お知らせ |日本共産党 金沢市議員団 |23ページ

お知らせ

私は、日本共産党市議員団の一人として以下質問いたします。

  最初に、「核兵器のない世界」をめざす取り組みについてです。

 来年は、被爆75年を迎えます。
 「ノー・モア・ヒロシマ・ナガサキ」との被爆者の声と運動は、「核兵器のない世界」をめざす方向へと世界を動かしてきています。
 核兵器廃絶を願う「ヒバクシャ国際署名」は1千万名を超え、広がっています。 2017年7月国連で、核兵器禁止条約が圧倒的多数で採択され、人類史上初めて核兵器を禁止とする条約となりました。現在、33カ国が批准し、条約発効に必要な50カ国まであと17までに迫っています。
 これまで国際的な舞台で、核兵器を所有・独占する大国がイニシアチブを持ち続けてきました。しかし、植民地体制が崩れ、100を超える国々が独立し世界の構造的変化が起こりました。その結果、世界のすべての国々が、対等・平等の資格で、世界政治の主人公になる新しい時代を迎えています。今回の国連での出来事は、それを象徴するものとなりました。
 核兵器禁止条約の批准と参加を日本政府に求める地方からの意見書は424議会に広がり「ヒバクシャ国際署名」に賛同・署名した知事は、20府県となり、市区町村長が署名した自治体は、1197を数えるまで広がっています。県内でも、すでに9割の自治体の長が賛同し、署名を寄せています。
 市長。あなたも核兵器廃絶を願う「ヒバクシャ国際署名」に賛同し、署名した一人とのことですが、どんな思いで署名されたのですか。その決意を伺いたいと思います。
 先日、世界の宗教界の最高指導者の一人であるローマ教皇フランシスコが38年ぶりに日本を訪れ、長崎、広島で、世界に向けて核兵器廃絶へのメッセージを発しました。
 教皇は、核兵器禁止条約の名を挙げ、教会が「迅速に行動していく」と力強く宣言しました。
 市長。あなたは先般ローマでフランシスコ教皇とお会いし言葉を交わしたとのことです。教皇のメッセージと決意を受け、あなたが署名した核兵器廃絶を願う「ヒバクシャ国際署名」に基づいてどのように行動していかれるのか伺います。
 本市も加わっている平和市長会議が去る10月24日25日第9回の総会が開かれ、日本政府に対して、核兵器禁止条約に署名・批准することを求める要請文が承認されました。また、本市は、平和都市宣言の中で、核兵器廃絶への決意をあきらかにしています。
 市長。来年、被爆75年を迎え、本市独自に「ノー・モア・ヒロシマ・ナガサキ」の決意で、市民と共に具体化することが求められています。見解を伺います。

 質問の第二に、本市のガス事業・発電事業のあり方をめぐってです。

 市長は、今議会の提案説明の中で、「検討委員会から『両事業を合わせて株式会社に事業を譲渡することが適当である』との答申を受け、パブリックコメントを経て、「年度内には、今後の経営形態の市としての方針を示す」と表明されました。そこで、伺います。

 第一に、100年近くにのぼる本市のガス事業、発電事業について公営事業としての役割は終えたと考えるかどうかです。
 私は、平成30年度公営企業会計の決算審議を行ってきました。
 まず、ガス事業です。供給戸数6万280戸、経常利益は、8億5755万円で、8年連続黒字となりました。平成22年度119億4600万円の累積欠損金は、30年度決算で58億7835万円にまで減少しています。本市監査委員の意見書では「資金面から見た経営は安定している」と述べています。
 次に、発電事業です。市内5ヶ所の水力発電所をもち発電した電力を北陸電力に売電し事業が継続しています。地方自治体が独自の発電所を持ち、発電事業を行っているのは特色あるもので、全国に発信されています。
 平成30年度では、経常利益が2億7361万円で黒字経営が続いています。資産が87億円、負債は12億円。現金預貯金が23億円あります。優良事業体です。本市監査委員は、その意見書の中で「毎年度安定した利益確保しており、財政状況は健全な水準にある」と述べています。
 以上の点から、この二つの事業は、公営事業として市民の負託にこたえ、安全で安定したエネルギーの供給・提供を行ってきたものと言えます。
 市長。あなたはこの点についてどのように考えますか。その見解を伺います。

 第二に、最初から両事業を民間へ譲渡することを前提に議論が進められたのではないか。という点です。
 検討委員会は、4回開催され、実質3回の議論で結論を出されました。この検討委員会に提出された資料の中で、「本市の自由化の影響について」と題する資料があります。
 ガス事業では、「平成29年4月の小売全面自由化から2年を経過したが、現在までのところ新規参入なし」と記述しています。
 発電事業では、「平成28年4月の発電全面自由化から3年を経過したが、北陸電力との長期契約の下、大きな影響なし」と記載しています。
 この点では、民間への譲渡という方向性が出てこないため、次に出されたのが、今後の経営形態のあり方検討を行う背景をとりあげました。
 その内容を次のように記載しています。「電力・ガス自由化や人口減少等により事業環境が大きく変化していく中、地方公営企業という形態で事業を続けていくことが、市民にとって有益なものであるか否かを。明らかにすることが求められている」と記述しています。何が何でも、公営企業という形態を否定し、民間企業への譲渡の方向へ導き出すために、持ち出されたものです。そして、家庭用需要の減少を指摘し、公営企業としては、サービス提供の範囲に制限があることをとりあげています。また、新規水力発電所の建設適地がなく、出力増強も限界だと指摘しました。その結論は、地方公営企業という形態で事業を続けていくことは限界があり、市民にとって有益なものではないとの強引な結論を導き出しています。そして、どのような経営形態が適切かとその選択へと議論を進めて今回の結論を導き出しています。
 公営企業管理者に伺います。今回の検討委員会への提出した資料は、民間のコンサルタントに委託したものだと聞いています。
 2つの事業を民間への譲渡するとの方向を導き出すためにコンサルタント依頼したのではありませんか。答弁を求めます。

第三に、公営企業としての目的や役割と責任をどのように果たしていくのか。という点についてです。
 すでに本市企業局は、2016年に今後10年間にわたる経営戦略方針を打ち出しています。その中で、ガス、水道、公共下水道、発電、工業用水の5つの事業について、地方公営事業として「公共の福祉の増進」を本来の目的に経済性の発揮に努めながら、事業の持続的な成長発展に努めてきた。と振り返り、今後、水とエネルギーを総合的に担う総合ライフライン事業者として豊かな市民生活に貢献していくとして10年間の経営戦略を明らかにしています。
 市長。こうした方向性をさらに進めていくことこそ、市民の期待に応える方向ではありませんか。その見解を伺います。

 質問の第三に、本市に於ける洪水浸水想定区域図と今後の対策についてです。

 2015年の水防法の改正に伴い、従来の「50年から100年に一度」の想定雨量から新たに「1000年以上に一度」の新基準が明らかにされました。
 この新基準に基づき石川県が堤防の決壊や河川の氾濫などから予測した「洪水浸水想定区域図」を公表し、地図上に色分けしたものです。
 浅野川では、洪水浸水想定区域の面積は、旧基準では16.2㎢だったものが2.4倍の38.4㎢と広い範囲に広がっています。浸水の深さは、建物1階の軒下まで水がつかる0.5mから3m未満の色で埋め尽くされ、2階部分まで浸水する3mから5m未満の色の区域も一定範囲広がっています。
 犀川沿いを見ると洪水浸水想定区域の面積は、旧基準では14.9㎢だったものが38.2㎢と2.6倍に広がっています。浸水の深さは、建物1階の軒下まで水がつかる0.5mから3m未満の色が広い範囲に広がり、2階部分まで浸水する3mから5m未満の色の区域が市役所裏から犀川まで片町の一帯に広がっています。
 さらに、片町から野町へ通じる犀川大橋の上流、下流域については、右岸も、左岸も堤防が削られ、建物の倒壊が想定される河岸浸食区域となっています。
 私は、これを見て、日本が巨大地震に襲われるというSF小説『日本沈没』を思い出しました。まさに、金沢水没のような気持ちに襲われました。
 台風19号による各地での水害の実状を考えるとこの洪水浸水想定区域図が現実味を感じます。
 市長。今回明らかにされ洪水浸水想定区域図をどのように受け止め、今後の対策を考えておられるのか伺いたいと思います。具体的に伺います。

 第一に、本市でのハザードマップの作成は、いつまでに完了されるのか。市民への周知はどのように考えておられるのか伺います。

 第二に、新基準に基づく洪水浸水想定からすると、これまでの災害対策、避難対策を根本から見直す事が必要ではありませんか。

 例えば、避難所です。旧基準では、市内に207の避難所が設置されています。新基準では、水没することが想定される避難所があります。作成された15校区のハザードマップではどうなったのか明らかにしていただきたいと思います。

 さらに、新しく第二本庁舎につくられる危機管理センターです。

建設が進められている第二本庁舎の場所は、ハザードマップによると一階の軒下まで水につかる0.5mから3mの色の洪水浸水想定区域に位置し、近くには、2階部分まで浸水する3mから5m未満の色の区域も広がっています。危機管理センターは水没しませんか。洪水浸水対策について伺います。
 旧菊川小学校は堤防が削られて、建物の倒壊が想定される河岸浸食区域に隣接し、2階部分まで水につかる3mから5mの色の洪水浸水想定区域に位置します。したがって、避難所として利用不可と判断されました。ここに新しく犀桜小学校を建設するとしています。昨年9月議会で、広田議員が指摘した際、本市土木局長は、「小学校の建築には大きな支障があるとは考えていない」と答弁されました。 しかし、こうした区域に新しい小学校を建設することは再検討が必要ではありませんか。その見解を伺います。

 この質問の最後に、居住誘導区域についてです。
 本市は、まちなかの中心部に住宅や公共施設などを集約する区域として居住誘導区域を指定し、様々な支援策を講ずるとしています。
 ところが、この区域が洪水浸水想定区域と重なるのです。
 安心して住み続けられるまちづくりをめざすのなら、居住誘導区域は、より安全な区域にしなければならないのではないですか。根本的な見直し、やり直しが求められます。災害に強いまちづくりは、最重要課題です。市長からその見解を伺います。

 質問の最後に、市内にある市営医王山スキー場についてです。

 市内にあるこの市営スキー場は、ファミリースキー場として家族連れや小中学生などに人気です。さらに、上級・中級コースもあり、幅広い利用者でにぎわうスキー場となっています。
 昨シーズンは、雪が少なく、1万4千人ほどの利用となりましたが、雪のあるシーズンには4万人の方々が訪れています。
 いよいよスキーシーズンを迎えます。
  私は、毎年、11月になるとこのスキー場を石川勤労者スキー協議会の役員の方々と現地を訪れ、12月には、市に対して施設の改善、安全対策などを要望してきました。そこで、伺います。 

第一に、今回、スキー場に行き驚いたことは、ゲレンデが穴だらけになっていたことです。イノシシがミミズなどを狙って穴を掘ったのです。200ヶ所以上の穴がゲレンデ一面に広がっていました。今後どのような対策を講ずるのか明らかにしていただきたいと思います。

第二に、安全対策についてです。
 昭和59年に設置されたファミリーゲレンデのリフトは、一昨年リニュアルされました。もう一つ、昭和61年に設置されたペアーリフトがあります。すでに33年が経過しています。更新する時期を迎えています。どのように考えているのか伺います。なお、ペアーゲレンデについて、休憩所などの設置が要望に上がっています。合わせて今後の対策を伺います。

第三に、安全でだれもが楽しんで利用できるスキー場に整備していくことが大切です。その点で、ファミリーゲレンデに残る民有地を買い取り、ゲレンデを整備すること。上級者向けのチャレンジコースについて、ゲレンデの整備が出来ないか。今後の対策について伺います。
 この質問の最後に、本市教育委員会に伺います。 子どもたちのスキー体験実習が減っています。スキー体験や、雪遊びなどこのスキー場を利用した行事や企画を検討していただきたいと思います。その見解を伺い、私の質問を終わります。

-山野市長

 30番森尾議員にお答えをいたします。

 「ヒバクシャ国際署名」に署名をした経緯ですが、世界の恒久平和、核兵器なき世界の実現は人類全ての願いでもあります。私自身、広島・長崎のような惨禍が二度と繰り返されぬよう不断の努力をしていかなければならない、そういう思いで署名をしたものであります。今後は具体的に市の施策のことについてお尋ねがございました。ローマ教皇のことに合わせてお尋ねがございました。個々にお会いできたことは有意義だというふうに思っております。また教皇が広島・長崎にご訪問をされたことにつきましても感慨深い思いで報道に触れさせていただきました。今まで同様、毎年夏の原爆と人間展の開催などを通して広く市民に平和の尊さ、戦争の悲惨さを伝える取り組みを継続していくことが大切であると考えています。

ガス発電事業のことについてお尋ねがございました。企業局ではガス発電を含む5事業の適切な経営を通じて豊かな市民生活に貢献することを理念とし、経営戦略2016を策定したものであります。しかしながらその後、ガス電気の小売り全面自由化が決まりました。両事業を取り巻く環境が大きく変化しました。ルールが変わりました。企業局内における調査研究を踏まえ、今後の経営形態の在り方を諮問したところであります。検討委員会の中では、ひとつにはこのガス電気小売り全面自由化になったこの時期、このタイミングで地方公営企業として事業を行う今日的意義、さらには市民にとって最も有益な経営形態、この小売り全面自由化が市民にどんなメリットを提供できるのか、最大限に提供できるようなことも考えていかなければなりません。このふたつの論点で議論が進められました。そしてひとつに、地方公営企業では多様なサービスの提供が困難であること、ふたつには地方公営企業の役割が希薄化しているということ、みっつには経営の柔軟性を高め事業の持続可能性を確保する必要があること、そういう理由から金沢市ガス事業及び発電事業は両事業を合わせて株式会社に事業譲渡することが適当であるとの答申がなされたものであります。公営企業としての役割が終わったとは思っていません。やはり公的な関与というものも必要だと思っていますし、在り方検討会の中でもそういう議論をお聞きをしているところでありますので、一定の関与は私は必要であるというふうに思っております。ただ、何度も申し上げますが時代も変わりました。ルールも変わりました。役割が希薄化しているということは否めないと思います。そういう答申をいただいたところでありますので、それらの答申を重く受け止め、今後市民から寄せられる意見、議会での議論も踏まえ適切に判断をしてまいります。

洪水浸水想定区域図のことについてお尋ねがございました。洪水浸水想定区域の見直しをもとに作成された15校下・地区の水害ハザードマップですけれども、全国で災害が激甚化する中、平成27年の水防法改正により、降雨量が想定最大規模に変更となり、洪水浸水想定区域が拡大することとなりました。今年10月の台風19号による被害状況も踏まえ、激甚化する災害に対応するためには命を守る行動をとることが重要であるというふうに痛感をした次第であります。今回の見直しにより改めて的確な避難を促していく必要があると考えています。残りの校下・地区の水害ハザードマップの作成ですが、犀川左岸地区や浅野川右岸地区などの地域について県による洪水浸水想定区域の公表を受け、新たな水害ハザードマップを今年度末までに作成の上、ホームページなどで公表し、明年度全戸配布を予定しているところであります。水害ハザードマップの配布や地元説明会、出前講座等により周知の徹底を図るとともに、地域の自主防災会等と連携をしながら防災意識向上に努めてまいります。

第二本庁舎に予定されています危機管理センターは大丈夫かというお話がありました。第二本庁舎は市民生活の安全安心確保の拠点となる庁舎として整備をしており、危機管理センターにつきましては非常用電源等の整備を含め、水害による被害の可能性がより少ない2階に配置をしており、浸水時にも機能できるよう万全を期しているところであります。

旧菊川町小学校の位置のことについてお尋ねがございました。旧菊川町小学校敷地に建設する予定の犀桜小学校新校舎は、河岸浸食想定区域から距離を置くために校舎レイアウトに工夫をしたほか、教室や電気室等は2階以上の上層階や屋上に配置するなど、児童生徒等の安全確保と学校の機能性維持に万全を期しているところであります。

居住誘導区域と洪水浸水想定区域が重なっているところがあるのではないかということでした。新たな洪水浸水想定区域は、まずは命を守る行動を取ってもらうことを目的に想定最大規模の降雨による水害の範囲を提示をしたものであります。一方、居住誘導区域は歴史的な市街地の形成過程を踏まえ、本市の持続的な発展に必要な人口分布の実現を目指して設定をしており、その際3メートル以上の浸水区域や土砂災害警戒区域など命に関わる区域は除外をしているところであります。まずは新たな水害ハザードマップが今後活用されていく中で、まちづくりやコミュニティに与える影響について適切な把握に努めてまいります。

医王山スキー場のことについてお尋ねがございました。私の方からはペアリフトの更新についてであります。ペアリフトにつきましては設置から33年が経過をし、老朽化が進んでいることは十分認識をしております。しかしながら、ペアリフトの過去3年間の平均稼働日数は30日であります。更新につきましては今後の利用状況を見極めていきながら、費用対効果も考慮をし、慎重に検討する必要があると考えております。

-平嶋公営企業管理者

 ガス事業発電事業につきまして、昨年度実施いたしました民間コンサルタントの調査の件についてお答えいたします。電力ガスの小売り全面自由化によりまして全国的に料金メニュー等のサービスの多様化や新規参入、企業間連携が進む中、企業局内におきまして国の制度改革の進捗状況や都市ガスの需要構造、他の公営事業者の動向など様々な観点から調査研究を行ってきたところでございます。加えて昨年度には、さらに検討を深めるためコンサルタントに委託をし、全国的に進展している事業者間競争の現状やサービスの地域差等について分析を行ったところでございます。これらを踏まえまして今後の経営形態の在り方を検討する必要があると判断したものでございます。

-川島土木局長

 洪水浸水想定区域につきまして、作成済みの15校下地区の避難所につきましてお答えをいたします。この15校下・地区におきましては、これまで指定しておりました避難所53施設のうち、新たに26の施設が洪水浸水想定区域に含まれております。なお、この水害ハザードマップの作成にあたりましては地元の自治防災会等と十分に協議を行い、見直しを行ったところであります。

-嶋浦文化スポーツ局長

 医王山のスキー場につきまして数点お尋ねがございました。まず、イノシシに荒らされてできたゲレンデの穴について抜本的な対策が必要ではないかというお尋ねでございました。イノシシの数が年々増加傾向にあることに加えまして、医王山スキー場の敷地が広大でございまして、周囲を策で囲むなどの対策も困難でありますことから、現在発生の都度補修を行っているということでございます。今後専門家等の意見を聞きながら忌避剤の設置など有効な対策につきまして研究をしてまいりたいというふうに考えております。

次に、医王山スキー場ファミリーゲレンデ内にある民有地を買い取りましてきちんと整備するべきではないかというお尋ねでございました。ファミリーゲレンデ内に地番の特定が困難な民有地があり、その部分を避けてゲレンデを整備をしておりますことから、滑走ルートの一部が狭くなっていることは認識しているところでございます。ご提案の件につきましてはまずは当該民有地の所有者を特定しました上で整備について検討をしてまいりたいというふうに考えております。

それに加えまして休憩所の件についてお尋ねがございましたけれども、休憩所は現在はペアリフトの車庫横に自動販売機と椅子を設置しまして休憩所としてお客様にご提供申し上げておりますのでご利用いただければというふうに考えております。

-野口教育長

 医王山スキー場の利活用につきましてお尋ねがございました。医王山スキー場では例年冬季にはキゴ山ふれあい研修センターが主催しておりますキゴ山雪まつり、またキゴ山親子自然体験塾などの企画でファミリーゲレンデを利用した雪上ハイキングやスノーチュービングなどの体験に多くの方々のご参加をいただいております。医王山スキー場ではスノートレッキング教室での自然体験や、クロスカントリーコースを使ったスキー体験が出来ることに加え、費用面につきましてもスキー用具やリフト等が無料となるなどの利点もありますことから、改めて校長会議やキゴ山ふれあい研修センターを通してスキー遠足等での利用を促してまいりたいと考えております。

-森尾議員

 市長に伺いたいと思います。東日本大震災の津波で大きな被害が発生しました。宮城県石巻市立大川小学校では児童74名、教職員10名が犠牲となりました。遺族が訴えを起こし、去る10月10日最高裁による決定が出され、震災前の学校の防災体制に不備があったとする高裁判決が確定しました。この中で問われた点があります。それは、事前の備えの必要性を自治体と教育現場に改めて求めた点です。子どもたちの命を守るための手立てを尽くす責務があるというふうに判決の中で明確にされました。今回改めて県が発表した洪水浸水想定図を見ますと、先程指摘したように犀川沿いの洪水浸水想定区域であり、ここに新しい小学校を作るというのは、こうした状況を考えると自治体の長としても私は慎重に考えるべきであり見直しが必要ではないかというのが先程指摘した点です。私は災害の教訓から学んでも、このことを改めて市長としては慎重に考えるべきではないかと思いますので、再度答弁を求めたいと思います。

-山野市長

 答弁の繰り返しになりますが、距離を置くということ、また校舎レイアウトに工夫をしているということ、また教室や電気室等は2階以上または屋上に配置をするということ、そういう工夫をすることによって対応させていただいているところであります。

-森尾議員

 お聞きしますと、この大川小学校は洪水浸水区域ではなかったんです。そこに大きな津波が来て大きな災害を起こしたということを、改めて裁判を通じて問われたわけです。今回、金沢市の施策の中で改めてこの場所が犀川で大きな水害が生じた場合に沿線に決壊が起こって建物が壊れる区域があるんですね。そこに今回の場所は接するんですよ。しかも洪水浸水区域としては3メートルから5メートルくらいの浸水予想図があるんですよ。あえてここに作らなければいけないのかという点が、私は問われると思いますし、立地上の問題に提起をされているのに構造的な対応で済まされるのかという根本問題が、先の判決の中でも問われたと思うんです。私はこの点を本当に真摯に受け止めて、今回の問題についての再検討が必要だし、あらゆる角度から検討を加え、子どもや保護者を含めて皆さんが納得できる方法を見出すことが必要ではないかと思います。再度答弁をお願いします。

-山野市長

 児童の安全は一番であります。その中で最大限の工夫をすることによって、児童の安全を確保する、そのことを先程来申し上げているところであります。

-大桑議員

質問の機会を得ましたので、日本共産党市議団の一員として質問いたします。

安倍政権の下、介護保険制度のあいつぐ後退が続いています。多くの方々から保険料が引きあがり必要なサービスが受けられないとの声、介護の現場では人手不足が深刻となり、怒りと悲痛な訴えが広がっています。その一つが、特別養護老人ホームへの入所にあたって、「要介護1・2」の方が対象から除外されたことです。それでも、現時点、本市に、おいて、入所を待っている方が446人にものぼります。

現在、国民年金のみを受給する人の平均受給額は月約5,5万円程度、厚生年金を受給されている方でも、女性に限ってみれば平均受給額は基礎年金部分を含めて、月約10.3万円程度という統計が出ています。こうした低年金の方が要介護状態になった時、入居できる施設として特養ホームがあります。

にもかかわらず、国は給付費抑制に舵を切り、特養ホームの増設を抑えて、有料老人ホームやサービス付高齢者住宅などへの入居を進めてきました。有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅では月額利用料が平均で月12~15万円必要となり、とても低年金受給者には利用できなくなっています。

特養ホーム入居待機者家族会のみなさんが行った、介護保険に関するアンケートの中で最も多かったのが特養ホームの充実を求める声です。

80代の男性の方は、「妻を在宅で介護している、老々介護で、自分も病気で通院している状態だ。月曜日から金曜日まで、ディサービスを利用している、介護も限界で、特養ホームを希望しているが、なかなか入所できない。もっと特養ホームを、作ってほしい」と訴えています。

本市では新たに建設される特養ホームは、ユニット型の施設が多く、その費用負担は月15万円前後です。施設の待機者をカウントしてみると、利用料の安い多床室を希望している方が多く、入居できない間は、自宅で老老介護せざるを得ない現実があります。

待機者を1日も早く解消するために、ひき続き特養ホームの建設整備を進めると共に、経済的な理由で施設入居を断念することがないよう、低年金でも入居できる従来型特養ホーム等の施設整備も検討して欲しいと思いますがいかがでしょうか、お伺いいたします。

また、介護職員の処遇改善や介護報酬の改善も急務です。介護職員の不足を感じている事業所が多いと聞きますが、不足の理由は「採用が困難なためとのことです。なぜ採用が困難なのか。理由は明白です。他産業の一般職の賃金と比べて6割~7割という低い賃金に加え、労働環境の充実、整備が遅れていることがあげられます。2018年度の介護報酬改定が事業所の大幅減収を招き、人件費削減が余儀なくされています。このような中で、人材確保の困難は、慢性化し深刻さを増しています。近年では、人材紹介、派遣業者からの就職も増えており、その手数料負担も施設経営を圧迫している現状があるといいます。国にさらなる制度改善を求めるとともに、市民の生活を守る為にも、事業所の安定経営や職員が希望を持って働き続けることを保障する立場からも、特養ホーム等へ就職する方への援助金等の処遇改善や、市独自で積極的な介護職員の人材確保、定着促進をはかる、具体的な対策を打つべきだと考えますが、市長のお考えをお尋ねしたいと思います。

また、特養入所要件から外れた介護1,2の方の状況も大変です。待機者・軽度者の介護で深刻な事態を起こさない為にも、施設の検討、実施が求められています。

ところが国は、今後も「ケアプランの有料化」や「要介護1・2の方のディサービスやホームヘルパーの総合事業への移行」など、介護保険の改悪が議論されています。さらなる自己負担の増加や、初期段階での介護サービスの利用を抑制することになり、かえって重度化、家族介護の負担を増やすことになります。
必要な介護のサービスを受ける事によってその人らしい日常生活を営むことができるよう、求めたいと思いますが市長のお考えをお聞きします。

次に、65歳以上で心身に障害のある方の医療費窓口負担についてお伺いします。

本市では現在、65歳未満の障害のある方の医療費窓口負担は無料となっています。いわゆる現物給付という制度です。
ところが65歳になったとたんに償還払いに変わり、一旦窓口で自己負担分を支払い申請して、払い戻しを受ける必要が生じます。

障害のある方は特に高齢になるほど、生活環境は悪化し、毎月、払い戻しの申請手続きにでかけなければならない困難さや、窓口での一時支払いという経済的にも大きな負担が強いられています。

高齢期になっては、病気も増えてきて医療機関への受診の必要が高まってくる時期です。

高齢の障害のある方からお話をお聞きしました。ひと月の年金が約、10万円程度で医療費や、薬代だけで3万円前後の支払いがあり、医療費が償還払いとはいえ、生活のやりくりが大変だと話されました。先月は滞納になっていた電気料が払えず、電気が止まりました。幸い、第3者が立て替えてくれたため電気は、数時間後に復活されたものの、「来月以降もぎりぎりの生活が続くかと思うと、気が気でならない」と言います。
この方は、医療費が償還払いでなく現物支給であればお金の心配をしなくても、安心して医療を受けることができると話されています。

他の自治体の中には現物給付を行っているところも増えてきました。心身障害者医療費助成制度について、年齢に関係なく現物給付制度をするように求めますがいかがでしょうか。多くの方から年齢に関係なく窓口無料とする改善を、求める声が上がっています。

また、所得制限を設けず、障害を持っているすべての方にこの制度を適用することを求めますがいかがでしょうか。お伺いいたします。

3点目に不登校の児童、生徒への支援についてお伺いいたします。

文部科学省から不登校に対する取り組みをまとめた、「不登校児童・生徒への支援の在り方について」が全小,中学校に向けて通知されました。11月に開かれた金沢市総合教育会議の中で、本市における不登校対策についての話し合いが行われています。不登校の子どもは、子どもの数が減っているのに増え続け本市においても、右肩上がりに増加、保健室登校や校門に、一歩入って引き返すだけの子どもなども含めれば、規模の面でも非常に深刻な状態になっています。神戸大学名誉教授で不登校・登校拒否問題について研究や講演活動をされている広木克行氏は「不登校の子どもは管理的な学校生活や人間関係の苦悩に悩んでいるし、さらに学校に行けないことで自己否定を深める二重の苦しみを抱えている。」と指摘しています。そして、「不登校問題をどう解決していくかは、まずは子どもの話をよく聴き、真剣に子どもと向き合って、子どもが求めていることを理解することだ」と問題解決の糸口を提示され「不登校の子どもたちの心は、様々なもつれを持っている。もつれの原因は社会や教育の在り方が一因になっている」ともおっしゃっていて、このことからも不登校を本人や家庭の責任とすることは間違いだという事は明らかです。

私がお聞きした不登校の子どもの親は、「勉強がつまらない」「みんなに合わせる事が辛い」「学校に行かなければと思うけれど、どうして自分が学校にいけないかわからない」といった子どもの苦しみを、どう受け止めればいいのか親子ともども本当に悩んだと語ってくれました。

文科省の通知を受けて本市として今後どのような不登校対策を行っていくのか、今までの不登校対策とどう違いがあるのかお聞かせください。

自分の子どもが不登校になったことをきっかけに、同じような悩みを抱えている親御さんに寄り添い支援している方にお話を聞きました。「不登校の子は、みんな様々な理由を抱えている。大切なのは、安心できる子どもたちの居場所の確保が必要だ」と言い、「同時に家族や学校を支援する仕組みも必要」だとしています。子どもたちに、学校強制でない教育の権利、自分らしく生きられる権利を保障する立場から、子どもと親が安心して相談できる窓口の拡充や、学校以外の様々な学びの場を、きちんと認め、公的支援を行いながら子どもを緊張感から解放していくことが大切です。

本市は、「不登校の子どもたちを支える民間団体と市の連絡会の設置をし、子どもを支えるネットワークづくり」を、構築するとしています。

子ども支えるネットワークをいつまでに整えるのかお聞きします。また、体制がつくられた後、どのように不登校の児童生徒や保護者の方と向きあっていくのか、具体的なビジョンもお示し下さい。そして、不登校または不登校傾向にある児童生徒のうち登校した場合、安心して過ごせる居場所や、そしてやりたい事学びたい事を支援していく教職員の配置を求めますがいかがでしょうか。

また、学校側からの情報が得られる体制を作ってほしいと思いますが子どもや親がさらに追い詰める事のないように配慮が必要かと考えます。いかがでしょうか

次に、学校給食の共同調理場新設についてお尋ねします。

 市長は提案理由説明の中で、泉本町6丁目にある石川県県央土木総合事務所跡地の取得を県に申し入れ、隣接する旧県警交通機動隊舎敷地と合わせた同地に学校給食の大規模共同調理場を新設したいとの考えを説明されました。 本市において、2010年に示された学校給食調理場再整備計画では、すべての単独校調理場を廃止、中規模共同調理場の統廃合、そして新たな大型共同調理場の建設を打ち出しています

2013年に小学校と中学校の子ども達の給食6000食用意できるとする東部大型共同調理場が建設されました。 子ども達に暖かい美味しい給食の提供、又食育の面からも、自校方式の、給食施設は多くの市民や、保護者から指示されてきましたが新しい学校が新設されると自校式の給食調施設はなくなっていきました。大型の共同調理場は、業務は民間に委託される為、業者は経済効率を追い求める結果、献立の簡略化や加工食品を多用することになります。大雪などの自然災害が発生すれば給食が届かないという問題も起こりかねません。今、大型共同調理場計画が示されましたがどういう計画なのか、明らかにしてください。規模、運営についてもうかがいます。そして鞍月調理場の代替施設でもあるとおっしゃいますが、鞍月調理場はその後新しく建て替えするつもりなのかもお尋ねいたします。

これまでも、学校給食調理場計画の見直し、自校方式の調理場の存続をもとめてきました。全国的にも自校方式と大型調理場の給食施設は50%、50%の立地です。本市の自校方式の給食施設の全面廃止は類を見ません。できたての温かい給食が提供できること、個々の生徒へのきめ細やかな食物アレルギー対応が出来る事、震災時の指定避難場になる学校で食事の炊き出し施設になるなど、子供と学校にとって自校方式の良さは十分わかります。自校方式の調理場で、働いている方「子どもの声を聴きながら調理している。私が子ども達の食べる給食を作っているのだという喜びがある」と語ってくれました。そこでお伺いいたします。自校方式から大型共同調理場に移行する理由は何なのでしょうか。また、開かれた懇話会の中で自校方式への評価はなかったのでしょうか。お答えいただきたいと思います。

高崎市では学校や給食センターの建て替え時期に合わせて単独校調理場に順次移行したと言います。全国的にもこのよう大型調理場方式から自校方式に大胆に方向転換した自治体が、見られます。本市として自校方式をなくして大型調理場方式に移行することについては、保護者の意見を聞いて進めるべきと思いますがいかがでしょうか、お伺いいたします。

次に教職員の、長時間勤務の是正についてお尋ねします

この問題は何度も議会で取り上げられてきました。教職員の長時間の働き方は深刻であり早急に改善をはかることは、待ったなしの状況です。

教育に関わるほとんどの人が、学校現場に教職員を増やすことこそ最も効果的な問題解決の道だと考えています。直ちに改善が必要な差し迫った状況にあると認識し、国において教員の定数増員を求めていくとの回答を教育長からいただいております。中核市の役員をしている立場からも、どのような強いメッセージを国に届けていらっしゃるのかお尋ねいたします。

さらに、今般、国会において「1年単位の変形労働時間制」を導入する法が可決されました。これは教職員の働き方をより劣悪なものにする悪法だとの非難の声が、現場の教職員だけでなくいろんな所からも上がっています。

「一年単位の変形労働時間制」とは、1年間の中で閑散期の労働時間を短くしその分だけ繁忙期の労働時間を長くしようというものです。「1年単位の変形労働時間制」において閑散期として想定されているのが夏休みです。授業のある日は長く働いているのだから繁忙期として労働時間を延長しその分夏に休みを長くとるという事です。

教員は夏休みも出勤して仕事をしています。夏休みに今までの分を確保するという理由は成り立ちません。休みの間も研修や部活動の指導などで年休も取れないほどです。

問題の根本にある教員定数や残業代ゼロの見直しを行わず、「変形労働時間制」の導入によって、見かけの残業時間を減らすやり方は新たな矛盾も生じ解決できません。考えなければならないのは、教員の労働条件の悪化が子供の教育に何をもたらすかです。私たちと教員が求めているのは、こうした状況を解決し、教員が元気に心に余裕をもって、子どもの教育に当たれるようになることです。この「1年単位の変形労働時間制」では、教員が元気になるどころか長時間労働が固定化、助長されます。

長時間労働をなくする抜本的な対策をとらないで「1年単位の変形労働時間制」を教育現場へ導入することに対する教育長のお考えをお聞かせください。 以上で私の質問をおわります。

-山根市長

 7番大桑議員にお答えをいたします。

 特別養護老人ホームのことについてお尋ねがございました。昨年度に2施設が完成するとともに、今期の介護保険事業計画の期間中に新たに2施設を整備することとしています。今後も待機者や施設の空き状況等を勘案し、次期介護保険事業計画の中で適切に対応してまいります。また本市では入居者のプライバシーを確保し、個人の尊厳を重視した介護を実現する観点から、条例で個室を原則としています。加えて低所得者に対しては居住費を軽減していますことから、多床室がある従来型の特別養護老人ホームを整備する予定はありません。

 介護職員の人材確保のことについてお尋ねがございました。人材確保策につきましては、広域的な取り組みが必要でありますから、基本的には国・県が主体となって取り組んでいるところであります。本市におきましてはケアワーカーカフェの開催、新採介護職員サポーター導入助成制度の実施など、働きやすい職場環境の整備改善を支援することで、人材の確保定着に努めているところであります。なお、今年度ですけれども、県と共同して介護労働実態調査を行っているところでありまして、その調査結果を踏まえて本市としてどのような対応が出来るのか検討をしてまいりたいと考えています。

制度改正等々で必要なサービスが提供され、介護を必要とする方の尊厳が保持され、能力に応じたその人らしい生活が送れる、そんな改正を求めたいということでありました。現在国におきましては、次期介護保険事業計画に向けた制度改正が検討をされているところであります。保険料水準の上昇を極力抑制するなど、持続可能な介護保険制度の確立を図ることについて、全国市長会から国に要望しているところであります。引き続き動向に注視してまいります。

障害者施策のことについてお尋ねがございました。65歳以上の心身障害者医療費助成に関してですけれども、65歳未満の方と同様に現物支給をするべきではないかということです。現在の償還払い方式につきましては、石川県の制度に基づき、県内市町が統一で実施をしており、本市独自で現物給付方式に変更することは難しいと考えています。これまでも65歳以上の方への現物支給の導入につきまして市長会などを通じて国に要望してきたところであり、今後とも導入に向けた働きかけを行ってまいります。

すべての年代において助成対象者の所得制限をなくすべきではないかというご提案をいただきました。心身障害者医療費助成制度の所得制限につきましては、平成20年8月、低所得者に配慮をして特別障害者手当の所得制限基準を準用することにより、本市独自で支給要件を緩和しているところであります。今のところ制限の撤廃やこれ以上の緩和は考えておりません。

-野口教育長

 教育に関しまして大きく3点についてご質問がございました。

1点目の不登校対策についてでございますが、はじめに10月25日付の文部科学省の通知をどのように受け止めたかについてお答えいたします。本市ではこれまでも不登校児童・生徒への個別面談、家庭訪問の実施などを通して不登校対策の強化を図ってきておりますが、おおせの通知を踏まえ管理職や生徒指導主事を対象とした不登校対策研修会を実施するなどして取り組みの一層の充実を図ってまいりたいと考えております。次に、市と民間団体等との連絡会をいつまで設けて、その後どのように児童生徒や保護者と向き合っていくのかとのお尋ねがございました。民間団体等との連絡会につきましては、今後民間団体等と調整をし、出来るだけ早く設けたいと考えておりますが、まずはその中で民間団体等との情報共有を図りながら、ひとつひとつの課題の解消に向けて取り組み、児童生徒や保護者の支援に繋げてまいりたいと考えております。また、不登校傾向の児童生徒の安心して過ごせる居場所と、学びたいことを支援する教員の配置についてもお尋ねがございました。学校では不登校児童生徒が安心して過ごせる居場所づくりのために、不登校対策担当教員を中心に、心と学びの支援やスクールカウンセラーを活用して学習支援や相談体制の充実を図っており、加えて児童生徒支援を担当する加配の教員を小学校14校、また中学校では12校に配置をしているところでございます。次に、不登校児童生徒が登校児童生徒と同じように情報を得られる状況を学校側に求めるがいかがかとのお尋ねがございました。これまでも不登校児童生徒に対しましては定期的に家庭訪問を行い、本人の状況を把握するとともに、学校で配布しました各教科の学習プリント、また学校だより等につきましても本人や保護者に確実に渡るように努めております。また、必要に応じて担任だけではなく管理職や教育相談担当教員、心のきずなサポーター等が組織的に連携しながら本人や保護者と面談を行っているところでございます。

2点目に、学校給食の共同調理場についてのご質問がございました。はじめに、自校方式ではなく共同調理場方式をとる理由ということについてお答えしたいと思います。より安全な給食を安定して継続提供していくためには、共同調理場の衛生水準が施設設備等の機能性等をこれまで以上に高めていくことが必要であります。そのために老朽化が進む学校併設の単独校調理場等は敷地面積等の関係から十分な再整備が難しく、引き続き共同調理場方式を基本としていきたいと考えております。次に、先に設置をいたしました懇話会での自校方式に対する評価と共同調理場での給食の提供についてお答えをしたいと思います。本年11月に保護者・有識者・学校関係者・調理場関係者からなる新たな学校給食調理場再整備計画に関する懇話会を設置をいたしましたが、委員からは昔を懐かしみ「匂いや香りが校内に漂うことによって給食を楽しみにする子どもが多かった」等の意見が出された他、「安全安心な給食が一番大切である」との声や、「調理員等の代替や他からの応援など人の確保が出来ない場合円滑な給食提供に支障が生じるのではないか」等の懸念等が示されました。これまでも本市の学校給食では地場産物等を多く使用した多彩な献立により、地元の食文化への興味・関心を高めるとともに、安全安心な給食の提供に努めており、引き続き共同調理場方式を基本とすることで児童生徒が安心して美味しく食べることができる給食提供が可能になると考えております。次に、旧県央土木総合事務所跡地に設置する共同調理場についてでございますが、新たな共同調理場は老朽化が進む鞍月共同調理場の代替機能や、今後の単独校調理場等の統合集約を図るために建設を予定しており、施設規模や運営方式等も含め新たな学校給食調理場再整備計画に関する懇話会の意見を踏まえ、検討して行きたいと考えております。共同調理場の建設は保護者の意見を聞いて進めるべきと思うがいかがかとのお尋ねがございました。共同調理場の再整備計画の策定にあたりましては、保護者等の意見を聞くことは大切なことであります。今回、そういたことから保護者等からなる懇話会を設置し、ご意見をいただくものとしたところでございます。 3点目に教職員の時間外勤務時間についてお尋ねがございました。1点目として、中核市教育長会の役員としてどのようにメッセージを国に届けているのかということについてお答えいたします。中核市教育長会の役員として、本年も8月9日に文部科学省を訪問いたしました。基礎定数の見直しによる教職員の確実な配置、また少人数学級の実施などについて、所管の局長、また審議官、関係各課の課長等に直接お会いして要望してまいったところでございます。最後に、「1年単位の変形労働時間制」の導入についてお尋ねがございました。大桑議員がお話された通り、様々に課題があるのではないかということがありますので、私なりにも整理をしていきたいと思っております。そうしたことに基づきまして、今般、改正教職員給与特別措置法が成立したばかりでありますので、詳細なものが示されておりませんことから、今後国の動向を注視しつつ対応してまいりたいと考えております。

質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として以下、質問致します。

「桜を見る会」は、安倍政権になってから参加者が1万人から1万8千人に増え、公的行事にも関わらず、安倍首相の後援会員や妻の関係者も多数招待されていた実態があきらかとなりました。さらに、多くの被害者を出したマルチ商法企業が招待状を利用し被害者の拡大につながった可能性まで問題は深まったにも関わらず、証拠である招待名簿は、わが党の国会議員が資料要求したその日に破棄されるというありさま、情報管理の問題にまで拡がっています。「桜を見る会」は、国民の大事な税金が投入されてきました。国会閉会で幕引きをはかろうとも「税金や国家を私物化するな」と厳しい批判の声が続いています。

そこで、伺います。

第一に、まず、山野市長は、国家や税金はだれのものとお考えでしょうか。

-山野市長

 憲法の前文で、我が国の主権は国民にあるとされております。国民が負担する税金は国の発展基盤や公共福祉の向上のために使われるべきであると考えます。

-広田議員

国民主権に基づけば、国家や税金も国民のものであるということが共通認識だと思いますが、「桜を見る会」が税金や国家の私物化だと批判を呼んでいることについて、今年の4月に市長もご出席されていたとブログに書かれていましたが、今この問題についてはどのような見解をお持ちでしょうか。

-山野市長

 「桜を見る会」のことにつきましては私は申し上げる立場ではないというふうに思っています。報道等を通じ、政府において見直しに向けた検討が進められているというふうに承知をしており、今後その方向で議論がされていくものと思っています。

-広田議員

確かに見直しの方針は出ましたけれども、ことはマルチ商法の被害者の拡大にまで繋がったかもしれないという問題に及んでいます。にも関わらず事実が一切明らかにされないまま国会が閉幕をしてしまったということについて、やはり行政をあずかる市長として、厳しい目でこの件に当たっていただきたいと思いますけれども、もう一度その見解を伺います。

-山野市長

 「桜を見る会」そのものにつきましては今ほど申し上げましたように国の方で見直しを図っていくということですのでそういう方向で議論が進んでいくものだというふうに思っています。

-広田議員

わたしは、税金や国家は国民のものであり、今回のことについて首相は事実を明らかにし説明する責任があると考えています。

転じて金沢市は市民のものであり、市長は市民全体の奉仕者です。しかし、市長はその任務につかれてから、広く市民のための市長と言えるでしょうか。いつしか異論を唱える市民には、予定をいくら合わせると言ってもお会いにならないことが当たり前となっています。それはある意味、市政の私物化とも言えるのではないですか。さまざまな立場やお考えの市民にお会いするべきと今一度求めますが、いかがでしょうか。

-山野市長

 私なりに時間を調整しながら様々な会合に出席したり多くの方にお会いして意見交換をしたりしています。時には厳しいご指摘をいただくこともありますし、時にはお互いに厳しい声で言い合いをすることもあります。ただ、「金沢市のために」「金沢市の将来のために」という同じ思いを共有しながら議論を重ねてきているところであります。以前も同様のご指摘をいただきました。私は決してそんな気はないというつもりでおりましたが、もしそういうふうに見えているところがあるのならば反省しなければいけないという思いもありまして、一度広田議員や会派の森尾団長にもお話させていただいたこともあります。全く違うベクトルを向いている方と議論をしてもなかなか上手く議論が合いませんので、ベクトルは同じ方向に置きながら手法が違ったりとかそういう方とはいろんなご意見をお聞きをしているところであります。今後も事前にいろんなお話をお聞きしながらまた私の日程も調整しながら、また合うようであればいろんな方たちと意見交換をしなければいけないと思っています。

-広田議員

 私が言っているのは、ベクトルが違っても会うのが市長の務めだということではないでしょうか。可能な限りお会いしているとおっしゃっていますけれども、1年以内どこでも市長のスケジュールに合わせるという言い方を秘書課を通してしたとしても、内容の問題で会えないというふうにこの間言われてきたことからすれば、やはりそれは市長の市政の私物化だと私は考えております。

そして本市の有する情報、これもまた市民のものです。昨今問題が市立病院でも起こりましたけれども、自衛官募集に関して突然、電子データで名簿を提供する旨の答弁がありました。6月議会の答弁では、市長の自衛隊に対する感謝の気持ちが語られ、その後「自衛官募集の事務負担の軽減に協力する」という唐突な流れです。感謝の気持ちと個人情報管理はわけて考えるべきと考えます。各種団体が申し入れもし、やめてほしいという市民がいる以上、市長の思いで審議会も開かず独断で行うのは、まさしく市の保有する情報の私物化と言えるのではないでしょうか。

-山野市長

 まず大前提としてご理解をいただきたいのは、私はメッセンジャーボーイではありません。誰とでも会うということは、私は政治家の仕事だとは思っておりません。そこはご理解をいただきたいというふうに思っております。自衛隊の情報提供のお話がありましたが、自衛隊への募集対象者情報の提供は法定受託事務です。違法ではありません。加えて個人情報は法令及び条例に基づき適正に取り扱っており、自衛隊への募集対象者情報の提供も自衛隊法及び同法施行令、さらには国会の議論並びに金沢市情報公開及び個人情報保護に関する条例に基づき適正に行うものであります。

-広田議員

 違法ではないのはもちろんですが、金沢市がやらなければならないという法的義務もありません。市民が自分の持つ情報についてやめてほしいと言っている以上、私はその声を真摯に受け止めるべきだと重ねて申し上げておきたいと思いますし、先程のメッセンジャーボーイとおっしゃいましたけれども、山出市長の時代には会っていたのに市長になってから会わなくなったという例もあります。私はメッセンジャーボーイとは思っていませんよ、ちゃんと市民の声を聞いてほしいという意味です。

30年度の決算委員会で市長の交際費を調査しました。一部の議員後援会がホテルなどで行なう議会報告会兼懇親会やビアパーティー、こうした行事に税金で会費を払い、22件参加されていることがわかりました。しかし、これは政治活動であり、しかも30年度は市長選挙の年でもありました。多様な市民を代表する市長であるならば、交際費つまり税金を充てるのは、税金の私物化という見方もあり、行うべきではないと考えますがいかがですか。

-山野市長

 選挙のためにいろんな方にお会いしているわけではありません。特定の国会議員もしくは県会議員・市会議員の後援会が主催する会合に招待を受けた場合、市政と県政・国政が密接な関連を有し、市長として相応の儀礼を尽くすことが市政の執行上必要性を有していると考えています。なお、公務としてこのような会合に出席する場合は、判例があります。もっぱら特定の議員ないしは政党を支援することを目的として行われるものではなく、かつ社会的な儀礼の範囲で相当な程度の金額に留まる限り許容される。その判例に従って対応をしているところであります。

-広田議員

 私は判例というよりも、やはり一部の議員であるということ、そして市長選挙の年でもあったということもあり、やはり特定の部分に税金を充てているのではないかという市民の見方があるということで言っております。以前、一部議員との連名ポスターを指摘されて「市民に公平公正を感じてもらえるようこれからも取り組んでいきたい」とおっしゃっておりましたけれども、市民からすればそのこととも矛盾するように思います。ぜひ見直しを求めておきたいと思います。

  • 次に、消費税10%増税と市民のくらし、来年度の本市予算編成方針について伺います。

安倍政権が10%への増税を強行して2か月以上がたちました。各種調査でも、増税は国民の消費生活を冷え込ませ、日本経済を低迷させています。市長は6月議会で、消費税を容認されていました。しかし、消費不況は増税前から深刻で、実質消費支出は年20万円、実質賃金も年15万円も落ち込んでいます。景気悪化が鮮明な中で、10%への増税強行は無謀の極みであり、さらなる景気悪化は必至です。政府は景気対策を行っているとしますが、一部の店舗と消費者しか利用できない「ポイント還元」は税の公正さを損ない、「ただでさえ収益も少ないのにもう複雑でやっていけない」と市内の飲食店は廃業を決断しました。本市では、国費5億円の予算がついたプレミアム商品券。およそ6割の非課税世帯は申請もしておらず、「商品券を買うための2万円が用意できない」というお声、これが実態です。消費税の逆進性により、貧困と格差はさらに深刻です。本市もそれらを真摯に受け止め、市民のくらしをいかに守るかが問われます。そこでお聞きいたします。

第一に、消費税10%増税が中小企業の経営を圧迫し、例年になく年末の資金繰りへの対策が求められています。経産省は、中小企業・小規模事業者等が年末の資金繰りに困らないよう対策を求める「通知」を先月、全国の関係機関に発出しています。本市でも、融資の迅速化、相談窓口の拡充・開設、利子補給や保証料の免除など、年末の特別対策をとるよう求めますがいかがですか。

-山野市長

本市では金融相談に関する相談窓口を開設しております。専門相談員を配置しているところであります。中小企業・小規模事業者の相談内容に応じ、県の信用保証協会や政府系金融機関、地元の金融機関と連携し、事業者の資金繰りへの支援を行っているところであります。ご指摘のことにつきましては、本市の経営安定化支援策として中小企業庁が定めるセーフティネット保証に基づく利子補給に加え、市制度融資の中小企業振興特別資金や季節的な資金需要に対応する短期資金への利子補給を行っているところであります。金融機関と協調し、速やかな金融支援に努めているところであります。なお、利子補給により借入利率の低減が図られているところから、事業者が負担する保証料については今のところ市として支援する考えはありません。

-広田議員

 更なる拡充と、そしてやはり年末の特別体制を組んでいただくよう求めていきたいと思います。

第二に、来年度の予算編成方針の中にある、市長の「雇用情勢や所得環境の改善が見られる」という認識は改めるべきです。消費増税の影響調査を行いつつ、政府の「景気回復」論を引用した来年度予算編成方針は改め、くらし最優先に切り替えるべきです。税金や国民健康保険料など公共料金の引き下げ、社会保障施策の拡充こそを求めますがいかがですか。

-山野市長

 なんといっても町の発展、そして今ご指摘がありましたように市民福祉の向上というものが私は大切な視点であると思っております。必要な施策の積極的な予算化に努めていかなければいけないというふうに思っています。地域経済の活性化や町の発展基盤の整備に加え、福祉・環境・教育・安全・安心といった市民生活に身近なサービスの充実に十分配慮をしながら、均衡を図った予算編成に取り組んでまいります。

-広田議員

 景気回復論に立っている予算編成なので、本当に市民の実態が見えているのかと、そして消費増税の影響が見えているのかと大変心配をしております。是非とも増税による影響調査を行っていただき、本当に実態に合った経済対策、そしてこれから社会保障のことも質問しますが、やはり市民の求めている社会保障の拡充を引き続き求めていきます。

第三に、安倍政権は20年度税制改定の議論を始めましたが、この消費不況にもかかわらず、さらなる大企業優遇税制の拡大内容です。今でも輸出大企業には年間1兆円もの還付がされるなど、この消費税は大企業の税制優遇と併行して行われていることは明らかです。国民が求めているのは大企業、富裕層向けのばらまきではなく、庶民の負担を減らすことです。消費税は減税し、大企業と富裕層への優遇税制を改め、応分の負担を求めるという考え方を我が党はしていますが、市長のお考えはいかがですか。

-山野市長

 これまでも国が責任を持って消費税率の見直しをはじめとした税財政改革の実践をしてきたところであり、そのことが国家財政の再建、少子高齢化社会の対応に繋がるものと思っています。

-広田議員

 消費もGDPも低迷しているわけでなかなか国家財政についても寄与しているのかということも明らかですし、今少子高齢化とおっしゃいましたが、社会保障についてもこれから質問したいと思います。社会保障費の削減がまた行われようとしています。消費税は社会保障に使うと言ってきたにもかかわらず、このような中身です。診療報酬は2・5%以上のマイナス改定、後期高齢者医療では、新たに75歳になる方から自己負担を1割から2割に引き上げ、介護ではケアプランの有料化や要介護1、2についても「地域支援事業への移行」を検討、保育の公定価格の引き下げ案など、とんでもない中身が今議論をされています。このような社会保障費の削減に、地方自治体の長としてぜひ反対の声をあげていただきたいと思いますがいかがですか。

-山野市長

 持続可能な社会保障制度の構築は国家的な課題であると思っております。国が責任を持って行うものというふうに理解をしています。ただ少子高齢化が急速に進展していく中で、今のままでは限界があるということから、社会保障と税の一体改革を着実に実行していくことは私は避けては通れないのではないかというふうに思っています。ただ、地方自治体を預かる立場としては住民生活や地方財政に与える影響に十分配慮をした改革になることも大切な視点であると思っておりまして、今後の動向も注視をしながら必要に応じて全国市長会等を通じ地方負担等に対する適切な対応を求めてまいります。

-広田議員

 これまで消費税を増税された分が地方消費税分として余計に来ることがわかりましたけれども、その余計に来た分、結局地方交付税で減らされて結局調整されるということもこの本会議場で明らかになりました。地方にとってはなんらメリットがないわけです。このような社会保障削減をされても。だから今言ったように全国市長会を通して声を上げていただきたいと思います。

  • 続いて、本市の非正規職員の現状と会計年度任用職員制度について伺います。

本市の雇用では、全体のおよそ3割にあたる1320名が臨時、非常勤などの非正規職員です。しかも、保育士では42%、学校給食調理では66%、図書館では73%、学校校務士ではシルバー人材を加えると60%、消費者生活相談員は100%が非正規職員であり、もはや補助的役割とは言えません。この自治体運営に欠かせない「非正規職員」をめぐって、総務省は来年度から「会計年度任用職員」制度を導入するとし、本市でも9月議会で条例化したところです。総務省は、ボーナスの支給などの待遇改善ができるとし、「年収が数万円から数十万円アップする」と見込んでいます。たしかに、全国的にボーナス支給の報道がありますが、代わりに月の給料を減らすところが出ており、本市もボーナス支給の一方で、月の給料をおよそ2万円引き下げることになりました。年間の収入にするとほぼ変わりません。そうした個別のお知らせが、11月半ばから臨時、非常勤の方々にはじめて配られ、戸惑いや怒りの声が寄せられています。「働く時間も内容も変わらないのになぜ2万円もさがるのか」「手取りで10万円を切りそう。生活がやっていけない」「ボーナスがほしいと思っていたが、月給を削って自分で積み立てるだけのことじゃないか」など、転職も検討しているとのことです。そこで何点か伺います。

第一に、今でも非正規職員は、年収200万円以下の官製ワーキングプアと呼ばれている中で、来年度から生活の要である月の給料を2万円も減らすことは、日々のくらしをこわすものですが、どのようにお考えでしょうか。

-山野市長

 今回の制度導入に当たりまして、総務省から示されたマニュアルに沿って報酬額を設定したものであります。職務経験等に応じ年収で最大15万円程度増額となること、また減額となる場合であったとしても本市独自の対応として年収ベースで現給保障を行う経過措置を取っていることをご理解いただきたいと思います。

-広田議員

 ボーナスを出すのであれば、現在の給料月額を変えずに上乗せするのが本来のボーナスの考え方だと思うのですが、その点、月給を変えずにボーナスを支給すべきではないでしょうか。

-山野市長

 会計年度任用職員は一般職となります。職務給の原則、均衡の原則等を定めた地方公務員法の適用を受けることになります。従って、従事する職務の内容、責任の程度、職務経験等の要素を考慮し、総務省から示されたマニュアルに沿って報酬額を設定したものであり、期末手当については正規職員と同じ月数で支給をすることとしています。

-広田議員

 なので、その月の給料を変えて、ボーナスを減らしたということになると思うのですが。今回、通年で計算してもらったのですが、月額給料を全体で7100万円下げているんですよ。もし下げなければ、ボーナスを合わせた給与全体では4億4000万円の財源が必要でしたけれども、9月議会の答弁では通年で2億6000万円の上乗せだと。つまりは実際差し引きで1億8000万円を出し惜しんだというふうに受け止めております。誰も月額給与を減らしてボーナスがほしいなどと望んでいないのではないでしょうか。月額給与そのままでボーナスを、もちろん正規職員と合わせた月数でやってもらえばいいと、それを求めている、それが本当の働き方改革だと私は思いますが、その点いかがでしょうか。

-山野市長

 法律であります。制度であります。そして今ほど申し上げましたように総務省の示されたマニュアルに沿って決めているものでありますのでご理解をいただきたいと思います。

-広田議員

 財源を補填できれば別にマニュアルを上回るやり方をしても問題はないはずです。4億4000万円財源を出せれば、今の月額でボーナス支給ができたということではないですか。私は元々民間で働いていたときも団体交渉などでやはり月額の給与を減らすというのはとんでもないことでした。一般的にボーナスは予算の調整役とされています。だから今後下げることもできるんです。なので私は今回の改定は、今は目先のボーナスでいいように見せているけれども、本丸はなかなか下げられない月給を下げたかったということのように思いますけれども、いかがですか。

-山野市長

 繰り返しになりますが、法律で制度として行っているものであります。職員の皆さんに不都合のないような形で運用していかなければならないという気持ちは同じでありますが、法律・制度で動いているということをご理解ください。

-広田議員

 金額の部分については法律ではなくマニュアルで動かしているのではないかと思うんです。だから市の財源4億4000万円さえ確保できれば非正規の職員も今の月額のままボーナスを支給できるというふうに思いますが、総務局長いかがですか。

-太田総務局長

 ただ今議員からマニュアルのお話が出ましたが、今回の初号給がありますが、初任給に当たるものですが、それの設定につきましても総務省から示されたマニュアルの中で手法が書かれています。そのマニュアルによりますと、当然常勤の一般の職員との均衡を考慮してということですが、その職務の級の、事務であれば行政職給料表ということですが、その初号の給料月額を基礎としてという一文がありまして、具体的にはそれは行政職給料表の1級1号を基礎としてというふうに読みとれます。その上で、1年1年の雇用ではありますが実質的な昇給をかけるというふうなことになりますし、こういった措置につきましては厚労省等が出しておりますガイドラインにも違反していないということもマニュアルに明記されております。

-広田議員

 あくまでもマニュアルであって、私は同一労働同一賃金と今国も言っているわけですから、その視点に立って元々の月額で行くべきだと引き続き訴えていきたいと思います。

 さらに、こういう2万円の引き下げがあるからなのか、これまで原則禁止とされていた兼業について検討していると聞きました。これまでの考え方は職務に専念するということももちろん、市の仕事だけで生活が成り立つという前提があったわけです。その立場が変わっていくのかどうか、詳細もあきらかにしてください。

-山野市長

 パートタイムの会計年度任用職員につきましては、勤務時間が限られているということ、またこれらの職員の生計の安定、多様な働く機会の確保のためにも柔軟な対応が必要であること等から、地方公務員法の改正がなされ、営利企業への従事等を制限しないことが新たに認められたものと理解しています。法の主旨を踏まえつつ、副業に従事する際には公務への支障や信用失墜行為の禁止などの服務義務などについて対応をしてまいります。

-広田議員

 なので、兼業が解禁されるわけですけれども、私は非常に残念だと思います。もちろん2万円引き下げれば生活して行けないという方が、私が相談に乗った方もそうでしたが、副業せざるを得ないという状況に市が先程のマニュアルでもって給料表を変えてしまったためにそうなるということなんです。これまではやはり職務に専念するという前提で副業禁止としていたものが、大きく生活のためには仕方ないという矛盾を孕んだ給料体系になっていくものだと思いますが、その点矛盾しませんか、市長。

-山野市長

 矛盾しません。

-広田議員

 矛盾しますよね。金沢市自らが金沢市の仕事一本では生活していけないという人々を堂々と生み出すということになります。ぜひ真剣に考えていただきたいと思います。

第四に、雇用の上限、これは5年ということでありましたが、撤廃に向けて検討すべきだと思いますがいかがですか。

-太田総務局長

 本市の、今現在で言いますと非常勤臨時職員でございますが、職員本人に対しましてあらかじめ任用期間をお示しをしております。その了解を得た上で任用を開始するとともに、仕事そのものが定型的・補助的な業務が多いということがございます。また、就労の機会を広く市民に提供する必要があることもありまして、見直しは考えておりません。

-広田議員

 就労の機会を広くと言っても、人手不足だということは皆様もご存知ですよね。そのうちこの公務職場でも人手が足りなくなる、募集をかけても来なくなるということが言われている中でその考えはないのではないかと思いますし、やはり不安定雇用、先行きの見えない働き方を生み出すというのは、私は公的な立場を逸脱していると思います。先程言った同一労働同一賃金の原則からも外れている。市は労働相談にも乗っている立場ですよね。なのにこのような改悪を行うというのは私は絶対に認めるわけにはいかないと思っています。

最後に、これだけ重要な改定ですから、当事者の声を聴くのは当然のことだと思いますが、11月の半ばまで一切説明はなかったとのことです。改めて、納得のいく話し合いをしてほしいと思いますがいかがですか。

-太田総務局長

 非常勤臨時職員の方々は、そもそも組合には加入しておりません。ただ一部のそういった方々から本市の組合に対していろいろな相談が寄せられているということもお聞きをしましたので、人事当局の方は今回の人事制度設計に当たりまして組合とも意見交換をしております。当事者の方には会計年度任用職員に移行する際の個別の面接を今現在やっておりますけれども、その中で必要に応じて制度の説明を行っているところであります。

-広田議員

 もちろん組合はないですが、労働契約は一人一人のものですし、私は事前に説明があってしかるべきと考えます。他都市ではアンケート調査なりがあったというふうにも聞いております。ぜひ今相談のある分についてもしっかり受け止めていただきたいと思いますし、その面接の相談の中でも生活実態について本当に配慮してお聞きしていただきたいと思います。これ以上非正規職員が働きにくい、そして生活できないという実態を金沢市から生み出してほしくないと訴えておきたいと思います。

  • さいごに、第6期ごみ処理基本計画、コミュニティ活性化基金について伺います。

第6期ごみ処理基本計画の骨子案が発表され、現在パブリックコメントが行われています。骨子案の中身は、事業系ごみについて、ようやく明確な目標値と対策が打ち出されています。いくつか伺います。第一に、市は第5期計画でごみ量の推計値を出していますが、30年度1年間有料化をやってみての実測値との比較はどうなのでしょうか。とくに燃えるごみにおいて基準点の25年度と比較すると、家庭系は2割減で推計値に対しほぼ達成と言っていいと思いますが、事業系が減らないため、燃えるごみ全体の推計値を2割減としていたのが、1割減に留まっている状況です。このことについて見解を伺います。

-佐久間環境局長

 まず燃やすごみのうち家庭系排出量は昨年度の実績が6万9251トンということでございまして、指定ごみ袋収集制度の説明を始める前の2014年度と比較すると19.8%の減となっております。第5期計画の目標とする2024年度に向けまして順調に削減できているものの、議員がおっしゃられたように事業系につきましては同じく5万1290トンということでございまして、ほぼ横ばいの状況にございます。

-広田議員

第二に、事業系ごみの減量化では、これまでも各事業所への丁寧な指導を求めてきましたが、今度の計画では焼却施設への搬入規制が唐突に盛り込まれました。しかし、搬入規制をすれば、解決するわけではありません。市が受け取らず、単に行き先が変わるだけでは意味がありません。各事業所の古紙を資源にまわす具体策、そしてさらなる丁寧な指導が必要かと思いますが、どのようにお考えでしょうか。

-山野市長

 これまでも内容物調査や減量化計画書に基づく立ち入り指導などにより、古紙の資源化を促してきたところであります。引き続き効率的なリサイクルルートの確立に向けて、搬出事業者への意識啓発や古紙回収事業者との連携強化に努めてまいります。

-広田議員

 搬入規制までするわけですから、私はもっと突っ込んだ具体的な計画があるのだと思うのですが、この計画にあたってもう少し突っ込んだ計画があれば教えてください。

-山野市長

 今年度からですが大規模事業者に加えまして中小事業者を対象とした減量計画書の提出により、ごみの適正処理やリサイクルへの取り組みを促してきているところであります。その中で事業所ごとの減量目標の設定、フォローアップに至るまで丁寧な指導・助言に努めてきているところであります。

-広田議員

 是非ともその搬入規制の前にできることをやっていただきたい、今言った計画に基づいた丁寧な指導、そして各業種別の取り組みなんかも各自治体ではやっていますので、ぜひやっていただきたいと思います。

東部の焼却施設のことについて伺います。燃やすごみが減ると東部の焼却施設の建て替えをコンパクトにできる、そのように住民に説明されてきたはずですが、第6期骨子案では、延命化の検討が突然打ち出されています。有料化後、方針を変えたのか、なぜなのか、あきらかにしてください。

-山野市長

 これまで全国でも9割近い地方自治体が取り組んでいますので参考にしながら平均で14%減量がなされてきたと。その場合はということで建て替えのことについてお話させていただきました。多くの市民の皆さんのご理解をいただきまして、家庭ごみの燃やすごみが大幅に減量をされました。また今ご指摘いただきましたように事業系のごみの減量化・資源化に向けてさらに取り組みを強めていかなければいけないというふうに思っています。今ある施設を少しでも長く大切に使った上で建て替えを検討することは、将来世代の負担に繋がるものであり、私はこれまでの方針に合うものだと思っておりますし、多くの市民の皆さんのご理解をいただけるものと思っております。

-広田議員

今年の3月に、環境省から「ごみ処理の広域化とごみ処理施設の集約化」についての通知が出ています。

12月議会質問がいよいよはじまります。
議員団3人とも質問に立ちがんばります。
ぜひ、傍聴にお越しください!

※12月9日に前回掲載しましたチラシに議員名がないとのご指摘を受けました。ありがとうございます。
おわび申し上げ改めて差し替えさせていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。

金沢ケーブルテレビ 31chでも生中継されます。
また、youtubeでもネット中継が見られます。
こちらからどうぞ。

「今からでも消費税10%増税を中止し、複雑な軽減税率を撤回するよう求める意見書」

 私は、日本共産党金沢市議員団を代表して、議会議案第9号今からでも消費税10%増税を中止し、複雑な軽減税率を撤回するよう求める意見書の提案理由の説明を行います。

 第4次安倍内閣が発足し、安倍内閣が真っ先に実施するのが、10月からの消費税10%増税です。
 実質賃金は、7ヶ月連続マイナス、商業販売額は、8ヶ月連続マイナス、百貨店の売り上げは9ヶ月連続で減少、スーパーマーケットも4ヶ月連続でマイナスとなっています。駆け込み需要さえ起きないほどに深刻な国民生活の実態が続き、まさに、消費不況に陥っています。
 こんな時に、消費税10%増税は、「最悪のタイミング」であり、消費税増税は、中止すべきです。この意見書は、このことを国に求めるものです。
 財界からも、「消費意欲が伸びない点が心配だ」との声が出されています。
ある経済関係者の方は、「日本の景気は失速寸前の状況」と分析し、「これまでの消費税増税の時期とくらべても今回の経済状況は厳しい」と指摘しています。
こうした不安の声は、世論調査にも示されています。
9月11日12日に共同通信社が実施した全国緊急電話世論調査によると10月からの消費税10%へ引き上げられた後の経済が「不安」「ある程度不安」との答え方が81%にのぼりました。したがって、こうした状況で消費税増税を強行すれば、国民生活にも日本と世界の経済にも悪影響と混乱をもたらす事は必至です。いまからでも消費税増税は中止すべきです。
 安倍政権は、10月からの消費税増税と同時に導入するとして軽減税率、キャッシュレス決済によるポイント還元、さらに、幼児教育の無償化などで万全の対策をとったと述べています。しかし、時限的な対策のうえ、限られた方々が対象となっており、その対策も混乱と不安を広げています。どんなものにどんな買い方で8%か10%か。その混乱は深刻です。業者にとっても、軽減税率対応のレジ導入などその対応に苦悩し、対応に混乱が広がっています。プレミアム商品券についても、プレミアムがつく商品券を買わなければなりません。そんなお金をどうやってひねり出すのか。日々の生活でめいっぱいという悲鳴の声が出されています。
 第一生命経済研究所の方による試算では、消費税増税が実施された場合、一世帯当たりの負担額は、この10月からの半年で、2万円。2020年度は、4万円となり、2012年度には4万4千円、2022年度には、4万7千円と段階的に増加するとしています。
国民の負担を増やし、更なる消費不況を広げる消費税増税は、中止し、消費税に頼らない別の道を選択するべきです。

 私どもは、三つの提案で、7.5兆円の財源を確保すると共に、消費税増税を中止し、くらしに希望をと提案しています。
 第一は、大企業が大もうけし、内部留保金は、2018年度末で、なんと449兆円と過去最高を更新しました。こうした大企業に中小企業並みに税金をお願いすれば、4兆円の財源が確保できます。
 第二に、所得が1億円を超えると所得税の負担が下がります。富裕層への優遇税制を是正するなどで3.1兆円の財源が確保できます。
 第三に、米軍などへ「思いやり予算」や辺野古への新基地建設費など税金の使い方をやめれば0.4兆円の財源が出てきます。合わせて7.5兆円です。これは、消費税3%分に匹敵する規模です。
 国民生活を守り、消費不況を打開するために、全力を挙げ、奮闘する決意です。

 この意見書は、
1 今からでも10月からの消費税10%への引き上げを中止すること。
2 市民生活に混乱をもたらす消費税の軽減税率の導入を撤回すること。

「ジェンダー平等社会の実現を目指す関係法令の整備を求める意見書」

わたしは、日本共産党市議員団を代表し、議会議案第8号「ジェンダー平等社会の実現を目指す関係法令の整備を求める意見書」の提案理由説明を行います。


 だれもが尊厳をもって生きられる社会の実現を求め、男女平等、性の多様性を認め合い、性的マイノリティへの差別をなくし、尊厳をもって生きることを求める運動が年々大きくなっています。
 国際的には、あらゆる女性差別の禁止、撤廃を求める女性差別撤廃条約が国連で採択されてから、ことしの12月で40年目の節目を迎えるまでの間、世界各地で男女差別、多様な性差別をなくすための法整備や社会条件づくり、意識改革も含めた努力が積み重ねられてきました。しかしながら、2018年の世界経済フォーラムの報告では、日本は男女平等のレベルを示すジェンダーギャップ指数が149か国中110位と遅れています。そのため、日本弁護士連合会はことし1月、速やかに具体的措置、施策を講じるよう強く求める会長声明を出したほか、7月には同性婚ができないのは憲法に照らして重大な人権侵害だとして国に法改正をも求める意見書を提出しました。
 またご承知の通り、東京都議会は今年6月の定例会本会議で、「選択的夫婦別姓制度の導入を促す意見書を国に出すよう、住民が都議会に対して求めた請願」を賛成多数で可決したところです。
  本市でも、昨日16日までの10日間、「金沢レインボウィーク2019」が、関係者のご努力によって盛大に行われ、カミングアウトフォトプロジェクトやLGBTと教育、LGBTと職場を考えるシンポジウムなどが開かれました。当事者や市民、民間企業、行政、議会など幅広い参加があり、セクターを超えて、LGBTへの理解が深まったのではないでしょうか。

 この意見書では次のことを国へ求めます。
1 経済分野においては、同一価値労働 同一賃金の原則を労働関係法令に明記し、男女の大きな賃金格差を是正すること。
2 夫婦同姓を法律で義務付けているのは日本だけであり、選択的夫婦別姓を実現する民法改正を速やかに行うこと。
3 多様な家族のあり方を認め、同性婚を実現する民法改正を行うこと。
4 セクシャルハラスメント、パワーハラスメント、マタニティハラスメントなどのハラスメントに対し、ILOがことし6月に採択した労働の世界における暴力とハラスメントを除去する条約の早期の批准に向けて、ハラスメントを包括的に禁止する国内法の整備を進めること。
この意見書へのご賛同をお願いし、提案理由の説明を終わります。

「廃プラスチック対策の抜本的強化を求める意見書」

 私は、日本共産党市議員団を代表いたしまして、議会議案第7号 廃プラスチック対策の抜本的強化を求める意見書について提案理由説明を行います。

 現在、プラスチックごみによる生態系への影響が深刻化し、この問題の解決は世界規模で考えなければならなくなっています。
 本年6月に行われたG20では、2050年までに海洋プラスチックごみによる新たな感染ゼロをめざす「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が採択されたところです。
 しかし、達成目標が30年以上先であることや、議長国である日本政府の施策があいまいなことなど、環境NGOからは不十分であると指摘され、問題は山積しています。
 これまで日本は、国民一人当たりのプラスチックごみの排出量が、アメリカに次いで世界第2位です。年間で900万トンのプラスチックごみを排出し、2017年末に中国への廃プラスチックへの輸出が規制されて以降、100万トンの処理を東南アジア諸国への輸出という形で頼ってきました。
 しかし、東南アジア諸国も輸入中止にふみだすことに加え、バーゼル条約によってプラスチックごみが規制対象となったことで、国内処理が原則となりました。
 政府は緊急措置として、各自治体の焼却施設での熱回収するよう検討していますが、地方公共団体からは住民の理解が得られない」「焼却施設の負担が大きい」との懸念の声が上がっており、処理問題の抜本的な解決手段とは言えません。プラスチックごみによる海洋汚染という負の遺産を、私たちの子どもや孫の世代に押し付けぬよう、これから行うべきは、プラスチックの「大量生産・大量消費・大量廃棄」からの転換に向けた仕組みづくりが求められます。

 よって、この意見書では次のことを国へ求めます。
1. 生産の段階からプラごみ減量対策を図るために、生産者が製品の生産・使用段階だけではなく、廃棄・リサイクル段階まで責任を負う拡大生産者責任の考え方で制度を見直すこと。
2. 海へのプラごみ流出でも、現行の処理制度のどこに欠陥があるのか、徹底した調査を行い、本腰の対策をとること。
この意見書へのご賛同をお願いし、提案理由の説明を終わります。

大桑議員

私は、日本共産党市議員団を代表いたしまして討論を行います。

 わが党は上程された議案17件のうち、議案第24号金沢市会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例制定について、

議案第25号、地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の制定、

議案第31号 金沢市子ども子育て支援法に基づく特定教育・保育施設および特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部改正に反対いたします。

その主な理由を述べます。

 まず、議案第24号と議案第25号ですが、
 この条例改正は地方公務員及び地方自治法の一部を改正し、一年任用の「会計年度任用職員」という新たな仕組みを導入し、臨時・非常勤の地方公務員の大部分を移すために制定するものです。
 これには参議院、総務委員会で付帯決議がされています。
「現行の非常勤や臨時職員の移行に当たっては、状況の不利益が生じることがないよう、適正な勤務条件の確保が行われなければならない。
 又、公務の運営には任期の定めのない、常勤職員を中心にするものという事に鑑み、会計年度職員についてもこの考え方に沿う様、引き続き任用の在り方の検討を行う」よう求めたのがこの決議の趣旨です。
 しかし、本市は適用の段階で、非常勤職員の月額給与が2万円近くも引き下がるという対応がされます。期末手当が支給されるので年間支給額が確保されると説明していますが、毎月の賃金を下げることはあってはなりません。参議院総務委員会の決議の趣旨からも逸脱するものです。
 又、問題となっているのが雇用期間です。 この制度では、1年間の限定の雇用制度であり、各自治体が、任用期間の限定を1年ないし、上限5年までと定めて雇どめすることにつながるものです。  学校図書館司書など専門職の場合、10年までという点が引き続き行われるとしています。
 本来地方公務員法の傘下にあるとするならば、その法の趣旨に沿って、本来フルタイムで雇用止めしないというのが原則であり、正規雇用によってこそ、働く人々の生活を保障し雇用の安定へとつながるものです。
 このような制度の改善を図ることが大切で、地方公務員法の「無期限任用の原則」を覆すことになりますことからしても反対です。

 次に議案第31号ですが、第1条で唱っている特定地域型保育事業における基準緩和は、連携施設の確保の経過措置を5年から10年に延ばす、または不要とするなどの規制緩和です。
 もともと、小規模保育や家庭的保育などの地域型保育事業は、施設基準や保育士の配置基準が低いなど現状でも安全や保育の質が担保されていない施設です。にもかかわらず、さらなる規制緩和は認められません。
 また、第2条の幼児教育・保育の無償化に伴う副食費については、減免の対象者は保育料の対象者より広がっていますが、そもそも保育料無償化といいながら、副食費を実費徴収するというのは園にとっても負担ですし、保護者にとっても矛盾です。
 教育・子育ての切実な願いを逆手に取り、消費税増税の口実にするもので、低所得者層では「無償化」による恩恵は少なく、消費税増税分の方が、重くのしかかります。消費税を財源にせず、教育・子育ての無償化を進めるべきであり、副食費の無償化と合わせて行うべきです。

 以上で反対討論を終わります。

2019.9.12

〇就学援助制度 入学準備金について
-広田議員
質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として、以下数点質問致します。
まずは、就学援助制度の入学準備金についてです。 本市では、2018年度の小・中学校入学予定者から、就学援助費のうち「新入学学用品費」、以下「入学準備金」と呼びますが、これについて前倒しで支給がはじまりました。就学援助本体では昨年度5634名ですし、入学準備金の認定も小中あわせて1120名となり重要な制度です。 入学準備金がこれまで入学時の4月に申請をして8月の支給であったため、入学準備には間に合わず、保護者のみなさんらが求めた結果、入学前の10月の申請によって、入学前の3月に支給されるように改善がされたもので、大変喜ばれています。 まずは教育長、この入学前の入学準備金について2年目を終えてみて、受けるべきすべての方がスムーズに、制度の趣旨通りに受けられているとお考えでしょうか。

-野口教育長  
就学援助制度の支援項目のひとつでございます「新入学学用品費」につきましては、入学後の申請に加えまして、入学前の申請におきましても支給可能となりますよう、機会の拡大を図っております。毎年新たに小学校1年生や中学校1年生となる全ての児童・生徒に対しまして、制度案内のチラシを配布しておりますほか、あらかじめ入学前には全ての幼稚園また保育所等への案内、また適宜、新聞・テレビなどを通じた周知に努めているところでございます。「新入学学用品費」を必要としている方々につきましては、申請をすることで基準に該当する方々には支給されているものと考えています。

-広田議員  
制度の周知につきまして、多方面で取り組んでいただいている様子がご報告されましたけれども、主旨通りに受けられているのか、スムーズに受けられているのかという点で、そうではない実態がわかりました。入学準備金の認定基準と、4月からの就学援助制度の認定基準が異なることがわかりました。これによって、のちに述べますが、特に小学校入学の場合に問題が起こっています。 小学校の認定基準については、4月からの就学援助制度では、入学する子どもの年齢を6歳とした基準ですが、入学前の入学準備金については5歳で計算しています。これは過去の生活保護基準を用いており、本市の場合、5歳と6歳で月に7000円もの差があり、認定基準では20万円以上もの差となることがわかりました。 このことによって問題は大きく2点挙げられます。
ひとつは、入学前に5歳の基準で「否認定」となった方が、あきらめて4月の「就学援助」本体の申請をしていないかもしれない、という問題です。 今年度の数字で言えば、小学校477名が入学準備金を申請し、うち66名が「否認定」。つまりこの66名は、6歳の基準であれば「認定」をされる可能性が残されているのですが、実際は4月には20名の方しか申請していません。この20名のうち7名は認定をされましたが、申請もしていない残りの45名はあきらめてしまったかもしれません。「否認定」を告げるハガキの文面にも4月の申請について掲載はありますが、とてもわかりにくいです。この問題について、教育委員会は「あくまでも申請主義だから仕方ない」と言うのかもしれませんが、一度は申請を行い制度を利用する意思を示しているのに、制度の複雑さからその意思が活かされないのは制度上の問題ではないでしょうか。

-野口教育長
 就学援助制度につきましては、支給を希望する方々からの申請に基づきまして、毎年度、申請があった年度の世帯の構成や年齢、また所得金額、この対象は制度上前年度となりますが、これらをもとに認定をするものでありまして、入学前支給が「否認定」となった場合でも、入学後の申請において「認定」となる場合がある旨を、あらかじめ入学前の支給に関するチラシまたホームページ等で周知しているほか、認定・否認定の認定結果をお知らせする通知書にも記載をしているところであります。

-広田議員  
年度ごとに基準を変えており、4月にも認定をされる可能性があるので促してはいるようですけれども、実際、今年度でも45名が申請すらしていないという結果が明らかに出ているわけですし、ハガキの文面やインターネットの情報など私も保護者の方に読んでもらいましたが、やっぱり「理解がしづらい」というお答えをいただいています。 さらにもうひとつ問題なのは、入学前は認定されなかったけれど、今年度4月の申請をして認定された7名は、入学前も仮に6歳の基準で計算されていれば、入学前の3月に入学準備金の支給がされていた方といえます。入学準備金前倒しの趣旨を生かすためにも、入学前も6歳で計算をするべきだと考えますが、いかがでしょうか。

-野口教育長  
就学援助によります支援は、先程お答えしました通り、毎年度、申請があった年度の世帯の所得額また家族の構成や年齢等を基に認定するものでありまして、支援項目のひとつであります「新入学学用品費」の入学前支給につきましても私は同様であると思っております。従いまして、現行の取り扱いを守るべきであると私は思っております。

-広田議員  
年度の年齢にこだわっているようですけれども、入学後も6歳と7歳は混在をしているということもありますし、入学前も6歳になっている方もいるわけです。さらに、県内でも6歳で計算している自治体があります。そして文部科学省の担当者も6歳が本来の主旨に基づく計算基準だろうと言っています。本市では「子どもの貧困対策」を高らかに掲げながら、このようなところでかたくなな姿勢をとる必要はないと私は考えます。さきほどお話した、申請をあきらめたかもしれない45名のような方を来年度も生み出してよいのか、どっちみち受けられる方が4月を超えないと受けられないという事態を招いても仕方ないというふうに教育長がお考えなのか、再度ご答弁をお願いします。

-野口教育長  
本来受給される方がしっかりと受給されるように、周知徹底をしっかりと図ってまいります。

-広田議員
変えないということなのでしょうか。私はこうした、行政の都合で子どもの貧困を容認している状況は認められないと感じます。今ある制度を多くの方に利用していただく、これが私は子どもの貧困を解消するまず第一歩だというふうに思います。入学準備金は入学前にもらってこその制度ですし、申請をあきらめさせるような制度の矛盾も解消すべきです。よって、6歳で計算するよう引き続き求めますし、来年度入学の方の申請状況もこれから調査していきますので、ぜひともよろしくお願いいたします。

 〇保育の無償化、副食費徴収

次に幼児教育・保育の無償化について伺います。
10月からの保育料無償化については、必要な施策ではありますが、待機児童や保育士の処遇改善も急ぐべきです。さらに、無償化は教育・子育ての切実な願いを逆手に取り、消費増税の口実にするものです。保育料はすでに所得に応じて段階的になっており、低所得世帯では「無償化」における恩恵は少なく、逆進性がある消費税増税分が重くのしかかるという問題が発生します。消費税を財源にするのではなく、応分負担の原則で税金の集め方を見直し、福祉に使うことが必要です。
さて、目前にせまった無償化ですが、すべてが無償になるのではなく、副食費を除いての無償化であり、保護者も驚いています。さらにその副食費は、園ごとに料金を設定し、園ごとに集める仕組みとなっており、いまでも多忙な保育所に、給食費の徴収業務まで加えるのは問題です。保育園や保護者に与える影響についていくつか伺います。
まずは、副食費の徴収にあたっては、既存の保育料との逆転現象を危惧する声があります。国は、逆転現象は生じないと唱っていますが、本市ではどうなるのでしょうか、石川県とともに多子世帯保育料無料化事業により独自に保育料を無償化していますが、その部分においても逆転現象は生じないのか、あきらかにしてください。

-山田福祉局長  
副食費につきましては、これまでも保育料の一部として保護者にご負担をいただいておりますが、幼児教育・保育の無償化におきまして、本市におきましては国に準じ生活保護世帯やひとり親世帯の他、年収360万円未満の世帯を免除することとしています。結果として、これまでの保育料より高くなる世帯はございません。
なお、石川県の多子世帯保育無料化事業の対象者につきましては、県の方からは適切に対応するというふうに聞いております。本市としてもこれに基づき対応をしてまいります。

-広田議員
市としては逆転現象が起きないよう配慮するということが確認できましたし、県も適切な対応をするということで、ぜひ期待をしたいところです。
それでは、園の負担はどうなるのでしょうか。というのも、国は、副食費の実費徴収によって市町村が保育料などに払う3~5歳児1人当たりの基本的な運営費から5180円を削除する案を8月末に示しました。しかし、これまで国は実費相当額を4500円としており、4500円がひかれると思っていた保育現場では混乱が生じています。運営費が減るので園は苦慮しており、4500円から値上げする園もでています。こうなれば保護者の負担が増えることにもつながります。 そこで、今回突然削減されることになった5180円と副食費の実費徴収の目安とされた4500円、この差額約680円を市が補助するべきではないでしょうか、伺います。

-山野市長  
本市の金沢市立保育所における副食費につきましては、食材料費として実際に支出している金額を基本に月額4500円としたところでありますが、私立の保育施設においては各施設が個別に金額を設定するところであり、ご指摘の差額について補助することは考えてはおりません。

-広田議員  
私立の保育園であれば、料金設定でその差額の穴埋めができるのではないかということかもしれませんけれども、ただ、園の料金設定ではどうにもならない部分もあるということはお分かりかと思います。年収360万円以下の世帯等は副食費が減免されるわけですが、徴収免除加算というものは4500円のみです。いくら副食費を5000円と園が設定したとしても4500円しか加算されないのです。差額の680円はあきらかに園の負担です。これは制度矛盾ではないですか。市がその差額を補助するつもりもないでしょうか。

-山野市長  
副食費の免除に係る取り扱いにつきましては、国の制度に準じて行うこととしており、現時点で差額を補助することは考えてはいません。ただ、保育施設側の負担が増えることも想定され得ることでもあります。各保育施設の副食費の設定状況を確認するとともに、今後、保健・保育関係者の意見も聞いて行きたいと思っています。

-広田議員
ただでさえ園は経営に四苦八苦しながら人手不足の中でも頑張っているわけです。その中で突然示された5180円に、本当に今混乱が広がっています。ぜひ実態調査と、さらなる市からの補填をお願いしたいと思います。
そして、そもそも食事代だけを無償化から除外した背景には、自宅でも食べるのだからといった安易な発想があります。しかし、食事も子どもの成長にとって大事な保育の一環です。国の保育の無償化によって、ほとんどの自治体で、これまで保育料減免に使っていた財源が浮きます。こうした財源も活用して、自治体がさらに副食費の減免を拡大したり、主食への支援をしたりするなど保育の充実に向けた対応をとっていただきたいと思いますがいかがですか。

-山野市長  
今回の幼児教育・保育の無償化に伴い、私立の保育施設の保育料に係る市費持ち出し分の一部が不要となりますが、金沢市立保育所の保育料無償化分についてはその全額を市費で賄うこととなるほか、幼稚園や認可外保育施設などにおける保育料・利用料の無償化に係る費用が新たな負担となるところであります。無償化の影響額につきましては、財源も含め通年ベースとなる明年度以降の推移を見る必要があると思っており、現時点で本市独自で免除をするところまでは考えてはいません。

-広田議員
公立保育園については地方自治体が補わなければならないということにも、大変混乱が生じていますけれども、金沢市は公立保育園も少ないですし、認可外で無償化の利用をするという方も多くはないというふうに聞いております。ぜひとも財源を適切に使って、副食費の減免拡大や主食への支援を引き続き求めたいと思います。
そして、国にもやっぱり声をあげるべきだと思います。今回の副食費の実費徴収化と、それにともなう運営費削減は、改悪とも言えます。消費税があがる中で、ますます保育環境が厳しくなっています。そこで突然の運営費の削減まで打ち出しました。国に対して副食費の実費徴収と運営費削除はやめるよう、市長から求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

-山野市長  
幼児教育の負担軽減を図るという少子化対策、生涯に渡る人格形成の基礎を担う幼児教育の重要性から、幼児教育・保育の無償化は必要な施策であると考えています。なお、副食費の徴収に当たりましては、保育料を無償とする一方で食材費の実費のみを保護者に負担していただくもので、併せて低所得者世帯への配慮もなされており、国に対して取りやめを求めるつもりはありません。

-広田議員  
これまで述べてきたとおり、運営費の大幅な見直しによって5180円が引かれるわけです。これによって園の経営も大変厳しくなりますし、それをカバーするために保護者に副食費を値上げしてお支払いいただくということも起こる可能性もあるわけです。こんな中身では、何のために無償化をしているのかわからないといった声も現場ではあるわけです。ぜひとも国に言っていただきたい、そう思います。
10月からの消費税増税で市民の、そして園の負担も大変増えるわけです。しかしその痛みを国は社会保障に充てると言ってきたわけです。でも結局は、地方や市民にしわ寄せがきている。市長は一自治体の長として市民のくらしを守る立場にありますから、ぜひ国に対して声をあげてほしいと思いますし、先程おっしゃっていましたけれども、施設側が無償化によって大変苦労しているという実態も調査していただくよう求めて、次の質問へ入ります。

〇自衛隊への名簿提供問題

-広田議員  
最後に自衛隊への名簿提供問題について伺います。 先の6月議会、これまで閲覧を認めてきた自衛隊への18歳の情報について、今度は電子媒体で提供すると市長が表明したことに、市民は驚き、疑問を抱いています。 そこでいくつか伺います。
まずは、自衛隊法ならびに自衛隊法施行令120条は、自治体からの名簿提供に関しては「防衛大臣は…都道府県知事又は市町村長に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる」(120条)としているだけです。自治体は名簿提出の要請に応じる義務はありません。2月に岩屋防衛大臣も「法令を変えて強制する考えは当面ない」とまで言っています。自治体は、自衛隊の名簿提出の要請に応じる義務はないこと、まず市長、この点は共通認識でよろしいですか。

-山野市長  
国会でもそういう答弁がなされているということは、私も理解しているところであります。

-広田議員  
大前提として、自治体には自衛隊への名簿提供に応じる義務はないということは、市長とも共通認識であることはわかりました。 さらに、これまでの「閲覧」から「提供」となると法律に反しているとも言われています。それは、住民基本台帳法はあくまでも「閲覧」の規定しかなく、「提供」の規定はありません。6月の市民福祉常任委員会でも、市民局長はこの点はお認めになりました。
本市は個人情報保護条例24条の「目的外利用」の制限の特例を根拠にしようとお考えですが、あくまでも自衛隊にお渡しする4情報は住民基本台帳から引っ張ってくるものです。「提供することができない」とする住基法に違反する形で行う限り、正当な行政執行とは言えず、条例にも違反することになるのではないでしょうか。

-山野市長  
対象者情報の提供は、法定受託事務として行うものであります。違法ではありません。かつ、金沢市情報公開及び個人情報法に関する条例第24条第1項第2号の「法令等に定めがあるとき」に該当するものとして行うものであり、同条例に基づく適正な取り扱いでありますことから、条例違反にも当たりません。

-広田議員  
先程は個人情報保護条例についてやり取りがされていたわけですけれども、その条例に従って提供しようとしたとしても、元々持ってくる情報は住民基本台帳にあるものであり、そこには閲覧しか規定がなく、どこを探しても提供という言葉はないんです。認められていないのに、条例を使えばなぜできるのか、条例にも反するのではないかとお聞きしているのですが、再度いかがでしょうか。

-山野市長  
閲覧は転写させることで、その写しを提供することが前提の制度であります。金沢市は4000名を超える該当者がいらっしゃいます。その該当者の名簿を提供するということは、私は違法ではないというふうに思っています。条例違反でもありません。

-広田議員  
転写させることで提供ならば、なぜ今まで転写していたのかということにもなるわけですけれども、あきらかに法の解釈の拡大だというふうに考えます。しかも調べる中で、過去には重大な問題が起きていたこともわかりました。
2000年に遡りますが、石川地方協力本部と石川県が「自衛官募集事務の手引き」を作成し、市町村が行う募集業務に「適齢者情報の提供」をあげ、「氏名、住所、生年月日のほか、世帯主との続柄および世帯主氏名のほか、職業、健康状態、技術免許など」を含んでいたことが2003年にあきらかとなりました。2003年当時の県議会で、12市町で世帯主関連の情報を含めて提供していることがわかりました。県は、適切さを欠くということで謝罪までしていますし、国会でも大きな問題となり、全国で320以上の都市で同様のことが起こっていたことも明るみになったのです。中には無職者の情報を抽出して出していた自治体もあります。
まずは、当時金沢市はどのような対応をしたのかあきらかにしてください。

-長谷市民局長  
当時の自衛官募集に関する資料は現在保管しておりませんが、本市におきましては住民基本台帳法上、可能な範囲で閲覧に供していたものと考えています。

-広田議員  
証拠が残っていないですから、今の「可能な範囲での閲覧」というのも推測の範囲だと思います。手引きについては若干、この謝罪を受けての修正はありましたけれども、石川県の行政情報センターですか、資料のあるところに公開をされて、私も写してまいりましたけれども、ぜひこの点は引き続き、どういう対応をしたのか、私はここで金沢市の法的な解釈が問われると思いますので、引き続き調査をしていただきたいと思います。
そして、少なくとも2000年に作られ2003年まで各自治体がそれに従っていたとすれば、金沢市もその手引きを容認していたということになります。当時、県は謝罪をしましたけど、現時点で市長は2003年当時の、この個人情報の大変繊細なところまで提供しようとしたこの手引きについて適切ではなかったという認識はありますか。

-山野市長  
当時の手引書につきましては、県当局で市町村に情報提供を要請したことは適切さを欠いた内容であったと県議会で発言されたという記録があります。
金沢市といたしましても同様の認識であります。

-広田議員  
今市長は、金沢市としても同様の認識、適切でなかったとおっしゃっていますけれども、当時の2000年から2003年、自衛隊そして石川県が一緒に手引きを作成し、市町村を指導するというような立場でこの間違ったやり方が進められてきたわけです。その3年間に市町の行政の誰もが疑問に思わずもしやってきたのであるとすれば、大変重大ですし、なぜこのようなことが起きたのかということを振り返ってみれば、やはり法的根拠がないこと、これに尽きるのだと私は思います。
行政と自衛隊が法的根拠の無さを背景に、一緒になって解釈を拡大し独り歩きをさせた。歯止めなくこのような動きが広がったことは、私は行政として教訓化すべきだと思いますし、その当時市民にも大変ご迷惑をおかけしたのですから、反省のうえにたって業務を行うべきと考えます。 名簿を提供する法的な根拠はありません。そして法的根拠がないがゆえに、こうした手引きによって不適切なこともおかしていた。
今般、全国でも名簿提供の拡がりを見せていますが、安倍首相が自治体の裁量権があるにも関わらず強引な姿勢を見せたことが発端だと考えます。時の権力者や自治体の長によっては、歯止めがなくなる恐れがあることを今でも教訓化できるわけです。 再度確認ですが、これは自治体の判断でやってもやらなくてもいいものです。それらのことを踏まえれば、市長が表明した電子媒体での提供は撤回するべきですが、いかがですか。

-山野市長  
法律にそったものであります。条例にそったものであります。そこはしっかりと共通認識を持っていかなければならないというふうに思っています。先の議会の答弁を撤回するつもりはありません。

-広田議員  
法律や条例の解釈、これについては過去にも県が拡大解釈していたということもあるわけですから、国がいくら良いと言ったからといって、私は市民の立場に立って、認めるわけにはいきません。そこは平行線だと思います。そうなればやはり、自治体の裁量権、地方自治権というものをしっかり活かしていただきたい。
市長がやるべきことは、市民一人ひとりの人権と個人情報を守ることです。個人情報は、当然ですが本人のものであり、市長のものではありません。お預かりしている大切な情報について、市長の個人的な思いで決めないでほしいというのが市民の願いです。撤回されないと表明されましたが、すでに市民からは知られたくないというお声が届いています。そうしたご本人の気持ちや人権というものはどうなるのでしょうか、教えてください。

-山野市長  
法律や条例に基づいて行っているところであります。ご理解をお願いいたします。

-広田議員  
ですからそこは平行線ですね。市長の、市民の個人情報を守る決意をお聞きしたかったんですけれども、大変残念です。
守るのであれば、自衛隊に名簿を渡すのではなく、まずは法的条例の根拠もないのですから、その辺をもう少し整理されて、市民に堂々と説明できる状況になってからでも遅くはないのではないでしょうか。法的な根拠もない、知られたくない市民もいる、私は撤回すべきと考えます。 あと、さきほど触れました2003年当時の市の対応、これは大変貴重な対応だと思いますので、どうだったのか引き続き調査を行い、市民に明らかにするよう求め、質問を終わります。

2019.9.11

私は、日本共産党市議員団の一人として以下質問いたします。

最初に、豚(トン)コレラの広がりと対策についてです。
昨年9月、岐阜市の養豚場で豚コレラ感染が判明しました。国内で豚コレラが発生したのは、26年ぶりとのことですが、1年が経過しても封じ込める事ができず、拡大する事態となっています。
 豚コレラは、豚やイノシシなど特有の家畜伝染病で感染力が強いため、発生した場合、豚の殺処分をせざるを得ません。現在、愛知、岐阜、三重、長野、福井、大阪、滋賀の1府6県で発生し、約13万頭の豚が殺処分する事態となっており、過去最大規模の広がりとなっています。この豚コレラが広がる主な要因は、野生のイノシシとみられていますが、イノシシへの感染が石川県でも4例が確認され、いよいよ本県への感染が広がるのではないかと関係者に深刻な影響をもたらしています。
 こうした中、7月25日、全国知事会が被害の拡大を受け、「国家レベルでの危機事案」だとして「あらゆる手段を行使し一刻も早い事態の終息を図る」よう求める緊急提言を行いました。
 豚コレラ対策として豚へのワクチン接種が効果的ですが、農水省は、実施すると国際機関が認定する「清浄国」復帰に時間がかかることをあげ、慎重な態度をとってきました。こうした中、日本養豚協会をはじめ、主要な養豚県の養豚団体や養豚にかかわる獣医師会など関係団体から、地域を限定した緊急ワクチン接種を行うよう求める意見が相次いでいます。

 市長。本市には、養豚業者がおりませんが、県内では、15の養豚業者が2万2千頭を超える豚を飼育し、本市に隣接する富山県南砺市では4つの養豚業者が1万頭弱の豚を飼育しております。豚コレラ対策は、死活的問題です。
 市長は、今回の事態をどのように受けとめておられるのか。まず、伺います。
 県は、9月補正予算に3億円を計上しました。その内容は、養豚場ネットへの助成、ワクチン散布の拡大、イノシシの捕獲おり設置の倍増、捕獲したイノシシの埋設費用の助成、検査体制の強化などを打ち出しています。
 本市の9月補正予算では、この豚コレラ対策は見当たりません。いったい本市は、何もしないのかと問われます。市長の見解を伺います。

 私は、先の6月市議会でイノシシ対策強化を求めました。その中でもイノシシが急増し、本市において昨年一年間で捕獲されたイノシシは1700頭にのぼっていることが明らかにされました。捕獲されたイノシシの多くが土の中に埋められています。
 豚コレラの拡大に野生のイノシシが主要な要因としていることから本市として野生のイノシシに対する対策が求められています。いまだ、本市では、経口ワクチンの散布は行われていません。
 野生のイノシシを捕獲した後、豚コレラ感染の検査体制も十分ではありません。
 市長。必要な対策について今後どのように取り組まれるのか明らかにしていただきたいと思います。国や県に対して、しかるべき対策の強化を求めるべきと考えますが、その見解を伺います。

 質問の第二に、本市のガス事業、発電事業についてです。
 去る8月28日第3回本市ガス事業・発電事業あり方検討委員会が開かれ、「ガスと発電を一体で民間企業に譲渡するのが望ましい」との答申する方針が了承されたとのことです。今後、9月下旬に民営化の時期などを審議し、年内に市長に答申するとしています。
 この6月にこの委員会を立ち上げ、「今後の経営形態のあり方」について、諮問したのは、市長。あなたです。そこで、市長に伺います。

 第一に、本市ガスと発電事業の歴史とその役割について、どのように考えらおられますか。
 本市ガス事業は、1908年明治41年に金沢電気瓦斯株式会社によって創設され、1921年大正10年に本市がガス事業を引継、約100年間の歴史をたどってきました。現在、供給戸数約6万戸となり、市民生活や都市活動に欠くことのできないエネルギーを供給しています。
 電気事業は、1921年大正10年以来、犀川と犀川水系の内川に5ヶ所の水力発電所をもち、約100年間にわたって、継続されてきました。全国では、市レベルとしては、唯一の市営の発電事業を行っているとして特徴ある事業となっています。
発電された電力は、全量、北陸電力に売電し、一般家庭約4万世帯分に相当する電力を地域に供給しています。
 ガス事業、発電事業は、いずれも100年間近くにわたって、様々な困難を市民と本市職員が知恵集め、共同の力を発揮して運営されてきたものです。安全で安定したエネルギーを安価な料金で市民に提供する公営事業として市民から理解と支持を得てきたもので、まさに、本市の財産であり、次の世代に引き継ぐべきものです。
 市長。あなたの手で、払い下げや売り渡すなどあってはならないと考えますが、市長の見解を伺います。
 
 第二に、市長は、第1回検討委員会のあいさつの中で、「国の施策、方針等により、ガスや電気の自由化が進んでいる」と述べると共に、「当然金沢の地域事情というもののあるので、これらを勘案してこれからの在り方をご議論いただきたい」と述べています。
 市長。検討委員会では、市長が述べた「金沢の地域事情」は、どのように議論がされたのでしょうか。
先に述べたようにガス事業も発電事業も100年間にわたって、市民生活や都市活動に欠くことのできないエネルギーを供給してきました。
検討委員会は、3回の議論で、ガス事業と発電事業を一体となって、民間企業に譲渡するのが望ましい」との答申する方針が了承されたとの事ですが、これでは、北陸を代表する電力会社などに払い下げる、売り渡すという結論ではないですか。
市長。民営化との結論が先にありきで、諮問されたのですか。伺いたいと思います。

 公営企業管理者に伺います。
 第一に、本市のガス事業、発電事業の現状について、経営はどのような状況か、見解を伺います。
 本市ガス事業は、平成22年度熱量変更に伴う設備投資などで累積欠損金が120億円までふくれあがったが、単年度収支で8年連続黒字となり、累積欠損金は、58億7千万円に減少しています。
 発電事業は、企業局自ら「財政状況は健全な水準となっている」としています。
 第二に、本市企業局は、2016年に今後10年間にわたる経営戦略方針を打ち出しています。その中では、ガス、水道、公共下水道、発電、工業用水の5つの事業について、地方公共事業として「公共の福祉の増進」を本来の目的に経済性の発揮に努めながら、事業の持続的な成長発展に努めてきたとして、今後もさらなる努力をするとしています。
 いずれの事業についても民間企業に譲渡するなどは全くふれていません。いったい、いつから企業局はガス事業、発電事業について民間企業に譲渡するとの方向に舵を切ったのですか。誰かのご指示があったのですか。それとも、忖度が働いたのですか。見解を求めるものです。

質問の第三に、本市における会計年度任用職員の導入について伺います。

 2017年5月、地方公務員法と地方自治法の一部改正が行われ、会計年度任用職員制度が導入することとなり、これによって、非常勤職員と臨時職員の採用・労働条件が変わることとなります。
 国は、この制度の導入にあたって、全国で、約64万人にのぼるとされる非常勤・臨時職員の任用形態や労働条件がバラバラな状態を整理するためだとしています。働き方改革を掲げる安倍政権のもとで、この制度が国や地方自治体で進められている非正規雇用をさら拡大し、働く方々の労働環境の改善につながらないのではとの指摘があり、問題の解決が求められています。
 地方公務員法では、「任期の定めのない常勤職員を中心とする公務の運営」が原則となっています。ところが、正規職員で行うべき恒常的な行務を非常勤・臨時職員が担い、その拡大が全国的に広がってきました。こうした非正規職員の拡大を進めてきた国の責任が問われているにも関わらず、この制度の導入は、こうした非正規雇用を合法化し、さらなる拡大につながりかねません。

 市長。本市において、この制度を来年4月から導入するとして今議会に条例制定と条例改正が提案されました。導入にあたって、基本的な考えを明らかにしていただきたいと思います。
 第二に、問題となっているのが、雇用期間です。この制度では、1年間の限定の雇用制度であり、各自治体が、任用期間の限定を最長1年ないし、5年間と定めて雇止めすることにつながるものです。本来、フルタイムで雇用止めなしというのが原則であり、正規雇用によってこそ、働く人々の生活を保障し、雇用の安定へとつながるものです。
 市長。本市職員の現状を見ると、正規職員が3241人と全体の7割で、非正規職員が1328人と全体の約3割となっています。非正規職員の雇用期間は、1年間、再雇用は5年。学校司書など一部の専門職に限って、10年間です。臨時職員は、時間給のパート採用です。正規職員と同じような仕事をしながら、賃金が低く、期末手当もなく、雇用期間の制限があり、改善を求める声が広がってきました。
 市長から、今回の会計年度任用職員の導入にあたって、現在の非常勤職員、臨時職員が会計年度任用職員として全員が採用されるのか。フルタイム職員、パート職員の採用はどのようになるのか。賃金や、雇用期間などの労働条件は、改善されるのか明らかにしていただきたいと思います。

 具体的に伺います。
 第一に、賃金についてです。今回の会計年度任用職員の導入によって、月額賃金が引き下がるというのです。現在の非常勤職員の場合、月額15万6,800円。これが会計年度任用職員の導入によって、月額13万9500円と1万7,300円さがります。学校司書は、現在、月額16万8,100円ですが、会計年度任用職員の導入によって、月額15万2,100円と1万6,000円さがります。期末手当が支給されるので年間支給額が確保されるとの説明ですが、毎月の賃金を下げることはあってはなりません。説明を求めます。
 第二に、臨時職員についてです。
この勤務形態がなくなり、週29時間勤務の会計年度任用職員となります。現在働いている方々がすべて会計年度任用職員となるのか明らかにしていただきたいと思います。
 第三に、期末手当が支給されるとのことですが、勤務時間が29時間以上の方が対象だとしています。適用対象とならない方に対して、何らかの対応がとれないのか。伺います。
 第四に、休暇についてです。有給の夏季休暇として5日支給や、年次有給休暇、産休、育児休暇制度は、どのようになるのか明らかにしていただきたいと思います。また、育児休暇をとっていた場合、採用継続が打ち切られることはないのか伺います。以上の点について、答弁を求めるものです。

 質問の最後に、鳴和台市民プールでレジオネラ属菌が検出された問題です。以下、この細菌と呼びます。

 市からの説明によると去る7月5日、鳴和台市民プールで水質検査が行われ、その結果が、7月23日報告され、プールの横に設置されている低温槽からこの細菌が検出されたとのことです。その値が、国の定めた指針の240倍にのぼったことから、直ちに、プールの使用を中止し、低温槽の清掃、配管の化学洗浄、濾過機の高濃度塩素消毒を行ったとのことです。その結果、水質調査を再度行った結果、正常値となり、8月6日プールの使用を再開したと言うのが市からの経過説明です。

 厚生労働省は、公衆浴場や旅館等における循環式浴槽のこの細菌の防止対策について、「マニュアル」を明らかにしています。その中で、この細菌は、環境細菌であり、水温20度C以上の人工環境水で生息し、増殖するとしています。この細菌を吸入する事によって、気道感染症であるレジオネラ肺炎の発症例が報告されているとしています。したがって、厚生労働省は、循環式浴槽水、シャワーなどが汚染されないようこの細菌対策マニュアルを明らかにしたものです。

 今回、鳴和台市民プールでこの細菌が、国指針の240倍が検出されたわけですが、その原因は、どこにあったのか。明らかにしていただきたいと思います。
第二に、鳴和台市民プールでは、厚生労働省が示している「この細菌対策マニュアル」にしたがって、管理・運営が行われていたのか明らかにしていただきたいと思います。
第三に、鳴和台市民プールに対し、平成15年10月3日付で、金沢市保健所所長名による、この細菌対策として必要な改善を求める通達が出されています。保健所は、どんな改善を求めたのか明らかにしてください。そして、施設側はどんな改善を行ったのか答弁を求めます。

-山野市長
30番森尾議員にお答えをいたします。

まず、豚コレラのことについて何点かお尋ねがございました。ご指摘ありましたように、本市と接する南砺市や白山市において、豚コレラウィルスが確認されたことで、いつ本市に感染が拡大してもおかしくない状況であるという認識、危機感を持っています。市内に養豚農家はいませんが、消費者はたくさんいます。

 本市では国・県と連携を密にしながら、市民に正しい情報提供を行うなど、適切に対応をしているところであります。養豚場での発生防止のために、水際対策はもちろん、県レベルを超えたより広域での対策を強化し、1日も早く豚コレラが終息することを願っており、市としてなし得る限りの対応をしていかなければいけないと思っています。

 この9月の補正予算に豚コレラ対策の経費が見当たらないということであります。国が定めた豚コレラに関する「特定家畜伝染病防疫指針」では、都道府県が具体的な防疫措置を実行し、市町村は都道府県の行う防疫措置に協力することとされています。
 このため、対策に要する経費につきましては基本的には県が財政措置を講じることとなっているところであります。今後、本市として独自の対応が求められる事態が生じれば、適切に対応してまいります。
 本市でも経口ワクチンを散布すべきではないかということでした。経口ワクチンの散布は、養豚農家への感染を防ぐことが何より重要であるとの考え方を基本とし、養豚場の有無、感染した野生イノシシの生息状況などを考慮しながら、県が国と協議のうえ最も効果的と思われる散布場所や個数、時期などを決定しており、県からは現在のところ本市での散布は予定していないと報告を受けているところであります。

 なおこの件につきましては先般、石川県市町会におきましても中西副知事の方からご説明を受け、我々の声も聞いていただいているところでありますし、県の部長さんも市長室にお越しいただいて丁寧なご説明をいただき、我々の意向もお聞きいただいているところであります。しっかりと県と連携をさせていただいているところであります。
 昨年9月の岐阜県での発生以来、県とは連絡を密にし、情報を共有しながら対応に当たっているところであります。また国に対しても、すでに全国市長会を通じ、一刻も早い事態の収束を実現することを要望しており、今後とも必要に応じ対策の充実を求めてまいります。


 次に、ガス事業・発電事業のことについてお尋ねがございました。

 森尾議員からご指摘がありましたように、本市のガス事業・発電事業は今日まで、100年になんなんとする歴史があります。都市ガスの安定供給、電力の地産地消を通して、市民生活や産業活動の発展に貢献してきているというふうに思っています。
 特に東日本大震災以降、電力の地産地消ということが全国的な課題になっておりますが、そんな意味では金沢市は100年前から電力の地産地消、さらには東西のエネルギーセンターも含めますと、私は相当エネルギーの地産地消ということに取り組んできたと思っています。尽力されてきた先人たちに心から敬意を表したいと思っています。
 ただここにきて、事業を取り巻く環境が大きく変化しています。ガスの全面自由化、電力の全面自由化も国の方針として決定されたところであります。将来に渡って充実したサービスを提供していく、市民のみなさんにそういうサービスを提供していくためには、エネルギーの自由化、また人口減少というものもなかなか避けては通ることのできない時代になってまいりました。その進展が事業に及ぼす影響等々を、ここは見極める時期に来ているというふうに思っています。
 そんなところから、今後の経営形態の在り方について検討委員会にお諮りをさせていただいていたところであります。検討委員会で申し上げた金沢の地域事情とは、ということです。
 まずひとつには今ほど申し上げました、なんといっても100年の歴史があるということ、先人達のご尽力がある、そのことに対する敬意というものが一番であります。
その次に、ガス事業における家庭用需要の大幅な減少ということも地域事情であります。
3つ目には、発電事業における水力発電の新増設が困難であるということであります。特に2番目3番目のことにつきましては、なかなか展望が開けない事業であるというふうに思っています。
 そんな中で職員は懸命に努力を重ねてきていただいているところではありますけれども、やはりここは市民にとって望ましい今後の経営形態というものを今一度、先程申し上げました時代の流れも踏まえて考えていかなければならない。そして論点としては、地方公営企業として事業を行う今日的意義、さらには市民にとって最も有益な経営形態とはどんなものであるのか、この2つの論点を中心に検討が進められているところであります。

 会計年度任用職員のことについてお尋ねがございました。

基本的な考え方ですけれども、今回の改正は、地方行政の重要な担い手となっています非常勤・臨時職員の適正な運用・勤務条件を確保するため新たに一般職の会計年度任用職員制度を創設し、任用・服務規程等の整備を図るとともに、特別職非常勤職員及び臨時的任用職員の任用要件の厳格化を目的としたものであると認識しております。
 また、会計年度任用職員は一般職となりますことから、職務給の原則、均衡の原則等を定めた地方公務員法の適用を受けることになります。
 会計年度任用職員は、今ほど申し上げましたように地方公務員法上の非常勤の職であり、本市においては原則として正規職員の補助的業務を担い、短期間の雇用を前提とした職でありますことから、正規職員として任用することは予定をしておりません。
 現在任用されている非常勤・臨時職員の職のことについてお尋ねがございました。
現在本市で任用されている非常勤職員につきましては、再度の任用を原則5年間認めており、その期間が満了に至らない職員については、勤務実績の評価と面接による選考を行い、会計年度任用職員として任用することを予定としているところであります。
 一方、臨時職員につきましては、雇用期間が1年以内であり、改めて会計年度任用職員の試験を受けていただくことになります。なお、給与等の勤務条件につきましては、常勤的会計年度任用職員に新たに期末手当を支給するほか、仮に報酬が減額になった場合であったとしても、年収ベースで現給を保障するなどの措置を講じることとしています。

 鳴和台市民プールの安全対策について、原因についてお尋ねがございました。

 低温層の配管系統の中に生物膜が生成され、その中に大量のレジオネラ属菌が発生した可能性が考えられますが、検査機関からは「外部から持ち込まれた可能性もあるため、原因の特定は困難である」とご報告を受けています。
 厚生労働省が示している対策マニュアルのことについてお尋ねがございました。施設管理者として厚生労働省の遊泳用プールの衛生基準に基づいて、衛生管理業務を行ってきたところであります。ご指摘の厚生労働省の対策マニュアルにつきましては、努力義務であると認識しておりまして、定期的な検査でも基準に適合をしてきましたことから、通常の管理で支障がないと判断をしてきたところであります。
 しかしながら、レジオネラ属菌が検出された低温層のほか、中温層及び高温層については、今後厚生労働省の対策マニュアルを参考にした管理に改めるほか、設備の機能や運用等についても早急に改善をしていきたいと考えています。
 抜本的な対策、循環式を完全冠水方式にする等の抜本的な対策が必要ではないかということでございました。鳴和台市民プールは、元々は東部環境エネルギーセンターにおける燃やすごみの焼却熱の有効利用を前提とした循環方式のプールでありました。そういう発想からあの地で作られたプールであります。
 ご提案の、完全冠水方式への切り替えなどには大規模な施設改修も伴いますことから、今ほど申し上げました、この地で立地をされたという経緯を踏まえますと、私はなかなか難しいのではないかというふうに考えています。

-平嶋公営企業管理者
 ガス事業・発電事業の経営実態の認識についてご質問がありました。まずガス事業につきましては現在利益を計上しておりますが、過去に行いました熱量変更事業により生じた多額の累積欠損金や企業債残高を抱えていることに加え、人口減少や自由化の進展に伴う競争の激化によりまして、さらに家庭用需要が落ち込むことで、売り上げが減少していくことが見込まれます。
また発電事業につきましては現在のところ経営は安定しておりますが、ここに来まして売電価格の指標となる卸電力取引所におけます取引価格が低下傾向にあること、また電力会社との売電にかかる長期契約終了後は一般競争入札へ移行することなどから売電価格が変動し、経営が不安定化するおそれがあると見込んでおります。いずれの事業も将来、経営環境が厳しくなるものと認識しております。
 次に、企業局が定めました経営戦略との関係でどうなのかということでございますが、経営戦略は電力・ガス小売全面自由化が実施される以前の平成27年度に策定されたものでございます。その後、国の制度改革が進展をし、電力とガスを合わせた総合的なエネルギー市場が創出されまして、全国的に料金メニューやサービスが多様化するとともに、新規参入や企業間連携が進むなど、事業環境が大きく変化してきておりますことから、今後の事業の在り方を検討する必要があると判断したところでございます。

-太田総務局長
会計年度任用職員につきまして、4点ご質問がございました。まず、なぜ報酬月額を引き下げたのかということでございますが、総務省が出しておりますマニュアルに沿いまして試算をいたしますと、新たな制度では多くの職員の報酬月額が下がるということとなりますが、経験年数に応じた実質的な昇給、また新たに導入いたします期末手当の支給などにより、年収ベースでは増額になると見込んでいます。一方、経験年数が少ない職員につきましては、年収ベースで減額となることがありますが、現任の職員に限り経過措置として年収ベースで現給を保障することとしております。次に、臨時職員は全て会計年度任用職員に移行するのかというお尋ねでございます。今回の制度改正によりまして、現在の臨時職員は原則、会計年度任用職員に移行いたします。なお、地方公務員法上の臨時職員として本市に残るものにつきましては、市立工業高等学校の臨時的任用講師のみと考えております。3点目、期末手当につきましてのお尋ねがございました。本市では正規職員の勤務時間の4分の3を基準としまして、非常勤職員の勤務条件等を設定してきております。会計年度任用職員につきましても同様の取り扱いとしているところです。従いまして、正規職員の勤務時間の4分の3にあたる週29時間以上の職員に期末手当を支給することとしたところであります。なお、それ以外の週29時間未満の職員につきましては、短時間勤務職員として期末手当を支給しないこととしております。最後に、新たな職員についての休暇、あるいは育児休業についてのお尋ねがございました。本市の非常勤職員の休暇制度につきましては、これまでも国また県に準拠をしておりまして、会計年度任用職員制度への移行後におきましてもこれまで通り、育児休業含めた制度を維持していく予定でございます。また育児休業を理由とした不利益な取り扱いにつきましては法で禁止をされております。育児休業を理由として任用を打ち切ることはございません。

-西川保健局長
鳴和台市民プールの安全対策につきまして、平成15年に立ち入り調査をした際、保健所はどのような改善を求めたのかとのお尋ねがございました。平成15年に国から通知された指針に基づき、立ち入り調査を実施した結果、保健所は「うたせ湯には循環している浴槽水を使用しないこと。消毒用薬剤の注入口は濾過機の直前に設置すること。浴槽水は1週間に1回以上完全に変えること。エアロゾルを発生させる設備で浴槽水を使用する場合には、毎日交換しているものを使用すること。濾過機等の配管内に付着している生物膜等を1週間に1回以上除去すること。」の5項目につきまして、改善するよう文書にて通知いたしました。

-嶋浦文化スポーツ局長
 鳴和台市民プールに対しまして、平成15年、本市保健所からの改善通知に対しましてどういう対応をしたかというご質問でした。ご指摘の改善通知におきましては、中温層のうたせ湯に循環している浴槽水を使用しないことを指摘されたため、平成15年11月にうたせ湯を廃止したほか、浴槽水の消毒に用いる塩素系薬剤の注入口または投入口について浴槽水が濾過機に入る直前に設置することを指摘されたため、平成15年10月に工事を実施し改善を図ったところでございます。

-森尾議員
 市長に会計年度任用職員の制度導入について再度伺いたいと思います。現在働いている人の勤務状況を確保するというのは市長の責任だと思います。ところが毎月の月給が下がるということが明らかになりました。期末手当が実施されるというわけですが、自治体の財政的な負担が増えないように毎月の給料は減額し、その分期末手当にあてる、こういう考え方でやるんですか?再度伺います。

-山野市長
 総務省のマニュアルに沿った形で計算したものであります。職員の皆さんには年収ベースでご負担をかけないよう、しっかりと対応していきたいと考えています。

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