お知らせ |日本共産党 金沢市議員団 |9ページ

お知らせ

2022年5月6日

金沢市長 村山 卓 様

くらしと営業を守る緊急経済対策についての申し入れ 

日本共産党金沢市議員団
森尾 嘉昭
広田 美代
大桑 初枝

 急激な物価の値上がりがく^らしと営業に深刻な影響をもたらしています。
 灯油、ガソリン、都市ガス、輸入牛肉、小麦、油などエネルギーや食品など生活必需品が軒並み値上がりし、消費税3%引き上げと同じくらいの負担増になっており、市民生活と営業を守る緊急経済対策について、以下提案いたします。

1 消費税10%を5%に引き下げると共に、電気・ガス料金の引き下る対策を国に求めること。

2 低所得者、母子家庭への経済的支援策を強化すること。

3 介護、福祉施設に対してガソリン代の補助を行うこと。

4 上下水道料金について、夏から秋、4か月間の基本料金を免除すること。

5 学校給食に関して、電気・ガス料金や食材料の値上げによる給食費の引き上げは行わないこと。また、学校給食費の無料化を実施すること。

6 農業では、燃料代や飼料価格の値上がりが深刻となっており、支援策を行うこと。

7 飲食、建設関係をはじめ多くの事業所では、燃料、食品と資材の値上がりが続いていることから、市内事業所に対して事業継続への支援策を行うこと。

8 公共事業において、燃料、資材の値上がりによる影響を調査し、適切な公共事業の発注になるよう対策をとること。

9 子ども医療費助成について、対象年齢を18歳まで広げると共に、完全無料化とすること。

以上

大桑初枝議員・広田美代議員・森尾嘉昭議員・相川副市長

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 わたしは、日本共産党市議員団を代表し、討論いたします。

わが会派は、上程された議案66件のうち、議案第62号、議案第64号、議案第69号、議案第70号、議案第72号、議案第74号、議案第75号、議案第76号、議案第83号、議案第84号、議案第87号、議案第89号、議案第92号、

議案第106号、議案第108号、議案第114号、議案第115号、及び

議案第123号の議案18件について反対します。その主な理由を述べます。

 今、本市が果たすべき役割は、何よりも新型コロナウイルス感染症対策を進め、住民の命と暮らし、営業を守ることです。にもかかわらず、今般編成された本市新年度予算は、市民生活を守り、本市の地域経済を振興していく上で重大な問題があるといわざるをえません。

 主な理由を述べます。

 第1に、市民のために税金が使われていないことです。

 金沢港建設事業費に当初予算と最終補正予算合わせて5.9億円が計上されています。大手企業であるコマツの工場を誘致するためとして大浜岸壁では大水深岸壁の事業が、又、クルーズ船誘致のためとして無量寺岸壁改良と施設整備などの事業が行われてきました。しかし、新型コロナウイルスの感染は終息が見通せず、クルーズ船誘致は困難な状況です。今年度は国県市と合わせて11億800万円となっています。このような巨額の税金投入は即刻やめるべきです。

また個人番号カード交付事業、いわゆるマイナンバーカードについては新年度予算では、交付事務費として1億9,500万円余りが計上されています。この事業の狙いは、政府が国民一人一人に生涯変わらない番号を付けて資産、医療、教育などの個人情報を一元化して、連携・活用しようとするものです。これ自体、プライバシー権侵害の危険を持つ重大な問題です。本市に於いて、マイナンバーカードの交付件数は、2月1日現在で39%の交付率です。政府は22年度末までにすべての国民にマイナンバーカードを行き渡らせることを目標とし、健康保険利用、マイナポイントなど、国民がカードを使わざるを得ない状況を作り出しています。国補正で、第2弾マイナポイント事業に1兆8730億円をつぎこむなど、多額の予算を投じていますが、コロナ禍で必要なところにまわすべきです。

こうしたなか政府は、新設されたデジタル庁に旗を振らせてさらなるデジタル化を推進しようとしていますが、高齢者や障害のある方々など、デジタルに対応できない住民が置き去りにされるのではないか、個人データが企業間での取引の対象とならないのか、個人情報がどこまで守れるのか、などといった問題が指摘されています。デジタル化を推進する内容には同意することはできず、今後、市民の目線に立ち、しっかりした検討が求められます。

城北市民運動公園整備事業の中で、市民サッカー場の再整備に係る事業費も問題です。

 現在地での改築予定が、敷地内にあるジュニアスポーツコートとクライフコートの敷地に移転新築するものです。

 事業費は、当初の75億円が80億円に増額となり、さらに、ジュニアスポーツコートとクライフコートなどの移転新築を含めると総額100億円規模となろうとしています。

 今回、大型映像音響システム整備事業として、4億2900万円の委託契約が提案されました。Jリーグの基準に従って整備されるとしていますが、既に県の西部緑地公園内にある陸上競技場ではこの大型映像音響システムが設置され、2万人規模の観客が収容できる施設として整備されています。ここでのJリーグの試合は可能となっています。巨額の費用を投じての市民サッカー場整備を、今しなければならないのか問われています。不要不急の事業ではないかとの立場から同意できません。

学校給食共同調理場についてです。

一日8千食の新たな共同調理場を泉本町に建設するとして事業費が計上されました。又、緑共同調理場の委託化を開始するとしています。

あたたかく、おいしい学校給食を提供する責任を行政が果たしていくうえで、学校給食は直営で、単独校方式を基本とする方向へ転換すべきと考えるものです。これとは逆行するもので同意できません。

 議案第64号、本市市街地再開発事業費特別会計については。

 本市金沢駅から武蔵までの区間を直線道路で結び、その道路沿いに5つの再開ビルを建設するとして事業が行われました。ところが、建設されたビルの保留床が売れ残り、その後、貸し付けを続けていますが、あいたままとなっています。その管理費等を一般会計から補填し続けています。従来からこの事業に反対しており、同意できません。

第2に、市民負担についてです。

議案第92号は玉川図書館および玉川こども図書館の駐車場利用者から駐車料金を徴収するというものです.

図書館は憲法で保障された、市民の知る権利や学習権のために設置されている文化施設であり、多くの市民が利用する公共施設です。読みたい本を探したり、資料を調べたりをしていれば、数時間滞在するということも珍しくありません。公共交通の整備が十分ではなく、障害を持っている方、お子さん連れの方など、事情があって車を使っている方などいらっしゃいます。市は年間3000万円の利用者負担を見込んでおり、図書館利用者から駐車料金を徴収することは認められません。駐車場の問題については利用者や市民の意見や工夫策を募り相談することを求めます。また、平和町児童館の建て替えに伴い本市が設置してきた児童図書館が廃止される提案には本市が継続して責任をもって運営していく事を求めます。

宿泊税についてです。いまだ、コロナ収束の見込みがたたない中、宿泊税は昨年度比13・4パーセント増の5億3000万円もの収入を見込んでいます。宿泊税は、小規模な宿泊業者にとっては、大きな負担です。宿泊料一泊1万円未満の業者には適用しないなど改善を求める要望が多く出されています。宿泊税は中止するなどの必要な改善を図ることを求めます。

 ごみ有料化は、コロナ禍でさらなる市民負担となっており、税金の二重取りです。中止を求めます。

介護保険料についてです。3年ごとに事業計画が策定され、令和4年度は2年目になります。基準となる保険料は月額6590円で介護保険制度が始まった当初に比べ2倍となり、年金生活者にとって重い負担となっています。特別会計は連続して黒字となり基金残高は、今年度末見込みで29億1800万円であり基金を使い、保険料の引き下げを行うべきです。

後期高齢者医療制度は、75歳以上の方を別枠の医療制度に押し付けるものであり、従来から反対の立場です。

 第3に、本市のガス事業・発電事業の譲渡が市民の理解と合意を得ないままに進められたことです。

100年にわたって、本市公営事業としてきたガス・発電事業譲渡についてです。

この4月1日民間企業の金沢エナジー(株)に売却するとして精算予算等が提案されました。この間、譲渡をめぐって、河川法違反の指摘、譲渡価格や本市出資比率の低さなど本市の責任を問う指摘、さらに、81名の職員を譲渡先企業へ退職派遣する計画などについて数々の問題が提起されてきました。市民の理解と合意がないまま強引に進められてきたことから一貫して批判してきました。

 今回、精算特別会計において、北陸電力との電力受給契約解除することで、その補償金13億5300万円を支北陸電力に支払うとの提案がされました。この間の経過について全く議会に報告はありませんでした。北陸電力との話し合いについて、会議録はないとして内容を明らかにしません。この補償金は、北陸電力に利便を図るものとして認めることはできません。

第4に、水道事業と工業用水道事業についてです。

 水道事業の新年度予算において、予定利益として10億348万円が計上されています。これは、県水受水契約と責任水量制の見直しによって、もたらされたものであり、市民に還元すべきです。昨年度コロナ禍のもとで、4ヶ月間の上下水道料金の基本料金の減免が実施されました。新年度においても、実施されるよう求めたいと思います。

工業用水道事業は、森本テクノパークにおける企業立地に伴い工業水道を供給するものです。企業立地のために造成された森本テクノパークは、今だ2割があいたままとなっており、工業用水道を利用しているのは、実質3社にすぎません。開発当時から使用料金は変わらず、会計の赤字を一般会計から補填続けています。事業の失敗のツケを市民に転嫁していることから同意できません。  

 第5に、職員定数と給与に関わる点です。職員定数については、ガス・発電事業の売却に伴うもので、企業局の削減が大きいですが、ガス・発電事業の売却については、市民の理解と合意が得られていません。また、保健師2名が増員されていますが、これで十分とは言えず、さらなる体制の強化が必要です。技能職などの退職者不補充方針により学校施設で校舎管理員4人、ごみ収集で5人共同が、削減されました。調理場の調理技士9人いずれも異動となっています。さらに民間委託が進められています。安易な民間委託は責任の所在が不鮮明となり、コストを重視するあまり、サービスの低下にもつながりかねません。あわせて、職員定数の削減により規模や業務の縮小、非正規職員などでの補充とならないよう求めておきたいと思います。又、技能職不補充の人事政策をやめるよう求めておきます。

職員の給与に関することです。今回の本条例改正は期末手当の支給割合を引き下げるというものです。

保健所・救急をはじめ多くの職員の奮闘に報いる給与でなければならず、厳しい人員体制のもとで、新型コロナ感染や頻発する自然災害への対応など、市民の命と暮らしを守るために奮闘する職員に一方的に支給減を押し付けるものです。これはさらには民間事業者にも波及して、コロナによって冷え込んでいる経済に対し、市民の消費を一層冷え込ませます。したがって給与引き下げには、同意できません。なお、会計年度任用職員の待遇改善は引き続き求めておきます。

請願14号「児童・生徒の健康と学習権を保障するために学校トイレに生理用品の設置を求める請願書」については、新日本婦人の会、中内てるこ支部長から出されたものです。本市議会女性議員でも取り組み、市民や関係団体の要望もあり、来年度は金沢市立中学校および工業高校の女子トイレに生理用品が設置されることが予算化されたことは、子どもと女性の権利を守るうえで大きな前進です。しかし、まだ一番規模の大きい小学校が除外されており、わが党は、小学校までこの取り組みが行き渡るよう求める立場から、この請願に賛成です。付託された文教消防常任委員会においては不採択となりましたがその決定に反対するものです。

陳情第16号は、「政務活動費の金沢市条例改正についての陳情書」で、市民オンブズマン石川の代表幹事から提出されました。政務活動費が、本来の目的に沿って、運用されるとともに、さらなる情報公開による透明性の確保や必要な改善が求められています。この陳情の趣旨を理解するものです。

よって、付託された議会運営委員会で、不採択となりましたが、その決定に反対するものです。

陳情第17号は、金沢市玉川図書館及び玉川子ども図書館駐車場を有料化しないよう求める陳情書で新日本婦人の会金沢支部の支部長、中内てるこさんから出されたものです。次代を担う子どもを守り育てる金沢市が、新しくなる玉川こども図書館、玉川図書館の駐車場を有料化するという提案は、大きな問題です。陳情趣旨にあるように、行政がやるべきは、市民が来館しやすくなるよう環境を整えることであり、市民の来館を妨げてはなりません。付託された文教消防常任委員会では一時不再議となりましたが、わが党は陳情そのものに賛成します。

 以上で反対討論を終わります。

2022年1月緊急議会&2月定例月議会の議員賛否態度

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賛否態度1ページ目

私は、日本共産党市議員団を代表して議会議案第22号75歳以上の医療費負担2倍化の中止を求める意見書の提案理由の説明を行います。

 今年10月から75歳以上の医療費窓口負担を2倍化するとしています。これによって、1割負担を2割に引き上げることによる対象は「年収200万円以上、夫婦とも75歳以上の場合、年収合計が320万円以上」で、約370万人が想定されています。

 年収200万円の方の場合、税金や保険料を差し引いた場合、年間175万円となり、月14万円程度です。こうした方々が医療費の自己負担が2倍になるのです。

 厚生労働省は、この導入によって受診抑制となり、給付費が年間1050億円削減できるとしています。ここに今回の狙いがあります。

 年齢を重ねることで病気にかかりやすくなり、負担が増えれば、経済的な理由で医療機関への受診を控えざるを得なくなります。このことで健康状態がさらに悪化することにつながりかねません。病気の早期発見早期治療こそ大切です。そのことで、医療費の軽減にもつながります。したがって、75歳以上の高齢者の医療費自己負担を増やすのではなく後期高齢者医療制度における国の負担の引き上げが求められます。

 財源の確保をどうするのか。

この点について、述べておきたいと思います。

これまで、国は、「社会保障の財源確保のために消費税は必要だ」などといって、消費税を引き上げてきました。ところが、消費税を増税しても、社会保障は良くなるどころか制度の改悪が続いてきました。

自公政権の9年間で消費税は5%から10%に引き上げられ、13兆円もの増税が国民にのしかかりましたが、その一方で、年金給付の削減、高齢者の医療費窓口負担増、生活保護の削減など、9年間で6兆円もの社会保障の改悪が行われてきました。

そもそも、日本の財政が悪化した主な原因は、社会保障予算のせいではなく、自公政権が大企業や富裕層への減税をくりかえしてきたからです。1989年消費税が導入されてから33年が経過しましたが、その税収は448兆円にもなります。そのほぼ同じ期間に法人三税は323兆円、所得税・住民税は286兆円も減額となっています。

防衛費も増加の一途をたどっています。その額は、新年度国家予算では、5兆円をこえ、10年連続の増加、8年連続で史上最高を更新しています。

私どもは、当面、富裕層や大企業への優遇をあらためる税制改革や、歳出の浪費をなくすことを提案しています。これによって、当面19兆円の財源が確保できます。

ところで、大企業は、この間利益を上げ、巨額の内部留保を積み上げてきました。とりわけ、アベノミクスによって、ひどくなり、2012年から2020年にかけて資本金10億円以上の大企業の内部留保は130兆円増えて466兆円にもなっています。

先の国会で、これに適正な課税を行うことを提案しました。このことで毎年2兆円程度、総額で10兆円程度の新たな財源ができます。

医療分野では、不合理・不透明な薬価制度や高額な薬価の是正が必要だと提案しています。新薬価格を2割引き下げるだけでも、1兆円の財源が出てきます。これによって得られた財源を、医療の充実や患者の負担の軽減に振り向けることが可能です。

こうした税のあり方、予算のあり方を変えれば、社会保障など拡充するための財源は、消費税にたよらずに確保することができるとして具体的提案を行っています。

以上、この意見書は、国に対して、公的年金の削減に加え、さらに医療費の負担増まで強いる75歳以上の医療費負担2倍化の実施を中止するよう求めるものです。

議員各位におかれては、この意見書に賛同することを求め提案説明を終わります。

わたしは、提出会派を代表し、議会議案第24号 「男女の賃金格差の是正へ向け、政府としての施策充実をすすめる意見書」の提案理由説明を行います。

日本は男女の賃金格差がきわめて大きい国です。女性の賃金は、正社員で男性の7割台、非正規雇用を含む年間平均給与では約240万円の男女差があります。40年勤続として試算すると、生涯賃金では1億円近い差です。

 “女性の賃金は男性よりも低いのが当たり前”という風潮と慣行は、職場や家庭でも男女不平等をつくりだしています。女性の労働は家計補助として扱われ、パートなど非正規雇用に追いやられてきました。共働き世帯に子どもが生まれれば、多くは賃金の低い妻が休職・退職を選び、家事や育児の責任を引き受けがちです。離婚すると経済的に自立できないため、配偶者の暴力から逃げられない女性がいます。賃金の平等は、女性の社会的地位を高め、ジェンダー平等を達成するための中心課題です。

 EUは、女性の賃金が男性の8~9割であることを重大な問題ととらえ、企業に男女の賃金格差の公表を義務づけ、是正しない企業に罰則を科す施策を打ち出しました。日本もこの取り組みに学ぶ必要があります。

 日本政府のこの間の姿勢は後ろ向きでした。有価証券報告書にかつてあった男女別平均賃金の記載欄を、企業の負担軽減を理由に1999年度から廃止しました。2015年成立の女性活躍推進法でも、賃金格差の公表はもとより把握すら義務化しませんでした。

 主要国で最悪の男女賃金格差を固定化させてきた政府の責任は重大です。

一方、通常国会では重要な動きが出ています。1月20日の衆院本会議の代表質問で日本共産党の志位議員が、格差解消へ「企業に実態を公表することを義務づけるべきではないか」とただすと、岸田首相は「有価証券報告書の開示項目にするなど具体的に検討する」と答弁しました。

 衆院予算委員会では、野田男女共同参画担当相は「諸外国においては一定規模以上の企業に公表の義務づけが行われている例もあると承知している」とし、日本でも「具体的に検討し、速やかに着手したい」と答えました。開示だけでなく、格差是正を義務付ける仕組みが不可欠です。

 人口の半分を占める女性の力が賃金格差で抑え込まれていることは、社会と日本経済の発展にとっても大きな損失です。さらに力を合わせ、是正を実現することを呼びかけ提案理由説明といたします。

森尾嘉昭議員

-森尾議員

 私は日本共産党市議員団の1人として、3つのテーマで以下、質問いたします。

 最初に、市民のいのちと安全を守る取り組みについてです。
 今月2月1日未明に発生した本市東長江町での土砂崩れへの対策です。
高田団地上部ののり面が高さ約40m、幅約20mにわたって崩れ、その一部が山側環状道路まで達しました。人的被害がなかったものの、こうした住宅地での土砂崩れは住民に大きな不安を与えており、早急な安全対策が求められます。私ども議員団と創生かなざわのメンバーが翌日2日午前、現地を訪れ現場の状況把握に努めました。そこで、今回の原因究明と復旧対策の進捗状況について明らかにしていただきたいと思います。

-相川市長職務代理者

 今回崩落した自然斜面の基層につきましては、大桑層と呼ばれる固まっていない砂の層で、水を含むと緩みやすいという特徴がございます。また現地は水が溜まりやすいような小さな谷筋の地形であることが確認されております。原因を特定することはなかなか難しいのではございますが、発生後に行われた土質調査、それから専門家の方々のご意見を頂戴いたしますと、降雨や雪解け水、また地下水が長年に渡って浸透し地盤が徐々に緩んで状態が不安定になったことが、土砂崩れの主な要因ではないかというふうに言われております。現状と復旧対策の進捗状況でございますが、発生の当日に崩落したのり面に雨水などが流れ込まないように土嚢、ブルーシートを設置するとともに、24時間体制で地盤の変化を監視するための地表面伸縮計を2機設置をいたしました。応急措置として取ったところでございます。今回お諮りしている追加補正予算によりまして、のり面の伸縮とか劣化を防ぐためののり面保護、それから集水処理などの応急復旧工事をお諮りしております。早急に着手したいというふうに考えております。加えまして、本格復旧に向けまして土質調査、あるいは測量設計などの業務をすでに進めさせていただいておりまして、専門家の知見をいただきながら安全対策の方法を検討していきたいというふうに考えております。

-森尾議員

 団地の住民から、土砂崩れ発生の1ヶ月前、緑地脇にあるコンクリートの階段の割れ目から水が吹き出ていたとか、1週間前、階段の両脇の地表から大量の水が流れ落ちていた、という声が出されています。今回の土砂崩れのあった場所の上部には配水池があり、そこから水道管が敷設されています。管理する企業局の方は、この配水池、水道管からの水漏れは確認されていましたか。

-平嶋公営企業管理者

 ご指摘の配水池そのものに損傷はございません。

-森尾議員

 水漏れの確認はされていましたか。

-平嶋公営企業管理者

 配水池からの水漏れは確認しておりません。

-森尾議員

 敷設した水道管からの水漏れは確認されていませんか。

-平嶋公営企業管理者

 敷設された水道管につきましては、崩落によって損傷を受けたものはございますけれども、それ以前に、いわゆる今ご指摘の水漏れといったようなことは確認はしておりません。

-森尾議員

 土砂崩れのあったのり面の土地所有者をめぐる問題など課題があります。一刻も早い復旧対策が求められます。12日、住民に対する説明会が行われましたが、不安の声が続いています。団地上部にある上水道の貯水地と水道敷設、道路の復旧など、本市として責任ある対策が求められています。現段階での対策方針を明らかにしていただきたいと思います。 

-坂本土木局長

 発生から、1日も早い本格復旧を目指すため、現在、国の災害復旧事業の採択に向けて協議を続けておりまして、国の交付金も活用しながらのり面の安全対策や、道路の原型復旧を図ることとしています。なお、地元町会とはこれまでも連絡を密にしておりまして、説明会などを通して情報の共有に努めており、不安が生じないよう今後とも丁寧な説明に努めてまいります。

-森尾議員

 次に、オミクロン株によるコロナ感染の急拡大と今後の    対策について伺います。
第6波のコロナ感染の急拡大をめぐって、国の対策が後手後手に回り、厳しい批判が広がり、その打開策をしっかり示すよう求める声が広がっています。その第一は、ワクチン3回目の接種が遅れたこと。クラスター発生が保育所、学校、医療・介護施設で急速に広がったことです。第二に、入院を含む療養者は84万人で、そのうち約7割の58万人が自宅療養者で、高齢者福祉施設などでの療養者も約5千人となっています。第三に、発熱外来への受診が急増するとともに、重症者も増え、再び医療崩壊に直面し、保健所も深刻な事態となっています。まず本市のコロナ感染状況について、現状をどのように把握し、認識されているのか。クラスター発生状況について伺います。

-相川市長職務代理者

 本市の感染状況でございますが、1月中旬以降感染者が急増いたしました。2月3日に1日あたりの新規感染者数が最大となっております。また今回のオミクロン株の感染によります拡大状況ですけれども、その多くが軽症ではございますけれども、自宅療養者がそのうち約8割となっている現状にございます。それから当初は若い方、若年層の方が多かったわけですが、次第に高齢者の割合が増加してきておりまして、それに伴いまして高齢者施設等でのクラスターも発生してきている現状にございます。

-森尾議員

 保育所、幼稚園などで今年に入ってからの状況と対策を明らかにしてください。教育委員会からは、今年に入ってからの小学校、中学校での感染状況と対策について、明らかにしていただきたいと思います。

-相川市長職務代理者

 私の方からは、保育所、幼稚園の感染状況と対策についてお答えをいたします。令和4年1月以降、市中感染の拡大によりまして、園児・職員の感染が増加している状況があります。昨日までで延べ73の施設が休園をしている状況でございます。各施設に対しましては、これまでも換気とか手洗いの励行、遊具の消毒、職員の3回目ワクチン接種の前倒しなどをお願いいたしております。加えまして保護者には、基本的な感染防止対策の徹底に加えまして園児や同居の家族に発熱等の症状があった場合には登園を控えるなど、できるかぎりの感染症対策をとっていただくことをお願いをしてきているところでございます。

-野口教育長

 市立学校におけます児童・生徒の感染状況と対策についてお答えいたします。まずはじめに感染状況でございますけれども、令和3年4月から12月までは199名でしたが、令和4年1月は334名の感染が確認されております。なお2月に入りましてからも感染が拡大をしておりまして、昨日24日時点で772名の感染が確認されております。各学校におきましては、国のマニュアルや教育委員会が示しておりますガイドラインに基づいて、感染防止の基本であります身体的な距離の確保、マスクの着用、手洗いを徹底し、混雑している場所や時間を避けるよう、児童・生徒の方に指導をさせていただいております。加えまして、まん延防止等重点措置の適用期間中におきましては、児童・生徒が長時間近距離で対面となるグループワークなど感染リスクが高い活動は行わないことといたしております。教職員の追加ワクチンにつきましても、前倒しをしているところでございます。

-森尾議員

 3回目のワクチン接種について、早期の実施ということが全国的な課題となっています。本市での今後の取組等について明らかにしてください。

-相川市長職務代理者

 3回目のワクチン接種についてでございますが、当初2回目の接種から8か月後に行うことといたしておりましたけれども、第6波の感染拡大に伴いまして今年の1月以降は高齢者施設等の入居者と職員にあっては2回目の接種から6か月を経過した段階で接種できることといたしました。希望する施設には速やかに接種券を交付することで、早期の接種を支援してきたところでございます。感染拡大の歯止めには、1人でも多くの方に1日も早く接種していただくことが大切だと考えております。現在すべての接種対象者につきまして、2回目から6か月を経過すれば3回目の接種が可能となるよう、接種券の発送を前倒ししているところでございます。

-森尾議員

 コロナ対策の最後に、自宅療養者が急増していますので、保健所としてはどのような対策に取り組んでおられるのか。また保健所に対する全庁的な支援体制が求められています。現状と今後の方策について伺います。

-相川市長職務代理者

 自宅療養の方に対する支援でございますけれども、健康観察のほかに定期的な電話連絡による健康管理、パルスオキシメーターの貸し出しを行っております。体調悪化時におきましては医療機関の電話・オンライン診察、また往診の調整のほかに、必要な場合には救急搬送の手続きなども行うこととしています。保健所への応援態勢でございますが、各局から休日も含めて14名増員したほか、保健師については平日5名、休日10名を増員し、感染者等への対応や事務処理などを分担して行っておるところでございます。

-森尾議員

 二つ目のテーマは、コロナ禍の中で市民生活を守り、地域経済を立て直す取り組みについてです。

 まず、臨時特別給付金の支給について、早期実施を求めたいと思います。住民税非課税世帯に対する一世帯10万円の支給について、現状と今後の取り組み、早めることができないのか伺います。

-高柳福祉健康局長

 臨時特別給付金につきましては、書類の審査等を終えたものから3月4日より順次支給していく予定であります。支給に当たりましては対象世帯や課税の状況を把握するとともに確認書の提出をしていただきましてその審査の必要がございまして、支給まで一定の期間は要することをご理解をいただきたいと思います。

-森尾議員

 次に、国民健康保険料の引き下げについてです。新年度の国民健康保険料について、現在より一人当たり2004円引き下げることを打ち出しました。財源措置、そして子どもの均等割りを減免、それらについての見解を伺います。

-相川市長職務代理者

 新年度の国民健康保険料につきましては、県から示されました標準保険料率に準拠をいたしまして、市民生活への影響に配慮して、現行金額との差が大きい医療分保険料の均等割を据え置くことといたしております。基金から約5億5千万円の取り崩し、一般財源から約4億5千万円の法定外繰り入れを行うことによって、引き下げをお諮りすることとしております。また、子どもの均等割の軽減についてでございますが、子どもの均等割り保険料につきましては国の軽減制度の創設に合わせまして、この4月から未就学児にかかる分を5割軽減とすることとしております。関係条例の改正をお諮りしているところでございます。なお、低所得者世帯に対しましては、所得基準に応じた応益保険料の軽減措置適用後の均等割り額をさらに5割軽減することといたしております。

-森尾議員

 次に、介護保険料について伺います。令和3年度の介護保険会計における黒字額と基金残高、そしてこの基金を活用して介護保険料の引き下げができないか、見解を伺います。

-相川市長職務代理者

 令和3年度末におきまして、介護保険費特別会計の黒字額は約4億9千万円、基金残高は約29億2千万円となる見込みでございます。現行の介護保険事業計画では、団塊の世代が75歳以上となります令和6年度からの次期計画期間におきまして、サービス給付費はさらに増加すると推計いたしております。このことから、高齢者人口は今後も増加していくことが見込まれます。基金を取り崩して保険料を引き下げた場合、次期の保険料の引き上げ額の幅が大きくなるというふうに想定されますので、これを緩和するために今期の事業計画期間中である令和5年度までは引き下げは行わないことといたしております。

-森尾議員

 次に、水道料料金と下水道料金の引き下げについて伺います。昨年、4か月間の上下水道料金の基本料金の減免措置を行いました。新年度についてはどのような見解をお持ちでしょうか。公営企業管理者に伺います。

-平嶋公営企業管理者

 令和2年の3月から新型コロナウイルス感染症の影響により料金の支払いが困難な方を対象に支払期限を延長するなど、お客様の状況に応じて柔軟に対応しているところでございます。現時点で今ご指摘がありました昨年度同様の減免を実施することまでは考えておりません。

-森尾議員

 地域経済について、新年度の予算を含めて伺っておきたいと思います。本市で3万社を数えた事業所は、今日では2万6千社余りへと減少しています。とりわけ、本市の経済を支えている卸、小売業や、伝統工芸品産業の減少が深刻です。ところが、本市商工費の新年度の予算は全体予算のわずか2%、総額約40億円。前年度に比べ2億円の減少となっています。なかでも、商業振興費とか工業振興費があまりにも少ない。この予算からは本市の経済の打開方向が見えてきません。見解を伺います。

-相川市長職務代理者

 商工費が昨年に比べて減少しているというご指摘でございましたけれども、今年度の当初予算及び最終補正予算には、コロナ対策として中小企業の振興特別資金の低利措置でありますとか、信用保証料の助成制度などを延長するほか、中小企業の人材確保に向けた奨学金の返還の制度についても支援をしております。商工費の減額の主な理由といたしましては、企業立地助成金でありますとか、世界工芸トリエンナーレの開催などの増額がありました。それを昨年度計上しておりましたけれども、その予算等々が減額になったことによるものでもございます。

-森尾議員

 議長の許可をいただいてパネルをお示ししたいと思います。議員各位にあるタブレットでもご覧いただけます。これは本市の伝統工芸品産業の減少がどういう状況にあるかということを示した棒グラフです。加賀友禅、金沢箔、金沢漆器、金沢仏壇の4つについて、経年状況の事業所数を見てみると、この10年間でこの4つの分野で合わせて412事業所が286事業所へと3割の減少となっています。減少傾向に歯止めがかかりません。その年その年に伝統工芸品産業の重要性を述べたとしても、減少傾向には一向に歯止めがかからない。どう打開するのか。業界の要望に応え、抜本的な対策強化なくして減少傾向を食い止めることはできないというふうに考えます。展望ある方向を示していただきたいというふうに思います。見解を求めます。

-相川市長職務代理者

 議員のご指摘の通り、伝統産業に関する中小企業の方々のご苦労は十分理解するところでございます。縁付金箔がユネスコの無形文化遺産に登録されたことを契機に、伝統工芸品産業に対しての関心も高まっているというふうに思っております。それを踏まえて、後継者育成に対する基金の活用でありますとか新製品の開発についての支援に力を入れていきたいと思いますし、工芸作家でありますとか継ぎ手となる人材をどうやって育成していくのか、これまでの技術振興研究所なども活用しながら、職人の技を発信するイベントなども開催しまして、いろんな意味で中小企業の支援を繰り広げてまいりたいと思いますし、ここにも十分留意してまいりたいと思っております。

-森尾議員

 最後のテーマ、ガス事業・発電事業譲渡について伺います。市政をめぐるさまざまな課題が提起されたまま、いずれも先が見えないままとなっています。新しい都市交通はどうするのか。歌劇座のあり方はどうするのか。駅前の都ホテル跡地利用、日銀の移転に伴う跡地と今後の活用について、今が重大な時期を迎えているコロナ感染対策とコロナ後の方策も見えてきません。そして、ガス事業・発電事業譲渡です。前市長が推進してきたわけですが、譲渡はこの4月1日です。前市長の退職は無責任ではないかとの市民からの抗議の声があがっています。何よりも、前市長自らが選挙公約にもなかったことから、市民の信託を得ないまま100年続いてきたガス事業・発電事業を民間に売り払ってよいのか、との声が広がっています。この際、ガス事業・発電事業譲渡を白紙に戻す考えはありませんか。見解を伺います。

-相川市長職務代理者

 議員各位のご指導をいただきながら職務代理者としての職責を全うしていきたいと思います。9月定例月議会で譲渡関連議案の特別議決を含めた議決をいただいたところでございます。そのことは大変重いというふうに受け止めております。事業の持続性の確保、多様なサービスの提供など、市民がエネルギー自由化の恩恵を将来とも受けることができる環境を創出することが重要であると考えておりますので、4月1日の事業譲渡に向けて鋭意準備を進めてまいりたい、そういうふうに考えております。

-森尾議員

 この譲渡は市民の理解と合意を得ることなく進められてきました。さらに、河川法違反の指摘、譲渡価格や本市の出資比率と果たすべき責任、本市職員81名の退職派遣など、数々の問題が指摘されてきました。この4月1日、事業譲渡するとしていますが、問題は解決していません。この間明らかとなったことは、第一に、河川法違反が明るみになったにも関わらず適切な対応を取らなかったこと。第二に、こうした事実を隠し譲渡関連議案をこともあろうに議会に上程したこと。第三に、議会の議決がされると国の同意と県の許可を得るとしてこれまでの説明を覆し、県から指摘があった不適切対応を是正するとして手続きを進めたこと。こうした対応は、法に基づく適切な行政とは言えず、許されるものではありません。公営企業管理者の責任は重大だと考えます。改めて見解を伺います。

-平嶋公営企業管理者

 今回の河川法等に基づく一連の手続きにつきましては、発電事業の譲渡にあたりまして河川管理者である県と協議の上、適切に対応したものでございます。

-森尾議員

 ガス事業についてです。本市企業局は、ガスと水道をセットで、市民からの問い合わせ、修理・補修などを行ってきました。年間10万5千件に上り、そのうち、工事・修繕が約1万5千件となっています。今回の譲渡によって、ガス事業は民間に、水道は本市企業局が対応することとなります。安心安全の市民サービスは継続されるのでしょうか。見解を伺います。

-平嶋公営企業管理者

 企業局は水道事業者として引き続き24時間の維持管理体制を基本としてまいります。またガス管やガス機器の緊急時対応は法令上義務付けられておりまして、新会社におきまして24時間の保安体制を構築することで、安全安心な市民サービスの維持を図っていくこととなります。

-森尾議員

 本議会に、ガス事業と発電事業の精算特別会計予算が上程されました。びっくりしました。発電事業において、北陸電力に13億5300万円の支払いが計上されています。本市の発電事業は5つの発電所を持ち、水力によって生み出される電力を北陸電力に売電しており、その長期固定契約は16年間に及ぶもので令和7年度までとしています。この契約を途中解約するために解約金を支払うという説明です。北陸電力は、今回ガス・発電事業の譲渡先である金沢エナジー(株)の筆頭株主です。北陸電力との電力受給契約は、令和7年度までとなっています。じゃあなぜ新会社に引き継がなかったのか、説明を求めます。

-平嶋公営企業管理者

 令和2年の10月6日に公表いたしました募集要項におきましては、事業承継者の公募の条件といたしまして電力の地産地消を図るため、卸供給にとどまらず発電した電力の小売りをすることを義務付けしたところでございます。卸供給のみを内容といたします現行の長期契約では、この条件の実現が困難であることから、中途解約することに特に問題はございません。

-森尾議員

 みなさんは、ガス・発電譲渡、譲渡って言ってたでしょ。しかも説明の中で平成25年経済産業省資源エネルギー庁からのガイドラインを準拠するとしています。このガイドラインの趣旨は、地方公共団体の契約は一般競争入札が原則で、売電契約が長期間の随意契約が締結されてきたことの是正を求めたものです。ガイドラインを捻じ曲げちゃいけませんよ。そしてこのガイドラインでは、随意契約から一般競争入札へスムーズに移行するために、途中契約を破棄する場合の補償についてひとつの目安を示しているにすぎません。北陸電力と交わした契約には、中途解約について契約書に明記がありません。しかも16年に及ぶ長期間の契約は、あと4年で終了するんです。北陸電力は、今回の電力受給契約解除によって不利益を被るのでしょうか。説明を求めたいと思います。

-平嶋公営企業管理者

 長期契約の解約につきましては、先ほども申し上げました通り、そのための解約補償金は国のガイドラインに基づいていることをご理解いただきたいと思います。

-森尾議員

 説明になっていません。本市と北陸電力との売電価格は、2年ごとに改定することとしています。全国平均よりも低く、全国の公営事業の売電価格の中では低い方から2番目との資料が以前ありました。平均価格で売電すれば、現在の3億円の黒字が15億円の黒字になるとの試算がありました。さらに、13億3千万円を投じて上寺津発電所のタービンをリニューアルし、令和2年度に完成しました。今度は電力受給契約解約を理由に、さらなる北陸電力へ利便を図るような13億5300万円の支払いはやめるべきではないですか。見解を伺います。

-平嶋公営企業管理者

 解約補償金は企業局と北陸電力との売電契約の中途解約に伴うものでございます。そのための解約補償金の算定に当たりまして、国のガイドラインに基づいているということをご理解いただきたいというふうに思います。なお、上寺津発電所の設備の更新ですが、これは老朽化対策として大規模修繕に合わせ計画的に行ったものでございます。

-森尾議員

 到底理解できません。説明にもなっていません。根拠も明確ではありません。結局、北陸電力へのさらなる利便だと。こんな13億5300万円を支払うべきではないと。市長職務代理者はどう思われますか。

-相川市長職務代理者

 国のガイドラインに沿ってきちんと算定されたものだと思っておりますので、ご理解をお願いします。

-森尾議員

 前の市長が進めてきた譲渡方針、そしてその最後まで責任を持たないまま退職する、そして今回の譲渡にあたって新たな財政支出をする、とてもみなさんのおやりになる方針が市民の理解と合意を得るものではないということを厳しく指摘しておきたいと思います。

 最後に、この事業譲渡にあたって、本市職員81名をこの4月1日から民間企業である金沢エナジー(株)へ退職派遣するとの方針についてです。本日午前中の答弁によると80名の職員から退職派遣の同意を得たとして、全員を退職派遣するとのことです。したがって、この3月31日付けで退職派遣辞令を交付することになります。一人一人に退職派遣期間を1年間とする、あるいは2年間とする、3年間とするという明記はされるのでしょうか。お渡しするのは企業管理者と聞いています、伺っておきます。

-平嶋公営企業管理者

 辞令の内容につきましては現在協議中でございますが、今ご指摘いただきました退職派遣の同意書の中では、派遣期間について明記をしてございます。それに基づきまして辞令の形態をどういうふうにしていくのか、今現在人事当局とも検討中でございます。

-森尾議員

 この退職派遣は、「地方公務員の派遣等に関する法律」と本市の「公益的法人等への職員派遣等に関する条例」に基づくものです。この間の議論を通じて、第一に、退職金や時間外勤務などは本市職員の勤務条件と変わりはないということを述べてきました。第二に、退職派遣の期間は3年までとしていますが、本市に戻った場合の勤務場所はあるのでしょうか。第三に、退職派遣を拒んだ場合に本人にとって不利益にならないと述べてきました。この3つの点で、この退職派遣の問題についてどのように対応されたのか、答弁を求めたいと思います。

-平嶋公営企業管理者

 今ご指摘をいただきました3つの点につきましては、これまでもお答えしている通りでございますが、それぞれ不利にならないよう、あるいは派遣期間の3年以内であること、同意のなかった方に対して不利な取り扱いをしないこと、これはこれまで答弁してきた通りでございます。

-森尾議員

 退職派遣は来年度・令和4年度は81名、2年目は55名、3年目は29名とのことですが、本市としての考えと対応について最後に伺います。

-平嶋公営企業管理者

 まず現在、新会社とは4月1日現在の新会社の体制について詰めをしております。今のところ新会社からは、企業局からの81名を含めまして必要な社員数を確保できる見込みであるというふうに確認をしております。今のところいただいた同意の内容も踏まえまして、派遣期間につきましては1年を22名、2年を28名、3年を30名の予定で現在調整しております。

 広田みよ

●玉川図書館および玉川こども図書館駐車場の有料化について

-広田議員

 質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として、以下質問いたします。

 まずは、本市市立図書館の駐車場有料化について伺います。玉川図書館とこども図書館の駐車場を有料化するとの報告が、12月の文教消防常任委員会ではじめてされ、今議会で、予算案ならびに条例改正の議案が出されています。まずは、両図書館の駐車場有料化の概要と、なぜ有料化するのか教えてください。

-野口教育長

 有料化というか使用料の徴収につきましては、まず30分は無料とし、それ以降は30分ごとに100円、そんなふうにしていくということになっています。この駐車場の、いわゆる使用料を設定する理由といたしましては、玉川図書館と玉川こども図書館の駐車場につきましては、商業地とか観光地に近接をしておりますので、これまで図書館利用者以外の駐車によって、本来利用すべき利用者の駐車が妨げられたり、長時間に渡る駐車のために順番待ちの車両による渋滞がこども図書館前等の道路で頻繁に発生しておりまして、利用者とか地域の住民の方々から改善を求める声が多く寄せられておりました。こうしたことを踏まえながら、限りある駐車スペースを図書館の利用を希望される方にできるだけ多くご利用いただきたい、それとともに駐車場の利用の適正化と、周辺の良好な交通環境の確保を図るために、使用料を設定することといたしたものであります。

-広田議員

 図書館は、市民の読書や〝知りたい、調べたい〟を保障することが役割です。憲法における生存権の文化的側面である学習権を保障する機関とされ、さらに憩いの場所としての機能もあり、最も利用者の多い公共施設のひとつです。コロナ禍前の平成30年度の年間利用者数は、玉川図書館39万8644人、こども図書館21万1742人となっています。図書館は誰もが気軽に利用できる、いまや当たり前ですが、歴史をさかのぼれば、世界も日本も過去の図書館は一部の方しか利用できず、日本では第二次世界大戦以前、戦中は、政府の見解に適した本しか公開を許されませんでした。それが新憲法のもとで図書館法が制定され新しい出発をとげ、市民とともに発展させてきたのです。だからこそ戦後の新憲法のもとで制定された図書館法では、誰もが図書館で本を読む自由を保障しています。特に第十七条「無料の原則」では、「公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならない」とあり、70年間以上にわたって守られてきました。教育長、今回の駐車場の有料化は、この図書館法に定められた無料の原則に反しませんか。

-野口教育長

 今ほど広田議員もお触れになりましたけれども、図書館法の第十七条につきましては、「公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならない」と表記されております。駐車場の使用につきましては、入館料とかその他図書館の資料の利用の対価とは考えられないことから、この原則に反していないと考えております。

-広田議員

 みなさんの理屈ではそうなのかもしれません。ただ、利用者にとっては図書館を利用する際の新たな負担※であることは明らかです。まず確認ですが、無料の原則というのは、誰もが本を読む自由を保障するためにありますよね。
※来年度の図書館駐車場料金収入を、3000万円見込んでいる。

-野口教育長

 図書館というのは誰でも自由に入って、そこに置いてある図書をしっかりと活用するということは自由となっております。ただし、そこに入るために図書館法ではお金をとってはいけないと、それから図書館の資料を使うことについてお金をとってはいけない、そういうことは規制されているわけであります。

-広田議員

 無料の原則、そして図書館法の理念は、誰もが本を読む自由を保障するためにあるんです。今回、駐車場の有料化をすることで具体的に妨げが出てきます。毎年みなさんが行っている図書館利用者アンケートの結果をみても、来館方法として、玉川図書館は37.8%、こども図書館については65%の方が車でお越しになっているのが現状です。こうした方々にとっては新たな負担となり、図書館利用を制限するというのがあきらかです。有料化すれば誰もが本を読む自由を保障する図書館法に反するのではないですか。

H30玉川こども図書館アンケート結果
H30玉川図書館アンケート結果

-野口教育長

 決して、図書館に来てはいけないと言っているわけではありません。要は、駐車場を利用する方に使用する料金を徴収したいと言っていることであって、来てはいけないとか、中に入ってはいけないとか、図書を読んではいけないとか、そんなことを言っているわけではないのです。

-広田議員

 車で来られる方にはそれぞれの事情があることを、教育長もご存じだと思います。低年齢のお子さま連れであるとか障がいがあるとか、郊外にお住まいで交通のアクセスがどうしてもよくないなど、それぞれの事情があって、車を使って図書館を利用しているわけです。そういった方々の妨げになるのは明らかです。そうした方にも、車でなく別の手段で来れば無料でしょと、そう言えるんですか?

-野口教育長

 本市にはいくつかの図書館がございます。その中で、無料にしている図書館もあります。今回は、まちの中にある玉川図書館・玉川こども図書館の駐車場について、これまでも地域の方々から、渋滞を引き起こしているし利用すべき人が利用できない状況がみられるから、そのことで駐車料金をいただきながら適正化を図ってはいかがですかという声に沿ったものであります。

-広田議員

 みなさん、玉川図書館・こども図書館に来たいという理由があって来ているわけですね。ましてこども図書館は、唯一市内で親子を対象にした特別な施設なんです。市内全域からお子さまを連れてくるのだからこそ、車利用が多い。これは施設の設立趣旨と矛盾すると私は思うのですけれども、その点はいかがですか。

-野口教育長

 ですからそういう方々に、しっかりと使っていただきたいがために、渋滞とか、また長時間待たせるとか、そんなことがあってはならないので、これを改革するためにしっかりと使用料を払っていただいて適正化を図っていきたい、そのように考えているところでございます。

-広田議員

 理由のことについても後でしっかり議論しますので、お待ちください。

 このこども図書館ですが、2年間ほど利用できずに、待ちに待ったオープンです。しかも市民のご理解で多額の市税を投じてようやくオープンするんですね。その直前になって有料化ですというのは、市の姿勢として私は本当に悲しすぎると言わざるを得ません。無料の原則、図書館法の趣旨に反して有料化は認められないということを申し上げておきたいと思います。

 そして教育長のおっしゃる理由の点ですが、これも12月の委員会で議論がされており私も拝見をしました。

まず公共交通利用、これは大事な市の大きな施策としてあるということは理解をしています。ただこれは、ごみの有料化と一緒で、市民への負担増ではなく、公共交通をまず充実させることが必要、そして市民への啓発を行うことがまず必要なのに、突然、図書館のオープンに向けてその理屈を持ち込んでいるというようにしか見えません。もっと地道な方法で行っていただきたかったと思います。

また渋滞問題、これについても私も地域の方から伺ったこともありますが、有料化以外の対策をとられるということが委員会で具体的に表明がされています。まずはそういうことをきちんと行うことが先ですし、まだやってもいないんですからそれをまず行うこと、かなり具体的な改革だと思います、車の動線の使い方ですね、あれをまずやることが必要だと思います。

そして目的外利用のことをおっしゃいますけど、その利用がなくなるよう工夫する責任は行政側にあるんですよ。なぜ適正に利用する方にあえて負担を負わすという発想になるのか、それが私にはどうしてもわかりません。うまくいかない責任をまじめにやっている市民に転嫁するのはおかしい。これまでの市の理由は理由になっていないと思いますが、いかがですか。

-野口教育長

 これまでも図書館を、特に玉川図書館・こども図書館等まちなかの図書館を利用される方々には、公共交通機関をなんとかご利用いただけませんかということを呼び掛けておりますし、また長時間にならないようにという呼び掛けもさせていただいておりました。しかしながら結果としてあるのは、やはり渋滞が生じていた、目的外の使用が多かった、そのことを改善していかない限り、絶対にこれはいい方向には向かわないということなんです。したがって、使用料の徴収をお願いしたいということで、今広田議員もお触れになりましたけれども、新しい図書館では駐車場の入り口を、ちょっとイメージが沸かないかもしれませんが用水側の道路に変更しましたし、出口は正面道路側に向けて左側の方に一方通行で出ることができるように誘導するなどして、車両の動線を見直しすることによって周辺道路の渋滞緩和を図っていきたいと考えております。それから長時間、これはやはり使用料をお願いしながら、なるべくコンパクトに図書館を使っていただくということを考えていかないと、なかなか難しいと思いますし、また本当に親子連れでこども図書館なんかも新しい木の広場とか作るので、そこを使いたい、遊びたいという方々については、こども図書館のイベントを通しながら、そこについては減免等もしっかり考えていくということを、先週金曜日の源野議員のご質問にも答えたところでありますので、そうした中でしっかりと改善を図っていければというふうに思っております。

-広田議員

 渋滞緩和の施策、まずやってみてから考えていただきたいと思います。

 そして、図書館はゆっくり使うものですよ。お金がかかるからもう帰ろうかなという気持ちで図書館利用したいと思いますか?まずそこからではないですかね。

そして教育長は呼び掛けていたとおっしゃいます、渋滞問題、長時間利用問題、本当にそうだったのかということですよ。

まずこれまでの説明ですね。議会に対しても市民に対しても、この12月の委員会まで一度もこの有料化について、そして有料化の理由として今市が困っている様々なことについて、ご相談はあったんですか?少なくともこども図書館建て替え報告の際、駐車場を地下に置くという説明はありましたが、有料化の説明はありませんでした。議事録を読み返しました。これは図書館のコンセプトにかかわる大事な点だと思いますが、なぜ建設計画が出されたときから12月まで報告がなかったのでしょうか。あわせて玉川図書館の駐車場も有料化のために2月はじめから工事が行われていますが、12月まで全く報告はなかったはずです。ふたつの図書館、4月のこども図書館の開館直前に議会にも市民にも突然報告されたという状況です。

そこで、このふたつの図書館は、いつ有料化の方針が決まったのか。そして工事の予算はそれぞれいつ提案されていたのか、あきらかにしてください。

-野口教育長

 まず、玉川図書館と玉川こども図書館の駐車場につきましては、玉川こども図書館と一体的に整備をしており、令和2年度から必要な予算を議会にお諮りしてお認めいただいて進めてきております。駐車場の運用にあたりましては、工事の進捗状況をみながら令和4年度の予算編成の中で議論を行いながら、12月の常任委員会で報告をさせていただいたところでございます。

-広田議員

 確認ですけれども、令和2年度の予算に一体的整備として玉川図書館およびこども図書館についての駐車場有料化の予算は入っていたけれども、12月に報告があったと、そういうことでいいですか?

-野口教育長

 そうではなく、令和2年度からの議会にお諮りしてお認めいただいた予算というのは、玉川図書館とこども図書館の駐車場を一体的に整備をしていくための予算を認めていただいているということであります。そしてこの地下駐車場のいわゆる使用料の徴収につきましては、来年度の予算編成の中で議論をしながら12月の常任委員会の方で報告をさせていただいたということで、一緒ではないということです。

-広田議員

 では、有料化の方針も含めて昨年の12月に初めて出されたということなんですね。で、令和4年度の予算にこの有料化についての予算がのっているということでよろしいですか。

-野口教育長

 その通りでございます。きちんと令和4年度の予算編成をする中で、地下駐車場についての使用料の徴収については議論をさせていただいたうえで、まとまりましたので12月の常任委員会でそういう方向でいきたいということでご説明をさし上げたところでございます。

-広田議員

 私は、隠されていたのかなと思っていたんです。ところが今のご説明だと、12月に初めて方針を明らかにし、なんとオープンの年度に予算をつけると、本当によくわからない事態でございます。二元代表制である議会に直前になってやっと報告、市民には全く報告がないというのは重大じゃないですか。私たち、議論をする時間が全然ない、市民にもお伝えする時間が全くない。私は、この点についても議案を取り下げるべきだと思いますが、いかがですか。

-野口教育長

 きちんと手筈を踏んできてここまで至っていると思いますので、取り下げるつもりは全くございません。

-広田議員

 いやいや本当に、オープンのその年に有料化の予算がつき、当初の議案で条例改正ということですから、そもそも本当に直前になって報告し議論の隙も与えないと、そういう姿勢でみなさんは図書館運営をしているということであるならば、本当に残念としか言いようがありません。

そして、議会に対してもですけれども、市民に対してどうだったのかという点です。

図書館法では、第七条の四項に「図書館は、当該図書館の図書館奉仕に関する地域住民その他の関係者の理解を深めるとともに、これらの者との連携及び協力の推進に資するため、当該図書館の運営の状況に関する情報を積極的に提供するよう努めなければならない」というものがあります。よって、図書館利用者には運営について情報をしっかり提供し考えを聞く必要があると定められているんですね。だからこそ、みなさんも毎年利用者アンケートを行い、そして議会にもいろんな報告をされているんだと思いますけれども、今回の有料化の件に関しては、さきほどのお話だと市民にもお話を聞いていないわけですけれども、一応確認ですが利用者アンケートの中や、他の機会もとらまえて、確認はされたんですか。利用者のお答えは聞いたんですか。

-野口教育長

 この考え方というのは、やはり一番大事なところはそれをいつも目にしている、そこにお住いの方々の思いというのをやっぱり大事にしなければならないと思っているんです。だから、広くというよりもその地域が何にお困りでそのことをどう改善していったらよいかということを真摯に考えていくのが自分たちの仕事だと思っています。ですから、ずっと長年に渡ってここをなんとか改善してほしいというお声が多く届いたことから、今回の使用料の徴収ということにさせていただいたということでございます。

-広田議員

 お住いの方々とおっしゃいますけれども、市内全域から来ているとアンケート調査からもおわかりになっているわけでしょう。そして図書館空白地域もまだまだ残っているわけですから、これは玉川図書館に来てしかるべき多くの市民の方の思いを聞くべきだと私は思います。もちろん地域の方の思いは先程、対策もう打っていますよね。それをまずやるということが必要ですし、何より、そういう問題、そして有料化のお考えがあったのならば、もっと早く議会、そして市民に報告をして、いろんなご意見とか、もしかしたらもっと良い何か提案を市民が、議会が、できるかもしれない、そうした機会を作るのが行政の役割のひとつなんですよ。パブリックコメントをやっている自治体もあります、公共施設の駐車場を有料化する際にね。それに比べて何にもやっていないじゃないですか。そして私が気になるのは、図書館協議会という、図書館法で設置が義務付けされているものがあります。専門の識者、地域の方も入られているかと思いますけれども、この図書館協議会では議論されているのですか。

-野口教育長

 今お触れになりました図書館協議会というのは、基本としては図書館の利用状況とか蔵書冊数とか使用事業の実績などについてご意見を頂戴する機関でありまして、駐車場の使用料につきましては審議事項になじまないため、特段意見を求めていないということでございます。

-広田議員

 なじまない、じゃないですよ。とても大事な、入館料とはおっしゃいませんけれども、入館できるかどうか、人によっては問われる大事な運営問題です。協議会、開いてください。そして今の、報告がなかったという点、少なくとも計画ということからから考えると、令和2年から令和4年の間に2年あれば駐車場にまつわる現状を議会と市民にきちんと報告し、ご提案・ご協力を求めることができたんですよ。有料化だけをみなさん方で悩んで考えている、大変だったと思います。そうじゃなくてちゃんと利用者・議会に知らせる、みんなで考えるということが、この2年でできたのが、本当にもったいないというふうに思います。

今からでも遅くないので、この駐車場の問題について、利用者や市民、議会に、ご意見や工夫策を募り、そして大事な図書館協議会でも相談していただきたいと思います。そのためには条例は取り下げる必要があると思います。いかがでしょうか。

-野口教育長

 先ほどもご答弁差し上げた通り、きちんと手筈を踏んでここに至っておりますので、取り下げるつもりは全くございません。

-広田議員

 いや、この2年、何も手筈を踏んでいませんよ。初めて報告があったのは昨年の12月16日です。それより前に私たちは一度も報告を受けていません。突然、大変だ大変だ有料化だと、どうしたことですかと、そして4月にオープンを迎えるんですか。市民もびっくりですよ。何も手筈は踏んでいません。図書館無料の原則、そして手筈を踏んでいないという点から、私は条例を取り下げるように議会のみなさんにも呼び掛けて、次の質問に移りたいと思います。

 有料化と切り離して考えますと、今、玉川図書館は工事をしていて駐車場が全く使えない状態なんですね。有料化もまだ決まっていないのだから、代替駐車場を用意すべきではないかというご意見があります。これについてはいかがですか。

-野口教育長

 玉川図書館の駐車場につきましては、以前からしばらく使えなくなりますということを周知をさせていただいております。またあわせて、その近隣に代わりのスペースを確保するのもなかなか難しいものでありますので、ぜひそのあたりはご理解をいただければなと思っております。繰り返しますけれども、玉川図書館はまちなかに位置していますのでまとまった土地はないということ、また2月から駐車場がないということについては早くから館内の掲示板とか図書館のホームページでお知らせをいたしておりましたし、利用者お一人お一人に窓口での声掛けとかご案内を行っており、また予約本の電話連絡のときにもお知らせをするなどして、車でのご来館をご遠慮いただくよう周知に努めてまいっております。

-広田議員

 有料化以前から、やはり図書館法の理念に乏しいと思います。どんなにお伝えをしたといっても、車で来られる方、車で来なきゃいけない方は存在するということは教育長もおわかりだと思うんです。じゃあ市役所が工事で使えないときに、1台も代替駐車場を作らないなんてことあり得ますか?そうした観点でちゃんと、市民が使えるように代替駐車場を利用すると、そういう発想になってほしいと思うんです。

 次に、減免規定については、先週、こども図書館についてはイベント利用の親子は減免ということが表明されましたけれども、他、こども図書館および玉川図書館で減免規定をお考えですか。

-野口教育長

 先の答弁におきましても、新しい玉川こども図書館では、毎日実施をする絵本の読み聞かせなど、図書館が実施するイベントに親子で参加する方には、駐車時間を気にせずに楽しんでもらえるよう、駐車場使用料の減免対象にしたいということを考えていますということを答弁させていただきました。あわせて隣にも玉川図書館がございますので、玉川図書館で実施するような、例えば読書会とかまたは朗読会とか講演会とか、様々なイベントをやっておりますので、こんなイベントについても同様にできればいいのではないかと考えております。

-広田議員

 私は、減免すればいいというものではないという立場です。図書館無料の原則にのっとり、公立図書館を無料で利用できるという重要性を保持し続けるべきです。その利用にあたって料金がかかるという事態は、情報享受の低下であり、住民の知る権利、学習権が損なわれることになります。今回の有料化は、市民や議会に報告もなく、合意形成も図られていません。よって、認められないことを訴え、次の質問に移ります。

●平和町児童図書館の廃止について

-広田議員

 平和町児童図書館の廃止についてです。これはまず、なぜ廃止することになり、地域の合意をどのように得たのか、教えてください。

-野口教育長

 平和町児童図書館につきましては、この図書館が昭和48年3月に開館して、施設そのものが老朽化しており、さらなる読書環境の充実が困難であることに加えて、建て替え後の児童館の中に図書コーナーが設置をされ、児童の読書環境が継続して確保される見込みであること、また近接する泉野図書館が位置していること、また新しい玉川こども図書館が4月から供用開始になるということで、市内全域で児童の読書環境が一層充実することなどから、廃止をすることに至ったものであります。地域の方からは、児童館・児童クラブを必要とするこどもが増えていることから、こどもたちが安心して利用できるように早期の児童館建設と児童図書館の撤収が要望されていたものであります。加えて、昨年の10月に開催されました平和町児童館建設期成同盟会の総会でも説明をして了承をいただいているところであります。

-広田議員

 この児童図書館は、前の建物から考えますと昭和25年に設置をされ、地域住民・こどもたちに親しまれてきました。私もかつてはその利用者でした。コロナ前の平成30年度で年間2万481名の利用と多くあり、ですがまだその廃止を知らない方もいる状況です。今、地域の理由であるとか合意の仕方は理解しましたが、本市が図書館の設置者であるという立場から、どのように関わったのかをお聞きしたいと思います。まず利用者の声は聞いたのか、そして図書館協議会は開いたのか、そして児童館・学童保育のスペースを増やしたいという地元要望は尊重したいと思いますが、そのスペースも確保しつつ児童図書館を残す道はないか教育委員会や市としては模索や提案はしたのか、この3点についてお願いします。

-野口教育長

 まずは地域の総意として児童館の建設に向けて早期の図書館の撤収を要望されてきた、このことは大きなご意見だと私共は捉えております。図書館協議会、先ほどから出ておりますけれども、この図書館協議会は繰り返しになりますが図書館の利用状況とか蔵書冊数とか使用事業の実績などについてご意見をいただくための機関でありますので、特段ご意見は頂戴してはおりません。また残す道ということについてお話がございました。地域からは、これも繰り返しになりますけれども児童館・児童クラブを必要とするこどもの増加があると、したがって児童館の早期建設と児童図書館の撤収が要望された、このことに尽きるわけであります。建て替え後の児童館の中には図書コーナーが設置される予定でありますし、児童の読書環境が継続して確保されることから、廃止をすることに至ったものであります。加えてになりますけれども、最近はそれぞれの学校の図書館がしっかりと充実しております。そうしたところもこどもたちに活用してもらえればいいのではないのかなと思っております。

-広田議員

 私は、やはり図書館設置者としての今回の振る舞いに期待したかったというところです。利用者の意見を聞くということ、図書館協議会を開くこと、そしてなんとか残せないかという道を模索すること、重ねて申し上げたいと思います。駐車場有料化問題もそうですが、市立図書館という役割にかんがみ、誰もが利用できる自由を保障する、市民とともに図書館を運営していく、そのことを大切にしていただきたいと思います。

答弁する 相川副市長

●子どもの医療費助成について

-広田議員

 さいごに、子どもの医療費助成について伺います。

 県内で、金沢市だけが対象年齢が15歳までで、あとの市町は18歳までとなりました。また窓口で負担があるのも、金沢市含めてたった3市のみとなっています。まずは県内でもっとも遅れているという認識はありますか。

厚生労働省資料から https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20913.html

-相川市長職務代理者

 本市の子育て支援医療費助成制度につきましては、県内の市町を比較しますと、議員のご指摘の通り対象年齢に差があるということは認識をしておりますけれども、他の中核市と比較しますと対象年齢につきましては中核市の3分の2が本市と同じ15歳まででありまして、また約半数の中核市におきましては窓口負担を求めている現状にございます。制度につきましては全ての中核市が同じような形が一番望ましいとも考えておりますので、医療費の助成制度の見直し要望につきまして、他の自治外の首長さんとともに全国市長会を通じまして国へ要望し働き掛けているところでございます。具体的な抜本的な見直しあるいはその支援が行われていくべき問題ではないかというふうに考えております。

-広田議員

 私は、中核市だからできると思って言っているんです。やはり財政状況が県内で一番あるわけですよね。今回、本市独自で18歳まで対象を広げるとすると、約2億1千万円です。さらに窓口完全無料化をすると5億3500万円、できます、ということを申し上げておきたい。そして一刻も早く改善しなきゃいけない理由は、もうすでにみなさんの行った生活実態調査で明らかになっているということが問題なんです。12月議会でも示しましたが、市内16歳以上の受診抑制が低年齢のこどもたちよりも多くなっているという実態が明らかとなりました。みなさんがとられた統計調査です。この点についてはどのような認識ですか。

-相川市長職務代理者

 本市のこどもの生活実態調査で受診を抑制したと回答されました16歳から17歳の保護者の方々、その大半はひとり親の家庭の方ではないかなというふうに思っております。ただそのひとり親の家庭の方々につきましては、児童扶養手当の受給の対象となる18歳までのお子さんに対しまして医療費助成を行わせていただいている実態がございます。よって、受診の抑制につきましては直接的に子育ての医療助成制度によるものかどうか、そこには様々な要因があるのではないかというふうには思っております。

-広田議員

 保護者の分類をされたわけですね。その点で、ひとり親の方がこの16歳以上の中の理由としては多いからそういう結論を導き出したと、そういうふうに理解をしますけれども、一般的な市民感覚としても16歳以上は大変だというお声は、本当に私もよく聞きます。待合室で待っていたら、お母さんが事務の方に直接言っている姿を目にしたことが数回あります。でも病院に言われても、市の制度なので、みなさん方が対応しなければならない。このアンケートも私は、そういう分析もあるかもしれませんけれどもひとり親の方に今回アンケートを多くとっているので、ちょっと割合が大きい可能性もあります。だけど率直に受け止めてほしいと私は思います。これは憲法で保障される子どもの健康権にかかわる問題であり、重く受け止めていただきたいというふうに感じているんです。先ほども言いましたが、中核市である金沢市なら十分にやれる。

(※子どもの医療費の切り返しがうまくできませんでした!
ですがこの日一晩よく考えたところ、16-17歳以上のひとり親世帯は、たしかに18歳まで医療費無料なのですが、窓口負担は1回500円あります。なので、ワンコインすら厳しいってことになります。しかし、ワンコイン負担のある低年齢の方の受診抑制の割合が低いのはなぜかとなると、それは16歳以上になると教育費への支出が増えて、家計が苦しいってことの現れではないでしょうか。特にひとり親はもっと厳しいということです。
よって、直接の解決策は、ひとり親医療助成の窓口負担をなくすことですが、これは一般の子ども医療費助成と連動してますから、結局、子どもの医療費助成制度を18歳まで窓口完全無料化にしないといけない、というところに帰着しました。)

ただ、県の制度が最低レベルだということも私はわかっています。県は現在対象が、外来3歳まで、入院が就学前、なんと所得制限や自己負担もなくそうとしていないんですね。全国で最低レベルですよ。このことについてどのように思いますか。

厚生労働省資料から https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20913.html

-相川市長職務代理者

 県に対しましては、毎年県の市町会を通じまして対象年齢の拡大でありますとか所得制限の撤廃を要望しているところでございます。引き続きそれは続けていきたいと思いますし、憲法に保障されているそのことであるからが故に、すべての自治体で公平になるべきだというふうに考えておりまして、改めて医療費助成制度について国の制度化、あるいは検討する、そんな時期にきているということは承知しておりますので、国への要望を働き掛けていくことが私どもの務めであるというふうに思っております。

-広田議員

 もちろん国もですけど、今選挙をやっていますけど、県と市で力をあわせて、18歳まで窓口完全無料化に拡充するよう、がんばっていただきたいと思います。

(クリックするとPDFが表示されます。)

2022年(令和4年)年2月4日

金沢市議会議長 久保 洋子 様

コロナ感染の急激な拡大に伴い議会としての対応に関する申し入れ

金沢市議会議員
森尾 嘉昭
広田 美代
大桑 初枝
玉野  道
熊野 盛夫

 新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」による感染が、市内の医療・介護施設をはじめ、保育所、学校などでのクラスター発生と共に、急速に広がっています。
昨日は、県内での感染者が最多の714人、市内では367人となり、医療・介護施設、保健所、学校、保育園などへの影響がっており、市としての取り組みの強化が求められています。また、本市議会議員の二人が感染するなど議会としての対応が必要です。

よって、以下の点について、議会として取り組むよう申し入れます。

               記

1 市に対して、緊急に対策本部会議を開くと共に、全庁的な体制で感染対策、保健所業務にとりくむこと。市としての感染対策について明らかにし、市民に呼びかけること。などを要請すること。

2 本市議会議員の二人が感染したことを受け、議会としての感染対策を明らかにし、各議員に注意喚起を呼びかけること。

以上

大桑初枝議員、広田みよ議員、森尾嘉昭議員、久保洋子議長、玉野道議員、熊野盛夫議員

2022年(令和4年)年1月28日

金沢市議会議長 久保 洋子 様

コロナ感染の急激な拡大に伴い全員協議会の開催を求める申し入れ

金沢市議会議員
森尾 嘉昭
広田 美代
大桑 初枝
玉野  道
熊野 盛夫

 オミクロン変異株の感染が急速に拡大し、市民生活に大きな影響をもたらしています。
市内の医療・介護施設をはじめ、保育所、学校などでのクラスター発生が相次ぎ、感染者が急激に広がっています。
こうした中、石川県は、県内全域を対象とする「まん延防止等重点措置」の適用を政府に申請し、政府は、石川県を含む18道府県に対象に1月27日から2月20日までの適用を決定し対応が行われています。
 市長並びに、教育長から市としての対応を伺うと共に、議会として情報を共有し、市民からの意見や要望を市政に反映するため、全員協議会の開催を検討していただくよう申し入れます。

大桑初枝議員、広田みよ議員、森尾嘉昭議員、久保洋子議長、玉野道議員、熊野盛夫議員

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