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お知らせ

わたしは、日本共産党市議員団を代表し討論いたします。

ただいま上程されました議案11件のうち、議案第45号「特別職の職員の給与に関する条例等の一部改正の1件について反対します。

これは、市長や市議会議員の給与の引き上げに関する条例です。

市職員の給与の引き上げに関しては賛成ですが、市民生活に鑑み、特別職については反対です。

つぎに、請願陳情についてです。

請願第15号「国に対し消費税インボイス制度の実施中止を求める意見書の提出を求める請願」は、金沢民主商工会から提出されたものです。

政府が来年10月から導入を狙うインボイス制度は、商品やサービスごとに消費税額と税率を記載した請求書をやりとりするものです。インボイスがないと買い手は納税額から仕入れで払った消費税を差し引けなくなります。売上高1000万円以下の免税業者も取引先からインボイスを発行できる課税業者になるよう迫られかねません。免税業者は課税業者にならなければ取引を断られるおそれがあり、課税業者になれば納税と課税事務の重い負担がのしかかります。

建設業界のひとり親方、居酒屋、個人タクシー、文房具店、フリーランスなどさまざまな分野の免税事業者に影響しますが、中でも、日本がほこるアニメや声優、演劇、漫画の業界を支える個人事業主・フリーランスの人たちの多くも免税事業者であり、インボイスが実施されたら「廃業」「廃業を検討」と答えた人が2~3割というアンケート結果もあります。インボイス制度は、こうした文化や芸術分野でフリーランスとして働く人たちをも標的に、容赦なく総額2480億円の消費税を搾り取り廃業に追い込む危険のある制度なのです。

政府・与党は各業界団体からの反対の声を受け、インボイス制度の導入に、経過措置を検討しています。しかし、検討されている経過措置は免税業者から転換した課税業者の納税額軽減や、少額取引ならインボイスを不要とすることなどです。しかし、いずれも期間限定です。

インボイス制度の中止を求める税理士の会は、この二つの「激変緩和措置」は、一時的に納税額を減らして免税事業者を課税事業者に誘導しようとする手段で、消費税の仕組みをいたずらに複雑にして「中小事業者にとって根本的な解決策にほど遠いものであり断固反対」だと指摘しています。

現役世代、そして未来の働き手が安心して仕事と生活を維持するため、『緩和』ではなく、インボイス制度の実施中止が必要です。よって、この請願に賛成です。

請願第16号「小中学校の給食費の無償化を求める請願書」は新日本婦人の会金沢支部から提出されたものです。

長引くコロナ禍と深刻な物価高騰が暮らしを直撃しています。とくに、低所得世帯やひとり親世帯、子育て世帯に重くのしかかっています。

その中で、学校給食費は、保護者が負担するさまざまな費用の中で最も重い負担となっています。今年度、本市の給食費は、小学校・年間およそ50,000円、中学校・年間およそ58600円です。

本市が2018年度に行った「子どもの生活実態調査」では、毎月の収支について、保護者全体でも約28%が赤字と答え、さらに、どの年齢の子の保護者でも、「今必要とすること」について「教育にかかる負担の軽減」が断トツで選ばれています。

生活困窮世帯やひとり親世帯はさらに、その割合が増えるわけですが、子育て世帯全体の大変さが滲み出る調査結果です。

政府は少子化対策を言いながらも、若い世代に長時間労働・サービス残業など過酷な労働を強いることで子育てに困難をもたらしています。正社員を非正規雇用に置き換え、若い世代の雇用を不安定にし低賃金に抑え込んだことは、子育ての基盤を掘り崩しています。子どもを産んだ方々の自己責任とは到底言えません。そして、そのしわ寄せが子どもの学ぶ権利に大きな影響を及ぼし、貧困の連鎖につながるのです。

子どもの学びを保障するため、全国で12月初旬時点で小・中学校とも給食費が無償の自治体は254にのぼり、小学校のみは6、中学校のみは11でした。

中核市では、2020年4月に中核市初となる中学校給食無償化が明石市ではじまり、今年度は人口27万人の中核市である青森市がこの10月から、小中学校両方とも無償化が始まりました。市川市は来年度から実施の予定です。さらに、今週12日は水戸市が中学校の無償化を来年度から行うと発表するなど、中核市でも無償化の動きが広がっています。

 本来、義務教育は無償であり学校給食もその一環として無償であることが必要です。

 よって、子どもの学ぶ権利を保障するために、本市が小中学校の給食費の無償化を行うべきと考え、この請願に賛成です。

陳情第21号「金沢市におけるコミュニティバスの導入促進に関する陳情書」は、金沢市にコミュニティバスを走らせる会から提出されました。

住民の主要な地域交通である路線バスについては、運転手不足やコロナ禍の乗客減による経営難などで、廃止・減便が立て続けに行われています。この7月からは本市5地域でJRバスの路線見直しの影響を受け、住民のみなさんも大変お困りです。

本市には地域運営交通費補助制度もありますが、住民負担も多く、利用が進んでいません。

抜本的な公共交通への国を主体とした支援が必要なのは言うまでもありませんが、住民がどこに住んでいても安心してくらすことができる。その責任は金沢市にもあります。

多くの市民のみなさんから求められている、ふらっとバスのような、地域の負担がなく、金沢市が主体となって走らせるコミュニティバスを交通不便地域はじめ各地域に導入する必要があると考えます。

よって、この陳情に賛成です。

陳情第20号「政務活動費の条例改正についての陳情」は市民オンブズマン石川から提出されたもので、

政務活動費の透明化をはかるうえで、検討を要すると判断し賛成します。

これらの請願・陳情は所管の委員会でいずれも不採択となり、その決定に反対するものです。

以上で討論を終わります。

議会議案第20号「マイナンバーカード取得義務化につながる健康保険証廃止の撤回を求める意見書」について、提案理由説明を行います。

今年10月中旬、河野デジタル大臣が「マイナンバーカードと健康保険証の一体化」を前倒しするため、2024年度秋に現在の健康保険証の廃止を目指すと表明しました。

これまでの政府方針とは異なる「一律廃止」に市民も現場も混乱しています。

その理由は、まず、マイナンバー法ではカードの取得は任意とされ強制されるべきものではないにもかかわらず、健康保険証を廃止とすればカードを持たないと医療機関にかかることができなくなる。つまり取得が強制され、法律と矛盾が起きるのです。

さらに、この制度変更によって、大きな困難に直面する人々がいます。

それは、要介護者、長期入院者などです。こうした人々にとって、マイナンバーカードを取得するのは簡単なことではありません。

まず写真を撮る必要がありますが、在宅で寝たきりの方がこれを行えるでしょうか。

写真を撮ったあとは、申請のために市役所に出向く必要があります。出向くこと自体も大変ですが、パスワードを考え入力をする必要があります。

しかも、それだけでは終わらず、電子証明書の期限は5年なので、5年ごとに市役所窓口に出向く必要があります。そして10年に1回は、写真を取り替える必要があるのです。

「申請は代理人でもできる」と言われるかもしれませんが、身寄りのない人は、代理人もいません。そのため、行政では介護福祉関係の職員にも支援を求めているようですが、本来の

業務ではありませんし、忙しい現場でできるはずがないとお声があります。

現在は、何もしなくても健康保険証が届きますが、マイナンバーカードとなると、こうした過酷な行程が必要になるのです。

さらに、この超高齢化社会においては、たとえマイナンバーカードを取得できても、利活用より不安のほうが大きい状況です。たとえば、マイナポイントの取得ですが、これは原則本人が行うものとされています。なぜなら、マイナンバーカードは第3者に安易に見せてはいけませんし、暗証番号なども必要だからです。しかし、高齢者をはじめできない方が多いため、あらたに予算をかけて臨時窓口が開設されています。マイナポイントをためることができない段階の方が、マイナポータルやマイナ保険証の利用は可能だという制度設計なのでしょうか。

さらに、健康保険証の枠内で、やるべきことは山ほどあります。

政府は、異なる医療機関間の診療・薬剤情報の共有化がなされれば、「より良い医療が可能」になるとしています。しかし、この情報の共有化はオンライン資格確認のシステムを使っているのであって、マイナンバーカードなしに行なうことも技術的には可能なのではないでしょうか。そして、たとえカルテを見ることができても2か月前の情報であり、使えない場合も多々あります。

医療現場からも多くの反対の声があがっています。マインナンバーカードのシステムに切り替えれば、専用機材の購入やスタッフの配置、セキュリティの管理など、このコロナ禍でさらなる負担がかかり、パソコンなど不慣れな事業所では廃業するしかないというお声もあり、地域の身近な医療に重大な影響を及ぼします。

さらに昨今、医療機関でのサイバー攻撃などセキュリティ上の問題が起きており、今後マイナンバーとの連携を本格化することに支障はないのでしょうか。

個人情報保護委員会の年次報告でも21年度までの5年間で5万6千人のマイナンバー情報が紛失し、不正アクセスの被害もあったとのことです。

これらのことから、さまざまな団体から反対の声があがっており、石川県の開業医などで構成する石川県保険医協会からは、「保険証廃止とオンライン資格確認体制整備の義務化の撤回を求める」声明が出されました。

マイナンバーカード交付が進まない根底にあるのは、政府に対する国民の不信感です。アジャイル型で、最終目標も示さないまま、預金も成績も連携しようかと言ってみて、国民の批判があれば、いったん取り下げ、無難なところからはじめている。個人情報の一元化や紐づけはしませんと言いながら、もともとこの制度の発端は経団連からの共通番号制の導入です。個人の負担と給付を国が一元化して比較することができるように、それを根拠に社会保障を削減できるように、そんな提案がされてきたのです。国民にとっては、どこまでなにを連携し、なにがしたいのか将来設計も示されず、2万円のアメと保険証の廃止というムチ、自治体にとっては交付金をもらう基準にまでされ、自治体間の競争があおられ続けています。そのようななんでもアリのやり方に国民は不安と疑問だらけです。

それが解決されないかぎり、マイナンバーカードの保有者がいくら増えても、本当に便利なシステムを構築することは不可能ではないでしょうか。 改めて、健康保険証廃止の撤回を求めるこの意見書に対し、みなさまのご賛同を求め提案理由の説明といたします。

私は、日本共産党市議員団を代表いたしまして、ただいま上程されました議会議案第19号コロナ危機と物価高騰に見合う水準に生活保護の引き上げを求める意見書について提案理由を述べます。
 生活保護は、憲法25条で明記された健康で文化的な最低限度の生活を送る権利に基づいた制度です。
 しかし、急激な物価高が国民の暮らしを直撃し、所得の低い人ほど深刻な影響を受けています。とりわけ生活保護を利用する人たちは2013年からの保護基準引き下げなどによって、苦しい生活を強いられています。止まらない物価高騰に生活保護利用者は「これ以上どこを節約したらいいのか」と悲鳴を上げています。
物価高騰以前から生活保護利用者は、2013年に安倍晋三政権が同年から2015年までに段階的に強行された保護基準の引き下げによって苦しめられてきました。これは食費や光熱水費にあてられる生活扶助基準を平均6・5%、最大で10%引き下げ、利用世帯の96%に影響が及ぶ大規模な削減でした。
しかし、基準引き下げについては、政府決定を違法とする司法判断が相次いでいます。

 10月19日、横浜地裁は基準引き下げ決定を違法とし、減額取り消しを命じる判決を言い渡しました。判決は、客観的な統計を見れば引き下げに根拠はなく、専門家の検討も経ていないと批判しました。これまでの判決と合わせ4件で、減額を違法と断罪したことになります。国は誤りを認め、生活扶助、住宅扶助や、冬季加算、などの生活保護基準を元の水準に回復することが不可欠です。激しい物価高騰が続いた1973年~1974年には、生活保護基準引き上げなどの特別措置は6回行われています。当時の政府内には「被保護者に対して安心して年を越せるようにする」などの議論があったとされます。

 この間に廃止された老齢加算の復活、夏季加算の新設などを検討することも重要です。
生活と権利を守るために生活保護の申請をためらわせる要因になっている親族などへの扶養照会は廃止が必要です。また、生活保護利用者の大学・専門学校への進学を認め学ぶ権利を保障すること。社会福祉などケースワーカーの増員や職員研修などを行い、憲法25条にのっとった運用を促進することをつよく要望します。
議員各位の賛同を求め、意見書の提案理由説明を終わります。

 陳情第23号 金沢市が浅野町校下にある世界平和統一家庭連合金沢家庭教会と交わした本市公園等里親事業による合意書の解除を求める陳情書は、佐藤清・陳情人から提出されたものです。。

 この陳情書の中で、述べられているように世界平和統一家庭連合・旧統一教会は、霊感商法、高額献金、集団結婚式、さらに、信者二世や、信者間の養子縁組などによる被害など社会的問題を引き起こしてきた反社会的集団です。

 政府は、この旧統一教会に対して、宗教法人法に基づく解散命令請求を視野に、質問権の行使を行っています。

 行政が社会的奉仕活動をもって、この旧統一教会の活動を容認することは、この団体があたかも社会的に認められ問題のない団体であるという言わば「お墨付き」与え、さらなる被害拡大につながるものです。

 本市公園等里親事業実施要綱の第5条には、合意の解除を明記し、市長の判断で合意の解除ができるとしています。 よって、本市がこの団体と交わした本市公園里親事業による合意書の解除を求めるこの陳情に賛成です。

大桑初枝議員

私は認定第1号令和3年度金沢市歳入歳出決算認定について、認定できない事を表明し、その主な理由をのべ討論いたします。

令和3年度は、新型コロナウイルス変異株「オミクロン株」が猛威を振るい、観光、飲食産業をはじめ、多様な職種で休業や、時短などが余儀なくされ、市民生活に大きな影響をもたらしました。

また、コロナ禍に加え、急激な物価上昇も、多くの市民の生活を、直撃しました。

今回上程された令和3年度の決算は、一般会計及び10の特別会計を合わせた総計決算額では、歳入が3210億9千万円で歳出が3115億7500万円、新年度に繰り越すべき財源39億9300万円を控除した実質収支は、55億2200万円の黒字となっています。

決算に反対する第一の理由は不用不急の大型公共事業を推進しようとしている事です。

金沢港建設事業では、大手企業であるコマツの工場を誘致するとして大浜岸壁では大水深岸壁の事業が進められてきました。また、クルーズ船誘致のためとして無量寺岸壁改良事業と施設整備などの事業が行われ令和3年度決算では、6億2200万円余が投入されています。しかし、新型コロナウイルスの感染は終息が見通せず、クルーズ船誘致は困難な状況が続いています。このような巨額の税金投入は即刻やめるべきです。

城北市民運動公園整備事業では、市民サッカー場の再整備の周辺実施設計等で9億5721万円が含まれています。

このサッカー場は、現在地で改築予定だったにもかかわらず、公園敷地内にあるジュニアスポーツコートとクライフコートの敷地に移転するものです。、当初事業費が75億円だったものが80億円に増額となり、さらにジュニアスポーツコートとクライフコートなどの移転新築を含めると総額100億円規模となろうとしています。コロナ禍のもと市民生活の状況から考えても、巨額の費用を投じてのサッカー場の整備事業は再検討すべきです。

学校給食の共同調理場にかかわる点です。

新共同調理場建設事業費として市内泉本町地内に8000食の新共同調理場建設事業として、基本設計費1441万円が決算に含まれています。今後、新たな学校給食調理場整備計画に基づき、泉本町地内のほか駅西・臨海に11000食と大規模共同調理場を新たに建設し、4つある単独調理場をなくし、鞍月共同調理場と8つある学校併設の調理場を廃止するとしています。大規模化して業務の効率化を優先するのではなく、本市がほこる食の教育、地産地消、直接雇用、災害からのリスクを減らすなど、子どもたちにあたたかく、おいしい学校給食を提供する責任や地域経済にとってよりよい給食にするため、単独方式こそ増やすべきです。

反対する第二の理由は災害級とも言えるコロナ禍の緊急事態に一番対策が求められる社会的弱者や地域経済の要である市内の中小業者への支援策が十分実施されなかったという事です。

コロナ禍で立ちいかなくなった中小業者、市民の方は生活の為に、社会福祉協議会が実施した特例貸付事業や、住居確保給付金事業などを頼りにしました。住居確保給付金事業は、昨年より大幅に減りましたが2283件と依然家賃の支払いも、困難な状況は続いています。度重なる新型コロナウイルスの影響で経営難に直面している事業者に対し持続化給付金や家賃支援給付金など、今回限りの支援ではなく、本市独自の直接支援もさらに強化し、事業と雇用が継続できるよう施策の転換が求められます。

医療機関や介護事業所でも新型コロナウイルス感染拡大で深刻な影響を受けました。こうした状況下にあって、受診抑制、事業の縮小、休止などにより、大きな減収が生じました。医療機関、事業所などからは、減収による補填の実施を求める声が上がっています。医療や介護水準を低下させないためにも財政支援、従事者への待遇の抜本的改善、検査体制の拡大、拡充が求められます。

本市の新型コロナウイルス感染症が広がる中で、対策の最前線に立ってきた保健所の体制強化が求められてきました。もともと保健師の定数が少ないことから、相次ぐクラスター発生に医療や保健所の現場がひっ迫する状態が続き、感染への市民の不安が広がりました。わが党は、保健所の体制強化、医療や介護施設への補填、PCR検査を広く定期的に実施することなど具体的な提案を行ってきました。その具現化として、正規保健師や会計年度職員、合わせて5名の保健所職員の増員が行われましたが、抜本的な改善こそ必要です。

市営住宅についても触れておきます。

市営住宅の修繕が遅れ、空き部屋解消が進んでいません。保証人要件の廃止や、給湯器、風呂釜の設置などの改善が必要です。また、若年世帯の入居要望に応えるためにも、入居条件の緩和や、給湯器、浴槽の設置をスピード感もって進めるべきです。

個人番号カード、いわゆるマイナンバーカードの交付事業の推進に反対です。制度開始から令和3年度までの8年間のマイナンバーシステム整備費とマイナンバーカード交付事務事業費の累計は9億2千万円に上ります。この事業の狙いは、政府が国民一人一人に生涯変わらない番号を付けて資産、医療、教育などの個人情報を一元化して、連携・活用しようとするものです。これ自体、プライバシー権侵害の危険を持つ重大な問題です。

政府は22年度末までにすべての国民にマイナンバーカードを行き渡らせることを目標とし、健康保険利用、マイナポイントなど、国民がカードを使わざるを得ない状況を作り出しています。こうしたなか政府は、新設されたデジタル庁に旗を振らせてさらなるデジタル化を推進しようとしていますが、高齢者や障害のある方々など、デジタルに対応できない住民が置き去りにされるのではないか、個人データが企業間での取引の対象とならないのか、個人情報がどこまで守れるのか、などといった問題が指摘されています。今後、市民の目線に立ち、しっかりした検討が求められます。

次に介護保険特別会計決算認定について反対です。令和3年度は、保険料が据え置かれたものの基本月額6590円は、介護保険制度が始まった当初に比べて2倍となっています。基金を投入したものの結果として、6億9198万円の黒字になり、介護給付費準備基金へ4億9320万円余を積み立てています。基金の残高は29億一千万円に膨れ上がっています。高すぎる保険料の引き下げを求める声は切実です。こうした声にこたえる立場からも反対です。

令和3年度金沢市国民健康保険特別会計決算認定について反対です。

令和3年度末の国保財政調整基金は31億1,885万円となっています。国保の加入者は、非正規や年金生活者などの低所得者が約8割を占めている実態からも基金を使い、国保料の引き下げを決断すべきです。
 高過ぎる国保料の原因となっている均等割の廃止を国に要請するとともに、 本市独自に未就学児の均等割りの全額減免を実施することを決断すべきです。また、国保料が高過ぎて、払いたくても払えず滞納した人に対する資格証明書の発行は609件で、短期保険証の発行は1,907件でした。これは医療にかかる機会を奪うもので、病気の重症化、命を失うことにもなりかねません。資格証明書、短期保険証の発行はやめるべきです。

私は、日本共産党市議員団を代表して、認定第2号令和3年度金沢市公営企業特別会計決算認定について、認定できないことを表明し、その主な理由について以下述べます。
第一は、本市ガス事業・発電事業についてです。この二つの事業は、令和4年4月1日をもって、金沢エナジー(株)へ売却されました。従って、この二つの会計決算は、これが最後となります。決算から見てもこの二つの事業を売却する必要は見当たりません。
ガス事業です。
令和3年度ガス事業の黒字額は、10億2900万円となり、11年連続の黒字が計上されました、従って、累積欠損金は、約120億円まで増加しましたが、令和3年度決算では、27億円まで減少となりました。
発電事業です。
令和3年度発電事業の黒字額は、3億6900万円となりました。この間、毎年の黒字で、累積欠損金はゼロ、今年度末の未処分利益剰余金は、8億9400万円にのぼりました。
5つの発電所によって生み出された電力は、一般家庭の4万戸分に相当し、これを北陸電力に売電してきました。その電力料収益は、令和3年度決算で11億9043万円となりました。
発電事業は、水力発電によるクリーなエネルギーとして本市が誇るべき事業であり、ガス事業と共に100年間にわたって、運営されてきた市民の財産であります。二つの事業は、この10年来、黒字経営となっていることからしても、民間に売却する理由は見当たりません。
本市企業局は、2016年、今後10年間の経営戦略方針の中で、ガス、発電など5つの市営事業を継続していくことを打ち出しながら、市民と議会との約束を破り、強引にガス事業・発電事業譲渡方針へと突き進んできました。その譲渡方針をめぐって、この間市民からも議会からも数々の問題が指摘されてきました。
 今回、決算審査の中で、問題が指摘されたのは、本市ガス事業・発電事業譲渡に係わって、本市が、北陸電力との電力受給契約の途中解約についてです。
令和3年度内に覚え書きを交わし、令和4年度に入った4月28日本市は、北陸電力に解約補償金として12億3720万円を支払いました。
 この解約補償金について、本市は、国のガイドラインに基づいて行ったと説明してきました。しかし、国のガイドラインは、あくまでも、発電事業を継続運営することを前提とし、発電事業による電力の売電契約について、随意契約から一般競争入札に切り替えるよう促したのが、このガイドラインです。したがって、本市の発電事業譲渡の場合は、適用するものではありません。しかも、今回の補償について、国のガイドラインに基づいて行うことは、国の了解を得ていると述べてきましたが、そうした事実は、ありませんでした。
本市企業局が、北陸電力に解約補償金として12億3720万円を支払った説明と根拠はことごとく崩れ去りました。
では、どのような話し合いが行われたのか。説明が求められました。ところが、北陸電力との話し合いについて、記録も報告書もないとしてきました。これは、重大な問題であり、市民と議会に対する背信行為とも言えるもので許されることではありません。文書作成が明記されいる本市公文書等の管理に関する条例に違反していることが取り上げられました。しかし、本市企業局はあくまでも、問題は無いとの見解を押し通しました。
話し合いの記録も、報告書もないというのは、市民と議会に対しての説明責任を放棄するもので、許されることではありません。この解約補償金の支払いの正当性がないことが明白となったものです。
前代未聞の対応を厳しく批判すると共に、公営企業管理者の責任が問われていることを指摘しておきます。
第二に、水道事業は、令和3年度決算で、7億9600万円余の黒字となりました。県水の契約水量や責任水量制が引き下げられたことによるものです。本来、水道料金の引き下げを実施し、市民に還元すべきであり、引き続き、県水受水契約の見直しに向けてとり組むよう求めておきます。
 本市水道事業は、自己水に比べ4倍も高い県水を契約水量の6割を受け入れる責任水量制によって受け入れる一方、安くておいしい自己水を配水能力の3割しか使っていません。膨大な県水を受け入れる現状を改め、安くておいしい自己水を基本とする水道行政に切り替えれば大幅に水道料金を引き下げることは可能です。
第三に、工業用水道事業についてです。
 先端産業を立地するとして造成された工業用地・金沢テクノパークは、平成4年着工・造成が始まって、30年が経過しています。現在、用地の2割にあたる3区画・6.1haが立地されないままとなっています。これは、東京ドーム1.3個に相当します。
参入した企業への工業用水道事業は、実質3社が利用していますが、毎年赤字。その赤字を一般会計で補填し続けています。令和3年度決算では、3186万円に上っています。
 市政の失敗ともいうべき事業に対して、市民の税金をもって補填し続けることは許されることではありません。このことを述べ、討論とします。

森尾よしあき議員

-森尾議員

 私は、日本共産党市議員団の一人として以下、質問します。

 最初の質問は、物価高騰による市民、子どもへの影響と学校給食費の無償化実施についてです。物価高騰によるひとり親と子どもたちへの影響について、この10月シングルマザーサポート団体全国協議会が調査を行いました。2805人から回答があり、その報告が発表されました。それによると、9月の収入が12万5千円を下回った方が半数にのぼりました。「主食の米が買えない」と答えた方が56%、「くつや衣類を買えないことがあった」と答えた方が81%など、生活実態の厳しさが報告されました。市長は、物価高騰による市民生活への影響についてどのように把握されておられるのか、まず伺います。

-村山市長

 エネルギー資源や食料価格等の高騰は、子育て世帯や低所得世帯などの家計へ与える影響はもとより、国の公定価格に光熱費上昇分が反映されない福祉施設の運営や、経営基盤の弱い中小企業また肥料価格の高騰を受ける農業者などへの影響があるものと考えております。

-森尾議員

 子どもたちへの影響も深刻です。先の調査報告によると、子どもが学校で使うノートや鉛筆を買うのも遠慮する。必要なものなのに大人の顔色を見て欲しいと訴えることをがまんする。さらに学校の集金日や部活動で必要なお金を支払うことができず、集金日には体調不良で休む。小さくなったクツで、足が痛くてもがまんする。高校生がいる家庭からは、修学旅行に行けなかった、弁当が作れず学校を休ませたなど、悲痛な訴えが報告されています。教育長に伺います。学校現場での子どもたちの様子はいかがですか。物価高騰による子どもたちへの影響はありませんか。実態把握がされていましたら明らかにしていただきたいと思います。

-野口教育長

 少し午前中の喜成議員の答弁にも重なるところがございますが、物価高騰による児童生徒への影響につきましては、民間による調査結果が報道されましたことから、本市におきましても全小中学校の校長に聞き取り調査を行いました。その結果、物価高騰に伴って児童生徒の成長の様子につきましては変化を感じているという校長はおりませんでしたが、一方で、学年集金の納入、学用品費や教材等の購入、制服や体操服のリユースなどによって変化を感じているとした校長がおりました。今後も児童生徒の生活の様子につきましては注視していく必要があると認識をしております。

-森尾議員

 教育長。子どもたちの声が聞こえますか。校長からの聞き取りを行ったとのことですが、是非、子どもたちと家庭の実態把握、調査を行うことを求めたいと思いますが、見解を伺います。

-野口教育長

 今ほども答弁させていただきましたけれども、これからも校長を通して、また私自身も学校を回りながら、こどもの変化の様子につきましては把握してまいりたいと思っております。

-森尾議員

 もう一つ実態調査報告があります。子どもの貧困に取り組むNPOが、食料支援プログラムに登録している子育て世帯を対象に調査を行いました。回答のあった1846世帯から調査結果が明らかにされました。家計を維持するために食費を減らしている世帯が84%。日々の食事では外食やおやつ、肉や魚を減らした。その結果、必要な栄養がとれていないと答えた世帯が70%にのぼりました。少しでも出費を減らすために、暖房をつけないようにしている、入浴回数を減らした、トイレを流す回数を減らした、などが報告されました。そして訴えからは、学校関連のものを無償化してほしい、学校給食費の無償化を求めています。教育長に伺います。学校関連のものを無償化して欲しいとの訴えをどのように受けとめますか。学校は、家庭の負担軽減にどのように取り組んでおられるのか伺います。

-野口教育長

 まず学校で使用するドリルやワーク、またテスト代などの補助教材につきましては、その有益性や保護者負担を考慮しながら選んだうえで、学校長が教育委員会の方に届け出ることになっています。学校では保護者の負担軽減に向け、例えばさんすうセットの中身について、保護者には使用頻度の高い教具のみを購入していただき、使用頻度の低いものにつきましては学校で準備をしたり、また国語辞典や漢字辞典は家にあるものや学校図書館に常備されているものを使ったりするなどして工夫をいたしております。今後も各学校が教材等を購入する際にはその有益性や保護者負担等を考慮しながら選ぶよう、校長会議等を通じて引き続き周知徹底を行いますとともに、今回配備いたしました一人一台学習用端末に備えられておりますドリルを活用するなどして、さらなる保護者の負担が軽減できないか検討していきたいと考えております。

-森尾議員

 学校給食費の無償化は切実な願いとなり、全国で広がっています。小中学校とも学校給食費の無償化実施は、2017年76自治体でした。現在は224自治体へと広がり、この5年間で三倍となっています。県内では、穴水町が小中学校で、小松市、輪島市が中学校で、羽咋市が中学2年3年生で、加賀市ではこの2学期から小中学校で実施するなど、県内でその実施が広がっています。未来ある子どもたちが心配することなく成長して欲しいとの考えが実施を後押ししています。市長。学校給食費の無償化実施の決断を求めます。見解を伺います。

-村山市長

 全国的な物価高騰の中で、本市の学校給食費につきましては保護者への経済的負担の軽減を図るため、6月の補正予算に加えて本定例月議会でも食材費の不足分を全額市で補填する、学校給食費物価高騰特別対策費をお諮りしております。また経済的な理由で就学が困難な場合につきましては教育費の負担軽減や子育て支援の観点からも就学援助制度によって給食費の全額を支援しておりますことからも、現時点で学校給食費の無償化については考えてはおりません。

-森尾議員

 自治体の判断で学校給食費の無償化を行うことについて、岸田首相は「自治体が補助することを妨げるものではない」としています。市長。学校給食費の無償化実施を決断するよう強く求めたいと思います。

 質問の第二に、旧統一教会に対する本市の対応についてです。旧統一教会などによる霊感商法による被害、資金集めに高額献金などの実態、信者二世の被害など反社会的集団・カルト集団としての実態が日々明らかとなっています。去る11月22日文化庁は、旧統一教会に対して宗教法人法に基づく質問権をはじめて行使し、組織運営、収支報告と財産などに関する書類や帳簿の提出を求めました。行為の組織性、悪質性、継続性を示す証拠を集め、解散命令請求を視野に取り組んでいく考えであることが報じられました。市長はこうした一連の動きについてどのように受け止めておられますか。伺います。

-村山市長

 先般、国において質問権が行使されたということ、また法が制定されたということでありますが、まず質問権についてはその回答に基づく国の動向を注視していきたいと思いますし、また施行された法律の運用を見守っていきたいと考えております。

-森尾議員

 日本弁護士連合会がこの9月5日から10月27日までに寄せられた相談について報告が行われました。それによると309件の旧統一教会に関する相談があり、財産に関する相談が82%の253件。被害額として1千万円以上が41%にあたる128件。驚くべきことに1億円以上の被害が17件あったとのことです。私はこの間、この旧統一教会について住民アンケートに取り組んできました。その中に被害にあった方からの悲痛な訴えがありました。2つ紹介いたします。60歳代の方からは「わが家の母が壺をはじめあらゆる品を買わされ、何百万円と聞いています。家庭圧迫だ。」と。50歳代の方からは「私の姉です。乳がん治療をせず、お布施に検査費用としてあげたのにそれを教会に持って行ってしまいました。治療を一回しか受けず、享年53歳でなくなりました。心優しい姉だったのでくやしい思いがします。」胸が痛む訴えです。これ以上被害を広げてはなりません。市長。被害救済とともに、ありとあらゆる努力で市民のいのちと財産を守るために取り組むことが求められています。市長の見解を伺います。

-村山市長

 先般国の方で悪質な献金等による被害者の救済と再発防止の観点から、国会で審議されていた消費者契約法などの改正と被害者救済を図る新法が成立いたしました。今後法に基づく国の対応を見極めていきたいと考えております。

-森尾議員

 私の地元、浅野町校下には、この旧統一教会の施設があります。現在の名称は世界平和統一家庭連合金沢家庭教会です。この旧統一教会が、令和元年7月、本市公園里親事業に申請し、本市と合意書を交わしました。浅野町第三児童公園を活動区域とし、清掃などを行うとしたものですが、その活動実態は本市として把握していないとのことです。本市は、申請のあった時点において、この団体が旧統一教会とは知らなかったとのことです。旧統一教会は、霊感商法や、合同結婚式、信者からの高額献金、信者の養子縁組など社会的問題を引き起こしている反社会的団体です。これ以上の被害を起こしてはなりません。本市としてこうした反社会的団体とは関係を断ち切ることが求められています。市長。一刻も早く、先の合意書を解除し、旧統一教会との関係を絶つべきです。見解を伺います。

-村山市長

 こちらは9月の議会でもお答えした通りでありますけれども、公園等里親制度は身近な公共空間である公園・緑地等の利用及び美化を促進し、まちづくりに対する市民の意識の高揚を図ることを目的としておりまして、里親となっている団体の清掃活動のみを支援するものであります。一方で、社会的な影響が大きい当該団体との関係につきましては、市民の不信感を招くことのないよう対応する必要があるとも考えてございます。国が質問権を行使し、その結果どのような判断をするかなども含め、引き続き国の動向を見極めて慎重に対応してまいりたいと考えております。

-森尾議員

 市長は国の動向を注視し対応すると述べてきましたが、国の動向ははっきりしてるんじゃないでしょうか。本市はこの旧統一教会と交わした合意書を解除する決断が求められていると思います。再度、市長の判断を求めたいと思います。

-村山市長

 国が質問権を行使したということは承知しておりますけれども、現段階におきましては団体として法的な措置を受けた、あるいは受ける予定と断定するに至っていないと判断してございます。引き続き国の動向を見極めて対応してまいりたいと考えております。

-森尾議員

 では、国が宗教法人法に基づく解散命令申請を行った場合、初めてその時点で決断されるというのが市長の見解なんですか。

-村山市長

 仮定に基づいたご質問ですので、こちらはお答えできないと思います。

-森尾議員

 市長は個人的には好きではないと述べたんですが、今の段階では仮定ではないんです。国は進行中なんです。私は、国自身が宗教法人法に基づく解散命令を視野に入れて取り組んでいる状況を踏まえて、市としての決断を改めて求めておきたいというふうに思います。

 質問の第三に、金沢市における再生エネルギー発電設備の適正な設置及び管理に関する条例制定について伺います。この条例制定のきっかけとなったのが、本市御所町の住宅地に隣接する山林での太陽光パネルの設置でした。民間業者の計画では、約1ヘクタールの山林に太陽光パネル3200枚を設置するというものです。軟弱地盤の上に、傾斜が30度以上の場所もあり、雪や雨によって雪崩や土石流などが発生し、住宅地に被害が及ぶ恐れがあるとして地域住民が反対を表明してきました。計画はストップしていますが、現状はどのようになっているのか。この条例制定によって問題が解決するのか、伺います。

-坪田都市整備局長

 令和3年12月に事業者は国に対しまして計画地を当初の住宅地に隣接した斜面から、住宅地から離れた勾配のゆるい箇所に変更する旨の申請を行いました。しかしながら国から事業計画の不備を指摘され、その対応に時間を要したことから、変更の申請がいまだ認定されていない状況となっております。本市としても住民の不安を払拭するため、事業者と連絡を密に取り合い動向を注視しているところでございます。

-村山市長

 条例の制定により問題は解決するのかという部分もご質問いただきました。条例案をお認めいただければ、関係する事業者に対して条例の趣旨や内容、本市の対応等について明確に伝えるとともに、適切な安全対策の実施や住民の十分な理解を得るよう引き続き国等と連携して指導してまいりたいと考えております。条例の制定によって本市の状況に応じた再生可能エネルギー発電設備の適正な設置が図られるものと考えております。

-森尾議員

 これまでの本市の見解と対応について改めて伺っておきたいと思います。本市と専門家による現地調査を行いました。その結果、急斜面で軟弱地盤である、場所によっては35度の傾斜があり、浅い杭で施行すると非常に危険である。従って、まちづくり条例に基づく最終的な了解となる通知文は出さない。これが本市の見解でした。この対応は変わりはありませんか。

-坪田都市整備局長

 その対応には変わりはございません。

-森尾議員

 この条例案について、本市環境審議会やパブリックコメントを通じて様々なご意見が寄せられたとのことです。そこで、条例提案に対して主な点について見解を伺います。第一に、再生エネルギー推進計画がない中、いわばその規制内容を盛り込んだ条例制定を先行したことは、本市が再生エネルギー推進に消極的とも受け止められかねません。問題となっている太陽光発電について限定する条例提案とすべきではありませんか。見解を伺います。

-村山市長

 令和2年度に策定した金沢市地球温暖化対策実行計画において、再生可能エネルギーの利用推進を基本方針に掲げて取り組みを進めておりますが、ゼロカーボンシティかなざわの実現にはさらなる再生可能エネルギーの利用拡大に取り組む必要がありますことから、自然環境や景観、住民生活への影響等、本市の状況に応じた適正な発電設備の整備が図られるよう、位置環境や手続きを明確化する条例を今回お諮りしたものであります。再生可能エネルギーの利用拡大は脱炭素社会の実現に不可欠であり、安定した電力供給が行われるためにも風水力やバイオマスなど他の発電設備の設置も考えられることから、将来的な立地の可能性も考慮して太陽光発電以外の施設も対象とすべきと判断いたしました。

-森尾議員

 第二に、条例案には明記されず、規則で定めるというものが二つあります。一つは、対象となる再生可能エネルギー発電設備についてです。二つは、抑制区域についての項で、市長の許可を必要とする区域について規則で定める、としています。「規則で定める」内容とはどんな内容なのか、明らかにしていただきたいと思います。

-加藤環境局長

 今ほど森尾議員から「規則で定める」ことの内容についてのお伺いをいただきました。まず条例の対象となる設備のことでございます。規則では住宅や事業者社屋等の屋根などに設置をされている太陽光発電設備や、支柱の高さが15メートル以下の風力発電設備は、維持管理等の責務に関する規定を除きまして周辺住民の生活や環境への影響が軽微なものとして条例の適用外としたいと考えているところでございます。このほか、発電出力20kw未満の太陽光及び風力発電設備や、100kw以下の水力発電設備につきましても、その規模から同様に条例の適用外としたいと考えております。また設備の設置にあたりまして、市長の許可を必要とする抑制区域でございますが、自然環境・景観・生活環境の保全、文化財保護等の観点から、自然環境保全区域や景観形成区域、宅地造成工事規制区域、史跡・名勝・天然記念物にかかる区域、都市計画法に基づく住居系地域、商業系地域などを考えているというところでございます。

-森尾議員

 本市景観審議会は、去る11月28日に開かれ、この条例提案について議論が交わされました。景観を守る立場から、今回の条例制定について、どんなことを望むのか。この条例制定によって、景観面での指導方針がかわるのか。景観を担当する都市整備局に伺います。

-坪田都市整備局長

 再生可能エネルギーの利用の促進は現在、世界的に取り組むべき課題でありまして、本市においても今回条例を制定し推進していくこととしております。そのことを踏まえまして、景観を保全する立場としましては、再生可能エネルギーの発電設備が設置される場合には、景観審議会の意見を伺いながら事業者に景観への配慮を求めることで再生可能エネルギーの利用促進と本市の魅力である景観の保全が調和したものとなるように進めていきたいというふうに考えております。今後の指導方針でございますが、これまでも太陽光発電設備等の設置につきましては景観計画で定める基準に照らしまして設置の仕方でありますとか公共空間からの見え方等について設置者等と協議し、周辺環境に調和するよう指導してきたところでございます。条例制定後におきましても指導方針に変わることはなく、これまで同様慎重かつ丁寧な審議のうえ、指導していきたいというふうに考えております。

-森尾議員

 では、この条例提案の担当局である環境局に伺います。先の景観審議会で、景観形成区域については禁止区域とする方がよいとの意見が出されました。条例提案では抑制区域となっています。見解を伺います。

-加藤環境局長

 景観審議会のご意見のことのお尋ねをいただいております。景観審議会の委員からご指摘の意見があったことは私共も承知しておるところでございます。景観形成区域におきまして、再生可能エネルギー発電設備の設置申請があった場合には、まずは景観形成区域を所管する部局で関係条例や各種基準、専門家等の意見に基づいて検討が行われることが適切というふうにとらえているところでございます。再生可能エネルギーの利用推進といった観点も含め、市長の許可が必要な抑制区域としたものでございます。

-森尾議員

 市長。今のやり取りをお聞きして、景観行政と環境行政との見解と対応が異なっています。協議が十分行われないまま条例提案となったのではありませんか。市長はどのように受け止めていますか。

-村山市長

 ただ今の都市整備局長と環境局長の答弁は整合性がとれていると把握しております。

-森尾議員

 11月28日に開かれた本市景観審議会で、この条例提案の内容について審議されました。しかしその時点では条例提案の内容が決まった後でした。景観審議会を軽視してはいませんか。この景観審議会から、景観形成区域については抑制区域ではなく禁止区域とする方がよいとの提案が行われています。一体、どういう対応をされるのでしょうか。

-村山市長

 景観審議会の中でご指摘の意見があったというのは承知をしております。ただこれが景観審議会の決定だということではないというように思っておりますので、意見は自由にあげていただいて構わないものだというように承知しております。

-森尾議員

 ちょっと市長の答弁としては問題じゃありませんか。要は、十分な市民の合意が必要だということを私は強調したかったんです。専門家のご意見については十分検討が必要だと思います。とりわけて、景観審議会との議論は、過去幾多にわたって本市のまちづくりや景観について様々な提案も受けて、本市はそれを尊重してきた立場なんです。市長の答弁は軽率だと私は思います。したがって、今回の条例提案について議論を尽くすべきだと私は考えます。市長の決断と判断が必要だと考えますが、改めて答弁を求めます。

 

-村山市長

 先ほどの答弁ですけれども、景観形成区域内において再生可能エネルギー発電設備の設置申請があった場合は、まず景観形成区域を所管する部局で関係条例や各種基準、専門家等の意見に基づいて検討が行われるというように承知しております。再生可能エネルギーの利用推進といった観点も含めて、市長の許可が必要な抑制区域となっております。条例案につきましては先行する他自治体の例も参考にして、パブリックコメントの実施なども通して寄せられた市民の意見、あるいは専門家の意見等を可能な限り反映して、また本市の自然環境等の保全、また住民生活等への影響に関係する他の条例とも整合性を十分に考慮して今回上程させていただいたものであります。ご意見の中にはより早い制定を望む、そして速やかな運用を望むという声も多くありました。お認めいただければ今後寄せられる様々な意見も参考にして、条例の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。

-森尾議員

 質問の最後に、森本地区・三ヵ所での地元スーパー閉店に伴う対策と地域の公共交通の確保について伺います。森本地区の地元スーパーがこの11月末をもって相次いで閉店となりました。地域住民の間では、日々の買い物が困難となり不安が広がっています。先日、地元から対策を求める要望書が市長宛に提出されました。市長はこうした事態と地域住民の要望について、どのように対応されるのか見解を伺います。

-村山市長

 森本地区のスーパーが三店舗同時に閉店ということは、地域住民の生活に大きな影響があるといように理解しております。報道によると閉店後の計画については後継事業者が検討しているということであります。早期に地域住民の生活に配慮した事業計画を示していただきたいというように思っております。引き続き推移を注意深く見守っていきたいと思います。

-森尾議員

 地域のスーパーの閉店だけではありません。森本地区でのJRバスの運行が廃止となりました。薬師地区での地域運営交通も、この6月末をもって廃止しました。そこで、この7月から高齢者等の日中の移動手段を確保するとしてジャンボタクシー2台を運行する民間による「チョイソコ」と呼ばれる試験運行が始まりました。現状と課題について、明らかにしていただきたいと思います。

-村山市長

 7月から試験運行を開始した地域運営交通「チョイソコ」につきましては、徐々に認知度が高まって会員登録者や利用者には増加傾向が見られます。住民からのアンケートによれば利用者の大半から「満足している」との回答がございますが、今後より多くの方に利用していただくことが重要と考えております。

-森尾議員

 チョイソコは午前8時から午後3時までという利用時間の制限があります。予約制となっています。行き先についての制限があります。片道一回300円です。足の確保がなくなってしまうことからすればがまんの範囲かなあ~という率直な住民の声もあります。このチョイソコは、本格運行はいつから予定しているのか。課題の解決に本市はどのように係わっていかれるのか伺います。

-村山市長

 市としては来年度のできるだけ早い時期からの本格運行に向けて地元の皆様と協議を重ねているところであります。本格運行におきましては、地元の皆様のニーズを十分踏まえながら、より多くの方にチョイソコを利用していただけるよう取り組んでいきたいと考えています。

-森尾議員

 現時点において、このチョイソコの本格運行はいつから予定しているのか、市としての課題はどのように問題解決に臨んでいかれるのかということを伺ったんですが、回答を求めたいと思います。

-村山市長

 いつからというところは、来年度のできるだけ早い時期からということで協議を重ねております。また課題解決でありますけれども、地元の皆様のニーズを十分踏まえて、より多くの方に利用していただくということが大事だというように思います。その利用者を増やしていくというところに今取り組んでいきたいと考えています。

-森尾議員

 本市の地域交通施策の失敗と無策ぶりがこの地域に集中的に現れたと考えます。都心軸での新しい交通システム導入検討が進められましたが、その導入は事実上破綻しました。郊外での地域交通は地域住民にお任せ。内川、大浦で運行されたものの、それ以外では広がりませんでした。北鉄バス、JRバス路線の縮小・廃止が打ち出されると新たな民間交通頼みとなっています。いったい、本市の地域公共交通の構築をどのように進めていかれるのか、伺っておきたいと思います。

-村山市長

 このコロナ禍で公共交通の利用者が大きく減ってしまった、これがひとつ各地域での公共交通の路線廃止あるいは縮小につながっていったというように捉えております。交通が不便な地域の交通手段を確保するためには、それぞれの地域の実情に応じて地域運営交通を導入して進めていくことが重要であるというように考えております。制度の周知に努めるとともに、地元の意見をしっかり聞きながら、持続可能な交通ネットワークの形成につなげていきたいと考えております。

-森尾議員

 ちょっと踏み込んで、じゃあ本市の地域公共交通の構築に向けて具体的な課題の解決は一体どこで議論され、どのような方針で臨んでいかれるのですか。

-村山市長

 現在、第三次の金沢交通戦略を策定しているところであります。民間の事業者、現在公共交通として提供していただいている事業者の方のご意見も伺いながら、また地元の方々のご意見も伺いながら、新たな交通戦略を策定してまいりたいと考えています。

-森尾議員

 最後に、今後の森本地区の発展をどのように進めていくのか伺っておきたいと思います。この間の政治によって、森本地区では次のような事態が進行しています。第一に、米作りを担ってきた農村部で、農業が継続できず、農協も統廃合が進んできました。里山での農山村が過疎化と高齢化によって荒廃が進んでいます。第二に、追い打ちをかけるように本市は小学校の統廃合、今度は保育所の統廃合を進めてきました。第三に、地域住民の生活を支える地域交通の縮小、JRバス路線の廃止、さらには東金沢駅と森本駅の無人化を2024年に実施するとしています。今度は地域スーパーの閉店によって、地域丸ごと買い物難民という事態をむかえています。安心して住みつづられるまちづくりに向けて、農業などの地域経済の振興、学校や保育所など生活の環境整備、医療・介護などの充実、そして何よりも、地域コミュニティーの充実・発展が欠かせないと考えます。市長。未来ある展望を森本地区の方々にどのように示されるのか伺っておきたいと思います。

-村山市長

 市長として就任して以来、また就任する前からですが、市内の各地を回って、また北部地域も回って、様々な実情を拝見してきたところであります。先般、森本市民センターで開催したまちづくりミーティングでは、定住人口の増加策や移住の促進のほか、地域運営交通への支援、農業振興、ふるさとづくりに向けた思いなど、皆様方の切実な声をお聞きしたところであります。これまで開催した他の地域のまちづくりミーティングにおいても、森本地区と同様に地域活性化について多くのご意見をいただいておりますが、新たな都市像の策定を進める中で検討していきたいと考えております。

-森尾議員

 市政の直面する課題に具体的に全力をあげると共に、市民一人一人がこの町で暮らしてよかったと言える展望を具体的に示されることを求めて、質問を終わります。

広田美代議員

〇物価高騰から市民を守る施策について

-広田議員

物価高が市民のくらし、中小業者の経営を直撃する中、今月2日「総合経済対策」の裏付けとなる第2次補正予算案が成立しました。わが党の反対理由は、最も急がれる物価高騰から暮らしを守る点で全く不十分な一方、緊急性がない多額の予備費や基金、軍事費などを計上しており、暮らしの実態からも財政法に照らしても認められないというものです。この経済対策やこの間の情勢について、数点市長のお考えを伺います。

インボイス制度について

-広田議員

 まず、政府の物価高騰対策は、大手石油元売りや電力・ガスの独占企業を救済する、部分的な価格抑制策であり、不十分です。全ての物価を引き下げる消費税の減税こそ最も効果的です。小規模事業者やフリーランスの方々に深刻な負担増をもたらすインボイス制度は中止すべきです。このインボイス制度ですが、全国免税事業者のうち161万業者が新たに課税事業者になり、平均15万4千円、合計で2480億円もの増税になると財務省は試算しています。課税事業者を選べば負担が増え、免税事業者を選べば仕事がなくなる。この制度は、小規模事業者やフリーランスの方々に増税か廃業かという地獄の選択を迫るものです。本市の地域経済のためにも、インボイス制度の中止を国に求めるべきですがいかがですか?

-村山市長

 インボイス制度は消費税の複数税率下において適正な課税を行うことを目的として、平成28年に導入の決定が行われたもので、国が令和5年10月の開始に向けてすでにインボイス発行事業者の登録を開始するなど、全国で導入準備が進められております。現在、全国市長会においても国に対し中小企業への配慮などの必要な措置を講じるよう要望を行っておりまして、今後の動向も注視しながら適切に対応してまいりたいと考えております。なお、制度の中止を要望することは考えておりません。

賃上げについて

-広田議員

賃上げについてです。雇用の7割を支える中小企業全体の賃上げ支援策が必要です。中小企業への社会保険料・税負担軽減策の要望に応え、最低賃金の引き上げ、非正規雇用拡大政策の転換を行うことが必要です。その財源は、アベノミクス以降積みあがってきた大企業の内部留保への課税です。その課税には賃上げ分を控除して賃上げを促進する。こうした、中小企業全体を支援する「構造的な賃上げ」が必要です。市長は、提案理由説明の中で、「政府の構造的な賃上げ」にお触れでしたが、どのようにお考えでしょうか。

-村山市長

 物価高に対しましては、国は総合経済対策において、経済の持続的な成長と分配の好循環を達成するため、中小企業や小規模事業者の生産性向上の支援等により、賃上げの促進に全力で取り組むこととしており、本市としても地域経済の活性化には継続的な賃上げの実現が必要であると考えております。一方、賃上げ対策につきましては一義的に国が行うべきものであり、本市としては中小企業の資金繰りや雇用の確保等に対する支援を通じて、国の対策に呼応してまいりたいと考えております。

電気代の値上げについて

-広田議員

光熱費の高騰に関してですが、先月末には北陸電力が記者会見を行い、来年4月に家庭向け電気料金を平均45.84%値上げする計画を経済産業省に提出したとしています。これは標準的家庭でおよそ2700円もの値上がりになるとされており、市民からは不安の声が相次いでいます。しかも本市の優良な水力発電を譲渡したばかりです。この件について、市長に北陸電力からはご相談などはあったのでしょうか。市民生活に配慮を求めるつもりはありませんか。

-村山市長

 電気料金の値上げにつきましては、国の電力・ガス取引監視等委員会等で値上げについての妥当性が審査されることから、改めて本市として配慮を求めることまでは考えておりません。なお、報道内容につきましては説明を受けてございます。

軍拡と負担増について

-広田議員

政府はまともな外交努力も行わずに、敵基地攻撃能力の保有を自民党、公明党が合意したとのことです。これまで憲法上持てないとしてきた攻撃型の兵器の保有解禁の説明もなく、集団的自衛権の行使としての発動も排除しないとします。さらにアメリカへのトマホーク購入打診などすでに結論を先取りしています。際限のない軍拡競争に突き進む危険な大転換は絶対に許されません。さらに岸田首相は来年度から5年間で43兆円の軍事費増額を指示し、増税もさけられないとしています。市長は軍拡と国民への負担増の議論についてどのようにお考えですか?

-村山市長

 我が国の安全保障に関する問題についてでありますが、国民の安全や暮らしを守る観点からも、国において十分な議論を重ねたうえで適切に対応されるものと認識しております。

〇本市独自の取り組みについて

住民税非課税世帯等緊急支援給付金について

-広田議員

 つぎに、このような中で本市独自の取り組みを求め、数点伺います。

現在、住民税非課税世帯等に5万円の給付が行われていますが、もっと幅広い市民に給付すべきと考えます。住民税非課税世帯であっても扶養控除をされている方や、均等割りのみの方などぎりぎりでもらえない方が多くいます。単身の場合で総所得が45万円以下という均等割りのみ課税世帯などにも、対象拡大を行う考えはありませんか。

-村山市長

 住民税非課税世帯等に対する緊急支援給付金の対象につきましては、令和4年度に住民税が課税されている世帯であっても、本年1月以降に家計が急変し非課税世帯と同様の状態にあると認められる場合には支給対象となることから、市独自に対象を拡大することは考えておりません。なお、家計急変世帯に対する支給については申請が必要でございますので、引き続き市民に対する周知に努めていきたいと考えております。

上下水道料金の減額について

-広田議員

本市が以前行った上下水道料金の減額は市民のみなさんに大変好評でした。水道事業は令和3年度の決算で、7億9600万円もの黒字が確認されています。これは本来市民に還元すべきものです。上下水道料金の減額を検討すべきですがいかがですか。

-平嶋公営企業管理者

 上下水道料金の減額についてお答えいたします。今回お諮りしております補正予算案におきまして、エネルギー価格高騰に伴います上下水道施設の光熱費などの経費の増額をお諮りしており、水道事業また下水道事業におけます当年度予定利益も減少する見込みとなるなど厳しい経営環境にございます。現時点におきまして基本料金の減額等を行うことは考えておりませんが、これまでも療養援護を受けている方を対象に基本料金相当額の減免制度を適用しておりますほか、上下水道料金の支払いが困難な方には事由の把握に努め、分割納付や支払い期限を延長するなどきめ細やかに対応しております。なおご指摘がありました令和3年度決算にかかる黒字、いわゆる未処分利益剰余金でございますが、将来の老朽管更新対策や企業債償還の財源として積み立てることをお諮りしているところであり、ご理解願いたいと思います。

子どもの医療費助成18歳まで対象拡大について

-広田議員

そして、市民のみなさんと長年取り組んできた、子どもの医療費助成制度。私たちは18歳までの対象拡大と窓口無料化を求めています。この2か月あまりで1374筆もの署名が市長に届けられ、今も署名は続いています。このくらしが大変なとき、早急に実施を決断するよう求めますがいかがですか?

-村山市長

 こども医療費につきましては、県では来年度からこども医療費助成の市町に対する補助を拡大することとしておりますが、これに伴う本市の負担減少分の使途については、県から子育て施策に活用するよう要請がきていることを踏まえ、どのような施策に活用するか、明年度の当初予算の編成作業の中で検討してまいりたいと考えています。

〇歌劇座の建て替えについて

-広田議員

こんなに市民生活が大変なときに、歌劇座の建て替え検討が進められてきました。さらに先月22日の報道では、日銀跡地での建て替えがむずかしいので、歌劇座はそのままにして、日銀跡地にあらたな演劇施設をつくる提言が経済同友会から出され、市長は「ニーズを調査し、検討する」と発言。来年度、県も含む検討組織を立ち上げるともしています。大変驚きました。現在、市のほうで歌劇座について現地か日銀跡地かで建て替えの検討が行われている段階であり、まだ議会としては結論のご報告も受けていません。にもかかわらず、あらたな検討組織の立ち上げをおっしゃられたのでしょうか?市民と議会軽視であり問題ではないですか?そもそも、歌劇座の建て替えは市民が求めたものではなく、山野前市長が経済同友会の要望に応え、検討をはじめたものです。それが破綻したら「次は日銀跡地に別の施設を」とはとんでもありません。一度、歌劇座の建て替えも含め白紙に戻すよう求めますがいかがですか。

-村山市長

 日本銀行金沢支店の跡地につきましては、市の主体的な関わり方を早期にお示しすることが肝要との思いから、明年度にも活用の方向性を検討する組織を立ち上げたいと考えております。歌劇座の建て替えにつきましても、建物の機能向上を含めた検討を重ねているところであります。いずれも都心の風格や賑わいに関わる必要な施策であり、引き続き検討を進めてまいりたいと思います。なお、施策の推進に当たりましては議会に対する説明の重要性は十分に認識しておりまして、これからも留意してまいりたいと考えております。

〇除雪について

-広田議員

 除雪についてです。気象庁によれば、今冬の気温は全国的に平年より低く、西日本の日本海側の雪は平年並か多くなる予想です。これまで、わが党は市道に対し市が行う除雪範囲をもっと広げるよう求めてきました。それに対し、本市は「必要な路線については、計画路線の指定を検討していく」としていましたが、今シーズンの計画でも市道の4割を超えていません。この4割は平成17年から17年間ずっと変わらないままですが、なぜなのか、あきらかにしてください。

一方で、道路法第42条で、『道路管理者は、道路を常時良好な状態に保つ義務』が定められています。この法律のもと、近隣市町、たとえば富山市は8割、福井市は85%、小松市85%、白山市は73%の除雪計画を立て除雪を行っています。本市の4割は低すぎます。まずは、今冬の対策をどうするのか。そして、来年度に向けて大幅に除雪基準、予算を見直し、計画路線の拡大検討を行うよう求めますがいかがですか。

-坂本土木局長

 除雪につきまして2点ご質問がございました。最初に除雪計画についてでありますが、毎年通学路など新規除雪路線の追加や除雪委託業者並びにオペレーターの確保を図るなど見直しを行いながら、金沢市道路除雪計画を策定してきております。今年度も除雪委託業者は微増減があるものの5社の増で、昨年並みの除雪体制となりますことから、市道における除雪作業を迅速かつ的確に行うことは限界があります。市道の除雪延長は海側幹線など約6.5kmの微増となりますが、除雪路線の現状に大きな変化はございません。

 次に今冬の対策、除雪範囲の拡大についてであります。除雪委託業者やオペレーターなどには限りがあります。現状では大幅に除雪路線を拡大することは困難であると考えております。今後も除雪委託業者やオペレーターの確保に努めるほか、道路状況に応じて優先順位を見極め、必要な路線を選定しており、ご理解願います。市民生活の安全安心を確保すべく、今冬の除排雪体制も職員とともに一丸となって全力で取り組んでいきます。

〇コロナウイルスとインフルエンザウイルス感染症対策について

-広田議員

コロナウイルスとインフルエンザ感染症対策について伺います。県内では、10月下旬以降、コロナ感染症の増加が顕著であり、病床使用率も増加しています。さらに、今シーズンはインフルエンザの同時流行も懸念されている状況です。まずは、コロナウイルスに関しては、9/26を皮切りに、全数届け出はやめ、報告についても、年齢だけであり、市町村別や所属など詳細な感染情報が少なく、医療機関などでも感染傾向がつかめず大変苦労しているとのことです。現在、本市では予測も含め、どのような感染傾向があるのか、そして対策を考えているのかあきらかにしてください。

-村山市長

 新型コロナウイルス感染症につきましては、市内の医療機関からの患者数の報告は10月下旬から増加傾向が続いております。またインフルエンザにつきましては、定点把握による発生動向調査によると、現時点で市内における流行の兆しは見えておりません。今後年末年始にかけて人と人との交流の機会が増えることから、新型コロナ感染者の増加とインフルエンザの流行が懸念されます。このため本市では、感染者が発生した高齢者入所施設等に対して早期に保健師を派遣し、感染拡大防止対策を指導・助言する体制を整えたところであります。また市民の皆様に対しては引き続き3つの密の回避、こまめな手洗い、効率的な換気など、基本的な感染防止対策の徹底と新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの積極的な接種をお願いしていきたいと思っております。

-広田議員

つぎに、コロナ第8波の到来とインフルエンザの同時流行に備え、医療機関では、両ウイルスを同時に検査できるキットを用い対応をしていると聞いていますが、2種類の感染対応が必要となります。現在、スタッフにも感染が広がり、人手不足の中必死の医療が行われています。このような医療現場に経費面など経済的支援が必要ですがいかがですか。

-村山市長

 本市では現在、発熱外来を設置する休日当番医に対して、通常より委託料を上乗せして支援するとともに、金沢広域急病センターで発熱外来を臨時的に日中開設し、医療機関の負担軽減に努めているところであります。医療機関の強化や財政的支援については全国的な課題であり、一義的には国が対応すべきものだと考えております。医療機関の経営の安定化に資する財政措置など、引き続き全国市長会を通じて要望してまいりたいと考えております。

〇保育・学童保育の人員拡充について

-広田議員

 保育園や学童保育の人員拡充についてです。

 本予算案では、保育園や認定こども園の送迎バスの安全装置導入について国補助が予算化されています。これは、園児が通園バス車内に置き去りにされる事故が相次いだことから創設されたものです。わが党は他党とともに、法案を共同提出しており、その中の安全装置の全額補助が実現したものです。しかし、これらの事故は、通園バスでの置き去りだけではなく、散歩中やプール、午睡中の事故、災害時の避難についても現場では大変心配されています。その大本には、職員の配置基準が低すぎる問題があり、現場からは改善が強く求められてきました。今回のバスの件でも、保育士の同乗が余裕をもって可能となるように、現場での配置基準の引き上げを行うお考えはありませんか?

-村山市長

 市内の保育所等が運行する送迎バスにつきましてはすでに複数人の職員が同乗しております。なお保育士の配置基準につきましては、本市独自ですでに国基準を上回る配置を行っておりますことから、今のところ見直すことまでは考えておりません。今後国から安全対策にかかるガイドラインが示されることから、その内容を注視してまいりたいと考えております。

-広田議員

 学童保育についても、人員体制の拡充は切実な要望です。10月に金沢市学童保育連絡協議会のみなさんから市長へ要望が提出されました。待機児解消の整備計画も必要ですし、現場の実務的なご苦労として会計や労務管理を指導員や保護者が担っている実態が報告され強く改善が求められました。この点については、国の補助事業を活用して改善できないでしょうか、伺います。

-藤木こども未来局長

 放課後児童クラブの会計労務等の職員につきまして配置のご質問がございました。本市では令和2年度に放課後児童クラブが専門家に会計や労務管理の指導・助言を受ける場合の支援制度を創設いたしまして、これまで令和2年度に19件、令和3年度に2件、本年度は11月末現在で12件のクラブが制度を活用しております。会計・労務管理が放課後児童クラブの運営にとりまして負担となっていることは承知をいたしておりまして、支援員が児童と接する時間を十分確保するためにも、どのような方策がよいか研究してまいりたいと考えております。

〇加齢性難聴に対する補聴器購入公費補助について

-広田議員

つぎに、9月議会でも取り上げました加齢性難聴に対する補聴器購入の公費補助についてです。市長が質問に対し、高齢者の生活の質の改善に言及し、「研究する」と踏み込んだ答弁をしていただき、大きな反響と期待の声が寄せられています。また、署名も取り組まれ、10日分の第1次分で891筆が市長のもとへ届けられました。そこで、「研究する」とされた後、なにか進展はありますか。期待の声と同時に、補聴器をご利用の方やご家族から、改めてその負担の大きさが寄せられています。たとえば、「補聴器がほんとうに高く、片耳で数十万円。それも、基本5年の保証期間だが、湿気などで3年で買い替えが必要な場合もある。電池の交換も必要で負担。毎月定期チェックにお店に行くが、その交通費もかかり、生活が圧迫されている。補聴器の購入補助だけでも本当に助かる」というお声です。ぜひとも早めに研究を進め、実施に向けて取り組むよう求めますがいかがですか。

-村山市長

 加齢性難聴者を対象とした補聴器購入補助制度について、中核市の状況を調査したところ、補助制度を持っているのは62市中5市と少ない状況であります。高齢者が補聴器を利用することは社会参加の促進や生活の質の向上に資するものと理解しております。一方で、本来は国の補装具の給付で対応すべきものであると思っておりまして、引き続き国や他都市の状況を注視しながら研究してまいりたいと思っております。

〇聴力検診の拡充について

-広田議員

つぎに、聴力検診についてです。わたしの質問を通じて、初めて聴力検診を受けた方から、「耳鼻咽喉科でとても丁寧に調べてもらえた。難聴ではなかったが、毎年変化も確認できるし、予防もしていこうと思え、受けて本当によかった」とご報告がありました。しかしながら、対象が65から74歳までであり、来年は受けられないというお声もお聴きします。検診開始当初とは、高齢者の社会参加も変化しています。また、受診もせず、あわない機械を買ってしまった事例もあります。専門医らによってフォローする仕組みもある本市のすこやか検診の聴力検査対象を、75歳以上へも拡大すべきではないでしょうか。見解を伺います。

-村山市長

 加齢性の難聴は一般的に65歳を超えると増加すると言われており、早期に発見し難聴による認知症予防などに取り組むことが重要であると考えております。まずは現在の対象年齢の方に対する受診率の向上に努めてまいりたいと考えております。

〇マイナンバー制度について

健康保険証廃止について

-広田議員

マイナンバー制度について伺います。

 まずは健康保険証の廃止についてです。10月中旬、「健康保険証を2024年秋に廃止し、マイナンバーカードに一体化させる」と河野デジタル大臣が表明しました。一方、国会で岸田首相は「カードを取得しない人には、別の制度を用意する」と述べるなど、「保険証廃止」は政府内の議論も法的根拠も全く不十分であり、市民も現場も混乱をしています。しかし、病院にかかれなくなる心配から、カードを取得するつもりのなかった方が慌てて窓口へ来られる姿もあります。マイナポイントなど3兆円もつぎこんでそれでも交付が伸びないからといって、次は保険証を人質にして交付率を伸ばそうなどとは行政がやるべきことではありません。まず伺いますが、マイナンバーカードの取得については、マイナンバー法上なんの規定もなく「取得は任意」とされています。健康保険証を廃止してマイナンバーカードに統合することは事実上の強制であり法律に反します。カード交付者である市長としては、市民にはどのようにご説明するのか伺います。健康保険証廃止は誰も望んでいません。保険証はたとえば国民健康保険証ですと、期日が切れる前に自動であたらしい保険証が届き、紛失しても即日発行が可能です。一方、マイナ保険証だと、5年に1度窓口での更新が必要です。急病で病院に行ったら未更新で使えない、紛失しても1か月以上発行にかかるとすれば安心して受診ができるでしょうか。しかも、マイナ保険証の使える医療機関も少なく、本市では身近な医科の診療所では28%に過ぎないのです。

さらに昨今、医療機関でのランサムウェア、市内医療機関でも不正アクセスの被害などセキュリティ上の問題が起きており、今後マイナンバーとの連携を本格化することに課題があります。個人情報保護委員会の年次報告でも21年度までの5年間で5万6千人ものマイナンバー情報が紛失し、不正アクセスの被害もあったとのことです。石川県保険医協会からは、「保険証廃止とオンライン資格確認体制整備の義務化の撤回を求める」声明が出されました。医療機関では来年4月から同カードによる資格確認の整備が義務化されますが、整備にかかるコストやスタッフの問題、情報漏洩など不安が出されている、とのことです。さらに、整備が義務化によって、廃業せざるを得ない医療機関もあるなど、地域医療に大きな影響を及ぼすとし、保険証廃止の撤回を求めています。市長は、健康保険証の廃止をこのまま進めてよいとお考えですか。金沢市の医療と市民の受診権を守るために国に中止を求めていただきたいと思いますがいかがですか。

-村山市長

 マイナンバーカードと健康保険証の一体化の制度設計につきましては、国において関係府省による検討会が設置される等、今後十分な検討が行われていくと認識しておりまして、国の動向を注視していきたいと考えております。またマイナンバーカードの保険証利用により、診療時に過去の検診結果や薬剤情報が共有でき適切な医療に繋がるといった市民の利便性が非常に高まるということが考えられます。国においてはこうしたメリットなどを考慮して健康保険証を廃止していく方針が出されたものと認識しております。本市として中止を求めることは考えておりません。なお、全国市長会から国に対し、健康保険証の廃止にあたっては国民への十分な周知徹底を図るとともに医療関係者等の理解や協力が得られるよう必要な支援を行うことなどについて要望しているところであります。

政府のねらいについて

-広田議員

さいごに、マイナンバー制度は、運転免許証、銀行預金、学業成績まで紐づけるという話もされ、経団連が望む、国に個人情報を一元化して社会保障給付の見直しという可能性も否定できません。市民にとっては便利どころか、よくわからぬまま、強引に進められ、国への不信は募るいっぽうです。マイナポイント取得について今回、さらに相談窓口が予算化されていますが、これは原則本人が行うものとされています。マイナンバーカードは第3者に安易に見せてはいけないし、暗証番号なども必要だからです。しかし、高齢者をはじめ、できない方が多いため、相談窓口まで予算をかけて必要となっています。マイナポイント取得が困難な段階の方が、マイナポータルやマイナ保険証の利用は可能だという制度設計なのでしょうか、大変疑問です。このような状況でも、自治体はカード交付率を競わされ、デジタル化交付金を申請するには、カード申請率が全国平均以上でないとダメなど、ムチを用いるやり方を強いられているのは問題です。自治体は国の下請け機関ではありません。あくまでも市民のための機関です。撤回を求めるべきではないでしょうか?

-村山市長

 マイナンバーカードはデジタル社会を形成する上で必要となるツールのひとつであり、できるだけ多くの市民の方々にカードを所有していただきたいと考えております。交付金の交付要件に限らず、引き続き市民の方々へのカードの交付に万全を期してまいりたいと考えております。なお、デジタル田園都市国家構想交付金の要件につきましては、国から示された通り対応していきたいと考えております。

~~追加質疑~~

-広田議員

 まず歌劇座の建て替えについてですけれども、新聞報道ではもう歌劇座を日銀跡地で建て替えることが難しいから日銀跡地には新たな施設を、そして市長が検討組織をという流れで見受けられたんですね。ところが議会ではまだ歌劇座が現地で建て替え可能なのか日銀跡地でどうするのかという結論も全く報告は受けていないんですね。なので議会の外でそうやって勝手に決めている印象を持ったから、今回議会を軽視しているんじゃないかという質問をしたわけです。その点についてやっぱりそこは順序がおかしいんじゃないでしょうか。改めて見解を求めます。

 もうひとつ、こどもの医療費助成制度ですけれども、午前中も答弁ありましたが、私はあとは市長の決断だと思います。6月議会で粟森議員の質問に対して、市長はこの対象年齢を引き上げたくないという話ではないとはっきりおっしゃったわけですよね。予算の面の話をされていましたけれども、今本当に物価高騰で大変な中、そして子育て世帯が特に苦しんでいるという、国もそういう見解をもって大きな施策方針を出しているわけですけれども、金沢市が躊躇していて良いのかと思うわけです。3月を前に、私は早く市長が決断をすることで金沢市民、子育て世帯が安心して子育てができると思いますけれども、決断を求めたいと思います。

-村山市長

 2件ご質問をいただきました。初めに日銀の跡地あるいは歌劇座の建て替えということについてであります。現在歌劇座の候補地として現地の建て替えあるいは日銀跡地での建て替えと、それぞれでどのようなものだったら建設できるのかということを検討しております。元々歌劇座がどのようにあるべきかというような検討をした中で、それのサイズでははまりきらない、あるいは工法として難しいというところが出てきたので、その2か所での検討ということをしております。一方で、金沢経済同友会での議論があった中で、日銀跡地をどうするかということ、これに対して県に対しての問いかけが、私のときとは別のときに県知事との懇談会でありました。その中で県知事の方から、要請があれば県の方も議論に関わっていくということをおっしゃっていただいていたわけですけれども、それに対してどう答えるのかということの質問がありました。今後、日銀跡地でどう作るかとかできるかということの結論は私の中ではまだ出ておりません。ですので報告はできませんけれども、日銀跡地をどうするのかということに県が加わるのかどうかということに対して、そこについては今後これは歌劇座のホールとして使うこともあると思うんですけれども、その中でどのようにしていったらいいかというときに、県が議論に加わっていただくということについてお答えを申し上げた、これが記事に載ったということであります。

 もう一点、こども医療費の助成についてです。県の方で今回市町に対する補助の拡大ということを行っていただくというように発表されました。これについては全国平均でみて進んでいるという状況の県の補助ではないというように思っています。いずれにしてもこども施策の充実に対しては用いていきたいと考えておりますけれども、それをどのように浮いた分の財源を使っていくかということについて、財源の規模もかなり議員にご提案いただいたものとは大きくかけ離れていますので、そういったところも検討しながらどうあるべきかということは明年度の予算編成の中で検討していきたいと考えております。

-広田議員

 歌劇座ですけど、今はっきり現地で建て替えるのか日銀跡地で建てるのかの検討は終わっていないと、まだ報告も市長も受けていないという段階なのに、記事によるともう日銀での建て替えが難しいので新たな別の施設を日銀跡地で建てるための検討を始めるという流れになっちゃっているわけですよね。それが誤解だというならしっかり言っていただきたいと思いますし、もし本当であれば日銀は今歌劇座にとっての一連の話のひとつであって、別の施設を建てるなんていうのは寝耳に水なんですよ。どっちが目的なのって疑いたくなっちゃうくらいです。なのでそこの話の順序がおかしいんであればしっかり、まだ結論を見ていないのであればそう言っていただきたいですし、日銀跡地に手を付けるのであればちゃんと歌劇座の話を整理してからではないかと思います。そもそも私たちは歌劇座の数百億円もするかもしれない建て替えには反対ですけれども。その点しっかり整理していただきたいと思います。

 そしてこどもの医療費は、県の基準をこどもの医療費で上げて市の負担分が減ったんですから、当然その分は金沢市のこどもの医療費の助成制度に使うべきなんです。その方向性だけでも明らかにすべきです。お願いします。

-村山市長

 歌劇座についてでありますが、もう使用を始めてから50数年経っております。耐用年数は65年という建物ですので、建て替えについては考えなければいけない。それをどこの土地で建てるかということの結論を今検討しているところであります。その中で新聞報道があったわけですけれども…(時間切れ)

 2つご質問いただきましたけれども、適切に対応を考えていきたいと思います。

(クリックするとPDFが表示されます。)

日本共産党金沢市議員団 左から 大桑はつえ議員 広田みよ議員 森尾よしあき議員

2022年10月18日

金沢市議会議長 高岩 勝人 様

本市議会議員と旧統一教会との関わりについての申し入れ

日本共産党金沢市議員団
森尾 嘉昭
広田 美代
大桑 初枝

 岸田首相は、17日旧統一教会(世界平和統一家庭連合)について、宗教法人法による質問権を行使し、調査するよう指示しました。同法が規定する「質問権」が行使されるのは初めてで、政府は、組織の業務や管理運営の実態を調べ、裁判所への解散命令請求の適否を判断する方針とのことです。この間、明らかとなったのは、以下の点です。

第一に、旧統一教会は、霊感商法や集団結婚式などによる被害を引き起こし、社会的批判を受けてきた反社会的集団・カルト集団であることが明確になってきたことです。

全国霊感商法対策弁護士連絡会によるとこの旧統一教会による被害は、1987年から2021年までに、3万4537件、被害総額約1237億円にのぼっています。さらにその被害は「信仰二世」にも及ぶなど現在も続いています。

第二に、岸田内閣と自民党との癒着が次々と明らかとなっています。

岸田内閣の閣僚が旧統一教会との関係について次々に明るみとなり、自民党が党所属の国会議員に報告を求めたところ、追加報告を合わせ、接点があった国会議員は180人にのぼりました。

2015年の名称変更に絡む自民党政権との疑惑、憲法改正や、ジェンダー平等などへの政策的影響をもたらしたとの指摘がされています。

本市議会においては、坂本前副議長が、旧統一教会が関係するイベント「ピースロードin石川」のYouTubeに登場し、選挙においても人的支援を受けていたことを自ら明らかにしました。高市議は、旧統一教会が関係するイベント「ピースロードin石川」のYouTubeに登場し、このイベントに参加しています。野本市議は、旧統一教会の関連団体である、天宙平和連合により、任命された平和大使によって組織された平和大使協議会の「石川平和大使協議会顧問」と、ご自身のホームページに記載がありました。

岸田首相は、10月5日旧統一教会をめぐり、政治への信頼回復に向け、自民党との関係を断絶する考えを表明し、地方議員も含め徹底するとしました。

第三に、旧統一教会が、表裏一体の国際勝共連合とともに、反共謀略活動を繰り広げてきたことです。

以上のことから、議長におかれては、議長自らをはじめ、各議員が統一協会や関連団体との関係について自ら調査し、その内容を市民に公表するとともに、関係を断絶するよう呼びかけることを再度、要請いたします。

高岩議長は、「議員それぞれが自らを律する話であって、議会として何かすることは考えない」と回答しました。

しかし私からは、「全国の自治体で問題となっているのは、社会的に問題となっている旧統一協会との関係は、一議員が選挙応援を受けただけではなく(それも適切ではないが)、政策立案や決定にまで影響を及ぼした可能性があるということです。議会として、市民に対しそのようなことがなかったのかあきらかにする必要がある。よって、議員個人としてではなく、議会として行動することに意義がある。富山市議会ではそれを行うことになった。」と発言しました。

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