お知らせ |日本共産党 金沢市議員団 |7ページ

お知らせ

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議長へ申し入れ文書をわたすところ

2022年10月5日

金沢市議会議長 高岩 勝人 様

議長就任祝賀会における発言の取り消しと陳謝を求める申し入れ

日本共産党金沢市議員団

森尾 嘉昭

広田 美代

大桑 初枝

 去る9月24日、高岩議長の就任祝賀会が開かれ、その席上で、次のようなあいさつをされたと報じられています。

 高岩氏はあいさつで日本の教科書問題に触れ、友人の娘が留学先で日本を「韓国と中国で国民を虐殺した悪い国」と話したところ、「友達がいなくなった」とのエピソードを紹介した。その上で、「(友人の娘は)自国を悪く言う人は『両親が共産党かテロリスト』と言われたそうだ」と指摘し、教科書の見直しを訴えた。

 この発言は、重大な問題があります。

第一に、日本の教科書問題に触れて、引用された事例について、どこの国への留学なのか。高校生なのか。大学生なのか。そして、いつの時代の話なのか。根拠あるものとは到底言えるものではありません。

第二に、「(友人の娘は)自国を悪く言う人は『両親が共産党かテロリスト』と言われたそうだ」との発言を行ったことです。共産党とテロリストを一緒に扱い、非難した発言を取り上げるのは、間違った印象を与えるものです。

どこの国の共産党なのか不明ですが、日本共産党は、結党以来100年の歴史を持ち、日本の平和と民主主義、くらしを守って活動を続けています。テロリストとは、全く関係ありません。

以上のように、議長就任祝賀会での発言としては、問題があり、議長として責任が問われるものです。

よって、その発言を取り消し、陳謝するよう求め、申し入れます。

この申し入れに沿って、やりとりをし、高岩議長からは以下の発言がありました。

〇留学先はどこの国なのか?

👇

・友人の娘さんはオーストラリアに留学して、いろんな国の方と接する中で、どこの国の方からかわからないがそのように言われた。

・日本共産党のことを言っているわけではない。

〇金沢市議会議長として適切な発言をしてほしい。

👇

・今後、気をつけたい。

加齢性難聴について

-広田議員

 まずは、加齢性難聴について伺います。「難聴」とは、聞こえにくい状態のことをいい、加齢性難聴とは、文字通り加齢による難聴のことです。加齢による聴力低下は一般的に高音域から始まり、40歳代、50歳代と低下、60歳代になると、「軽度難聴」レベルまで低下する音域が増え、聞こえの悪さを感じる人が急激に増えていきます。65-74歳では3人に1人、75歳以上では約半数が難聴に悩んでいると言われています。日本老年医学会雑誌に掲載された調査では、65歳以上の難聴高齢者数は約1655万3千人と推定されるとし、一方で日本補聴器工業会の調査では、難聴を感じている人の補聴器所有率は14.4%と低い状況です。まず、本市ではすこやか検診において、65歳以上の聴力検診を行っていますので、本市の加齢性難聴や補聴器使用の傾向についてあきらかにしてください。

-高柳福祉健康局長

 本市における加齢性難聴や補聴器使用の状況についてでございます。本市では昨年度のすこやか検診の結果によりますと、65歳から74歳までで難聴の傾向がある方は、軽度低下の方が482名で受診者数の32.2%、中等度障がいの方が79名で5.3%、高度障がいの方が2名で0.1%となっています。そのうち新たに補聴器の装用が必要であるとされた方は90名で、受診者数の6.0%となります。

-広田議員

 さきほど述べた、65歳以上で推定1655万人強という数字は、実に国民の13%以上にあたります。しかし、難聴ははた目にはわかりづらく、人に会うのが億劫になり引きこもってしまっているケースもあります。さらにコロナ禍では、マスク着用により、もっと聞こえにくく、また感染対策から外出も減り、ひきこもりがちな高齢の方がより増えている可能性もあります。難聴によってコミュニケーションが困難になると、家族や社会から孤立し、生活の質や生きる意欲まで低下します。認知症の約8割は難聴の放置が背景にあるとも言われ、とても深刻な問題です。2017年医学雑誌ランセットに掲載されたのは、認知症発症リスク要因のうち、一番大きな要因として難聴が挙げられたというものです。聞こえづらくなると、会話に消極的になります。会話の機会が減ると、脳の情動と思考を司る部分が衰えて認知機能が低下すると考えられています。また、聴覚から入った音の刺激は、脳神経において複雑な神経伝達回路をたどっており、聴覚刺激が減ること自体、脳の萎縮につながる可能性も指摘されています。そして、そもそも聞こえは生活に直結する問題であり、重要な情報が聞こえなければ交通事故や災害時の逃げ遅れなど、生死を左右する可能性もあります。市長は、加齢性難聴と生活の質や安全、認知症との関係についてどのようにお考えでしょうか。

-村山市長

 加齢性難聴と生活の質、認知症との関係についてご質問いただきました。難聴は、日常的な会話を困難にし、生活の質を落とす大きな原因となるだけでなく、コミュニケーションが減ることで引きこもりや認知症の要因ともなると言われおり、高齢者の方には定期的に検診を受けていただき、難聴の傾向を早期に発見することが大切だと考えております。

-広田議員

 WHOは、平均41デシベル以上しか聴き取れない方に補聴器の使用を推奨しています。本市の聴力検診でも、「正常」を除く40デシベル以下を「軽度低下」、40~70デシベルで、「中等度障がい」、70デシベル以上を「高度障がい」とし、軽度低下以上の方に対し医師が補聴器などの推奨や治療、経過観察などを行っています。このように、補聴器使用に至るまでには、検診などのスクリーニングを通じて客観的に難聴を発見し、ご本人に治療や補聴器の装着をお勧めすることがまず重要です。厚生労働省の令和2年度の老人保健健康増進等事業として行われた、「自治体における難聴高齢者の社会参加等に向けた適切な補聴器利用とその効果に関する研究」の中で、本市の聴力検診がとりあげられています。というのも、自治体で聴力検診をしているのは、この研究ではわずか0.4%に過ぎず、その中に本市が入っているからです。本市の聴力検診は、1998年に金沢市耳鼻咽喉科医会から実施要望が出され、2000年よりすこやか健診の中で65歳から74歳までの方を対象に実施することになりました。特徴として、医師会が中心となり、耳鼻咽喉科で実施し、検査後、経過観察が必要になった方のフォローも行っています。しかしながら、聴力検診の受診率は全対象者のうち3%前後と低くなっているのが現状です。まずは受診率の低さの原因をどう分析しているのか、そのもとで本市の聴力検診における受診率向上にどのように取り組むのか、明らかにしてください。

-村山市長

 すこやか検診で聴力検診の受診率が低いのは、耳鼻咽喉科で実施しているため、特定健康診査やがん検診など他の検診と同時に受診できないことや、がんのように生命に直結する疾患でないことが原因だと思われます。受診率が低いのは課題であると感じております。これまでも検診を案内するパンフレットの全戸配布や、対象者への受診券の個別送付などを行っておりますが、本年度は金沢市医師会と協力して聴力検診の受診を促すポスターを更新いたしました。引き続き聴力検診の受診率向上に取り組んでいきたいと考えております。

ポスターの更新について👇

2021年度まで
2022年度から

-広田議員

 また、研究の中で本市があげた今後の課題として、本当は難聴だが本人が自覚していない「隠れ難聴の人」もいるとしています。検診率向上も必要ですが、耳鼻咽喉科まで行けないなどお声もあります。身近な場所でのアンケート、たとえば「からだとこころのチェックリスト」の項目に難聴について追加するなどしてはいかがでしょうか。

-村山市長

 「からだとこころのチェックリスト」については、早いうちから介護予防に取り組むことを目的に、セルフチェックで自身の生活機能を確認するものであり、質問項目と評価の方法が国により定められていることから、独自の質問項目を加えることはできません。医療機関以外の場所でのスクリーニングについては、その方法が確立されていないと聞いており、現状では課題が多いと考えております。

-広田議員

 検診後のフォローに関する課題についてはこう書いてあります。「聴力検診実施から約20年近く経過しているが、補聴器装用率は低く、高めることが課題。2019年の実績では、聴力検診を受診し、補聴器の装用が必要と報告のあった高齢者は65名いるが、実際に補聴器を装用した高齢者は7名(10.8%)にとどまった。満足度は7名中7名がほぼ満足と回答しており、補聴器をつければ生活の質が上がるのは確実なのだが、補聴器を購入するまでがかなりハードルが高いと見受けられる。購入価格の問題もあるが、補聴器に対するイメージもあると考える」としています。まずは、直近の2021年の検診結果から、難聴とされた方にどのようなフォローが行われ、補聴器購入などに至った件数、割合はどれだけあったのか、明らかにしてください。

-高柳福祉健康局長

 すこやか検診の結果、難聴と診断された方に対するフォローと、補聴器の購入に至った件数と割合についてです。検診の結果補聴器の装用が必要とされた方に対しましては診断した医師がご本人に対して補聴器の装用を改めて勧めているほか、検診の3カ月後を目途に経過観察を行っております。その結果、補聴器の装用が必要とされた90名のうち、補聴器の装用に至った方は11名で12.2%となっております。

-広田議員

 本市の課題にある通り、補聴器の使用が進まない大きな要因のひとつは、補聴器が高額なことにあります。にも関わらず、日本で補聴器購入の補助が受けられるのは、身体障がい者として認定される、「両耳とも平均70デシベル以上しか聴き取れない」などに限定されています。一方で、ヨーロッパなどでは手厚い公的補助があります。そのため、加齢性難聴者の補聴器使用率はイギリス47.6%、フランス41%などとなっています。

 こうした実態や要望を受けて、自治体独自の公費補助制度が広がっています。今年7月29日現在で105の自治体が実施。多くは良いほうの聴力で40デシベル以上とする割合が多く、65歳以上の対象とする自治体が多いですが、年齢制限がない自治体も17%あります。議会からも、意見書ではあるものの、公的補助制度の創設を求めるものが、昨年9月21日時点で180も採択され、石川県議会でも、そして本市議会でも平成31年の3月議会で全会一致で可決されました。また、本市では2013年に18歳未満について補助制度が創設されました。聴覚に障がいがあっても身体障害者手帳の取得要件に満たない方の補聴器の購入又は修理費の一部を助成するというものです。なぜ、18歳以上の成人や高齢者にはこうした制度がないのでしょうか。成人、高齢者の場合も、生活を守るうえで、そして介護や認知症予防のためにも、助成制度が必要です。本市独自で加齢性難聴に対する補聴器購入の公費補助制度を創設すべきではないでしょうか。市長の奏でるハーモニーを住民のみなさんに届けるためにも必要です。市長のお考えを伺います。

-村山市長

 本市の補聴器購入の支援制度でございますが、幼児期や学齢期に補聴器を装用することで、言語習得や学習への適応促進に一定の効果が期待できる18歳未満の児童・生徒を対象とした制度であり、拡充することは考えてございません。なお現在、高度難聴者を対象としている補装具費の給付について、軽度・中等度の難聴者にも対応するように全国市長会を通じて国に対して要望を行っているところであります。

地域公共交通について

-広田議員

 次の質問は地域公共交通についてです。

 金沢市の地域公共交通をめぐっては、現在、法定協議会において、第3次金沢交通戦略が議論されているところです。その中では、都心軸等への「新しい交通システム」の導入も含まれ、それとの整合性を図ってこれまで進められてきました。その新交通システムについて、先月29日に検討委員会が提言案について議論されたとのことです。「バスの利便性向上なくしてつぎに進めない」といった内容と感じましたが、まずは、議論の内容についてあきらかにしてください。

-村山市長

 先月の新しい交通システム導入検討委員会では、コロナ禍や燃料価格高騰により公共交通が厳しい状況にある中で、公共交通の需要の回復を図ることが急務であり、まずは現状のバスの運行形態を活かし、バスのサービス水準向上に取り組むことが議論されたと承知しております。

-広田議員

 これまで、都心軸にLRTかBRTかという議論を繰り返してきたわけですが、都心軸の交通はむしろ充実しており、バスを利用する市民からは、どこへ行くにも一度、駅やまちなかを経由する必要があり不便だというお声や、観光重視の路線づくりでなく、住民生活を基本にした路線づくりをしてほしいといった声が届いています。厳しい民間の運営状況では困難があるかもしれませんが、もちろん国にも財政措置を求めつつ「バス利便性向上」は市民生活のためのもとして、まちなか中心ではなく、市内全体を網羅した地域交通計画にシフトするべきですが市長、いかがでしょうか。また、金沢市第2次交通戦略の策定時点に比べても、地域社会における高齢化が急速に進行しており、自動車運転免許の返納者・希望者も増大しています。地域における公共交通のあり方の改善、市が運営するかどうかは別にしても、ふらっとバスのようなコミュニティバスの導入促進の必要性について市長はどのようにお考えでしょうか。

-村山市長

 第3次金沢交通戦略につきましては、路線バスのほか、ふらっとバス、公共シェアサイクル、地域運営交通など、様々な移動手段を組み合わせ、過度に自家用車に依存せずに暮らせるまちづくりを進めるという視点で検討を行ってございます。バス事業者におかれましては、高齢者などの市民ニーズに対応するため、すでに病院や公共施設を経由するバス路線を運行しており、また地域運営交通においても同様のルート設定となっております。第3次金沢交通戦略の議論におきましても、特に車を運転できない高齢者等の移動手段を確保する視点を大切にしていきたいと考えております。

-広田議員

 予算の面でみると、LRTの整備にかかる費用は数百億円規模の可能性が指摘されてきましたが、現実路線に切り替えた今、そこまでの投資は要らないふらっとバスのようなコミュニティバスを各地域で運行する検討も行うべきではないでしょうか。

-村山市長

 新しい交通システムにつきましては、いまだ議論の途上であります。中期財政計画においても整備財源の措置を行っておりません。すなわち、ここから財源が生じるということではありません。その財源をどうするかということは考えられないところであります。

-広田議員

 次に第3次金沢交通戦略の骨子案に示された点に沿って伺います。まずは、めざすネットワークとして、まちなか、居住誘導区域、郊外、とゾーンをわけて、主に公共交通重要路線、その他のバス路線、フィーダー交通を描いていますが、ゾーンとの関係があいまいです。具体的な構想をあきらかにしてください。

-新保都市政策局長

 第3次交通戦略における3つのゾーンの考え方についてお尋ねがありました。3つのゾーンの区分でありますが、金沢市中心市街地活性化基本計画で定める区域をまちなか区域、金沢市集約都市形成計画に定める居住誘導区域のうち、今ほどのまちなか区域を除いた区域を居住誘導区域、それ以外を郊外区域として設定することを想定しております。

-広田議員

 わたしが、7月の検討委員会を傍聴して感じたのは、市内中心部、中間部、郊外とそれぞれの交通に関する課題があり、住民の要望があるにも関わらず、中心部や観光についての議論が多く、バスの便が減り切実な地域の実態や、通学や買い物、病院に行けないといった住民生活に即した議論がほとんどされていなかったことです。すでに骨子案の段階ですが、新交通システムの方向性も形になった今、再度、地域や住民、学生の実態にもとづいた議論を行い具体化するべきですがいかがでしょうか。

-村山市長

 第3次金沢交通戦略につきましては、金沢市交通まちづくり協議会における都市交通戦略・地域公共交通計画策定分科会で検討を行っております。分科会には町会連合会やPTA協議会、身体障害者団体連合会、老人連合会、金沢まちづくり学生会議などの市民団体に参加いただいております。今後住民へのアンケート結果やパブリックコメント、住民への説明会などを予定しており、様々な場面において丁寧な議論を行っていきたいと考えております。

-広田議員

 さらに、そのネットワークの中で示されているフィーダーバスは、地域運営交通などを指すとしていますが、他にも種類があるのか、またその設置目標数や計画は、現時点でどのような想定がされているのかあきらかにしてください。

-村山市長

 現在の第2次金沢交通戦略においては、まちなかと郊外をつなぐ公共交通重要路線と、郊外から公共交通重要路線に接続するフィーダー交通を組み合わせながら公共交通ネットワークを構築することとしておりまして、地域運営交通がこのフィーダー交通の役割を担っております。なお地域運営交通は、地域における合意のもと住民が主体となって運行するものでございます。公共交通が不便な地域における導入が進むよう、制度の周知には努めてございますが、現在のところ導入を目指す具体的な地区までは定めてはおりません。

-広田議員

 6月議会でも市長から答弁があったように、金沢市地域運営交通運行費補助金制度の見直しが行われています。改めて、何のために、どのような方向で行われるのかあきらかにしてください。

-村山市長

 近年、コロナ禍によるバス路線の見直しなど、社会情勢が大きく変化している中、地域運営交通につきましては制度の趣旨に鑑み、現状の在り方も含めて、第3次金沢交通戦略の議論の中で整理しているところであります。 

-広田議員

 この地域運営交通運行費補助制度は、地元負担があります。それでも導入しようとするのですから、それだけ強い住民の要望が存在します。にも関わらず、見直しによってあらかじめ制度の適用地域を限定したり、地域によって適用内容に差を設けることは、公共交通利用上の格差を拡大することにつながりませんか。見解を求めます。そして、切実な地域要求があっても、住民のみなさん自身で路線の調整や採算面の検討、地元の理解を得るなど、大変な労力が必要です。市が全面的に関わり、地元の経済的負担をなくす必要がありますが、市長いかがでしょうか。

-村山市長

 地域運営交通は地域における合意のもと住民が主体となって運行するものであります。現状、地元負担をなくすことは考えてはおりません。

本市の各種相談員、支援員、ケースワーカーのあり方について

-広田議員

 最後に、本市の各種相談員・支援員、ケースワーカーのあり方について伺います。

 まず本市は、中核市62市の中で全体的に正規職員が少ない都市です。特に一般行政職は人口当たりワースト1位。今回取り上げる福祉部門は少ない方で上から4番目、職種別では生活保護のケースワーカーは12番目となっています。こうした福祉部門の定数を押し下げる要因のひとつに、市民の困難事例に対応する各種相談員・支援員が、すべて会計年度任用職員で賄われている実態があります。ここでは、女性相談員、近江町消費生活センター相談員、母子・父子自立支援員、子どもソーシャルワーカーについて言及します。前提として、現在の相談員・支援員の資質を問うものではなく、こうした相談支援を担当する職種は、本来は正規職員であって専門職がふさわしいという立場からの問題提起です。まず、会計年度任用職員はあくまでも正規職員の補助的業務とされていることはご存じだと思います。とはいえ、寄せられた市民からの相談を全面的にこの相談員・支援員が引き受け対応しているのが実態です。しかし、非常勤的な立場ゆえ、庁舎内で他部署と対等に連携したり、外部とのやりとりも難しいと聞いています。また、相談者の大変プライベートな部分に触れ、困難解決に向けて業務を行う以上、責任が重い立場であり、業務の補助という立場でそれが任されているというのは適切とは言えません。また、どの方も熱心に相談に当たっていただいてはいますが、やはり給与面や短期の雇用は生活を不安定にさせ、安定した相談支援が難しくなると指摘されています。さらに、即戦力として個人の力量や経験に任されている部分があり、組織内での統一した見解や対応が行われるのか、実践されたケースワークが組織として蓄積され活かされていくのか疑問です。まずは、なぜこうした相談職を非常勤の職として、会計年度任用職員をあてているのかあきらかにしてください。

-松田総務局長

 相談・支援業務に非常勤の職である会計年度任用職員をあてている理由でございますが、本市では個別分野の相談業務や支援業務に、その分野毎に様々な社会経験を積み重ねてきた人材を配置し、こうした経験を活用することが有効と考え、会計年度任用職員を配置しているものでございます。

-広田議員

 過去5年間の状況について調べました。特筆すべきは、すべて女性であるということです。採用時の年齢は、女性相談員は60代がほとんどで、平均58歳。消費生活相談員は50代60代が半数以上で平均54歳です。退職時の勤続年数については、通常5年まで勤務できるところ、女性相談員も、消費生活相談員も平均3年となっています。特例で、女性相談員と消費生活センターの相談員は5年を10年に延長できますが、延長された方は、おひとりのみです。一方、子どもソーシャルワーカーは、各年代にわたり、平均47歳と若い傾向がありますが、退職時の勤続年数は1年8か月と短く、今年度は年度途中の欠員が出ています。母子父子自立支援員は、50代60代がほとんどで平均56歳。退職時の勤続年数は3年7か月ですが、こちらも今年度途中の欠員が出ています。いずれも資格職採用のところは資格職で補っていますが、望ましいとしている職は、そうでない方も雇用されています。以上の状況から言えるのは、本市の相談員・支援員の職は、市・働く側双方にとって、非常勤であり短期雇用であることを前提とした働き方になっているのではないかということです。本市の見解を伺います。また、中には社会福祉士など資格があり働き続けたい意欲があっても、5年で雇用が打ち切られる場合もあります。そして、相談員の中には10年へ延長が可能な職とそうでない職があり、整合性がとれていません。改善する必要があるのではないでしょうか。

-松田総務局長

 すべて女性で年齢が高く短い勤務年数であるという状況についてどう考えているのか、また相談員の中でも任用期間に5年と10年の違いがあり、整合性がはかられていない、改善すべきではないかというお尋ねでございました。募集にあたって、性別や年齢の要件はございません。必要な資格や経験などを明示したうえで公募しておりまして、面接等を経て任用した結果でございます。会計年度任用職員の任期は原則5年でございますが、高い専門性や育成に時間を要するなど人材の確保が難しい、限られた一部の職種に限り、改めて能力の実証を行うことを前提に再度の任用を認めて10年としているものでございます。

 

-広田議員

 一方、公立保育士は会計年度任用職から正規職への道が開かれましたが、相談員・支援員はそうなっていません。本市で積み上げたスキルと経験を今後も活かしていただくためにも、正規への登用が必要ですがいかがでしょうか。そして、対市民へのソーシャルワーク業務が必要とされ、各課で配置が増えている今、会計年度任用職ではなく正規で専門職の採用に切り替えていくべきと考えますがいかがでしょうか。

-松田総務局長

 正規職員の採用にあたっては、地方公務員法上、競争試験によることが原則とされていることをご理解願いたいと思います。相談業務につきましては行政内部の経験だけではなく、民間を含めた様々な経験や人脈を有する人材が適切であり、専門職としての正規化は考えておらず、正規職員との連携や専門性を高める研修等を充実させていきたいと考えております。

-広田議員

 生活支援課のケースワーカーについてです。社会福祉法第16条では、本市のような都市ではケースワーカー1人に対して、生活保護世帯80世帯の受け持ちを標準数として定めています。それでも過剰と感じますが、本市では80世帯をはるかに超えて、現在1人当たり90世帯を受け持ち、そのほかに医療や介護、法外援護などの事務的な対応も行っており、さらにこのコロナ禍では自立支援給付金や住居確保給付金なども併行して行っている状況です。また他の課にはある庶務係がなく、ケースワーカーが服務管理も行っているのが現状です。まず、中期人事計画では、少ない福祉部門の計画的増員を行うとしていますが、今年度は生活支援課の増員はありませんでした。計画がどうなっているのか明らかにしてください。法律に基づく標準数を超えている現状を打開するため、早急にケースワーカーの増員が必要ですがいかがでしょうか。

-村山市長

 福祉部門の増員についてでございます。現在の中期人事計画の期間である令和3年度以降、2年間ではありますが49名の増員を行いました。またケースワーカーにつきましては、これまでも被保護世帯数の状況等に応じて、ここ10年で9名増員するなど、対応してきたところであります。今後とも社会状況等の変化を踏まえ、必要に応じ適切な措置を講じて参りたいと考えております。

-広田議員

 本市は福祉職採用という方法はとっていませんが、先ほどの相談員・支援員も含め、ソーシャルワークを専門に行う専門職を計画的に増やし、行政として人を育て、ノウハウを蓄積していくべきと考えますが、見解を伺います。

-村山市長

 福祉の専門職としては事務職の一部として社会福祉士や児童福祉士を採用しており、こうした専門職だけでなく、様々な行政経験を積み重ねてきた一般の事務職が連携することで組織体制が強化され、質の高い福祉サービスの提供につながっていくものと考えております。これまでも計画的な採用と増員に努めており、職種を問わず全体的として年度毎の状況を踏まえて対応していく予定でございます。

再質問

-広田議員

 相談支援員のことについてですが、今の局長の答弁で10年にできる人もいるという点では、先ほどの整合性がとれない職種のひとつに子どもソーシャルワーカーと母子父子自立支援相談員、こちらはまだ5年までなんですね、10年に延長できない。でもさきほどの局長の考え方からすれば、10年に延長する職種に加えても良いのではないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。

-松田総務局長

 現時点ではそういった、先ほど申し上げましたように高い専門性や育成にかなりの時間を要するなど人材の確保が難しい、限られた一部の職種と考えてはおりませんけれども、今後の状況を見ながらそういったことは考えていきたいと思っています。

-広田議員

 今言った子どもソーシャルワーカーと母子父子自立支援相談員は、とても高い専門性が求められると思います。今、ヤングケアラーの問題であるとか次々にいろんな課題が、国からも含めて押し寄せているわけですから、早急に10年の延長を、そして私はやはり正規専門性の職種として求めていきたいと思いますが、再度市長、お願いします。

 直近の聴力検診ですけれども、90名に補聴器が必要だけれども結局11名しか装用に至っていない、12.2%、たいへん低いですよね。その方々は不自由な生活を強いられている、災害時の逃げ遅れとかも本当に心配です。そして、ランチタイムコンサートを定例化する、文化に力を入れる、そして音楽ですよね、市長。その市長のハーモニーが聞こえない。とても残念ではないでしょうか。全国市長会に要望しているのはわかりましたが、全国では自治体独自でもう補助制度が始まっていますから。ぜひその検討を、市長のハーモニーを聞いてもらうというお気持ちで、ご検討をお願いしたいと思います。

-村山市長

 先ほどの任用期間のことについてまず回答したいと思います。高い専門性を有するというところは様々な判断があるかというように思います。今後どのようにしていくか、これは人材確保の観点も考えながら検討することになると思いますけれども、現状での問題認識としては持っておりません。ただ、今後研究していくべき内容だというように思っております。

 加齢性難聴についての答弁でございますけれども、議員が質問の中でご指摘いただいた通り、本市での検診を行っているということ、これを評価いただいているというように思います。一歩一歩進めなければならない内容だと思いますけれども、生活の質の確保あるいは認知症への影響なども考慮していくと、何とか考えなければならないかなというようにも思っております。様々な方の生活の質を向上していくというのは、ひとつの私の責務だというように思っておりますので、それに向けてどのようなことができるかということは研究していくべき課題だというように思っております。

 議会議案第13号 女性デジタル人材育成を強力に推進するための支援を求める意見書について、日本共産党市議員団を代表して反対の立場から討論いたします。

 岸田政権は、女性の経済的自立をうたい、首相がかかげる新しい資本主義の中核として「女性デジタル人材プラン」の実行を位置づけています。その内容は、コロナ禍で厳しい就業や所得向上に直結するデジタルスキルを身に着けた女性デジタル人材の育成を加速させ、2030年にはIT分野における人手不足は約80万人と言われている慢性的なデジタル人材不足の解消に充てようとしているものです。しかし、その実態は臨時の労働力を確保するものに他ならないのではないでしょうか。

 新自由主義社会がもたらした弊害として、労働者派遣法の改悪など雇用のルールを壊し、非正規雇用が就業者全体の4割を占めるという状況をつくっていることも問題です。なかでも女性の非正規雇用者は54%を上回り、パート勤めの女性を中心に、コロナ禍においては厳しい労働環境に置かれています。こうした労働環境を改善し、正規雇用の割合を増やすような施策を行ったり、最低賃金1000円以上に引き上げたりすることから取り組むべきではないでしょうか。

 もちろん、就業の困難を抱えている女性に雇用の準備や、環境を手助けすることは重要であり、結婚、妊娠、育児、介護などの制約を解決することこそ求められています。

 しかし、この様な問題解決を政府に求めることを抜きにして、「女性の経済的自立」「テレワークの定着・促進に向けての全国的な導入支援制度」を求めることに実効性はありません。よって、「女性デジタル人材育成を強力に推進するための支援を求める」意見書には、賛成できない事を表明して討論といたします。

わたしは、提出会派を代表し、議会議案第11号「原発依存から決別し、省エネルギー政策と再生可能エネルギー拡大の取組を求める意見書」の提案理由を述べます。

 岸田首相は8月24日、エネルギー政策を検討する政府の会議で、次世代型原発の開発・建設を検討する方針を表明しました。政府はこれまで既設原発の再稼働を推進する一方、新増設・建て替えは「想定していない」としてきました。また、昨年決定したエネルギー基本計画では、原発は「ベースロード電源」で「必要な規模を持続的に活用」するとし、2030年度の原発の電源構成比率を20~22%にすると決めました。ただ、世論の批判を意識して、新増設の明記を見送り、「再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を低減する」とも記述しました。今回、この立場を完全に投げ捨てたことは重大です。

 さらに首相は「既設原発の最大限の活用」を図るため、すでに再稼働したことのある10基に加え、2023年夏以降、新たに7基を順次再稼働させることも強調しました。

7基の中には、地元自治体の同意が得られていない東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)や日本原子力発電 東海第2原発(茨城県)も含まれています。

 柏崎刈羽原発は昨年、侵入者を検知する設備の故障などの問題が判明し、規制委員会が事実上の運転禁止命令を出しています。福島第1原発事故への反省もなく、不祥事が後を絶たない東京電力に対して原発に携わる資格そのものを問う声が上がっています。東海第2原発は、30キロ圏内に国内の原発では最多の約94万人が暮らしており、避難計画づくりは困難を極めています。昨年3月、水戸地裁は、実現可能な避難計画が整えられていないとして同原発の運転差し止めを命じる判決を言い渡したところです。

 他の4基についても、周辺住民の反対の声が相次いでいます。民意もリスクも無視して再稼働を推し進めることは、あまりに乱暴です。新方針で最長60年としてきた運転期間の延長を検討するとした、老朽原発の延命策も安全の置き去りです。

 東京地裁は7月、東京電力旧経営陣に13兆円超の賠償を命じた判決で、原発事故が起これば「国土の広範な地域や国民全体にも甚大な被害を及ぼし、地域の社会的・経済的コミュニティーの崩壊や喪失を生じ、ひいてはわが国そのものの崩壊につながりかねない」と指摘しました。

 首相は原発活用の理由として、電力・エネルギーの安定供給、脱炭素を挙げています。

しかし、電力不足などの根本的な背景には、原発と石炭火力を「主力電源」と位置付け、再生可能エネルギーを後回しにしてきた問題があります。

 2020年の日本の総発電量に占める再エネの割合は22%にすぎませんが、ドイツでは48%、イギリスは43%、アメリカのカリフォルニア州は2019年53%にのぼります。さらに、2030年に向けた目標も、日本の36~38%に対し、ドイツは65%、カリフォルニア州は60%で、日本は世界から大きく立ち遅れています。

ところが岸田首相は、「安定して安価なエネルギーを確保しなければいけない」などと述べ原発を主力電源とする姿勢を示しています。

そのため、再エネ発電量が過剰になると、太陽光や風力で発電された電力を送電網への接続から外す出力制御が行われています。2018~21年では九州電力管内だけで250回も実施。今年に入り四国電力、東北電力、中国電力、北海道電力管内でも行われました。

原発頼みの政府の政策が再生可能エネルギーの普及を妨げてきている証です。

 しかも、太陽光と風力発電の導入コストは原発よりも安価となっており、コストを理由にした再エネ軽視の主張は成り立ちません。

 さらに、世界的な資源価格高騰とアベノミクスによる円安で電力価格が上昇するなか、再エネ導入の遅れは家計を圧迫しています。

100%国産の再エネの大規模な普及こそ、エネルギー安定供給の切り札です。

日本も参加する再エネの国際機関「IRENA」(アイリーナ)が3年前に発表した報告「新たな世界」は、「化石燃料輸入国は、石油・ガス輸出国で発生しうる政情不安やテロ攻撃、武力衝突によるエネルギー供給停止や、価格変動といったリスクに対し脆弱だ」と警告していました。

ロシアによるウクライナ侵略は、化石燃料に依存する国の弱点を浮き彫りにしています。

また、国内の電力消費量の約70%を産業部門と業務部門が占めます。一方、家庭部門は約30%(「エネルギー白書2022」)。電力需給の厳しい局面では、節電や電力の大口需要者への需要調整、蓄電システムでの対応とともに、産業部門の大幅な省エネや建物の断熱化、電力利用の効率化が不可欠です。

こうした省エネルギー政策と再生可能エネルギー拡大を真剣に追求してこそ打開の道が開けます。

よって、原発依存から決別し、省エネルギー政策と再生可能エネルギー拡大の取組を求めるこの意見書を国に届けるべく、本市議会のみなさんのご賛同を求めて提案説明を終わります。

日本共産党市議員団を代表し、議会議案第10号「国葬を直ちに中止することを強く求める意見書」の提案理由説明をおこないます。
 岸田首相は、今月9月27日に安倍元首相の「国葬儀」を今月9月27日に行うと共に、その費用の概算は、16億6千万円であるとしました。
 安倍元首相の在任期間が憲政史上最も長かったことなどを理由に挙げると共に、その法的根拠について、内閣府設置法をあげています。この設置法は、平成11年・1999年7月16日交付されたもので、内閣府の設置、その任務などを定めたものです。岸田内閣は、この設置法第4条第3項第33号に「国の儀式並びに内閣の行う儀式及び行事に関する事務に関すること」が明記されことを根拠に、閣議決定をもって国の儀式として安倍元首相の国葬儀を行うとしました
 戦前、国葬令が存在し、国葬が実施されてきましたが、現憲法の下では、廃止され、国葬を規定する法律はありません。従って、内閣府設置法を根拠に国の儀式として国葬儀としたものです。しかし、これとて、国の儀式に、国葬が対象となるか明記されていません。
以下、述べる際に、国葬との表現を使います。
 国葬に対する各種世論調査では、賛成を上回り、反対との表明が50%をこえ、6割、7割近くにまで反対世論が広がっています。
 反対世論として、一人の人間が亡くなったことに対して、それぞれが弔意を示せばよいのであって、国葬という方法で国民に弔意を求めるのはいかがなものかとの意見です。しかも、コロナ禍のもとで、人々は、ごく親しい方と家族だけでお見送りしています。そのことを考えると、安倍元首相に対して、国葬を行い、税金16億6千万円を使うのには納得できないというものです。
 さらに、今問題となっている旧統一協会と安倍元首相の関係が深かった事実が明るみとなってきていることです。これを見過ごすことはできません。解明が求められています。また、森友・加計問題や「桜を見る会」開催をめぐる疑惑などもあり、国葬によって、こうしたことが曖昧にされることへの強い疑念の声が多くあります。
 わが党は、安倍元首相の国葬は、「法の下の平等」を定めた憲法14条。そして、「思想及び良心の自由」を明記した憲法19条に反するとの見解を明らかにしています。
この意見書は、法的根拠のないまま、国会決議もなく、閣議決定によって、多額の税金を投入しての国葬は、直ちに中止することを強く求めるものです。

議員各位の賛同を求め、意見書の提案理由の説明を終わります。

世界平和統一家庭連合(旧統一協会)と本市との関係について

本市の対応と市長の見解

-森尾議員
 私は、日本共産党市議員団の一人として以下、質問します。
 最初の質問は、世界平和統一家庭連合、いわゆる旧統一協会と本市との関係についてです。私ども市議員団は、去る8月31日、市長に対して申し入れを行いました。その内容は、①旧統一協会及び関連団体と本市との関係を明らかにし、その関係を止めること。 ②本市関連の外郭団体においても統一協会及び関連団体との関わりがないか、調べ、明らかにすること。 ③霊感商法など被害に関する相談を行うと共に、本市に対策協議会を設置すること。 この三点について、市長の見解を求めます。

-村山市長
 本市におきましては、雪かきボランティアや公園等里親制度への参加が確認されておりますが、社会的に問題が指摘されている団体との関係については市民の不信感を招くことのないよう対応する必要があると考えています。今後国の動向等も見極め対応してまいりたいと考えています。また外郭団体についても市に準じて適切に対応するよう求めていきたいと思います。なお、本市ではこれまでも消費者トラブルなどに関する相談は近江町消費生活センターで受け付けているところであります。また現在国において、霊感商法等の悪質商法への対策検討会を開催し、議論がなされているところから、対策協議会を本市で設置する考えはありません。

-森尾議員
 具体的な内容は以下伺ってまいりますが、その際、この申し入れを行ったときに市長はわが党市議員団との面会を拒否されました。親和力を掲げる市長が、テーマや団体を区分けして対応をされることは、あってはならないと。ましてや議会を構成する議員団に対しての対応としては問題があると。そしてそれは市長の任務放棄ともいえるものだと考えますが、見解を伺います。

-村山市長
 これまでも各種の要望や面会等の依頼につきましては、これは要件の内容や他の日程等も踏まえて秘書課において応接者を総合的に判断してきております。ただ、案件は数多くあります。極力対応したいとは考えておりますけれども、すべての案件に対応できていないことはご理解いただければと思います。なお、いただいた申し入れの内容につきましては承知してございます。

-森尾議員
 承知するなんてのは当然です。市長と議会は二元代表制だと、あなたもそれは尊重すると表明してきました。市民に選ばれ、活動を行っています。従って市長は、二元代表制を尊重するというならば、議会会派からの要請に応えるのは当然だと。また、お会いする、お話を聞くというのは当然だと考えるものです。面会を拒否するということはあってはなりませんし、二度とないよう求めておきたいというふうに思います。
 具体的な内容について伺います。市長は、この旧統一協会についてどのような認識をお持ちですか。そしてどのような対応が必要だと考えておられますか。この旧統一協会は、信者からの多額の寄付による家庭崩壊や、霊感商法や合同結婚式などによる被害を引き起こし、社会的批判を受けてきた反社会的集団・カルト集団です。従って、この集団と行政や政治家が様々な形で関係をもち、その活動に参加・支援し、容認することは、統一協会が社会的に承認され、問題のない団体であるという「お墨付き」を与え、さらなる被害拡大につながりかねません。こうした認識について、市長はどう考えますか。

-村山市長
 私個人的にということであれば、学生時代には私の部活の先輩がオウム真理教に行って帰ってこなかったという経験もあります。その同時期に統一教会は様々な問題が取り沙汰されていた団体というように把握しております。好ましいかというと、好ましいと思っていないということになりますが、また市としてどのように対応することになるかというと、現在報道等で社会的に問題が指摘されている団体だというように認識しています。ですので、国の動向を踏まえながら対応してまいりたいというように思っております。

-森尾議員
 その国の動向について。岸田首相はこの旧統一協会について、「今後、国民の不信を招くことがないよう社会的に問題が指摘されている団体との関係を持たないことを党の基本方針として徹底していきたい」との見解を表明しています。市長は、社会的に問題が指摘されている団体、こういう認識を持ったと。すなわち旧統一協会との関係を持たないと、明確な態度表明できませんか。

-村山市長
 岸田総裁が自民党として関わりを持たないことを宣言されたということは承知しております。私も個人としては関わりを持たないというように考えております。

-森尾議員
 南野・九州大学教授、憲法学の専門家は、次のように述べています。「旧統一協会は、他の宗教団体とは異なります。宗教であることを隠して近づく手法や、家族や知人との接触を断ち切っての洗脳・教化、霊感商法や法外な金額の献金強要など、多くの違法行為・不法行為が裁判で認定されています。」こう述べ、旧統一協会との問題は、不法行為を繰り返す団体の問題であると理解して対応するべきと、こういう見解を述べています。これを受けて多くの皆さんが、この団体との関係は問題があるという認識に立っていますので、先ほど市長もそういう認識に立っているというのならば、この旧統一教会との関係は絶つべきという認識に立つのではないですか。改めて伺います。

-村山市長
 私もかつて大学の教授を務めていたことがありますけれども、一学識経験者の考えということで、先ほどの憲法学者の方のお話は認識させていただきます。自分がどうしたいかということと、市の行政がどう関わるべきかという問題は全く別だというように考えています。

-森尾議員
 では、市の行政はどうあるべきかについて伺います。私の住む浅野校下・東大通り沿いに旧統一協会の施設がありました。その隣にはオウム真理教の施設が当時あり、撤去を求める取り組みを行い、撤退しました。その後、新たな名称で浅野校下の別の場所で事務所を構えています。一方、旧統一協会は、2015年名称を変更すると共に、施設を浅野校下の別の場所に移動し、現在も活動を行っています。実際、被害を受けたことのある住民がいるだけに、地域からは不安の声が続いています。去る9月3日、元町福祉健康センターで市長との「まちづくりミーティング」が開かれました。この会で意見表明された浅野校下の代表は、市長にこのように述べました。「校下には、旧統一協会があり、オウム真理教もいました。安心安全のまちづくりを進めるには、安全が担保されなければならない。市としても努力してほしい」という発言でありました。市長はどのように受け止め、対応されるのか。見解を伺います。

-村山市長
 このまちづくりミーティングの場で宗教団体について非常に心配をおかけしており、厳しく見ていかなければならないというようなお話をさせていただきました。市民の安心・安全を確保していくためにも、まずそうした声を担当部局でも十分把握したうえで対応・検討することが大切であると考えております。

-森尾議員
 地域からこれだけ不安の声が出され、直接市長もその声を聞いたと。責任ある対応をしなければならないと考えます。地域住民の安心・安全を届けるのが、市長としての責任ではありませんか。ここは明確に述べていただきたいと思います。

-村山市長
 市民の安心・安全を確保していくということは、市長の責務であるというように考えております。

本市公園里親事業において、本市が世界平和統一家庭連合金沢家庭教会と交わした合意書を解除することについて

-森尾議員
 では具体的に伺います。本市公園等里親事業において、本市が世界平和統一家庭連合金沢家庭教会と交わした合意書を解除することについて伺います。令和元年7月、世界平和統一家庭連合金沢家庭教会が、浅野本町第三児童公園を活動区域とする公園ボランティア活動である本市公園等里親事業に申請しました。本市はこれを許可し、合意書を交わしました。活動実態は、市としては把握していないということです。地域では全く知らないことです。去る9月8日、この合意書の解除を求める要請書が、浅野校下住民146名の署名を添えて、市長に提出されました。市長はどのように受け止められたのか。今後の対応と合わせ、伺います。

-村山市長
 公園等里親制度でございますが、身近な公共空間である公園・緑地等の利用および美化を促進し、まちづくりに対する市民の意識の高揚を図ることを目的としておりまして、里親となっている団体の清掃活動のみを支援するものであります。住民の方々からの署名をいただいたということでございますけれども、町会から直接こちらに対して申し入れがあったということではないと承知しております。一方で、社会的な問題が指摘されている当該団体との関係につきましては、市民の不信感を招くことのないよう、対応する必要があると考えております。繰り返しになりますけれども、国や他自治体の動向なども見極めて対応してまいりたいと考えております。

-森尾議員
 市長は、去る8月19日の記者会見において、「地域の人からやめてほしいということがあれば検討する必要がある」と述べたことが報道されました。こうしたことから地域住民は「合意書の解除を求める要請書」を校下住民の署名と共に、市長へ提出したのです。先の市長の見解、そして地域から署名が提出され解除してほしい、この事実の経過はどう市長として判断されるのですか。

-村山市長
 地域の方々の署名をいただいたというのは事実として承っておりますけれども、また町会の方々から直接いただくという形ではないというように思います。地域でどのような判断かということは尊重してまいりたいと考えております。

-森尾議員
 市長自らの発言に責任を持たなければいけないと思うんです。「地域の人からやめてほしいということがあれば、検討する必要がある」と述べたんですよ。これは、自らの発言に責任を持って対応しなければならないんじゃないですか。なお、金沢市公園等里親事業実施要綱では、その第5条に合意の解除というのが明記されています。その2項(4)その他市長が特に必要があると認めるときは解除できる、と書かれています。自らの判断をもって、解除する必要があるんじゃないですか。伺います。

-村山市長
 署名をいただいたということの思いは受け止めました。また今後どう対応していくかということは国の動きも見極めながら対応してまいりたいというように申し上げました。これは検討しているということにも当たると思います。一方で、地域の中には様々な意見があるというようにも思います。署名を書かれた方とそうでない方がいらっしゃると思いますので、地域の方々の総意であるかどうか、またそのあたりも意見を伺いながら対応してまいりたいと考えております。

-森尾議員
 ここは、市長の見解をもって、地域の方々が146名の署名を持って解除を求めたという経過からして、判断をしなければならないというふうに思っているんです。ここは明快に述べなければいけないと思いますよ。自らが「地域の方々がやめてほしいということがあれば検討する必要がある」と述べたじゃないですか。そして、地域の方々が146名の署名を持って解除してほしいと市長宛に要請書が出された。ここはどうですか。再度、私は決断を求めたいというふうに思いますが、明快に述べていただきたいと思います。

-村山市長
 最初から申し上げている通り、私は旧統一教会が好きではありません。これと、146名の方の署名をいただきましたけれども、その方々が住まわれている地域の他の方々がどう思われているかということも、これは考えなければいけない内容だと思います。市の対応としてどうするべきかというところは、その判断基準が必要だというように思っております。ですので、国の動向を見極めながら対応してまいりたいと思っています。

国際勝共連合と本市庁舎内での政党機関紙購読・配布について

-森尾議員
 市長から「好きでない」という発言はびっくりしましたが、旧統一教会が反社会的集団であるという認識のもとに立って、住民の声も聞いて、市長としての判断を行うよう、今回の要請に従って解除を行うよう強く求めておきたいと思います。
 もうひとつ、この旧統一協会のもう一つの顔が国際勝共連合です。旧統一協会の教祖、文鮮明(ムン・ソンミョン)が1968年韓国で創設し、すぐに日本でつくられ、旧統一協会と一体となって活動しています。その関連会社が世界日報社で、発行する新聞が『世界日報』です。この『世界日報』2019年6月16日には、「金沢市庁舎内の政党機関読者が大幅減」と題する記事が掲載されました。記事はつぎのように報じました。「金沢市は今年2月下旬、課長補佐級以上の一般職667人に対して、政党機関紙の購読勧誘に関する無記名調査を行った」と報じ、続いて「調査から3ヶ月がたったが、この問題を平成27年の議会から取り上げてきた坂本泰広市議によれば、坂本氏と市の両方の調査で『パワハラ勧誘』の実態が明らかになったことと、市長の『是正』文書により職員が政党機関紙購読を断る根拠となり、既購読者の解約が進み、購読者数は大きく減った」という記事です。市長は、この報道をご存じですか。

-村山市長
 承知しておりません。

-森尾議員
 お渡ししてありますのでまたご覧になってください。国際勝共連合がその機関紙とも言える世界日報で「金沢市庁舎内の政党機関読者が大幅減」と報じ、その5ヶ月後の11月6日には「世界の交流拠点都市」へ邁進する 石川県金沢市長 山野之義氏 と題するインタビュー記事が掲載されました。山野前市長は、市長室でこの世界日報の記者からインタビューを受けたこと。そして、旧統一協会の関連団体である認識はあったことを認めています。国際勝共連合は、旧統一協会を母体として韓国の文鮮明(ムン・ソンミョン)を教祖とし、KCIAによって組織育成され、反共謀略宣伝や活動を繰り広げてきました。本市において、一部の議員と共に、山野前市長が反共の旗を振りかざし、本市行政を歪めたとすると重大です。市長。この点について、調査する考えはないか見解を伺います。

-村山市長
 私は議員がおっしゃるような問題認識はありませんので、調査をするつもりはありません。

-森尾議員
 政党機関紙に関して、平成27年6月議会、坂本市議は、次のように本会議質問を行いました。また平成30年12月にもこの問題は取り上げられました。「係長以上の職員からランダムに選んだ100名に電話調査を実施。課長以上の職員87%が政党機関誌を購読。一般市民は『なんだ。市役所の幹部は真っ赤っかじゃないか』と思いますよ。」と発言されました。山野前市長は答弁の中で「この資料は重たく受け止めている」そして「市役所庁舎内での政党機関紙の購読斡旋行為が本市庁舎等管理規則の禁止行為である」との見解を表明し、今度は課長級補佐以上の一般職667人を対象に政党機関紙の購読勧誘に関するアンケート調査を実施しました。憲法で保障された思想信条の自由に触れるような電話による調査、アンケート調査が行われ、本市庁舎等管理規則を持ち出し、市役所庁舎内での政党機関紙の購読斡旋行為が禁止行為であるとの見解まで表明しました。明らかに本市行政を歪めたのではありませんか。その構図が今回明らかになった。市長。調査する必要はないですか。

-村山市長
 ただいま議員が質問の中でおっしゃられたように、その新聞報道から5ヶ月経ってのインタビューとのことも関連付けが難しいと思いますし、ここが問題になったという旧統一教会関係誌とのつながりがあるとも関連性が薄いと思っています。ですので、そのような事実という問題認識がまずありません。

本市中央卸売場市場再整備について

-森尾議員
 憲法第99条は、国会議員や公務員に対して憲法を尊重し養護する義務を負う、と明記されています。市長は、憲法を守り、生かしていく立場にあることを改めて申し述べておきたいと思います。
 質問の第二に、本市中央卸売市場再整備について伺います。昨年6月に「再整備基本構想」が策定され、8月にはその策定業務委託が実施されました。ところが、計画策定の履行期間が二度にわたって延長されました。市長は今年3月に選挙によって選出されましたが、この二度にわたる履行期間の延長、これはいつ、どのような説明を受けたか伺います。

-村山市長
 当時、所管の副市長として今年1月の令和3年度補正予算並びに令和4年度当初予算の編成過程で、民間活力の導入に関する聞き取り調査の実施について議論をし、4月上旬には市長として改めて説明を受けております。また7月には市場内の事業者による検討をさらに深めるため、再度延長することが必要だというように説明を受けております。

-森尾議員
 この事業は、新しく市場を現在地に建設するという方針で進められています。100億円かかるのか、150億円かかるのか、こういう事業です。この建設について言わば最後の段階ともいえる基本計画策定が二度にわたって延期されると。一体、どこで、どのような議論がされたのか。市民と議会には報告がありません。説明を求めます。

-山森農林水産局長
 整備内容につきましては、市場内事業者の経営に関わる事項もございまして、議論の内容を広く公開できないことはご理解いただきたいと存じます。先般、一定の方向性が明らかになりましたことから、8月の経済環境常任委員会におきまして再整備基本計画の中間報告をさせていただきました。なお、今年3月の経済環境常任委員会における予算説明におきましても、繰り越しと期間延長についてご報告をさせていただいているところでございます。

-森尾議員
 本市の事業について、議論を報告できない、公開できない。これは、許されません。市長、この事業は、本市の税金をもって行う本市の事業ですよ。その内容を報告できないなんていうのは、どういうことですか?

-村山市長
 事業者の経営内容に関わる部分があります。ですので、そこをつぶさにしてしまうということは、逆にこれは難しいというように思っております。

-森尾議員
 議論の内容や、ここに至った経緯について、市民と議会に明らかにするよう強く求めておきたいと思います。
 ここで、議長の許可をいただきグラフをお示ししたいと思います。

各議員のタブレットからも見ることができます。本市中央卸売市場における水産部の取扱量を年次毎に示したものです。一目瞭然で、減少傾向がずっと続いています。ところが、再整備基本構想における計画量は、現状の125%を想定しています。青果部も同じ傾向です。取扱高の金額を見ると、市場の水産部は1000億円の取扱高が400億円にまで減少し、青果は300億円の取扱高が240億円を下回ってきています。再整備基本計画策定の履行期間が二度にわたって延長されました。こうした市場での取扱量の減少傾向が続いている中で、125%をも想定して市場の建設を進めてきたと。これについてどう説明されるのでしょうか。

-山森農林水産局長
 令和3年度に行っております基本構想で掲げた目標取扱数量は、令和元年度に開催しました再整備の在り方検討会のときに掲げた数字でございます。ご指摘ある通り現状の取扱高と比較して大きな乖離が生じてきておりますことから、現在改めて市場内事業者が主体となって取扱数量の将来予測について精査しているところでございます。

-森尾議員
 花き市場は深刻な課題を抱えたままとなっています。それは、民間と公設市場との統合が進んでこなかったことです。今日の経済状況を大きく反映し、経営自体も大変な事態に直面しています。昨年の決算の中では、この取扱高は民間が55%、公設が45%となっています。コロナ感染の拡大や物価の上昇が進んでいる中、新しく建設される市場に入ることで、民間との競争を考えるとますます花き市場を民間に奪われることが予想されます。奪われるどころか、その前に倒産しちゃうという危機感が大いにあったと思います。民間と公設市場の統合問題、そして花き市場をどうしていくのか、市長から見解を伺いたいと思います。

-村山市長
 花き市場の統合の問題は、公設市場の開設当時からの課題というように認識しております。今後も引き続き本市からの働き掛けも必要であると認識しております。ただし、それぞれの市場内で営業する企業の意思も考慮しながら対応していくこととなりますので、そちらをご理解いただければと思います。

-森尾議員
 市長、今回の問題をいろいろ説明を受けたんですが、結局、多少の手直しで新しい市場建設をすすめてよいのか、ここに私はたどり着きました。改めて、建設計画を一からやり直すことが必要ではありませんか。あれやこれやの手立てでこの計画を進めることはできません。根本的に一から計画を見直し、新しい市場をどうするのか、これは議会とも大いに議論しましょう。どうですか。

-村山市長
 先ほどお示しいただいたグラフは、右肩下がりになってきております。これは令和2年のコロナ禍での外食需要あるいは観光での客の落ち込みなども含めてなってきております。一方で、コロナ後でどのような食の需要になるのかも再検討しなければならない中ではありますけれども、その中で現在の中央卸売市場はかなり老朽化してきているというのも事実です。今回の再整備計画は、市場を取り巻く環境の変化、これはHACCP対応も含めて、柔軟に対応できる施設となるように市場内の事業者と議論をしながら進めてきております。策定中の基本計画については年内を目途に取りまとめていきたいと考えております。

埋蔵文化包蔵地・高尾城跡と国史跡チカモリ遺跡公園において法違反が見つかったことについて

-森尾議員
 最後の質問に移ります。
 埋蔵文化財包蔵地・高尾城跡と国史跡チカモリ遺跡公園において、文化財保護法に違反する事案が見つかったことについてです。なぜこうした事案を起こしてしまったのか、改めて市長に見解を求めたいと思います。

-村山市長
 それぞれの場所におきまして、工事担当課の職員が手続きに関する知識が不足していたこと、また庁内の連絡体制が不十分であったことが原因と考えております。再発防止の徹底を図るため、このことに関する庁内研修会を9月1日に開催しました。直接私からも注意を喚起したところでございます。

-森尾議員
 去る8月30日、本市文化財保護審議会が開かれました。今回の件について、専門家の皆さんからはどのような指摘があったのか伺います。

-東文化スポーツ局長
 文化財保護審議会では、これまでも指摘されている庁内の連絡体制の評価や、文化財に対する意識の醸成などについて委員からご意見をいただきました。真摯に受け止め対応していきたいと思っております。

-森尾議員
 今後の対策についてです。このチカモリ遺跡は、今から35年前の昭和62年に国の指定史跡となりました。縄文時代の後期から晩期の遺跡ということです。3000年から2300年前にあった大集落の遺跡とのことです。大変貴重な遺跡であり、直径80cmに達するような巨大な木柱根(もくちゅうこん)が40本にも及ぶ数が発見されたという点でも、非常に貴重な遺跡です。今後、このチカモリ遺跡公園の保存活用計画を策定し、後世に伝えていく責任があると思いますが、最後に市長から見解を伺いたいと思います。

-村山市長
 文化財毎に定める保存活用計画は、史跡等の指定を受けて、それらを後世に確実に継承するために守るべきルールを定めるもので、チカモリ遺跡公園につきましては現在、保存活用計画は定めておりません。今回の事案を受けて市としてもその必要性を感じているところであり、今後国・県の指導を踏まえたうえで、保存活用計画の策定について検討してまいりたいと考えています。

大桑初枝議員

-大桑議員

 このたび質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として以下数点に渡ってお尋ねいたします。

安倍元首相の「国葬」と本市の対応について

 岸田政権は、安倍晋三元首相の国葬を9月27日に東京・日本武道館で行うことを閣議決定致しました。先日閉会中審査が行われました。この中で岸田首相は、安倍氏の国葬を行う理由について「首相在任期間が史上最長だった」などと繰り返し、国民の疑問や批判に対する説明とは程遠いものでした。安倍元首相の内政・外交については国民の中でもその評価は大きく分かれています。にもかかわらず国葬を行えば、安倍氏の政治的立場や政治姿勢を国家として全面的に公認し、賛美・礼賛することになりかねません。なぜ、安倍氏だけ特別扱いして全額税金で賄う国葬を行うのか。憲法14条が規定する法の下の平等と相容れないのではないでしょうか。また、憲法19条が明記する「思想及び良心の自由」にも反するものとの指摘が相次いでいます。国葬にかかる約16億6000万円の概算費用の根拠も踏み込んだ説明はありません。国民の理解が得られないまま国民の税金を使って国葬を開くべきではありませんが市長の見解をお聞きします。

 国民の国葬反対の世論が高まっています。読売新聞などをはじめ、多くのマスコミの最新の世論調査では、国葬を行うことを「反対」「評価しない」が多数を占めています。また国葬中止を求める署名も40万筆以上集まっているといい、その声は急速に広がり続けています。国葬に国内外から約6000人もの参列者を予定し大々的に国葬を行うこと自体、国民の納得は得られません。9月初めに招待状が送られるとの報道があります。市長に「国葬」参加の招待があった場合でも参加しないことを求めますがいかがでしょうか。

-村山市長

 安倍晋三元首相の国葬と本市の対応についてですが、国葬については国が閣議決定を経て実施されるものと認識しております。石川県市長会の会長として招待状・案内をいただいており、出席する予定でございます。

-大桑議員

 岸田首相が国葬について、「国全体で弔意を表す」としています。国民主権の国では、国全体とは国民も当然含まれるとし、国民全体に弔意を求めることは憲法19条が保証する内心の自由の侵害に当たります。国葬を行うことで、安倍元首相に対する弔意を国民に強制することにつながることが強く懸念されます。審議の中で首相は、国葬の基準を定めた法律がないことを認めました。法的根拠のない国葬を時の政府の判断で強行することはあってはなりません。国民の声を聴くというなら首相は国葬の中止を決断するしかありません。本市においても半旗掲揚などの依頼を出すことはもちろん、職員や市民に弔意を強要することのないよう求めるとともに、国に対して国葬の中止を求めるべきですが、市長のお考えをお聞きします。

-村山市長

 半旗等の対応につきましては、国として協力要請は行わないものの各府省庁で弔旗の掲揚と黙祷を実施すると聞いております。本市においても過去の合同葬と同様に半旗の掲揚と黙祷を行う予定であります。なお、国葬については国が閣議決定を経て実施するものであり、市として反対を表明するつもりはありません。

物価高騰が続く中、市民生活をどう守っていくのか

-大桑議員

 次に、物価高騰が続く中、市民生活をどう守るのかについてお伺いいたします。今年に入ってから物価高騰が急速に進み、市民生活は深刻な打撃を受けています。円安や原油価格の上昇に伴う輸送費の高騰のあおりを受けて、生活必需品の値上げが加速しています。帝国データバンクによると、食品の値上げは8月に2431品目に上り、9月以降の値上げ予定は8043品目に達します。この異常な物価の高騰は市民生活を直撃しているにもかかわらず、国民年金は4月から支給額が0.4%削減されました。年金の支給額は2年連続で引下げです。さらに10月から一定以上の収入がある75歳以上の高齢者の医療費が1割から2割に引き上げられます。この物価高騰の影響をもっとも大きく受けるのが低所得世帯です。総務省の「家計調査」をもとに推計すると、年収200万円以下の層では物価上昇による家計の負担が年収比で4.3%増加し、消費税が5%増税されたことと同等の負担増となっています。「何もかも値上げでやっていけない、」「やり繰りも限界だ」と生活に困窮される一方で、猛暑にもかかわらず、電気代を浮かすため「光熱費が心配だからエアコンを利用しない」と言われる高齢者の方がいらっしゃいます。家計のやりくりだけではどうにもならない極めて深刻な状況だと言わざるを得ません。また、困窮する子育て世帯にとっては、この夏休みは三重苦だったとする新聞記事がありました。「例年、給食がなくなる夏休みは困窮する世帯にとって生活が苦しくなる時期。今年はそこにコロナ第7波と物価高が重なり、三重苦となった」といいます。9月補正予算には、物価高高騰対策として電気、ガス料金の高騰により福祉施設等への光熱費の一部を助成する支援が盛り込まれましたが、低所得者やひとり親世帯等、助けを必要としている市民に対しての支援がありません。支援を必要としている市民に、直接支援が届くような手立てを検討すべきと考えますが、見解をうかがいます。

-村山市長

 物価高騰に対しましては、これまで国の制度である住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金や、住居確保給付金等の支給を行うとともに、本市独自に低所得世帯やひとり親世帯等に対して福祉暖房費助成金や福祉光熱費助成金を支給してきたところでございます。現在国では、新たな物価高騰対策として、住民税非課税世帯に対する一世帯当たり5万円の給付を予定しており、詳細が決定次第速やかに対応してまいりたいと考えております。

コロナ陽性者、濃厚接触者に対するフォローアップについて

-大桑議員

 コロナ感染症対策についてお伺いいたします。コロナに罹患された市民の方から、このような声を伺いました。80代の、肝臓に持病を抱える夫を自宅で介護している方からです。「私が感染し、翌日には夫が感染した。38℃台の熱が続き、関節痛や倦怠感から夫の介護をする余力はなかった。幸い、同居している子ども夫婦が介護してくれたが、結果的に全員が感染した。かかりつけ医が保健所に掛け合ってくれて、なんとか総合病院に入院することとなったものの、病床が空くまで待ってほしいと言われ、その間、重症化しないか、食事やおむつの交換はどうしようか、という不安で眠れなかった」とのことです。また1歳のお子さんがいる親御さんからは「家族全員が感染した。夜になると子どもがぐずり、1時間泣き続けた。何を訴えているのかわからず、病院に行こうにもコロナ感染者は受診を控えてほしいと言われた。保健所からは感染3日目に健康状態を確認する電話が1本かかってきただけで、メールは送られてこず、ハーシスへの入力もできなかった」とのことです。また、ほかにも食糧支援が届かないという話もあり、幼児を抱えた方は買い物にも行けず、おむつがなくなりほんとうに困ったともお聞きしました。陽性者はもちろん、疑いのある方も含め、安心して検査や医療を受けられるよう、体制を強化してほしいと思いますがいかがでしょうか。あわせて、自宅で療養していても食糧や物資などの支援が確実に届くよう体制の構築が必要ではないでしょうか。

-村山市長

 今年度より、陽性者の同居家族で濃厚接触者となっている方に対しましては、申請により抗原検査キットを送付しているほか、7月末からは医師会の協力のもと日曜・祝日において通常の当番医に加え発熱外来を開設し、検査や診療の体制を強化しているところでございます。また、単身者または同居者の全員が陽性の方で食料調達が困難な自宅療養者への食事等の支援サービスについて、こちらは県で実施しております。保健所では申請受付業務を担っております。今般の感染拡大に伴う申請数の増加により、一時的に配送が遅れることがございましたが、現在は通常通り配送されており、今後とも県と連携しながら必要な支援を行っていきたいと考えております。

-大桑議員

 支援体制の構築のためには、保健所の体制強化こそ必要です。人的にも財政的にも保健所をバックアップしていくことが必要ではないでしょうか。お伺いいたします。

-村山市長

 保健所の体制強化につきましては、今議会において疫学調査等にかかる人材派遣職員の確保や、濃厚接触者からの相談などを受け付けるコールセンターの継続等に必要な補正予算をお諮りしているところでございます。また庁内から保健所への応援職員派遣も継続するとともに、電子申請システムの活用など効率化を進めており、今後も必要に応じた体制強化策を講じていきたいと考えております。

 

-大桑議員

 同時に、市民に対して適切な情報発信と注意喚起を行ってほしいとも思います。行動制限がないというのは感染対策不要ではないという明確な情報発信を行うよう求めますがいかがでしょうか、お伺いいたします。また、医療機関等の負担を減らす対策も必要です。今回県が、無症状で重症化リスクの低い方に特化したフォローアップセンターを設置しましたが、市民に対しての周知をしていただくよう求めます。

-村山市長

 情報発信につきましては、本市ではこれまでも新聞広報やホームページのほか、LINEなどのソーシャルメディアを活用して必要な情報発信を行っております。私自身も記者会見の場で市民の皆様に感染予防を呼び掛けてきたところでございます。今後とも市民の方々にわかりやすい情報発信に努めていきたいと考えております。

医療・介護現場における、現状把握と支援策について

-大桑議員

 医療機関や高齢者施設等では深刻な事態となっています。高齢者施設にお話を伺ったところ、急激に感染が広がりクラスターが発生したと言います。入居者の命、そして働く職員の命を守るため、一部の事業などを停止して全力を尽くしているとのことでした。職員の中でも、コロナ陽性になったり、小さい子どもさんがいる職員や、持病のある職員がいたりするため、限られた人しか対応できない状態だったと言います。高齢者施設で感染者が発生した場合、基本的には施設で留め置きし対応します。その施設では、陽性になった入居者にワンフロアを用意し、他の入居者たちは他のフロアに移し対応したと言います。そうした苦労をして何とか運営してきたものの、施設は一部の事業を停止したことで、大きな減収となっています。また、訪問介護や通所介護などを行う小規模な事業所などは、コロナ禍前の水準に利用者が戻らず苦しい経営が続いています。コロナ支援策が徐々に縮小し、円安の影響で食材や衛生用品などの値上げにも繋がっています。コロナ対応終了後に経営破綻を迎えることがないように、減収補填を県や国に求め、本市としても独自支援策を構築してほしいと思いますがいかがでしょうか。必死で介護している献身的努力に応えるうえでも、そして、今後の介護基盤を守るうえでも財政的支援が必要です。

-村山市長

 感染症にかかる財政支援についてでございます。国に対しては全国市長会から介護事業所が安定した事業運営を継続できるよう、新型コロナ対策に要する費用や必要な物資の供給等について、財政措置を含めた適切な支援措置を講じるよう要望しているところでございます。本市においても新型コロナの影響が長期化する中、電気・ガス料金等の高騰に対応するため、介護事業所等を対象に光熱費の一部を市独自に助成する予算案をお諮りしており、今後とも各事業所が適切にサービスを提供できるよう支援してまいりたいと考えております。

-大桑議員

 さらに、逼迫している介護福祉の現場の状況を把握してほしいと思います。施設内療養者数に加え、介護施設で陽性もしくは濃厚接触者として就業できない職員数も把握するよう求めますがいかがでしょうか。この調査で逼迫時の現場の実態を具体的に把握し、改善の方向を探ってほしいと思います。また、定期的なPCR検査を行っているところですが、事業所での自主的検査の費用補助など行ってほしいとの要望がありますが、いかがでしょうか。重ねてお伺いいたします。 

-村山市長

 介護現場の現状についてでございます。介護現場で従事されている方々におかれては、入浴の補助などの感染のリスクが高い、そういった現場で活動しておられるということも承知しております。あらためて感謝を申し上げたいというように思っています。介護事業所において感染者が発生した場合は、市ではその都度各事業所から報告を受けることとなっております。施設内の感染状況や職員の就業状況などを把握しております。報告を受けた事業所に対しては、必要に応じ施設内のゾーニング等の感染対策や人員配置等に関する指導・助言を行い、介護サービスが継続できるよう支援しているところでございます。また、感染が疑われる入所者や職員がいち早く検査ができるよう、定期的なPCR検査に加えて、県と市が連携し今月上旬、高齢者入所施設等に対して抗原検査キットを配布したところでございます。これを有効活用していただきたいと思っております。

大雨災害に対する今後の対策について

-大桑議員

 つぎに、豪雨災害対策についてお尋ねいたします。近年、全国的に集中豪雨がおこり深刻な災害に発展しています。本市においても、8月の豪雨では各地に被害が発生しました。被災された方々にお見舞い申し上げると共に、1日も早い復旧と生活再建に向けて取り組まれるよう本市に求めます。今回浸水被害に遭われた間明町の床上浸水、床下浸水ですが、この地域は以前にも大雨で用水の水があふれ被害にあった事があると言います。被災された住民の方は「大雨での浸水被害の経験は今でも心に残っている。だから、ちょっと雨が降っただけでも心配になる」と言っておられます。「用水の掃除はもちろんのことだが、用水に堤防を作ってもう水がつかないようにしてほしい」などとまで、真剣に要望していました。住民の要望に応え用水の管理が必要だと思いますが、今後どのような対策をとっていくのかお伺いいたします。

-村山市長 

 間明町2丁目地内の浸水被害につきましては、伏見川が一時氾濫危険水位に達し、当該地域における強い降雨の時間と重なり、内水側の排水が流れにくくなったことが主な原因と考えております。他方、浸水被害を未然に防止するためには、堆積土砂の浚渫やごみなどの除去によって排水能力を高めることが効果的であります。地域の皆様に少しでも安心していただけるよう、先般、排水路の緊急浚渫工事を実施したところでございます。今後とも、河川パトロールの評価に加え、地域の皆様のご協力も仰ぎながら、用排水路の適切な維持管理に努めてまいりたいと考えています。

-大桑議員

 内水管理体制の強化として600万円が今回9月補正予算に計上されていますが、どのような目的と内容なのか市長にお聞きします。

-村山市長

 今回お諮りしている内水管理強化対策検討費につきましては、先般の浸水被害の状況を踏まえ、伏見川沿いの地域を対象に内水管理の強化策を検討するものであります。具体的には雨水ポンプ場などのこれまで行ってきた対策や、当日の水位、降雨の状況を整理したうえで、浸水要因の分析や日常管理を含む課題の抽出を行い、排水機能や水防体制の強化など検討していきたいと考えております。

大雨災害に対する生活再建支援について

-大桑議員

 被災された方は「床下を乾かすための扇風機の音で眠れない夜が続いた」「また浸水被害に合って同じ苦労をしたくないから、部屋の畳敷きからフローリングにした。その工事で蓄えがなくなり、これからの生活が不安だ」と訴えておられました。被災された方の被災者生活再建支援金や、市民税・社会保険料などの負担軽減などが9月補正で予算化されていますが、これについて内容等を含め周知をしっかりとっていただき、手続きなどは簡素化を求めますがいかがでしょうか。

-松田総務局長

 被災された方が市税や社会保険料の減免を等しく受けられるよう、今回補正予算でお諮りしております生活再建支援金も含めまして、被災状況に基づき対象となる方に直接連絡をし、必要な手続きを案内することをしておりますほか、提出書類につきましても簡素化を図ったところでございます。なお被災された方々にもれなく制度が活用されるよう、周知にも努めていきたいと思っております。

学校給食無償化について

-大桑議員

 質問の最後に、学校給食の無償化についてお伺いいたします。

 給食費を無償にしてほしいという保護者の願いを6月議会でも取り上げてまいりました。市長は、就学援助制度の活用や、経済的に苦しい方は申し出ていただくということでの答弁でした。しかし憲法26条では「義務教育を無償とする」と定めています。また、学校給食法は「学校給食とその完全無償化の実施」を各国に促したユネスコの勧告を受けて制定されています。いま、全国的にも小中学校の給食費無償化を実施する自治体が増えています。県内でも小松市や輪島市で一部無償化を実施、さらに穴水町、加賀市では全小中学校を対象に9月から給食費の無償化を実施します。本市でも実施するお考えはないのかまずお伺いいたします。 

 新型コロナウイルス感染症の影響が長期にわたり、生活困窮に陥るお子さんのいる世帯も少なくありません。こうした中、子育て世帯への経済的支援策の一つで、緊急の物価高騰対策として国の地方再生臨時交付金を活用し、期間限定などで学校給食費の無償化に踏み出した自治体が現れています。文部科学省は急激な物価高騰を受け、全自治体に学校給食の保護者軽減に取り組んでいるかどうかの調査を行いました。7月29日を基準に1793自治体から回答を得、保護者負担軽減を実施または予定している自治体は1491自治体で、83.2%に達しています。そのうち、地方創生臨時交付金を活用する自治体は77.3%にあたる1153自治体でした。長岡文科相は「自治体に対して物価高騰を踏まえ、引き続き臨時交付金を活用した学校給食費保護者負担の軽減を進めるように促したい」としています。学校給食の全面無償化は、就学援助制度による対応とは異なり、学校給食費の徴収・管理業務自体が不要となるため、教育行政の費用負担軽減にも資することになります。

 学校給食費の無償化は、教育費の負担軽減と同時に、子育て世帯の支援や少子化対策など、多様な課題に位置付けられることから、ぜひ実施すべきと考えますがいかがでしょうか。

-野口教育長

 学校給食費の無償化は、教育費の負担軽減とともに子育て支援策に位置づけられることから実施すべきと考えるがいかがかとのご質問にお答えをいたします。学校給食法では給食の実施に必要な経費のうち、保護者は人件費や施設整備費以外の経費を負担することになっておりますけれども、本市におきましてはこのうち光熱費についても負担をしておりまして、保護者のご負担は食材費のみとなっております。本市では教育費の負担軽減や子育て支援の観点からも、経済的な理由で就学が困難な場合は就学援助制度によりまして、現在、児童・生徒合わせて約5000人の給食費、2億3千200万円余を全額支給しておりますことからも、現時点で給食費の無償化については考えておりません。

-大桑議員

 保護者の物価高騰にあっての負担を軽減し、子育てを応援するということは本市の未来にとって最も重要な施策だと考えますが、いかかでしょうか。

-野口教育長

 昨今の物価高騰の中で、給食費の無償化は保護者の経済的負担軽減のために必要だと思うがいかがかというご質問がありました。全国的な物価高騰の中で、学校給食費における保護者の経済的負担の軽減を図るために、本市におきましては国の地方創生臨時交付金を活用し、食材費の不足分を全額市で補填する補正予算を6月定例月議会でお認めいただいたところであり、繰り返しになりますけれども現時点で学校給食費の無償化は考えてはおりません。なお、地方創生臨時交付金は、先に触れましたように保護者の経済的負担の軽減を図るためにも必要であると考えまして、先般、国に対しまして中核市教育長会の会長として、国の方に交付金の増額と次年度以降の継続について要望を行ってまいりました。対応いただきました方からは「前向きにしっかりと検討していきたい」そのようなご回答をいただいております。

*追加質疑*

-大桑議員

 ただ今、給食費の無償化について答弁いただきました。もう一度お伺いいたします。学校給食費は1日250円、保護者が負担するのは1ヵ月20日計算で約5000円。2人お子さんがいる場合は10000円となって、本当に子育て世帯には多大な出費になっています。そして今後も物価高騰は収まる兆しがありません。県内でも給食費を無償化すると、先ほど私が述べましたけれども、そういう自治体が増えています。その取り組みを参考にしながら、本市においても学校給食無償化というのを前向きに考えてほしいと思いますが、市長に答弁をお願いします。

-村山市長

 先ほど教育長からお答えを申し上げましたが、経済的な理由で就学が困難な方に対して就学援助制度によっての支援もしております。また物価高騰ということでは、すべての就学される児童に対しての制度でありますので、経済的に困難な方に対しても、また今般物価高騰によってそれに影響を受ける方々に対して、これはすべての方になりますけれども、対策を講じているところでございます。

-森尾議員

 国葬に関して、市長は反対をしないと、案内を受けたので出席すると答弁されました。多くの市民はこれに対して、疑問や反対の声も出されており、市長としてはこの見解について市民にどのような説明を行うのでしょうか、改めて伺います。というのは、市民の側から見れば多くの皆さんが国会の決議もないまま、法的な根拠のない国葬をやっていいのかという疑問がひとつあります。ふたつ目、コロナのもとで、家族葬を含め、人々の死を悼み、心して送っている中で、なぜ一人の人間が16億6千万円まで投じて国葬をしなければならないのか。ここに市民の声が出されていると考えます。なお、わが党としては、平等を定めた憲法14条に違反し、思想信条を定めた憲法19条に違反した声だと、反対を表明しています。そのことも付け加えて述べておきたいと思います。どのように市民に説明責任を果たされるのでしょうか。

-村山市長

 先ほど答弁した通り、閣議決定を経てこの国葬が行われるというものでございます。また、この参列の依頼につきましては、石川県市長会から会長である金沢市長にということでご推薦もいただいているところであります。またさきほど質問の中でお触れでありましたけれども、岸田総理からの説明の中で在任期間史上最長ということであります。また日米関係の強化、あるいは東日本大震災からの復興、また経済を含めた復興などもあり、非常に功績が大きいというように個人的には思っております。様々なご意見があることは承知しておりますけれども、そういった経緯から国葬の方に出席したいと考えております。

(クリックするとPDFが表示されます。)

2022年9月2日


自由民主党金沢市議員会会長 横越 徹 様

日本共産党金沢市議員団
森尾 嘉昭
広田 美代
大桑 初枝

 岸田首相(自民党総裁)は、去る8月31日「党(自民党)と世界平和統一家庭連合(旧統一協会)との関係を断つ」と記者会見で明らかにしました。さらに、所属国会議員に、過去を真摯に反省し、『しがらみを捨てる』ことを指示したとのことです。
世界平和統一家庭連合(旧統一協会)は、世界基督教統一神霊協会との名称でしたが、2015年8月に名称変更を行いました。本市には、浅野校下・京町に施設がありましたが、現在は、昌永町に移転しています。
 この旧統一協会は、信者からの多額の寄付による家庭崩壊、霊感商法や合同結婚式などによる被害を引き起こし、社会的批判を受けてきた反社会的集団・カルト集団です。
霊感商法被害救済担当弁護士連絡会によるとこの統一協会による被害は、1987年から2021年までに、3万4537件、被害総額約1237億円にのぼり、現在も続いているとのことです。
私どもは、市長に対して、旧統一協会と本市の関係を調査・公開し、関係を断つよう申し入れを旧統一協会や関連団体との関係について自ら調査し、その内容を市民に公表するよう呼びかけていただくよう要請いたしました。議長は、「時期尚早」との見解を示し、坂本副議長は、関係団体が行った「ピースロードin石川」に参加したことを表明。その後、報道関係者に2019年の市議選では無償ボランティアに信者が約10人いたことを明らかにした報道が行われました。
 現時点で私どもは、貴会派の高市議と野本市議が旧統一協会の関係団体と関係があったとの情報を得ています。
本市議会基本条例は、議会と議員の役割を述べ、議員の活動について、「市民全体の奉仕者として福祉の向上を目指して活動し、自らの議会活動について市民に対する説明責任を果たすものとする」(本市議会基本条例第7条第2項)と明記しています。
 よって、貴会派におかれては、各議員が旧統一協会や関連団体との関係について自ら調査し、その内容を市民に公表し、関係を断つよう貴会派として責任ある対応を要請いたします。

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