お知らせ |日本共産党 金沢市議員団 |2ページ

お知らせ

 私は、日本共産党市議員団を代表して、以下質問いたします。

 今年、戦後80周年を迎えます。終戦後の昭和22年(1947年8月)文部省が「あたらしい憲法のはなし」と題する中学生向けの教科書を発行しました。その中に、「戦争の放棄」という項目の中で、次のように記載されています。「こんどの憲法では、日本の国が、けっして二度と戦争をしないように、二つのことをきめました。その一つは、兵隊も軍艦も飛行機も、およそ戦争するためのものは、一切もたないということ。もう一つは、よその国と争いごとがおこったとき、けっして戦争によって相手をまかして自分をとおそうとしないということをきめたのです」と述べています。戦後80周年をむかえる現在の日本はどうでしょうか。日本政府は、2023年から2027年度の5年間で43兆円もの防衛費増額を決定し、2027年度に国内総生産比で2%へと倍増させる空前の防衛費拡大計画を打ち出しました。これによって2025年度予算での防衛費は、過去最大の8兆7005億円という規模となっています。さらに、先のトランプ米大統領との会談によって、さらなる防衛費拡大を約束してきました。米国国防次官は、3月4日「できるだけ早く3%以上」に引き上げるよう日本に要求しました。多くの国民は、戦争する国づくりではなく、平和の方向を歩むことを願っています。金沢市平和都市宣言が今年40周年を迎えます。この平和都市宣言は、核兵器廃絶と平和の実現に向け不断の努力することを内外に明らかにしたものです。市長、戦後80周年を迎え、金沢市平和都市宣言のもつ意味と内容をどのように市民に発信されるのか伺いたいと思います。また、新年度予算に盛り込まれた「ヒロシマ原爆・平和展in金沢」の開催について、具体的内容について明らかにしていただきたいと思います。

-村山市長

 世界の恒久平和、核兵器なき世界の実現は人類すべての願いであります。我々はその実現に向けて不断の努力をしていかなければならないと思っています。平和都市宣言は本市固有の歴史・文化を発信し、世界の人々と友好関係を深める中で恒久平和に貢献していくということを宣言したものであります。今年は戦後80年であり、本市にとっては平和都市宣言40周年の節目の年でありますことから、毎年開催している「原爆と人間展」の展示ポスターを充実するほか、8月に「ヒロシマ原爆・平和展in金沢」を開催する予定であり、これらの機会をとらえて、平和都市宣言の基本理念を改めて広く市民に呼び掛けていきたいと考えております。「ヒロシマ原爆・平和展in金沢」の詳細につきましては、現在金沢市遺族連合会や広島平和記念資料館など、関係機関との調整を進めているところであります。写真パネルや被災資料の展示、被爆体験者の講和、体験手記の朗読のほか、新たにVR技術を活用した映像体験を行う予定であります。戦後80年が経過し、被爆者の高齢化、被爆体験の風化が懸念される中で、被爆当時の状況を聞き、体験することで、戦争と核兵器の恐ろしさ、平和の大切さ、そして命の尊さを考える機会にしたいと考えております。

-森尾議員

 第二に、開かれている県議会において、馳知事が金沢港を「特定利用港湾」に指定したい旨、国から申し入れがあったことを明らかにしました。これは、自衛隊や海上保安庁が訓練等に円滑に利用できるよう指定するものです。すでに国は、令和6年12月末で8空港、20港湾を指定し、さらに全国各地の空港と港湾を指定しようとしています。これに対し、全国各地で反対の要請や行動が取り組まれています。日本科学者会議は昨年10月、この指定は戦争する国づくりへと進めるものだとして撤回するよう国に要請しました。市長。こうした国からの指定に反対し、県に対しても国からの申し入れを断るよう求めていただきたいと思います。市長の見解を伺います。

-村山市長 

 特定利用港湾は、自衛隊や海上保安庁が訓練等で円滑に利用できる枠組みを構築することを目的に国が指定するものであり、これまでに全国で20港湾が指定されております。また国からは指定後も一般利用が主であるということが示されております。他方、能登半島地震では金沢港を拠点に能登被災地への災害支援活動が行われており、大規模災害時の迅速かつ効率的な災害支援や防災・減災に向けた港湾整備の促進にもつながると考えています。県からは年度内の指定に向け国との手続きを進めていくと聞いております。市として指定に反対することは考えておりません。

-森尾議員 

 質問の第二に、新年度予算と市民の願いにこたえる5つの提案についてです。

 物価高騰が続き、市民生活は一段と厳しい状況となっています。この3月の食料品の値上げは2343品目にひろがり、2025年に入っての累積の値上げ品目数は、1万品目を超える事態となっています。新年度予算はこうした市民の暮らしを守るものとなっているのか。問われています。具体的に5つの提案を通じて市長の見解を伺います。

 まず、一つはコメ不足と価格高騰についてです。コメの値上がりが異常です。店頭で5㎏あたり、昨年2000円台だったものが3000円を超え、4000円台と平均価格は1.9倍となっています。昨年夏のコメ不足の際に、政府は秋になれば新米が出荷され、コメ不足は解消すると述べてきました。ところが、新米が出荷されると今度は価格が高騰しました。ようやく政府は備蓄米を放出することを打ち出しましが、事態の解決に至っていません。市民は主食であるコメ不足と価格高騰に怒りの声を上げ、解決策を強く求めています。昨年の9月議会でこの問題を取り上げた際に、市長は「国の動向を注視する」として、関係者の声を聴くこともしませんでした。コメの需要が705万トンに対し、供給は661万トンであり、コメ不足は深刻です。この間の減反政策によって、今回の事態となったものです。米を減らす政策から増やすための抜本的転換が求められています。市長。国に対してコメ不足と価格高騰に対する打開策を求めるべきです。見解を伺います。

-村山市長

 米価の高騰につきまして、国は需要に見合うだけの米の量は確実にあり、また政府備蓄米の引き渡しを3月半ばに行うことで、流通の安定化につながるとしていますので、市としてはその動向を注視してまいります。

-森尾議員

 金沢市は、来年度「農業と森づくりプラン」を見直します。この際に、コメ作りへの積極的な施策と支援策を盛り込むよう求めます。見解を求めます。

-村山市長

 本市では金沢の農業と森づくりプランに基づいて農地の集積・集約化、大型の補助整備などの生産基盤整備の推進や、県やJAなどとともに1等米比率の割合を増やすための営農指導や、金沢産ブランド米等の耕作面積の拡大に向けて取り組んでおり、それぞれ成果を上げております。本市における今後の米に関する施策等については、国が今月中に策定する食料・農業・農村基本計画の内容を踏まえまして、明年度策定する新たなプランに反映してまいりたいと存じます。

-森尾議員

 二つ目に、学校給食費無償化と子ども医療費助成制度の拡充についてです。学校給食費無償化の実施を行っていないのは、県内11ある市の中で、野々市市と金沢市だけとなっています。市長は、この実施を拒否し、国が実施すべきとの主張を繰り返しています。国は、2026年度から小学校から学校給食費の無償化を検討するとしています。市長は、金沢市の子どもたちと保護者にそれまで我慢してくださいというのですか。見解を伺います。

-村山市長

 学校給食費の無償化につきましては、自治体間で格差が生じないよう国の指導により全国一律かつ恒久的に実施されることが望ましく、加えて恒常的に多額の財源を要することから、本市独自の給食費の無償化は考えてはおりません。現在国において前向きな検討が進められておりますので、その動向を注視してまいります。なお、食材費の高騰、米価の高騰も含めて、こちらが続いていく状況下において、保護者の経済的負担を考慮し、学校給食費は据え置くことといたしました。引き続き食材費の不足分については全額公費で補填することとしております。

-森尾議員

 子ども医療費助成制度について、通院も18歳まで対象を広げ、無料とすることを強く求めます。18歳まで対象を拡充していないのは、金沢市だけとなっています。子育てのしやすい金沢市をめざすというならば、まず、この制度の拡充に取り組むべきです。見解を伺います。

-村山市長

 医療費の無償化ということでございます。未婚化、晩婚化などの進行など、出生数が減少しております。少子化に歯止めをかけるには、今後の5年間が重要な時期になっているととらえまして、金沢こどもまんなか未来プランを策定し、まずは少子化対策に重点を置いたところであります。予算編成過程の中で、各自治体が取り組む様々な無償化による出生率や出生数を検証いたしました。その改善効果を踏まえ、明年度からは3歳未満時の第2子の保育料無償化を実施することといたしました。加えて、学校給食費や保育所副食費の据え置きのほか、奨学金返還支援制度の創設や、こどもの居場所づくりの拡充、情操教育の拠点施設の整備など、多くの子育て支援策も進めていくこととしております。ご指摘いただきました子育て支援医療費助成につきましては、これまでも予算の選択と集中による施策の重点化を図っていく中で、順次対象年齢の拡大等を行ってきております。昨年度も入院にかかる助成対象を拡大したところであります。今後とも様々な施策を重層的に行うことで、少子化対策、子育て支援に資していきたいと存じます。

-森尾議員

 三つ目に、国民健康保険料についてです。新年度予算で、国民健康保険料の引き上げが提案されています。今回の引き上げが行われると、加入者一人当たり年間保険料は平均12万5967円となり、前年度に比べ12.5%引き上げられ、金額で1万3942円の増加となります。かつてない大幅な保険料の引き上げです。今でさえ負担感の強い国民健康保険料がこれだけ引き上げられると、加入者の負担感はさらに高まります。保険料の引き上げを中止し、支払える保険料にすることが求められます。市長の見解を伺います。国民健康保険の基金から6億円を繰り入れるとしていますが、まだ、6億円の基金が残っています。一般会計からの法定外繰り入れが3億8千万円となっています。保険料の引き上げを中止するために財源の確保するよう求めると共に、国に対し国民健康保険制度を安定的に維持するための財源措置を強く求めるべきです。見解を伺います。

-村山市長

 国民健康保険料の今回の引き上げにつきましては、医療の高度化等に伴う一人当たりの医療費の増等により、県から示された標準保険料率が大幅増となったことが主な要因であります。国民健康保険料については県から示された標準保険料率への準拠を原則としておりますが、市民生活への影響に配慮し、基金を取り崩すことで保険料率の一部を据え置くこととしております。国民健康保険は交付金や法定繰入など、法令に基づいて公費で負担するもの以外は原則として保険料でまかなうとされております。今回基金を取り崩すことで、保険料率の一部を据え置くことといたしました。なお、財源措置の拡充については引き続き全国市長会を通じて国に要望してまいります。

-森尾議員

 第2に、国と県は、保険料水準の県内統一へと歩みを強めようとしています。県内で、同じ所得水準、同じ世帯構成であれば同じ保険料にするというものです。そのために、基金と一般会計からの法定外繰り入れをやめるよう求めています。金沢市でこのことが実施されると保険料の大幅引き上げにつながります。反対すべきです。市長、国民皆保険制度という優れた制度を維持する上で国民健康保険制度は欠かすことはできません。国民健康保険制度について責任を持って運営するよう求めるものです。

-村山市長

 平成30年度の国保制度改革後、県内の保険給付を全市町で支え合う仕組みとなっております。同じ保険給付を同じ保険料負担で受けられることが望ましく、保険料水準の統一は必要と考えております。なお県からは、国の考え方を受け止めつつ市町それぞれの実情を踏まえ、直ちに統一の目標年度は規定しないと聞いております。

-森尾議員

 第3に、マイナ保険証についてです。多くの国民の反対にも関わらず、昨年12月2日から従来の保険証の発行が中止されました。しかし、マイナ保険証を強制することに批判の声が続いています。マイナ保険証を持たない方などについて資格確認書交付を行うとしていますが、今後の金沢市の対応について、明らかにしていただきたいと思います。

-村山市長

 従来の保険証の有効期限が切れる本年7月末までにマイナ保険証を保有していない方には資格確認書を、また保有している方には資格情報のお知らせを発送いたします。引き続き納入通知書等を送付する際に、制度改正の内容を記載したチラシを同封するとともに、新たに市独自のコールセンターを開設するなど、丁寧な対応に努めてまいります。

-森尾議員

 四つに、保育料の引き下げについてです。新年度予算では、二人目の子どもさんから保育料無償化が打ち出されましたが、給食費の無償化が行われていません。また、保育料を引き下げることは、切実な課題となっています。なかでも、共働き世帯などに相当する所得階層の保育料を見ると、0歳から2歳までの保育料が月4万円にのぼります。これは、D階層の保育料が高いことによります。

この階層をはじめ保育料全体の引き下げが求められます。見解を伺います。

-村山市長

 明年度から少子化対策の一環として3歳未満児の第2子の保育料の無償化を行うことで、子育て世帯の負担を軽減していくこととしております。市の保育料の階層区分については、すべての階層において国の徴収基準額よりも低く設定しておりますため、さらなる保険料の引き下げまでは考えておりません。

-森尾議員

 五つに、補聴器購入補助制度の創設についてです。高齢者の場合、聞き取る機能が衰えると人とのコミュニケーションが後退し、さらに認知機能の低下につながります。こうした状況を踏まえ、聴力検査や専門医による診察・相談、補聴器購入支援等の早期対応、フォローアップ、データ分析などが行われています。山形市では、国の介護保険者努力支援交付金を活用し、「聴こえくっきり事業」が取り組まれ注目されています。金沢市において、この交付金を活用し、補聴器購入補助制度を含めた総合支援事業を実施することを求めます。見解を伺います。

-村山市長

 補聴器の購入補助ということでありますが、本市は高齢者を対象とした聴力検診を実施している全国でも数少ない自治体のひとつであります。検診で診断した医師が必要に応じて補聴器の装用を勧め、また経過観察まで行い、難聴者の早期発見・早期治療に向けた取り組みを行っていただいております。補聴器購入補助制度の創設につきましては、全国的な課題でありますことから、全国市長会から国に対して要望を行っているところであります。引き続き国や他都市の動向等を注視してまいりたいと存じます。

-森尾議員

 質問の第三に、下水道施設の安全対策と新たな官民連携の推進についてです。

 今年1月28日埼玉県八潮市で道路陥没が発生しました。その原因として地下にある下水道管の破損とみられるとしています。下水道管の安全対策が大きな課題となり、緊急の安全チェックが取り組まれています。国土交通省によると全国の下水道管のうち、腐食のおそれが大きい個所について明らかにしました。それによると2024年9月末時点で、石川県では208㎞あり、全国で2番目に多い県となっているとしています。そこで、金沢市ではどのような実態となっているのか、明らかにしていただきたいと思います。

 企業局によると下水道管の陥没は年間10ヵ所から20ヵ所発生しているとのことです。最近では平成27年入江交差点で大規模な陥没が発生しました。今後、腐食のおそれが大きい個所の発見と対策をどのように進めていかれるのか、明らかにしていただきたいと思います。また、下水道の耐震化の現状と今後の対策方針について、明らかにするよう求めます。

-松田公営企業管理者

 下水道施設の安全対策と耐震化についてお尋ねがございました。まず、マンホール内に段差がある箇所など、硫化水素による腐食の恐れの大きい下水道管路について、国土交通省は5年に1回以上の頻度での点検を義務付けております。本市ではマンホール内に段差がある箇所のほか、ビルピットからのはきだし口、ポンプからのはきだし口、特定事業所の排水を受ける箇所を点検箇所としておりまして、対象は約1200箇所、5年1巡で点検を行っております。また今回の八潮市での事故を受けまして、翌日には処理場に繋がる大口径の幹線管路が埋設されている13.2kmの路面の巡視点検を行いましたほか、現在口径2m以上の管路5.9kmの内部において、異常がないか目視調査を行っているところでございます。

 腐食の恐れのある箇所でございますが、ここにつきましては対象となるマンホールや接続する管路の内部を目視により異常の有無を点検しております。年間平均250箇所程度を点検しておりますけれども、今のところ管路が破損するような重大な腐食は発見されておらず、鉄蓋の軽微な腐食など数件を発見しておる程度でございます。その都度、交換等の対策を講じております。

 耐震化の状況でございますが、管路につきましては金沢市下水道総合地震対策計画に基づき、拠点避難場所下流等の重要な幹線等について、マンホール接続部の耐震化等を実施しておりまして、令和5年度の耐震化率は約75%と、全国平均を上回っております。処理場につきましても汚水処理機能を維持するための揚水、沈殿、消毒施設について耐震化を進めておりまして、令和5年度末の耐震化率は約69%と、全国平均を上回っております。能登半島地震では市民生活への影響が非常に大きい処理場などの、いわゆる急所施設の耐震化の重要性を改めて認識したところでありまして、処理場の耐震化を前倒しするなど、対策を着実に進めてまりいます。

-森尾議員

 第2に、下水道施設を対象とする新たな官民連携の推進についてです。国土交通省は、新たな官民連携であるウォーターPPP導入を国の補助交付の要件とし、地方自治体にその導入を強制してきています。この導入が進められると、下水道事業が民間事業者の利益追求の対象となり、安全のためのコストカットにつながりかねません。また行政チェック、監視機能が低下すると共に、行政の技能継承が後退するなど問題が指摘されています。したがって、地方自治体から国による強制をしないよう求める要請が行われています。金沢市は、どのような対応をされるのか。具体的に伺います。

-村山市長

 ウォーターPPPの導入についてであります。全国市長会や中核市市長会において、国に対して令和9年度以降の汚水管改築事業への国費支援の要件となるウォーターPPPの導入について、現行の下水道事業運営に支障をきたすことがないよう、地方公共団体の取り組み状況を踏まえつつ、要件の緩和を含め柔軟に対応することや、下水道施設の改築にかかる国費支援の拡充を要望しております。引き続き国の動向等を注視するとともに、国に対して全国市長会や中核市市長会などを通じて要望してまいります。

-森尾議員

 第3に、金沢市はこの新たな官民連携の導入について、西部処理場と臨海処理場を対象に検討を進めるとしています。城北水質管理センターについては、すでに運転管理について民間に委託されています。今後の具体的推進について明らかにしていただきたいと思います。

-松田公営企業管理者

 城北水質管理センターは施設の規模が大きいことに加えまして、西部や臨海水質管理センターと異なり、雨水処理が必要な合流区域を管理しております。こうしたことから、大雨などの非常時にはおいて重要な判断や迅速な対応が求められます。また、引き続き下水処理に関する企業局職員の知見や技術力を確保していく必要がありますことから、ウォーターPPPの導入施設とはせず、これまで同様職員を主体とした管理体制を継続していきたいと考えております。

-森尾議員

 この質問の最後に、水道事業について、この新たな官民連携であるウォーターPPP導入について従来から導入しないとの見解を明らかにしていますが、今後の対応について見解を伺います。

-松田公営企業管理者

 水道事業につきまして、今後ウォーターPPPの導入はしないのかというお尋ねでございますが、現時点におきまして、水道事業におけるウォーターPPPの導入は考えておりません。ただ、これまで同様、国の動向は注視してまいります。

-森尾議員

 質問の第四に、金沢方式についてです。

 市長は今議会の施政方針の中で、次のように述べました。「地域の自主性や 連帯意識を背景とした、いわゆる「金沢方式」については、地域コミュニティが近年直面 している課題を踏まえ、地元負担の見直しを図るなど、持続可能なコミュニティを支えるための施策の充実・強化に取り組むこととした次第であります」と述べました。さらに「地区公民館、児童館、消防分団の施設整備に関して、近年の建築資材や労務単価の上昇を踏まえ、地元負担を軽減するとともに、施設の解体費や長寿命化につながる改修経費を全額市が負担します。また、地区公民館の運営費にかかる地元負担を軽減するとともに、施設整備と同様の世帯数に応じた軽減措置を導入します」との見解を明らかにしました。要するに、金沢方式は継続し、地元負担軽減を図り、持続可能なコミュニティを図っていくというものです。今から26年前、平成11年(1999年)に行われた公民館50周年記念誌の座談会において、当時の編集長が次のように述べています。「金沢方式という形態は今では一応定着しているが、その内容は良い面もありますし、問題となる面も含んでおります。」と発言されています。市長。この中で指摘されている「問題となる面」は、今回解決されたのでしょうか。見解を伺います。

 戦後、昭和24年(1949年)社会教育法が制定され、金沢市公民館設置条例が同じ年につくられました。市内に設置された5つの公民館と中央公民館は、金沢市の常勤職員が配置されました。一方、地区公民館が38校下に広がると、財政的な問題を町内会が用意する財源によって対応が始まりました。ところが、社会教育法第21条で「公民館は、市町村が設置する」との条文からすると、金沢市の公民館運営はこれに反するのではないかという声があがりました。当時の市長は、市立公民館として新たに8ヵ所を整備する方針を打ち出しました。しかし、この方針は地域住民の理解を得られず、野町公民館が設置されただけで、中止されました。その結果、地区公民館に対する金沢市の公費負担が行われ、今日の負担割合まで拡充されてきました。今回の市長提案は、こうした施策の延長にすぎません。社会教育法第21条で明記されている「公民館は、市町村が設置する」との立場に立ち、地元負担を見直すことが求められています。見解を伺います。

 第2に、社会教育法が明記する「公民館は、市町村が設置する」との立場から地元負担なしで公民館を設置し、運営するという公民館施策に切り替えていくことが求められます。市長の見解を伺います。

 第3に、今後、公民館整備計画を策定するとともに、この中で、地元負担をなくすことを基本とし、地域住民の参加のもとで具体化することが求められます。市長の見解を伺います。

-村山市長

 金沢方式でありますが、金沢方式は先人たちによって育まれた地域コミュニティにおけるまちづくりの文化として、将来にわたって継承すべきものととらえています。一方で、人口減少、少子高齢化の伸展や物価高騰など、地域コミュニティを取り巻く環境の変化を踏まえ、持続可能な地域コミュニティを支える基盤を強化することが必要と考え、今回、40年以上にわたって変わっていない地元負担の割合を見直すこととしたものであります。本市の公民館については「多少の地元負担を伴っても校下ごとに公民館がほしい」という地域住民の強い要望を受けて設置してきております。その運営についても、地域主導、ボランティア、地域による一定の負担といった、金沢の地域コミュニティの特徴と一体となって、地域の自主性、連帯意識の醸成に大きな役割を果たしてきたものであり、今後も本市独自の方式として継承すべきものと考えております。

 本市の地区公民館については、それぞれの地域において地元負担を伴ってでもその設置を望む地域の総意を受け、建設しております。本市として公民館整備計画を策定する予定はありません。

-森尾議員

 質問の最後に、金沢市中央卸売市場再整備事業についてです。

 この事業について、市長は昨年9月、この議場で次のように述べました。「基本設計を来年2月末まで延長することで、実施設計については令和7年度から取り組むこととなりますが、建設工事については予定通りの令和8年度中の着手を目指していきたい」と表明しました。ところが、今議会の市長施政方針では、先の答弁を覆し、基本設計業務を「令和8年2月末まで延長する」と述べました。市長は、市民と議会との約束を破ったことになります。市長をはじめ市当局は、基本設計を今年2月末まで完了し、計画通り工事を令和8年度中着手すると繰り返し表明してきました。「できませんでした」ということでは済まされません。市長ご自身の責任について、見解を求めたいと思います。

 また市長は、基本計画について「見直しは考えておりません」と答弁されましたが、今議会では「基本計画を改めて検証したい」と先の答弁を覆されました。市長は、この事業について責任ある見解や表明ができない事態となっているのではありませんか。見解を伺います。

 先に開かれた経済環境常任委員会に置いて、副市長から重大な説明がありました。現在地でローリング方式による工期10年以内の建て替えが難しいとの判断をしたのは、昨年5月だったとのことです。ところが、このことを明らかにしないまま、昨年の9月議会で、基本設計を5か月延長しました。許されることではありません。説明を求めます。

 第2に、市場関係者との信頼関係が壊されたことです。市当局は現在地での建て替えが難しいと判断し、市場の外での仮設設置を提案しました。しかし、敷地が狭く、様々な問題が明らかとなり、断念しました。すると今度は県が所有する用地を仮設候補として提案されました。これも合意には至りませんでした。「意思形成過程」を隠れみのに様々な提案を繰り返し、市場関係者との信頼関係を壊してきました。市当局の責任は重大だと考えます。市長の見解を求めます。

 第3に、基本設計に係る予算と今回の補正予算、さらに新年度予算に盛り込まれた基本計画の検証についてです。金沢市は、基本設計をプロポーザルによる設計事務所を選定し、8900万円の予算で昨年9月30日までとする契約を交わしました。ところが、これを5か月延長し、今年2月28日までとする契約変更を昨年9月13日交わしました。市当局は、現在地でローリング方式による工期10年以内の建て替えという基本方針を断念せざるを得ないにも関わらず、期日だけを変更する措置を取りました。一方で、市場の外での仮設設置を提案し、そのたびに設計事務所が対応しました。基本設計の期日だけを延長する契約変更は、おかしいのではないかとの指摘に対し、「基本設計をまとめていく上での資料であり、軽微な図面だ」との見解を述べてきました。すると今度は、補正予算で3500万円を計上しました。8900万円による基本設計は、何をさすのですか。そして、今度の補正予算で計上した3500万円は、やはり基本設計にかかわるものですか。明快な答弁を求めます。度重なる期日変更を繰り返し、基本設計が年度を超え、追加予算まで計上するのは、金沢市財務規則と事務決裁規則に違反しませんか。見解を伺います。

 また、新年度予算に盛り込まれた基本計画の検証について、どんな内容をどのように検証するのか。明らかにしていただきたいと思います。

-村山市長

 市場の再整備についてであります。2月末までに基本設計が完了できなかったことについては、市場事業者からの要望や意見をお聞きする中で、工期内にそれぞれの意見を調整することができなかったことによるものであります。今後市場事業者とともに、市場の再整備をしっかり勧めていくことで責任を果たしてまいります。昨年5月の段階で判明したのは、想定していた現地での建設・引っ越し・解体を繰り返す手法で、市場事業者の営業と工事中の安全の両方を確保していくとすれば、10年以上の工期が必要になるということであります。このため、工期を縮減するための様々な選択肢について市場事業者に提示し、協議を開始いたしましたが、それによって9月という期限内に協議が整わなかったため、工期の延期を行ったものであります。市場事業者は市場再整備後も生業を継続・発展させていくことを一番に考えておりますが、昨年の能登半島地震以降、集荷や販売の流れが変わったという話も聞いておりまして、不安を抱えていることは理解をしております。私が先月10日に卸・仲卸の代表者で構成する会議に出席しまして、市場事業者から市場再整備に対する様々なご要望やご意見を伺いましたが、今後の市の進め方については理解していただいたと感じております。これまで以上に市場事業者と真摯に丁寧に向き合い、強固な信頼関係を築いてまいりたいと存じます。

-紙谷農林水産局長

 中央卸売市場再整備事業において、令和6年9月から令和7年2月への工期延長についてお尋ねがございました。市場再整備基本設計業務につきましては、令和6年9月以降も市場事業者との調整が必要となったことから、発注者と受注者の双方で契約書に定める仕様書について委託期限以外に変更がないことを確認の上、令和7年2月末まで工期を延長する変更契約を締結いたしました。なお、これらの事務手続きにつきましては、市の事務決裁規則等に則り、適切に対応しているところでございます。

 次に、基本設計の補正予算と基本計画の検証の内容についてお尋ねでございました。令和6年度の補正予算にお諮りをした基本設計の増額分につきましては、これまでの成果を生かしつつ様々な選択肢を比較考量する中で、市場事業者からの要望や意見などを調整しながら、課題を解決していくために必要となる経費について計上いたしております。また、当初予算にお諮りをした基本計画の検証につきましては、今後の取扱高や集荷・販売の流れなど、市場を取り巻く情勢の変化も勘案しながら、あるべき施設の規模や配置、整備手法など、基本設計を進めていく中で基本計画の内容を検証するために必要となる経費を計上しているものでございます。

【再質問】

-森尾議員

 市長に伺います。学校給食無償化について、市長は考えていないと。国の動向を注視していくと答弁されました。津幡町の町長は、国に先駆けて9月から中学校の給食費を無償にすると表明しました。かほく市は中学校の給食費を2学期から無償化すると打ち出しました。内灘町は中学校の給食費無償化に続き、小学校の無償化を2学期から実施すると表明しました。国の方針に先駆けて、学校給食費無償化を打ち出しているということについては、市長はどういうふうに考えますか。伺います。

 もう一点、中央卸売市場について。繰り返し「計画通りやります」、本会議場でも委員会の席上でも述べ続けてきた。しかし、できなかった。市長、議会と市民と関係者に対して、反省の弁がないんじゃないですか。責任を問われる事態だと、私は認識しています。答弁をお願いします。

-村山市長

 再質問にお答えします。今年度、我々金沢市の方としては、給食費の負担額についての再検討を行いました。そのあり方の検討の報告を受ける中で、給食費を本来であれば非常に高騰しているという中で据え置くということの提案を受けました。こちらも踏まえて、現在米価を含めてかなり食材費が高騰しているという中にあって、給食費を据え置くということ、保護者の経済的負担を配慮した中で決断をしたわけであります。申し上げましたとおり、無償化による施策については、様々な予算の選択と集中の中で行ってきているという中で、より効果の高いものから優先して行っていくべきというように考えております。

 もう一つご質問いただきました中央卸売市場の再整備の関係でありますけれども、何よりも大事なのは工期最後の仕上がりまでの期間を延ばさないようにしていくということだというように思っております。基本設計の再延長につきましては、市場再整備の途上であります。市場事業者とともに市場の再整備をしっかりと進めていくことで、責任を果たしていきたいと考えております。

-森尾議員

 質問の機会はこの3回目で終わりになりますが、再度市長に伺いたいと思います。この市場問題について、本会議場でも繰り返し「計画通りやります」、委員会でも「計画通りやります」、どんな内容が問題点になっているんだって言ったら「それは言えません」、資料も出さない。こういう状況が続いてきました。それで、いろんな情報を集め、情報公開請求もやった、その中から明らかになった点があるんです。場長は1月の時点で、仮設施設の適地として県が所有する用地の手立てがついたと述べた。市長が行かれた2月10日、県有地について県に打診したら概ね了解がとれた、仮設施設案も含めて様々な選択肢について協議していきたいと、こう述べたと伺っております。2月19日、副市長が経済環境常任委員会に出席されて述べられました。「現在地でローリング方式による工期10年以内の建て替えは難しい。こう判断した、5月に。」昨年5月ですよ。そして「県の用地というものについては、市場関係者との合意には至っていません」と。執行部の見解が様々なんです。一体市長には、どんな情報が伝えられて、しかるべき決断をされたのか。私は問わなきゃいけない。現時点において、市長はどういう認識をもって対応されるおつもりなんですか。伺います。

-村山市長

 先程おっしゃった文書については、その後日存じ上げたところでもあります。あくまで私の立場とすれば、しっかりと市場の再整備を進めていくということ、それを責任を持って行っていくということが、私の立場であります。そしてそのためには、基本計画に示す内容について、またそれを含めて仕上げていくという必要があるというように思っております。今後とも市場関係者と真摯に向き合って、市場再整備をしっかりと進めていきたいと考えております。

(クリックするとPDFが表示されます。)

PDFダウンロード(B4両面印刷用)

1月緊急議会(1月20日)

※一括質問形式で質疑しましたが、答弁をわかりやすくするために、一問一答形式に直して表記しています。

-山下議員

 発言の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として議案第64号令和6年度金沢市一般会計補正予算(第6号)について質疑をおこないます。   

 まず初めに、物価高騰の影響と今回の補正予算編成についてです。国は昨年11月22日に新たな総合経済対策を決定し、12月17日総額約14兆円にもなる補正予算が可決・成立しました。わが党は反対をしており、国会の議論では、物価高騰から国民のくらしや営業を守る予算配分がされた一方で、能登半島地震の復旧復興費の3倍ともなる8,268億円の軍事費を計上し、半導体企業など一部企業支援に1兆円を超える巨額の予算を投入するなど、緊急的に必要な事業を行うという補正予算の本来の目的から外れる予算編成であり、重点支援地方交付金の増額や消費税減税など、国民のくらしを支えるもっと手厚い対策が必要だと指摘がされています。

 市民生活は、お米や野菜などの食品、郵便料金など値上がりが続き、さらに厳しさを増しています。帝国データバンクの調査では、今年1月から4月までに値上げ予定の食品は6121品目になるとしています。先日はガソリン価格を抑制する補助金をさらに縮小するという政府方針が出されたところです。実質賃金は2022年から2024年11月まで、わずか2ヶ月プラスに転じただけで、この間マイナスが続いています。 東京商工リサーチが発表した2024年の企業倒産件数は、前年度比15.1%増の1万6件となり11年ぶりに1万件を超え、うち1万4件が中小企業です。石川県内では前年より35件多い85件という現状です。子育て中の保護者の方からは、こども食堂や食糧支援など利用できるものはしているけど、それでも生活は厳しいという声を聞いています。

 そこで市長におたずねします。今緊急議会の補正予算案は、先の国会で成立した補正予算に伴うものです。市長は国の補正予算をどのように受け止め、長引く物価高騰の影響を受ける市民のくらしや営業の実情をどのように捉え、本市の補正予算に当たったのかお聞かせください。

-村山市長

 先月成立した国の総合経済対策には、日本経済の成長に向けた賃上げ環境の整備のほか、新たな地方創生施策や足元の物価高対策、防災・減災対策など、地方自治体が直面するさまざまな課題を克服するための対策が盛り込まれており、事業を捉えたものと思っております。特に、エネルギー・物価高騰の影響を強く受ける低所得世帯等への支援や消費の下支えのための地域経済対策につきましては、できる限り速やかな対策を講じる必要があると考え、国の重点支援地方交付金を全額活用し、3月定例月議会に先立ち、今補正予算をお諮りした次第であります。

-山下議員 

 次に、住民税非課税世帯等緊急支援給付金事業費および、ひとり親世帯緊急支援給付金事業費についておたずねします。この事業は、エネルギー・食料品等の物価高騰の負担感が大きい低所得世帯への負担軽減をはかる事業です。 対象世帯は2023年1月~12月の所得等が基準となりますが、2024年1月1日の能登半島地震により、本市においても収入の変化や世帯構成の変化、住民票の移動など、影響を受けた世帯は少なくありません。給付金事業の実施においては、対象の確定から支給にいたるまで、対象世帯が漏れることのないようすすめることが求められます。特に家計急変世帯が申請につながる制度案内が重要となります。そこで、給付金についての周知や申請方法を明らかにしてください。 

-山口福祉健康局長  

 住民税非課税世帯等緊急支援給付金につきましては、昨年以前に同様の緊急支援給付金を受給した世帯のうち、世帯構成に変更のない場合は、申請のいらないプッシュ型で支給することとしております。世帯構成等に変更のあった世帯につきましては、改めて扶養の状況や振込口座を確認する必要がありますことから、確認書を送付することとしております。なお、家計急変の世帯につきましては本市で把握することができませんことから、市のホームページや新聞広報等を通じて給付金の周知を図り、対象世帯からの申請を受け付けることとしております。

-安宅こども未来局長

 私の方からは、ひとり親世帯緊急支援給付金についてお答えさせていただきます。給付金の周知と申請の方法ですが、支給対象世帯に対しましては、児童扶養手当の受給者情報をもとに2月末にも支給案内を発送し、3月中旬をめどに請求行為のいらないプッシュ型で支給をしていきます。

-山下議員

また、対象世帯について住民税非課税世帯等緊急支援給付金事業では約53100世帯、ひとり親世帯緊急支援給付金事業では約1400世帯、合わせて54500世帯を見込んでいますが、その世帯数は本市全世帯数の25%にすぎません。給付金事業において、支援対象の拡大を検討されたのかお聞かせください。 

-安宅こども未来局長

 給付対象の拡大を検討したのかというお尋ねがございました。エネルギー・食料品価格等の物価高騰によりまして家計負担が増加していることを踏まえ、児童扶養手当を受給する低所得のひとり親世帯のうち、全国一律の緊急支援給付金の対象とならない世帯に対し、市独自の支援として同額の給付金を支給することで対象の拡大を図ったところでございます。

-山下議員

どちらの事業も早急な支援が求められますが、支給予定が3月上旬から、ないし3月中旬となっています。支給予定日について速やかな支給の検討がされたのかお聞かせください。 

-山口福祉健康局長  

 給付金の支給予定時期を早めることはできないかとのお尋ねに対してお答えいたします。住民税非課税世帯・ひとり親世帯ともに、給付金の支給時期につきましては、手続の簡素化や事務処理の効率化を十分考慮いたしまして、できる限り早期となるように設定したものでございます。これ以上早めることは難しいというふうに考えております。

山下明希議員

-山下議員

 次に、福祉光熱費助成金についておたずねします。 2023年度の福祉光熱費助成金は、当初予算と9月補正予算で計上され1年を通した光熱費の支援となっていました。しかし今年度は当初予算では支援事業が行われず、今回の補正予算案では対象月を2024年10月~2025年3月分としています。2023年度同様に、1年を通した支援となるよう上期まで対象とする支援を検討されたのか伺います。 

-山口福祉健康局長  

 福祉光熱費助成金につきまして、昨年度は1年を通した助成であったが今年度は10月からの半年分となっていますことについてでございますが、令和5年度の12月補正予算及び1月補正予算に加えまして、令和6年度の当初予算に緊急支援給付金を計上し、支援を行っておりますことから、今年度の上期分の光熱費については助成をしなかったものでございます。

-山下議員

2023年度冬期の助成金額は1世帯あたり1万8千円でしたが、同時期の今年度の助成金額が1万5千円と減額になった理由をお聞かせください。 

-山口福祉健康局長  

 昨年度の助成額1万8000円から今回は1万5000円に減額となった理由についてでございますが、今回の補助単価は、電気・灯油・ガス料金それぞれ令和5年の4月の価格と令和6年12月など直近の実績との差額を6カ月分として算出しております。この算出方法は昨年度までの助成金と同様でございますが、月々の電気等の料金や、国が行っておりますエネルギーの支援額の違い等により、結果として助成額が幾分減額となったものでございます。

-山下議員

福祉光熱費助成金は、生活保護世帯と住民税非課税の児童扶養手当受給世帯、要介護3以上の高齢者や重度の障害者を在宅で支える世帯が対象となっていますが、それぞれのどのくらいの世帯数なのかお聞かせください。また対象世帯への周知をどのように行うのか、申請が必要であればその期限はいつまでなのか、支給予定はいつなのか明らかにしてください。 

-山口福祉健康局長

 助成金の対象ごとの世帯数、周知や申請の方法、期限、支給予定についてでございますが、助成金の対象は生活保護世帯のほか、住民税非課税の要介護3以上の高齢者世帯、重度の障害者世帯、児童扶養手当受給世帯としておりまして、生活保護世帯は3300世帯、要介護3以上の高齢者世帯は1100世帯、重度の障害者世帯は1900世帯、児童扶養手当受給世帯は1000世帯の合計7300世帯を見込んでおります。今補正予算の議決後、1月下旬から順次案内文を送付し、2月下旬に支給を開始したいと考えております。このうち生活保護世帯と児童扶養手当受給世帯につきましては受給者の情報をもとにプッシュ型で支給をいたしますが、そのほかの世帯につきましては住民税非課税などの支給要件の確認を要しますことから申請が必要となりますものの、確実に支給できるよう丁寧に周知をしてまいりたいと考えております。

-山下議員 

 次に、福祉施設光熱費物価高騰特別対策費、および福祉施設食材料費物価高騰特別対策費についておたずねします。 まず、福祉施設光熱費物価高騰特別対策費は、エネルギー価格高騰に対応するための事業ですが、光熱費の一部助成のなかに、ガソリン代等の燃料費を含む検討はされたのか伺います。

-村山市長

 福祉施設光熱費物価高騰特別対策費につきまして、本事業は高騰している電気・ガスなどの光熱費の一部を助成するものであります。ガソリン価格の高騰対策につきましては、別途国が対応するものと認識をしております。

-山下議員

次に、今回の2つの物価高騰特別対策事業の対象施設に、医療機関や保育施設を含む検討がされたのか、対象施設に含まれない理由もあわせて明らかにしてください。

-山口福祉健康局長

 福祉施設に対する物価高騰特別対策費についてでございますが、医療機関につきましては、県が地域の実情に応じて医療提供体制の確保を行うこととなっております。本市として支援することは考えておりません。

-安宅こども未来局長

 福祉施設光熱費並びに食材料費物価高騰特別対策費についてでございますが、保育施設につきましては既に当初予算におきまして1年分の光熱費及び食材費の物価高騰分が含まれていますことから、追加することは考えておりません。

-山下議員

また、児童館や公民館、児童クラブについては当初予算で光熱費について助成されていますが、今回の補正予算に追加する検討がされたのかお聞かせください。 

-安宅こども未来局長

児童館や児童クラブなどについては、既に当初予算において1年分の光熱費上昇相当分を運営費に加算していますことから、追加することは考えておりません。

-山下議員

最後に、2つの物価高騰特別対策事業の対象施設への周知方法や申請の期限など、助成金支給までの流れを明らかにしてください。 

-山口福祉健康局長

 対象となる施設に対しましては、補正予算可決後速やかに申請方法や申請書の様式をホームページに掲載いたしますほか、各事業所宛に電子メールでも送付し、周知を図ることとしております。申請は2月1日から受け付けし、順次支給していくこととしております。申請期限は3月末でございますが、同様の支援策をこれまでも数度にわたって行っておりまして、未申請者への申請の勧奨を行うなど、漏れのない支給に努めてまいります。

-山下議員

 次に、金沢の買い物応援商品券事業費についておたずねします。 商店街が発行する商品券事業は、本市でも経済対策、物価高騰対策として繰り返し行なわれてきました。今回の補正予算案では、歳入の一般財源約1億9千万円すべてが商品券事業に充てられています。市民の買い物負担を軽減し消費を下支えする目的を掲げていますが、商品券の購入者に要件はなく、金沢市民に限らず購入することができます。また商店街の活性化もあわせて目的とする事業ですが、団体に加入していない店舗は対象とならず、商店街によっては大型店舗に消費が偏るという傾向も見られます。他自治体の分析では、商品券事業期間の前後で買い控えが起きるため、期間中の売上のみで正しい経済効果が算出できないとも言われています。そこでこの事業が、市民の経済的負担を軽減し、物価高騰分を価格転嫁できない小規模事業者の経営を支える事業となるのかお聞かせください。

-村山市長

 買い物応援商品券事業については、物価高騰が続く中で、消費を拡大しながら家計負担を軽減できる最適な手段と捉えています。加えて、これまで買い物応援商品券事業に取り組んだ際には、地域の商店街から、購買者の大多数は地元の皆さんであり、地域の店舗で利用され大変ありがたいとの感謝の声を伺っております。小規模事業者の下支えの役割も十分果たしていると捉えています。

-山下議員

 最後に市独自の財源についておたずねします。今回の補正予算歳入の多くは国庫支出金が充てられています。重点支援地方創生臨時交付金約26億7500万円のうち、地方公共団体が地域の実情に応じて独自に活用できる推奨事業メニュー分が約8億9千万円交付される見込みです。推奨事業メニューには、今回の補正予算に提案されなかった農林水産業、中小企業等への支援、さらには個人や事業者へ幅広く支援が行き届くと考えられる上下水道料金の減免などにも交付金が充当できるとされています。 市独自の財源を積極的に投入し、こうした事業をおこなう検討がされたのかお聞きします。 

-村山市長

 予算に限りがある中で、特にエネルギー・物価高騰の影響を強く受ける低所得世帯や福祉施設等を優先的に支援する必要があると考えまして、国から交付される重点支援地方交付金を全額活用して必要な対策をお諮りいたしました。今補正予算の歳出の総額が重点支援地方交付金の交付額を上回ることとなりました。その差について、令和5年度の決算剰余金の一部を充当することとさせていただきます。エネルギー・物価高騰が続くことが想定されることから、引き続き、国や県の動向を注視しながら、適宜適切な対応・対策を検討していきたいと存じます。

12月27日市長室にて、村山市長に2025年度予算要望を行いました。

手渡した予算要望書はこちらから全文見られます。

画像をタップしてください。

 わたしは、提出者を代表し、議会議案第29号「企業・団体献金の禁止を明記するよう政治資金規正法の改正を求める意見書」の提案理由を述べます。

現在、政治資金規正法について国会で議論が行われています。昨日、政策活動費の全面廃止については与野党の一致をみたとのことです。政策活動費を抜け道なく全面廃止するのは当然です。しかし、肝心の「企業・団体献金」については来春まで結論を持ち越すとされていますが、こちらこそ国民の最大の関心事です。

 ことしの新語・流行語大賞でトップテン入りした裏金問題は、政治資金パーティー券収入について政治資金規正法上の会計処理をせず、政治家が自分のポケットに入れて非課税かつ使途非公開の資金として流用していた問題です。自民党の主要派閥がパーティーを利用して約9億7千万円を裏金にし、少なくとも約100人の国会議員が5億8千万円以上の裏金を手にした組織ぐるみの政治資金規正法違反です。

それなのに、なぜ政治家が起訴されないのかという怒り、あわせて、企業と自民党政治家が、パーティ券購入を巡って癒着し、それによって政治が歪められているのではないかという国民の疑念が広がりました。その結果が総選挙での自公過半数割れという厳しい国民からの審判です。

先月の共同通信の世論調査でも、「企業団体献金を禁止すべき」は67.3%にのぼっています。

かつてリクルート事件、ゼネコン汚職事件、東京佐川急便事件など汚職事件が相次ぎ、1994年に成立した政治改革関連法で、政治家個人への企業・団体献金は禁止されました。ところが、政党本部、政党支部への献金と政治資金パーティー券の購入という2つの抜け穴がつくられ、企業・団体献金が温存されてきました。

 現在、総務省に届けられている各党の支部は9,000以上にのぼり、この党支部を受け皿に、企業・団体献金を受け取っています。さらに、パーティー券は、その大半を企業・団体が購入しているのが実態であり、形を変えた企業・団体献金にほかなりません。

 

 企業・団体からの政治献金は、本質的に政治を買収する賄賂であり、ただちに全面禁止すべきです。

 営利を目的とする企業が、個人をはるかに超える強大な財力で、カネの力で政治に影響をあたえ自己の利益をはかれば、政治は大企業、財界に向けたものになってしまうことは明らかです。

 

 政治のゆがみをただし、国民主権を貫くためにも、企業・団体献金の禁止がどうしても必要です。そして、わたしたち政治家が自ら襟を正すためにも、各議員にご賛同をお願いし提案理由説明といたします。

 私は、日本共産党市議員団を代表し、反対討論を行います。
わが党は、上程された議案17件のうち、議案第47号 令和6年度金沢市一般会計補正予算、議案第52号 金沢市行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律施行条例の一部改正について 議案第53号 特別職の職員の給与に関する条例等の一部改正について 議案第55号 金沢市職員退職手当支給条例等の一部改正について 議案第57号金沢市就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律に基づく幼保連携型認定こども園の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正について。以上5件について反対です。その主な理由を述べます。
第1に、デジタル科教材整備費として9900万円の債務負担予算が計上されました。来年4月から小中学校における「デジタル科」を新設に向け事前準備するというものです。内容としては、プログラミング学習用機用材の調達、メタバース体験に必要な独自のコンテンツの作成としています。
 「デジタル科」を新設し、デジタル教育推進によって、教育現場に悪影響がもたらされていることが明らかとなっています。
 IT先進国といわれるスウェーデンでは、18年前から学校に学習用端末の「一人一台」配備が始まり、デジタル教材による教育が行われてきました。ところが、昨年紙による教科書や手書きを重視する「脱デジタル」へと大きく転換しました。その理由として、子どもたちの集中力が続かない。考えが深まらない。長い文章の読み書きができない。画面ばかりに目が向くなど教育現場からの声が大きくなったことからでした。
 教育のデジタル化が果たして教育現場になじむのか。実態をよく把握すべきだとの声が上がっています。佐藤学・東大名誉教授は、次のように述べています。
「教育のデジタル化は、教師がいない授業が可能になるリスクをはらむ。コンピューターによる教育効果は乏しく、深い学びにならないことを認識すべきだ」と指摘しています。現場の教師からも「児童が静かに端末に向き合う教室はまるでオフィスのようだ。教師とのコミュニケーションも減った」と訴えています。
 教育のデジタル化がもたらす影響を考えるとデジタル科教材整備費として9900万円の債務負担予算には同意することはできません。
第2に、人事院勧告及び石川県人事委員会の勧告による金沢市職員の給与を引き上げることには、賛成ですが、市長、教育長、議員など特別職に対する引き上げには物価高騰などによる市民生活の現状から同意することはできません。
 第3に、金沢市職員退職手当支給条例についてです。
 雇用保険法改定に伴い金沢市職員の退職に伴う支給内容が改正される内容となっています。その一つは、退職後、不安定な仕事に就職した場合に支給される就業手当が廃止されます。もう一つが、就業促進定着手当の内容が後退することです。再就職したが以前より給与が低くなった場合、低下した賃金の6か月間分が支給されていましたが、40%上限が20%上限に下げられます。よって、こうした内容を盛り込んだ条例改正には反対です。
 第4に、マイナ保険証への切り替えが強行にすすられています。従来の保険証発行の中止によって、各種医療費助成制度を利用する場合、保険証で保険者の確認ができなくなる状況が発生するため、マイナンバーの利用が必要となり、行政業務の煩雑化を招くもので反対です。
 第5に、幼保一元化に伴う条例改正です。幼稚園と保育所を一体化するとして始まったのですが、職員の配置基準を低い方にしたり、施設要件などを後退させたりするなど問題となってきました。今回の内容は、職員の幼稚園教諭と保育士資格に関して、資格要件の特例が設けられてきましたが、さらに、2年間延長するものです。現場との矛盾があらわになった結果だと言えます。子どもたちにふさわしい保育・教育の内容や環境の充実に向け、当面、幼稚園には、保育機能を、保育所には教育的機能を拡充・強化して、教育・保育の内容の接近を図ることが求められており、働く職員の待遇改善と体制の充実こそ改善をはかるべきです。
  次に、陳情についてです。
 陳情第12号は、政務活動費領収書等のネット公開についての陳情書です。市民オンブズマン石川の代表幹事から提出されました。
 政務活動費の領収書その他の支出に係る事実を証明する書類について、すでに見ることができるが、さらに、ネットでの公開を求めるもので、賛成です。
 陳情第13号金沢市におけるコミュニティーバスの導入促進に関する陳情書です。金沢市にコミュニティーバスを走らせる会の代表から提出されました。
 金沢市の郊外地域において、コミュニティーバスのさらなる導入・充実を行うことを求めるもので賛成です。
 陳情第14号は、金沢市の子ども医療費を通院について18歳まで完全無料化するよう求める陳情書で、新日本婦人の会金沢支部支部長から提出されました。
金沢市の子どもの医療費助成制度の対象年齢を、通院についても18歳までに拡充すること。窓口負担を、通院についても無料にすることを求めるもので、賛成です。
  陳情第15号は、金沢市内の消防分団機械器具置場(消防分団小屋)の移転新築について全額公費負担による至急の整備を求める陳情書で、生活者目線で金沢方式を考える会の代表から提出されました。
 老朽化の著しい市内の消防分団小屋の現況から、一日も早く全額公費により整備し災害に備えることが必要であるとして金沢市内の消防分団機械器具置場の移転新築について全額公費負担による至急の整備を求めるもので、賛成です。
 以上いずれの陳情も審議した常任委員会、議会運営委員会で否決されました。その結果に反対し、それぞれの陳情に賛成することを表明するものです。
 以上で討論を終わります。

 日本共産党市議員団を代表して、議会議案第27号 高等教育の無償化に向けた取組を求める意見書について、提案理由説明をおこないます。
 いま大学の学費が国立大学、私立大学を問わず値上げされようとしており、学生の学ぶ権利が脅かされています。日本経済新聞社の全国国公私立大学の大学長を対象に実施した調査では、2025年度以降の授業料引き上げについて、536校のうち4割にのぼる215校が、すでに引き上げを実施したか検討中であると回答しています。
 私立大学の納付金は平均約148万円、国立大学でも約82万円となっており、今でさえ世界と比較し、高い日本の大学学費が値上げされれば、すでにアルバイトと奨学金で学業と生活をやりくりしている学生とその家族は、さらなる負担を強いられます。
 欧州の国々では、学生の学びで利益を受けるのは社会全体であり、社会が費用を負担するのは当たり前と考え、教育費が無償化されています。その一方で日本は「受益者負担」が根強く、高等教育予算はOECDの中でも長期にわたり最低水準であり、国立大の授業料への公的負担の割合は32%と、OECD加盟36カ国中ワースト2位となっています。
9月、東京大学が年間約11万円の授業料値上げを発表しました。大学が学費値上げに踏み切らざるを得ない原因は、大学ではなく政治にあります。20年間で国立大学の運営費交付金は1600億円も削減され、私立大学においては、私学助成を経常経費の1割以下に抑制したままです。今日の相次ぐ学費の値上げは、国が高等教育の責任を投げ捨て、大学側に押しつけている結果だと言えます。
 日本国憲法には「教育を受ける権利」がうたわれています。そして、教育基本法は「教育の機会均等」のなかで、どのような経済的条件でも平等に教育を受ける権利を保障しています。
また、日本も批准している国際人権規約では、「高等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること」としています。学費を値下げして無償化にすすむことは、日本政府の国民と国際社会への公約であり、未来を担う世代に対する公約です。
 先の総選挙では、主要政党の全てが高等教育の学費無償化や負担軽減などを公約に掲げました。石破首相も自民党総裁選で「国立大学・高専の無償化」を公約しています。
いまこそ高等教育の無償化へと踏み出すときです。
この意見書は、国に対し、国の責任で高等教育の予算を増やし、ただちに学費を半額にするとともに、世界に例のない日本独特の入学金を廃止し、奨学金を借金ではなく給付型中心に改めるなど、高等教育の無償化をすすめるよう強く求めるものです。
議員各位のご賛同をお願いしまして、提案理由説明といたします。

 私は、日本共産党市議員団を代表して、認定第2号 令和5年度金沢市公営企業特別会計決算認定について、認定できないことを表明し、理由を述べます。

第1に、水道事業についてです。令和5年度決算では、2億3825万円の黒字となりました。昨年は6億6016万円の黒字、一昨年は、7億9600万円の黒字となっています。その大きな要因は、平成27年度より責任水量制が7割から6割に引き下げられたこと。平成28年12月、7回目の県水受水契約が変更されました。その結果、契約水量が引き下げられ、その契約水量で10年間継続されることとなりました。このことによって、県水受水費用が軽減され、黒字が続いてきました。わが党は、市民に水道料金を引き下げし、黒字額を還元することを求めてきました。

 毎日、市民が利用している水道は、半分が自己水で、半分が県水となっています。

自己水に比べ4倍も高い県水を膨大に受け入れ、安くておいしい自己水を3割しか使用していません。契約水量の6割を支払うという責任水量制によって、県水を受け入れてきた結果です。

 安くておいしい自己水を基本とする水道行政に切り替えれば水道料金の引き下げは可能です。よって、決算について認定できません。

第2は、工業用水道事業です。

 この事業は、先端産業を誘致するとして造成された森本テクノパークに立地した企業へ工業用水道を供給するものです。森本テクノパークは、立地した最初の企業が操業開始してから29年が経過し、ようやく、今年度、立地完了の見通しとなりました。

この工業用水道事業において、水道料金収入などでは賄えず、収支不足を一般会計からの繰り入れが行われてきました。令和5年度では、収益的収支と資本的収支併せて一般会計から3110万円が補填されました。利用しているのは3つの企業にすぎません。

一方、工業用水道の単価は、当初から今日までこの工業用水道の単価は変わっていません。

この工業用水道を維持するために、年間3千万円を上る一般会計から補填を続けていることに市民の理解を得ることはできません。以上で討論を終わります。

認定第1号 令和5年度金沢市歳入歳出決算認定について、認定できないことを表明し、主な理由を述べます。

2023年度は、5月に新型コロナウイルス感染症が2類から5類へ移行しましたが、その後も感染拡大は繰り返されました。また、異次元の金融緩和による円安や、ロシアによるウクライナ侵攻など世界情勢が不安定なもと、物価の高騰が続いています。そして1月には能登半島地震が発生し、市民生活に大きな影響をもたらしました。厳しい状況にある市民生活と生業を守り福祉の向上を図る、自治体本来の役割が問われる1年でした。

以下、反対理由を3点述べます。

第1に、長引く物価高騰のなかで、市民の経済的負担軽減がなされなかった点です

国民健康保険や介護保険などの高すぎる保険料は、市民の暮らしにおいて大きな負担となっています。

国民健康保険加入者には、年金生活者や非正規雇用者が多く、加入世帯の7割が年収200万円以下という家計状況にあるにもかかわらず、保険料は他の医療保険と比べて約2倍の保険料になっています。国民健康保険財政調整基金は年度末で、21億9千万円余積み上がっています。基金を保険料の引き下げに活用することを求めるとともに、国へ国庫負担割合の引き上げを要望することを求めます。

介護保険においては、実質収支は6億6千万円余の黒字となり、介護給付費準備基金に1億1千万円余を積み立て、年度末の基金残高が29億5千万円余となりました。基金を活用して保険料の引き下げを強く求めます。

第2は、市民の理解と合意のないまま事業がすすめられた点です。

国は、マイナンバーカードをめぐる個人情報の漏洩や誤登録などトラブルが相次いでもなお、普及の推進や利用の拡大を進めています。従来の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードへ一本化するという突然打ち出された方針に対して、国民の不安と疑問が払拭されないでいるなか、2023年度もマイナンバーカード交付事業に1億2千万円余、支出されました。国の方針を批判することなく受け入れる本市の姿勢は問題です。

城北市民運動公園整備事業として、金沢スタジアムが2024年2月から供用開始されました。当初、改修計画だった市民サッカー場が、議会での議論や市民的な合意形成が不十分ななか、移転新築となり、本体工事費総額は82億2千万円とふくれ上がりました。今後も南駐車場の整備や旧サッカー場跡地に本田クライフコートを再設置するほか、多目的広場を設置するなど、こうした事業費の総額は100億円を超える規模と見込まれますが、市民の理解と同意が得られていません。

また、巨大な共同調理場建設についても、市民の理解と同意があったでしょうか。市内泉本町地内に8,000食規模の共同調理場建設が進められています。2025年8月完成予定ですが、開設されると、市内に4か所あった単独校調理場が吸収され、本市の調理場は全て共同調理場となります。さらに今後の計画では、駅西・臨海地区に1万1000食の大規模共同調理場を建設する計画があります。巨大な共同調理場ばかりの自治体は全国でもまれであり、食の安全・安心や食育の観点、また地産地消や災害時の対応などにおいても、単独校調理場を増やすことが望ましいと考え、計画の見直しを求めます。

宿泊税については、本来租税制度は担税力に応じた制度であるべきであり、宿泊税はその原則に沿わないものです。また税の使途については、一般会計の事業と変わらないものとなっており、税収が増えれば使途が拡大解釈され限りなく増えていくことは問題です。目的税として、その正当性と使途に対する同意が必要です。

令和5年度の最終補正で、被災宿泊施設改修支援事業費補助に5千万円、能登避難者食事支援費に9千万円、能登応援・震災復興キャンペーン事業で450万円と、合計で1億4450万円、宿泊税があてられました。本来であれば被災地、被災者支援費については、災害救助法が適用されるよう、国や県に要望するべきです。

第3は、大型開発と公共性が損なわれる事業が進められた点です。

金沢港建設事業については、多額の税金投入が続いています。大手企業コマツの工場を誘致や、クルーズ船の誘致のために岸壁改良工事や施設整備など、金沢港の港湾整備事業の全体計画額は2006年から2026年の20年間で463億6千万円であり、そのうち本市の負担金は88億円にものぼります。市民の暮らしが厳しさを増す中で、一部の大手企業のために多額の税金投入が行われたことは認められません。

金沢スタジアムにおいて、本市で初めてネーミングライツが導入されました。施設維持管理への新たな収入源の確保を目的としていますが、税金を使用して建設している公共施設を、特定の企業が広告・宣伝に利用することは、公共性に大きく反します。また、本市のネーミングライツは、特定企業が提案した愛称に対して、議会の議決を必要とせず、市民的な合意形成をはかる手立てもないことは重大な問題です。

最後に、本市の税収は昨年度より増加したものの、長引く物価高騰の影響もあり、市民生活は厳しさが増しています。2023年度は、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金32億9774万8千円と、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金45億4453万9千円を活用し、合計80億1350万円余の感染症対策事業、物価高騰対策事業を行いましたが、市の一般財源の投入は1億4563万円余にとどまりました。新年度に向けて、物価高騰から市民生活と生業を守る積極的な政策と財政支出を打ち出すことを求めて、討論とします。

▲ このページの先頭にもどる

日本共産党中央委員会
「しんぶん赤旗」のご案内
日本共産党石川県委員会
井上さとし(日本共産党参議院議員)
たけだ良介(日本共産党参議院議員)
藤野やすふみ(日本共産党衆議院比例北陸信越ブロック)
金沢市議会のページへ
サイトポリシー
© 2010 - 2025 日本共産党 金沢市議員団