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※一括質問形式で質疑しましたが、答弁をわかりやすくするために、一問一答形式に直して表記しています。
―山下
発言の機会を得ましたので、日本共産党市議団の一員として、議案第115号、令和5年度一般会計補正予算第7号について質疑いたします。
質疑に先立ち、能登半島地震により被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
能登半島地震、発災から2カ月が経過しました。この間、各地でお話しを聞く中で明らかになったのは、被災地と被災者の現状は、まだ復興の見通しが立たず、 被災された方々の困難や悩み、不安が幾重にも重なっている実態があるということです。本市としても、活用できる制度は対象者に漏れることなく周知し、実情に即した柔軟な制度の構築が不可欠と考えます。そこで、以下、数点にわたりお尋ねします。
まず初めに、 被災宿泊施設改修支援事業費補助についてお尋ねします。
能登半島地震で被災された事業者への支援として、国は、なりわい再建支援補助金制度の活用で、業種を問わず修繕等に対する支援を進めています。今回の被災宿泊施設改修支援事業費補助は金沢市独自の事業ですが、支援する業種を宿泊施設に限定した理由をお聞かせください。
―鳥倉経済局長
2次避難者や被災地応援者の受け入れと今後の観光客の受け入れによる観光振興のためにも、地震により被害を受けた宿泊施設の速やかな復旧が必要であることから、支援制度を創設いたしました。
―山下
本事業となりわい再支援補助金制度は、どちらも被災の程度が問われないため、事業を再建する事業者にとっては広く活用できる制度となっていますが、制度の併用は可能かどうか、お聞かせください。また、併用ができない場合、どちらの制度を活用したら良いか、事業者が選択に迷うことも考えられます。本市としてはどのような活用が適切と考えるか、お伺いします。
―鳥倉経済局長
なりわい再建支援補助金制度との併用はできないこととしておりまして、いずれの制度を利用するかにつきましては、 事業者の方にとってより利用しやすい制度を選択していただきたいと考えております。
―山下
現在市内の宿泊施設は、 2次避難所として、また能登の復旧を担う支援者の宿泊としても重要な役割を果たしています。補助事業を活用し、改修を済ませ、1日も早く事業を再建させることが事業者の願いだと思います。そこで、補助申請の受け付け期間はいつからいつまでになるのか、また、被災後、自力で修繕が終わっている宿泊施設についても補助対象となるのか、明らかにしてください。
―鳥倉経済局長
申請のスケジュールにつきましては、受付は4月30日まで行う予定としております。
能登半島地震による災害発生以降で交付決定前に行われた改修に要する経費につきましても、適正と認められる場合には遡及適用し、補助対象といたします。
―山下
次に、被災家屋公費解体事業費についてお尋ねします。
市内で半壊以上の被災家屋等の解体・撤去を希望があれば公費で実施するというものですが、 対象となりうる半壊以上の家屋等は市内に何件あるのか、明らかにしてください。
また、家屋以外で公費解体・撤去の対象となる建物等もあればお聞かせください。
―村山市長
被災家屋公費解体事業費についてでありますが、 2月末現在、国の基準に基づき公費解体の対象となる半壊以上の家屋等は334件でありますが、この中には、家屋以外のもの、半壊以上の倉庫、物置、納屋、事務所等の建物も含まれております。
―山下
家屋の被害は半壊に満たなかったものの、築50年以上経った家を修繕、耐震工事するには年齢的にも資力的にもどうしたらいいか という方もいらっしゃいます。被害が半壊以下の家屋等への対象拡大は検討してきたのか、お聞かせください。
―村山市長
公費解体は国の基準に基づく制度であるため、対象を拡大することは考えておりません。
―山下
被災した家屋に半壊判定が出た場合でも、今後家屋をどうすべきか判断に悩んでる方もいらっしゃいます。十分に検討、判断する時間や相談窓口も必要です。対象となる方が意思表示できるまで申請期間の余裕が必要だと考えますが、解体撤去はいつまで申請が可能か、お聞かせください。
―村山市長
申請については年末を目処に終えたいと考えています。
―山下
先日、珠洲では緊急の公費解体が開始されました。これから能登地域を中心に公費解体が進んでいく中で、市内において解体撤去を担う事業者をどのように確保していかれるのか、お伺いします。
―村山市長
解体業者の確保についても県に協力要請しているところであり、円滑な事業実施が図られるよう、引き続き解体業者の確保に努めてまいります。
―山下
解体撤去を実施することで発生する災害廃棄物の発生量の推計や処理計画はどうなっているか、お聞かせください。
―村山市長
国の指針による廃棄物発生量と本市の予定解体件数から、 災害廃棄物は約1万トン発生すると見込んでおりますが、本市が有するごみ処理施設での適正処理が可能であります。資源化処理を含め、民間の処理業者等の協力も得ながら、市民の日常生活に支障が出ないよう処理してまいりたいと考えています。
―山下
次に、被災者生活家電購入助成費についてお尋ねします。
2月に入り、災害救助法の対象にならない生活家電購入費用の助成が県から打ち出されました。みなし仮設住宅に入居された方から、居住の被災状況を問わないこともあり、本当に助かると声を聞いています。ただ、この間、幾つも制度が案内される中で、対象者への周知が不十分な現状があります。テレビのテロップで流れている、ホームページを見てください、LINE登録してください、では対象者全てに届きません。この助成制度の活用は、生活を再建するための大きな一歩となります。対象者へ案内が確実に届くよう、どのように周知徹底されるのか、お聞かせください。
―村山市長
被災者生活家電購入助成費の制度の周知につきましては、本市の被災者生活支援総合窓口に相談に訪れる方に対し本助成制度を案内するほか、ホームページやSNSなども活用してまいります。また、すでに生活家電を購入された方も助成対象としておりまして、市営住宅に入居された方に対しては個別に連絡をしてまいりますほか、県営住宅や賃貸型応急住宅等に入居された方の情報を共有し、県との連携を図って制度の周知を図ってまいります。
―山下
災害救助法に基づく衣類や寝具、台所用品等の生活必需品の給与については現物給付となっており、手持ち現金がなくても配布されます。生活家電購入助成については、現物給付ではなく、いったん自分で対象となる家電を購入した後、市へ申請をすれば償還払いされるというものです。家電を購入できるだけの現金がない方は、例えば家具什器制度のように見積もりを取ってもらい現金を給付するなど、現金がなくても生活家電を揃えられる検討がされたのか、お伺いします。
―村山市長
本事業は、現物での支給ではなく、応急仮設住宅入居者への災害救助法の対象とならない生活家電の購入費用を助成する制度としております。購入費用がないというご相談に対しましては、市社会福祉協議会の緊急小口資金の特例貸付制度を紹介しております。
―山下
購入助成費は、冷蔵庫、テレビ、洗濯機の3つが購入の対象ですが、1つの家電の購入費は6万円を上限とし、3つで上限13万円までとなっています。家族の人数が多ければ、 冷蔵庫や洗濯機は大きなものを選択せざるを得ません。そうすると、価格を13万円以内で抑えることは難しくなります。購入限度額13万円を超える購入費になった場合、市独自の支援はあるのか、お聞かせください。
―村山市長
限度額につきましては、石川県全体で同様としております。ご指摘の超過分については、本市独自の支援は考えておりません。

―山下
次に、能登被災者食事支援費についてお尋ねします。
災害救助法に基づく食事提供は、国や県が責任を持ち実施しなければなりません。発生から2カ月過ぎた今も、食事提供がなく2次避難をしている方がいる現状です。今現在、 市内の2次避難所と避難者の数、そのうち食事提供がない2次避難所と避難者の数を明らかにしてください。
―鳥倉経済局長
避難者を受け入れる宿泊施設等についてのお尋ねでございました。昨日の時点で県から提供されました避難者リストによりますと、 避難者を受け入れております宿泊施設は126施設で、避難者は約2000人でございます。このうち、食事の提供のない宿泊施設は40施設で、人数は約350人となっております。
―山下
今回の被災者への支援の中で、本市が独自の食事支援を打ち出したわけですが、炊き出しや食品、弁当などの提供ではなく、プリペイドカードや食事券を提供する食事支援とした理由をお聞かせください。
―村山市長
被災宿泊施設等に2次避難されている方については、石川県が把握する名簿を日々変動しているほか、施設の数も多く、個別に食事を配布することが難しいといった事情に加えまして、不自由な避難生活の中で、可能な方であればご自身で栄養バランスの取れた食事を選ぶことができるように、現物給付ではないプリペイドカードの配布による支援といたしました。
―山下
プリペイドカードと食事券の提供は対象者へ事前に引き換え券をお渡しするとお聞きしていますが、市内で家族や親戚、知人宅に避難している方々へはどのように周知し、提供されるのか、お聞かせください。また、市内のみなし仮設住宅に入居されている方々は対象になるか、なるのかもお伺いします。
―村山市長
周知については、SNSやホームページを活用しているほか、県から提供を受けている名簿に記載されていない方や親戚宅に避難している方に対しては、配布会場において申請を受け付け、交付するなど、柔軟に対応してまいります。なお、今回の支援は宿泊施設などに2次避難している方々へのものでありまして、公営住宅や賃貸型応急住宅などに入居している方は対象としておりません。
―山下
食事券は市観光協会が発行するものですが、使用できる店舗が限られています。店舗を限定せず、どの飲食店でも使用できる方法は検討されなかったのかをお聞かせください。
―村山市長
新たな食事券提供制度を構築されるためには一定の時間と経費を必要とすることから、できる限り早期に支援を行うために、既存の食事券である金沢美味チケットを有効に活用することといたしました。
―山下
現在、ライフラインの復旧や能登地域での応急仮設住宅の建設が進んでいるものの、いつ能登へ戻れるのか見通しの立たない現状もあります。3月を過ぎても2次避難所で過ごすということも考えられますが、プリペイドカード、食事券の提供はいつまで継続されるのか、お聞かせください。
―村山市長
プリペイドカード等の配布については、現時点では提供期間を今月末までを1つのめどとしておりますが、今後、避難者の仮設住宅等への入居状況等を見極めながら 柔軟に対応することも必要と考えております。石川県とよく協議をしてまいりたいと思います。
―山下
この事業は2月26日からすでに開始をされています。補正予算の議決を待たずに執行されました。被災された方々への支援は1日も早く届くようにという共通の思いはありますが、予算については議会の議決を経て執行することを議会制民主主義において守らなければなりません。市長、今回の対応は適切なのか、お聞かせください。
―川端総務局長
能登避難所の食事支援費に関しまして、2月26日から配布していることに関してのお尋ねございました。地方自治法の規定では、予算の執行上必要がある場合に限りこれを猶予することができるとされており、今回は、2次避難所で食事提供のない被災者に対する経済的な負担を考慮し、緊急的、臨時的な措置として、被災者支援を目的とした同じ費目である災害救助費の帰結予算を流用して執行するものであり、法の規定に基づくものと考えております。
―山下
次に、金沢の買い物応援商品券事業費についてお尋ねします。
商店街が発行する商品券事業は、コロナ禍での経済対策、そして物価高騰対策でも行われてきました。これまでの商品券事業においては、プレミアム率は20%もしくは30%でありました。今回初めて40%というプレミアム率となっていますが、ここまで大幅な利率となった理由をお聞かせください。
―村山市長
金沢の買い物応援商品券事業費であります。地震による影響を強く受ける飲食店等への支援として、即効性の高い消費喚起策を速やかに実行する必要があると考え、これまでの運営ノウハウと実績がある商店街が発行するプレミアム商品券に対して、震災復興拡充分としてプレミアム率20%を上乗せすることといたしました。
―山下
地震の影響で、特に1月は様々な行事が中止となり、市内の飲食店の方からは週末でも全くお客さんがいないという声を聞きました。今回の商品券事業は、そうした地震の影響を強く受ける飲食店等での消費を喚起するためということですが、 まず、商店街に加盟していない店舗は対象になりません。そして、プレミアム率が高いので、高額な買い物に使用したいという声もある中、市内の飲食店等での消費を確実に呼び込むという事業の目的にしっかりつながるのか、見解を伺います。
―村山市長
今回の震災復興拡充分については、消費の低迷により影響を強く受けている飲食店等での利用について各商店街に呼び掛けていくとともに、 市民はもとより、観光客や被災地応援者などへの消費喚起効果も幅広く波及させていきたいと考えております。
―山下
最後に、能登応援震災復興キャンペーン事業費についてお尋ねをします。
発生から2カ月が経過し、命と健康を守る段階から、生活やなりわいを守る段階へと少しずつ移行している中、能登の産業、生産者への支援はこれからも求められています。
この事業は、北陸新幹線の金沢敦賀間の開業を契機として、能登物産展を金沢駅で開催するものですが、能登地域のどのような産業と、またどのような皆さんと提携して行われるのか、お聞かせください。
―鳥倉経済局長
この事業でございますが、能登の魅力発信のために行うものでございまして、 現在、連携先について、能登ゆかりの団体等を通じて準備を行っているところでございます。
―山下
今回の事業が能登の地場産業を支援するものになることを期待しておりますが、物産展の収益等は能登の産業の支援にすべて活用されるのかお伺いをして、私の質疑を終わります。
―鳥倉経済局長
物産店での売り上げにつきましては、全て能登の事業者の販売収入となることを想定いたしておりまして、 同時に、物産展会場におきまして義援金の呼び掛けも行う予定といたしております。
2024年1月16日
金沢市長 村山卓 様
2024年能登半島地震対策についての要望(第1次)
日本共産党金沢市議員団
森尾嘉昭
広田美代
山下明希
元日に発生した能登半島地震は県民、市民に甚大な被害をもたらした。市内では未だ避難されている方もおり対策が急がれる。さらに、能登方面からの避難者受け入れが行政、個人レベルでも行われており、本市としても県と連携して取り組みを進めることが不可欠である。そのための具体的な要望項目を以下に記す。
記
避難者
・田上新町と山の上町の一部、堀切町に避難指示が出され、住民が避難されている。早期の復旧と避難解除
に努めるとともに、避難生活上の要望解決に取り組むこと。
・被災者用市営住宅に早急に浴室設備と給湯器を設置すること。
・宿泊施設への避難者に対し、駐車料金や食事代など自己負担が生じないよう取り組むこと。
・市内にご家族・ご親戚を頼って避難されている方々の状況を把握し、生活や今後についての相談窓口を設けること。また、住居費や物資面などの支援が受けにくいため、個別に支援を行うこと。
医療、介護
・被災者を受け入れた事業所に対して、人的・財政的支援を行うこと。
・能登からの高齢者・要介護者の被災者について、介護施設受け入れの調整担当窓口を設置すること。
・県や市が管轄しない、単独避難した高齢者や要介護者に対しても、きめ細やかな対応がなされるよう、地域包括や事業所ケアマネのマンパワー等の支援を行うこと。
・被災した要介護者を受け入れるために臨時ベッドを要望する施設には、公的に増設すること。
上下水道
・粟崎地区では約200世帯で断水が発生し、解消までに10日間程度を要した。上下水道施設の復旧に努め
るとともに、上下水道料金の減免を行うこと。
住宅
・本市内で被害が多くみられる、がけ地やブロック塀に関する補助制度や住宅周りの支援を拡充すること。
・災害救助法に基づく被災住宅の応急修理について、対象範囲を広げ、資力の制限をなくし、上限額の上乗せも行うこと。
・本市等が行う住宅の安全調査について、対象を広げ、個別にも応じるなど、取り組みを拡充すること。
広報
・金沢市民の被災された方を対象にした広報はもちろんだが、金沢に避難された方また避難しようとされて
いる方、ご家族等にもわかりやすい広報を強化すること。
以上


私は、認定第1号令和4年度金沢市歳入歳出決算認定および、認定第2号令和4年度金沢市公営企業特別会計決算認定について、認定できないことを表明し、主な理由を述べます。
新型コロナウイルス感染症は、令和2年1月に日本ではじめて感染が確認され、猛威を振るい続け、令和4年度の第7波は一日あたりの感染者数が過去最多となりました。また、物価高騰もあり、市民のくらしは苦しさを増しました。
一方で、市民税が令和3年度から4年度にくらべ、納税義務者数、納税額とも増えていますが、日本ではこの30年間実質賃金が減り続け、さらにこの物価高騰で追い打ちをかけており、実態としては、多くの市民にくらしのゆとりはありません。
その対応として、金沢市は地方創生臨時交付金を活用した支援事業も行いましたが、片方でくらし大変な市民のためとは言えない、不要不急の大型開発である、市民サッカー場の新築移転整備における実施設計や歌劇座の建て替え検討、金沢港の開発事業などが進められました。市民サッカー場建設は、令和4年度は工事期間であり、資材高騰の増額もあって本体と周辺工事あわせ31億9190万円の決算額で、46億3662万円の繰越となりました。全体工事費およそ120億が見込まれています。金沢港の令和4年度の開発工事も国県市をあわせ総額47億4626万円のところ金沢市は8億7852万円の負担です。この開発は平成17年から大手企業コマツの進出のためにはじまり、18年にわたって多額の事業費で続けられてきた事業です。こうした不要不急の開発は、市民のくらしの困難に応えたものとは言えません。
さらに、市民のくらしを守る金沢市の職員数(正規現員数)については他自治体にくらべ少なく、コロナ禍でその影響が浮き彫りになりました。中でも、保健師が中核市で人口あたり最も少なく7名という配置が浮き彫りになり、かねてから私たちも要望していた通り、令和4年度は保健師等が19名まで増員され、そのことは評価しています。
また、非正規率については正規職員が少なく、非正規率が伸び続け、令和4年度4月で1,507名、およそ32.1%をしめています。正規職員の補助業務と言いながら、窓口対応や女性、子育て、消費者、などの相談業務にも当たっています。しかも、女性が多く1,173名と77.8%に及んでおり、官製ワーキングプアを生み出しています。
専門職をはじめとして正規化を求めますし、給与や任用期間の延長など処遇の改善を求めます。
また、技能労務者について金沢市は、退職者不補充という方針があり、校務士の配置を減らし委託化を進め問題となっています。そして、令和4年度は市立保育園5園で自園調理をやめ、外部調理委託化がはじまりました。土木、企業局、ごみ収集の分野でも大幅に機能労務者を退職者不補充にて減らし委託化を進めています。ごみ収集では、現在7割が民間委託となっています。
技能労務職不補充の方針は撤回し、本市職員が直接従事し、市民サービスを充実させるべきです。
そして、これらのことは、監査委員の意見書に示された経常収支比率の内訳にあらわれています。人件費では、中核市平均が23.5%であるのに対し、金沢市は18.9%と大変低く、局長のご答弁でも平成17年からの行革で250人削減をしてきたことを認めています。また、委託費などを多く含む物件費については、16.9%であり、中核市平均の14.4%より高くなっており、前で述べた状況を表しています。
次に、コロナ禍にあって、商店街の施策がどうだったかという点です。
かねてからその有効性を指摘してきました、中心市街地のフォローアップ事業について令和3年度、4年度で新規出店が50件あったところ、7件が約束の2年を待たずに撤退しています。コロナ禍の厳しい状況は理解しますが、それ以前から営業自体の確認不足や報告書の提出もないなど問題点がありましたので、効果的な商店の継続支援を求めてきました。
さらに、県内をみわたすと、外回りに環状線道路をつくり、郊外型大型店舗を進出させている状況の中で、県との連携も必要です。
次に、玉川図書館、子ども図書館の駐車場有料化についてです。
令和4年度4月に玉川子ども図書館の改築オープンを迎えると同時に、駐車場が有料化となりました。歳入で、当初3030万円の駐車場料金収入を見込んでいましたが、決算では226万3,800円と大きく落ち込みました。教育委員会のご答弁では、コロナ感染症や県立図書館の影響をあげますが、それだけでは説明がつきません。なぜなら、ほかの市立図書館は令和3年度と令和4年度の入館者数を比較しても横ばいか増えている状況ですが、玉川図書館だけは85%に減りました。玉川子ども図書館は建替えていたのでコロナ禍前の平成30年度と比較してですが、改築オープンであるにも関わらず47%の減少です。それに伴い駐車場の利用は、新しい地下駐車場だと73台の用意があって、一日63台の利用です。駐車場有料化の影響は明白です。図書館無料の原則に従い、誰もが図書館を利用できるよう、駐車場の有料化見直しが必要です。
学校給食については、共同調理場化が進められてきました。令和4年度は、泉本町でこれまでで最大規模の8000食の共同調理場を建設すべく約4533万円の実施設計などと用地取得の交渉が行われました。この調理場の完成によって現在残っている4校の自校式調理場が廃止されます。安全安心、顔の見える食育、地産地消をかなえる自校式への転換を求めます。
次に、検診についてです。聴力検診について、以前から受診率が低いことを指摘してきましたが、令和4年度も2.7%にとどまっています。当局はコロナ感染症の影響を言いますが、それ以前も3%台と低めです。「耳鼻咽喉科の専門医と金沢市とで受診率向上について毎年意見交換をしており、今後さらに取り組んでいきたい」というご答弁もありましたので、取り組みを進めるよう求めます。
ふるさと納税についてです。ふるさと納税は2008年から始まり、2016年には企業版にも拡大しました。昨年度、全国の状況では個人の分では、開始時の100倍となる8300億円寄付。今年度は1兆円を超えるとされいます。しかし、その中身は、自治体間の“返礼品競争”が過熱化せざるを得ない状況に陥っています。そして、本来住民税などの地方税は、自治体の行政サービスの費用を住民や企業が負担し合う仕組みであるべきなのにそのシステムが崩れています。
金沢市では、個人と企業版どちらも寄付を得る一方で、他都市への寄付による控除ほうが上回っています。
国は、国庫補助負担金の削減や地方交付税、税源移譲を含む国と地方の税源配分を見直し、地方財源を削ってきており、こうした中で、ふるさと納税によって自治体に競争をあおり、自分で稼げと言わんばかり。このような制度は見直しを求め、国がどの自治体にも責任をもつ財政措置こそ求めるべきです。
次に、特別会計についてです。
国民健康保険については、被保険者数の減少で医療費総額は減っていますがひとり当たりの医療費は若干増えている状況です。そして基金については、当初5億5000万円の取り崩しを予定していましたが、減額して使わずに、4,900万円を積み増すこともできました。
国民健康保険は、公的な医療保険であり、市民の命と健康を支える最後の砦です。しかしながら、高齢者が多いため医療費も多くかかるだけでなく、被保険者も高齢者や自営業者、非正規雇用の方々でなりたっており、とても脆弱であるにもかかわらず、国からの負担金が減らされ、ほかの医療保険とくらべ2倍近くの保険料水準となっています。
よって、高くて払うことができず、金沢市では被保険者の15.2%が滞納を余儀なくされています。そして、高齢化などにより今後も保険料の引き上げが危惧されていますが、金沢市の基金は、令和4年度では31億6790万円積みあがっており、保険料の引き下げに使うよう求めるとともに、すでに求めているとのことですが、国へ国庫負担の割合の引き上げをさらに求めることが必要です。
介護保険についてです。当初予算で基金を3億3千万円取り崩す予定でしたが、7100万円に圧縮されました。介護保険制度は、公的負担と保険料負担の割合が決められており、高齢者の増加で介護の利用が増えると、保険料が増える仕組みになっています。2000年度の制度発足時から基準月額はおよそ2倍以上へと跳ね上がり、高齢者からは、年金が減る中引き下げを求める声があがっています。国へ負担割合を増やすよう引き続き求める必要がありますが、同時に本市としては、基金が令和4年度末は28億4618万円積みあがっており、次期計画の保険料の引き下げに使うよう求めます。
市街地再開発事業については、令和4年度はライブ1で15区画の保有に対し、11区画が入居し、リファーレについては4区画保有のうち、全て入居している状況です。
しかしながら、40年前からはじまった事業故、両建物とも一定の年数が経ち、修繕負担金などの施設管理費が増えており、2800万円もの一般会計を繰り入れています。
そして、仮に保有区画を全部貸し出すことができたとしても、およそ800万円の一般会計繰り入れが必要だということもあきらかになりました。再開発事業の破綻であり、一刻もはやく市民の負担が減るよう求めておきます。
ふたつの決算会計についてです。
金沢市ガス事業・発電事業が令和4年4月1日をもって、金沢エナジー(株)へ売却され、それに伴いこの二つの会計を清算する決算会計が設けられました。
コロナ感染拡大と生活の変化、気候温暖化とエネルギー危機など大きな変化の中、エネルギー事業の役割とその価値が増大しており、金沢市ガス事業、発電事業を民間に300億円で売却したことが問われてきました。
当時のコンサルによる調査報告書では、発電事業について、事業評価は、472億円から1098億円というものでした。水力発電によるクリーンな電力の評価は高く年間の利益は15億円に上るとされました。仮に、1000億円さらに、それ以上の事業評価があるもの300億円で売却すると含む利益として700億円に上る利益を民間企業にもたらすしたことになります。100年余にわたって公営事業として運営されてきた金沢市ガス事業・発電事業を引き続き、公営事業として運営することの大切さが改めて浮き彫りとなりました。
また、金沢市企業局は、金沢市発電事業を売却伴い、北陸電力へ電力を売却していた契約を残り4年間前倒し契約解除するとしました。そのために、北陸電力へ電力受給契約解除に伴う解約補償金として12億3720万円を支払いました。
ところが、金沢市企業局は、北陸電力との話し合いの記録も報告書もないとしてきました。さらに、この決算委員会でメールや電磁機器によるデーターなどの関係書類の提出を求めたところ一切ありませんと回答しました。この支払の正当性がないことを告白するもので、金沢市企業局としての説明責任を放棄するものです。厳しく指摘しておきます。
次に認定第2号令和4年度金沢市公営企業特別会計決算認定についてです。
水道事業は、令和4年度決算で、6億6,078万円余の黒字となりました。県水の契約水量や責任水量制が引き下げられたことによるもので、水道料金の引き下げを実施し、市民に還元すべきです。
本市水道事業は、自己水に比べ4倍も高い県水を契約水量の6割を受け入れる責任水量制によって受け入れる一方、安くておいしい自己水を配水能力の3割しか使っていません。膨大な県水を受け入れる現状を改め、安くておいしい自己水を基本とする水道行政に切り替えれば大幅に水道料金を引き下げることは可能です。
工業用水道事業についてです。
市内森本地区に先端産業を立地するとして造成された工業用地・金沢テクノパークは約30年が経過していますが、15区画の分譲の内いまだ1区画約2万7千㎡が残っています。金沢市営陸上競技場に匹敵する面積が残っていたままです。
このテクノパークの工業水道は、供給開始から26年が経過していますが、開設以来45円/㎥の料金はかわらず、収支の赤字を一般会計から補填し続け、令和4年度決算では、2,506万円に上ります。この工業水道の利用実態は1社です。多額の税金を1社のために補填し続けていることになります。市政の失敗ともいうべき事業に対して、市民の税金をもって補填し続けることは許されることではありません。
以上で、討論を終わります。
わたしは、日本共産党市議員団を代表し議会議案第22号「大阪・関西万博の開催意義の理解促進につなげる取り組みを求める意見書」について、反対であることを表明し討論を行います。
大阪の維新 府・市政が推進し、自公政権が後押しして「夢洲(ゆめしま)」で開催しようとしている2025年大阪・関西万博は、どこからみても中止しかありません。
まず、万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」としながら「いのち」を軽んじています。
海外パビリオンの建設が遅れており、日本建設業連合会の宮本会長は11月27日の記者会見で「もうデッドラインは過ぎていると思ってもいい」と強い危機感を示しました。
海外パビリオンをめぐっては、資材や人件費の高騰、人手不足で、各国と建設業者との契約が進まない状況にあるほか、24年4月からは時間外労働規制が建設業にも適用されます。
そこで博覧会協会は政府に万博建設には適用除外とするよう要請したと報じられました。
新国立競技場の建設工事において、下請け会社の新人社員が自死したのは月約190時間の残業が原因だとし労災認定されました。いのちを軽んじ法律を破らないとできない万博はやめるべきです。
つぎに、国民が物価高騰で苦しんでいる時に、会場建設費だけでも当初の1250億円から2350億円、1.9倍となり、11月の世論調査でも「万博開催不要」がおよそ7割に上っています。
中でも目玉の会場を囲む木造リング「大屋根」は344億円。5mで1億円にもなります。
会場建設費は国、大阪府・市、経済界が3分の1ずつ負担するため、府民でも国民でもある大阪市民は最も負担をすることになります。大阪市議会での説明は一人当たり1万9千円の負担とされましたが、報道機関が同じ計算方法で計算し直すと、10万7千円に上ったとのことです。
負担はこれだけではありません。当初809億円とされていた運営費が1160億円に増額となる方針も示されました。そのことから、万博関連事業費は少なくとも8900億円を上回ることになります。
さらに、会場の「夢洲」は、建設残土や廃棄物の処分場として整備されてきた埋立地であり、軟弱地盤です。アクセスルートは橋と地下トンネルの2つだけで、上下水道や電気も整備されていません。
インフラ整備にいくらかかるか、政府と府・市もあきらかにしていませんが、例えば淀川左岸線の2期整備は万博会場までのシャトルバスルートとされていました。しかし、土壌汚染や軟弱地盤対策が必要となり、事業費は当初想定の2.5倍、2957億円に膨れ上がりました。しかも完成は32年度に先送りされ、万博期間中は約50億円かけてシャトルバス専用の仮設道路を整備する計画です。
インフラ整備計画の総事業費は89あり、この調子では予算がどれだけ増えるかわかりません。
そもそも、なぜ万博会場を「夢洲」にする必要があったのでしょうか。それは「夢洲」がカジノリゾートを中心とする統合型リゾート(IR)の予定地だったからです。当初、候補地にも名前があがっていなかった「夢洲」を提案したのは当時の松井一郎知事であり、大阪府・市はIRの先行開業をもくろみ「IRと万博の相乗効果」を政府に売り込みました。結局、IRは万博後の2030年秋ごろの開業をめざすことになりましたが、万博・カジノ・夢洲開発事業をあわせると判明分だけで1.2兆円を超えるとされますが、万博が終わればパビリオンも大屋根もすべて撤去され、カジノだけが未来永劫営業を続けることになります。大阪・完成万博のレガシーは「カジノ」ということになり、そのために1.2兆円を超える税金が使われることを国民が納得するはずはありません。
傷は浅いうちにやめたほうがよいと考えます。
日本政府が中止を決断すれば、博覧会国際事務局総会の3分の2以上の賛成で中止が決定されます。
開催予定日から1年前の来年4月12日までに中止を決定すれば、日本政府が支払う補償金は350億円であり、大屋根とほぼ同額です。
4月13日以降に決断すると830億円です。決断がはやいほうが国民の負担は少なく済みます。国民の生活が大変なとき、万博の理解促進ではなく適切な決断こそ求めるものであり、わが党はこの意見書に反対です。
私は、日本共産党市議員団を代表して、今議会に提出された諸議案の内、反対の議案及び提出された陳情について態度の表明を行います。
わが党は、上程された議案20件のうち、議案第43号、議案第50号、議案第57号の3件について、反対であります。
その主な理由について述べます。
日本銀行が今年10月「生活意識に関するアンケート調査」の結果を発表しました。今年8月に全国の20歳以上4千人を対象に行い、2016人から回答を得たものです。
その中で、現在の物価に対する実感として1年前に比べ「上がった」と答えた人の割合は、9割に達しています。現在の暮らし向きについて、1年前に比べ「ゆとりがなくなってきた」との回答は6割近くとなっています。
暮らし向きの悪化が急速に進んでいることがこの調査からも明らかです。賃金の引き上げ実施、消費税減税実施、中小企業への抜本的な支援策など経済対策が求められています。
こうした中、公務員に対する給与など引き上げることを求めた人事院勧告が行われました。これを受けて、本市職員と会計年度任用職員の給与・報酬の引き上げと会計年度任用職員の勤勉手当の規定が追加されることとなりました。
こうした対応には賛成ですが、特別職に関しては市民の理解と合意は得られないもので、議案第43号に反対であります。
議案第50号 金沢市都市像の策定について反対です。
「未来を拓く共創文化都市 金沢」と題し、今後10年間の金沢市の方向を盛り込んだものです。
市長が都市像と共に、真っ先に打ち出したのが、金沢の都心軸エリアを集中して行う大型開発事業計画です。
市長は、今月中に都市再生特別措置法に基づく都市再生緊急整備地域の候補地とするよう国の内閣府に申請すると表明しています。その候補区域は金沢駅、武蔵、香林坊、片町としています。
この方針は、金沢駅前の旧都ホテル跡地での開発、武蔵ヶ辻での再開発、そして、旧日銀跡地での開発、片町での再開発、この4つの区域での開発事業を進めるというものです。金沢市が進めた都心軸中心の大型再開事業には、2500億円にも及ぶ財政投資で進められました。したがって、これから進めようとする開発事業には、数千億円ともいえる事業費の投入が予想される大型開発事業計画です。
この間の経緯の中で、旧都ホテル跡地をめぐる開発問題を入口に、特措法の適用を掲げて、都心軸エリアでの開発事業にまで拡大したことが明らかとなりました。
その手法が問題です。市民参加と合意づくりがありません。
候補地域に指定されると国、県、経済界で構成される準備協議会が設置され、ここで、開発事業内容が検討され、素案を経て国が都市再生緊急整備地域に指定することになります。まさに、国と県、経済界が主導で開発事業が進められていくこととなります。また、特措法の適用によって、高さ制限など規制緩和を可能とするもので、これまで金沢市が市民と共につくり上げてきたまちづくりを根底から覆しかねないものです。
さらに、提案された都市像には、大切な課題が盛り込まれていません。
一つは、平和の課題です。
金沢市平和都市宣言は、世界の恒久平和と核兵器の全面禁止・廃絶の実現への決意を述べ、金沢市が永遠の平和都市となることを宣言しています。
二つに、ジェンダー平等です。
人類がこの地球で暮らし続けていくために、2030年までに達成すべき目標・SDGs目標の5つ目が、ジェンダー平等を実現しよう。です。セクハラ、パワハラをなくし、誰もが尊重され、自由に生きていくことの大切さ。男女の格差をなくし、誰もが尊重される社会の実現に向け取り組んでいくことが求められます。
三つに、気候変動への取り組みです。
現状では、パリ協定で掲げられた「今世紀の気温上昇を1.5度抑える」目標の達成が難しく、今世紀の気温は、2.1度~2.8度上昇が予想される事態を迎えています。したがって、CO₂排出の削減と実行が求められるとして、国連気候変動枠組み条約第28回締結国会議・COP28が世界に発信しました。金沢市としてのCO₂排出の削減の取り組みについて、新たな都市像の中で明記することが求められます。
なお、本会議での質問で明らかにしましたが、市民が主人公の立場から、くらしと営業、地域経済を守り、発展させていくことを柱とすること。
もう一つは、100年にわたる百姓が持ちる国づくりから500年にわたって培かわれてきた金沢市の文化と伝統を継承し、次の世代に引きつくことが求められていることを指摘しておきたいと思います。
議案第57号金沢市手数料条例の一部改正について反対です。
戸籍法の一部改正により、来年3月より本籍地以外の市区町村に於いて戸籍証明書の交付が可能となるなど複数の交付手続きが追加されることとなり、その手数料に関する条例改正です。
令和元年5月に戸籍法の一部改正が行われ、来年3月より、施行が行われます。その内容は、(1)行政手続きにおける戸籍証明書の添付省略(2)戸籍届における戸籍証明書の添付省略(3)本籍地以外での戸籍証明書、電子証明書提供用識別符号の発行等(4)戸籍記載事項にふり仮名を追加
というものです。
戸籍は究極の個人情報です。
東日本大震災での被災を契機に法務省に戸籍副本データー管理システムが導入され、この間、国民のあらゆる戸籍情報が国の法務省にデーター管理・運用が行われてきました。マイナンバー制度のためにつくられた情報提供ネットワークシステムを通じて戸籍関係情報を確認することが可能となったものです。したがって、全国、すべての戸籍情報が管理・蓄積され、国民が知らないうちに検索され、処理されることとなりました。
国民一人一人の個人情報が保護され、人権尊重がされるのか重大な問題を含んでいます。さらに、マイナンバーカードとひも付きされると情報漏洩、流出等のリスクは高まります。こうした点から反対です。
次に、陳情について態度表明を行います。
陳情第5号は、「政務活動費条例の改正についての陳情」です。
これは、市民オンブズマン石川の代表幹事から提出されおり、政務活動費をめぐって、透明化をすすめ、市民の理解を進めていく上で求められる対応だと考え、この陳情に賛成です。
陳情第6号は、「金沢市におけるコミュニティーバスの導入促進に関する陳情」で金沢市にコミュニティーバスを走らせる会の代表から提出されました。
市民から市内中心部の4つのルートで走る「ふらっとバス」を拡充してほしい。市の郊外地域で、コミュニティーバスを走らせてほしいとの要望が高まっています。この陳情は、こうした市民の声にこたえたもので、賛成です。よって、付託された委員会での否決に対し、反対を表明いたします。
以上をもって、討論を終わります。
昨年11月のしんぶん赤旗のスクープが契機となり、自民党の主要5派閥の政治資金パーティー券・裏金問題が政界を揺るがす、大問題に発展しています。
今回の問題は、政治家の政治資金収支報告書と、政治団体の政治資金収支報告書を照らし合わせた結果、発覚したものです。
2018年から2021年までの政治資金パーティーにおける収入合計 5千万円を、政治資金収支報告書に記載していなかった疑惑について、東京地検特捜部が捜査をしていることが明らかになりました。この問題をめぐり、パーティー券収入によるキックバック、巨額の裏金づくりが組織的に行われていたことも明らかとなり、安倍派の閣僚も含め15人が更迭、辞職との報道もあったところです。国民には負担を押しつける一方で、こうした私欲の政治腐敗に、国民の怒りが広がっています。
政治資金規正法は、1回につき20万円超のパーティー券購入者の名前と金額を、政治資金収支報告書に記載することを義務付けています。ところが、自民党の主要5派閥は大口購入者の名前を記載していませんでした。
企業・団体献金は、政治家個人に対するものだけは禁止になりましたが、「2つの大きな抜け穴」が残されました。ひとつは、政党や政党支部への企業・団体献金は容認されました。ふたつは、企業・団体によるパーティー券購入という事実上の企業・団体献金の大穴が残されました。この大穴によって底知れない腐敗の構造がつくりだされています。こうした抜け道をなくすことが不可欠です。
世論調査では、81%の方が「政治資金のルールを厳しくすべき」だと答えています。そして、収支報告書への不記載には重い刑罰があり、「事務的なミス」と訂正して済む話ではありません。
国民一人ひとりが、自ら支持する政党に寄附することは、主権者として政治に参加する「国民固有の権利」です。選挙権を持たない企業が献金することは国民主権と相いれず、国民の参政権を侵害するものです。営利を目的とする企業が、個人をはるかに超える強大な財力、カネの力で政治に影響をあたえ自己の利益をはかれば、政治は大企業、財界に向けたものになってしまうことは明らかです。政党は本来、国民の中で活動し、国民の支持を得て活動資金をつくるのが基本です。
この意見書は、国に対して、「カネの力」で政治の腐敗を許さず、国民の政治不信を回復し、国民主権を貫くためにも、政治資金パーティー、企業・団体献金の禁止を強く要望するものです。議員各位のご賛同をお願いしまして、提案理由説明といたします。
-広田議員
質問の機会を得ましたので、共産党市議員団の一員として以下質問いたします。

目次
-広田議員
まずは、会計年度任用職員の処遇についてです。会計年度任用職員制度は、非正規職員の法的地位を明確にし、処遇を「改善」するという趣旨で2020年に創設されましたが、その趣旨が生かされているでしょうか。そもそも新自由主義台頭のもとで公共の役割と責任が縮小され、業務の民間委託と公務員の大幅削減がすすめられてきました。しかし行政への住民ニーズが減少したわけではなく、正規公務員削減の代わりに非正規公務員の増員が行われてきました。その結果、現在、公務員全体の約3割が非正規であり、多くの方が年収200万円未満の「官製ワーキングプア」と言われる低賃金で働いています。金沢市は、就職が厳しかった2005年からの集中改革プランで正規職員を250人余り削減し、全国比でも正規職員は少ない状況です。そして会計年度任用職員の比率は年々増加し、今年度は1,542名、32.4%となっており、なくてはならない存在です。特に女性が78%を占めており、正規との賃金格差だけではなく、男女の賃金格差をも生んでいます。このことを深く反省し、金沢市が率先して非正規雇用の待遇改善をすすめるべきです。

そこで伺います。今議会で、人事院勧告の見直しにより金沢市の職員についても給与の改定案が出されました。具体的には、給料月額、期末手当、勤勉手当が増額となります。さらに4月まで遡って増額分が支給されるとのことです。一方、会計年度任用職員についても、給料月額、期末手当が増額となると聞いていますが、4月までの遡及についても正規職員と同様に行われるのかあきらかにしてください。
-川畑総務局長
今回の条例改正によりまして、正規職員に準じて現在期末手当を支給しております任期が6ヵ月以上で週29時間以上勤務する会計年度任用職員を対象に、本年4月まで遡及し報酬額を改定することを予定しております。
-広田議員
29時間以上の職員を対象にということですけれども、市長、国の取り扱いでは、相当短い勤務時間の職員のみを除いて支給するとしています。金沢市も幅広く遡及するべきではないですか。
-川畑総務局長
令和2年3月までは非常勤職員として任用していた時期でした。そのときまでは、改定があった場合、翌年度実施としておりましたが、令和2年4月の会計年度任用職員制度の導入以後、最初の改定があった令和2年度に当年度の12月から実施することといたしまして、以後一昨年・昨年と、減額・増額に関わらず12月実施としてきました。今年度に入りまして、国からの通知において、正規職員に準じた取り扱いを基本とすることがより明確化されたことから、正規職員と同様に今回から4月遡及を予定しておりますが、その通知におきましては具体的な取り扱いについては各地方公共団体の実情を踏まえ適切に設定することとしており、本市においては正規と同様に期末手当を支給している週29時間以上の職員を対象とする予定でおります。
-広田議員
つぎに、今回、会計年度任用職員について勤勉手当を支給する条例改正案が出されました。大変歓迎すべきことですが、課題がありますので伺います。
まず、総務省のマニュアルでは、期末手当や勤勉手当は、連続して6カ月以上、週15.5時間以上勤務の方を対象とするよう求めています。しかし現在、金沢市では期末手当は週29時間以上を対象としています。今回、勤勉手当ということですが同様になるのでしょうか。金沢市では週15.5時間以上29時間未満の職員については特別支援教育支援員など255名もいると伺っています。期末手当、勤勉手当とも、この方々も対象に含めるべきですがいかがですか。
-川畑総務局長
国のマニュアル等におきましては、具体的な支給方法については、常勤職員やフルタイム会計年度任用職員の取り扱いとの均衡等を踏まえ、各自治体の実情や任用の実態等に応じて定めるものとされています。本市におきましては、常勤職員との均衡等を踏まえながら、週29時間をひとつの基準として期末手当の支給対象としておりますことから、今のところ週15時間30分の職員まで拡大することは考えておりませんが、他都市の状況と取り扱い等につきましては確認してまいりたいと考えております。
-広田議員
その他都市の状況ではずいぶん進んでいるようなんですね。参議院の総務委員会でもこのことが議題となっており、公務員部長は「週15.5時間以上よりも狭い対象範囲にしている地方公共団体は383団体」、1800ほどある自治体の中で383団体とし、「制度の趣旨に沿わない取り扱いをしている団体には適切な対応をするよう促す」と言っているんです。金沢市は促されているのではないのですか。明らかにしてください。
-川畑総務局長
本市におきましては、会計年度任用職員制度導入以前から週29時間を境に月額、そして時給の支給を明確に区分してきております。また常勤職員である再任用短時間勤務職員におきましても週29時間が下限としておること、また県内各地の大半もほぼ同様の取り扱いをしておりますことから、現時点においては見直すことは考えてはおりませんが、先ほど申し上げた通り、他都市の取り扱い等につきましては状況を確認してまいりたいと考えております。

-広田議員
他都市の多くもやっているということを先ほどお見せしましたし、総務省は遡及であるとか期末手当についても「(財源が)地方財政計画上で不足する場合、追加の財政措置をとる」とも国会で答弁しています。財源も含め「ある」というふうに認識していますけれども、もし不十分なら国にしっかり求め、他都市もぜひ調査して実施に踏み切るよう求めておきたいと思います。
つぎに、期末手当支給のときのように給料月額を減らしたり、期末手当そのものを減らしたりすることなく勤勉手当を実施するよう求めますが、いかがですか。
-川畑総務局長
会計年度任用職員の期末手当の支給割合につきましては、現時点では勤勉手当が今支給されていないということを考慮しまして、正規職員より高い支給率としております。ただ今は勤勉手当の支給開始に合わせまして、期末手当と勤勉手当双方の支給割合を正規職員と同じ月数とするということで整理をしております。これによりまして期末手当の支給月数は、現在会計年度任用職員が年間2.55月ですが、今の正規職員と同じ年間2.45月にはなりますものの、新たに会計年度任用職員でいいますと勤勉手当が年間2.05月分支給されますので、年間トータルでは1.95月分増加することとなります。手当の削減等は考えてはおりません。なお給与につきましては、今回の給与改定、勤勉手当の支給も含めますと給料のベースアップも反映されますので、かなり大幅な増額になるものというふうに見込んでおります。
-広田議員
そのように削減のないように求めておきたいと思います。
市長、先日打ち出した任用期限の廃止については、昨日のご答弁にもあったように正規職員と同様の待遇に近づける努力のひとつであってほしいと考えますし、さらなる正規職員との均等待遇に向けて拡充するよう求めますがいかがですか。
-村山市長
会計年度任用職員は、競争試験を実施している正規職員とは異なり、面接等の選考により採用しているということのほか、職務給の原則、あるいは均衡の原則などを定めた地方公務員法の適用も受けますことから、従事する職務の内容や責任の程度、職務経験などの要素を考慮して、国のマニュアル等に基づいて処遇を設定してございます。加えて、今回お諮りしている条例改正により、給与水準は全体的に大きく引き上げられますことから、市独自のさらなる処遇改善までは考えてはおりませんが、期末手当や遡及時期について、県や他都市の状況なども確認して今後研究してまいります。
-広田議員
どの委員会でも「会計年度任用職員は競争試験をクリアしていない」というようなご答弁で、差をつけるんだと言われますけれども、私も就職氷河期ですが、時代の波によってどうしても、大学を卒業しても新卒で正規職員がなく、一旦正規職員の道を外れると非正規職員しか道がないという人生を歩んだ人もたくさんいるんですね。その方々も含めて時代が、失われた30年と私たちは呼んでいますけれども、その方々をこれまで政府の政策でなかなか救ってこなかったということも踏まえて今、均等待遇というふうに国が打ち出しているわけですから、ぜひそれに歩調を合わせて金沢市も引き上げていただくように求めておきたいと思います。

-広田議員
次に、保育・子育て支援について伺います。保育士確保が困難な状況が続いています。保育士不足と言いますが、保育士自体が不足しているのではなく、働きたくても続けられないなどの「潜在保育士」が7割にのぼっている状況です。その理由として、やはり全産業平均から見ても低すぎる給与と配置基準のことが指摘されています。先日も、毎年申し入れを行っている現場のみなさんから1425筆の、給与や配置基準の改善を求める署名が市長に提出されました。
まず給与について。現場の若い保育士からは「子どもの頃お世話になった保育園に就職した。子育てしながら大変だけど、保育園も守りたいし、保護者の応援団でありたい。だが給与が低く、自分の家族を守れるか不安です」と、そういったお声が出たんです。国は一昨年、月額9千円増額措置を行いましたが低いままなんです。運営費のもととなる公定価格が実態にあっていないと指摘されており、市長も3月議会のわたしへの答弁で「保育士確保のため、さらなる処遇改善が必要であり、公定価格加算について財政支援を国に要望している」としましたが、一体どうなりましたでしょうか。
-村山市長
保育士等の処遇改善につきましては、今年度の人事院勧告に伴い、令和5年4月に遡り公定価格の引き上げを行うということとされました。本年度も全国市長会を通じて、国に対しさらなる処遇改善を要望しております。
-広田議員
人事院勧告のアップで公定価格も遡及されると。これはしっかり人件費に使うように徹底していただきたいと思います。そして国へ要望をということですけれど、公定価格の人件費の積算が地域ごとに異なることが2年ほど前から発表されています。金沢市は8ブロックのうち7番目になっています。なぜ地域で違うのかと思いますけれども、ぜひこうした観点からも増額を求めていただきたいと思います。
ただ市長、金沢市の公立保育園でも会計年度任用職員の欠員が埋まらないというふうに聞いています。国への要望も大切ですが、市独自でも保育士の人件費に対し早急な対策を検討するべきじゃないですか。
-村山市長
これまでもキャリアアップの取り組みに応じた人件費の加算や、職員に対する3%程度の賃金改善を行うなど、国の方針に沿って対応を行ってきているところでございます。市として独自に処遇改善をする考えはありません。
-広田議員
それでは足りないから言っているんですね。先ほどの若い保育士のお声を聞きましたか。保育園も守りたいし保護者の応援団でもありたいけど、自分の家族が守れるか不安だと。いつまで現場を犠牲にしてやっていくのかと、私は本当に思うんです。ぜひ、金沢市も独自で人件費に対して対策をとるよう求めておきます。
そして配置基準についてです。国による配置基準は低く、特に4,5歳児については戦後76年変わってきませんでした。現場からの運動と声が広がり、やっと政府が4,5歳児の「配置規準の引き上げ」を打ち出しました。一昨日のこども未来戦略案で、2024年度から4、5歳児について保育士一人につき子ども30人から25人へ、さらに3歳児の加算対応だった部分についても20人から15人へ基準を引き上げるという案が盛り込まれました。3月議会で市長は国の配置基準について、国の動向を注視するとしていましたが、まずは今回の配置基準の引き上げ案についてどう受け止めますか。

-村山市長
本市ではすでに、独自に配置基準の引き上げを行っております。今般の国のこども未来戦略案に保育士の配置基準の引き上げが示されたということは、一定の評価がされるものと思っております。
-広田議員
本市は現場の様子、現場の声を聞いて、足りないと自覚し引き上げてきたわけですから、今回の配置基準はお互いに喜ぶべきことだと思います。ただ、当面は経過措置が設けられ、人件費も加算ということになるようです。しかし加算ですと、3歳児がそうであるように、人件費として足りていないというお声もあるんです。そして今回、国が「加算」とした理由は、「人材確保に困難を抱える保育現場に混乱が生じないよう」というふうにしていますが、先ほど市長がおっしゃったように、自治体や園の努力ですでに国の配置基準を超えて保育士を配置しているんです。金沢市では、まさに3,4,5歳は国のこれから引き上げる基準に既に引き上げられています。そして国の調査では、私立保育所では規準の1.4倍の保育士が配置されている状況もあきらかです。ただ、国が言うように不足する園があるのなら、国が責任をもって保育士給与を引き上げるなどして、保育士確保をすすめ、早急に公定価格に反映していくことこそ必要じゃないかと考えますがいかがですか。
-村山市長
当分の間として加算対応となる経過措置が取られたということは、保育士の確保の面など全国の状況を見た中で地域の実情に配慮したものと捉えております。保育士の確保及びさらなる処遇改善につきましては、引き続き国に要望してまいります。
-広田議員
引き続き要望していただくと同時に、やはりもう早急に公定価格を引き上げるということを主張していただきたいと思います。
そして市長、国が基準を改善すれば、金沢市は財源的にも市独自のさらなる基準の改善が理論的には可能となります。現場では今回の改定でもまだまだ足りないという声があがっています。検討に踏み出すべきではないですか。
-村山市長
一昨日、子ども未来戦略の案に保育士の配置基準の引き上げが示されたところでございます。今後の国の動向を注視してまいりたいと考えています。

-広田議員
案がぽしゃるということはないでしょうから、ぜひとも早めに検討を進めていただくように求めておきたいと思います。
つぎに、9月議会で県内市町へ金沢市の0~5歳児世帯がこの10年でおよそ3500世帯も流出している実態をあきらかにしました。保育園でも子育て支援の差を理由に、市外に転出される世帯を間近にみています。そしていよいよ街なか周辺の園でも、少子化の影響で定数に満たない状況を危惧するお声があがっています。これは子育て施策全体の問題であり、保護者や園からも近隣都市とせめて同等に子育て支援をというお声が強まるのも当然です。まずは保育料の第2子の無料化です。県内でも中核市でも広がってきています。金沢市も第2子無料化を実施すべきではないですか。お答えください。
-村山市長
子育て世帯が居住地を決める理由としましては、持ち家志向が高いという中にあって、地価などの居住環境や通勤手段も含めて保育料以外の要因も大きいものと考えております。本市の第2子の保育料についてでありますが、保護者の所得制限を撤廃するとともに、きょうだいの年齢や生計同一に関わらず半額とした負担軽減制度の大幅な拡充をすでに実施しております。現時点ではこれ以上の引き下げは考えてはおりません。
-広田議員
そして子ども医療費助成ですね。入院について10月から18歳まで対象となり大変喜ばれています。しかし外来については、やはり県内で唯一15歳までにとどまり、子育て世帯は年齢拡大を本当にまだかまだかと待ち望んでいます。18歳まで拡充の決断を求めますがいかがですか。
-村山市長
子育て支援医療費助成につきましては、予算の選択と集中による重点化を図っていく中で、順次これまでも対象年齢の拡大等を行ってきたところであります。ご指摘の通り今年10月からは、医療費以外にも費用がかかる入院分について対象年齢を18歳までに拡大するとともに、自己負担を無料化したところであります。現時点ではこれ以上の拡充は考えてはおりません。
-広田議員
まさにこうしたことに予算を集中してほしいと思うんです。都市像にあたって「世界に選ばれる都市」を繰り返していますが、まずは「市民に選ばれる都市」でないとわたしは意味がないと考えるものです。

-広田議員
つぎに、放課後児童クラブ、いわゆる学童保育について伺います。学童保育は、正規の支援員の不足が続いています。とあるクラブでは、本来正規職員2人配置が必要なのに、正規1名とアルバイトで運営。その正規の方1名がお休みするとクラブを開くことが認められないので、わが子の行事やイベントにも参加せず、なんとか運営を維持してきましたが、コロナ禍で感染し休まざるを得ず、クラブ自体もお休みという事態に陥ったのです。市長、市内の学童保育のこのような実態をご存じでしたか。
-村山市長
放課後児童クラブは、子どもが放課後安心して過ごすために欠かせない大切な地域の居場所でありまして、日頃から子どもたちのために懸命に働いていらっしゃる放課後児童支援員のみなさまには心から感謝をしております。一方で、平成27年の制度改正に伴って、放課後児童支援員資格を有する職員を1人以上配置することが義務化されたことから、規模の小さい放課後児童クラブなどで職員配置に苦慮されているということは承知しております。
-広田議員
本当に苦慮しているんですね。そしてその支援員の不足は、給与の低さが大きな要因です。全産業平均の年収が426万円に対し、285万円となっています。金沢市は運営費の交付にあたり人件費の積算根拠を示していますが、行政職1級11号をベースに時給にして972円です。さらに、午後からお子さんがいる時間帯ということで1日6時間と設定し、月額145,800円としていますが、実際は午前から準備や事務作業もしています。市長、今ではどこでも時給1000円を超えています。金沢市の学童保育委託料における人件費の積算根拠を引き上げるべきではないですか。
-村山市長
放課後児童クラブの安定的な運営に向けましては、放課後児童支援員の雇用を確保するということはとても重要なことと認識をしております。本市ではこれまでも支援員資格取得者に対するキャリア加算に加え、支援員が有給休暇を取得する際の人件費の補填、また職員1人あたり9000円の賃金引き上げなど、処遇改善費用を委託料に加算しております。今後も安定運営に向けた制度の充実に努めてまいります。
-広田議員
積算根拠だと972円なんですね、時給が。そこを引き上げる努力が必要です。
そして今おっしゃられた加算についても、まだまだ工夫が必要ですので伺います。
国が行う「放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業」ですが、金沢市は第1段階までの活用にとどまっています。現場からは「経験年数5年以上」の第2段階のメニューも活用してほしいと声があがっています。市の負担は1/3で、月額にしておよそ1万円の加算ができるんです。活用すべきではないですか。お答えください。
-村山市長
ご指摘の通り、これまでも国の制度を活用するなど支援員の処遇改善を実施してきたところであります。放課後児童クラブの人材を確保するうえで、どのような支援策を講じればよいかということ、これは他都市の例も参考にしながら引き続き検討してまいりたいと考えております。

-広田議員
ぜひ検討をお願いします。
つぎに、「金沢市放課後児童クラブ開所延長支援加算」というものもあります。国の事業名で言うと平成27年度に「放課後児童支援員等処遇改善等事業」となり、その趣旨は「支援員の賃金を増やす経費に充てられる」としています。その条件として国は「18時半を超えて開所すること」としていますが、金沢市は「19時以上の開所」を条件としており、金沢市106クラブのうち56クラブしか実施がされていません。国の基準と趣旨にそった条件に変更し、より多くのクラブが加算を受けられるよう、また保護者のみなさんからも開所時間延長の要望がたくさん出ていますので、その点にも応じるよう求めますが、お答えください。
-村山市長
本市では保育所と開所時間の乖離を縮小するとともに、子どもの安全・安心な居場所を確保することを目的に開所時間の延長支援を行っております。これにつきましては働く保護者のニーズを考慮して、市内保育所の開所時間に合わせて19時まで開所するクラブを対象としていることをご理解願います。

-広田議員
保護者のニーズに合わせて19時というのは正しいのですけれども、この延長加算を使うとなると、18時半を超えなくてはいけないということで、ピッタリ19時までやらなくてもという概念で、他の自治体では工夫し開所時間延長を決めております。ぜひそうした観点からも工夫をして要望に応じるように検討を引き続き求めておきたいと思います。
-広田議員
つぎに、加齢性難聴について伺います。金沢市は全国ではめずらしく、高齢者の聴力検診を実施している貴重な自治体です。わが会派は、その受診率向上や「加齢性難聴の補聴器購入の補助制度」創設を求めてきました。昨年市長は、「難聴は日常的な会話を困難にし、生活の質を落とす大きな原因となるだけでなく、コミュニケーションが減ることでひきこもりや認知症の要因ともなると言われており、高齢者の方には定期的に検診を受けていただき、難聴の傾向を早期に発見することが大切だ」と重要性を認めていただきました。しかしここ10年みても、受診率は2~3%台、直近だと令和4年度はポスターをリニューアルもしたのですが2.7%に減りました。受診率の低さについて「内科検診と一緒に受けられない」とか「命に直結しない」という、これまでのご答弁もありましたが、わたしはまず、この検診の意義と強みをしっかり伝えるべきだと考えます。

まず、意義についてです。高齢者の難聴については、「高齢だし仕方がない」とご本人やご家族からあきらめのお声も伺います。しかし、市内の専門医のお話では「難聴は高齢による脳の老化ではない。加齢によって、音を増幅する細胞が減ってはいくが、個人差もある。また、耳の奥に耳垢が詰まっていて聞こえないケースや別の病気が潜んでいる場合もあるので、とにかく病院、検診に来てほしい」とおっしゃっていました。つまり、難聴は高齢だから仕方ないのではなく、あくまで耳の機能の問題であることや、病気の場合は早期治療で改善できることを市民に周知することが必要だと考えますがいかがですか。
-山口福祉健康局長
聴力低下の要因は様々なものでありますことから、治療による改善の可能性につきましては医師が診断を行って対象者に伝えるものであるというふうに考えております。本市といたしましては何らかの症状がある場合にはすこやか聴力検診の受診など早めに耳鼻咽喉科専門医に相談するように、そういったことを呼び掛けていきたいというふうに考えております。
-広田議員
呼び掛けていただくということですので、ぜひホームページやポスター、またリニューアルされるかわかりませんけれども、いろんな媒体でご高齢者が集まる機会などもとらまえて、ぜひ積極的に呼び掛けていただきたいと思います。
さらに強みについてですが、金沢市の聴力検診は検診だけでは終わりません。フロー図のように、医師の診断で、病気ならもちろん治療へ、病気がなくても40㏈以上なら補聴器のお勧めをし、経過観察まで行うことが一連の流れとなっています。専門医によれば、医療機器として認定されるのが「補聴器」なのですが、似たような「集音器」などの機械が通販でも売られ、分からずに買ってしまう方がいるといいます。さらに国民生活センターでは、こうした補聴器などのトラブルがここ最近増加傾向とのことです。そういった中で、金沢市の検診は検診を受けたら終わりではなく、医師が補聴器が必要かどうかも判断、お勧めし、その後経過観察も行う、とても有効な仕組みであることをもっと周知するべきだと思うのですが、いかがですか。

-山口福祉健康局長
これまでも、一人でも多くの市民に検診を受診していただけますようパンフレットの全戸配布であったり対象者への受診券の個別の送付、ホームページ・新聞・テレビ・ラジオによる広報など、様々な手段により受診の勧奨を行ってきたところであります。引き続き受診率の向上に向けて医師会とも連携しながら、ご指摘のあった本市の聴力検診の特徴なども含めて一層周知してまいりたいと思います。
-広田議員
ぜひとも一層の周知を、受診券を送る際にこうした流れであると説明書きを入れるであるとか、いろんな工夫をしていただきたいと思います。
そして前回も伺いましたが、検診の対象範囲もいよいよ見直す必要があると考えます。国立長寿医療研究センターの「老化に関する長期縦断疫学研究」によると、難聴の有病率は65歳から急激に増加することは確かなんですけれども、グラフを見ると75歳からも増加が見られ、わたしは重要なタイミングだと考えます。よって、75歳からも検診の対象にするべきではないでしょうか。
-村山市長
加齢性難聴につきましては、難聴による認知症予防などに取り組むためにも早期に発見することが重要と考えております。ご評価いただいた聴力検診につきまして、65歳から74歳までとなっている現在の対象年齢の方への受診率の向上に努めてまいりたいと考えています。

-広田議員
今は結構、65歳を過ぎても働いていたり活発に動いていたりの間の中で検診を知ることもなく、気が付いたら74歳でしたと。いよいよ75歳から「あれ、聞こえづらい」というようなことが起きるという声も聞いています。この有病率の出方を見ましても、75歳からやる意義も私はあると思います。引き続き検討を求めておきたいと思います。
-広田議員
さいごに、今の仕組みをより拡充する提案です。金沢市の検診では、先ほど言いましたように医師が必要な方に補聴器の装用をおすすめし、そのうち補聴器を装用した方の人数や割合を市にしっかり報告もされておりますが、ご覧の通り十数パーセント台で推移をし、直近の昨年度では残念ながら8.8%に下がっています。

これは本当に医師会のみなさんが懸命に努力をされているかと思うんですが、昨年の議会でお示しした調査結果では、この割合につきまして、金沢市は「補聴器購入へのハードルがある」「購入価格の問題もある」としているんですね。しかし加齢による難聴は、補聴器の装用によって改善します。この取り組みを発展させるために、補聴器の購入補助による経済的な後押しがどうしても必要となってまいります。先日、制度創設を求める署名が累計で2900筆あまり提出されました。さらに現在全国では18歳以上を対象とした補聴器購入補助制度を実施している自治体は152にのぼっています。そのうち中核市でもモデル事業も含め7都市がすでに実施しているというものです。中でも山形市では、聴こえくっきり事業と銘打ち、補聴器購入費への補助だけではなく、専門機関、職種とともに①普及啓発、②早期発見、③早期対応、④フォローアップ、⑤データ分析の5つの要素をパッケージ化しており、難聴対策事業の好循環を図るというものです。金沢市でも、補聴器購入というハードルを軽減し、こうした好循環を生み出すためにも、補聴器購入補助制度を含んだ事業へ発展させるよう求めますがいかがでしょうか。

-村山市長
本市のすこやか聴力検診では、診断した医師が必要に応じて補聴器の装用を勧め、経過観察を行っております。補聴器購入に対する補助制度の創設につきましては、全国市長会から国に対して要望を行っているところであります。今、山形市の事例もご紹介いただきました。引き続き国や他都市の動向なども注視しながら研究していきたいと考えています。
-広田議員
研究していくということですが、全国市長会を通じて国へ求めているわけですよね。つまり金沢市も、やはり補聴器購入にはハードルがあり、その補助制度が必要だと、どこがやるかはおいても、必要だということは認識されているということでよいですか。
-村山市長
全国市長会を通じて要望しております。全国的な課題であり、そして高齢社会に向けたひとつの大きな制度であるというように認識しております。そういった意味から、国全体での検討が必要ではないかということで要望しているところであります。
-広田議員
ただ金沢市は本当に珍しい、自治体検診として聴力検診を行っている自治体なんですね。その意義を生かさないわけにはいかないと思うんです。山形市は一気に始めたかもしれませんけれども金沢市はすでに聴力検診をやっていて、早期発見・早期対応・フォローアップまでやっているんですから、その間を早期対応の点で、経済的な後押しをするということで、とても循環が回るというふうに思います。山形市は先ほども言いましたけれども、データ分析では大学なども関わってやっているわけです。金沢市もたくさん大学があって専門家のみなさんもいらっしゃいますから、そういう方も巻き込んでぜひ好循環な制度実現を求めたいと思いますが、市長、引き続きいかがですか。
-村山市長
引き続き、国や他都市、そして金沢市の特徴も踏まえてどのようなことができるのかということを研究していきたいと考えております。
-広田議員
前回も言ったかもしれませんけれども、ランチタイムコンサートですとかお昼の音楽が最近流れていますよね。難聴の方には聴こえているのだろうか、その音色が届いているのだろうか。そして、この間も火災があったんですけれども、本当にサイレンが聴こえて類焼などからの被害から逃げることができるんだろうかと。市長も生活の質という点で言っておられますから、そうしたいのちと生活、そして文化を守るという意味でも、ぜひこの加齢性難聴への補助制度を実現していただくよう求めまして、質問を終わります。