お知らせ |日本共産党 金沢市議員団 |8ページ

お知らせ

森尾議員

※本会議では一括質問でしたが、便宜上質問の後に答弁としました。

-森尾議員
私は日本共産党市議員団を代表して、以下質問を行います。
最初の質問は、市民の安心、安全を図る上で、何をなすべきか。二つの点について伺います。
第一は、平和を守ることです。防衛省が、全国300の自衛隊基地に保有している2万3000棟の「強靱化」計画を進めているとして国会で取り上げられました。その内容は、化学、生物、核兵器などによる攻撃を想定し、自衛隊の施設が耐えられるようにするというもので、これは日本全土を戦場化しようとするもので、すさまじい基地強化への実態が明らかとなりました。具体的には、「各種脅威に対する施設の強靱化」を進めるとして、主要司令部等の地下化、主要施設における敵攻撃を受けた場合の対策を行うというもので、その中には、核兵器攻撃被害も想定しています。対象となる自衛隊基地の一つとして陸上自衛隊金沢駐屯地が含まれています。岸田内閣が打ち出した反撃能力・すなわち敵基地攻撃能力を持つ防衛力の整備がすでに始まっています。その岸田内閣が巡航ミサイル・トマホークを最大400発アメリカから購入することを明らかにしました。このトマホークは、一発が約5億円で、新年度国の予算案では、総額2113億円が計上されています。このトマホークは、射程距離が1600キロあります。東京から北朝鮮のピャンヤンまでの距離1290キロ、台湾の台北までの距離1157キロですから、その射程内にこうした都市がある事となります。このトマホークは、アメリカが湾岸戦争、イラク戦争の際に相手国に対して多数を一斉に発射する攻撃として使われてきました。自衛隊幹部は、アメリカと協力して使用する可能性に言及しています。まさに、戦争するための準備が進んでいます。岸田政権は、防衛費を「国民総生産・GDP比2%以上」に増やす方針を打ち出しています。そうすると日本の防衛費は、世界の軍事費比較では、アメリカ、中国に次ぐ世界第3位になります。5年間で43兆円もの防衛費増額を打ち出しました。実は、ローン支払いを合わせると約60兆円となります。その中身が次々に明らかとなってきました。長距離ミサイルの開発・取得、イージス・システム搭載艦などミサイル防衛、攻撃用や多用途の無人機の取得、南西方面への輸送力や補給拠点の整備などです。こうした大軍拡・大増税をすすめる政治に対して、国民は世論調査を通じてNOの声を発しています。昨年12月の世論調査結果によると岸田内閣の支持率は37%と低迷し、防衛費のための増税には約7割が評価しないとしました。市長は提案説明の中で、「平和と人命の尊さ」について述べましたが、戦争か。平和か。日本の進路が大きく問われている事態に対して、どのようにのぞまれるのか見解を伺います。
広島平和音楽祭で、「一本の鉛筆」という歌が披露されました。歌ったのは、美空ひばりさんでした。その歌には「一本の鉛筆があれば戦争はいやだと私は書く」との歌詞があります。また、本市平和都市宣言は次のように述べています。「世界の恒久平和と核兵器の全面禁止・廃絶は、人類すべての願いであり、われわれはその実現に向けて不断の努力をしていかなければならない」としています。市長。この宣言の立場から、不断の努力として本市がどのように取り組んでおられるのか。新年度予算で具体化されるものがあれば明らかにしていただきたいと思います。

-村山市長
 平和に関してのご質問でございます。ロシアによるウクライナ侵攻を機に、平和と人命の尊さを再認識しているところであります。我が国の安全保障に関する問題につきましては、国民の安全や暮らしを守る観点からも国において十分な議論を重ねたうえで、国民の理解を得て適切に対応されるものと認識しております。
 本市では平和都市宣言に基づき、毎年夏の「原爆と人間展」の開催などを通して広く市民に平和の尊さと戦争の悲惨さを伝えております。また姉妹都市交流や自治体国際化協会(CLAIR)などを通した自治体間交流、民間での海外交流などを継続実施していくことで、戦争はいかなる理由があろうとあってはならないことを意識として共有し、世界の恒久平和につなげていきたいと考えております。

-森尾議員
 第二は、市民の命、生活と営業を守ることです。具体的に三点伺います。
 まず、コロナ感染対策についてです。コロナ感染者は、全国で3千万人を超え、死者数は7万2千人にのぼっています。石川県では約28万人が感染し、死者数は約500人となっています。未だ医療現場や介護施設ではコロナ感染による影響が続き、その対策に現場は大変です。こうした中、岸田内閣は、この5月8日から感染症法の2類から季節性インフルエンザと同じ5類にすることを打ち出しました。これによって、公的支援が段階的に縮小することとなります。無料検査がなくなります。コロナ感染がなくなったわけではありません。第8波での死者数が増え、この1年余で死者数は5万人増となっています。季節性インフルエンザによる死者数は、1年間で3千人ぐらいですから、その危険性は季節性インフルエンザと同程度とは言えません。市民の命と健康を守る上で、引き続きコロナ感染対策が重要です。入院体制を確保し、介護施設等でのクラスターの発生を防ぐ対策と支援が求められます。市長から今後の対策と具体化について明らかにしていただきたいと思います。また、保健所の対策強化について、具体的に伺います。

-村山市長
 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが変更される5月8日以降においても、感染が拡大しやすい高齢者施設等に対して保健所が早期に介入して支援を行うこととしております。加えて、今回の当初予算案では協力医療機関の支援を受けることが困難な施設に対して、医師会の協力のもと、医師を派遣するための経費を計上しております。これにより、感染拡大を防止し、重症化リスクが高い高齢者等を守るとともに、医療機関の負担も軽減していくこととしております。

-森尾議員
 第二に、国民健康保険料と介護保険料の引き下げについてです。物価高騰、電気料金の値上がりなど市民生活をめぐる状況は深刻です。市民生活を守る上で、負担感が強い国民健康保険料と介護保険料を引き下げるよう求めるものです。国民健康保険財政調整基金は、令和4年度末に31.7億円あります。新年度、保険料率を据え置きするとして基金から8.7億円を取り崩しても23億円の基金があります。この基金を活用し、年間一世帯当たり2万円の保険料を引き下げることは可能です。見解を伺います。

-村山市長
 国民健康保険料につきましては、県から示された標準保険料率を基本としておりますが、現下の市民生活への影響に配慮し、明年度は約8億7千万円の基金の取り崩しなどを行うことなどにより、国民健康保険料を据え置くこととしております。基金につきましては保険料の引き上げが必要となった場合の負担緩和財源として効果的な活用を図っていくこととしておりまして、さらなる保険料の引き下げのために基金を活用することは考えておりません。

-森尾議員
 介護給付費準備基金は、この間会計の黒字が続き、令和4年度末、基金残高は28.5億円となりました。第6期の基金残高が8.7億円でしたから基金残高は3倍に膨れ上がっています。こうした基金を活用し、保険料を引き下げるべきではありませんか。見解を伺います。

-村山市長
 介護保険につきましては、高齢者人口は今後も増加していくと見込まれ、令和6年度からの次期介護保険事業計画の期間においては、団塊の世代が75歳以上となり、サービス給付費がさらに増加すると思われます。基金については次期計画期間の保険料を設定する際に有効に活用していきたいと考えています。

-森尾議員
 第三に、中小企業への支援策についてです。物価高騰が続き、経済の低迷の中、中小企業、中でも小規模事業所は経営の存続の危機に直面しています。当面する支援策として、コロナ感染対策として実施された融資であるゼロゼロ融資が、その返済時期を迎えています。この返済時期を延期して欲しいとの強い要望があります。さらに、この10月から実施されるインボイスについて、不安と批判の声が広がっています。延期や中止をぜひとも国に届けてほしいとの声が広がっています。市長。本市の経済を支えてきた中小企業の経営を守り、存続していけるように、こうした要望を国に求めていただきたいと思います。見解を伺います。

-村山市長
 中小企業支援につきまして、無利子・無担保融資の返済はすでに本格化を迎えておりますが、現在、国・県において民間金融機関の融資からの借り換えに対応した新たな融資や保証制度を創設したところであります。またインボイス制度について、国は仕入れ控除の特例などの支援策や負担軽減措置を講じてきたことに加え、先月末にも万全の対応を続けることで予定通り本年10月から導入する考えを表明しております。これまでも全国市長会などを通じて国に対し必要な措置を講じるよう要望してきており、無利子・無担保融資の返済延期やインボイス制度の中止を求めることは考えてはおりませんが、引き続き国の動向を注視しながら事業者の声に寄り添い対応してまいりたいと考えています。

-森尾議員
 本市として住宅リフォーム助成制度や、店舗リニューアル助成制度を創設し、市民と小規模商店の要望に応えるとともに、中小企業の仕事出しにもつながるよう求めるものです。市長から答弁を求めます。

-村山市長
 住宅関係につきましては、これまでも空き家購入者の内部改修や町家再生の改修工事、住宅の耐震工事など、目的に応じた多様な住宅リフォーム支援制度を設けております。また新年度予算におきましても、商店街の空き店舗への出店促進を図る奨励金制度の期間延長や、町中の食料品店の継続や新たな出店を促すための店舗の設備整備に対する助成制度の創設をお諮りしております。なお、目的に応じた住宅や店舗の改修支援制度を幅広く設けておりまして、一般的なリフォームに対する助成制度の創設は考えてはおりません。

-森尾議員
 質問の第3に、市民要望にどのようにこたえるのか。次の三点について伺います。
 第一は、子ども医療費助成制度についてです。新年度予算では、この10月からひとり親家庭等医療費助成は、外来・入院共に窓口無料にすることを打ち出しました。また、子ども医療費助成制度については、入院した場合、対象を15歳までを18歳まで拡大し、一日1000円の自己負担がなくなり無料化するとしました。市長。この制度拡充が必要だとして、18歳までを対象とし、無料化することを打ち出したことになります。ですから、早急に外来についても、同様の対応をすべきではありませんか。野々市市をはじめ周辺の自治体が対象を18歳までとし、外来・入院ともに無料化を打ち出しています。市長の決断が求められています。見解を伺います。

-村山市長
 子育て支援医療助成費につきましては、今回県が補助金の対象年齢等を拡大したことを踏まえ、医療費以外にも費用が掛かる入院について対象年齢を拡大するとともに自己負担を無料化したものであります。このほか、ひとり親家庭等医療助成費の子どもの自己負担分無料化や、乳幼児予防接種助成費、かなざわ子育てすまいるクーポン事業費など、子育て支援の拡充に有効に活用することとしており、子育て支援医療助成費の外来分の拡大につきましては現時点では考えてはおりません。

-森尾議員
 第二に、小中学校の学校給食費の無償化です。今回、新年度当初予算では見送られました。文部科学省の調査によると子どもの学習にかかわる費用は、学校にかかわって、小学校が年間約10万円、中学校が年間約17万円の負担となっています。その内、給食費は小学校で約4割、中学校で約2割を占めています。就学援助制度がありますが、その利用は令和3年度、本市では14.73%となっています。1割台の利用にとどまっています。したがって、すべての児童・生徒を対象とする学校給食の無償化は、どの子も等しく教育を受ける権利を保障し、未来ある子どもの成長を願う立場からその実施が強く求められています。市長、何が実施への妨げになっているのですか。説明を求めます。市民の福祉向上に向け、やるべき事業ではありませんか。その決断を求めます。

-村山市長
 給食につきましては、本市では教育費の負担軽減や子育て支援の観点から、経済的な理由で就学が困難な場合は就学援助制度によりこれまで給食費の全額を支援しています。また全国的な物価高騰の中、保護者の経済的な負担の軽減を図るため、本年度に引き続き食材費の不足分を全額市で補填いたします学校給食費物価高騰特別対策費を令和5年度当初予算案にお諮りしているところでありまして、現時点で学校給食費の無償化は考えてはおりません。

-森尾議員
 学校給食にかかわって、重大な問題は本市が8000食の巨大な共同調理場建設に踏み出したことです。さらに駅西地域に1万1千食もの超巨大共同調理場建設を打ち出しています。全国では単独校方式と共同調理場方式が半分半分であり、共同調理場の小規模化や単独校方式への切り替えが検討されています。しかし本市では、4つしか残っていない単独校をなくし全て共同調理場に切り替え、しかも巨大共同調理場を建設しようとしています。本市教育委員会は、どのように説明されるんですか。巨大な共同調理場建設を中止することを求めます。見解を伺います。

-野口教育長
 学校給食において最も大切なことは、安全・安心な給食を提供することであり、そのためには国が定める学校給食衛生管理基準を満たすとともに、今後需要が高まる学校の改築や改修の際にも給食の提供を止めないことが重要であると思っております。本市の単独校調理場は老朽化が進み、施設や敷地が狭く、最新の衛生管理基準を満たす再整備ができない状況でありますことから、令和元年度に策定した新たな学校給食調理場再整備計画において引き続き共同調理場方式を基本としたものでございます。また小規模共同調理場におきましても整備が老朽化しており、それに伴い作業面での負担が大きいことから、新たな施設の整備に際しましては労働環境の向上にも取り組みながら、この計画に基づいて集約化を進めてまいりたいと考えております。

-森尾議員
 第三に、加齢性難聴者に対する補聴器購入に対する助成制度創設についてです。加齢性難聴者は10人に1人、高齢者の3人に1人と言われています。認知症との関係についても最近明らかにされました。45歳から65歳で、聴力が低下すると認知症の発症リスクが1.9倍になるとの内容です。補聴器購入助成制度創設について、先の12月議会でわが党の広田市議が取り上げました。これに対して市長は「高齢者が補聴器を利用することは社会参加の促進や生活の質の向上に資するものと理解しております。一方で、本来は国の補装具の給付で対応すべきものであると思っておりまして、引き続き国や他都市の状況を注視しながら研究してまいりたい」と答弁されました。具体的取り組みが求められます。市長。本市医師会をはじめ関係者との協議の場を設け、聴力検診の受診率の向上、補聴器購入に対する助成制度の創設など加齢性難聴者に対する支援策を検討することを求めたいと思います。見解を伺います。

-村山市長
 高齢者が補聴器を利用することは、社会参加の促進や生活の質の向上に資するものと理解しておりますが、本来は国の補装具の給付で対応すべきであると思っており、引き続き国や他都市の状況を注視しながら研究するというスタンスに変わりはありません。なお、医師会とは様々な機会を通じて意見交換をしております。改めて協議の場を設けることまでは考えてはおりません。

-森尾議員
 質問の第4に、本市中央卸売市場の現在地での新築事業についてです。本市はこの間、この施設が老朽化してきたにも関わらず、建て替えを先送りしてきました。富山市など周辺での市場がリニュ-アルされる中、本市の施設と機能が立ち遅れる事態となってきました。さらに、コロナ禍と物価高騰、景気後退が追い打ちをかけ、市場をめぐる環境は一層厳しくなり、市場関係業者が運営の危機に直面しています。こうした状況の下で、本市中央卸売市場の現在地での新築事業が検討されてきましたが、関係者から大きな不安と課題解決の声が寄せられています。市長ご自身が副市長としてこの課題に取り組んできたことからも、市としての責任を深く認識されているはずです。生産者と市民生活をつなぐ大切な市場がその役割を発揮できるように現在地での新築事業を進めていかなければなりません。市長、この課題に取り組む決意と見解を伺います。昨年12月26日、本市場の卸・仲卸を代表する5名の方々が市長に要望書を提出しました。その内容は、第一に、市場の供用開始時期の早期化。第二に、仮設店舗での操業期間の短期化。第三に、使用料の軽減に向けた検討や各種支援の実施など12項目となっています。市長は本議会の提案説明の中で「市場事業者との協議を経て基本計画を取りまとめ、・・・・基本設計に着手していきます」と述べました。市長。市場関係者から市長に提出された要望にどのようにこたえられるのか具体的に明らかにしていただきたいと思います。

-村山市長
 中央卸売市場につきまして、供用開始時期の早期化及び仮設店舗での操業期間の短期化につきましては、明年度基本設計において施設規模や配置、工事手法などと合わせて検討してまいりたいと考えております。なお、設計者はプロポーザル方式で決定することとしており、民間事業者のノウハウや創意工夫を生かした技術提案により、工期短縮が図られるよう工夫していきたいと考えています。使用料については、施設の効率的運用による規模の縮小や構造の簡素化などにより再整備費用を圧縮するほか、事務等の合理化による維持管理費の削減や余剰地の貸し付けによる新たな収入源の確保などに努め、負担軽減を図っていきたいと考えています。これらを踏まえ、市場再整備に当たりましては市場内の事業者としっかり連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。

-森尾議員
 本市市場を所管する局長に伺います。現在、市場には9ヶ所の井戸があり、市場の水を供給しています。ところが今回の現在地での新築事業では、この井戸が維持されなくなる可能性があります。本市の水道を利用すると利用料金が数倍に跳ね上がります。水産関係にとって死活的問題です。どのような対策を検討されているのか明らかにしていただきたいと思います。

-山森農林水産局長
 井戸水については現在、加工など業務用を含めた飲用水のほか、消雪用として使用しており、ご指摘の通り経済性にも優れていることから、再整備後も利用したいと考えております。一方で、維持管理の問題もありますことから、使用水量の削減も必要と考えており、消雪設備が必要な場所を減らす工夫でありますとか、用途に応じた雨水の活用などについても今後検討してまいります。

-森尾議員
 質問の第5に、本市ガス事業・発電事業の売却に伴う約300億円の活用についてです。本市ガス事業・発電事業を金沢エナジー(株)に昨年4月売却し、その売却額300億円について、清算特別会計を設けて対応してきました。今回、この清算特別会計を閉じるとして、清算を終え、残った284億5800万円を一般会計に繰り入れました。そして今回、本市中央卸売市場と本市市立病院の再整備事業基金を創設し、この基金に80億円。小中学校の再整備に向けて教育福祉再整備事業基金に80億円。そして、財政調整基金に44億5800万円を積み立てるとしました。さらに、一般会計から本市企業局の水道事業会計に補助金として80億円を支出し、企業局は水道会計の中で老朽化する水道施設の再整備に充てる基金とするとしました。そこで、独立する公営企業の事業売却によって得た300億円を一般会計に繰り入れ、その活用方針を市長が方針を打ち出し、その一般会計から企業局に補助金という名目で80億円が支出され、企業局はこれを水道会計の基金として活用するというものです。いったい、売却に伴う300億円はどこが所管するのか。その活用方針と財政処理は根拠があるのか。明らかにしていただきたいと思います。

-村山市長
 ガス・発電事業の譲渡対価収入でありますが、精算業務の終了によりその全額を一般会計に繰り出し、精算特別会計を廃止するものであり、これは財政運用上は適切であると考えておりますし、ガス事業を譲渡した先行自治体とも同様の対応であります。譲渡対価収入の活用につきましては、市民生活の安定と安全・安心の確保に役立てたいとの思いから、市場や病院、水道施設、小中学校の再整備や安定的な財政基盤の構築に充てるため、4つの基金に積み立てることとした次第でございます。

-森尾議員
 公営企業管理者に伺います。本市ガス事業・発電事業の売却に伴う300億円の活用は、本来企業局として市民の生活向上に向け公営事業の維持・発展に活用するのが適切ではありませんか。見解を伺います。したがって第一に、市民生活を守る上で、上下水道料金の減免を実施すること。第二に、公営事業の維持・継続を進めていくために財政活用を考えるべきではありませんか。なかでも、おいしくて安い自己水による水道事業の維持発展に向けた活用こそ考えるべきではありませんか。その見解を伺います。今回、売却に伴う財源をすべて一般会計に繰り出し、その運用は市長にゆだね、その財源のうち80億円を補助金として受け取り、水道事業において老朽化する水道施設の再整備に充てる基金に80億円を充てるとの対応について、適切な財政運用ですか。説明を求めます。

-平嶋公営企業管理者
 ガス発電事業の売却収入につきまして、上下水道料金の減免、それから水道事業の存続・発展のために使うべきというご指摘にお答えいたします。上下水道事業につきましては、人口減少社会の進展等によりまして、さらなる水需要の減少が予測される中、施設管路の更新や耐震化に多額の投資を要するなど、事業を取り巻く環境は一段と厳しくなると考えております。とりわけ施設管路の経年化が進んでおります水道事業での対応が急がれておりまして、今回お諮りしている水道施設再整備積立基金を活用いたしまして、企業債残高の抑制や収支向上に繋げることで、将来世代の負担軽減や経営基盤の強化を図るものでございます。従いまして、譲渡対価収入を原資とする上下水道料金の減免は考えておりません。

-森尾議員
 この項の最後に市長に伺います。本市ガス事業・発電事業を民間に売却したことで、今度は水道事業についても民営化するのではないか。と市民から心配する声があります。これまで本市は水道事業の民営化はしないことを表明してきました。市長の見解をお聞きいたします。

-村山市長
 ご懸念の水道事業の民営化については考えてはおりません。

-森尾議員
 質問の最後に、本市が世界平和統一家庭連合金沢家庭教会と交わした合意書を解除することについてです。平成元年7月、本市浅野町校下に施設がある世界平和統一家庭連合金沢家庭教会が、本市公園等里親事業に登録申請し、本市は合意書を取り交わしました。本市公園等里親事業は、公園の清掃などのボランティア活動を行うとして登録するもので、清掃など活動を行う際に、申請があれば清掃用具などを貸与するものです。この旧統一教会からは一度も申請はなかったとのことです。これに対して地元浅野町住民から、旧統一教会が霊感商法や高額寄付、合同結婚式など反社会的団体として批判が広がっていること。そしてこの旧統一教会の施設が地元にあるだけに、本市が社会奉仕活動であることをもってこの団体と合意書を交わしていることは、問題のない団体であるという「お墨付き」を与えかねず、さらなる被害拡大にもつながとして、合意書の解除を求めてきました。去る3月2日には、二回目の署名、合わせて378筆が市長に届けられました。本市は新年度から、これまでの本市公園等里親事業を廃止し、新たな事業に切り替えることを打ち出しました。市長から、本市が旧統一教会と交わした合意書はどうなるのか。これまでの事業を廃止し、新たな事業を打ち出した経緯について、市長から説明していただきたいと思います。また、これまで登録した団体などへの説明はどのようにされるのか。今後の取り扱いについて担当する局長から説明を求めたいと思います。

-村山市長
 公園等里親事業についてでございますが、当初予算案でお諮りしている「みんなの公園クリーンスマイル事業」により新事業に移行するため、本事業をお認めいただければ公園等里親事業は廃止し、事業は終了することになります。よって公園等里親事業で交わした合意書も終了を通知することとしております。

-坪田都市整備局長
 現行の公園等里親事業におきましては、登録されている団体から「合意書に基づく永続的な活動が求められても、高齢化などで活動を続けることができない」といった声があったことや、また本市でも活動に対する清掃用具の支給だけでは活動状況が把握しづらいなどの課題がありました。そのことから、清掃用具の支給を活動に即した柔軟な方法に変更し、団体ごとによりボランティア活動に取り組みやすくしたほか、活動の報告を受けることで状況の把握ができるよう、新たな制度を創設いたしました。今後とも、必要な支援のさらなる充実に努めていきたいと考えております。
 登録団体への説明について、すでにご協力いただいている里親登録団体に対しましては新事業のご案内を送付するほか、幅広い団体に清掃ボランティアにご協力いただけるよう、ホームページやSNSを活用したPRに努めていきたいと考えております。

●追加質問
-森尾議員
 市長に伺います。学校給食費無償化に向けて、一体何が妨げとなっているのかと、この基本的な見解を伺ったものですが、答弁を求めたいと思います。
 そしてもう1点、介護保険料の引き下げの問題について指摘をいたしました。本市の会計を見ますと、第6期終了時の基金残高と今日の基金残高を見ますと、なんと3倍も膨れ上がっているんです。介護事業は基金を増やすためにあるんですか。この点について国は、計画期間の終了時の介護給付準備金の剰余金は、次期計画期間に歳入として繰り入れ、保険料上昇抑制に充てることがひとつの考えであるということを示しています。本市はこの基金について、保険料の引き下げに使うという考えは持っていないということなんですか。その点、伺います。

-村山市長
 最初に学校給食費の無償化についてのご質問をいただきました。現在中核市で児童・生徒を対象とした無償化を実施している都市は1市にとどまっており、その予算額は約10億円と聞いております。本市では毎年約19億円の恒久的な財源が必要となります。繰り返しになりますが、経済的な理由で就学が困難な場合は就学援助制度により給食費の全額を支援しておりまして、現時点で学校給食費の無償化は考えておりません。
 また、介護保険の積立金が増加した要因、これは様々な要因があるかもしれませんが、ひとつはコロナ禍でのサービスの利用控えなどもあったかというように思っています。令和6年度からの次期介護保険事業計画における保険料につきましては、必要なサービスの給付費を適切に推計したうえで、市民の負担が過大にならないよう、介護給付費準備基金についても有効に活用していきたいと考えております。

-森尾議員
 市長の今の答弁からすると、介護保険料の問題について、基金を活用し、保険料の引き下げを検討するという前向きの答弁だと受け止めてよろしいですか。改めて確認をしたいと思います。
 もう1点、今回の新型コロナ感染で法的位置付けが第5類に引き下げられるという方針を国が出しています。介護施設に対して入居者が陽性で入院できない場合について、施設で療養した場合に支給している補助金は国が当面継続すると、そして職員への無料検査も続けるということを打ち出しています。では本市が介護施設でのクラスターの発生の際に、これまでの保健所の支援は継続されるという答弁がありました。そうすると、職員に対する無料検査はどのように実施されるんですか。新たに社会福祉施設に医師を派遣するという答弁もありました。具体的な点を合わせて、これは担当局長に伺います。

-村山市長
 介護保険料の関係のご質問にお答えします。令和6年度からの保険料についてということでございますが、介護給付費準備基金を有効に活用して検討していきたいというように思っております。

-高柳福祉健康局長
 まず、高齢者施設等の職員に対します新型コロナ無料検査についてでございます。こういうことも含めまして国からは近く新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付け変更に伴います具体的な内容を示すこととなっておりまして、本市におきましてもこれを踏まえて対応していくということとなります。ご指摘の高齢者施設等の職員に対する無料検査についても詳細が示されれば適切に対応していきたいと思います。
 次に、高齢者施設等への医師の派遣等の事業についてでございます。各高齢者施設等には協力医療機関が定められておりますけれども、これまで感染が拡大したといった局面におきまして協力医療機関の支援が受けることができないといった場合もございまして、その際に救急車を要請した施設もございました。このことから今後同様な事態になった場合は施設からの要請に基づきまして金沢市医師会を通じて支援の医師を派遣するという事業を今予算案でお諮りしているところでございます。これによりまして感染拡大を防止しまして、重症化リスクの高い高齢者の方の命を守るとともに、医療機関の負担軽減にも資していきたいというふうに考えております。

クリックするとPDFが表示されます。)

2023年2月16日

この間、みなさんと集めてきた「子どもの医療費助成の拡充を求める署名」を市長あてに提出しました。前回提出とあわせ、2740筆となりました。

金沢市は石川県内で唯一対象年齢が18歳になっておらず、窓口でも一部負担があります。

18歳まで対象拡大、窓口で完全無料化を求めてきました。

(クリックするとPDFが表示されます。)

わたしは、日本共産党市議員団を代表し討論いたします。

ただいま上程されました議案11件のうち、議案第45号「特別職の職員の給与に関する条例等の一部改正の1件について反対します。

これは、市長や市議会議員の給与の引き上げに関する条例です。

市職員の給与の引き上げに関しては賛成ですが、市民生活に鑑み、特別職については反対です。

つぎに、請願陳情についてです。

請願第15号「国に対し消費税インボイス制度の実施中止を求める意見書の提出を求める請願」は、金沢民主商工会から提出されたものです。

政府が来年10月から導入を狙うインボイス制度は、商品やサービスごとに消費税額と税率を記載した請求書をやりとりするものです。インボイスがないと買い手は納税額から仕入れで払った消費税を差し引けなくなります。売上高1000万円以下の免税業者も取引先からインボイスを発行できる課税業者になるよう迫られかねません。免税業者は課税業者にならなければ取引を断られるおそれがあり、課税業者になれば納税と課税事務の重い負担がのしかかります。

建設業界のひとり親方、居酒屋、個人タクシー、文房具店、フリーランスなどさまざまな分野の免税事業者に影響しますが、中でも、日本がほこるアニメや声優、演劇、漫画の業界を支える個人事業主・フリーランスの人たちの多くも免税事業者であり、インボイスが実施されたら「廃業」「廃業を検討」と答えた人が2~3割というアンケート結果もあります。インボイス制度は、こうした文化や芸術分野でフリーランスとして働く人たちをも標的に、容赦なく総額2480億円の消費税を搾り取り廃業に追い込む危険のある制度なのです。

政府・与党は各業界団体からの反対の声を受け、インボイス制度の導入に、経過措置を検討しています。しかし、検討されている経過措置は免税業者から転換した課税業者の納税額軽減や、少額取引ならインボイスを不要とすることなどです。しかし、いずれも期間限定です。

インボイス制度の中止を求める税理士の会は、この二つの「激変緩和措置」は、一時的に納税額を減らして免税事業者を課税事業者に誘導しようとする手段で、消費税の仕組みをいたずらに複雑にして「中小事業者にとって根本的な解決策にほど遠いものであり断固反対」だと指摘しています。

現役世代、そして未来の働き手が安心して仕事と生活を維持するため、『緩和』ではなく、インボイス制度の実施中止が必要です。よって、この請願に賛成です。

請願第16号「小中学校の給食費の無償化を求める請願書」は新日本婦人の会金沢支部から提出されたものです。

長引くコロナ禍と深刻な物価高騰が暮らしを直撃しています。とくに、低所得世帯やひとり親世帯、子育て世帯に重くのしかかっています。

その中で、学校給食費は、保護者が負担するさまざまな費用の中で最も重い負担となっています。今年度、本市の給食費は、小学校・年間およそ50,000円、中学校・年間およそ58600円です。

本市が2018年度に行った「子どもの生活実態調査」では、毎月の収支について、保護者全体でも約28%が赤字と答え、さらに、どの年齢の子の保護者でも、「今必要とすること」について「教育にかかる負担の軽減」が断トツで選ばれています。

生活困窮世帯やひとり親世帯はさらに、その割合が増えるわけですが、子育て世帯全体の大変さが滲み出る調査結果です。

政府は少子化対策を言いながらも、若い世代に長時間労働・サービス残業など過酷な労働を強いることで子育てに困難をもたらしています。正社員を非正規雇用に置き換え、若い世代の雇用を不安定にし低賃金に抑え込んだことは、子育ての基盤を掘り崩しています。子どもを産んだ方々の自己責任とは到底言えません。そして、そのしわ寄せが子どもの学ぶ権利に大きな影響を及ぼし、貧困の連鎖につながるのです。

子どもの学びを保障するため、全国で12月初旬時点で小・中学校とも給食費が無償の自治体は254にのぼり、小学校のみは6、中学校のみは11でした。

中核市では、2020年4月に中核市初となる中学校給食無償化が明石市ではじまり、今年度は人口27万人の中核市である青森市がこの10月から、小中学校両方とも無償化が始まりました。市川市は来年度から実施の予定です。さらに、今週12日は水戸市が中学校の無償化を来年度から行うと発表するなど、中核市でも無償化の動きが広がっています。

 本来、義務教育は無償であり学校給食もその一環として無償であることが必要です。

 よって、子どもの学ぶ権利を保障するために、本市が小中学校の給食費の無償化を行うべきと考え、この請願に賛成です。

陳情第21号「金沢市におけるコミュニティバスの導入促進に関する陳情書」は、金沢市にコミュニティバスを走らせる会から提出されました。

住民の主要な地域交通である路線バスについては、運転手不足やコロナ禍の乗客減による経営難などで、廃止・減便が立て続けに行われています。この7月からは本市5地域でJRバスの路線見直しの影響を受け、住民のみなさんも大変お困りです。

本市には地域運営交通費補助制度もありますが、住民負担も多く、利用が進んでいません。

抜本的な公共交通への国を主体とした支援が必要なのは言うまでもありませんが、住民がどこに住んでいても安心してくらすことができる。その責任は金沢市にもあります。

多くの市民のみなさんから求められている、ふらっとバスのような、地域の負担がなく、金沢市が主体となって走らせるコミュニティバスを交通不便地域はじめ各地域に導入する必要があると考えます。

よって、この陳情に賛成です。

陳情第20号「政務活動費の条例改正についての陳情」は市民オンブズマン石川から提出されたもので、

政務活動費の透明化をはかるうえで、検討を要すると判断し賛成します。

これらの請願・陳情は所管の委員会でいずれも不採択となり、その決定に反対するものです。

以上で討論を終わります。

議会議案第20号「マイナンバーカード取得義務化につながる健康保険証廃止の撤回を求める意見書」について、提案理由説明を行います。

今年10月中旬、河野デジタル大臣が「マイナンバーカードと健康保険証の一体化」を前倒しするため、2024年度秋に現在の健康保険証の廃止を目指すと表明しました。

これまでの政府方針とは異なる「一律廃止」に市民も現場も混乱しています。

その理由は、まず、マイナンバー法ではカードの取得は任意とされ強制されるべきものではないにもかかわらず、健康保険証を廃止とすればカードを持たないと医療機関にかかることができなくなる。つまり取得が強制され、法律と矛盾が起きるのです。

さらに、この制度変更によって、大きな困難に直面する人々がいます。

それは、要介護者、長期入院者などです。こうした人々にとって、マイナンバーカードを取得するのは簡単なことではありません。

まず写真を撮る必要がありますが、在宅で寝たきりの方がこれを行えるでしょうか。

写真を撮ったあとは、申請のために市役所に出向く必要があります。出向くこと自体も大変ですが、パスワードを考え入力をする必要があります。

しかも、それだけでは終わらず、電子証明書の期限は5年なので、5年ごとに市役所窓口に出向く必要があります。そして10年に1回は、写真を取り替える必要があるのです。

「申請は代理人でもできる」と言われるかもしれませんが、身寄りのない人は、代理人もいません。そのため、行政では介護福祉関係の職員にも支援を求めているようですが、本来の

業務ではありませんし、忙しい現場でできるはずがないとお声があります。

現在は、何もしなくても健康保険証が届きますが、マイナンバーカードとなると、こうした過酷な行程が必要になるのです。

さらに、この超高齢化社会においては、たとえマイナンバーカードを取得できても、利活用より不安のほうが大きい状況です。たとえば、マイナポイントの取得ですが、これは原則本人が行うものとされています。なぜなら、マイナンバーカードは第3者に安易に見せてはいけませんし、暗証番号なども必要だからです。しかし、高齢者をはじめできない方が多いため、あらたに予算をかけて臨時窓口が開設されています。マイナポイントをためることができない段階の方が、マイナポータルやマイナ保険証の利用は可能だという制度設計なのでしょうか。

さらに、健康保険証の枠内で、やるべきことは山ほどあります。

政府は、異なる医療機関間の診療・薬剤情報の共有化がなされれば、「より良い医療が可能」になるとしています。しかし、この情報の共有化はオンライン資格確認のシステムを使っているのであって、マイナンバーカードなしに行なうことも技術的には可能なのではないでしょうか。そして、たとえカルテを見ることができても2か月前の情報であり、使えない場合も多々あります。

医療現場からも多くの反対の声があがっています。マインナンバーカードのシステムに切り替えれば、専用機材の購入やスタッフの配置、セキュリティの管理など、このコロナ禍でさらなる負担がかかり、パソコンなど不慣れな事業所では廃業するしかないというお声もあり、地域の身近な医療に重大な影響を及ぼします。

さらに昨今、医療機関でのサイバー攻撃などセキュリティ上の問題が起きており、今後マイナンバーとの連携を本格化することに支障はないのでしょうか。

個人情報保護委員会の年次報告でも21年度までの5年間で5万6千人のマイナンバー情報が紛失し、不正アクセスの被害もあったとのことです。

これらのことから、さまざまな団体から反対の声があがっており、石川県の開業医などで構成する石川県保険医協会からは、「保険証廃止とオンライン資格確認体制整備の義務化の撤回を求める」声明が出されました。

マイナンバーカード交付が進まない根底にあるのは、政府に対する国民の不信感です。アジャイル型で、最終目標も示さないまま、預金も成績も連携しようかと言ってみて、国民の批判があれば、いったん取り下げ、無難なところからはじめている。個人情報の一元化や紐づけはしませんと言いながら、もともとこの制度の発端は経団連からの共通番号制の導入です。個人の負担と給付を国が一元化して比較することができるように、それを根拠に社会保障を削減できるように、そんな提案がされてきたのです。国民にとっては、どこまでなにを連携し、なにがしたいのか将来設計も示されず、2万円のアメと保険証の廃止というムチ、自治体にとっては交付金をもらう基準にまでされ、自治体間の競争があおられ続けています。そのようななんでもアリのやり方に国民は不安と疑問だらけです。

それが解決されないかぎり、マイナンバーカードの保有者がいくら増えても、本当に便利なシステムを構築することは不可能ではないでしょうか。 改めて、健康保険証廃止の撤回を求めるこの意見書に対し、みなさまのご賛同を求め提案理由の説明といたします。

私は、日本共産党市議員団を代表いたしまして、ただいま上程されました議会議案第19号コロナ危機と物価高騰に見合う水準に生活保護の引き上げを求める意見書について提案理由を述べます。
 生活保護は、憲法25条で明記された健康で文化的な最低限度の生活を送る権利に基づいた制度です。
 しかし、急激な物価高が国民の暮らしを直撃し、所得の低い人ほど深刻な影響を受けています。とりわけ生活保護を利用する人たちは2013年からの保護基準引き下げなどによって、苦しい生活を強いられています。止まらない物価高騰に生活保護利用者は「これ以上どこを節約したらいいのか」と悲鳴を上げています。
物価高騰以前から生活保護利用者は、2013年に安倍晋三政権が同年から2015年までに段階的に強行された保護基準の引き下げによって苦しめられてきました。これは食費や光熱水費にあてられる生活扶助基準を平均6・5%、最大で10%引き下げ、利用世帯の96%に影響が及ぶ大規模な削減でした。
しかし、基準引き下げについては、政府決定を違法とする司法判断が相次いでいます。

 10月19日、横浜地裁は基準引き下げ決定を違法とし、減額取り消しを命じる判決を言い渡しました。判決は、客観的な統計を見れば引き下げに根拠はなく、専門家の検討も経ていないと批判しました。これまでの判決と合わせ4件で、減額を違法と断罪したことになります。国は誤りを認め、生活扶助、住宅扶助や、冬季加算、などの生活保護基準を元の水準に回復することが不可欠です。激しい物価高騰が続いた1973年~1974年には、生活保護基準引き上げなどの特別措置は6回行われています。当時の政府内には「被保護者に対して安心して年を越せるようにする」などの議論があったとされます。

 この間に廃止された老齢加算の復活、夏季加算の新設などを検討することも重要です。
生活と権利を守るために生活保護の申請をためらわせる要因になっている親族などへの扶養照会は廃止が必要です。また、生活保護利用者の大学・専門学校への進学を認め学ぶ権利を保障すること。社会福祉などケースワーカーの増員や職員研修などを行い、憲法25条にのっとった運用を促進することをつよく要望します。
議員各位の賛同を求め、意見書の提案理由説明を終わります。

 陳情第23号 金沢市が浅野町校下にある世界平和統一家庭連合金沢家庭教会と交わした本市公園等里親事業による合意書の解除を求める陳情書は、佐藤清・陳情人から提出されたものです。。

 この陳情書の中で、述べられているように世界平和統一家庭連合・旧統一教会は、霊感商法、高額献金、集団結婚式、さらに、信者二世や、信者間の養子縁組などによる被害など社会的問題を引き起こしてきた反社会的集団です。

 政府は、この旧統一教会に対して、宗教法人法に基づく解散命令請求を視野に、質問権の行使を行っています。

 行政が社会的奉仕活動をもって、この旧統一教会の活動を容認することは、この団体があたかも社会的に認められ問題のない団体であるという言わば「お墨付き」与え、さらなる被害拡大につながるものです。

 本市公園等里親事業実施要綱の第5条には、合意の解除を明記し、市長の判断で合意の解除ができるとしています。 よって、本市がこの団体と交わした本市公園里親事業による合意書の解除を求めるこの陳情に賛成です。

大桑初枝議員

私は認定第1号令和3年度金沢市歳入歳出決算認定について、認定できない事を表明し、その主な理由をのべ討論いたします。

令和3年度は、新型コロナウイルス変異株「オミクロン株」が猛威を振るい、観光、飲食産業をはじめ、多様な職種で休業や、時短などが余儀なくされ、市民生活に大きな影響をもたらしました。

また、コロナ禍に加え、急激な物価上昇も、多くの市民の生活を、直撃しました。

今回上程された令和3年度の決算は、一般会計及び10の特別会計を合わせた総計決算額では、歳入が3210億9千万円で歳出が3115億7500万円、新年度に繰り越すべき財源39億9300万円を控除した実質収支は、55億2200万円の黒字となっています。

決算に反対する第一の理由は不用不急の大型公共事業を推進しようとしている事です。

金沢港建設事業では、大手企業であるコマツの工場を誘致するとして大浜岸壁では大水深岸壁の事業が進められてきました。また、クルーズ船誘致のためとして無量寺岸壁改良事業と施設整備などの事業が行われ令和3年度決算では、6億2200万円余が投入されています。しかし、新型コロナウイルスの感染は終息が見通せず、クルーズ船誘致は困難な状況が続いています。このような巨額の税金投入は即刻やめるべきです。

城北市民運動公園整備事業では、市民サッカー場の再整備の周辺実施設計等で9億5721万円が含まれています。

このサッカー場は、現在地で改築予定だったにもかかわらず、公園敷地内にあるジュニアスポーツコートとクライフコートの敷地に移転するものです。、当初事業費が75億円だったものが80億円に増額となり、さらにジュニアスポーツコートとクライフコートなどの移転新築を含めると総額100億円規模となろうとしています。コロナ禍のもと市民生活の状況から考えても、巨額の費用を投じてのサッカー場の整備事業は再検討すべきです。

学校給食の共同調理場にかかわる点です。

新共同調理場建設事業費として市内泉本町地内に8000食の新共同調理場建設事業として、基本設計費1441万円が決算に含まれています。今後、新たな学校給食調理場整備計画に基づき、泉本町地内のほか駅西・臨海に11000食と大規模共同調理場を新たに建設し、4つある単独調理場をなくし、鞍月共同調理場と8つある学校併設の調理場を廃止するとしています。大規模化して業務の効率化を優先するのではなく、本市がほこる食の教育、地産地消、直接雇用、災害からのリスクを減らすなど、子どもたちにあたたかく、おいしい学校給食を提供する責任や地域経済にとってよりよい給食にするため、単独方式こそ増やすべきです。

反対する第二の理由は災害級とも言えるコロナ禍の緊急事態に一番対策が求められる社会的弱者や地域経済の要である市内の中小業者への支援策が十分実施されなかったという事です。

コロナ禍で立ちいかなくなった中小業者、市民の方は生活の為に、社会福祉協議会が実施した特例貸付事業や、住居確保給付金事業などを頼りにしました。住居確保給付金事業は、昨年より大幅に減りましたが2283件と依然家賃の支払いも、困難な状況は続いています。度重なる新型コロナウイルスの影響で経営難に直面している事業者に対し持続化給付金や家賃支援給付金など、今回限りの支援ではなく、本市独自の直接支援もさらに強化し、事業と雇用が継続できるよう施策の転換が求められます。

医療機関や介護事業所でも新型コロナウイルス感染拡大で深刻な影響を受けました。こうした状況下にあって、受診抑制、事業の縮小、休止などにより、大きな減収が生じました。医療機関、事業所などからは、減収による補填の実施を求める声が上がっています。医療や介護水準を低下させないためにも財政支援、従事者への待遇の抜本的改善、検査体制の拡大、拡充が求められます。

本市の新型コロナウイルス感染症が広がる中で、対策の最前線に立ってきた保健所の体制強化が求められてきました。もともと保健師の定数が少ないことから、相次ぐクラスター発生に医療や保健所の現場がひっ迫する状態が続き、感染への市民の不安が広がりました。わが党は、保健所の体制強化、医療や介護施設への補填、PCR検査を広く定期的に実施することなど具体的な提案を行ってきました。その具現化として、正規保健師や会計年度職員、合わせて5名の保健所職員の増員が行われましたが、抜本的な改善こそ必要です。

市営住宅についても触れておきます。

市営住宅の修繕が遅れ、空き部屋解消が進んでいません。保証人要件の廃止や、給湯器、風呂釜の設置などの改善が必要です。また、若年世帯の入居要望に応えるためにも、入居条件の緩和や、給湯器、浴槽の設置をスピード感もって進めるべきです。

個人番号カード、いわゆるマイナンバーカードの交付事業の推進に反対です。制度開始から令和3年度までの8年間のマイナンバーシステム整備費とマイナンバーカード交付事務事業費の累計は9億2千万円に上ります。この事業の狙いは、政府が国民一人一人に生涯変わらない番号を付けて資産、医療、教育などの個人情報を一元化して、連携・活用しようとするものです。これ自体、プライバシー権侵害の危険を持つ重大な問題です。

政府は22年度末までにすべての国民にマイナンバーカードを行き渡らせることを目標とし、健康保険利用、マイナポイントなど、国民がカードを使わざるを得ない状況を作り出しています。こうしたなか政府は、新設されたデジタル庁に旗を振らせてさらなるデジタル化を推進しようとしていますが、高齢者や障害のある方々など、デジタルに対応できない住民が置き去りにされるのではないか、個人データが企業間での取引の対象とならないのか、個人情報がどこまで守れるのか、などといった問題が指摘されています。今後、市民の目線に立ち、しっかりした検討が求められます。

次に介護保険特別会計決算認定について反対です。令和3年度は、保険料が据え置かれたものの基本月額6590円は、介護保険制度が始まった当初に比べて2倍となっています。基金を投入したものの結果として、6億9198万円の黒字になり、介護給付費準備基金へ4億9320万円余を積み立てています。基金の残高は29億一千万円に膨れ上がっています。高すぎる保険料の引き下げを求める声は切実です。こうした声にこたえる立場からも反対です。

令和3年度金沢市国民健康保険特別会計決算認定について反対です。

令和3年度末の国保財政調整基金は31億1,885万円となっています。国保の加入者は、非正規や年金生活者などの低所得者が約8割を占めている実態からも基金を使い、国保料の引き下げを決断すべきです。
 高過ぎる国保料の原因となっている均等割の廃止を国に要請するとともに、 本市独自に未就学児の均等割りの全額減免を実施することを決断すべきです。また、国保料が高過ぎて、払いたくても払えず滞納した人に対する資格証明書の発行は609件で、短期保険証の発行は1,907件でした。これは医療にかかる機会を奪うもので、病気の重症化、命を失うことにもなりかねません。資格証明書、短期保険証の発行はやめるべきです。

私は、日本共産党市議員団を代表して、認定第2号令和3年度金沢市公営企業特別会計決算認定について、認定できないことを表明し、その主な理由について以下述べます。
第一は、本市ガス事業・発電事業についてです。この二つの事業は、令和4年4月1日をもって、金沢エナジー(株)へ売却されました。従って、この二つの会計決算は、これが最後となります。決算から見てもこの二つの事業を売却する必要は見当たりません。
ガス事業です。
令和3年度ガス事業の黒字額は、10億2900万円となり、11年連続の黒字が計上されました、従って、累積欠損金は、約120億円まで増加しましたが、令和3年度決算では、27億円まで減少となりました。
発電事業です。
令和3年度発電事業の黒字額は、3億6900万円となりました。この間、毎年の黒字で、累積欠損金はゼロ、今年度末の未処分利益剰余金は、8億9400万円にのぼりました。
5つの発電所によって生み出された電力は、一般家庭の4万戸分に相当し、これを北陸電力に売電してきました。その電力料収益は、令和3年度決算で11億9043万円となりました。
発電事業は、水力発電によるクリーなエネルギーとして本市が誇るべき事業であり、ガス事業と共に100年間にわたって、運営されてきた市民の財産であります。二つの事業は、この10年来、黒字経営となっていることからしても、民間に売却する理由は見当たりません。
本市企業局は、2016年、今後10年間の経営戦略方針の中で、ガス、発電など5つの市営事業を継続していくことを打ち出しながら、市民と議会との約束を破り、強引にガス事業・発電事業譲渡方針へと突き進んできました。その譲渡方針をめぐって、この間市民からも議会からも数々の問題が指摘されてきました。
 今回、決算審査の中で、問題が指摘されたのは、本市ガス事業・発電事業譲渡に係わって、本市が、北陸電力との電力受給契約の途中解約についてです。
令和3年度内に覚え書きを交わし、令和4年度に入った4月28日本市は、北陸電力に解約補償金として12億3720万円を支払いました。
 この解約補償金について、本市は、国のガイドラインに基づいて行ったと説明してきました。しかし、国のガイドラインは、あくまでも、発電事業を継続運営することを前提とし、発電事業による電力の売電契約について、随意契約から一般競争入札に切り替えるよう促したのが、このガイドラインです。したがって、本市の発電事業譲渡の場合は、適用するものではありません。しかも、今回の補償について、国のガイドラインに基づいて行うことは、国の了解を得ていると述べてきましたが、そうした事実は、ありませんでした。
本市企業局が、北陸電力に解約補償金として12億3720万円を支払った説明と根拠はことごとく崩れ去りました。
では、どのような話し合いが行われたのか。説明が求められました。ところが、北陸電力との話し合いについて、記録も報告書もないとしてきました。これは、重大な問題であり、市民と議会に対する背信行為とも言えるもので許されることではありません。文書作成が明記されいる本市公文書等の管理に関する条例に違反していることが取り上げられました。しかし、本市企業局はあくまでも、問題は無いとの見解を押し通しました。
話し合いの記録も、報告書もないというのは、市民と議会に対しての説明責任を放棄するもので、許されることではありません。この解約補償金の支払いの正当性がないことが明白となったものです。
前代未聞の対応を厳しく批判すると共に、公営企業管理者の責任が問われていることを指摘しておきます。
第二に、水道事業は、令和3年度決算で、7億9600万円余の黒字となりました。県水の契約水量や責任水量制が引き下げられたことによるものです。本来、水道料金の引き下げを実施し、市民に還元すべきであり、引き続き、県水受水契約の見直しに向けてとり組むよう求めておきます。
 本市水道事業は、自己水に比べ4倍も高い県水を契約水量の6割を受け入れる責任水量制によって受け入れる一方、安くておいしい自己水を配水能力の3割しか使っていません。膨大な県水を受け入れる現状を改め、安くておいしい自己水を基本とする水道行政に切り替えれば大幅に水道料金を引き下げることは可能です。
第三に、工業用水道事業についてです。
 先端産業を立地するとして造成された工業用地・金沢テクノパークは、平成4年着工・造成が始まって、30年が経過しています。現在、用地の2割にあたる3区画・6.1haが立地されないままとなっています。これは、東京ドーム1.3個に相当します。
参入した企業への工業用水道事業は、実質3社が利用していますが、毎年赤字。その赤字を一般会計で補填し続けています。令和3年度決算では、3186万円に上っています。
 市政の失敗ともいうべき事業に対して、市民の税金をもって補填し続けることは許されることではありません。このことを述べ、討論とします。

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