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お知らせ

反対討論    金沢市議会・2018年6月

2018年6月25日 日本共産党金沢市議会議員 森尾嘉昭

 

私は、日本共産党市議員団を代表して討論を行います。

わが党は、上程された議案22件、報告1件のうち、議案第1号、議案第6号、議案第7号、議案第8号、議案第10号、議案第15号、議案22号の議案7件について、反対であります。

その主な理由について述べます。

 金沢港建設事業です。大浜岸壁での事業は、大手企業こまつの工場を誘致するとして336億円が投入され、本市の負担は57億円にのぼっています。今度は、クルーズ船を誘致するためだとして無量寺岸壁改良事業は、総事業費が60億円、施設整備などの事業費が80億円。合わせると約500億円と拡大され、さらに、クルーズ船を迎え入れる事業費が県と市で進められるなど一部の大手企業などへ巨額の税金を投入する事業だとして反対してきました。今回補正予算では、クルーズターミナルの建設やアクセス道路、駐車場の整備等に着手するとして総額13億7260万円が計上され事業が進められます。わが党は、反対です。

東京国立近代美術館工芸館の移転は、移転とスケジュールが先にありきで始められ、関係者の中でも十分な理解と合意のないまますすめられています。新たに本市に建設される建物の総事業費は、33億4818万円で、県が6割、本市が4割の負担で進められています。今後、美術工芸品の移転費用や運営に係る点など不透明であり、市民の理解と合意は得られているものではありません。今回、移転開館の機運を醸成するとして予算が計上されましたが、反対であります。

新たに香林坊・片町地区及び武蔵地区の商店街を対象に健康・スポーツ関連の体験型店舗と複合型小売関連の滞在型店舗の出店に対する支援制度を創設するとして2千万円の補正予算が計上されました。竪町商店街などで、店舗が県内の大型店へ移転した結果、空き店舗となっています。店舗同士の激しい競争の中、その撤退と出店が繰り返され、地元商店街の衰退ともあって、あき店舗が目立ってきています。今回の支援策は、一定規模の店舗や資本力のある企業への支援策となりかねないことから反対であります。

新竪町小学校と菊川町小学校の統廃合、犀川小学校と東浅川小学校の統廃合を進めるための予算が計上されました。

高齢化と少子化が進んでいる中、市内中心部と山間部での小学校統廃合は、さらに、少子高齢化を加速します。歩いて通える学校があり、住民の生活や仕事の声が聞こえる中で、学び合うことの大切さは、欠かすことのできない教育環境の一つだと考えます。わが党は、今回の統廃合は、安心して住み続けられるまちづくりをしてほしいとの住民の願いからもかけ離れたものであり、反対であります。

今回の統廃合を進めてきた本市教育委員会は、校舎の耐震化を急がなくてはならないとして、統廃合ありきでことを急いで進めてきました。対象となった小学校の保護者の中には、今回の統廃合に疑問の声が続き、現在地での建て替えや耐震対策ができないかとの意見が表明されています。

統廃合がすべての解決の道だと強引に進めるのではなく、現在地での建て替えなどを含め、関係者の理解と合意づくりの中で、解決の道を進めていくことを強く求めておきたいと思います。

次に、条例改正などの議案についてです。

 地方税法改正に伴う条例改正に反対です。

 安倍内閣のもとで来年10月から実施するとしている消費税10%への増税を前提とした税制上の措置を拡充・延長するものです。改善が求められた対応があるものの、一部企業のみに支援を特化する経済政策と一体のものが含まれており、反対であります。

放課後児童クラブ、いわゆる学童保育に係る条例改正です。

全国の長年にわたる取り組みによって、児童福祉法が改正され、学童保育の設備や運営について、国の基準がつくられ、本市も条例化が図られました。この中で、国が定める最低基準として学童保育指導員の資格と指導員配置について「従うべき基準」として明記されました。ところが、指導員が不足しているとして、基準をなし崩しにしていく方向がすすめられてきています。こうした動きの中で、今回、国の省令改正に伴って、本市条例を改正するものですが、これまで、築き上げてきた到達の後退につながらないよう関係者が国に対して声をあげています。こうした状況から今回の条例改正に反対であります。

保育の質の低下を招く規制緩和を盛り込んだ法改正に伴う今回の条例改正。同じく、介護保険制度改正では、必要な介護保険制度によるサービスが受けられないよう対象から外し、安上がりな介護サービスに導くなど法改正に伴う今回の条例改正には反対です。

工事請負契約締結の議案の中で、旧金沢市営総合プール解体工事について、住民から現在地にプールを立て直すなど残してほしいとの要望に沿って対応されるものではなく、同意できません。

次に、請願についてです。

 請願第29号は、核兵器禁止条約に関するもので、石川県原爆被災者友の会の会長から提出されたものです。国連加盟国の6割を超える122か国の賛成で核兵器禁止条約が採択されました。唯一の被爆国である日本がその責任を果たすことが求められています。したがって、日本政府がすみやかに核兵器禁止条約に署名すること。衆参の両院でこれを批准することを求めるこの請願に賛成であります。したがって、これを否決した総務常任委員会での議決に反対するものです。

 以上で討論を終わります。

6月議会に自民会派から提出された「家庭教育支援法の制定を求める意見書」について反対討論を行いました。



広田みよ 議員

私は、ただいま上程されました、議案第4号「家庭教育支援法の制定を求める」意見書につきまして、反対の立場から討論を行います。

 

本意見書案が、制定を求めている家庭教育支援法案は、国が家庭教育支援の基本方針を定め、地方公共団体は、国の基本方針を参酌して、基本方針を定め、保護者に対する学習機会や情報の提供や啓発活動、学校や保育所等の設置者や地域住民に対し、その施策への協力を求めることなどを内容としています。

 

この家庭教育支援法案は、2012年4月に、安倍晋三氏が会長となり発足させた「親学(おやがく)推進議員連盟」が長年立法化をめざしてきたものであり、政府・与党が国会に提出しようとしています。議連の名称に使われている「親学」とは、家庭生活の「あるべき姿」を具体的に提唱し、その「あるべき姿」に応じた子育てを保護者に求めるというものです。またこの議連が主催する学習会では、「伝統的な子育てで発達障害を予防できる」などという、科学的に何の根拠もない理論が展開されており、発達障害のある当事者や家族などからも強い批判が寄せられています。

 

家庭教育支援法案は、国が設定した家庭教育の「あるべき姿」を、地方公共団体を通じて国民に徹底する仕組みを可能とするものです。同法案では、このような家庭教育を行うことや、「保護者が子に生活のために必要な習慣を身に付けさせる」ことが「保護者の第一義的責任」だ、とされています。愛国心や公共心、規範意識といった、国にとって都合の良い価値観を「生活のために必要な習慣」として、国が「支援」の名のもとに、保護者や子どもに押し付ける危険が大きいものです。そうなれば、子どもの思想・良心の自由や学習権を著しく侵害することとなりかねません。

 

また、特定の家族像を国が、「望ましい」として設定することは、その家族像に当てはまらない多様な個人の生き方を否定することにつながり、家族における個人の尊厳と、両性の本質的平等を規定する、憲法24条の精神に反するものと言わざるを得ません。

そもそも、現在の子どもをめぐる問題は、「家庭教育の低下」によるものではなく、1980年代から進められてきた、労働の規制緩和による長時間労働や、それが労働者のワークライフバランスを阻害していること、若者の非正規化、社会構造の変化によって共働き世帯が増加する中、子育て支援制度が不十分なため引き起こす、むしろ制度側の問題と、そして、格差が拡大し、貧困が、社会のひずみ、国民生活へ多大な影響を及ぼしている結果でもあります。

このような状況で、「あるべき家庭像」を法で打ち出せば、現在でも全力でがんばっている親たちを、追い詰めることになりかねません。また、働く母親やひとり親に自責の念を抱かせ、孤独な子育てをしている専業主婦を、完璧な母親にならなければという精神状態へと追い込む恐れもあります。多様な個の結びつきによる家庭をつくっている人々をも排除しかねません。

まずは、労働環境の整備や公的育児施設の充実、そこで働く保育士や教員の待遇改善など、制度を整えることが、国や地方自治体の役割です。それを怠たり、子どもをめぐる問題を「家庭の責任」にし、「親はもっとがんばれ」という道徳的メッセージで乗り越えようとするのは現実的ではありません。

 

以上のように家庭教育支援法案は、現在の子どもをめぐる問題を家庭個々の問題に転嫁をし、子どもの思想・良心の自由や、学習権を侵害する危険が大きく、憲法24条の精神にも反するものであることから、その制定を求める本意見書案には反対です。

6月議会にわたしたちの会派から提出した 国民健康保険料及び医療における子育て世帯の経済的な負担の軽減を求める意見書」の提案理由説明です。


広田みよ 議員

議会議案第1号「国民健康保険料及び医療費おける子育て世帯の経済的な負担の軽減を求める意見書」について

 

わたしは、提出者である日本共産党市議員団を代表して、議会議案第1号「国民健康保険料及び医療費における子育て世帯の経済的な負担の軽減を求める意見書」の提案理由説明を行います。

この意見書の趣旨の1つは、国民健康保険料において、18歳未満の子どもたちの均等割りの負担軽減を求めるものです。

ご存知の通り、国民健康保険料は、所得割、均等割、平等割で構成されています。

社会保険の場合、収入に応じた保険料を労働者と会社が折半し、扶養家族が何人でも保険料は変わりません。

 一方、国民健康保険は均等割があるために、世帯人数が多ければ多いほど保険料が高くなる仕組みになっています。

 しかし、国保加入者の実態は深刻で、本市の場合、加入世帯の7割は、総所得200万円未満の低所得層です。にもかかわらず、現在子ども一人に医療分と後期高齢者支援金分の均等割合計額、33840円が課されてます。

低所得世帯が多い中、負担能力に関係しない重い負担が子どもにまで課されているのです。

 このような国保の実態があり、全国知事会、全国市長会からも、3年連続で子ども均等割の軽減を図る予算要望が出されており、国でもようやく議論が始まっているところです。

  もうひとつの趣旨は、子ども医療費の統一的な助成制度を国の責任で実現するよう求めるものです。

県内でも18歳未満の助成対象に拡大してない自治体は本市と野々市市のみとなりました。小中学校までは窓口での支払いも少なく、大変助かっているという声が相次いでいますが、「高校生になった途端に負担が生じるが、まだ働いてもいない年齢であり世帯収入が変わらない中、大変です。対象年齢を引き上げてほしい」と保護者からも求められています。

しかし、命にかかわる医療制度は本来、地方の自主性や財源だけに任せるのではなく、国の責任で行うべきで、子どもや保護者が安心して医療にかかれるよう求めるものです。

この2つは、子どもの貧困対策としても喫緊の課題です。

多くの議員のみなさんのご賛同をおねがいいたしまして説明を終わります。

6月議会 大桑初枝 一般質問

 

大桑

質問の機会を得ましたので、日本共産党金沢市議員団の一員として、以下数点にわたり質問いたします。

 

(1)生活保護費削減について

 

大桑

 初めに、生活保護費削減についてお尋ねいたします。

安倍政権は、今年10月から食費や水道料、光熱費に当てる生活扶助費を3年間にわたり、段階的に引き下げる決定をいたしました。

その内容を見ますと、最大で5%、平均でも1.8%の削減となり、2020年10月まで3年連続で減額する計画になっています。生活扶助費の削減は 2013年にも3年間で最大10%という引き下げを行っており、それに続く大改悪と言えます。この削減は、生活保護利用世帯全体の70%に影響があると言われています。又 安倍政権は生活扶助費の削減に合わせて、母子加算を平均で2割も削減することも表明していますが、ひとり親世帯の貧困が問題になっている時に、貧困対策と子育て支援に逆行するものだ、との批判が上がっています。

今回の生活保護費の削減は、一般低所得者世帯の生活実態との均衡を図り生活扶助基準の見直しを行うものだとしています。この見直しの検証方法は、憲法で保障されている「健康で文化的な最低生活保障とは」の視点からではなく、国民の年収の段階を10ランクに区分し、最も収入が低い人達の生活費と比較するところに問題があります。この比較するランクには、派遣、パートなど非正規で働いていて最低賃金すれすれの収入で暮らしている方、平均月額5万5千円の老齢基礎年金を頼りに暮らす高齢者の方、子どもの教育費のために生活を切り詰めている子育て世帯など ぎりぎりの生活をしている方々がたくさんいます。この検証方法は、基準そのものを、引き下げることになり、貧困の拡大を生み出すやり方です。

わが党は、生活保護費の削減に強く反対しています。わが党の志位委員長は、国会の質疑の中で生活保護を使いやすくするため4つの提案をしました。一つは法律の名称を「生活保障法」に変える。2つ目は、国民の権利であることを明らかにして制度の周知を義務づける、3つ目は申請権を侵害してはならないことを明記し「水際作戦」を根絶する事。そして4つ目に定期的に捕捉率を調査、公表し、捕捉率の向上に務める事とし憲法25条の生存権が、すべての国民にきちんと保証される仕組みが必要だとしました。

 

市長、国に対して生活扶助費の削減を中止するよう求めるべきと考えますが、市長にそのようなお考えはないかお伺いいたします。

 生活保護を利用している方には、大変深刻な生活実態があります。「食事はお弁当を買ってきて2回に分けて食べている」とか、「バス代が高い、交通費にお金をかけることが出来ない、外出するとお金がかかるので、 家にじっとしていることが多い。」「地域の集まりで、食事が出るのが一番うれしい、」その方は、「今でさえ いろんなことを我慢して、決して文化的な生活とは言えないがなんとかやってきた。だけれども、この上、保護費が削減されたらどこも削るところはない,どうすればいいんや、」と悲痛な声でいいました。安倍政権が取り決めた削減で、本市の生活保護世帯受給者が10月からどのような影響をうけるのかお伺いいたします。重ねて、単身高齢者の方で75歳以上の方、65歳の方が、本年10月から3年間に受ける影響についてもお聞かせください。

本市では今年の2月から家庭ごみの有料化で市民全体が新たな負担を強いられました。市長はご存知ですか。貧困の実態と市民生活の暮らしにくさが増大していることを。どのように認識されているのでしょうか。せめて、生活保護費の引き下げが行われた場合、個々の生活に支障の出ないよう市独自の支援措置を行うことを求めますがいかがでしょうか、お伺いいたします。

生活保護費の引き下げは、利用者への影響だけに限りません。削減は、働く皆さんの最低賃金へ悪影響を及ぼすだけでなく、就学援助、介護保険料・利用料の減免や、市営住宅などの様々な減免制度等、広範な市民の暮らしに大きな影響が及ぶことが懸念されます。厚生労働省は、生活保護費の削減でこれに.伴って国の47の施策に影響がでるとしていますが、他の施策にできる限り影響が、及ばないようにするとしています。本市が実施主体の制度においてはどのような影響があり、また、どのように対応をしていくのかお伺いいたします。

生活保護制度は憲法で保障されている基本的権利です。そして市民の福祉の増進をはかるのが地方自治体の大切な役目で生活保護制度は命の最後の砦ともいわれています。低所得世帯の支援をしっかりお願いをいたしまして次の質問に移ります。

 

山野市長

 7番大桑議員にお答えをいたします。

 生活保護基準の改定のことについて何点かお尋ねがございました。今回の改定は一般国民の消費実態との均衡を図るために、国において全国消費実態調査のデータ等を用いて、専門的・科学的見地から検証をし見直されるものであります。よって国に対して中止を求めるということも、また、これを補填するための本市独自の施策ということも考えてはおりません。市単独の制度についてですけれども、国の対応方針では生活保護を基準としている各種施策に今回の引き下げを単純に当てはめるだけではなく、それぞれの主旨や目的、実態を十分考慮しながら対応することとしています。市の単独制度においてもこれに準じ、制度ごとに丁寧に検証を重ねていきながら、市民生活に大きな影響を及ぼすことのないように対応をして参ります。

 

山田福祉局長

 今回の生活保護基準改定による影響につきまして、65歳及び75歳の高齢単身世帯の例を示してほしいとのお尋ねにお答えをいたします。今回の生活保護基準の改定は、激変緩和措置として3年間で段階的に実施され、その減額幅の上限は5%以内とされております。これをもとに試算をいたしますと、65歳の単身世帯では、今年10月の時点で月額1,180円の減額となり、2020年10月まで毎年同額程度減額されることになります。また75歳の単身世帯では、同じく月額970円の減額となり、毎年同額程度減額されることになります。

 

 

(2)農業について

 

大桑

次は、農業の問題についてお尋ねいたします。

農業問題の1点目として、本年の雪害対策についてお伺いいたします。

 補正予算では1億2200万円が計上され、倒壊したビニールハウスの修繕に充てるとのことですが、本年の大雪被害でどれだけのビニールハウスが倒壊したのでしょうか。まずその件数と補償の申し込み状況をおたずねいたします。また、倒壊は免れたものの、一部が破損したり骨組みだけが残ってビニール部分が壊れたりしたところもあると聞いています。そうした補償対象となるビニールハウスの件数と申請状況もお尋ねいたします。

 この大雪被害の対策費用ですが、国、県、市からの補助がありますが,国の補助を受けるときには、示された条件を全てクリアしなければならないと言われていますが、どの様な条件があるのでしょうか。お聞かせください。ビニールハウスが全壊、半壊した農家の方は、補助を受けるにもお金がかかる。さらに申し込みの手続きが大変だ、そんなことなら、後継ぎもいないから壊れたままにしておくと話された方もいました。本市として、農家の方々の悲痛な声に耳を傾け、農家の希望に沿って大雪被害の対策の保証をしてほしいと思いますがいかがでしょうか、お伺いいたします。

農業問題の2番目として、農家への補償についてお伺いいたします。

私は先日、地元の農家の方で、長年米を作り続けている方とお話をする機会がありました。

 その方が言われるには、「かつては会社勤めをしながらでもコメづくりが出来た。小型の機械を誰でも使うことができ、政府からの支援もあった。しかし、今は、会社勤めでは残業に次ぐ残業で、土日休日も出勤のために、農業に時間を割けられなくなっている。機械も大型化していき、高額となって支払いが追い付かないばかりか、使い方が難しく、家族で田んぼの世話はおろか維持管理するのも困難になっている。肥料や除草剤なども仕入れ値が高く、コメづくりは、すればするほど労力と赤字が増えるばかりだ」とのことでした。

 これでは、田んぼを持っていても農業から遠ざかってしまい、休耕田になってしまうのは明白ではないでしょうか。又、70代後半の方は、「私らは2人しかいないから、本当は米を作らず買った方がどれだけ、楽か。だけれど、田んぼがあるからつくっているだけだ」と言われました。

 政府は、減反政策をなくして自由にコメをつくってもいいという方針を打ち出すいっぽうで、コメの直接支払い交付金も撤廃することを打ち出しました。本市の農家の方々は大打撃だと言っておられます。農家保護の観点もあり、農協は従来通り、作った米は、全部買い取るといっていますが、いつまで農協が買い取ってくれるのかまた、コメの値段の保証はあるのか心配だと言います。また生産したコメを農協に供出しないでコメの卸問屋などが農協より高い値段で全部買い取ってくれる、という事で、農協離れも進んでいると言います。そういう中で、小さな田んぼを集約して組織化する動きも出てきたり、まとまらない田んぼのところは、放棄地になってしまったりするところもでています。

将来に展望が持てないと、若い世代に農業に従事するよう勧めることもできず、すたれていくのを待つばかりだとも伺いました。

 市長は、こうした農家の方のお声を聞き、どのように感じられましたか? 本市の農業政策について市長はどのような指針をお持ちなのか、伺いたいと思います。

 

 又、この方は、今は一番農業の担い手、リーダーがほしいと言われました。今現在、農業の主体となっている世代は60,70代の方々が圧倒的多数です。10年も20年もすれば担い手を見つけなければ米作りが出来なくなるという危機感が、ずっと付きまとっていると言います。次の世代につなげる為にも魅力ある農業にしなければ担い手は育ちません。農地を守っている農家の方への、支援が必要なのではないでしょうか。稲作は国土の緑と水、環境の保全、多面的な機能と役割を果たす掛け替えのないものです。消費者も安心安全なコメを求めています。安定して継続できるように支援する本市としての対策をお尋ね致します。さらに、農家が安心して農業を続け、農村に住み続けられるようにする為には、安定したコメ生産への支援が何よりも重要で、本市のコメの価格保障、所得補償制度の復活、抜本的に充実することを国に対しても求めるべきではないでしょうか。

そして、本腰を入れて食料自給率の向上や食の安全、地産地消に取り組むことを強く求めて次の質問に移ります。

 

山野市長

 大雪被害を受けた農業用ハウスへの支援について、私の方からもいくつかお答えいたします。補助申請が大変だといろんな声がある、そんな声をどのように受け止めているのかということでした。被災された農家の方にとって、今回の被害が大きな負担になっているということは十分に承知をしております。市長室にも直接お越しをいただきまして、直接現場の声をお聞かせいただいたところであります。本市では3月に国及び県による支援事業が創設されたことを受けて、被災農家の負担軽減を図るため、本定例月議会に復旧支援に関する補正予算案をお諮りをしているところであります。その内容は、国・県事業を活用するものについては市の補助率を10分の2と他市町の2倍にするとともに、中山間地域についてはさらに10分の1の上乗せを行う他、国・県事業で対象とならない資材用施設につきましても市独自に支援を行うものであります。是非ご理解をいただければと思います。

 

 個別所得補償制度の廃止に関連して何点かお尋ねがございました。本市の農業は新鮮で美味しい農産物の供給を通じ、市民の豊かな食生活を支えるとともに、水源の涵養、生物多様性の保全、良好な景観の形成など農地が有する多面的機能により、市民に安定した生活と潤いを与えており、極めて重要なものであると思っています。そこは大桑議員の認識と全く一緒であります。しかしながら農業従事者の減少・高齢化、農産物科学の低迷など農業を取り巻く環境は大変厳しいということも事実であります。こうした状況に対応するため、本市は平成28年策定した「金沢の農業と森づくりプラン2025」に基づき、今後とも担い手の育成、付加価値の高い地域農産物の生産振興に取り組み、持続可能な農業の実現を図ってまいります。農家の所得が減少をしている、国に対応を求めるべきではないかということでした。今年度から国は、コメの直接支払い交付金を廃止する一方、需要に応じたコメ作りを推進し、米価の安定を図るとともに、主食用コメ以外の飼料用コメ、さらに麦・大豆、園芸作物などの作付に対する助成を継続をしているところであります。本市としてはコメ農家の所得を確保するため、金沢産米の品質向上、大規模化による生産コストの削減、PR活動による消費拡大などを推進するとともに、国の水田活用の直接支払い交付金を活用し、加賀野菜をはじめとする高収益園芸作物などへの転換などに支援を行っているところであります。

 

山田農林水産局長

 大雪による農業用ハウスの被害状況と申請状況についてお尋ねがございました。被災しました農業用ハウスは全損のものが201棟、一部破損のものが114棟、またビニールだけ破損したものが303棟で、全体では618棟でございました。本市では早期復旧に向け補正予算案を可決いただくことを条件といたしまして、支援の申請手続きを進めているところでございます。復旧に多額の費用を要する全損のものにつきましては、6月11日現在、申請が144棟で申請率は7割を超えている状況であります。また被害が比較的軽微なため自力で復旧できたものもありますことから、全体では申請が333棟で、申請率は53%となっております。次に国の支援事業の要件ですが、事業毎に要件が異なっておりますが、復旧事業費が50万円以上でありますことや融資を活用すること、販売額が今後増加すること、あるいは農業用ハウスの保険に加入することなどが要件となっております。

また、コメ農家が安定して農を継続できる対策についてもお尋ねでございました。本市ではコメ作りに関しましてはJA等の関係機関とも連携しまして、認定農業者の育成や地域ぐるみで生産性の高い農業を行う集落営農の組織化を進めているところでございます。リーダー育成研修会の開催を通しまして意欲ある担い手の育成支援を行うとともに、集落営農組織への加入を促進するほか、農地中間管理機構を通じた農地の集積に支援を行っているところであります。加えまして意欲ある担い手に対しましては、生産性の向上やコスト削減による農業経営の安定を図るため、トラクターやパイプハウスなどの機械設備の導入に支援を行うなど、所得向上に努めているところでございます。

 

(3)家庭ごみ有料化について

 

大桑

家庭ごみの有料化についてお伺いいたします。

市長は提案説明の中で、先月の集計でごみの減量効果があったとおっしゃいましたがこれは、埋め立てごみと燃えるゴミに限定したものです。資源ごみの量も含めて実態はどうなっているのかお尋ね致します。資源ごみは、スーパーなどで集めている容器包装やペットボトル、缶など、本来ならばそれらすべてを含めて金沢市のごみの総量となるはずです。民間への資源ごみの量も把握したうえで、減量効果があったかどうかを議論すべきではないでしょうか。資源ごみに関しましては、特に容器包装プラスチックは国際的にも製造から中止しようとの流れになっています。分別に重きを置くのではなく容器包装プラスチックは使用しない取り組みが必要です。世界では環境汚染を考え容器プラスチックを製造しない方向に向かっています。こうした世界的な流れを受け溶器包装プラスチックは、生産、使用しない取り組みを本市が中心となって行うべきと考えます。

市民の間にはごみ袋を、買わなくてはならない負担、さらにはごみ当番などで、違反ごみの処理をしなくてはならない負担に、不満が募っています。市長はこの声にどうこたえるかお伺いいたします。家庭ごみ有料化説明会のときは、町会への負担は軽減すると説明がありました。しかし、違反ごみがあったり、段ボールがごみ袋に入れないでそのまま出ていたりすると、町会が住民に出し方の説明をしたり、処理をしなければなりません。少しも負担軽減になっていないとの声が上がっています。

基金の使い方も問題です。市長は、手数料収入については地域コミュニティ活性化基金として積み立て、地域コミュニティ活性化推進計画に基づく事業に活用するとしています。地方自治法241条の「特定の目的に基金を使わなくてはならない」にのっとってと言われますが、「コミュニティ」という目的は、あまりに幅が広く、本市が持つ他の基金と比べても、家庭ごみ有料化で集まった基金の使用目的が多面にわたっています。本来ならごみに関する事に基金を活用するなど、目的をはっきりしてほしいとの声も上がっています。ごみステーションの修理をするにも、補助はありますが、残りの部分は町会費から出費をしなくてはなりません。基金の使用方法については、市民も納得のいく使い方、説明が必要です。将来的に市長が言うようにごみが減れば、ごみ袋の売り上げも減り、基金も減っていくことになりますが、コミュニティの事業についても縮小になっていくのかお尋ね致します。又、ごみの減量が市長の言う、目的に達したならば有料化を止めるのかもお尋ねいたします。

市長は提案理由説明で無料の雑紙回収袋を配布すると言われました。この回収袋は無料ではなくごみの有料化の基金から出ているもので、市民のお金が使われています。本市は、ごみを減らすと言いながら、古紙の再利用というものの、わざわざ新しい紙を使って雑紙回収袋を作るのは矛盾しています。家庭にもある、紙袋を利用したり、新聞紙で袋を作るやり方など、工夫で雑紙回収袋として使用していただいた方リサイクルにもつながります。多くの方がこの様なやり方をすでに実践しています。矛盾に満ちた雑紙回収袋は止めるべきと考えますがいかがでしょうか。

色んな矛盾が生まれる家庭ごみ有料化は、止めるべきだと改めてもとめ、質問を終わります。

 

山野市長

 家庭ごみ有料化のことについて何点かお尋ねがございました。家庭ごみのことは2割減量化はわかったけれども資源ごみはどうなんだということです。指定袋による家庭ごみの収集新制度を開始以降、前年同期比で30%を超える増加率となっています。これは家庭における分別の意識が向上をしてきているものと思っています。スーパーなど民間の資源回収量も加えるべきではないか、そうじゃないと正確な数字は把握できないのではないかということでした。ごみの排出量や資源回収量は国が定めた基準で集計することとなっています。つまり2月からの新制度前と新制度後と、集計の方法は全く変わっていません。その中で先程来申し上げている数字をお話をさせていただいているところであります。民間が独自のルートで回収した量につきましては、市への報告義務がなく、把握というものもこれは物理的に難しいことでありますので、先程来申し上げております資源回収量には含まれていないところであります。町会の負担が増加したという声が一部あるということであります。指定ごみ袋による家庭ごみの収集制度の開始により、ごみの減量効果が確実に現れてきていますことから、ごみ処理経費や間近に迫った東部環境エネルギーセンターの建設に要する費用を効果的に削減することが私はできると思っております。このことは将来世代を含めた負担の軽減に繋がるものというふうに思っています。ごみステーションにおける調査では、指定ごみ袋を使用していない違反ごみの件数ですけれども、現在、制度開始時の約4分の1に減ってきているところであります。違反ごみの対応で以前よりも負担が増えたというご意見が先ほどおっしゃいました、全体としては4分の3違反ごみが減っているところではありますけれども、ただご指摘ありましたように地域によってはそうでない地域もあるというふうに思われます。また先般のまちづくりミーティングでもご指摘をいただきましたけれども、やはりアパート・マンションにつきましては違反ごみが目につくという声もお聞きをしているところでもありますので、しっかりとパトロールをし、またアパート・マンションにつきましては不動産屋さんや管理人の皆さんにも改めて周知徹底をすることによって負担を少しでも減らしていきたいというふうに思っています。また先ほど生活保護の所にもごみ袋のことをお触れになって、市民全体の負担が増えたとお話がありました。今回もありましたけれども、私はむしろ市民全体の経済的な負担は間違いなく減ってきているというふうに思っています。先ほど申し上げましたように、まだ速報値ではありますけれども確実にごみが減っておりますし、資源ごみの回収が増えているところであります。間違いなく、市民全体の負担が増えているということはないというふうに思っています。そしてまた国の方でも平成5年以降何度も全国の市町村に対して家庭ごみの有料化のことを通知を出しているところでありますけれども、その中でもごみ処理負担の公平性を図るということがごみの減量化と資源化率を上げることに合わせて述べられているところであります。そういう観点からいっても私は市民全体の負担はむしろ減っているというふうに思っています。ただまだ速報値でもありますし、しっかりと対応をしていくことによって実感を持っていただける施策に取り組んでいかなければいけないというふうに思っています。

 

 基金のことについてお尋ねがございました。条例でその目的を明記することになっており、地域コミュニティ活性化基金は、指定ごみ袋の製造販売にかかる経費の他、地域コミュニティの醸成・充実に活用するものであり、平成30年度予算では地域コミュニティ活性化推進計画に掲げる新規拡充事業に充てることとしているところであります。始まったばかりの事業であります。4月・5月のまちづくりミーティングにおきましても、いくつもご意見をいただいているところでもあります。今大桑議員の方からも、議会からもいろんなご意見をいただいているところでもあります。皆さんのご意見をしっかりとお聞きをし、参考にさせていただきながら、来年度以降、より市民の皆さんにご理解・ご納得いただける使い方をしていけたらというふうに思っています。指定ごみ袋の販売収入が減少するということは、ごみの量が減少したことの証でもありますので、私はむしろ好ましいことだというふうに思っています。そのことがコミュニティ関連施設施策の縮小に繋がることのないようにしなければいけないというふうに思っています。本当に必要なものであるならば、基金が大幅に減少した場合であったとしても、一般財源を活用しながら適切に使っていきたいというふうに思っています。ごみの減量目標が達成された段階でこの制度を止めるべきではないかということでありました。これまでの議論でも申し上げておりますけれども、説明会が本格的に始まりましてから少しずつではありますけれども家庭ごみが減量しているところであります。そしてこの2月に始まってから、まだ測定値ですので確たることは申し上げることはできませんけれども、今のところ全国平均を上回る形でごみの量が減っているところでありまして、目的の一つでもありました資源化率を上げていくということについても、今のところ測定値ではありますけれども大幅に増えてきているところでもあります。しっかりとこの効果が見えてきているところでありまして、まだ始まったばかりの制度でありますので、まずはこの制度の周知徹底・定着について取り組んでいきたいというふうに思っています。従って、制度を止めることは考えてはおりません。

 

雑紙回収袋のことについてお話がございました。わざわざ袋を作らなくても家庭のごみ、家庭のいろんな袋を使えばいいのではないかと、その通りだと思っております。私も4月5月のまちづくりミーティングで何度もそのことを申し上げてきました。スーパーや和菓子屋さんで紙袋、持つところも紙でできたものがある、是非それで出してほしいということを何度もお願いをさせていただいているところでありますし、そういう形でしていただくことが最も望ましいことだというふうに思っています。ただ現実に、先程来申し上げましたようにこの新制度をするという説明会が始まることによって、この5年6年ごみの量が全く変わっていないのが少しずつ減ってきて、ここにきて大きく減ってきました。間違いなくインセンティブになったと思っています。年末の赤い羽根募金があります。ある方から「あんな封筒を作るくらいなら現金で集めた方がいい」というお話がありました。やはりあれもインセンティブになってるんだというふうに思っています。私はこの雑紙回収袋を作ることによって、今のところ予定をしていますのはイラストを入れながらわかりやすいものにもしていきたいというふうに思っています。そうやってインセンティブを高めることによって多くの皆さんに、まさにこういう紙とかコピー紙とかを含めて出していただくことによって資源化率をさらに高めていく、そういう形で進めていくことができればというふうに思っています。是非大桑議員、周りの方にもまずはご自宅にあるそういう袋で出していただけるようお勧めいただければ大変嬉しく思うものであります。

 

①町会連合会の使途不明金問題について

 

-森尾議員

 私は日本共産党金沢市議員団の一人として、2つの点について質問いたします。

 

 最初の質問は、本市町会連合会における使途不明金問題と本市の対応についてです。先の4月11日に開かれた本市町会連合会の臨時理事会の報告によると、2011年から2017年の7年間に渡って、総額1278万円が不正に支出され、同町会連合会事務所に勤務していた女性事務員が着服を認めたとのことであります。今後、問題の全容解明を進め、女性事務員に対する民事・刑事の法的な手続きを視野に、被害金の全額回収を図るとのことが報じられました。市民からは、一体何が起こったのか、多額の金額だけに疑問が相次いでいます。市長は今回の事態について、どのように把握し受け止めておられるのか、まず伺いたいと思います。

 

 

-山野市長

 3月の中旬に町会連合会の方から第一報が入りました。まずは詳細の把握に努めるということ、さらには法的手続きを含めた今後の対応について、弁護士と相談をするように助言を行ったところであります。また今年度に入りまして行政査察等を行い、収入・支出等の執行管理等を確認するなど、事態の解決と信頼の回復に向け必要な助言・指導を行ってきたところであります。金沢市とパートナーシップを持って常に活動をしてきた町会連合会でこのようなことが起こったことは大変残念に思っています。

 

 

-森尾議員

 5月28日に開かれた同町会連合会の定期総会では、執行部の責任を問う声が出されたとのことです。そして着服を認めている女性の元事務員から一部返済されている180万円以外は、役員で不足分を出し合い、一時的に穴埋めしたことが報告されたとのことです。問題の全容解明には至っていません。一方本市は、5月7日から同町会連合会を含め20団体の行政査察を実施しました。その結果によると、同町会連合会では13の口座の通帳があり、平成29年度分で830万円の使途不明金が確認されたとのことです。

市長。13の口座の通帳とはいかなるものですか。7年間に渡って1278万円が不正支出されたとのことですが、市が査察したのは29年度分だけです。市としては全容の把握はされないのですか。明らかにしていただきたいと思います。

 

 

-山野市長

 町会連合会の組織というものは独自で作っているものであります。市が設置している団体ではありません。28年度までは監査を終えているところでありますので、29年度のところに行政査察に入らせていただいたところで、意思疎通を図りながら取り組んだところであります。

 

 

-森尾議員

 6月18日に開かれた同町会連合会理事会では、再発防止策を検討してきたプロジェクトチームが提言をまとめ、その報告の中で、同町会連合会が開設する金融機関の9つの口座のうち、7つの口座についてはその存在自体、理事会などに知らされていないと指摘されたとのことです。一体口座はいくつあったのか。その内容も闇の中という実態ではありませんか。市長。これでは全容解明とは程遠い状況ではありませんか。市はどんな査察を行ったのか。問題が解明されたと言えますか。市長の見解を伺います。

 

 

-山野市長

 今回の行政査察は、収入支出の執行管理だけではなく、現金・公印等の保管・管理状況についても詳細に調査をしたものであります。先ほど申し上げましたように平成28年度以前のものは補助金の執行についてすでに監査を終えているところでありまして、29年度を対象とした調査をさせていただいたところであります。当該年度の補助金の確定、翌年度の補助金の交付決定は適正に執行されたものであります。なお、今回の使途不明金の全容把握は、金沢市町会連合会で行っていらっしゃるところでありまして、今後司直の手に委ねられると聞いているところであります。

 

 

-森尾議員

 市が行った査察で明らかになったのは、13の口座の通帳があって29年度分で830万円の使途不明金が確認されたと。一方、町会連合会が行ったプロジェクトチームでの調査報告によると、9つの口座である、そして7つの口座については理事会にも知らされていなかったと。一体、市はどんな査察を行ったのですか。

 

 

-太田総務局長

 今ほど、口座のことについてお尋ねがありました。新聞報道に出ています9口座と言いますのは、市の補助金が入っております一般会計の口座、また60周年の記念事業を司る口座、その他7口座、合わせて9口座です。13口座との差の4口座につきましては、町会連合会は市だけでなくて県とも関係を持っておりますので、県連との関係の口座4つでございます。私どもが査察をしたのは全ての口座13口座でございます。

 

 

-森尾議員

 市の行った査察の報告は29年度分のみと。そして町会連合会のプロジェクトチームの報告によると9つの口座があって7つの口座は報告すらされていなかったと。とすると、未だにその全容解明どころか実態は闇の中にあると。市として、単なる行政査察はやったというだけの内容に過ぎない。一体、市民から寄せられた「何が起こったのか、どんなことがあったのか」問題の解明すら進まない。これでは今回の問題についての市の関わり方に対しても、市民から見れば「一体市は何をやっているのか」ということになりませんか。市長、どうですか。

 

 

-山野市長

 先程申し上げましたように、平成28年度以前のものにつきましてはすでに監査を終えているところであります。全容解明とおっしゃいますが、まさに今回の使途不明金の全容把握は現在、町会連合会の方で行っているところでありまして、今後司直の手に委ねられるということも聞いているところであります。

 

 

-森尾議員

 同町会連合会は市内にある単位町会からなる校下連合町会を束ね、市民生活に直接関わり、本市行政にとっても連携を強めてきました。そして市長との関わりです。同町会連合会の事務局長は、市長、あなたの市長公室長であった人物です。この4月からもう一人事務局次長となった人物は、かつて本市の会計課長の重責にあった方です。そして本市は、同町会連合会に対して運営補助金を毎年支出しています。この運営補助金というのはどんな名目なのか。補助金の金額と合わせ明らかにしていただきたいと思います。

 

 

-長谷市民局長

 市からの補助金につきましては、研修費や会議費、美化清掃費、人件費などに充てられておりまして、詳細に申しますと平成29年度は1925万4032円を支出しておりまして、団体の運営費を支援することで活動の充実を図っておるものでございます。

 

 

-森尾議員

 同町会連合会に対する平成29年度の補助金は1925万円。そのうち、事業費に1037万円、事務局費に888万円となっています。この事務局費は、事務局2名とアドバイザー1名の人件費等です。一方、事業費をみると、大会開催費431万円、理事県外視察研修費用の一部助成に152万円、会議に151万円、市幹部との行政連絡会経費に28万円などとなっています。補助金というより、行事と運営に関わる費用が市民の税金で賄われているというような実態です。今回の使途不明金について、本市としても全容解明に責任があるというふうに考えますが、市長の見解を伺います。

 

 

-山野市長

 町会連合会に全容の把握に努めるように助言等々を適切に行っているところであります。

 

 

-森尾議員

 今回の事態に対して、市民の求める全容解明どころか幕引きともとれる対応が続いています。本市は、事態の全容解明がされない事態にも関わらず、本年度同町会連合会に対する補助金を第1回分として540万円をこの5月31日に執行いたしました。しかも、事務局次長がこの4月から新たに配置され、補助金を増額するとしています。市民にどう説明されるのか明らかにしていただきたいと思います。去る6月8日、市の新年度事業について市幹部と意見交換する市政連絡会を行いました。市長。全容解明と言いながら、事態はすでに解決されたとの認識を持っているんでしょうか。市民の納得と理解は得られているとは到底思えません。本市としてどのような対応をされるのか、説明を求めたいと思います。

 

 

-山野市長

 先程から何度も申し上げておりますけれども、今町会連合会の方で全容把握に向けて鋭意取り組んでいるところでありまして、それは司直の手に委ねるという可能性も含めて取り組んでいるというところであります。そして4月からの事務局次長のことですけれども、ここずっと地域コミュニティの活性化ということを私は申し上げてきました。本年度の最大の眼目のひとつでもあります、地域コミュニティ活性化推進計画を本格的に実施するため、町会連合会の体制強化を図ったものであります。先に行いました行政査察により、収入・支出の執行管理を調査をし、適正に改善されたことを確認をしたうえで、今年度の補助金の支出を行ったところであります。市政連絡会のことについてですけれども、これはやはり町会連合会の皆さんは各町会を束ねていらっしゃいます。やはりそれぞれの地域地域の実情を一番把握している皆さん方にも金沢市政の状況をご理解いただきたい、また町会の皆さんのご意見もお聞きをする、そういうところから毎年意見交換を行っているところでありまして、今回の事案とは関係はありません。必要性があって実施したものであります。是非ご理解をいただければと思います。

 

 

-森尾議員

 さる4月23日に開かれた同町会連合会の理事会で、西野会長は「着服された資金に公金が含まれていることも刑事告訴を決断した理由のひとつだ」と述べたと報じられました。市長。市民の税金が毎年約2000万円近く支出をされました。不正支出されたとする7年間であるならば1億4000万円にのぼる税金が投じられたことになります。こうした団体で使途不明金が明らかとなった以上、本市として告発し、全容解明をする責任があるのではないでしょうか。市長の対応と決断が求められる、こう考えます。答弁をお願いします。

 

 

-山野市長

 先程から申し上げておりますように、町会連合会は地域住民による自治組織でありまして、市が設置した団体ではありません。町会連合会が今鋭意全容把握に努めているところであります。市としては刑事処罰を求める立場でもありません。ご理解をお願いいたします。

 

 

-森尾議員

 本市町会連合会での使途不明金が明らかとなり、市民から様々な意見が相次ぎ、町会連合会の総会でもこの問題についてのご意見が交わされたと聞いています。本市が毎年2000万円にのぼる補助金を出し、人の配置についても市の幹部だった方々が配置されると。市長曰く、行政との連携を強めてきた団体だと、こうおっしゃいました。従って、市長もかねがねから今回の事態は全容解明しなきゃいけないと、こう述べてきましたし、今の答弁でもそういうやり取りがありました。しかし、市としてやったのは単なる査察。そして29年度分だけ。扱っている口座の通帳も町会連合会が言っていることと査察の内容が違う。こういう事態の中で、問われれば町会連合会自らがやることだと。何やら他人のごとくの対応。市長、改めてこの問題は7年間に渡る使途不明金という重大な問題と、あわせて本市が2000万円にのぼる毎年の税金を投入している、補助金を出しているという関係からしても、きちっと市民が納得いく方向で事態の全容解明する責任が私は市長にもあるんじゃないかというふうにこの問題を取り上げた次第です。改めて市長の見解を求めたいと思います。

 

 

-山野市長

 何度も申し上げますけれども、町会連合会は地域住民による自治組織であります。平成28年度までの監査も終えているところであります。市としてできうる限りの対応をさせていただいているところであります。ただ、全容解明というのは私も、これは森尾議員同様絶対必要なことだというふうに思っております。今町会連合会の皆さんがプロジェクトチームを作りながら、今鋭意取り組んでいるところでありますので、私はその町会連合会の皆さんのその動きをしっかりと見極めていかなければいけないなと思いますし、常に側面支援をしながら助言・指導を行っていかなければいけないなと思っています。

 

 

-森尾議員

 この問題はやっぱり全容解明し、市民の理解と信頼回復を最優先にすることが必要だというふうに思っています。引き続き問題を明らかにしていきたいと考えるものですが、市長自らが今のやり取りにもあったように責任ある全容解明へと取り組まれることを強く求めて、次の質問に移ります。

 

②児童相談所について

 

 今年3月、東京都目黒区で5歳になる女の子、名前は結愛ちゃんが虐待された末に死亡する事件が発生しました。この6月には両親が逮捕されたことでこの事件が大きな反響を呼び、社会問題となっています。亡くなった結愛ちゃんが鉛筆で書いたノートが見つかりました。次のように書かれていました。「パパ、ママ、おねがいゆるしてください。おねがいします」結愛ちゃんの体重が12キロだったそうです。5歳の平均体重が20キロということですから、十分な食事も与えられず虐待が続いていたものと思われます。いたいけな姿を思うと怒りと何とか救えなかったのかという悔しさが交錯する思いが募ります。こどもは未来への宝です。命をはぐくみ育ってほしいとの願いは、全ての人々の共通のものです。市長は今回の事件についてどのように受け止めておられるのか伺いたいと思います。

 

 

-山野市長

 行政に携わる人間として大変つらい、残念な思いでいます。また私も子を持つ親として強い憤りを感じるところであります。警察が、今おっしゃったひらがなノートを発表されました。おそらく多くの皆さん同じ思いを持たれたと思います。一方では、どうして警察があれを発表したのかなと、あれを発表したからといって事件が解明云々ということではない。あれは警察があえて発表をしたのは、全国の警察・全国の自治体、そして多くの国民の皆さんに強い問題意識を持って、そして我々行政にこれからの手立てをしっかり取って行くようにということを、発表された警察の方が思われたのではないか、私はそんな思いで重く受け止めてこれからの施策に取り組んでいかなければならない、そんな思いを強くいたしました。

 

 

-森尾議員

 こどもの命を救うことはできなかったのか。この問いに様々な角度から検証し、今後に生かしていかなければならないというふうに考えます。今回の事件の経過の中で、児童相談所の引き継ぎに問題はなかったのかという新聞記事に目が止まりました。この一家が暮らしていた香川県の児童相談所では、「解除はしたが支援の必要はあり、緊急性の高い事案として継続した対応を転居先である東京都の児童相談所に求めた」としています。一方、転居先となった東京の児童相談所では、「指導措置の解除を事案の経過として受け止めた。香川から緊急性が高いという説明はなかった」としています。本市の児童相談所では、転居する事案や転居を受けた事案に対してそれぞれどのような対応をされているのか明らかにしていただきたいと思います。

 

 

-山野市長

 本市におきましては、転入・転出どちらの場合であっても、先方の児童相談所と書類のやり取りをするだけでなく、対象家庭の課題や緊急度につきましてもしっかりと情報共有を図っています。本市では転入児童に対しましてこれらの情報をもとに援助方針を決定し、速やかに家庭訪問を実施するなど、家庭状況や新たな環境下での安全等について確認をすることとしています。

 

 

-森尾議員

 そこで調べてみました。虐待の事案があった場合、各児童相談所では安全確認を行う「時間ルール」の設定がされています。本市の児童相談所では48時間以内となっています。一方、全国では24時間以内という安全確認のルールへの対応は5つの自治体に留まっています。しかし、24時間以内という安全の確認ルールへの対応が始まっています。本市として24時間以内という安全確認のルールへの対応は可能かでしょうか、伺いたいと思います。

 

 

-山田福祉局長

 本市の児童相談所では、虐待の通告を受けたこどもの安全確認につきまして、昼夜を問わず迅速に対応しており、概ね24時間以内に実施しているというふうに考えております。

 

 

-森尾議員

 本市の児童相談所が24時間以内の時間ルールへの対応が行われているというふうに受け止めました。しかし国への報告はそうなっておりませんので、必要ならば変更されてください。

 

 ところで本市児童相談所が設置されて12年が経ちました。市民からの様々な相談に対応されてきています。その中で、年間の相談件数とそのうち虐待の相談件数について明らかにしていただきたいと思います。

 

 

-山田福祉局長

 本市児童相談所が開設いたしました平成18年度の相談件数は816件、そのうち虐待相談は123件でありました。昨年度の相談件数は1012件で、そのうち虐待相談は429件であり、開設当初と比較いたしますと相談件数で196件、虐待相談で306件の増ということになっております。

 

 

-森尾議員

 全国の児童相談所での虐待相談件数は、平成28年度に122578件にのぼり、児童虐待防止法が施行される前の年、平成11年度と比べると実に10.5倍に急増しています。本市の児童相談所での相談件数は平成29年度、今報告があったように年間1000件を超える事態となっています。そのうち虐待に関する件数が429件と4割を超えています。虐待に関する相談は設立時の平成18年度に比べ3.5倍となるなど本市も急増しています。ところで、児童虐待が行われた家庭全体の状況について、東京都福祉保健局が平成17年に行った調査によると、ひとり親家庭、経済的困難、孤立、就労の不安定という実態が明らかにされました。本市では虐待の相談が急増する中、その実態の把握をどのように進めておられるのでしょうか。本市が行うこどもの貧困調査の中には、こうした実態調査等は対象となっているのでしょうか、伺いたいと思います。

 

 

-山野市長

 虐待通知を本市が受けた場合は、迅速に安全確認を行いながら、ケースはまちまちでありますのでそれぞれに対応をしているところであります。児童相談所が対応する相談内容は年々複雑化・多様化してきていますので、児童虐待の早期発見・早期対応を行うことが肝要であると考えております。昨年、児童家庭相談室も設置をいたしました。市の関係各課はもとより、学校・保育所・幼稚園・医療機関・警察等、関係機関との更なる連携強化に努めていかなければいけないと考えています。

 

-森尾議員

 国は、虐待に関する相談の増加に対して体制の強化方針を打ち出しました。これを受けて、本市の強化方針について明らかにしていただきたいと思います。内容は3つ、1つは児童福祉司・児童心理司の増員について。2番目は弁護士の配置について。3番目は10年以上の経験のある指導福祉司、いわゆるスーパーバイザーの配置について、以上3点について、今後の強化策について伺いたいと思います。

 

 

-山野市長

 国の配置基準に基づきまして、児童福祉司12名を配置をし、その他こどもの心理的ケアやカウンセリングなどを担う児童心理司5名を配置をしているところであります。弁護士のお話もありました。専門性を持ち幅広い視点で対応することはもちろん大切なことだというふうに思っております。様々な問題を抱える保護者やこどもに寄り添った支援、こどもの安全安心を最優先に考える対応が重要と考えておりまして、これまでも職員の人材育成に努めているところであります。国から児童相談所強化プランを発表されています。それを踏まえまして、今ほどご指摘をいただきました点もしっかりと踏まえながら対策を取って行きたいと考えています。

 

 

-森尾議員

 具体的に答弁がありませんでしたので伺いたいと思うのですが、児童福祉司の配置は現在12名となっています。国の強化策によりますと虐待の増加の傾向を受けて31年4月から本市ももう1人増員する必要があります。児童心理司についての配置は、児童福祉司2人に1人配置という点からすると、現段階でも5人の配置ですので12人の児童福祉司に対してもう1人増やさなければいけない。弁護士の配置については、これだけ虐待の状況が増えてきている・複雑化しているもとで、しっかり弁護士とのアドバイスを受けるために必要な配置が求められると、国も指摘しています。具体的にどういう強化策を考えていらっしゃるのでしょうか。

 

 

-山野市長

 国から示されました児童相談所強化プランをしっかりと踏まえながら、森尾議員ご指摘の点もしっかりと受け止めて対応をしていきたいと思います。

 

 

-森尾議員

 強化策について進めていくんだという強い決意として受け止めておきたいと思います。

 

 次に、こども医療費助成について伺います。本市のこの制度は、現在対象が中学校卒業まで、医療機関での自己負担は通院の場合1回500円。入院の場合1日1000円となっています。周辺の自治体では、かほく市・白山市・内灘町が18歳まで対象となっています。先日、津幡町が18歳までとする対象年齢の拡大を打ち出しています。周辺自治体の中で中学校卒業までとしているのは本市と野々市市だけとなっています。医療機関の窓口での負担は、かほく市・白山市では窓口での自己負担がありません。内灘町は、小学校入学までが自己負担がありません。市長。連携中枢都市の連携を打ち出している本市が、この制度についてはもっとも遅れた現状にあります。どう、今後の拡充について進めていかれるのでしょうか。

 

 

-山野市長

 本市は平成26年10月に中学生への対象拡大、平成27年7月に現物給付化を行っているところでありまして、しっかりと体制が整っているというふうに思っております。子育て支援施策というものはいろいろあるというふうに思っています。先程来出ています児童相談所は金沢市だけが持っているところであります。また駅西福祉健康センター、こども夜間救急診療所を開設をいたしました。あの工事費もすべて金沢市が負担をしているところでありますし、所在をしているのもまさに金沢市であります。幼児相談室も金沢市は3つあります。そして福祉と教育が融合した施策をとっている教育プラザ富樫、教育プラザ此花もあるところであります。この1点だけではなくて様々な施策でこどもの施策を取り組んでいるところでありますし、そのことがこどもの施策に繋がって行くんだというふうに思っています。

 

 

-森尾議員

 去る6月14日、野々市市議会において粟市長は、こども医療費助成対象年齢の拡大を求める質問に対して「前向きに検討したい」と、こう述べられました。周辺自治体の中では本市が最も遅れた制度となってしまいます。市長改めて、対象年齢を18歳までと拡大する方向、医療機関窓口での自己負担をなくすよう制度の拡充を求める決断を求めたいと思うのですが、いかがでしょうか。

 

 

-山野市長

 先程申し上げましたように、子育てしやすい環境ということは様々な施策があるというふうに思っています。同じことになりますから申し上げませんけれども、そういう総合的な施策の中でそれぞれの地域でこどもを守り育てていく環境だと思っています。私は金沢は最もこどもを育てていく環境に優れたひとつの都市だというふうに思っています。もちろん、時代の流れの中で対応をしなければならないことはしっかりと対応をしていきたいというふうに考えています。他市町の状況というものは、この件だけではなくて様々な状況というものは、大いに参考にしていかなければいけないというふうに思っておりますけれども、現時点で年齢の拡大については考えてはおりません。

 

 

-森尾議員

 本市の場合、この制度の予算は年間11億5500万円です。ところがこのうち県の補助金はわずか2億円と18%に過ぎません。市と町の負担の半分を補助するとしているのですが、県は対象年齢が通院が3歳まで、入院が小学校入学前までと全国でも最低クラスの内容です。しかも所得制限を行い、利用者が1000円の負担をするのは当然だと、こう差し引いています。市長。県に対してこの制度の拡充を求めるとともに、国に対してもこども医療費の助成制度の創設を求めるべきだと考えますが、その見解を伺います。

 

 

-山野市長

 こどもの医療費助成につきましては、県内全ての市町が県制度を上回る内容となっていますことから、石川県市町会におきましても県に対しまして対象年齢の拡大と所得制限の撤廃を要請をしているところであります。また全国市町会からも全国一律の制度創設を国に要望をしているところでありまして、引き続き国・県に対する働きかけを行ってまいります。

 

 

-森尾議員

 昨日並びに本日の本会議で、市長はこれからの市政の運営にとって「こどもがキーワード」だと、こう述べられました。虐待からこどもの命を守る。そのためにも児童相談所の体制を強化・充実すること。こどもの健康と命を守って行くためにも、こどもの医療費助成制度を拡充する。これは市長、あなたが述べた「こどもがキーワード」だ、こういうならば、この2つの充実こそ、私はキーワードではないかと考えますが、市長の決意を最後に伺いたいと思います。

 

 

-山野市長

 前段については全くその通りだと思っていますし、しっかりしていきます。繰り返しになりますけれども、こどもを育てていく環境というものは1つの施策だけではないと思っています。様々な施策を充実させることによってこどもを大切に守り育てていきたいというふうに考えています。

6月19日本会議にて、広田議員が一般質問しました。


1.米朝首脳会談と「働き方改革」について

(1)米朝首脳会談

 

広田 

わたしは日本共産党市議員団の一員として、以下数点にわたり質問いたします。

 質問に先立ち、昨日大阪北部を震源とした地震により、被害に遭われた方々に心より、お悔やみとお見舞いを申し上げます。

 

 まずは、米朝首脳会談についてです。

アメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長が、先週首脳会談を行いました。長年にわたり厳しく敵対してきたアメリカと北朝鮮が、初めて国のトップ同士の会談を行い、朝鮮半島の非核化と平和体制の構築をすすめ、両国関係を敵対から友好へと転換させるために努力することで合意したことに、わが党は心からの歓迎を表明したところです。

そこで、朝鮮半島の非核化と平和体制構築がすすめられようとする中、本市の平和都市宣言はますます大切だと考えます。

この宣言のなかで述べている核兵器廃絶に向け核兵器禁止条約を批准するように国に求めるとともに市長ご自身が、平和首長会議がすすめる「核兵器禁止条約の早期締結求める署名」に賛同するお考えはありませんか。

 

山野市長

 8番広田議員にお答えをいたします。

 

米朝首脳会談につきまして、核兵器禁止条約の批准のことについてお尋ねがございました。人類が核兵器の廃絶を目指すべきことは、私も当然だというふうに思っています。ただ、国の方ではその批准をすることによって、核保有国と非保有国の溝が深まるのではないかという懸念があることによって、批准について慎重な姿勢を示しているというふうにお聞きをしています。私はその国の判断は一つの形式として理解できるものだというふうに思っています。本市も核兵器禁止条約の早期締結を求める署名活動に署名をすべきではないかということでした。お話がありましたように、核兵器の廃絶と世界の恒久平和の実現は人類共通の悲願であり、本市においては昭和60年、市議会において平和都市宣言を決議するとともに、平和首長会議にも加盟をしている(署名はしていない)ところであります。私としても、二度と戦争を起こしてはならない、そんな思いを強く持っていますし、今後とも平和の尊さ、戦争の悲惨さをしっかりと後世に伝えていかなければいけないと思っています。核兵器廃絶への思いも同感であります。ただその伝え方というものは、人によって様々であるというふうに考えています。

 

(2)「働き方改革」について

 

広田

次に「働き方改革」についてです。今国会で審議されている「働き方改革一括法案」は、残業時間の上限をひと月100時間未満として過労死ラインを合法化し、「高度プロフェッショナル制度」を含む「過労死促進・合法化」法案であることが明らかとなり、前提となるデータでねつ造や異常値が発覚、法案の根拠すら崩れ去っています。破綻があらわな法案を賛成多数で強行採決しようとする与党などの責任は重大です。「高プロ制度」は、労働時間規制を全面的に適用除外にし、年104日だけ休めば、24時間労働を48日間連続させても違法にならないとんでもない仕組みです。政府は「自分の裁量で自由に働ける制度」と説明しますが、事業者には労働時間を管理する義務もありません。若くして亡くなったNHK記者の佐戸さんについて上司は、「裁量労働で個人事業主のようなもの」と説明しましたが、実際、佐戸さんに裁量はなく、亡くなる直前の1か月間の休日は1日だけ。直前1か月の残業は209時間、その前月も188時間に達していました。

このような状況で、法律で規制を取っ払えば、仕事量が変わらない中、労働者にしわ寄せがくるのは明らか。報道では、労基署のベテラン監督官すら、高プロには「手出しできない」と懸念をしています。

長時間労働を真剣になくすなら、ILOの条約を批准し国内法を整備、残業時間の規制を月45時間に厳しく規制することが必要です。

労働者の命と健康を守るための労働時間規制をいっさい取り払う「高度プロフェッショナル制度」を含む「働き方改革一括法案」について、市民と市職員の労働環境を守る立場にある市長はどうお考えですか。

そこで、「金沢版働き方改革推進プラン」の策定にあたっては、本市の課題や雇用環境等の基礎調査を行うとしていますが、どのように行い、いつまでに公表する予定ですか。

そもそも、「金沢版働き方改革」は「労働生産性の向上や多様な人材の活躍を促進する」としていますが、市民が願う長時間残業の規制など、労働環境の整備を主眼におくべきですがいかがですか。

さらに、本市職員の残業実態も、昨年度3月には過労死ライン100時間を超える職員は20名にものぼっています。本市職員の命とくらしを守る市長として、市職員に対し、どんな取り組みを行うのか、あきらかにしてください。

 

山野市長

働き方改革について何点かお尋ねがございました。今回の法案についてどのように思っているかということですが、時間外労働の上限規制や、高度プロフェッショナル制度の創設などを内容とする働き方改革関連法案については現在参議院で審議中であります。これまで労使双方の立場から様々な議論がなされてきたものと認識をしております。本市においても働き方改革は重要な課題であり、引き続き国の動向を注視してまいります。金沢版働き方改革推進プランについてお尋ねがございました。まずは本市の特性や課題を明確にするため、雇用労働環境の基本的な情報の収集や分析を行う他、本市経済の動向や市内企業等における働き方改革の取り組みの現況などの調査を行うこととしており、本年秋頃を目途に公表をしていきたいというふうに思っています。労働生産性の向上、多様な人材の活躍促進に視点を置くのではなく、長時間労働の是正、労働環境の整備こそが大切ではないかというご指摘でありました。ご指摘のように有能な人材の確保や定着、あるいは労働意欲の向上など、労働生産性の向上につながるとともに、女性や高齢者など多様な人材の就業促進に、ご指摘のありましたような長時間労働の是正、労働環境の整備改善は必要なものだと思っています。今後、本市の特性や課題を踏まえた上で、プランの策定作業を進めてまいります。市職員に対してですけれども、これまでも各職場の状況を勘案しながら適正な人員の配置に努めてきたところであります。本年度は新たに職場の生産性向上に向け、働き方改革にかかる庁内ワーキングを設置し、モデル職場における具体的な業務改善方策の検討、ICTやAIの導入による業務効率化に向けた研究等を行っているところであり、合わせて業務の見直しなども進めることにより、長時間労働の是正に繋げていきたいと考えております。

 

2.市民生活の実態とくらしを守る施策について

 

広田

 つぎに、市民生活の実態とくらしを守る施策についてです。

アベノミクスで国民のくらしは豊かにならず、実質賃金は16万円マイナス、家庭消費も22万円のマイナスです。非正規雇用が増え、格差と貧困が広がっています。

本市では、新幹線、観光、東京国立工芸館の移転など、巨額の予算がつぎ込まれていますが、どれも県外資本誘致の考え方であり、地元の中小企業や住民のくらしに光をあてたものではなく、市民からはくらしにくさを訴える声が聞こえてきます。自身の雇用や生計の先行きが見通せない中、人々は次の世代を生み育てようとはしません。まずは、足元の地域経済、福祉、教育を育てることを重要視する必要があるし、それが自治体の役割ではないでしょうか。観光や公共事業にばかり多額の予算を費やすのではなく、市民のくらしに直結した税金の使い方に見直す必要があるのではないでしょうか。

 

具体的に伺います。

 

税金の滞納を余儀なくされている市民がいますが、その実態はどうなっているでしょうか。

また、今年度から税金の滞納整理が強化されているようですが、その実態もあきらかにしてください。「生活がぎりぎりで払えない」という市民の生活実態に寄り添い、取り立てではなく相談を行うべきで、差し押さえを前提とした姿勢にならないよう求めますがいかがですか。

 

山野市長

 税の徴収について、滞納整理のことについてお尋ねがございました。経済状況等により市税の一括納付が困難な方に対しましては、本年度から収入や支出、借入金などの生活状況を紙面により提出していただくこととし、その内容を確認をしながらお一人お一人に状況に応じて分割納付を認めるなど、きめ細やかな対応を取っているところであります。またこれまでも処分すべき財産がない場合、また差し押さえなどの滞納処分により著しい生活困窮に陥る恐れがある場合におきましては、滞納処分の執行の停止をするなど納税者の生活実態に応じた対応に努めてきているところであります。一方、税の公平性の確保の観点も、私は重要であると思っています。一定の財産を所有する方に対しては、法の規定に基づき滞納処分を行うこととなりますが、できうる限り丁寧な対応に努めてきているところであり、この点はご理解をいただきたいというふうに思っております。

 

広田

 認可保育園の待機児については、本市は「待機児ゼロ」を強調しますが、それは厚生労働省の統計の取り方であり、希望する保育園に入れない実態が続いています。西部地区で新設が予定されていますが、希望する保育園の入所につながるものでしょうか。学童保育の待機児も深刻で、4年生以上は受け入れていない、という学童保育も少なくありません。全体の95クラブ中、3つのクラブが定員超過、分割の目安となっている70名越えが20か所もあります。分割や新設をしようにも、施設を探すのも保護者が中心で、なかなか困難です。指導員不足も深刻で、保護者が交代で指導員をしている、本末転倒な状況すら起きています。

一方、本市の「移住ポータルサイト」には、保育園について、「待機児童数はゼロ」、学童保育については「放課後、保護者が不在の家庭の小学生を預かり、働く保護者にとって安心できる環境が整っています。」とうたっていますが、実態は異なります。

希望する保育園、学童保育に入れるよう、市の責任で施設を確保すること。学童保育指導員は国で配置基準の緩和が検討もされていますが、とんでもありません。指導員、保育士とも抜本的な処遇改善を行い人を確保すべきですがいかがですか。

また、保育園の延長保育の利用料について、保護者にとって負担となる料金設定にするべきでないと考えますが、市としてはどう対応しているのでしょうか。

 

山野市長

 保育所の待機児童の在り方についてお尋ねがありました。これまでも保育需要を見ながら施設整備に努めておりまして、今年度保育所1施設を新設することとしています。また新たなこども子育て支援事業計画の策定に向け、今年度ニーズ調査を実施をすることとしており、引き続き保育需要の把握と保育施設の適正配置に努めています。

放課後児童クラブの待機児童のことについてお尋ねがございました。本市の放課後児童クラブの運営は従来より、地域の方々が主体となって取り組んできていただいているところであり、本市としても地域の実情に合わせて支援をしてきているところであります。こうやって地域の皆さんが取り組んでいただいているからこそ、金沢市は中核市の中でも最も多くの児童クラブがあり、多くのこどもたちが通っているんではないかというふうに思っています。引き続きニーズの高い地域における必要な施設整備に対し支援をすることで、希望するこどもたちが利用できるように努めてまいります。

保育士や児童クラブの職員の処遇改善のことについてお尋ねがございました。保育士の処遇改善につきましては昨年度、技能や経験に応じた手当の新設による処遇改善を行ったところであります。また国からは明年度、保育士の賃金をさらに引き上げる方針が示されており、詳細が分かり次第しっかりと対応をしていきたいと考えています。

放課後児童クラブの職員確保のための処遇改善ですけれども、昨年度職員の賃金改善事業を実施をさせていただいたところであります。今年度はその地元負担を解消をしたところでありまして、今後も引き続き処遇改善につきましては研究を重ねていきたいと考えています。

延長保育の利用料についてお尋ねがございました。延長保育を実施するための必要な経費は、それぞれの保育所や認定こども園によって異なっております。各施設が実情に合わせて利用料を設定をしているところであります。利用料の他、延長時間などサービスの内容について、各施設が保護者に対し丁寧に説明をし、同意を得ることとなっておりまして、このことについて市として引き続き指導を重ねてまいります。

 

広田

 つぎに、7月から本格実施となる「要援護者ごみ出しサポート事業」については、共助が受けられないか調査をするということですが、プライバシーや人権にもかかわるためやめるべきです。本人や家族が躊躇なく申請できる制度となるよう取り組むべきですがいかがですか。よって、申請や打ち合わせは市が直接行い、民生委員などの負担を増やすべきではありません。また、モデル事業ではなぜ2件しか申し込みがなかったのか、その教訓も踏まえ行うべきですがいかがですか。

さらに、介護や障がいなど専門的視点も必要なことから福祉施策として行うべきですがいかがですか。

 

山野市長

 要援護者ごみ出しサポートのことについて何点かお尋ねがございました。プライバシー・人権のことであります。要介護1以上などの特定の要件を満たし、近隣住民等の協力をいろんな事情があって得ることができない、ごみ出しに困難を伴う世帯を対象とさせていただいていますことから、その確認のためには個人情報が記載された申請書等の提出や面談が必要不可欠であるということ、ここは是非広田議員、ご理解をいただきたいと思います。ただ申請者の個人情報保護の観点から、申請書等の厳正な保管管理を徹底するとともに、事業の実施に際しても可能な限りプライバシーに配慮をしているところであります。この事業を受ける際は、申請内容の確認や共助の有無、特にこの共助の有無につきましてはやはり地元の皆さんが一番ご存知かというふうに思います。その認定作業も必要でありますので、地域の実情に詳しい民生委員の方などの協力が不可欠であります。今後とも、現地調査等を実施する際には、民生委員の方の過度な負担とならないよう十分配慮して参ります。モデル事業のことですけれども、先行自治体の事例も参考にさせていただきながら、認定要件を要介護2以上とするなど、その要件を設定をしたところであります。そういうところから利用世帯が多くはなかったと考えています。そういう反省も踏まえながら、認定要件を要介護1以上と緩和をさせていただいたところであります。4月から地区社会福祉協議会・民生委員・児童委員協議会等の福祉関係団体や、町会連合会等の地域団体に周知を促し、この事業の利用促進に努めているところであります。所管のことについてお尋ねがございました。まず一義的にはこの事業は、家庭からごみステーションまでのゴミ出しを支援する事業でありますため、収集現場を所管する環境局が主体となって行っています。ただご心配のように、申請内容の確認、共助の有無などの認定作業につきましては、福祉局や福祉関係団体との十分な連携が欠かせないことから、これらの皆さんの協力も頂きながら事業の適切な運用に努めているところであります。

 

広田

 つぎに、行政改革における行政評価によって福祉の予算が削られている点についてです。

この間、おふろの入浴券、長寿のお祝い金、見舞金など、金沢の福祉を象徴する予算が削られてい

ます。今年度は、配食サービスと歳末見舞金の予算が削られています。しかも担当課は継続を求め、市民行政評価でも明らかな見直しの議論はされていません。配食サービスについては、必要性があきらかとなるやりとりまでされています。このように、市民行政評価までおこない、結論ありきで、市民の命やくらしに関わる福祉制度を切り捨てるのはやめるよう求めますがいかがですか。

また、予算に行政評価の結果が反映されていても、私たち議員が気づけない状況があります。6月の行政改革推進委員会に報告を済ませてからでないと公開できない、と当局は言いますが、市民と議会に報告がない状態は正すべきで、早急に改めるよう求めますがいかがですか。

 

山野市長

 行政評価のことについてお尋ねがございました。歳入に多くの伸びを期待できない一方、高齢化の進展等により社会保障費が増加する中にあって、既存の事業を適時適切見直していくことは国や地方自治体にとって必要不可欠なことであると思っています。仰せの福祉施策につきましても見直しをすることは避けることはできないと考えています。引き続き事業の必要性、費用対効果等を十分検証をしながら、適切な行政評価制度の運用に努めてまいります。この報告、市民行政評価の当初予算への反映状況を3月に発表すべきではないかということでした。市民行政評価の評価結果につきましては、市の施策を拘束するものではなく、各事業担当課では評価結果を十分勘案をした上で予算編成を通じてその反映に努めているところでありまして、その結果は予算案として議会に示されているところであります。市民行政評価の予算への反映状況につきましては、本市においては行政改革の取り組みを広く市民に周知をするため、6月の行政改革推進委員会で報告するとともに、市ホームページで公表をしているところであります。

 

3.宿泊税について

 

広田

 宿泊税についてです。3月に条例が可決され、現在総務省で協議中とのことですが、未だ市民からは納得が得られていない状況です。

まずは課税の公平性について市長のお考えをお聞きします。

市長は、2万円以下の宿泊料には200円、2万円以上では500円、宿泊した方全員に一律とるということで、課税の公平だとおっしゃっています。

しかし、金額については、宿泊料2000円で200円とるのと、19999円で200円とるのとで、負担として公平とは言えません。

また、対象者については、修学旅行やスポーツ合宿等について、「別途支援措置を講ずる」としています。金額にしても対象者にしても、市長のいう負担の公平性が崩れるものではないですか。

さらに、その支援措置の内容と、予算はどこから捻出するのかあきらかにしてください。もし宿泊税の税収7億円からあてるのであれば本末転倒です。

さらに、市長はごみの有料化では負担の公平性を言い訳にし、低所得者などへの袋の配布などは行わないと言ってきたのに、宿泊税については、あっさり特別の支援措置を行うのは矛盾しませんか。

次に、この宿泊税は外来者だけでなく、市民にも新たな負担となるものです。

例えば、市の施設であるキゴ山ふれあい研修センターでは、シーツ代を含まないとすれば300円の宿泊料に200円の税を子どもたちにかけることにもなり得ます。公共の子どもたちが使う施設にも高い税負担です。あまりにも重い住民負担であり、日頃市税を払っている市民にとっては税の二重取りではありませんか。

次に、地域経済にとっても重大な問題があります。

宿泊税は事業者がとるものではないのに、宿泊料の額面が増えて見えます。よって、集客のための値下げ競争が起こるのではないか、事業者は心配をしています。「3990円の宿泊料でも、利益は、今でさえ700円、値下げ競争が起これば、200円は自分たちがかぶらなくてはならないかもしれないが、それでは経営が成り立たない」事業者は言います。宿泊業界の値下げ競争、経営悪化の懸念について、市長はどうお考えですか。

さいごに、進め方についてです。

先日の、市議会の意見交換会で、市民の怒りが噴出しました。

「2月に突然提案され、3月に決めるなんて拙速。」「市の説明会は、一方的に説明をするだけでこちらの意見や質問をする時間もない、最初から結論ありきではないか」「会計システムの改修で300万円かかることを知っていますか」など、たくさんのご意見が出ました。再度、現場のお声や実態調査を行い、検討しなおすべきですがいかがですか。

 

山野市長

 宿泊税について何点かお尋ねがございました。本市では宿泊料金に関わらず、宿泊客の方が受ける行政サービスに変わりはないという考え方から、民泊を含むすべての宿泊施設の利用者の方に広く負担をお願いをするものであります。修学旅行等につきましては、当初の案では京都市と同様に課税免除ということも考えておりましたが、宿泊事業者団体からの要望、また先行自治体の事例等々も参考にしながら特別徴収義務者の負担を軽減するため、課税免除ではなく別途支援措置を講じることとした次第であります。なお支援制度の具体的な内容につきましては、来年度当初予算の中でお示しをしていきたいというふうに考えています。市民に課すのは二重取りではないかということでした。市民が市内の宿泊施設に泊まるケースというのは決して多くはないというふうに思っていますが、公平性の観点から先行自治体と同様の取り扱いをしていることをご理解を願いたいというふうに思っております。また市民税とは課税客体が異なりますことから、税の二重取りにはならず、仰せの教育施設等につきましても宿泊料金が免除されている場合には対象とはなりません。経営悪化に繋がるという懸念をもつ方がいらっしゃるということです。決してそういうことにならないように制度の内容、さらには使い道につきましてもわかりやすく周知を重ねていきたいというふうに思っております。宿泊税の導入につきましては一昨年の12月、定例月議会におきまして議会から提案もあり、それ以来本会議や所管の総務常任委員会でも何度も議論をさせていただいているところであります。そうした議論を得て、3月定例月会議において条例案を議決いただいたものであり、市長としてこの点を大変重く受け止めています。総務大臣の同意が得られたならば明年4月からの条例施行に向け、宿泊客に制度の周知を図ることはもちろん、特別徴収義務者となる宿泊事業者に対してもこれまで同様引き続き丁寧な説明を重ねてまいります。

 

4.学校の統廃合とまちづくりについて

 

 

広田

  さいごに学校の統廃合とまちづくりについてです。

 学校は、その地域の歴史と伝統、人間を育むアイデンティの源であり、災害の拠り所ともなる、なくてはならない存在です。その学校を、国の規模適正化方針や、財政上の効率化で、各地域で統廃合を行っていますが、その矛盾や統廃合先にありきの進め方に対し、疑問の声があがっています。

 今回市長から、新竪町小学校と菊川町小学校、犀川小学校と東浅川小学校の統廃合について方針が出されました

新竪町小学校と菊川町小学校の統廃合について伺います。

 聴けば、周辺の中学校の統合を行い、片方の空いた校舎を仮校舎とするというそれまでの案が突然かわり、新竪町小学校のグラウンドに仮設校舎を建てる案が保護者や地域に示されたのが、4月下旬から5月上旬とのこと。急ピッチで説明会が行われ、わずかひと月ちょっとで、議会に提案がされ、「地域の理解を得た」とするスピードについていけないという声が聞こえていますし、

グラウンドの代替案について、教育委員会に質問しても明確な返答がない、仮設校舎期間は最短で4年と聞くが本当にそうか、など不安の声も多く、すでに転校を考えている保護者もいるそうです。

不備な計画であり、まだまだ住民の疑問や不安が残っているのに、こんなに拙速にすすめなければならないのはなぜなのですか。

教育委員会は、新竪町小・菊川町小の両校とも耐震化がされていないということを強調しているようです。

しかし、これまでわが党なども耐震化を優先に求めてきたのに対し、統廃合を優先にすすめ安全対策を怠ってきたのは教育委員会であり、地域や保護者に今になって、耐震を理由に急がせるのには、納得できないという声があって当然です。教育委員会の耐震化を後回しにしたつけが、現在の子どもや保護者に苦渋の選択をさせ、子どもの教育環境にも影響が出ることについて、どうお考えですか。

市内で最も古かった森山小学校も、今は現在地で立て替えています。新竪町小学校や菊川町小学校も現地での建て替えはできなかったのか。あきらかにしてください。

さらに、進め方についても異論が出ています。PTAや地域の役員のみなさんが説明会を開催し、市は説明だけ、意見集約は役員のみなさん。つまり、住民が住民の意見をまとめる形になっているのが疑問だというものです。本来、学校の施設整備を提案し合意を得ていくのは、教育委員会に責任があるのに、PTAや地域の役員が、保護者や地域住民の意見を集約し、合意を得るために動かざるを得ないのはおかしいのではないでしょうか。

住民誰しも、役員には活動に対し感謝の思いを抱いていますが、役員のみなさんを保護者や住民の間に立たせることで、立場や関係性から、率直な議論がしにくい場面もあるはずですし、対立すら生みかねません。また、役員のみなさんに多大な負担がかかっています。

 教育委員会が、直接保護者や住民に説明をし、意見や質問にも応じ、結論ありきではない丁寧な合意づくりを行うことが必要なのではないでしょうか。

 

さらに今回は、両校下でPTAのみなさんが、保護者全員にアンケートを行ったと聞いています。とても大事な判断材料ですが、その結果を教育委員会はどのように受け止めたのでしょうか。

 

さいごに、学校は、地域の文化センター的な役割も担うことから、なくなれば地域の過疎化が進む可能性すらあります。にも関わらず、建物の玉突きで計画がすすみ、子どもや教育、都市計画やまちづくりという視点がまるで抜けた構想が各地で提案されていることは重大です。中央地区への小将町中移設は、中央小学校、玉川子ども図書館の移転・建て替え計画に変貌してしまったように、今回も、中学校の合併ありきの計画で進んできたでことが、今の状況を生み出しています。まずは、子どもや教育、そして都市計画やまちづくりがどうあるべきか、その議論こそ地域のみなさんとともに行うべきと考えますがいかがですか。以上で質問を終わります。

 

 

山野市長

 学校の統廃合のことについてお尋ねがございました。私が市長になって間もなく、新竪町校下の新年会に行きまして、すでに町連会長さんから統合のことについての問題提起がなされていました。私は菊川町小学校の関係者とも数年前からいろんなそういうご意見をお聞きしているところであります。皆さん真剣にご議論をいただき、なんといってもこどものことを最優先に考えながら慎重に議論を重ねて来られて、今回の提案だというふうに思っています。本市におきましても学校関係者や有識者から通学区域審議会に答申もいただき、しっかりと意見交換をしていることにご理解いただければと思います。

 

野口教育長

 学校の統合などにつきまして何点かご質問がございました。

はじめに、今回の新竪町小学校と菊川町小学校の統合が拙速ではないかとのお尋ねでありましたが、今回の統合につきましては平成28年から時間をかけて地域や保護者の方々と丁寧に協議や意見交換を行ってきた中で今回、両校下で統合合意の結論となったものであり、決して拙速に進めてきたものではないと思っております。

次に、仮校舎を整備する新竪町小学校の教育環境についてお尋ねがございました。平成28年の通学区域審議会からの答申において、教育環境の充実のため統合の方針で示されたことを受け、地域との協議を重ねてきたものでございます。今般、両校下から統合の同意をいただいたことから、統合校の校舎として新竪町小学校の校舎を一部利用したうえで、不足する教室等を暫定的に整備することとしたものであり、可能な限り運動場の面積を確保していきたいと考えております。また2つの学校それぞれについて建替えができなかったのかというご質問がございました。新竪町小学校・菊川町小学校は統合を前提としていない森山町小学校とは異なり、通学区域審議会から児童の教育環境の充実のため統合を基本とするとの答申があったことから、両校下の地域や保護者の方々とこれまで協議を続けてきたところであります。

広田 みよ 市議 6月19日(火)午後1時30分頃~

①米朝首脳会談、「働き方改革」について

②市民生活の実態と暮らしを守る施策について

 税の徴収、保育・学童保育施策、要援護者ごみ出しサポート事業、行政評価について

③宿泊税について

④学校の統廃合とまちづくりについて

 

森尾 よしあき 市議 6月20日(水)午後1時30分頃~

①金沢市町会連合会における使途不明金と本市の対応について

②子どもの虐待への対応と子ども医療費助成制度の拡充について

 

おおくわ 初枝 市議 6月21日(木)午前11時10分頃~

①生活保護費の削減について

②金沢市の農業支援について

③家庭ごみ有料化について

 

【金沢ケーブルテレビ(デジタル031ch)】

 LIVE生中継 翌日午後6時より再放送

【議会インターネット生中継(Ustream)】

 

 

6月1日、昨日は、国際こどもデーということで、新婦人の保護者のみなさん方と金沢市に、子どもの医療費助成制度の拡充や、夜間の受診について要請をしました。


【要望項目】

1.金沢市の子どもの医療費助成制度の自己負担をなくして、完全窓口無料にしてください。

2.金沢市の子どもの医療費助成対象年齢を、入院・通院とも高校卒業までに拡充してください。

3.国に、子どもの医療費無料制度を早期に創設するよう強く求めてください。

4.時間外の受診の仕方や医療費についての広報を周知徹底してください。

これらに対し、まずは回答。

1、 制度の安定的運営と適正な受診の2つの観点から考えていない
2、 H26年に中3まで拡大したという状況なので、高3までは考えていない
3、 これまでも全国市長会を通じて求めてきた
4、 パンフレットの1ページめに載せている ㏋でも周知広報している

(参加者からの意見)

・参加者:真夜中の受診が大変。相談ダイヤルもあるが、電話相談がつながらないこともあるし、センターは23時まで。近所のクリニックはやっていないので、結局は総合病院に行かざるをえない。そうすると5000円とか初診料みたいなものでかかる。子どもは真夜中の受診が多いのだから、子どもだけでもこの負担はやめてほしい。

・担当課長:5000円の負担というのは、500床を超える病院がとる選定医療費である。これは保険外の負担であり、市からどうこうすることはできない。
急病センターについては、小児科が各地で夜中に対応している状況は、小児科医も少ない中で小児科医療が回らなくなるので集約するために、急病センターをつくった。(さらに今年は4市2町へと広げた。)
23時まではこちらで、あとは医療センターや県中におねがいしている。
重篤な場合は直接2次医療。あと、救急車で運ばれた場合はこの5000円の負担はない。
・参加者:たしかに、電話相談でも「県中、医療センター、県中、県中はなぜか2回言うが」とアナウンスはあるし、パンフレットにも「特別料金をとる」ことは書いてあるけれど、具体的にどの病院がいくらかかるかはわからない。それを載せてほしい。

・担当課長:その件は、病院でもトラブルになるので、市でも周知できないかと言われているので検討はしている。しかし、選定医療費が病院によって金額やルールや運用が違うのでどうするか。

・参加者:「制度の安定的な運営」とおっしゃるが、制度改正後利用はどのくらい増えたのか
・担当課長:中3までと完全無料化で時期は違うが、4割近く金額が増えている。入院や外来の別はわからない。課としては、今まで控えていた子どもが受けれた面も、安易な受診も両方あると思っている。

・参加者:4年前肺炎で下の子が入院したとき、10万円せいきゅうされ、払うのが大変だった。一方、下の子は1000円で済んだのでありがたかった。コンビニ受診とかいうが、親の安心感はある。そして、県の制度が変われば、市も楽だろうし、力をあわせたい。
・参加者:うちは食物アレルギーの子がいるので、日々保湿剤とか塗ったりして大変。大人になれば自分で払えるが、子どものうちは高校生でも厳しい。年齢拡大をしてほしい。

・参加者:一番うえが高校生で、基本はバイト禁止なので稼げない。親も給料があがらないのできつい。歯科健診で治療してと案内が来ても、小中は補償があるが、高校生はない。歯科は何度も通わなければならず、ちょっと熱が出るよりお金がかかる。口の中から貧困が見えるというが、高校生まで拡大する必要がある。

・参加者:貧困をなくさなきゃならない。4割ましの金額増ならばなんとかいけるのではないか。国においても要望はするが、ご一緒にがんばっていただきたい。十数万かかる医療費が千円になるのだから。

・担当課長:市でも3月の受診分が急増する。かけこみ。ただ、年齢拡大などしてきたところなので、すぐにどうなるかはわからない。

・保健局長:これまでやってきたので、すぐにというのはむずかしい。他都市の状況をみて研究する。

・森尾さん:県は千円ひいて、自治体の1/2しか補助しない。しかも3歳までとは本当にひどい。国のペナルティも子どもの医療費にもかけられている。年齢を拡大すればするほど、自治体の負担が増える。

 

共産党市議員団としても、ひきつづき、子どもの命と健康をまもり、親のみなさんの負担を減らすために、子ども医療費助成拡充に力を入れてまいります。

5月28日は、「配食サービスの見守り委託金」の見直しについて、NPOの事業者のみなさんと、変更の中止を求め、市に申し入れをしました。

「1食あたり150円としていたものを、1世帯あたり150円に変更する」という変更についてです。


参加者から、
・見守りのとき、1回行って体調悪ければ、2回3回行く
・食事をどれだけ食べてあるかなど、見てるのも二人分 安否確認とともに栄養摂取状況もみている
・単価ではなく、世帯でみるというところを疑問視するのはおかしい
・高齢者でもう1方いない場合、「どこへ行ったかわからない」と言われても、あとで電話をかけたりする
・営利事業と同じように考えてほしくない
・利益出ないでやっているところはこの改正はきつい
・むしろ、夫婦二人で配食とっている世帯のほうがより深刻

 

市は、中止はできないとしながらも、やりとりの中で以下のような考え方を示しました。

・29年度は28万食 1000人弱が利用
・市町村によっていろんな考え方がある
・高齢者の見守り費用としてきたが、利用者さんも食事制限などいろんなニーズがでてきた。
26年度からは500円+αでとってよいとした。
・市の考え方は、150円は見守り費用 ピンポンして顔をみる手間賃
・置いておくだけというのはやめてほしい、いないなら電話で確認する
・同一世帯であれば1回で事足りるでしょう 済むでしょう
・夫婦でどちらかがいない場合もハンコ押してもらうケースもある
・食の確保とという視点でみれば150円とは別
・みなさま方に意見を聞く時間がなかったのはたしか。変えた方として丁寧さを欠いた。
・食の確保という視点では、まだ議論することができる。所得制限を入れるかもしれないが、特別職に対する考え方など見直し
・H6年から配食サービスがはじまったが、この頃は他にはなかった。配食から見守りという費用の出し方に変わった。
・一般社会では業者がやっているのに、こちらだけつけるのはおかしいという議論もある
・2回行くわけではないので、2人分つける必要はない
・食のご提案ということであれば考えたい
・ほかにも見守りをいっぱい入れている 見守りではこのサービスの継続はむずかしい
・改正の時に手続きの不備があったことはたしかだが、だからと言って戻すことや中止することはできない。配食サービスを残していこうとすれば、特別食にして個人への補助にする
・本来の配食とはどうあるべきかの議論が不足していて、どこか削らなければならないという議論になってしまったのではないか

 

以上のようには言うものの、このサービスの変更は「行政評価」で取り上げられ変更されました。さらに内部評価を経て、外部評価である「市民行政評価」も受け議論の様子も公開されています。

20事業の市民行政評価のうち16番が配食サービスです。

以下のような議論がされています。

【事業番号16 配食サービス費 】

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会 議 録

【事業番号16 配食サービス費 】

1 会議名 平成 29 年度第4回市民行政評価委員会

2 日 時 平成 29 年 10 月4日(水)午後2時 50 分~3時 20 分

3 場 所 議会第3委員会室

4 出席者 (1)市民行政評価委員会委員 岡田委員長、村田委員、山崎委員、寺田委員、大家委員 喜成委員、西山委員、藤田委員、安田委員 (2)事業担当課(長寿福祉課) 細井課長、生田主任主事 (3)事 務 局(行政経営課) 津田課長、松本課長補佐、島崎係長、古谷主査

5 審議内容 評価委員 : 1 食あたりの利用者負担が 500 円、市の負担は 150 円という金額 は、他の自治体の例や事業者の利益という点からみて適切と考え ているか。 (事前質問) 事業担当課 : 利用者負担額の中核市平均は 420 円、委託料の中核市平均は 321 円であり、金沢市は他の中核市に比べて、利用者負担が高く、委 託料が安い傾向にある。他の中核市と比べれば、事業者が有利と は言えない状況である。 評 価 委 員 : 介護保険事業の対象とならない高齢者向けの事業という理解で 良いか。(事前質問) 事業担当課 : 介護保険制度で要介護認定を受けているか等は関係なく、 65 歳以 上の方で要綱の対象者の要件に当てはまれば利用できる。 評 価 委 員 : 利用申出書の「利用者の状況」部分についての統計データはある か。 (事前質問) 事業担当課 : 「利用者の状況」のうち、「生活」の項目については、ひとり暮 らしの方が 55%、老夫婦の世帯が 30%、日中高齢者のみ世帯等 が 15%である。その他の項目については、申出書に記入させてい るが統計データはない。 評 価 委 員 : 二次評価の「介護施策における本事業の今後のあり方を検討す る」とは、具体的にどのような趣旨か。 (事前質問) 事 務 局 : 本事業は、本市では介護保険制度の中の「地域支援事業」として、
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事業を実施している。地域支援事業は、地域の実情に応じて市町 村で実施事業を決定することができるが、一定の基準により事業 費に上限があることから、どの様な事業にいくら使うのが最も効 果的か、地域支援事業全体の中で最適化に努める必要がある。本 事業は、見守りの観点から実施しているものであるが、事業費が 高齢化の進展に伴い増加していることや、国が配食事業に求める 栄養管理の視点も含め、持続可能な介護保険制度の構築に向け て、本事業の今後のあり方を今一度検討して欲しいという意図で ある。 評 価 委 員 : 食事内容の満足度調査はしているか。また、利用者の声を事業に 反映しているか。 (事前質問) 事業担当課 : 市から利用者に対して、書面でのアンケートは行っていないが、 各配食事業者が配食を開始する際に、食事の希望を確認してい る。また、事業者の中には、利用者に対して食事量や味付け、好 みなどのアンケートを行っているところもある。加えて、市に利 用者からの要望があった場合は市から事業者に伝え、できる限り の対応をお願いしている。 評 価 委 員 : 金沢市高齢者等配食サービス事業実施要綱第3条の「これに準ず る世帯」とは、どのような世帯なのか。また、その世帯の利用実 績はどうか。 (事前質問) 事業担当課 : 「これに準ずる世帯」とは、日中、高齢者のみとなる世帯や、子 は同居しているが子に障害があるなど、見守りができない世帯等 である。日中、高齢者のみの世帯は、サービス対象者全体の 11% で、子は同居しているが障害がある等で見守りができない世帯等 は4%である。 評 価 委 員 : 高齢者に対する補助は他にもあり、配食への補助は必要なのか。 補助なしの 650 円でも必要な方は利用する。 (事前質問) 事業担当課 : 配食サービスは、高齢者向けのバランスの良い食事の提供を通じ て、高齢者の見守りを行う事業である。サービス対象者への見守 りの必要性については、申請書に基づき、市及び地域包括支援セ ンターが判断している。各事業者が利用者に一食一食手渡しし、 安否確認を行っており、必要なサービスであると考えている。 評 価 委 員 : 1日1食のみか。または朝食、昼食、夕食のいずれか1回か。 (事 前質問) 事業担当課 : 利用者の希望により、週7日、昼食、夕食を利用できる。1週間 あたり 14 食まで選択できるが、朝食の提供は行っていない。
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評 価 委 員 : 管轄部署が異なると思うが、ひとり親家庭への配食はできない か。(事前質問) 事業担当課 : 長寿福祉課としては回答が難しい。ひとり親世帯等においては、 母親が多忙であるとの理由は理解できるが、食事を作らないこと で親子の繋がりの希薄化を助長することなども考えられること から、十分な検討が必要と考える。 評 価 委 員 : 高齢者だけの世帯というだけでは対象にならないのか。 事業担当課 : 食事の調理ができない人という条件も併せて満たさないと対象 とならない。 評 価 委 員 : この事業を長期間行っているが、利用者負担額はずっと同じなの か。また、高齢者の方たちへのサービスの周知はどの様にしてい るか。 事業担当課 : 当初はデイサービスの一部として配食していた。その時は 150 円 の負担はなかったと思われる。その後、国が配食サービスは大切 であるということで、事業を整理し、負担額を決めた。また、周 知方法だが、地域包括支援センターや民生委員の方に「すこやか 長寿」という冊子を配り、冊子の中に制度について記載されてい る。また、ケアマネージャーが高齢者宅を訪問したときに、この 方には配食が必要だと判断した時に勧めている。 評 価 委 員 : 配食の手渡しを間違いなく行っているか。その結果、体調などの 違和感があったというような事例はあるか。 事業担当課 : 手渡しは必須条件として事業者に厳しく指導し、事業者は利用者 から受領印等を貰って市に提出している。事例については、昨年 度は救急車搬送9件、死亡3件、不在等を含め、その他が 129 件 あった。 評 価 委 員 : 件数の分母は 285,556 件で合っているか。 事業担当課 : 合っている。 評 価 委 員 : 平成6年から安否確認をしていたのか。 事業担当課 : その当時から食事の提供、安否確認を行っているように思う。 評 価 委 員 : ヘルパーや包括支援センターの見守りと当事業のすみ分けは。 事業担当課 : ホームヘルプサービスには家事援助と身体介護の2通りがある。 家事援助を利用している方は、希望すればその援助の中で食事準 備もできるので、当事業の配食サービスは利用されないと思う。 また、身体介護を利用されている方は重度の方なので、配食サー ビスを利用しないことが多いと思われる。その点からすみ分けは されていると思う。その他、民生委員の見守り活動や市の緊急通
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報装置等があるが、まずは利用者がどの制度を選択するかによ る。 評 価 委 員 : 実利用者数が 1,000 人とあるが少ないように思える。配食サービ スを必要とする方の情報を掴むことを考えないといけないので はないか。 事業担当課 : ご意見を参考にしたい。 評 価 委 員 : 国の補助は入っているか。 事業担当課 : 補助事業については介護保険特別会計で行っている。4,200 万円 のうち市の持ち出しは 19.5%、他は国や県などの介護保険の枠組 みの中で支払われている。 評 価 委 員 : 二次評価の「対象の重点化」とはどういう趣旨か。 事 務 局 : この事業の財源は介護保険料で、利用者が増えれば保険料も上が っていくことになる。一定のサービスを維持するためには、業者 の費用の負担や民間の持ち出しをお願いしなければならない。ど んな形で事業を継続して続けていくか検証が必要なことから、内 容見直しとした。 評 価 委 員 : 生活保護を受給している人の割合は把握しているか。 事業担当課 : 把握していない。 評 価 委 員 : 今後、把握はするか。 事業担当課 : 生活保護を受けているからといって、サービス利用への影響はな いので調査をするつもりはない。

 

この議論を読む限り、配食サービスは高齢者の見守りに寄与していることが、担当課の言葉からも読み取れるほか、見守りの単位を1人から1世帯にしたほうがいいという議論はされていないことがわかります。

 

しかも、私たち議員は、新年度の予算については、3月議会で示され調査や議論をして深めて賛否を表明するわけですが、今回の「配食サービス事業の変更」については、予算書には一切載っておらず、3月議会が終わり、現場のみなさんが説明を受けてはじめてわかったというものです。議会にも知らされていない、現場にも意見が聞かれておらず、行政経営的な視点で進められたこの事業の変更は中止すべきです。

2018年3月金沢市議会

宿泊税といわゆる民泊条例について

2018年3月29日 日本共産党金沢市議員団

1 宿泊税の導入です。

本議会に条例が提案され、日本共産党の森尾、広田、大桑市議、社民の森、山本市議と無所属の熊野市議が反対し、他の会派・市議の賛成で可決され、来年4月から実施されることとなりました。

市民の理解と合意が無く、中でも特別徴収義務者となる業界関係者にも十分理解を得られておらず、継続審議とするよう付託された総務常任委員会で提案がされましたが、否決され、委員会で採択され、本会議において採択・可決されました。

解決されていない第一の点は、目的税として課税対象や金額、さらには、使い道などの点で疑問や問題点が払しょくされていないことです。

税金は、負担する能力に応じて税金を高くする一方で、低所得者に配慮するという税金の累進課税という考え方が無視された内容であり、税金の公平性を保ち理解を得るものとなってないことです。東京、大阪では、1万円未満の宿泊料金には、税金をかけていません。また、京都市では、修学旅行生の宿泊料金には、課税しないこととしています。本市の提案では、2万円未満の宿泊料金に一律200円、2万円以上には、500円の課税となっており、修学旅行生にもその宿泊料金に課税するとしています。

本市での宿泊税導入による年間の収入は、7億2千万円です。

第二に、地元の中小業者にとって、宿泊税の導入は、死活的な問題を抱えることとなります。宿泊税の導入によって、業者間の低価格競争に拍車をかけ、宿泊税の税額を負担せざるを得なくなったり、青少年の合宿や仕事で一定期間利用されてきた方々にどのように説明するのか。他の施設へと利用が変更されないか。など悲痛な訴えがあります。

第三に、税の公平性が確保されていない点です。

本市の課税対象は、民泊も含めるとしています。ところが、この民泊は、違法民泊が広がり実態すらつかめない状態となっている上に、新たな民泊新法がこの6月から施行されることとなります。しかし、果たして違法民泊がなくなるかは不透明です。現状のままでは、この民泊まで対象とするなら、逆に宿泊税を逃れるために、違法民泊を助長しかねません。これでは、税の公平性をたもつことはできないことから、宿泊税の導入を見送ることを求めました。

 

2 金沢市住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例制定についてです。

 いわゆる民泊新法がこの6月から施行されることから、本市が条例を制定するものです。

 条例は、日本共産党の森尾、広田、大桑市議が反対し、他の議員の賛成で可決・成立しました。

 問題の第一は、市民と宿泊される方々の安全と安心を守るという点からするときわめて不十分であるということです。 

 大阪市での違法民泊での死体遺棄事件、京都市での管理者がいない簡易宿所での火災発生などを教訓に、市民と宿泊者の命と安全を守ることを基本とする条例制定が求められました。ところが、民泊新法に基づく届出制に変わったことから、旅館業法に定められた施設の要件や手続きが緩和されてしまいました。施設の安全管理の要件や管理者の常駐を義務化するなど安全・安心の確保を盛り込むことが求められています。

 第二に、民泊の制限できる区域と期間の設定です。

 他都市では、住居専用区域や、学校や児童福祉施設の周辺100m以内の区域を全ての期間、実施できないこととしており、本市の関係する業界からも要望されていることでした。ところが、本市は、国の見解からして一律に規制するのは適切でないとまで述べ、対応を拒否しました。守るべき市民の命・安全の確保を優先するのではなく、国のガイドラインを盾に市民の要望を拒む姿は、まさに、国の代弁者そのものです。市民の命・安全を確保し、生活環境を守る視点から努力することを強く求めるものです。

 なお、マンションにおける民泊問題が大きな課題です。認めるとの意思表示がない限り、事業ができないという立場で臨むことが大切と考えるものですが、住民の安全・安心を確保する立場から対応することを求めました。

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