、県やJAなどとともに1等米比率の割合を増やすための営農指導や、金沢産ブランド米等の耕作面積の拡大に向けて取り組んでおり、それぞれ成果を上げております。本市における今後の米に関する施策等については、国が今月中に策定する食料・農業・農村基本計画の内容を踏まえまして、明年度策定する新たなプランに反映してまいりたいと存じます。

-森尾議員

 二つ目に、学校給食費無償化と子ども医療費助成制度の拡充についてです。学校給食費無償化の実施を行っていないのは、県内11ある市の中で、野々市市と金沢市だけとなっています。市長は、この実施を拒否し、国が実施すべきとの主張を繰り返しています。国は、2026年度から小学校から学校給食費の無償化を検討するとしています。市長は、金沢市の子どもたちと保護者にそれまで我慢してくださいというのですか。見解を伺います。

-村山市長

 学校給食費の無償化につきましては、自治体間で格差が生じないよう国の指導により全国一律かつ恒久的に実施されることが望ましく、加えて恒常的に多額の財源を要することから、本市独自の給食費の無償化は考えてはおりません。現在国において前向きな検討が進められておりますので、その動向を注視してまいります。なお、食材費の高騰、米価の高騰も含めて、こちらが続いていく状況下において、保護者の経済的負担を考慮し、学校給食費は据え置くことといたしました。引き続き食材費の不足分については全額公費で補填することとしております。

-森尾議員

 子ども医療費助成制度について、通院も18歳まで対象を広げ、無料とすることを強く求めます。18歳まで対象を拡充していないのは、金沢市だけとなっています。子育てのしやすい金沢市をめざすというならば、まず、この制度の拡充に取り組むべきです。見解を伺います。

-村山市長

 医療費の無償化ということでございます。未婚化、晩婚化などの進行など、出生数が減少しております。少子化に歯止めをかけるには、今後の5年間が重要な時期になっているととらえまして、金沢こどもまんなか未来プランを策定し、まずは少子化対策に重点を置いたところであります。予算編成過程の中で、各自治体が取り組む様々な無償化による出生率や出生数を検証いたしました。その改善効果を踏まえ、明年度からは3歳未満時の第2子の保育料無償化を実施することといたしました。加えて、学校給食費や保育所副食費の据え置きのほか、奨学金返還支援制度の創設や、こどもの居場所づくりの拡充、情操教育の拠点施設の整備など、多くの子育て支援策も進めていくこととしております。ご指摘いただきました子育て支援医療費助成につきましては、これまでも予算の選択と集中による施策の重点化を図っていく中で、順次対象年齢の拡大等を行ってきております。昨年度も入院にかかる助成対象を拡大したところであります。今後とも様々な施策を重層的に行うことで、少子化対策、子育て支援に資していきたいと存じます。

-森尾議員

 三つ目に、国民健康保険料についてです。新年度予算で、国民健康保険料の引き上げが提案されています。今回の引き上げが行われると、加入者一人当たり年間保険料は平均12万5967円となり、前年度に比べ12.5%引き上げられ、金額で1万3942円の増加となります。かつてない大幅な保険料の引き上げです。今でさえ負担感の強い国民健康保険料がこれだけ引き上げられると、加入者の負担感はさらに高まります。保険料の引き上げを中止し、支払える保険料にすることが求められます。市長の見解を伺います。国民健康保険の基金から6億円を繰り入れるとしていますが、まだ、6億円の基金が残っています。一般会計からの法定外繰り入れが3億8千万円となっています。保険料の引き上げを中止するために財源の確保するよう求めると共に、国に対し国民健康保険制度を安定的に維持するための財源措置を強く求めるべきです。見解を伺います。

-村山市長

 国民健康保険料の今回の引き上げにつきましては、医療の高度化等に伴う一人当たりの医療費の増等により、県から示された標準保険料率が大幅増となったことが主な要因であります。国民健康保険料については県から示された標準保険料率への準拠を原則としておりますが、市民生活への影響に配慮し、基金を取り崩すことで保険料率の一部を据え置くこととしております。国民健康保険は交付金や法定繰入など、法令に基づいて公費で負担するもの以外は原則として保険料でまかなうとされております。今回基金を取り崩すことで、保険料率の一部を据え置くことといたしました。なお、財源措置の拡充については引き続き全国市長会を通じて国に要望してまいります。

-森尾議員

 第2に、国と県は、保険料水準の県内統一へと歩みを強めようとしています。県内で、同じ所得水準、同じ世帯構成であれば同じ保険料にするというものです。そのために、基金と一般会計からの法定外繰り入れをやめるよう求めています。金沢市でこのことが実施されると保険料の大幅引き上げにつながります。反対すべきです。市長、国民皆保険制度という優れた制度を維持する上で国民健康保険制度は欠かすことはできません。国民健康保険制度について責任を持って運営するよう求めるものです。

-村山市長

 平成30年度の国保制度改革後、県内の保険給付を全市町で支え合う仕組みとなっております。同じ保険給付を同じ保険料負担で受けられることが望ましく、保険料水準の統一は必要と考えております。なお県からは、国の考え方を受け止めつつ市町それぞれの実情を踏まえ、直ちに統一の目標年度は規定しないと聞いております。

-森尾議員

 第3に、マイナ保険証についてです。多くの国民の反対にも関わらず、昨年12月2日から従来の保険証の発行が中止されました。しかし、マイナ保険証を強制することに批判の声が続いています。マイナ保険証を持たない方などについて資格確認書交付を行うとしていますが、今後の金沢市の対応について、明らかにしていただきたいと思います。

-村山市長

 従来の保険証の有効期限が切れる本年7月末までにマイナ保険証を保有していない方には資格確認書を、また保有している方には資格情報のお知らせを発送いたします。引き続き納入通知書等を送付する際に、制度改正の内容を記載したチラシを同封するとともに、新たに市独自のコールセンターを開設するなど、丁寧な対応に努めてまいります。

-森尾議員

 四つに、保育料の引き下げについてです。新年度予算では、二人目の子どもさんから保育料無償化が打ち出されましたが、給食費の無償化が行われていません。また、保育料を引き下げることは、切実な課題となっています。なかでも、共働き世帯などに相当する所得階層の保育料を見ると、0歳から2歳までの保育料が月4万円にのぼります。これは、D階層の保育料が高いことによります。

この階層をはじめ保育料全体の引き下げが求められます。見解を伺います。

-村山市長

 明年度から少子化対策の一環として3歳未満児の第2子の保育料の無償化を行うことで、子育て世帯の負担を軽減していくこととしております。市の保育料の階層区分については、すべての階層において国の徴収基準額よりも低く設定しておりますため、さらなる保険料の引き下げまでは考えておりません。

-森尾議員

 五つに、補聴器購入補助制度の創設についてです。高齢者の場合、聞き取る機能が衰えると人とのコミュニケーションが後退し、さらに認知機能の低下につながります。こうした状況を踏まえ、聴力検査や専門医による診察・相談、補聴器購入支援等の早期対応、フォローアップ、データ分析などが行われています。山形市では、国の介護保険者努力支援交付金を活用し、「聴こえくっきり事業」が取り組まれ注目されています。金沢市において、この交付金を活用し、補聴器購入補助制度を含めた総合支援事業を実施することを求めます。見解を伺います。

-村山市長

 補聴器の購入補助ということでありますが、本市は高齢者を対象とした聴力検診を実施している全国でも数少ない自治体のひとつであります。検診で診断した医師が必要に応じて補聴器の装用を勧め、また経過観察まで行い、難聴者の早期発見・早期治療に向けた取り組みを行っていただいております。補聴器購入補助制度の創設につきましては、全国的な課題でありますことから、全国市長会から国に対して要望を行っているところであります。引き続き国や他都市の動向等を注視してまいりたいと存じます。

-森尾議員

 質問の第三に、下水道施設の安全対策と新たな官民連携の推進についてです。

 今年1月28日埼玉県八潮市で道路陥没が発生しました。その原因として地下にある下水道管の破損とみられるとしています。下水道管の安全対策が大きな課題となり、緊急の安全チェックが取り組まれています。国土交通省によると全国の下水道管のうち、腐食のおそれが大きい個所について明らかにしました。それによると2024年9月末時点で、石川県では208㎞あり、全国で2番目に多い県となっているとしています。そこで、金沢市ではどのような実態となっているのか、明らかにしていただきたいと思います。

 企業局によると下水道管の陥没は年間10ヵ所から20ヵ所発生しているとのことです。最近では平成27年入江交差点で大規模な陥没が発生しました。今後、腐食のおそれが大きい個所の発見と対策をどのように進めていかれるのか、明らかにしていただきたいと思います。また、下水道の耐震化の現状と今後の対策方針について、明らかにするよう求めます。

-松田公営企業管理者

 下水道施設の安全対策と耐震化についてお尋ねがございました。まず、マンホール内に段差がある箇所など、硫化水素による腐食の恐れの大きい下水道管路について、国土交通省は5年に1回以上の頻度での点検を義務付けております。本市ではマンホール内に段差がある箇所のほか、ビルピットからのはきだし口、ポンプからのはきだし口、特定事業所の排水を受ける箇所を点検箇所としておりまして、対象は約1200箇所、5年1巡で点検を行っております。また今回の八潮市での事故を受けまして、翌日には処理場に繋がる大口径の幹線管路が埋設されている13.2kmの路面の巡視点検を行いましたほか、現在口径2m以上の管路5.9kmの内部において、異常がないか目視調査を行っているところでございます。

 腐食の恐れのある箇所でございますが、ここにつきましては対象となるマンホールや接続する管路の内部を目視により異常の有無を点検しております。年間平均250箇所程度を点検しておりますけれども、今のところ管路が破損するような重大な腐食は発見されておらず、鉄蓋の軽微な腐食など数件を発見しておる程度でございます。その都度、交換等の対策を講じております。

 耐震化の状況でございますが、管路につきましては金沢市下水道総合地震対策計画に基づき、拠点避難場所下流等の重要な幹線等について、マンホール接続部の耐震化等を実施しておりまして、令和5年度の耐震化率は約75%と、全国平均を上回っております。処理場につきましても汚水処理機能を維持するための揚水、沈殿、消毒施設について耐震化を進めておりまして、令和5年度末の耐震化率は約69%と、全国平均を上回っております。能登半島地震では市民生活への影響が非常に大きい処理場などの、いわゆる急所施設の耐震化の重要性を改めて認識したところでありまして、処理場の耐震化を前倒しするなど、対策を着実に進めてまりいます。

-森尾議員

 第2に、下水道施設を対象とする新たな官民連携の推進についてです。国土交通省は、新たな官民連携であるウォーターPPP導入を国の補助交付の要件とし、地方自治体にその導入を強制してきています。この導入が進められると、下水道事業が民間事業者の利益追求の対象となり、安全のためのコストカットにつながりかねません。また行政チェック、監視機能が低下すると共に、行政の技能継承が後退するなど問題が指摘されています。したがって、地方自治体から国による強制をしないよう求める要請が行われています。金沢市は、どのような対応をされるのか。具体的に伺います。

-村山市長

 ウォーターPPPの導入についてであります。全国市長会や中核市市長会において、国に対して令和9年度以降の汚水管改築事業への国費支援の要件となるウォーターPPPの導入について、現行の下水道事業運営に支障をきたすことがないよう、地方公共団体の取り組み状況を踏まえつつ、要件の緩和を含め柔軟に対応することや、下水道施設の改築にかかる国費支援の拡充を要望しております。引き続き国の動向等を注視するとともに、国に対して全国市長会や中核市市長会などを通じて要望してまいります。

-森尾議員

 第3に、金沢市はこの新たな官民連携の導入について、西部処理場と臨海処理場を対象に検討を進めるとしています。城北水質管理センターについては、すでに運転管理について民間に委託されています。今後の具体的推進について明らかにしていただきたいと思います。

-松田公営企業管理者

 城北水質管理センターは施設の規模が大きいことに加えまして、西部や臨海水質管理センターと異なり、雨水処理が必要な合流区域を管理しております。こうしたことから、大雨などの非常時にはおいて重要な判断や迅速な対応が求められます。また、引き続き下水処理に関する企業局職員の知見や技術力を確保していく必要がありますことから、ウォーターPPPの導入施設とはせず、これまで同様職員を主体とした管理体制を継続していきたいと考えております。

-森尾議員

 この質問の最後に、水道事業について、この新たな官民連携であるウォーターPPP導入について従来から導入しないとの見解を明らかにしていますが、今後の対応について見解を伺います。

-松田公営企業管理者

 水道事業につきまして、今後ウォーターPPPの導入はしないのかというお尋ねでございますが、現時点におきまして、水道事業におけるウォーターPPPの導入は考えておりません。ただ、これまで同様、国の動向は注視してまいります。

-森尾議員

 質問の第四に、金沢方式についてです。

 市長は今議会の施政方針の中で、次のように述べました。「地域の自主性や 連帯意識を背景とした、いわゆる「金沢方式」については、地域コミュニティが近年直面 している課題を踏まえ、地元負担の見直しを図るなど、持続可能なコミュニティを支えるための施策の充実・強化に取り組むこととした次第であります」と述べました。さらに「地区公民館、児童館、消防分団の施設整備に関して、近年の建築資材や労務単価の上昇を踏まえ、地元負担を軽減するとともに、施設の解体費や長寿命化につながる改修経費を全額市が負担します。また、地区公民館の運営費にかかる地元負担を軽減するとともに、施設整備と同様の世帯数に応じた軽減措置を導入します」との見解を明らかにしました。要するに、金沢方式は継続し、地元負担軽減を図り、持続可能なコミュニティを図っていくというものです。今から26年前、平成11年(1999年)に行われた公民館50周年記念誌の座談会において、当時の編集長が次のように述べています。「金沢方式という形態は今では一応定着しているが、その内容は良い面もありますし、問題となる面も含んでおります。」と発言されています。市長。この中で指摘されている「問題となる面」は、今回解決されたのでしょうか。見解を伺います。

 戦後、昭和24年(1949年)社会教育法が制定され、金沢市公民館設置条例が同じ年につくられました。市内に設置された5つの公民館と中央公民館は、金沢市の常勤職員が配置されました。一方、地区公民館が38校下に広がると、財政的な問題を町内会が用意する財源によって対応が始まりました。ところが、社会教育法第21条で「公民館は、市町村が設置する」との条文からすると、金沢市の公民館運営はこれに反するのではないかという声があがりました。当時の市長は、市立公民館として新たに8ヵ所を整備する方針を打ち出しました。しかし、この方針は地域住民の理解を得られず、野町公民館が設置されただけで、中止されました。その結果、地区公民館に対する金沢市の公費負担が行われ、今日の負担割合まで拡充されてきました。今回の市長提案は、こうした施策の延長にすぎません。社会教育法第21条で明記されている「公民館は、市町村が設置する」との立場に立ち、地元負担を見直すことが求められています。見解を伺います。

 第2に、社会教育法が明記する「公民館は、市町村が設置する」との立場から地元負担なしで公民館を設置し、運営するという公民館施策に切り替えていくことが求められます。市長の見解を伺います。

 第3に、今後、公民館整備計画を策定するとともに、この中で、地元負担をなくすことを基本とし、地域住民の参加のもとで具体化することが求められます。市長の見解を伺います。

-村山市長

 金沢方式でありますが、金沢方式は先人たちによって育まれた地域コミュニティにおけるまちづくりの文化として、将来にわたって継承すべきものととらえています。一方で、人口減少、少子高齢化の伸展や物価高騰など、地域コミュニティを取り巻く環境の変化を踏まえ、持続可能な地域コミュニティを支える基盤を強化することが必要と考え、今回、40年以上にわたって変わっていない地元負担の割合を見直すこととしたものであります。本市の公民館については「多少の地元負担を伴っても校下ごとに公民館がほしい」という地域住民の強い要望を受けて設置してきております。その運営についても、地域主導、ボランティア、地域による一定の負担といった、金沢の地域コミュニティの特徴と一体となって、地域の自主性、連帯意識の醸成に大きな役割を果たしてきたものであり、今後も本市独自の方式として継承すべきものと考えております。

 本市の地区公民館については、それぞれの地域において地元負担を伴ってでもその設置を望む地域の総意を受け、建設しております。本市として公民館整備計画を策定する予定はありません。

-森尾議員

 質問の最後に、金沢市中央卸売市場再整備事業についてです。

 この事業について、市長は昨年9月、この議場で次のように述べました。「基本設計を来年2月末まで延長することで、実施設計については令和7年度から取り組むこととなりますが、建設工事については予定通りの令和8年度中の着手を目指していきたい」と表明しました。ところが、今議会の市長施政方針では、先の答弁を覆し、基本設計業務を「令和8年2月末まで延長する」と述べました。市長は、市民と議会との約束を破ったことになります。市長をはじめ市当局は、基本設計を今年2月末まで完了し、計画通り工事を令和8年度中着手すると繰り返し表明してきました。「できませんでした」ということでは済まされません。市長ご自身の責任について、見解を求めたいと思います。

 また市長は、基本計画について「見直しは考えておりません」と答弁されましたが、今議会では「基本計画を改めて検証したい」と先の答弁を覆されました。市長は、この事業について責任ある見解や表明ができない事態となっているのではありませんか。見解を伺います。

 先に開かれた経済環境常任委員会に置いて、副市長から重大な説明がありました。現在地でローリング方式による工期10年以内の建て替えが難しいとの判断をしたのは、昨年5月だったとのことです。ところが、このことを明らかにしないまま、昨年の9月議会で、基本設計を5か月延長しました。許されることではありません。説明を求めます。

 第2に、市場関係者との信頼関係が壊されたことです。市当局は現在地での建て替えが難しいと判断し、市場の外での仮設設置を提案しました。しかし、敷地が狭く、様々な問題が明らかとなり、断念しました。すると今度は県が所有する用地を仮設候補として提案されました。これも合意には至りませんでした。「意思形成過程」を隠れみのに様々な提案を繰り返し、市場関係者との信頼関係を壊してきました。市当局の責任は重大だと考えます。市長の見解を求めます。

 第3に、基本設計に係る予算と今回の補正予算、さらに新年度予算に盛り込まれた基本計画の検証についてです。金沢市は、基本設計をプロポーザルによる設計事務所を選定し、8900万円の予算で昨年9月30日までとする契約を交わしました。ところが、これを5か月延長し、今年2月28日までとする契約変更を昨年9月13日交わしました。市当局は、現在地でローリング方式による工期10年以内の建て替えという基本方針を断念せざるを得ないにも関わらず、期日だけを変更する措置を取りました。一方で、市場の外での仮設設置を提案し、そのたびに設計事務所が対応しました。基本設計の期日だけを延長する契約変更は、おかしいのではないかとの指摘に対し、「基本設計をまとめていく上での資料であり、軽微な図面だ」との見解を述べてきました。すると今度は、補正予算で3500万円を計上しました。8900万円による基本設計は、何をさすのですか。そして、今度の補正予算で計上した3500万円は、やはり基本設計にかかわるものですか。明快な答弁を求めます。度重なる期日変更を繰り返し、基本設計が年度を超え、追加予算まで計上するのは、金沢市財務規則と事務決裁規則に違反しませんか。見解を伺います。

 また、新年度予算に盛り込まれた基本計画の検証について、どんな内容をどのように検証するのか。明らかにしていただきたいと思います。

-村山市長

 市場の再整備についてであります。2月末までに基本設計が完了できなかったことについては、市場事業者からの要望や意見をお聞きする中で、工期内にそれぞれの意見を調整することができなかったことによるものであります。今後市場事業者とともに、市場の再整備をしっかり勧めていくことで責任を果たしてまいります。昨年5月の段階で判明したのは、想定していた現地での建設・引っ越し・解体を繰り返す手法で、市場事業者の営業と工事中の安全の両方を確保していくとすれば、10年以上の工期が必要になるということであります。このため、工期を縮減するための様々な選択肢について市場事業者に提示し、協議を開始いたしましたが、それによって9月という期限内に協議が整わなかったため、工期の延期を行ったものであります。市場事業者は市場再整備後も生業を継続・発展させていくことを一番に考えておりますが、昨年の能登半島地震以降、集荷や販売の流れが変わったという話も聞いておりまして、不安を抱えていることは理解をしております。私が先月10日に卸・仲卸の代表者で構成する会議に出席しまして、市場事業者から市場再整備に対する様々なご要望やご意見を伺いましたが、今後の市の進め方については理解していただいたと感じております。これまで以上に市場事業者と真摯に丁寧に向き合い、強固な信頼関係を築いてまいりたいと存じます。

-紙谷農林水産局長

 中央卸売市場再整備事業において、令和6年9月から令和7年2月への工期延長についてお尋ねがございました。市場再整備基本設計業務につきましては、令和6年9月以降も市場事業者との調整が必要となったことから、発注者と受注者の双方で契約書に定める仕様書について委託期限以外に変更がないことを確認の上、令和7年2月末まで工期を延長する変更契約を締結いたしました。なお、これらの事務手続きにつきましては、市の事務決裁規則等に則り、適切に対応しているところでございます。

 次に、基本設計の補正予算と基本計画の検証の内容についてお尋ねでございました。令和6年度の補正予算にお諮りをした基本設計の増額分につきましては、これまでの成果を生かしつつ様々な選択肢を比較考量する中で、市場事業者からの要望や意見などを調整しながら、課題を解決していくために必要となる経費について計上いたしております。また、当初予算にお諮りをした基本計画の検証につきましては、今後の取扱高や集荷・販売の流れなど、市場を取り巻く情勢の変化も勘案しながら、あるべき施設の規模や配置、整備手法など、基本設計を進めていく中で基本計画の内容を検証するために必要となる経費を計上しているものでございます。

【再質問】

-森尾議員

 市長に伺います。学校給食無償化について、市長は考えていないと。国の動向を注視していくと答弁されました。津幡町の町長は、国に先駆けて9月から中学校の給食費を無償にすると表明しました。かほく市は中学校の給食費を2学期から無償化すると打ち出しました。内灘町は中学校の給食費無償化に続き、小学校の無償化を2学期から実施すると表明しました。国の方針に先駆けて、学校給食費無償化を打ち出しているということについては、市長はどういうふうに考えますか。伺います。

 もう一点、中央卸売市場について。繰り返し「計画通りやります」、本会議場でも委員会の席上でも述べ続けてきた。しかし、できなかった。市長、議会と市民と関係者に対して、反省の弁がないんじゃないですか。責任を問われる事態だと、私は認識しています。答弁をお願いします。

-村山市長

 再質問にお答えします。今年度、我々金沢市の方としては、給食費の負担額についての再検討を行いました。そのあり方の検討の報告を受ける中で、給食費を本来であれば非常に高騰しているという中で据え置くということの提案を受けました。こちらも踏まえて、現在米価を含めてかなり食材費が高騰しているという中にあって、給食費を据え置くということ、保護者の経済的負担を配慮した中で決断をしたわけであります。申し上げましたとおり、無償化による施策については、様々な予算の選択と集中の中で行ってきているという中で、より効果の高いものから優先して行っていくべきというように考えております。

 もう一つご質問いただきました中央卸売市場の再整備の関係でありますけれども、何よりも大事なのは工期最後の仕上がりまでの期間を延ばさないようにしていくということだというように思っております。基本設計の再延長につきましては、市場再整備の途上であります。市場事業者とともに市場の再整備をしっかりと進めていくことで、責任を果たしていきたいと考えております。

-森尾議員

 質問の機会はこの3回目で終わりになりますが、再度市長に伺いたいと思います。この市場問題について、本会議場でも繰り返し「計画通りやります」、委員会でも「計画通りやります」、どんな内容が問題点になっているんだって言ったら「それは言えません」、資料も出さない。こういう状況が続いてきました。それで、いろんな情報を集め、情報公開請求もやった、その中から明らかになった点があるんです。場長は1月の時点で、仮設施設の適地として県が所有する用地の手立てがついたと述べた。市長が行かれた2月10日、県有地について県に打診したら概ね了解がとれた、仮設施設案も含めて様々な選択肢について協議していきたいと、こう述べたと伺っております。2月19日、副市長が経済環境常任委員会に出席されて述べられました。「現在地でローリング方式による工期10年以内の建て替えは難しい。こう判断した、5月に。」昨年5月ですよ。そして「県の用地というものについては、市場関係者との合意には至っていません」と。執行部の見解が様々なんです。一体市長には、どんな情報が伝えられて、しかるべき決断をされたのか。私は問わなきゃいけない。現時点において、市長はどういう認識をもって対応されるおつもりなんですか。伺います。

-村山市長

 先程おっしゃった文書については、その後日存じ上げたところでもあります。あくまで私の立場とすれば、しっかりと市場の再整備を進めていくということ、それを責任を持って行っていくということが、私の立場であります。そしてそのためには、基本計画に示す内容について、またそれを含めて仕上げていくという必要があるというように思っております。今後とも市場関係者と真摯に向き合って、市場再整備をしっかりと進めていきたいと考えております。

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1月緊急議会(1月20日)

※一括質問形式で質疑しましたが、答弁をわかりやすくするために、一問一答形式に直して表記しています。

-山下議員

 発言の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として議案第64号令和6年度金沢市一般会計補正予算(第6号)について質疑をおこないます。   

 まず初めに、物価高騰の影響と今回の補正予算編成についてです。国は昨年11月22日に新たな総合経済対策を決定し、12月17日総額約14兆円にもなる補正予算が可決・成立しました。わが党は反対をしており、国会の議論では、物価高騰から国民のくらしや営業を守る予算配分がされた一方で、能登半島地震の復旧復興費の3倍ともなる8,268億円の軍事費を計上し、半導体企業など一部企業支援に1兆円を超える巨額の予算を投入するなど、緊急的に必要な事業を行うという補正予算の本来の目的から外れる予算編成であり、重点支援地方交付金の増額や消費税減税など、国民のくらしを支えるもっと手厚い対策が必要だと指摘がされています。

 市民生活は、お米や野菜などの食品、郵便料金など値上がりが続き、さらに厳しさを増しています。帝国データバンクの調査では、今年1月から4月までに値上げ予定の食品は6121品目になるとしています。先日はガソリン価格を抑制する補助金をさらに縮小するという政府方針が出されたところです。実質賃金は2022年から2024年11月まで、わずか2ヶ月プラスに転じただけで、この間マイナスが続いています。 東京商工リサーチが発表した2024年の企業倒産件数は、前年度比15.1%増の1万6件となり11年ぶりに1万件を超え、うち1万4件が中小企業です。石川県内では前年より35件多い85件という現状です。子育て中の保護者の方からは、こども食堂や食糧支援など利用できるものはしているけど、それでも生活は厳しいという声を聞いています。

 そこで市長におたずねします。今緊急議会の補正予算案は、先の国会で成立した補正予算に伴うものです。市長は国の補正予算をどのように受け止め、長引く物価高騰の影響を受ける市民のくらしや営業の実情をどのように捉え、本市の補正予算に当たったのかお聞かせください。

-村山市長

 先月成立した国の総合経済対策には、日本経済の成長に向けた賃上げ環境の整備のほか、新たな地方創生施策や足元の物価高対策、防災・減災対策など、地方自治体が直面するさまざまな課題を克服するための対策が盛り込まれており、事業を捉えたものと思っております。特に、エネルギー・物価高騰の影響を強く受ける低所得世帯等への支援や消費の下支えのための地域経済対策につきましては、できる限り速やかな対策を講じる必要があると考え、国の重点支援地方交付金を全額活用し、3月定例月議会に先立ち、今補正予算をお諮りした次第であります。

-山下議員 

 次に、住民税非課税世帯等緊急支援給付金事業費および、ひとり親世帯緊急支援給付金事業費についておたずねします。この事業は、エネルギー・食料品等の物価高騰の負担感が大きい低所得世帯への負担軽減をはかる事業です。 対象世帯は2023年1月~12月の所得等が基準となりますが、2024年1月1日の能登半島地震により、本市においても収入の変化や世帯構成の変化、住民票の移動など、影響を受けた世帯は少なくありません。給付金事業の実施においては、対象の確定から支給にいたるまで、対象世帯が漏れることのないようすすめることが求められます。特に家計急変世帯が申請につながる制度案内が重要となります。そこで、給付金についての周知や申請方法を明らかにしてください。 

-山口福祉健康局長  

 住民税非課税世帯等緊急支援給付金につきましては、昨年以前に同様の緊急支援給付金を受給した世帯のうち、世帯構成に変更のない場合は、申請のいらないプッシュ型で支給することとしております。世帯構成等に変更のあった世帯につきましては、改めて扶養の状況や振込口座を確認する必要がありますことから、確認書を送付することとしております。なお、家計急変の世帯につきましては本市で把握することができませんことから、市のホームページや新聞広報等を通じて給付金の周知を図り、対象世帯からの申請を受け付けることとしております。

-安宅こども未来局長

 私の方からは、ひとり親世帯緊急支援給付金についてお答えさせていただきます。給付金の周知と申請の方法ですが、支給対象世帯に対しましては、児童扶養手当の受給者情報をもとに2月末にも支給案内を発送し、3月中旬をめどに請求行為のいらないプッシュ型で支給をしていきます。

-山下議員

また、対象世帯について住民税非課税世帯等緊急支援給付金事業では約53100世帯、ひとり親世帯緊急支援給付金事業では約1400世帯、合わせて54500世帯を見込んでいますが、その世帯数は本市全世帯数の25%にすぎません。給付金事業において、支援対象の拡大を検討されたのかお聞かせください。 

-安宅こども未来局長

 給付対象の拡大を検討したのかというお尋ねがございました。エネルギー・食料品価格等の物価高騰によりまして家計負担が増加していることを踏まえ、児童扶養手当を受給する低所得のひとり親世帯のうち、全国一律の緊急支援給付金の対象とならない世帯に対し、市独自の支援として同額の給付金を支給することで対象の拡大を図ったところでございます。

-山下議員

どちらの事業も早急な支援が求められますが、支給予定が3月上旬から、ないし3月中旬となっています。支給予定日について速やかな支給の検討がされたのかお聞かせください。 

-山口福祉健康局長  

 給付金の支給予定時期を早めることはできないかとのお尋ねに対してお答えいたします。住民税非課税世帯・ひとり親世帯ともに、給付金の支給時期につきましては、手続の簡素化や事務処理の効率化を十分考慮いたしまして、できる限り早期となるように設定したものでございます。これ以上早めることは難しいというふうに考えております。

山下明希議員

-山下議員

 次に、福祉光熱費助成金についておたずねします。 2023年度の福祉光熱費助成金は、当初予算と9月補正予算で計上され1年を通した光熱費の支援となっていました。しかし今年度は当初予算では支援事業が行われず、今回の補正予算案では対象月を2024年10月~2025年3月分としています。2023年度同様に、1年を通した支援となるよう上期まで対象とする支援を検討されたのか伺います。 

-山口福祉健康局長  

 福祉光熱費助成金につきまして、昨年度は1年を通した助成であったが今年度は10月からの半年分となっていますことについてでございますが、令和5年度の12月補正予算及び1月補正予算に加えまして、令和6年度の当初予算に緊急支援給付金を計上し、支援を行っておりますことから、今年度の上期分の光熱費については助成をしなかったものでございます。

-山下議員

2023年度冬期の助成金額は1世帯あたり1万8千円でしたが、同時期の今年度の助成金額が1万5千円と減額になった理由をお聞かせください。 

-山口福祉健康局長  

 昨年度の助成額1万8000円から今回は1万5000円に減額となった理由についてでございますが、今回の補助単価は、電気・灯油・ガス料金それぞれ令和5年の4月の価格と令和6年12月など直近の実績との差額を6カ月分として算出しております。この算出方法は昨年度までの助成金と同様でございますが、月々の電気等の料金や、国が行っておりますエネルギーの支援額の違い等により、結果として助成額が幾分減額となったものでございます。

-山下議員

福祉光熱費助成金は、生活保護世帯と住民税非課税の児童扶養手当受給世帯、要介護3以上の高齢者や重度の障害者を在宅で支える世帯が対象となっていますが、それぞれのどのくらいの世帯数なのかお聞かせください。また対象世帯への周知をどのように行うのか、申請が必要であればその期限はいつまでなのか、支給予定はいつなのか明らかにしてください。 

-山口福祉健康局長

 助成金の対象ごとの世帯数、周知や申請の方法、期限、支給予定についてでございますが、助成金の対象は生活保護世帯のほか、住民税非課税の要介護3以上の高齢者世帯、重度の障害者世帯、児童扶養手当受給世帯としておりまして、生活保護世帯は3300世帯、要介護3以上の高齢者世帯は1100世帯、重度の障害者世帯は1900世帯、児童扶養手当受給世帯は1000世帯の合計7300世帯を見込んでおります。今補正予算の議決後、1月下旬から順次案内文を送付し、2月下旬に支給を開始したいと考えております。このうち生活保護世帯と児童扶養手当受給世帯につきましては受給者の情報をもとにプッシュ型で支給をいたしますが、そのほかの世帯につきましては住民税非課税などの支給要件の確認を要しますことから申請が必要となりますものの、確実に支給できるよう丁寧に周知をしてまいりたいと考えております。

-山下議員 

 次に、福祉施設光熱費物価高騰特別対策費、および福祉施設食材料費物価高騰特別対策費についておたずねします。 まず、福祉施設光熱費物価高騰特別対策費は、エネルギー価格高騰に対応するための事業ですが、光熱費の一部助成のなかに、ガソリン代等の燃料費を含む検討はされたのか伺います。

-村山市長

 福祉施設光熱費物価高騰特別対策費につきまして、本事業は高騰している電気・ガスなどの光熱費の一部を助成するものであります。ガソリン価格の高騰対策につきましては、別途国が対応するものと認識をしております。

-山下議員

次に、今回の2つの物価高騰特別対策事業の対象施設に、医療機関や保育施設を含む検討がされたのか、対象施設に含まれない理由もあわせて明らかにしてください。

-山口福祉健康局長

 福祉施設に対する物価高騰特別対策費についてでございますが、医療機関につきましては、県が地域の実情に応じて医療提供体制の確保を行うこととなっております。本市として支援することは考えておりません。

-安宅こども未来局長

 福祉施設光熱費並びに食材料費物価高騰特別対策費についてでございますが、保育施設につきましては既に当初予算におきまして1年分の光熱費及び食材費の物価高騰分が含まれていますことから、追加することは考えておりません。

-山下議員

また、児童館や公民館、児童クラブについては当初予算で光熱費について助成されていますが、今回の補正予算に追加する検討がされたのかお聞かせください。 

-安宅こども未来局長

児童館や児童クラブなどについては、既に当初予算において1年分の光熱費上昇相当分を運営費に加算していますことから、追加することは考えておりません。

-山下議員

最後に、2つの物価高騰特別対策事業の対象施設への周知方法や申請の期限など、助成金支給までの流れを明らかにしてください。 

-山口福祉健康局長

 対象となる施設に対しましては、補正予算可決後速やかに申請方法や申請書の様式をホームページに掲載いたしますほか、各事業所宛に電子メールでも送付し、周知を図ることとしております。申請は2月1日から受け付けし、順次支給していくこととしております。申請期限は3月末でございますが、同様の支援策をこれまでも数度にわたって行っておりまして、未申請者への申請の勧奨を行うなど、漏れのない支給に努めてまいります。

-山下議員

 次に、金沢の買い物応援商品券事業費についておたずねします。 商店街が発行する商品券事業は、本市でも経済対策、物価高騰対策として繰り返し行なわれてきました。今回の補正予算案では、歳入の一般財源約1億9千万円すべてが商品券事業に充てられています。市民の買い物負担を軽減し消費を下支えする目的を掲げていますが、商品券の購入者に要件はなく、金沢市民に限らず購入することができます。また商店街の活性化もあわせて目的とする事業ですが、団体に加入していない店舗は対象とならず、商店街によっては大型店舗に消費が偏るという傾向も見られます。他自治体の分析では、商品券事業期間の前後で買い控えが起きるため、期間中の売上のみで正しい経済効果が算出できないとも言われています。そこでこの事業が、市民の経済的負担を軽減し、物価高騰分を価格転嫁できない小規模事業者の経営を支える事業となるのかお聞かせください。

-村山市長

 買い物応援商品券事業については、物価高騰が続く中で、消費を拡大しながら家計負担を軽減できる最適な手段と捉えています。加えて、これまで買い物応援商品券事業に取り組んだ際には、地域の商店街から、購買者の大多数は地元の皆さんであり、地域の店舗で利用され大変ありがたいとの感謝の声を伺っております。小規模事業者の下支えの役割も十分果たしていると捉えています。

-山下議員

 最後に市独自の財源についておたずねします。今回の補正予算歳入の多くは国庫支出金が充てられています。重点支援地方創生臨時交付金約26億7500万円のうち、地方公共団体が地域の実情に応じて独自に活用できる推奨事業メニュー分が約8億9千万円交付される見込みです。推奨事業メニューには、今回の補正予算に提案されなかった農林水産業、中小企業等への支援、さらには個人や事業者へ幅広く支援が行き届くと考えられる上下水道料金の減免などにも交付金が充当できるとされています。 市独自の財源を積極的に投入し、こうした事業をおこなう検討がされたのかお聞きします。 

-村山市長

 予算に限りがある中で、特にエネルギー・物価高騰の影響を強く受ける低所得世帯や福祉施設等を優先的に支援する必要があると考えまして、国から交付される重点支援地方交付金を全額活用して必要な対策をお諮りいたしました。今補正予算の歳出の総額が重点支援地方交付金の交付額を上回ることとなりました。その差について、令和5年度の決算剰余金の一部を充当することとさせていただきます。エネルギー・物価高騰が続くことが想定されることから、引き続き、国や県の動向を注視しながら、適宜適切な対応・対策を検討していきたいと存じます。

12月27日市長室にて、村山市長に2025年度予算要望を行いました。

手渡した予算要望書はこちらから全文見られます。

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 わたしは、提出者を代表し、議会議案第29号「企業・団体献金の禁止を明記するよう政治資金規正法の改正を求める意見書」の提案理由を述べます。

現在、政治資金規正法について国会で議論が行われています。昨日、政策活動費の全面廃止については与野党の一致をみたとのことです。政策活動費を抜け道なく全面廃止するのは当然です。しかし、肝心の「企業・団体献金」については来春まで結論を持ち越すとされていますが、こちらこそ国民の最大の関心事です。

 ことしの新語・流行語大賞でトップテン入りした裏金問題は、政治資金パーティー券収入について政治資金規正法上の会計処理をせず、政治家が自分のポケットに入れて非課税かつ使途非公開の資金として流用していた問題です。自民党の主要派閥がパーティーを利用して約9億7千万円を裏金にし、少なくとも約100人の国会議員が5億8千万円以上の裏金を手にした組織ぐるみの政治資金規正法違反です。

それなのに、なぜ政治家が起訴されないのかという怒り、あわせて、企業と自民党政治家が、パーティ券購入を巡って癒着し、それによって政治が歪められているのではないかという国民の疑念が広がりました。その結果が総選挙での自公過半数割れという厳しい国民からの審判です。

先月の共同通信の世論調査でも、「企業団体献金を禁止すべき」は67.3%にのぼっています。

かつてリクルート事件、ゼネコン汚職事件、東京佐川急便事件など汚職事件が相次ぎ、1994年に成立した政治改革関連法で、政治家個人への企業・団体献金は禁止されました。ところが、政党本部、政党支部への献金と政治資金パーティー券の購入という2つの抜け穴がつくられ、企業・団体献金が温存されてきました。

 現在、総務省に届けられている各党の支部は9,000以上にのぼり、この党支部を受け皿に、企業・団体献金を受け取っています。さらに、パーティー券は、その大半を企業・団体が購入しているのが実態であり、形を変えた企業・団体献金にほかなりません。

 

 企業・団体からの政治献金は、本質的に政治を買収する賄賂であり、ただちに全面禁止すべきです。

 営利を目的とする企業が、個人をはるかに超える強大な財力で、カネの力で政治に影響をあたえ自己の利益をはかれば、政治は大企業、財界に向けたものになってしまうことは明らかです。

 

 政治のゆがみをただし、国民主権を貫くためにも、企業・団体献金の禁止がどうしても必要です。そして、わたしたち政治家が自ら襟を正すためにも、各議員にご賛同をお願いし提案理由説明といたします。

 私は、日本共産党市議員団を代表し、反対討論を行います。
わが党は、上程された議案17件のうち、議案第47号 令和6年度金沢市一般会計補正予算、議案第52号 金沢市行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律施行条例の一部改正について 議案第53号 特別職の職員の給与に関する条例等の一部改正について 議案第55号 金沢市職員退職手当支給条例等の一部改正について 議案第57号金沢市就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律に基づく幼保連携型認定こども園の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正について。以上5件について反対です。その主な理由を述べます。
第1に、デジタル科教材整備費として9900万円の債務負担予算が計上されました。来年4月から小中学校における「デジタル科」を新設に向け事前準備するというものです。内容としては、プログラミング学習用機用材の調達、メタバース体験に必要な独自のコンテンツの作成としています。
 「デジタル科」を新設し、デジタル教育推進によって、教育現場に悪影響がもたらされていることが明らかとなっています。
 IT先進国といわれるスウェーデンでは、18年前から学校に学習用端末の「一人一台」配備が始まり、デジタル教材による教育が行われてきました。ところが、昨年紙による教科書や手書きを重視する「脱デジタル」へと大きく転換しました。その理由として、子どもたちの集中力が続かない。考えが深まらない。長い文章の読み書きができない。画面ばかりに目が向くなど教育現場からの声が大きくなったことからでした。
 教育のデジタル化が果たして教育現場になじむのか。実態をよく把握すべきだとの声が上がっています。佐藤学・東大名誉教授は、次のように述べています。
「教育のデジタル化は、教師がいない授業が可能になるリスクをはらむ。コンピューターによる教育効果は乏しく、深い学びにならないことを認識すべきだ」と指摘しています。現場の教師からも「児童が静かに端末に向き合う教室はまるでオフィスのようだ。教師とのコミュニケーションも減った」と訴えています。
 教育のデジタル化がもたらす影響を考えるとデジタル科教材整備費として9900万円の債務負担予算には同意することはできません。
第2に、人事院勧告及び石川県人事委員会の勧告による金沢市職員の給与を引き上げることには、賛成ですが、市長、教育長、議員など特別職に対する引き上げには物価高騰などによる市民生活の現状から同意することはできません。
 第3に、金沢市職員退職手当支給条例についてです。
 雇用保険法改定に伴い金沢市職員の退職に伴う支給内容が改正される内容となっています。その一つは、退職後、不安定な仕事に就職した場合に支給される就業手当が廃止されます。もう一つが、就業促進定着手当の内容が後退することです。再就職したが以前より給与が低くなった場合、低下した賃金の6か月間分が支給されていましたが、40%上限が20%上限に下げられます。よって、こうした内容を盛り込んだ条例改正には反対です。
 第4に、マイナ保険証への切り替えが強行にすすられています。従来の保険証発行の中止によって、各種医療費助成制度を利用する場合、保険証で保険者の確認ができなくなる状況が発生するため、マイナンバーの利用が必要となり、行政業務の煩雑化を招くもので反対です。
 第5に、幼保一元化に伴う条例改正です。幼稚園と保育所を一体化するとして始まったのですが、職員の配置基準を低い方にしたり、施設要件などを後退させたりするなど問題となってきました。今回の内容は、職員の幼稚園教諭と保育士資格に関して、資格要件の特例が設けられてきましたが、さらに、2年間延長するものです。現場との矛盾があらわになった結果だと言えます。子どもたちにふさわしい保育・教育の内容や環境の充実に向け、当面、幼稚園には、保育機能を、保育所には教育的機能を拡充・強化して、教育・保育の内容の接近を図ることが求められており、働く職員の待遇改善と体制の充実こそ改善をはかるべきです。
  次に、陳情についてです。
 陳情第12号は、政務活動費領収書等のネット公開についての陳情書です。市民オンブズマン石川の代表幹事から提出されました。
 政務活動費の領収書その他の支出に係る事実を証明する書類について、すでに見ることができるが、さらに、ネットでの公開を求めるもので、賛成です。
 陳情第13号金沢市におけるコミュニティーバスの導入促進に関する陳情書です。金沢市にコミュニティーバスを走らせる会の代表から提出されました。
 金沢市の郊外地域において、コミュニティーバスのさらなる導入・充実を行うことを求めるもので賛成です。
 陳情第14号は、金沢市の子ども医療費を通院について18歳まで完全無料化するよう求める陳情書で、新日本婦人の会金沢支部支部長から提出されました。
金沢市の子どもの医療費助成制度の対象年齢を、通院についても18歳までに拡充すること。窓口負担を、通院についても無料にすることを求めるもので、賛成です。
  陳情第15号は、金沢市内の消防分団機械器具置場(消防分団小屋)の移転新築について全額公費負担による至急の整備を求める陳情書で、生活者目線で金沢方式を考える会の代表から提出されました。
 老朽化の著しい市内の消防分団小屋の現況から、一日も早く全額公費により整備し災害に備えることが必要であるとして金沢市内の消防分団機械器具置場の移転新築について全額公費負担による至急の整備を求めるもので、賛成です。
 以上いずれの陳情も審議した常任委員会、議会運営委員会で否決されました。その結果に反対し、それぞれの陳情に賛成することを表明するものです。
 以上で討論を終わります。

 日本共産党市議員団を代表して、議会議案第27号 高等教育の無償化に向けた取組を求める意見書について、提案理由説明をおこないます。
 いま大学の学費が国立大学、私立大学を問わず値上げされようとしており、学生の学ぶ権利が脅かされています。日本経済新聞社の全国国公私立大学の大学長を対象に実施した調査では、2025年度以降の授業料引き上げについて、536校のうち4割にのぼる215校が、すでに引き上げを実施したか検討中であると回答しています。
 私立大学の納付金は平均約148万円、国立大学でも約82万円となっており、今でさえ世界と比較し、高い日本の大学学費が値上げされれば、すでにアルバイトと奨学金で学業と生活をやりくりしている学生とその家族は、さらなる負担を強いられます。
 欧州の国々では、学生の学びで利益を受けるのは社会全体であり、社会が費用を負担するのは当たり前と考え、教育費が無償化されています。その一方で日本は「受益者負担」が根強く、高等教育予算はOECDの中でも長期にわたり最低水準であり、国立大の授業料への公的負担の割合は32%と、OECD加盟36カ国中ワースト2位となっています。
9月、東京大学が年間約11万円の授業料値上げを発表しました。大学が学費値上げに踏み切らざるを得ない原因は、大学ではなく政治にあります。20年間で国立大学の運営費交付金は1600億円も削減され、私立大学においては、私学助成を経常経費の1割以下に抑制したままです。今日の相次ぐ学費の値上げは、国が高等教育の責任を投げ捨て、大学側に押しつけている結果だと言えます。
 日本国憲法には「教育を受ける権利」がうたわれています。そして、教育基本法は「教育の機会均等」のなかで、どのような経済的条件でも平等に教育を受ける権利を保障しています。
また、日本も批准している国際人権規約では、「高等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること」としています。学費を値下げして無償化にすすむことは、日本政府の国民と国際社会への公約であり、未来を担う世代に対する公約です。
 先の総選挙では、主要政党の全てが高等教育の学費無償化や負担軽減などを公約に掲げました。石破首相も自民党総裁選で「国立大学・高専の無償化」を公約しています。
いまこそ高等教育の無償化へと踏み出すときです。
この意見書は、国に対し、国の責任で高等教育の予算を増やし、ただちに学費を半額にするとともに、世界に例のない日本独特の入学金を廃止し、奨学金を借金ではなく給付型中心に改めるなど、高等教育の無償化をすすめるよう強く求めるものです。
議員各位のご賛同をお願いしまして、提案理由説明といたします。

 私は、日本共産党市議員団を代表して、認定第2号 令和5年度金沢市公営企業特別会計決算認定について、認定できないことを表明し、理由を述べます。

第1に、水道事業についてです。令和5年度決算では、2億3825万円の黒字となりました。昨年は6億6016万円の黒字、一昨年は、7億9600万円の黒字となっています。その大きな要因は、平成27年度より責任水量制が7割から6割に引き下げられたこと。平成28年12月、7回目の県水受水契約が変更されました。その結果、契約水量が引き下げられ、その契約水量で10年間継続されることとなりました。このことによって、県水受水費用が軽減され、黒字が続いてきました。わが党は、市民に水道料金を引き下げし、黒字額を還元することを求めてきました。

 毎日、市民が利用している水道は、半分が自己水で、半分が県水となっています。

自己水に比べ4倍も高い県水を膨大に受け入れ、安くておいしい自己水を3割しか使用していません。契約水量の6割を支払うという責任水量制によって、県水を受け入れてきた結果です。

 安くておいしい自己水を基本とする水道行政に切り替えれば水道料金の引き下げは可能です。よって、決算について認定できません。

第2は、工業用水道事業です。

 この事業は、先端産業を誘致するとして造成された森本テクノパークに立地した企業へ工業用水道を供給するものです。森本テクノパークは、立地した最初の企業が操業開始してから29年が経過し、ようやく、今年度、立地完了の見通しとなりました。

この工業用水道事業において、水道料金収入などでは賄えず、収支不足を一般会計からの繰り入れが行われてきました。令和5年度では、収益的収支と資本的収支併せて一般会計から3110万円が補填されました。利用しているのは3つの企業にすぎません。

一方、工業用水道の単価は、当初から今日までこの工業用水道の単価は変わっていません。

この工業用水道を維持するために、年間3千万円を上る一般会計から補填を続けていることに市民の理解を得ることはできません。以上で討論を終わります。

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