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お知らせ

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2023年2月16日

この間、みなさんと集めてきた「子どもの医療費助成の拡充を求める署名」を市長あてに提出しました。前回提出とあわせ、2740筆となりました。

金沢市は石川県内で唯一対象年齢が18歳になっておらず、窓口でも一部負担があります。

18歳まで対象拡大、窓口で完全無料化を求めてきました。

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わたしは、日本共産党市議員団を代表し討論いたします。

ただいま上程されました議案11件のうち、議案第45号「特別職の職員の給与に関する条例等の一部改正の1件について反対します。

これは、市長や市議会議員の給与の引き上げに関する条例です。

市職員の給与の引き上げに関しては賛成ですが、市民生活に鑑み、特別職については反対です。

つぎに、請願陳情についてです。

請願第15号「国に対し消費税インボイス制度の実施中止を求める意見書の提出を求める請願」は、金沢民主商工会から提出されたものです。

政府が来年10月から導入を狙うインボイス制度は、商品やサービスごとに消費税額と税率を記載した請求書をやりとりするものです。インボイスがないと買い手は納税額から仕入れで払った消費税を差し引けなくなります。売上高1000万円以下の免税業者も取引先からインボイスを発行できる課税業者になるよう迫られかねません。免税業者は課税業者にならなければ取引を断られるおそれがあり、課税業者になれば納税と課税事務の重い負担がのしかかります。

建設業界のひとり親方、居酒屋、個人タクシー、文房具店、フリーランスなどさまざまな分野の免税事業者に影響しますが、中でも、日本がほこるアニメや声優、演劇、漫画の業界を支える個人事業主・フリーランスの人たちの多くも免税事業者であり、インボイスが実施されたら「廃業」「廃業を検討」と答えた人が2~3割というアンケート結果もあります。インボイス制度は、こうした文化や芸術分野でフリーランスとして働く人たちをも標的に、容赦なく総額2480億円の消費税を搾り取り廃業に追い込む危険のある制度なのです。

政府・与党は各業界団体からの反対の声を受け、インボイス制度の導入に、経過措置を検討しています。しかし、検討されている経過措置は免税業者から転換した課税業者の納税額軽減や、少額取引ならインボイスを不要とすることなどです。しかし、いずれも期間限定です。

インボイス制度の中止を求める税理士の会は、この二つの「激変緩和措置」は、一時的に納税額を減らして免税事業者を課税事業者に誘導しようとする手段で、消費税の仕組みをいたずらに複雑にして「中小事業者にとって根本的な解決策にほど遠いものであり断固反対」だと指摘しています。

現役世代、そして未来の働き手が安心して仕事と生活を維持するため、『緩和』ではなく、インボイス制度の実施中止が必要です。よって、この請願に賛成です。

請願第16号「小中学校の給食費の無償化を求める請願書」は新日本婦人の会金沢支部から提出されたものです。

長引くコロナ禍と深刻な物価高騰が暮らしを直撃しています。とくに、低所得世帯やひとり親世帯、子育て世帯に重くのしかかっています。

その中で、学校給食費は、保護者が負担するさまざまな費用の中で最も重い負担となっています。今年度、本市の給食費は、小学校・年間およそ50,000円、中学校・年間およそ58600円です。

本市が2018年度に行った「子どもの生活実態調査」では、毎月の収支について、保護者全体でも約28%が赤字と答え、さらに、どの年齢の子の保護者でも、「今必要とすること」について「教育にかかる負担の軽減」が断トツで選ばれています。

生活困窮世帯やひとり親世帯はさらに、その割合が増えるわけですが、子育て世帯全体の大変さが滲み出る調査結果です。

政府は少子化対策を言いながらも、若い世代に長時間労働・サービス残業など過酷な労働を強いることで子育てに困難をもたらしています。正社員を非正規雇用に置き換え、若い世代の雇用を不安定にし低賃金に抑え込んだことは、子育ての基盤を掘り崩しています。子どもを産んだ方々の自己責任とは到底言えません。そして、そのしわ寄せが子どもの学ぶ権利に大きな影響を及ぼし、貧困の連鎖につながるのです。

子どもの学びを保障するため、全国で12月初旬時点で小・中学校とも給食費が無償の自治体は254にのぼり、小学校のみは6、中学校のみは11でした。

中核市では、2020年4月に中核市初となる中学校給食無償化が明石市ではじまり、今年度は人口27万人の中核市である青森市がこの10月から、小中学校両方とも無償化が始まりました。市川市は来年度から実施の予定です。さらに、今週12日は水戸市が中学校の無償化を来年度から行うと発表するなど、中核市でも無償化の動きが広がっています。

 本来、義務教育は無償であり学校給食もその一環として無償であることが必要です。

 よって、子どもの学ぶ権利を保障するために、本市が小中学校の給食費の無償化を行うべきと考え、この請願に賛成です。

陳情第21号「金沢市におけるコミュニティバスの導入促進に関する陳情書」は、金沢市にコミュニティバスを走らせる会から提出されました。

住民の主要な地域交通である路線バスについては、運転手不足やコロナ禍の乗客減による経営難などで、廃止・減便が立て続けに行われています。この7月からは本市5地域でJRバスの路線見直しの影響を受け、住民のみなさんも大変お困りです。

本市には地域運営交通費補助制度もありますが、住民負担も多く、利用が進んでいません。

抜本的な公共交通への国を主体とした支援が必要なのは言うまでもありませんが、住民がどこに住んでいても安心してくらすことができる。その責任は金沢市にもあります。

多くの市民のみなさんから求められている、ふらっとバスのような、地域の負担がなく、金沢市が主体となって走らせるコミュニティバスを交通不便地域はじめ各地域に導入する必要があると考えます。

よって、この陳情に賛成です。

陳情第20号「政務活動費の条例改正についての陳情」は市民オンブズマン石川から提出されたもので、

政務活動費の透明化をはかるうえで、検討を要すると判断し賛成します。

これらの請願・陳情は所管の委員会でいずれも不採択となり、その決定に反対するものです。

以上で討論を終わります。

議会議案第20号「マイナンバーカード取得義務化につながる健康保険証廃止の撤回を求める意見書」について、提案理由説明を行います。

今年10月中旬、河野デジタル大臣が「マイナンバーカードと健康保険証の一体化」を前倒しするため、2024年度秋に現在の健康保険証の廃止を目指すと表明しました。

これまでの政府方針とは異なる「一律廃止」に市民も現場も混乱しています。

その理由は、まず、マイナンバー法ではカードの取得は任意とされ強制されるべきものではないにもかかわらず、健康保険証を廃止とすればカードを持たないと医療機関にかかることができなくなる。つまり取得が強制され、法律と矛盾が起きるのです。

さらに、この制度変更によって、大きな困難に直面する人々がいます。

それは、要介護者、長期入院者などです。こうした人々にとって、マイナンバーカードを取得するのは簡単なことではありません。

まず写真を撮る必要がありますが、在宅で寝たきりの方がこれを行えるでしょうか。

写真を撮ったあとは、申請のために市役所に出向く必要があります。出向くこと自体も大変ですが、パスワードを考え入力をする必要があります。

しかも、それだけでは終わらず、電子証明書の期限は5年なので、5年ごとに市役所窓口に出向く必要があります。そして10年に1回は、写真を取り替える必要があるのです。

「申請は代理人でもできる」と言われるかもしれませんが、身寄りのない人は、代理人もいません。そのため、行政では介護福祉関係の職員にも支援を求めているようですが、本来の

業務ではありませんし、忙しい現場でできるはずがないとお声があります。

現在は、何もしなくても健康保険証が届きますが、マイナンバーカードとなると、こうした過酷な行程が必要になるのです。

さらに、この超高齢化社会においては、たとえマイナンバーカードを取得できても、利活用より不安のほうが大きい状況です。たとえば、マイナポイントの取得ですが、これは原則本人が行うものとされています。なぜなら、マイナンバーカードは第3者に安易に見せてはいけませんし、暗証番号なども必要だからです。しかし、高齢者をはじめできない方が多いため、あらたに予算をかけて臨時窓口が開設されています。マイナポイントをためることができない段階の方が、マイナポータルやマイナ保険証の利用は可能だという制度設計なのでしょうか。

さらに、健康保険証の枠内で、やるべきことは山ほどあります。

政府は、異なる医療機関間の診療・薬剤情報の共有化がなされれば、「より良い医療が可能」になるとしています。しかし、この情報の共有化はオンライン資格確認のシステムを使っているのであって、マイナンバーカードなしに行なうことも技術的には可能なのではないでしょうか。そして、たとえカルテを見ることができても2か月前の情報であり、使えない場合も多々あります。

医療現場からも多くの反対の声があがっています。マインナンバーカードのシステムに切り替えれば、専用機材の購入やスタッフの配置、セキュリティの管理など、このコロナ禍でさらなる負担がかかり、パソコンなど不慣れな事業所では廃業するしかないというお声もあり、地域の身近な医療に重大な影響を及ぼします。

さらに昨今、医療機関でのサイバー攻撃などセキュリティ上の問題が起きており、今後マイナンバーとの連携を本格化することに支障はないのでしょうか。

個人情報保護委員会の年次報告でも21年度までの5年間で5万6千人のマイナンバー情報が紛失し、不正アクセスの被害もあったとのことです。

これらのことから、さまざまな団体から反対の声があがっており、石川県の開業医などで構成する石川県保険医協会からは、「保険証廃止とオンライン資格確認体制整備の義務化の撤回を求める」声明が出されました。

マイナンバーカード交付が進まない根底にあるのは、政府に対する国民の不信感です。アジャイル型で、最終目標も示さないまま、預金も成績も連携しようかと言ってみて、国民の批判があれば、いったん取り下げ、無難なところからはじめている。個人情報の一元化や紐づけはしませんと言いながら、もともとこの制度の発端は経団連からの共通番号制の導入です。個人の負担と給付を国が一元化して比較することができるように、それを根拠に社会保障を削減できるように、そんな提案がされてきたのです。国民にとっては、どこまでなにを連携し、なにがしたいのか将来設計も示されず、2万円のアメと保険証の廃止というムチ、自治体にとっては交付金をもらう基準にまでされ、自治体間の競争があおられ続けています。そのようななんでもアリのやり方に国民は不安と疑問だらけです。

それが解決されないかぎり、マイナンバーカードの保有者がいくら増えても、本当に便利なシステムを構築することは不可能ではないでしょうか。 改めて、健康保険証廃止の撤回を求めるこの意見書に対し、みなさまのご賛同を求め提案理由の説明といたします。

私は、日本共産党市議員団を代表いたしまして、ただいま上程されました議会議案第19号コロナ危機と物価高騰に見合う水準に生活保護の引き上げを求める意見書について提案理由を述べます。
 生活保護は、憲法25条で明記された健康で文化的な最低限度の生活を送る権利に基づいた制度です。
 しかし、急激な物価高が国民の暮らしを直撃し、所得の低い人ほど深刻な影響を受けています。とりわけ生活保護を利用する人たちは2013年からの保護基準引き下げなどによって、苦しい生活を強いられています。止まらない物価高騰に生活保護利用者は「これ以上どこを節約したらいいのか」と悲鳴を上げています。
物価高騰以前から生活保護利用者は、2013年に安倍晋三政権が同年から2015年までに段階的に強行された保護基準の引き下げによって苦しめられてきました。これは食費や光熱水費にあてられる生活扶助基準を平均6・5%、最大で10%引き下げ、利用世帯の96%に影響が及ぶ大規模な削減でした。
しかし、基準引き下げについては、政府決定を違法とする司法判断が相次いでいます。

 10月19日、横浜地裁は基準引き下げ決定を違法とし、減額取り消しを命じる判決を言い渡しました。判決は、客観的な統計を見れば引き下げに根拠はなく、専門家の検討も経ていないと批判しました。これまでの判決と合わせ4件で、減額を違法と断罪したことになります。国は誤りを認め、生活扶助、住宅扶助や、冬季加算、などの生活保護基準を元の水準に回復することが不可欠です。激しい物価高騰が続いた1973年~1974年には、生活保護基準引き上げなどの特別措置は6回行われています。当時の政府内には「被保護者に対して安心して年を越せるようにする」などの議論があったとされます。

 この間に廃止された老齢加算の復活、夏季加算の新設などを検討することも重要です。
生活と権利を守るために生活保護の申請をためらわせる要因になっている親族などへの扶養照会は廃止が必要です。また、生活保護利用者の大学・専門学校への進学を認め学ぶ権利を保障すること。社会福祉などケースワーカーの増員や職員研修などを行い、憲法25条にのっとった運用を促進することをつよく要望します。
議員各位の賛同を求め、意見書の提案理由説明を終わります。

 陳情第23号 金沢市が浅野町校下にある世界平和統一家庭連合金沢家庭教会と交わした本市公園等里親事業による合意書の解除を求める陳情書は、佐藤清・陳情人から提出されたものです。。

 この陳情書の中で、述べられているように世界平和統一家庭連合・旧統一教会は、霊感商法、高額献金、集団結婚式、さらに、信者二世や、信者間の養子縁組などによる被害など社会的問題を引き起こしてきた反社会的集団です。

 政府は、この旧統一教会に対して、宗教法人法に基づく解散命令請求を視野に、質問権の行使を行っています。

 行政が社会的奉仕活動をもって、この旧統一教会の活動を容認することは、この団体があたかも社会的に認められ問題のない団体であるという言わば「お墨付き」与え、さらなる被害拡大につながるものです。

 本市公園等里親事業実施要綱の第5条には、合意の解除を明記し、市長の判断で合意の解除ができるとしています。 よって、本市がこの団体と交わした本市公園里親事業による合意書の解除を求めるこの陳情に賛成です。

大桑初枝議員

私は認定第1号令和3年度金沢市歳入歳出決算認定について、認定できない事を表明し、その主な理由をのべ討論いたします。

令和3年度は、新型コロナウイルス変異株「オミクロン株」が猛威を振るい、観光、飲食産業をはじめ、多様な職種で休業や、時短などが余儀なくされ、市民生活に大きな影響をもたらしました。

また、コロナ禍に加え、急激な物価上昇も、多くの市民の生活を、直撃しました。

今回上程された令和3年度の決算は、一般会計及び10の特別会計を合わせた総計決算額では、歳入が3210億9千万円で歳出が3115億7500万円、新年度に繰り越すべき財源39億9300万円を控除した実質収支は、55億2200万円の黒字となっています。

決算に反対する第一の理由は不用不急の大型公共事業を推進しようとしている事です。

金沢港建設事業では、大手企業であるコマツの工場を誘致するとして大浜岸壁では大水深岸壁の事業が進められてきました。また、クルーズ船誘致のためとして無量寺岸壁改良事業と施設整備などの事業が行われ令和3年度決算では、6億2200万円余が投入されています。しかし、新型コロナウイルスの感染は終息が見通せず、クルーズ船誘致は困難な状況が続いています。このような巨額の税金投入は即刻やめるべきです。

城北市民運動公園整備事業では、市民サッカー場の再整備の周辺実施設計等で9億5721万円が含まれています。

このサッカー場は、現在地で改築予定だったにもかかわらず、公園敷地内にあるジュニアスポーツコートとクライフコートの敷地に移転するものです。、当初事業費が75億円だったものが80億円に増額となり、さらにジュニアスポーツコートとクライフコートなどの移転新築を含めると総額100億円規模となろうとしています。コロナ禍のもと市民生活の状況から考えても、巨額の費用を投じてのサッカー場の整備事業は再検討すべきです。

学校給食の共同調理場にかかわる点です。

新共同調理場建設事業費として市内泉本町地内に8000食の新共同調理場建設事業として、基本設計費1441万円が決算に含まれています。今後、新たな学校給食調理場整備計画に基づき、泉本町地内のほか駅西・臨海に11000食と大規模共同調理場を新たに建設し、4つある単独調理場をなくし、鞍月共同調理場と8つある学校併設の調理場を廃止するとしています。大規模化して業務の効率化を優先するのではなく、本市がほこる食の教育、地産地消、直接雇用、災害からのリスクを減らすなど、子どもたちにあたたかく、おいしい学校給食を提供する責任や地域経済にとってよりよい給食にするため、単独方式こそ増やすべきです。

反対する第二の理由は災害級とも言えるコロナ禍の緊急事態に一番対策が求められる社会的弱者や地域経済の要である市内の中小業者への支援策が十分実施されなかったという事です。

コロナ禍で立ちいかなくなった中小業者、市民の方は生活の為に、社会福祉協議会が実施した特例貸付事業や、住居確保給付金事業などを頼りにしました。住居確保給付金事業は、昨年より大幅に減りましたが2283件と依然家賃の支払いも、困難な状況は続いています。度重なる新型コロナウイルスの影響で経営難に直面している事業者に対し持続化給付金や家賃支援給付金など、今回限りの支援ではなく、本市独自の直接支援もさらに強化し、事業と雇用が継続できるよう施策の転換が求められます。

医療機関や介護事業所でも新型コロナウイルス感染拡大で深刻な影響を受けました。こうした状況下にあって、受診抑制、事業の縮小、休止などにより、大きな減収が生じました。医療機関、事業所などからは、減収による補填の実施を求める声が上がっています。医療や介護水準を低下させないためにも財政支援、従事者への待遇の抜本的改善、検査体制の拡大、拡充が求められます。

本市の新型コロナウイルス感染症が広がる中で、対策の最前線に立ってきた保健所の体制強化が求められてきました。もともと保健師の定数が少ないことから、相次ぐクラスター発生に医療や保健所の現場がひっ迫する状態が続き、感染への市民の不安が広がりました。わが党は、保健所の体制強化、医療や介護施設への補填、PCR検査を広く定期的に実施することなど具体的な提案を行ってきました。その具現化として、正規保健師や会計年度職員、合わせて5名の保健所職員の増員が行われましたが、抜本的な改善こそ必要です。

市営住宅についても触れておきます。

市営住宅の修繕が遅れ、空き部屋解消が進んでいません。保証人要件の廃止や、給湯器、風呂釜の設置などの改善が必要です。また、若年世帯の入居要望に応えるためにも、入居条件の緩和や、給湯器、浴槽の設置をスピード感もって進めるべきです。

個人番号カード、いわゆるマイナンバーカードの交付事業の推進に反対です。制度開始から令和3年度までの8年間のマイナンバーシステム整備費とマイナンバーカード交付事務事業費の累計は9億2千万円に上ります。この事業の狙いは、政府が国民一人一人に生涯変わらない番号を付けて資産、医療、教育などの個人情報を一元化して、連携・活用しようとするものです。これ自体、プライバシー権侵害の危険を持つ重大な問題です。

政府は22年度末までにすべての国民にマイナンバーカードを行き渡らせることを目標とし、健康保険利用、マイナポイントなど、国民がカードを使わざるを得ない状況を作り出しています。こうしたなか政府は、新設されたデジタル庁に旗を振らせてさらなるデジタル化を推進しようとしていますが、高齢者や障害のある方々など、デジタルに対応できない住民が置き去りにされるのではないか、個人データが企業間での取引の対象とならないのか、個人情報がどこまで守れるのか、などといった問題が指摘されています。今後、市民の目線に立ち、しっかりした検討が求められます。

次に介護保険特別会計決算認定について反対です。令和3年度は、保険料が据え置かれたものの基本月額6590円は、介護保険制度が始まった当初に比べて2倍となっています。基金を投入したものの結果として、6億9198万円の黒字になり、介護給付費準備基金へ4億9320万円余を積み立てています。基金の残高は29億一千万円に膨れ上がっています。高すぎる保険料の引き下げを求める声は切実です。こうした声にこたえる立場からも反対です。

令和3年度金沢市国民健康保険特別会計決算認定について反対です。

令和3年度末の国保財政調整基金は31億1,885万円となっています。国保の加入者は、非正規や年金生活者などの低所得者が約8割を占めている実態からも基金を使い、国保料の引き下げを決断すべきです。
 高過ぎる国保料の原因となっている均等割の廃止を国に要請するとともに、 本市独自に未就学児の均等割りの全額減免を実施することを決断すべきです。また、国保料が高過ぎて、払いたくても払えず滞納した人に対する資格証明書の発行は609件で、短期保険証の発行は1,907件でした。これは医療にかかる機会を奪うもので、病気の重症化、命を失うことにもなりかねません。資格証明書、短期保険証の発行はやめるべきです。

私は、日本共産党市議員団を代表して、認定第2号令和3年度金沢市公営企業特別会計決算認定について、認定できないことを表明し、その主な理由について以下述べます。
第一は、本市ガス事業・発電事業についてです。この二つの事業は、令和4年4月1日をもって、金沢エナジー(株)へ売却されました。従って、この二つの会計決算は、これが最後となります。決算から見てもこの二つの事業を売却する必要は見当たりません。
ガス事業です。
令和3年度ガス事業の黒字額は、10億2900万円となり、11年連続の黒字が計上されました、従って、累積欠損金は、約120億円まで増加しましたが、令和3年度決算では、27億円まで減少となりました。
発電事業です。
令和3年度発電事業の黒字額は、3億6900万円となりました。この間、毎年の黒字で、累積欠損金はゼロ、今年度末の未処分利益剰余金は、8億9400万円にのぼりました。
5つの発電所によって生み出された電力は、一般家庭の4万戸分に相当し、これを北陸電力に売電してきました。その電力料収益は、令和3年度決算で11億9043万円となりました。
発電事業は、水力発電によるクリーなエネルギーとして本市が誇るべき事業であり、ガス事業と共に100年間にわたって、運営されてきた市民の財産であります。二つの事業は、この10年来、黒字経営となっていることからしても、民間に売却する理由は見当たりません。
本市企業局は、2016年、今後10年間の経営戦略方針の中で、ガス、発電など5つの市営事業を継続していくことを打ち出しながら、市民と議会との約束を破り、強引にガス事業・発電事業譲渡方針へと突き進んできました。その譲渡方針をめぐって、この間市民からも議会からも数々の問題が指摘されてきました。
 今回、決算審査の中で、問題が指摘されたのは、本市ガス事業・発電事業譲渡に係わって、本市が、北陸電力との電力受給契約の途中解約についてです。
令和3年度内に覚え書きを交わし、令和4年度に入った4月28日本市は、北陸電力に解約補償金として12億3720万円を支払いました。
 この解約補償金について、本市は、国のガイドラインに基づいて行ったと説明してきました。しかし、国のガイドラインは、あくまでも、発電事業を継続運営することを前提とし、発電事業による電力の売電契約について、随意契約から一般競争入札に切り替えるよう促したのが、このガイドラインです。したがって、本市の発電事業譲渡の場合は、適用するものではありません。しかも、今回の補償について、国のガイドラインに基づいて行うことは、国の了解を得ていると述べてきましたが、そうした事実は、ありませんでした。
本市企業局が、北陸電力に解約補償金として12億3720万円を支払った説明と根拠はことごとく崩れ去りました。
では、どのような話し合いが行われたのか。説明が求められました。ところが、北陸電力との話し合いについて、記録も報告書もないとしてきました。これは、重大な問題であり、市民と議会に対する背信行為とも言えるもので許されることではありません。文書作成が明記されいる本市公文書等の管理に関する条例に違反していることが取り上げられました。しかし、本市企業局はあくまでも、問題は無いとの見解を押し通しました。
話し合いの記録も、報告書もないというのは、市民と議会に対しての説明責任を放棄するもので、許されることではありません。この解約補償金の支払いの正当性がないことが明白となったものです。
前代未聞の対応を厳しく批判すると共に、公営企業管理者の責任が問われていることを指摘しておきます。
第二に、水道事業は、令和3年度決算で、7億9600万円余の黒字となりました。県水の契約水量や責任水量制が引き下げられたことによるものです。本来、水道料金の引き下げを実施し、市民に還元すべきであり、引き続き、県水受水契約の見直しに向けてとり組むよう求めておきます。
 本市水道事業は、自己水に比べ4倍も高い県水を契約水量の6割を受け入れる責任水量制によって受け入れる一方、安くておいしい自己水を配水能力の3割しか使っていません。膨大な県水を受け入れる現状を改め、安くておいしい自己水を基本とする水道行政に切り替えれば大幅に水道料金を引き下げることは可能です。
第三に、工業用水道事業についてです。
 先端産業を立地するとして造成された工業用地・金沢テクノパークは、平成4年着工・造成が始まって、30年が経過しています。現在、用地の2割にあたる3区画・6.1haが立地されないままとなっています。これは、東京ドーム1.3個に相当します。
参入した企業への工業用水道事業は、実質3社が利用していますが、毎年赤字。その赤字を一般会計で補填し続けています。令和3年度決算では、3186万円に上っています。
 市政の失敗ともいうべき事業に対して、市民の税金をもって補填し続けることは許されることではありません。このことを述べ、討論とします。

森尾よしあき議員

-森尾議員

 私は、日本共産党市議員団の一人として以下、質問します。

 最初の質問は、物価高騰による市民、子どもへの影響と学校給食費の無償化実施についてです。物価高騰によるひとり親と子どもたちへの影響について、この10月シングルマザーサポート団体全国協議会が調査を行いました。2805人から回答があり、その報告が発表されました。それによると、9月の収入が12万5千円を下回った方が半数にのぼりました。「主食の米が買えない」と答えた方が56%、「くつや衣類を買えないことがあった」と答えた方が81%など、生活実態の厳しさが報告されました。市長は、物価高騰による市民生活への影響についてどのように把握されておられるのか、まず伺います。

-村山市長

 エネルギー資源や食料価格等の高騰は、子育て世帯や低所得世帯などの家計へ与える影響はもとより、国の公定価格に光熱費上昇分が反映されない福祉施設の運営や、経営基盤の弱い中小企業また肥料価格の高騰を受ける農業者などへの影響があるものと考えております。

-森尾議員

 子どもたちへの影響も深刻です。先の調査報告によると、子どもが学校で使うノートや鉛筆を買うのも遠慮する。必要なものなのに大人の顔色を見て欲しいと訴えることをがまんする。さらに学校の集金日や部活動で必要なお金を支払うことができず、集金日には体調不良で休む。小さくなったクツで、足が痛くてもがまんする。高校生がいる家庭からは、修学旅行に行けなかった、弁当が作れず学校を休ませたなど、悲痛な訴えが報告されています。教育長に伺います。学校現場での子どもたちの様子はいかがですか。物価高騰による子どもたちへの影響はありませんか。実態把握がされていましたら明らかにしていただきたいと思います。

-野口教育長

 少し午前中の喜成議員の答弁にも重なるところがございますが、物価高騰による児童生徒への影響につきましては、民間による調査結果が報道されましたことから、本市におきましても全小中学校の校長に聞き取り調査を行いました。その結果、物価高騰に伴って児童生徒の成長の様子につきましては変化を感じているという校長はおりませんでしたが、一方で、学年集金の納入、学用品費や教材等の購入、制服や体操服のリユースなどによって変化を感じているとした校長がおりました。今後も児童生徒の生活の様子につきましては注視していく必要があると認識をしております。

-森尾議員

 教育長。子どもたちの声が聞こえますか。校長からの聞き取りを行ったとのことですが、是非、子どもたちと家庭の実態把握、調査を行うことを求めたいと思いますが、見解を伺います。

-野口教育長

 今ほども答弁させていただきましたけれども、これからも校長を通して、また私自身も学校を回りながら、こどもの変化の様子につきましては把握してまいりたいと思っております。

-森尾議員

 もう一つ実態調査報告があります。子どもの貧困に取り組むNPOが、食料支援プログラムに登録している子育て世帯を対象に調査を行いました。回答のあった1846世帯から調査結果が明らかにされました。家計を維持するために食費を減らしている世帯が84%。日々の食事では外食やおやつ、肉や魚を減らした。その結果、必要な栄養がとれていないと答えた世帯が70%にのぼりました。少しでも出費を減らすために、暖房をつけないようにしている、入浴回数を減らした、トイレを流す回数を減らした、などが報告されました。そして訴えからは、学校関連のものを無償化してほしい、学校給食費の無償化を求めています。教育長に伺います。学校関連のものを無償化して欲しいとの訴えをどのように受けとめますか。学校は、家庭の負担軽減にどのように取り組んでおられるのか伺います。

-野口教育長

 まず学校で使用するドリルやワーク、またテスト代などの補助教材につきましては、その有益性や保護者負担を考慮しながら選んだうえで、学校長が教育委員会の方に届け出ることになっています。学校では保護者の負担軽減に向け、例えばさんすうセットの中身について、保護者には使用頻度の高い教具のみを購入していただき、使用頻度の低いものにつきましては学校で準備をしたり、また国語辞典や漢字辞典は家にあるものや学校図書館に常備されているものを使ったりするなどして工夫をいたしております。今後も各学校が教材等を購入する際にはその有益性や保護者負担等を考慮しながら選ぶよう、校長会議等を通じて引き続き周知徹底を行いますとともに、今回配備いたしました一人一台学習用端末に備えられておりますドリルを活用するなどして、さらなる保護者の負担が軽減できないか検討していきたいと考えております。

-森尾議員

 学校給食費の無償化は切実な願いとなり、全国で広がっています。小中学校とも学校給食費の無償化実施は、2017年76自治体でした。現在は224自治体へと広がり、この5年間で三倍となっています。県内では、穴水町が小中学校で、小松市、輪島市が中学校で、羽咋市が中学2年3年生で、加賀市ではこの2学期から小中学校で実施するなど、県内でその実施が広がっています。未来ある子どもたちが心配することなく成長して欲しいとの考えが実施を後押ししています。市長。学校給食費の無償化実施の決断を求めます。見解を伺います。

-村山市長

 全国的な物価高騰の中で、本市の学校給食費につきましては保護者への経済的負担の軽減を図るため、6月の補正予算に加えて本定例月議会でも食材費の不足分を全額市で補填する、学校給食費物価高騰特別対策費をお諮りしております。また経済的な理由で就学が困難な場合につきましては教育費の負担軽減や子育て支援の観点からも就学援助制度によって給食費の全額を支援しておりますことからも、現時点で学校給食費の無償化については考えてはおりません。

-森尾議員

 自治体の判断で学校給食費の無償化を行うことについて、岸田首相は「自治体が補助することを妨げるものではない」としています。市長。学校給食費の無償化実施を決断するよう強く求めたいと思います。

 質問の第二に、旧統一教会に対する本市の対応についてです。旧統一教会などによる霊感商法による被害、資金集めに高額献金などの実態、信者二世の被害など反社会的集団・カルト集団としての実態が日々明らかとなっています。去る11月22日文化庁は、旧統一教会に対して宗教法人法に基づく質問権をはじめて行使し、組織運営、収支報告と財産などに関する書類や帳簿の提出を求めました。行為の組織性、悪質性、継続性を示す証拠を集め、解散命令請求を視野に取り組んでいく考えであることが報じられました。市長はこうした一連の動きについてどのように受け止めておられますか。伺います。

-村山市長

 先般、国において質問権が行使されたということ、また法が制定されたということでありますが、まず質問権についてはその回答に基づく国の動向を注視していきたいと思いますし、また施行された法律の運用を見守っていきたいと考えております。

-森尾議員

 日本弁護士連合会がこの9月5日から10月27日までに寄せられた相談について報告が行われました。それによると309件の旧統一教会に関する相談があり、財産に関する相談が82%の253件。被害額として1千万円以上が41%にあたる128件。驚くべきことに1億円以上の被害が17件あったとのことです。私はこの間、この旧統一教会について住民アンケートに取り組んできました。その中に被害にあった方からの悲痛な訴えがありました。2つ紹介いたします。60歳代の方からは「わが家の母が壺をはじめあらゆる品を買わされ、何百万円と聞いています。家庭圧迫だ。」と。50歳代の方からは「私の姉です。乳がん治療をせず、お布施に検査費用としてあげたのにそれを教会に持って行ってしまいました。治療を一回しか受けず、享年53歳でなくなりました。心優しい姉だったのでくやしい思いがします。」胸が痛む訴えです。これ以上被害を広げてはなりません。市長。被害救済とともに、ありとあらゆる努力で市民のいのちと財産を守るために取り組むことが求められています。市長の見解を伺います。

-村山市長

 先般国の方で悪質な献金等による被害者の救済と再発防止の観点から、国会で審議されていた消費者契約法などの改正と被害者救済を図る新法が成立いたしました。今後法に基づく国の対応を見極めていきたいと考えております。

-森尾議員

 私の地元、浅野町校下には、この旧統一教会の施設があります。現在の名称は世界平和統一家庭連合金沢家庭教会です。この旧統一教会が、令和元年7月、本市公園里親事業に申請し、本市と合意書を交わしました。浅野町第三児童公園を活動区域とし、清掃などを行うとしたものですが、その活動実態は本市として把握していないとのことです。本市は、申請のあった時点において、この団体が旧統一教会とは知らなかったとのことです。旧統一教会は、霊感商法や、合同結婚式、信者からの高額献金、信者の養子縁組など社会的問題を引き起こしている反社会的団体です。これ以上の被害を起こしてはなりません。本市としてこうした反社会的団体とは関係を断ち切ることが求められています。市長。一刻も早く、先の合意書を解除し、旧統一教会との関係を絶つべきです。見解を伺います。

-村山市長

 こちらは9月の議会でもお答えした通りでありますけれども、公園等里親制度は身近な公共空間である公園・緑地等の利用及び美化を促進し、まちづくりに対する市民の意識の高揚を図ることを目的としておりまして、里親となっている団体の清掃活動のみを支援するものであります。一方で、社会的な影響が大きい当該団体との関係につきましては、市民の不信感を招くことのないよう対応する必要があるとも考えてございます。国が質問権を行使し、その結果どのような判断をするかなども含め、引き続き国の動向を見極めて慎重に対応してまいりたいと考えております。

-森尾議員

 市長は国の動向を注視し対応すると述べてきましたが、国の動向ははっきりしてるんじゃないでしょうか。本市はこの旧統一教会と交わした合意書を解除する決断が求められていると思います。再度、市長の判断を求めたいと思います。

-村山市長

 国が質問権を行使したということは承知しておりますけれども、現段階におきましては団体として法的な措置を受けた、あるいは受ける予定と断定するに至っていないと判断してございます。引き続き国の動向を見極めて対応してまいりたいと考えております。

-森尾議員

 では、国が宗教法人法に基づく解散命令申請を行った場合、初めてその時点で決断されるというのが市長の見解なんですか。

-村山市長

 仮定に基づいたご質問ですので、こちらはお答えできないと思います。

-森尾議員

 市長は個人的には好きではないと述べたんですが、今の段階では仮定ではないんです。国は進行中なんです。私は、国自身が宗教法人法に基づく解散命令を視野に入れて取り組んでいる状況を踏まえて、市としての決断を改めて求めておきたいというふうに思います。

 質問の第三に、金沢市における再生エネルギー発電設備の適正な設置及び管理に関する条例制定について伺います。この条例制定のきっかけとなったのが、本市御所町の住宅地に隣接する山林での太陽光パネルの設置でした。民間業者の計画では、約1ヘクタールの山林に太陽光パネル3200枚を設置するというものです。軟弱地盤の上に、傾斜が30度以上の場所もあり、雪や雨によって雪崩や土石流などが発生し、住宅地に被害が及ぶ恐れがあるとして地域住民が反対を表明してきました。計画はストップしていますが、現状はどのようになっているのか。この条例制定によって問題が解決するのか、伺います。

-坪田都市整備局長

 令和3年12月に事業者は国に対しまして計画地を当初の住宅地に隣接した斜面から、住宅地から離れた勾配のゆるい箇所に変更する旨の申請を行いました。しかしながら国から事業計画の不備を指摘され、その対応に時間を要したことから、変更の申請がいまだ認定されていない状況となっております。本市としても住民の不安を払拭するため、事業者と連絡を密に取り合い動向を注視しているところでございます。

-村山市長

 条例の制定により問題は解決するのかという部分もご質問いただきました。条例案をお認めいただければ、関係する事業者に対して条例の趣旨や内容、本市の対応等について明確に伝えるとともに、適切な安全対策の実施や住民の十分な理解を得るよう引き続き国等と連携して指導してまいりたいと考えております。条例の制定によって本市の状況に応じた再生可能エネルギー発電設備の適正な設置が図られるものと考えております。

-森尾議員

 これまでの本市の見解と対応について改めて伺っておきたいと思います。本市と専門家による現地調査を行いました。その結果、急斜面で軟弱地盤である、場所によっては35度の傾斜があり、浅い杭で施行すると非常に危険である。従って、まちづくり条例に基づく最終的な了解となる通知文は出さない。これが本市の見解でした。この対応は変わりはありませんか。

-坪田都市整備局長

 その対応には変わりはございません。

-森尾議員

 この条例案について、本市環境審議会やパブリックコメントを通じて様々なご意見が寄せられたとのことです。そこで、条例提案に対して主な点について見解を伺います。第一に、再生エネルギー推進計画がない中、いわばその規制内容を盛り込んだ条例制定を先行したことは、本市が再生エネルギー推進に消極的とも受け止められかねません。問題となっている太陽光発電について限定する条例提案とすべきではありませんか。見解を伺います。

-村山市長

 令和2年度に策定した金沢市地球温暖化対策実行計画において、再生可能エネルギーの利用推進を基本方針に掲げて取り組みを進めておりますが、ゼロカーボンシティかなざわの実現にはさらなる再生可能エネルギーの利用拡大に取り組む必要がありますことから、自然環境や景観、住民生活への影響等、本市の状況に応じた適正な発電設備の整備が図られるよう、位置環境や手続きを明確化する条例を今回お諮りしたものであります。再生可能エネルギーの利用拡大は脱炭素社会の実現に不可欠であり、安定した電力供給が行われるためにも風水力やバイオマスなど他の発電設備の設置も考えられることから、将来的な立地の可能性も考慮して太陽光発電以外の施設も対象とすべきと判断いたしました。

-森尾議員

 第二に、条例案には明記されず、規則で定めるというものが二つあります。一つは、対象となる再生可能エネルギー発電設備についてです。二つは、抑制区域についての項で、市長の許可を必要とする区域について規則で定める、としています。「規則で定める」内容とはどんな内容なのか、明らかにしていただきたいと思います。

-加藤環境局長

 今ほど森尾議員から「規則で定める」ことの内容についてのお伺いをいただきました。まず条例の対象となる設備のことでございます。規則では住宅や事業者社屋等の屋根などに設置をされている太陽光発電設備や、支柱の高さが15メートル以下の風力発電設備は、維持管理等の責務に関する規定を除きまして周辺住民の生活や環境への影響が軽微なものとして条例の適用外としたいと考えているところでございます。このほか、発電出力20kw未満の太陽光及び風力発電設備や、100kw以下の水力発電設備につきましても、その規模から同様に条例の適用外としたいと考えております。また設備の設置にあたりまして、市長の許可を必要とする抑制区域でございますが、自然環境・景観・生活環境の保全、文化財保護等の観点から、自然環境保全区域や景観形成区域、宅地造成工事規制区域、史跡・名勝・天然記念物にかかる区域、都市計画法に基づく住居系地域、商業系地域などを考えているというところでございます。

-森尾議員

 本市景観審議会は、去る11月28日に開かれ、この条例提案について議論が交わされました。景観を守る立場から、今回の条例制定について、どんなことを望むのか。この条例制定によって、景観面での指導方針がかわるのか。景観を担当する都市整備局に伺います。

-坪田都市整備局長

 再生可能エネルギーの利用の促進は現在、世界的に取り組むべき課題でありまして、本市においても今回条例を制定し推進していくこととしております。そのことを踏まえまして、景観を保全する立場としましては、再生可能エネルギーの発電設備が設置される場合には、景観審議会の意見を伺いながら事業者に景観への配慮を求めることで再生可能エネルギーの利用促進と本市の魅力である景観の保全が調和したものとなるように進めていきたいというふうに考えております。今後の指導方針でございますが、これまでも太陽光発電設備等の設置につきましては景観計画で定める基準に照らしまして設置の仕方でありますとか公共空間からの見え方等について設置者等と協議し、周辺環境に調和するよう指導してきたところでございます。条例制定後におきましても指導方針に変わることはなく、これまで同様慎重かつ丁寧な審議のうえ、指導していきたいというふうに考えております。

-森尾議員

 では、この条例提案の担当局である環境局に伺います。先の景観審議会で、景観形成区域については禁止区域とする方がよいとの意見が出されました。条例提案では抑制区域となっています。見解を伺います。

-加藤環境局長

 景観審議会のご意見のことのお尋ねをいただいております。景観審議会の委員からご指摘の意見があったことは私共も承知しておるところでございます。景観形成区域におきまして、再生可能エネルギー発電設備の設置申請があった場合には、まずは景観形成区域を所管する部局で関係条例や各種基準、専門家等の意見に基づいて検討が行われることが適切というふうにとらえているところでございます。再生可能エネルギーの利用推進といった観点も含め、市長の許可が必要な抑制区域としたものでございます。

-森尾議員

 市長。今のやり取りをお聞きして、景観行政と環境行政との見解と対応が異なっています。協議が十分行われないまま条例提案となったのではありませんか。市長はどのように受け止めていますか。

-村山市長

 ただ今の都市整備局長と環境局長の答弁は整合性がとれていると把握しております。

-森尾議員

 11月28日に開かれた本市景観審議会で、この条例提案の内容について審議されました。しかしその時点では条例提案の内容が決まった後でした。景観審議会を軽視してはいませんか。この景観審議会から、景観形成区域については抑制区域ではなく禁止区域とする方がよいとの提案が行われています。一体、どういう対応をされるのでしょうか。

-村山市長

 景観審議会の中でご指摘の意見があったというのは承知をしております。ただこれが景観審議会の決定だということではないというように思っておりますので、意見は自由にあげていただいて構わないものだというように承知しております。

-森尾議員

 ちょっと市長の答弁としては問題じゃありませんか。要は、十分な市民の合意が必要だということを私は強調したかったんです。専門家のご意見については十分検討が必要だと思います。とりわけて、景観審議会との議論は、過去幾多にわたって本市のまちづくりや景観について様々な提案も受けて、本市はそれを尊重してきた立場なんです。市長の答弁は軽率だと私は思います。したがって、今回の条例提案について議論を尽くすべきだと私は考えます。市長の決断と判断が必要だと考えますが、改めて答弁を求めます。

 

-村山市長

 先ほどの答弁ですけれども、景観形成区域内において再生可能エネルギー発電設備の設置申請があった場合は、まず景観形成区域を所管する部局で関係条例や各種基準、専門家等の意見に基づいて検討が行われるというように承知しております。再生可能エネルギーの利用推進といった観点も含めて、市長の許可が必要な抑制区域となっております。条例案につきましては先行する他自治体の例も参考にして、パブリックコメントの実施なども通して寄せられた市民の意見、あるいは専門家の意見等を可能な限り反映して、また本市の自然環境等の保全、また住民生活等への影響に関係する他の条例とも整合性を十分に考慮して今回上程させていただいたものであります。ご意見の中にはより早い制定を望む、そして速やかな運用を望むという声も多くありました。お認めいただければ今後寄せられる様々な意見も参考にして、条例の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。

-森尾議員

 質問の最後に、森本地区・三ヵ所での地元スーパー閉店に伴う対策と地域の公共交通の確保について伺います。森本地区の地元スーパーがこの11月末をもって相次いで閉店となりました。地域住民の間では、日々の買い物が困難となり不安が広がっています。先日、地元から対策を求める要望書が市長宛に提出されました。市長はこうした事態と地域住民の要望について、どのように対応されるのか見解を伺います。

-村山市長

 森本地区のスーパーが三店舗同時に閉店ということは、地域住民の生活に大きな影響があるといように理解しております。報道によると閉店後の計画については後継事業者が検討しているということであります。早期に地域住民の生活に配慮した事業計画を示していただきたいというように思っております。引き続き推移を注意深く見守っていきたいと思います。

-森尾議員

 地域のスーパーの閉店だけではありません。森本地区でのJRバスの運行が廃止となりました。薬師地区での地域運営交通も、この6月末をもって廃止しました。そこで、この7月から高齢者等の日中の移動手段を確保するとしてジャンボタクシー2台を運行する民間による「チョイソコ」と呼ばれる試験運行が始まりました。現状と課題について、明らかにしていただきたいと思います。

-村山市長

 7月から試験運行を開始した地域運営交通「チョイソコ」につきましては、徐々に認知度が高まって会員登録者や利用者には増加傾向が見られます。住民からのアンケートによれば利用者の大半から「満足している」との回答がございますが、今後より多くの方に利用していただくことが重要と考えております。

-森尾議員

 チョイソコは午前8時から午後3時までという利用時間の制限があります。予約制となっています。行き先についての制限があります。片道一回300円です。足の確保がなくなってしまうことからすればがまんの範囲かなあ~という率直な住民の声もあります。このチョイソコは、本格運行はいつから予定しているのか。課題の解決に本市はどのように係わっていかれるのか伺います。

-村山市長

 市としては来年度のできるだけ早い時期からの本格運行に向けて地元の皆様と協議を重ねているところであります。本格運行におきましては、地元の皆様のニーズを十分踏まえながら、より多くの方にチョイソコを利用していただけるよう取り組んでいきたいと考えています。

-森尾議員

 現時点において、このチョイソコの本格運行はいつから予定しているのか、市としての課題はどのように問題解決に臨んでいかれるのかということを伺ったんですが、回答を求めたいと思います。

-村山市長

 いつからというところは、来年度のできるだけ早い時期からということで協議を重ねております。また課題解決でありますけれども、地元の皆様のニーズを十分踏まえて、より多くの方に利用していただくということが大事だというように思います。その利用者を増やしていくというところに今取り組んでいきたいと考えています。

-森尾議員

 本市の地域交通施策の失敗と無策ぶりがこの地域に集中的に現れたと考えます。都心軸での新しい交通システム導入検討が進められましたが、その導入は事実上破綻しました。郊外での地域交通は地域住民にお任せ。内川、大浦で運行されたものの、それ以外では広がりませんでした。北鉄バス、JRバス路線の縮小・廃止が打ち出されると新たな民間交通頼みとなっています。いったい、本市の地域公共交通の構築をどのように進めていかれるのか、伺っておきたいと思います。

-村山市長

 このコロナ禍で公共交通の利用者が大きく減ってしまった、これがひとつ各地域での公共交通の路線廃止あるいは縮小につながっていったというように捉えております。交通が不便な地域の交通手段を確保するためには、それぞれの地域の実情に応じて地域運営交通を導入して進めていくことが重要であるというように考えております。制度の周知に努めるとともに、地元の意見をしっかり聞きながら、持続可能な交通ネットワークの形成につなげていきたいと考えております。

-森尾議員

 ちょっと踏み込んで、じゃあ本市の地域公共交通の構築に向けて具体的な課題の解決は一体どこで議論され、どのような方針で臨んでいかれるのですか。

-村山市長

 現在、第三次の金沢交通戦略を策定しているところであります。民間の事業者、現在公共交通として提供していただいている事業者の方のご意見も伺いながら、また地元の方々のご意見も伺いながら、新たな交通戦略を策定してまいりたいと考えています。

-森尾議員

 最後に、今後の森本地区の発展をどのように進めていくのか伺っておきたいと思います。この間の政治によって、森本地区では次のような事態が進行しています。第一に、米作りを担ってきた農村部で、農業が継続できず、農協も統廃合が進んできました。里山での農山村が過疎化と高齢化によって荒廃が進んでいます。第二に、追い打ちをかけるように本市は小学校の統廃合、今度は保育所の統廃合を進めてきました。第三に、地域住民の生活を支える地域交通の縮小、JRバス路線の廃止、さらには東金沢駅と森本駅の無人化を2024年に実施するとしています。今度は地域スーパーの閉店によって、地域丸ごと買い物難民という事態をむかえています。安心して住みつづられるまちづくりに向けて、農業などの地域経済の振興、学校や保育所など生活の環境整備、医療・介護などの充実、そして何よりも、地域コミュニティーの充実・発展が欠かせないと考えます。市長。未来ある展望を森本地区の方々にどのように示されるのか伺っておきたいと思います。

-村山市長

 市長として就任して以来、また就任する前からですが、市内の各地を回って、また北部地域も回って、様々な実情を拝見してきたところであります。先般、森本市民センターで開催したまちづくりミーティングでは、定住人口の増加策や移住の促進のほか、地域運営交通への支援、農業振興、ふるさとづくりに向けた思いなど、皆様方の切実な声をお聞きしたところであります。これまで開催した他の地域のまちづくりミーティングにおいても、森本地区と同様に地域活性化について多くのご意見をいただいておりますが、新たな都市像の策定を進める中で検討していきたいと考えております。

-森尾議員

 市政の直面する課題に具体的に全力をあげると共に、市民一人一人がこの町で暮らしてよかったと言える展望を具体的に示されることを求めて、質問を終わります。

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