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金沢市議会

9月議会の日程が決まりました。
ケーブルテレビ、Youtubeで中継されますので是非ご覧ください。

2020年6月22日
日本共産党金沢市議員団
森尾 嘉昭
広田 美代
大桑 初枝

 本日、6月22日金沢市議会本会議において、「松村理治議員の議員辞職勧告決議」が市議会自民党(副議長を除く7人)金沢保守(6人)日本共産党(3人)創生かなざわ(2人)の18人連名で上程され、自民党、公明党の賛成多数をもって可決・成立しました。

1 この問題をめぐって、市議会各代表者会議が繰り返し行われ、6月8日の本会議開会日、辞職勧告決議に関する動議の提出、その後の代表者・幹事長会議、政調会の会議等での議論を経て、本日「松村理治議員の議員辞職勧告決議」が可決・成立したものです。

この間、この問題が全国にも報道されると共に、市民から、500件を超える批判・抗議の電話やメールが届けられ、6月市議会には、市民から議員辞職勧告決議を求める陳情書が提出されました。こうした中で、本市議会が辞職勧告決議を可決したことは、市民の声を受け、議会としての決意を明らかにしたものとして、重く受け止めなければなりません。

2 私どもは、今回「松村理治議員の議員辞職勧告決議」が可決・成立したことを受け、議長を先頭に市民のみなさんに伝えると共に、松村理治議員が、真剣に受け止められ、自ら議員辞職されるよう強く求めるものです。

*わが党は、松村前議長の行動は、第一に、5月19日県から休業要請のあった市内のパチンコ店で3時間から4時間パチンコしていたこと。本人は、4月4日新型コロナウイルス感染が確認され、一か月入院。5月7日に退院し、その際、医師から2週間程度の自宅療養を指示されており、5月15日の金沢市議会総務常任委員会には、欠席していました。議長が本人に確認したところ、19日だけでなく、17日にもパチンコ店で1時間から2時間パチンコをしていたことが明らかとなりました。 第二に、2月25日市長と共に、松村議長(当時)の連名で、市民に対して新型コロナウイルス感染対策を呼びかける訴えを出しにもかかわらず、3月24日本会議において議長を退任し、3月26日退任する本市幹部職員など40名から50名と共に、宴会を開きいていたことが明らかにされました。こうした行動は、市議会に対する市民の信頼を著しく損い、金沢市議会基本条例第26条にうたっている「高い倫理観と品位を保持し、議員として誠実かつ公正に職務を遂行する」ことにもとる行為だと考え、自らが議員の職を辞するよう求めてきました。しかし、本人からは、これを拒否したことから、議会として議員辞職勧告決議を行うよう求めてきました。

2020年6月22日 大桑 初枝

私は、日本共産党市議員団を代表して討論いたします。わが党は上程されました議案23件中、議案第8号、議案第19号の2件について反対です。その主な理由について述べます

議案第8号 金沢市児童福祉法に基づく家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正についてです。

0歳から3歳未満の少人数の児童を対象に、保育者の居宅などで保育を行う家庭的保育事業は、設置にあたり連携施設の設定が求められていますが、要件を緩和するものです。そもそも待機児童の解消は、これまでの設置基準を満たす認可保育所で、行うことが基本とされるべきであり、設置基準を緩和した地域型保育事業そのものに、問題があります。

にもかかわらずそれらをさらに規制緩和して進めるのはさらなる保育の質の低下を招くものです。よって、今回の条例改正は、家庭的保育事業において、条件によっては連携施設を不要とするもので、さらなる保育の質の低下を招くもので認められません。

 次に議案第19号財産の取得についてであります。これは泉本町に新たな学校給食調理場建設用地を取得するためのものです。

本市教育委員会は、3月議会の中で、「新たな学校給食調理場整備計画」を示しました。その内容は、学校給食調理場施設について、現在17施設を6施設に最大15年間で統合集約するものです。そのために、大規模共同調理場を2つ新たに建設する一方で、4つある単独調理場をなくし、鞍月共同調理場と8つある学校併設の調理場を廃止するとしています。この方針が具体化されると本市の学校給食から単独調理場がなくなり、すべて共同調理場となります。

全国では単独調理場と共同調理場方式が半分半分となっている現状からも、、本市は単独調理場をすべて無くし、共同調理場方式にする方針は際立っています。泉本町に建設予定の共同調理場は、10年前の計画では7000食だったものが、今回の計画では8000食に、そして、新たな駅西・臨海地区に建設しようとしている共同調理場は1万1千食です。大規模共同調理場を2か所も建設する方針は、単独調理場を全部無くし巨大な共同調理方式へと一気に進むこととなります。大規模化して業務の効率化を優先するのではなく、本市がほこる食の教育、地産地消、直接雇用、災害からのリスクを減らすなど、子どもたちや地域経済にとってよりよい給食にするため、単独調理場こそ増やすべきです。よって、この議案第19号は反対です。以上で、討論をおわります。

2020年6月22日 日本共産党金沢市議会議員 森尾 嘉昭

 私は、日本共産党市議員団を代表して、議会議案第5号 積極的な検査戦略に転換し、経済・社会活動再開の下での新型コロナウイルス感染拡大を抑止することを求める意見書 の提案理由説明を行います。

 感染拡大の第2波に備え、安心して経済・社会活動を再開していく上で、医療と検査体制の抜本的強化が求められます。

日本の人口当たりのPCR検査数は、諸外国に比べて、けた違いに少ない状況です。

世界の先進国の集まりである経済協力開発機構・OECDの発表によると、加盟国の36カ国を対象に人口当たりのPCR検査数に於いて、検査数の多い順番で、日本は、36カ国中35位ときわだつ少なさとなっています。したがって、検査の在り方を根本から見直し、大規模に検査できる体制を整える必要があります。

去る5月21日、18の道県知事が緊急提言を発表し、その中で、PCR検査をはじめとする検査を大規模に拡大するため、体制の整備、治療・療養のための施設確保、積極的疫学調査などを求めました。会見の中で広島県知事は、PCR検査体制の整備のために2千億円から3千億円が必要だと述べました。また、日本医師会は、PCR検査センターの設置・維持に必要な予算を4694億円と試算すると共に、安倍政権による第2次補正予算では、このPCR検査体制の整備費が366億円と少ないことを指摘しています。

よって、国におかれては、PCR検査について、発熱などの強い症状がある人だけを対象としてきたこれまでのやり方と発想を根本から転換し、受動的検査から積極的検査への戦略的転換を行うよう強く求めるものであります。

したがって、この意見書は、

 1 感染が疑われる人、ごく軽症を含む有症者及び全ての濃厚接触者を速やかに検査すること。また、医療従事者、介護・福祉従事者および入院者・入所者への検査を積極的に行うこと。

 2 感染拡大を把握する抗体検査を広く行うこと。

 3 PCR検査体制の整備のため、少なくとも数千億円規模の予算を確保すること。

以上の点を求めるものです。議員各位の賛同を求め、提案説明を終わります。

2020年6月22日 広田 みよ

 わたしは、提出会派を代表し、ただいま上程されました「議会議案第6号 新型コロナウイルス感染症の影響により減収となった医療機関・介護事業所を存続するための公的資金の導入を求める意見書」の提案理由説明を行います。

 新型コロナウイルス感染症の広がりによって、医療機関は感染対策に奔走しながらも懸命な治療を行い、介護事業所はリスクの高い高齢者に感染させまいと必死で安全な介護を提供しています。

 このような中、医療機関では、感染者受け入れのための病床確保や、医師・看護師の特別体制をとったこと、受診控えによる外来患者の減少、一般診療や入院患者受け入れの縮小などによって、大幅な減収となっています。介護事業所でも、利用者の減少や新規入所者の減少が起こり、大幅な減収となり、経営危機に陥っています。

 医療5団体でつくる医療団体連絡会議は、全ての医療機関、歯科・介護・保険薬局などの事業所を対象に、前年同月の請求実績に基づいた診療報酬・介護報酬の見込み額を当面の間支払い、減収分の補てんを国に求め、全日本病院協会など四病院団体協議会、日本医師会も、災害時と同様に前年度の診療報酬支払額に基づく補填を求めています。
 しかしながら、先日可決された第二次補正予算は現場の窮状に応えるものとなっていません。

今後想定しなければならない、第2波に備えるためにも医療・介護事業所は経営改善をして万全の体制をとる必要があります。さらに人々が日常生活を取り戻すうえで、先延ばしになっている治療や健診の実施のために病院や診療所が必須ですし、地域で安心して高齢者が過ごせるよう介護現場が元気でなければなりません。  よって、国に新型コロナウイルス感染症の影響により減収となった医療機関・介護事業所が存続するための公的資金の導入を強く求めるものです。多くの議員の賛同を求め、説明を終わります。

広田議員

-広田議員

質問の機会を得ましたので、日本共産党金沢市議員団の一員として、以下数点質問致します。

1.地域医療の存続について

はじめに、地域医療の存続について伺います。新型コロナウイルスにより、「医療崩壊ギリギリ」という訴えが医療現場から相次ぎました。医療従事者のみなさんの奮闘により持ちこたえていますが、いまの時期に「第2波」に備えるためには、その要である医療体制の確立抜きには語れません。しかし、その大きな障害となっているのが医療機関の経営危機です。感染症受け入れのための病床確保や、医師や看護師の特別体制をとったこと、一般診療や入院患者数を縮小したほか、手術や検査、健康診断の先延ばし、感染をおそれ外来患者が受診を控えたことなどを要因として、大幅な減収を引き起こしています。日本病院会など3団体の5月末の調査によれば、感染者を受け入れた病院は4月は平均1億円の赤字、受け入れていない病院も6割以上が赤字という結果です。全国の開業医・歯科医でつくられている全国保険医団体連合会の調査でも、保険診療収入が減少した医療機関が9割にのぼったとしています。本市では市立病院をはじめ、県立中央病院では4月の前年同月比で1.5億円の減収、金大病院、民間病院からも大幅な減収が伝えられています。医療系の労働組合からは、複数の病院ですでにボーナスカットの動きもあり、職員の離職が心配されるなど、先日市長あてにも申し入れを行ったところです。まずは、感染症指定病院として位置づけられ、感染者の受け入れと治療に取り組んでいる、本市市立病院の経営状況をあきらかにしてください。

-西尾市立病院事務局長

入院と外来を合わせました5月の医業収入は、昨年5月と比べまして約8400万円の減収となりました。

-広田議員

4月ではすでに8200万円の減収と伝えられ、5月分では8400万円の減収とのこと。この市立病院での減収分を、今後どのように補填していくのでしょうか。先日成立しました第二次補正予算だけで補填ができるのか。あきらかにしてください。

-山野市長

国の方では緊急包括支援交付金を創設し、空床確保料を補助することで医療提供体制を維持して行くというふうにお聞きをしています。また県におきましても、感染患者の受け入れ医療機関に対し独自の協力金の支給を検討しているとお聞きをしています。まだ詳細な具体的な金額は確定しているわけではありませんけれども、これらによって減収分が補填されるというふうに考えています。

-広田議員

 今おっしゃられました交付金で空床確保、県の協力金もこれはベッドに対するものです。補填というのは、今出されているメニューでは感染症受け入れのベッドに対してのものであって、例えば看護師さんを市立病院も増員しましたけれども、その人件費であるとか通常より使っている医療敷材であるとか外来が減った分であるとか、こういったものもすべからく減収分ですけれども、補填されるとお考えでしょうか。

-山野市長

詳細な金額は発表されておりませんので、細かいところまで申し上げることはできませんけれども、概ね補填されるのではないかと期待しているところでありますし、そうでない場合があるとするならば、様々な形で現場の声を県・国にもお伝えをしていきながら、市としてもなし得る限りのことをしていきたいと考えています。

-広田議員

すでに民間の病院ではもうそれでは足りないと、感染症を受け入れたところであってもですね、そういう声が出されております。補填してみてどうかというのを待っていたのでは、経営破たんを招くという病院もありますので、ぜひすぐにでも国に声をあげていただきたいと思います。ただ、市立病院は感染症指定病院でもあり感染者を受け入れましたので、まだ予算が来る方ですが、それでも今言ったように減収分を全て補填できるのかはわからない大変厳しい現状だというのは共通認識だと思います。そして今言ったように他の民間病院はもっと大変な現状であるということは、同じく共通認識だと思います。国の第2次補正予算には、感染者対応の医療機関に1.2兆円規模の財政支援を行うとしていますが、4、5月診療分の減収補填への対策は含まれていないのが実態です。再度お尋ねしますが、市長、感染者を受け入れた病院であってもそうでない病院であっても、例年より減った分の補償を行うという観点で国の財政支援が必要だと考えますがいかがですか。

-山野市長

 今ほどのご提案についても全く同じ認識であります。私も現場の先生方、また医療関係者から直接そういう切実な声をお聞きしているところであります。これは金沢だけではなくて全国的な問題だと思います。全国市長会としても声を上げていって取り組んでいかなければいけないと思っています。

-広田議員

 その部分は同じ認識だということです。

政府は、4月分診療報酬の減収分について5月診療分の一部を概算前払いするといったことも出しておりますけれども、これは7月以降に前払い分は返金しなくてはなりません。しかも5月診療分の減収については救済策は全くなしです。コロナ感染と必死にたたかった医療機関に対して、あまりにも冷たい対応だと言わざるを得ません。全日本病院協会など四病院団体協議会が、日本医師会とも連名で申し入れた要望は、「災害時と同様に前年度の診療報酬支払額に基づく概算請求を認めてほしい」というものです。政府は実施を拒否していますが、市長、阪神淡路大震災でも東日本大震災のときも、昨年の台風19号のときもやっています。ぜひ災害時と同様の対応が必要だと思いますが、その見解を伺います。

-山野市長

 私もこれは災害と言っても過言ではないのではないかというふうに思っています。ただ法的な位置付け等々がありますので、ここで軽々には申し上げることはできませんけれども、切実な声を様々な場面、私の立場からすれば全国市長会等を通して国に伝えていきたいというふうに思っています。

-広田議員

 さらに石川県は人口当たりでみると、ご存知の通り感染者が本市を中心に全国で2番目に多い状況です。本来は率先して、県や市としても国へしっかり声をあげるべきですので、よろしくお願いします。

次に、今回の国の第二次補正予算で示された医療従事者への慰労金は、現場の実態に答えるものではありません。直接感染者の対応をしたかどうかで額が5万円から20万円と差がありますが、どの現場でも誰が感染者か分からない中、緊張状態に置かれ、みなさん奮闘をしてきたのはご存知かと思います。よって、一律20万円を幅広い職種に配布すべきだと考えますが、ぜひ国へ求めていただきたいと思います。

-山野市長

 まさに今ほどおっしゃいましたように、感染をする可能性、リスクと常に背中合わせの中で取り組んでいらっしゃる方たちが医療関係者でありますので、その思い、気持ちは全く同じだというふうに思っています。これも金沢市だけではないと思います。石川県市長会、北信越市長会、そしてなんといっても全国市長会を通して、国にそういう切実な現場の声を伝えていきたいと思っています。

-広田議員

 医療従事者という明確な区分がされてしまうと、出されない人も出てくる。そして感染症対応の病院とそうでない病院で違いが出てくる。こういった壁を取っ払って全員に配れるように、ぜひお声をあげていただきたいと思います。

次に、本市の独自支援ができないか伺います。直接感染者を受け入れていない、地域の身近な病院・診療所であっても、感染者受け入れ同様の体制をとってこれまで患者さんに対応しています。たとえば、保健所で検査の対象ではないとされ、かかりつけの病院に行くよう言われた方に対し、発熱外来で対応しています。クラスターが起きた病院から陰性になった患者を受け入れ、特別の体制をとって現在も治療にあたっている病院もあります。石川県の要請でPCR検査の採取を請け負ってきた病院もあります。それにもかかわらず、これらの病院は今回の第二次補正予算では感染者を受け入れたかどうかで区別され、国からも県からもほとんど財政的な支援がないといった状況です。PCR検査を受け入れ、本当に緊張状態の中頑張ってきた病院が、まだ労使協議中ですが夏のボ-ナスが0.5ヶ月分カットされて、12万円も下がるような状況が現場から出されています。こうした市民の第一線でがんばっている民間の病院や診療所に対し、第二波に備えるためにも、そして私たちの地域医療を存続させるためにも、市として独自の財政支援を行うべきですがいかがですか。

-山野市長

 これまで国や県が主体となって行ってきました。市としてもマスクであったり衛生用品であったりの医療物資の配布を通して、医療機関に直接関わってきたところでもあります。引き続き国と県と連携をしながら、市としてなし得る限りのことをしていきたいと考えています。

-広田議員

 国・県主体というご答弁が続いてきましたけれども、もうここまで来ましたら中核市として、市としてなし得る限りの姿勢を見せるということが、私は必要かと思っています。

6月補正で、寄付金である金沢版ふるさと納税を使って医療従事者や子どもたちへの支援をするとしているわけですけれども、これは独自の財政支援策と言ってもいいと思うのですが、どれくらい集まることを見込んでいるのですか。またこれは、集まった分だけで行うということなのか、それとも集まった分を一般財源に織り交ぜて使うということなのか、あきらかにしてください。

-山野市長

 ふるさと納税ですので、まだはっきりと数字がわかるわけではありません。一生懸命告知をしていくことによって、お1人でも多くの方のご理解をいただいて、ご協力いただけるようにしていきたいと思っています。ふるさと納税でしていただいた分だけということでは決してありません。そういう形ではなくて、しっかりと取り組んでいかなければならないというふうに思っています。感染症の緊急対策につきましては、国の支援等を始め市単独でも財政支出を行っているところでありますし、4月の臨時会のときにも提案をさせていただいたところであります。ご寄付をいただいた皆さんの支援に対するお気持ちを十分に活かしていきながら、有効に大切に使わせていただけたらと思っています。

-広田議員

 寄付金ですから、これからどれくらい集まるのかということになるわけですけれども、今のご答弁ではふるさと納税だけではなく、それも使って行うということでした。であれば、やはり医療機関、従事者の支援になりうる具体的施策を最初から計画したうえで、必要な財源を確保すべきだと考えますがいかがですか。

-山野市長

 ふるさと納税のことについては今ほど申しましたようにいくらというわけではありませんけれども、医療機関に対する支援というのは、やはり一義的には国・県が主体で行っていただいております。ただ金沢市としてもしっかり連携をしながら、できる限りのことを取り組んでいかなければいけないと思いますし、そういうふうにしてきているところでありますし、これからもそういうふうにしていきます。

-広田議員

 できる限りのことをしたいというお気持ちはわかったんですけれども、寄付金という見込めない予算で行うのではなく、具体的にこれくらいのことをすれば支援になるんだということを見据えて、財源を確保するべきではないかということを申し上げておりますが、再度いかがでしょうか。

-山野市長

 今数字を明確に申し上げることはできませんけれども、繰り返しになりますができ得る限りの施策に取り組んでまいりたいと考えています。

-広田議員

 できる限りのことを、早急に、数字で表していただくように再度求めておきたいと思います。

次に、政府がすすめる地域医療構想、市立病院のあり方についてです。「地域医療構想」については、加藤厚生労働相が5日の記者会見で、「再編統合の議論が必要」とした公立公的病院をめぐり、都道府県に求めていた今年9月までの結論取りまとめの先送りを認める考えを示しました。ですがこれは先送りにすぎず、県内では7つ、本市内でも2つの公的病院が再編統合の名指しをされ、石川県では2700床もの病床削減を迫られていることに変わりはありません。しかし、このコロナウイルス感染症のもとでは、日頃からいかに病院が人員体制やベッド数もぎりぎりの状態でやってきていたかがあきらかとなりました。県内での公立公的病院が主体となったのだと思いますが、感染症病床の使用率は一時ひっ迫をし、用意できた病床の9割にも達していましたし、ホテルで軽症者を受け入れなければ足りなかったというのが実態です。公的・公立病院を再編統合する地域医療構想は先送りではなく、撤回すべきです

その地域医療構想の中で、あり方検討会を行ってきた市立病院についてまず伺います。患者数の増加にあわせ、確保病床を増やしてきたかと思います。まずはこのコロナ危機において、市立病院の接触者外来や感染者の受け入れ状況、病床の確保、使用率の推移をあきらかにしてください。

-山野市長

 感染者の受け入れは当初6床でありましたけれども、28床へと段階的に受け入れ病床を拡充をし、公立病院としての役割を果たしてきたところであります。使用数・使用率の推移ということでありますけれども、これは県の方でも医療従事者や受入施設への風評被害などを考慮をし、これは当初から公表しない方針としており、市立病院もそれに合わせているところでありますので、公表していないということをご理解いただければと思います。

-広田議員

 接触者外来の状況であるとか感染病床の使用率の推移をみることで議論をしたかったのですけれども、今は公表はむずかしいというご判断です。新聞等でも出ていますけれども、この県のこうした感染症に対する情報公開の問題については、今後取り上げていきたいと思いますが、今は私はこの状況を受けて、実態としては、具体的な数字が出て来なかったとしてもやはり病床はひっ迫し対応に追われたということは明らかなわけです。なので、県からの情報が出て来なくとも、コロナ危機を受けて、医療や保健機能についてとりまとめや検証を行わなくては、病院の再編統合や市立病院のあり方についても議論はすすめられないはずだと思いますが、その点はいかがでしょうか。

-山野市長

 コロナ対応に限るというわけではありませんが、普段からこれはあり方検討会の中でもご提案をいただいておりますけれども、やはり周辺病院であったり機能連携や機能分化、そういうことの課題点を洗い出し、調査研究をしていくことは大切だというふうに思っています。その調査の中で、今まさに議論しています今回の新型コロナの対応等を検討して行くことで、今後の感染症対策に望んでいきたいと考えています。

-広田議員

 普段からの調査、公表調査というのは当たり前ですけれども、このコロナ危機については次元が違うわけですから、必ず調査検証をやっていただきたいと思います。ただ市立病院については、このコロナ危機において、感染症指定病院として重要な役割を発揮し、公的役割を再確認したところです。しかし、実態としては感染者を受け入れるためのベッドも増やし、看護師も増やして対応した事実からして、現状のままでは今回のような規模の感染症には十分対応できないというのも明白になったと思います。よって、調査は今後されるということもご答弁としていただきましたけれども、2月に出されたあり方検討会の提言については、コロナ危機の前に議論されたものであり、見直しという方向性を出していただきたいと思いますがいかがでしょうか。

-山野市長

 この提言の中でも再三、厳しい災害医療であったり今回のような感染者の医療であったり、これは公立病院としてしっかり担っていかなければならないというふうに明言もされておりますし、今回はまさにそうであったというふうに思っています。むしろ今回その役割がよりしっかりしなければならないということだというふうに思っていますので、提言のベクトル・方向性と一致しているものだと思っています。

-広田議員

 災害対応であるとか感染症対応も維持して行くというのは提言の中にありますけれども、やはりそのコロナ危機の前に議論されたということが私はまだひっかかっていて、ここは明確に「感染症の拡充をする」といったことが提言として見直されるべきだというふうに思うんです。ですから、今の論調ですと、感染症の対応については拡充の可能性もあると受け止めてよろしいですか。

-山野市長

 これからいろんな議論を重ねていかなければならないというふうに思います。今回のコロナ禍の中でいろんな課題も見えてきましたので、先程申し上げましたように周辺病院との連携であったりだとか、機能の連携を含めた中で、議論を重ねていければというふうに思いますし、その中で必要性が認められるということであればそんな方向でも議論を進めていかなければならないんだと思っています。

-広田議員

 他の病院とどう機能を分担したとしても、感染症指定病院は県立中央病院と金沢市立病院しかないわけですから、どう考えたって拡充の方向だろうということを私は思っておりますので、ぜひその方向で議論を求めたいと思います。また、提言の中では独立行政法人に移行する案も出ていますが、これはやはり公的役割を担う、そして感染症指定病院の役割を担う市立病院としてはふさわしくないと、これまでも言い続けてきたわけですが、その独立行政法人についての検討の提言も見直すべきではないかと思いますがいかがでしょうか。

-山野市長

 大きな流れとして、少子化・高齢化というものは避けることができないんだと思っています。先程来申し上げておりますような病院の機能の分担であったり周辺病院との連携を進めていく中でも、経営の効率化であったりだとか、またこれは本会議でも議論されておりますけれども事務部門の専門性ということも求められるというふうに思っています。そういうところから、地方独立行政法人化を検討する必要があるのではないかという提言もいただいているところであります。課題等を今一度精査・整理をしていく中で、検討を重ねていきたいと考えています。

-広田議員

 経営効率化、そして事務部門の専門性を独立行政法人に求めるとするならば、やはりこれまでの市立病院の機能・役割は、私は失われる可能性が非常に高いというふうに思います。このようなパンデミックの状況であっても、経営を考えて受け入れない、患者さんを受け入れないという判断だってあり得る可能性も出てくるわけですから、私はやはり独立行政法人にするべきではないと思いますし、少なくとも市長、このコロナ危機を経験したのであれば、この提言について独立行政法人ありきの検討ではないと、それだけはご発言いただきたいと思いますがいかがでしょうか。

-山野市長

 経営の効率で(患者を)断るのではないかということでしたけれども、再三申し上げておりますけれども、採算が厳しい災害医療や感染医療というものは公立病院は担っていかなければいけない、その使命は公立病院としてしっかり担っていきたいと思っています。独立行政法人のことにつきましては、今後課題を整理しながら議論をしていきたいと考えています。

-広田議員

 ぜひ「ありきではない」というふうに明言していただきたいところでしたが、検討するということはそういうことだというふうに受け止めておきます。

もうひとつ。これからは有識者会議に議論の場が移るとされていますが、やはり今回の状況を経験し、その構成の中に感染症の専門家をぜひ入れてほしいと思いますがいかがでしょうか。

-山野市長

 繰り返しになりますけれども、採算が厳しい災害医療というものは公立病院としてしっかり担っていかなければならないと思っていますし、提言の中でも明記をされていますし、今回の新型コロナウイルス感染につきましての検証も含めて、委員の選任に当たっていきたいと考えています。

-広田議員

なかなかこの場では明言できないかもしれませんが、ぜひ専門家を入れるよう求めておきたいと思います。市長は、これまでの答弁をお聞きしますと提言を根本的に見直すということはしないものの、感染症や独立行政法人化などは、コロナ危機を踏まえ、まだまだ議論の余地はあるんだということが今のやり取りで交わされたのではないかなと思っています。であるとするならば、やはりまずは最初に出しました国の地域医療構想、これはやはり実態に基づかないということで、撤回を市長として国へ求めていただきたいと思いますし、市立病院のあり方検討についても、今回のコロナ危機を踏まえた議論になることを再度強く求めますがいかがですか。

-山野市長

 今回の地域医療構想ですけれども、今回のコロナ禍の中でこの石川県だけではなく全国の中でも名前の出た病院も大きな役割を果たしたと私はお聞きしているところでもあります。国の方ではそういう実態も踏まえた上でこれからさらに議論を進めていくのだと思っています。まずはその議論を注視して行きたいというふうに思っています。市立病院としては、繰り返しになりますので申し上げませんが、公立病院としての役割をしっかり担っていくということと、金沢市の南部エリアの地域の拠点病院としての役割をしっかり担っていかなければいけない、そんな思いで取り組んでいければと思っています。

-広田議員

この質問のさいごに、これまでの議論の元になると言っても過言ではありませんが、安倍政権以降、診療報酬は4回連続で引き下げられ、全国の病院の統廃合も進められようとしています。コロナ危機のもと、こうした効率性や経済性を重視し医療・社会保障を抑制する政策の破綻は明らかだと言えます。社会保障・福祉に手厚い国、金沢市にするため、政策の転換が大元から求められると思いますが、見解を伺います。

-山野市長

 今回のコロナ禍におきまして、医療についての考え方というのはいろんな視点が新たに議論が必要になってきたというふうに思っています。感染症に対する支援、考え方であったりだとか、行政としての考え方、またオンライン受診というものも全国的に議論をされて、一部モデル的に行っているところもあるというふうにお聞きをしています。初診におきましてもオンライン受診ということを議論されているところであると思っています。まさに新しい生活の行動様式なんだと思っています。一番は、市民・県民・国民の皆さんが安全に、そして安心して生活でき、万が一のときには医療機関でしっかりとサポートしていただける、そんな体制を作っていかなければならないという思いは、全く同じだというふうに思っています。そのためになし得る限りのことに取り組んでまいりたいと思っています。

-広田議員

 オンライン受診、方法についてはたくさん議論ができるかと思いますが、やはりここで根本的に見直すべきは、そうした安全・安心のために医療や社会保障というものが儲けや利益では計られない分野であるということが、再度確認しなければならないことかなと思いますので、ぜひその視点で今後市政運営を進めていただきたいと思います。

2.大学生等への支援について

続いて、大学生等への支援について伺います。コロナウイルスの影響で、5人に1人の学生が退学を検討しているなど、学生の生活や学業に影響が出ており、学生のみなさんのお声で国の緊急給付金が実現をしたところです。本市では、石川県内の青年団体が取り組んだアンケートでも、学生がバイトができず困窮しているといった声が寄せられていますし、不動産関係者からは市内の大学生でアパートを退去した学生もいるという情報も寄せられています。本市が責任を持つ美大の学生さんも大変な状況にあります。金沢美大の自治会アンケートでは、新型コロナの影響で収入が減ったという回答がおよそ7割、休学を検討したことがあるとした回答が3人に1人にのぼっている状況です。そこで、授業料減免や猶予の制度が元々ありますが、今年の減免申請は5月中旬では昨年比78%増とのことですが、現時点では決定者などが例年よりどれくらい増えているのか、明らかにしてください。また今回の追加補正予算で対象の拡大があるようですが、どれくらいの方を対象として見込んでいるのか、教えてください。

-鳥倉都市政策局長

 美大の授業料減免件数に関するご質問についてお答えいたします。金沢美術工芸大学の前期授業料に対する減免件数でございますが、今月17日現在、申請89件のうち減免決定が61件、不採択が21件、審査中が7件となっております。また昨年度との比較におきましては申請で41件、減免決定で34件の増加となっておりますが、これは新型コロナウイルス感染症の影響も理由の一つと考えております。また今回の授業料減免制度の拡充についての見込み件数におきましては、公立大学である金沢美術工芸大学におきましても国立大学に準じた減免措置となるよう市として支援したいという考えでございますが、現在のところ国からは詳細な基準が示されておりませんことから、見込み件数については不明となっております。

-広田議員

 授業料の減免の対象を増やすというのは大変重要なことなのでぜひ進めていただきたいと思いますが、現時点での状況は前年度の比較として、前期分ですけれどもおよそ2.3倍に増えているといったところです。これだけ困窮する学生が例年との比較では増えているというのも実態として言える状況です。そんな中、美大生自らが署名を集め学長に提出をされました。授業料の一部返還や就学支援金の給付、貸付制度の返済期日の統一などを求めています。市長もご存知とは思いますが、どのように受け止めていらっしゃるでしょうか。

-山野市長

 事務局から報告も受けているところでありますし、内容も拝見させていただきました。内容もそうですけれども、学生が自らの学びの機会を確保するために自らの意思で行動を起こされるということは私は大変良いことだというふうに思っています。要望には3つの内容についてお聞きしているところであります。近々大学側の方から学生さんに対して文書で回答をするということをお聞きをしておりまして、大学の判断を尊重したいと思っております。

-広田議員

その学生さんの要望の中にあります短期貸付制度についてまず伺います。今その貸付制度の利用状況は、始まってからどのくらいの申請件数が寄せられているでしょうか。

-鳥倉都市政策局長

 金沢美大が創設しました短期貸付金制度でありますが、今月17日現在、学生3名の利用があったと聞いております。

-広田議員

 3名なんですね。大変少ないと思うんです。というのも、学生さんからはすでに「前期の授業料も払えないのに、今お金を借りても後期の授業料はどうやって払うのか、救済になっていない」というようなことが報道で述べられています。奨学金をすでに借りているという人もたくさんいますから、追加で借金というのはなかなか考えられません。さらに院生の皆さんにとっては非常にタイトな返済期日であることも言われています。私は、全学生に対し卒業後の返還も認め、事情があれば免除するなど柔軟な対応をとるべきだと考えますし、本市は、大学側がそう決断できるようにぜひ財政支援を行うべきと考えますがいかがでしょうか。

-山野市長

 大学側の方から返還時期につきましても一つの方向性を出しましたが、学生の負担や個々の状況に配慮の上、返済期日の延長等にも柔軟に対応するということをお聞きをしています。まずは大学の自治を大切にしていきたいというふうに思っています。

-広田議員

自治ももちろんそうですけれども、財政支援があればその自治も判断ができるという部分が大いにあると思いますので、これは学生さんの学業の保障ですから異論はない点だと思いますので、ぜひよろしくお願いします。

次に、国の学生支援緊急給付金が始まりましたけれども、この利用状況がどのようになっているのか伺います。

-鳥倉都市政策局長

 国が実施します学生支援緊急給付金ですが、今月17日現在111件の申請があったと聞いております。

-広田議員

 速やかに支援金を受け取れるようにご配慮いただきたいと思います。しかしながら文部科学省はこの審査につきまして、「最終的には大学側が状況によって総合的に判断する」としています。困っている学生が救済されない制度であっては意味がありません。大学側は柔軟に審査するべきだと考えます。また、留学生だけに要件としている成績についても、これも柔軟に対応していただきたいと思います。第一次募集は6月12日に締め切られましたが、今後第二次募集もあると聞いておりますので、その予定も含め柔軟な対応を求めておきたいと思いますがいかがでしょうか。

-鳥倉都市政策局長

 受給対象となります学生ですが、家庭から自立してアルバイト収入で学費を賄っていること、あるいは既存の支援制度を活用しても学費等の支出が困難であること等の条件を考慮した上で、大学が給付の必要を認める学生となっており、大学側からは学生からの申請書類に基づき、不明な点がございましたら丁寧な聞き取りを行うなど、学生の実情をしっかり把握したうえで、日本学生支援機構に推薦リストを提出する予定と聞いております。また一次募集の締め切りは今月19日となっておりますが、二次募集の日程等については未だ確定していないと聞いております。

-広田議員

 最後に、やはり市の姿勢としては大学の学生さんは金沢の文化の担い手でもある、大切な学生さんです。経済的理由で1人の退学者も出してはならないと考えます。ぜひ一律就学支援金であるとか、授業料の返還であるとか、ぜひ支援金を出していただきたいと、市長の決断を求めて質問を終わります。

以上

で、実はまだ大学生支援については用意していたのですが、タイムオーバーでできませんでした。用意していた原稿はこちらです。

 しかし、それらの制度や、追加議案で出された授業料減免に該当しない方も出てくるはずです。学生の求める独自の就学支援金を給付することや、一律授業料の一部返還も検討すべきです。

その際、美大の財政だけではむずかしいと思いますので、市として一般財源から拠出して行うことを求めます。

学生ひとりにつき10万円出したとして、700人の学生さんに対して7000万円です。 

金沢の文化の担い手でもある大切な学生の中から、経済的理由でひとりの退学者も出してはなりません。市長の決断を求めるものですがいかがですか。

―市長

昨日も、国県市の事業をまずは使ってもらうというような答弁でしたけれど、学生さんへの支援というのはなかなかむずかしく、たとえば、福祉という切り口では緊急小口や住居確保給付金も親御さん含めた世帯という見方をされ、なかなか受けることができません。なので、独自支援をと言っているのです。

 さらに、バイトをしないと賄えないような高い授業料が学生の学業と生活を脅かしているということもはっきりしました。日頃は学生のがんばりでなんとかなっていても、こういう事態ではあっという間に困窮するということが浮き彫りになったのです。学生が本来の学業や創作活動に集中できるよう、そもそもの学費の引き下げの検討を始めるべきですがいかがですか。

―市長 

 最後に、美大生のほかにも、市内の多くの他大学生や専門学校も同様に困窮をしています。ぜひとも国にさらなる支援を求めてほしいですし、市としても財政支援を行うべきですがいかがですか。

―市長

というものです。
で、これで終わりというわけにはいかないので、総務常任委員会にて、市長は出席しませんのでお聞きできませんが、美大事務局長に質問をしました。
その内容はこちらからご覧ください。↓

6.19 総務常任委員会 美大の学生支援についての質問

-森尾議員

森尾議員

私は、日本共産党市議員団の一人として、質問いたします。

最初に、新型コロナウイルス感染対策と本市重点戦略計画の見直しについて伺います。新型コロナウイルス感染症は世界的規模に広がり、人類の歴史の中でも最も深刻なパンデミックの一つになっています。今後、私たちが安心して日常生活を送り、経済・社会活動を再開していく上で、感染拡大の「第2波、第3波」への対策が重要となっています。感染拡大を抑止するための医療と検査体制を抜本的に強化し、安心して経済・社会活動の再開が進められるようにすることが求められます。そこで、市長は今後、感染対策をすすめていく上で、どこを重点に取り組んでいかれるのか伺います。

-山野市長

 5月に国の方から「新しい生活様式」というものが発表されました。全国に共通のものだというふうに理解をしています。身近なところでは、マスクをする、うがいをする、手を洗う、そういう励行と同時に新しい生活様式の浸透に努めていくことによって、市民の皆さんとともに第2波、あってはならないんですけれども、備えていきたいと思います。

-森尾議員

 「第2波」の感染拡大を的確に把握し、早期に封じ込めるためには、PCR検査体制の拡充が欠かすことはできせません。この点では18道県知事が積極的な検査体制への転換を求める国への提案が行われました。去る6月10日国会・衆議院予算委員会で、わが党の志位委員長の質問に答え、安倍首相は、濃厚接触者については、「症状の有無にかかわらず検査することにした」と述べました。医療・介護・障害福祉事業関係者に対して、症状の有無を問わないPCR検査を実施する等、積極的検査への転換が求められます。市長はどのように受け止め、検査体制の拡充を国や県に対して求めていかれるのか伺います。

-山野市長

 PCR検査につきましては、県が国の基準に基づき行政検査として行っているものであります。市独自で行うということは考えてはおりませんけれども、ただ森尾議員から今ご指摘があったようなご意見であったりだとか、多くの医療・福祉関係者からもご意見をお聞きしているところでもありますので、全国市長会等々を通じましてPCR検査の充実というものも伝えていきたいというふうに思っています。

-森尾議員

 本市では、感染者が5月13日から1か月あまり確認されていません。北九州市では、感染者が4月30日から5月22日まで23日間確認されていませんでしたが、その後5月29日には、一日で26件と感染拡大が広がり、小学校でクラスター発生となるなど第2波の感染拡大となり、対策がとり組まれています。その基本は、感染者を早期に発見し、症状に応じた医療と隔離を行うとする独自の考えで取り組みが進められています。そのため、PCR検査体制を強化し、濃厚接触者すべてにPCR検査を実施し、無症状であっても感染者を確認し、対策をとっています。市長はこうした取り組みをしっかり受け止め、本市における検査体制の抜本的強化に取り組むことが求められていると考えますが、その見解を伺います。

-山野市長

 先程申し上げました、これまでも申し上げておりますけれども、県としっかりと連携をしながら抜本的な考え方も改めていかなければいけないところも改めていきながら、国・県と連携してしっかりと取り組んでいきたいというふうに思います。そのことが抑制に繋がってくるんだというふうに確信をしております。

-森尾議員

 県がPCR検査体制の強化に向け、8日からドライブスルー方式によるPCR検査の実施を開始しました。本市として、市内にPCR外来・検査センターを設置する考えはありませんか。また国は、唾液によるPCR検査の実施を打ち出しています。この点でも本市での実施についてその考えを伺います。

-山野市長

 繰り返しになりますけれどもPCR検査は、県は行政検査として国のもと行っているところでありまして、これまでも県と連携をして行ってきているところもあります。市独自として外来センターを設置することは考えてはおりません。また唾液による検査というのも、国が通知で示されています。現在県においても検討しているというふうにお聞きしているところであります。

-森尾議員

 感染の広がりを把握し、感染対策への判断にいかしていく上で、幅広く抗体検査の実施が有効だとしています。市長は、国に対してこの点での実施と必要な予算を確保するよう求めるべきと考えますが、その見解を伺うとともに、本市としてこの抗体検査の実施についてどう考えておられるか伺います。

-山野市長

 抗体検査につきましては現在、東京都・大阪府・宮城県で試験的に行われているところでありまして、その結果を踏まえて国が今後の方向性を示されるというふうに理解をしています。抗体検査というものは疫学調査でありますので、全体の中ではなく金沢市単体として行うことの意義というものは私はなかなか難しいのではないかというふうに思っていまして、今、国の指導のもと3都府県で行われておりまして、そこから出される疫学的な調査をもとにして方向が示される、その方向性に沿った形で様々な施策を打っていければというふうに考えています。

-森尾議員

 新型コロナウイルス感染症がもたらした経済的な影響は極めて甚大です。ある民間の研究所の調査によると2020年から2021年に生じる経済損失額は、世界全体で800兆円から1300兆円にのぼるとしています。日本経済にも内需、外需の大幅な落ち込みが予想されます。これらの点で、市政運営の重点は市民のいのちと生活を守り、地域経済を支えている本市の商店や事業者の存続と経営を支援していくことが何より重要だと考えます。したがって、本市重点戦略計画とその具体化について、見直しが求められていると考えますが、市長の見解を伺います。

-山野市長

 重点戦略計画は、平成25年度から向こう10年間の、まさに名前の通り重点的に取り組む政策をまとめました。当然時代の流れの中であったり景気動向によって見直しが求められてきますので、毎年度見直し・ローリングを行っているところであります。おそらく来年度の税収も大変厳しいものがあるというふうに思われますので、早い段階から情報を収集しながら重点戦略計画の見直し・ローリングについても議論を深めていきたいと考えています。

-森尾議員

 市長はこれまで、次々に大型事業を打ち出しています。サッカー場の移転・新築、既存の移転計画などで100億円が予想されます。歌劇座の新築、現在地改築としても200億円から300億円が予想されます。中央卸売場の新築には50億円規模が予想されます。市立病院の移転新築ともなると100億円規模が考えられます。さらに、新しい交通システムの導入ともなると事業費は数百億円~1000億円規模となります。新たに大規模共同調理場を2ヶ所建設するとしていますが、その事業費は40億円から50億円が予想されます。引き続く学校施設の移転、統廃合もかなりの財源投資となります。まさに、新たな大規模事業のバブルではないかと思われます。市長、一旦とどまって考えてみる必要があるのではありませんか。市長の見解を伺います。

-山野市長

 これまでも議会で申し上げておりますけれども、高度成長時代から昭和の後半にかけて建てられた公共施設が、大規模修繕もしくは建て替えが求められる、そんな時期になってきました。中期財政計画を作りながら、財政の平準化を図っていき、重点戦略計画の中で優先順位を確保しながら、また様々な財源を確保しながら計画的にやっていかなければいけないというふうに思っています。先程の答弁の繰り返しになりますが、時代の流れ、また財政状況によって変更を余儀なくされる場合は、毎年度重点戦略計画の見直しをしていく中で考えていきたいと考えています。

-森尾議員

 市長はその時々に大型事業の打ち出しをしています。改めて私がメニューを示し財源の規模も示すと、今度は優先順位の問題だと、こう言い逃れしています。私は、これは優先順位の問題ではないと思います。市民の現状や地域経済の現状を考えて、これらの事業について見直すよう強く求めておきたいと思います。

そこで、具体的な問題として新たなサッカー場建設について伺います。城北市民運動公園内にあるサッカー場は現在、収容人数3000人のサッカー専用スタジアムです。隣には人工芝のサッカー用のグラウンドも整備されており、周辺には金沢プール、野球場、屋内交流広場・あめるんパーク、少年サッカー場などがあります。このサッカー場を収容人数1万人規模として、現在地改築から突然、移転・新築するとの方針が打ち出され、計画が進められています。その経過について、説明を求めます。

-山森文化スポーツ局長

 市民サッカー場の再整備につきましては、仰せの通り当初は既存施設の改修を予定しておりましたが、観客等へのおもてなし空間の確保や、Jリーグのスタジアム基準にも対応するため、スポーツ推進審議会での審議を経て、施設整備計画を変更し、金沢城北市民運動公園内での移転再整備としたものです。

-森尾議員

 公園内にある少年サッカー場のある場所に移転・新築するとして、工費は75億円。現在地に少年サッカー場を移転するとしてその費用が20億円から25億円、占めて今回の事業展開は100億円規模にのぼるとされています。一体なぜ、現在ですら使える施設であり、現在地での改築から移転新築へと方針が転換されていくのかということになります。この現在ある少年サッカー場の中には、オランダ・クライフ財団が子どもたちのために、世界にサッカー場を設置するとして、サッカー元日本代表の本田圭介氏の紹介もあって、本市に設置されたものです。いったい、今回の移転・新築計画が十分検討され、合意のもとで進められてきたのか、あらためて問われるものだと考えます。市長。J2のツエーゲンのホームグランドは、県の陸上競技場です。新たなホームグラウンドを建設するというならば、県を含め関係機関とも十分協議し進めるべきではありませんか。その見解を伺います。

-山野市長

 ホームスタジアム云々ということは、一義的にはクラブ側のご意向によるものであるというふうに思っています。施設運営につきましても、石川県当局はもちろん、サッカー関係者、また議会の皆さん、利用される市民の皆さんのご意見をお聞きをしながら情報共有を図っていって取り組んでいかなければいけないというふうに思っています。

-森尾議員

 市長、ごまかしちゃいけませんね。この現在地での改築計画から移転新築へと移った要因は、Jリーグの規模の問題を検討して、J2ならば一万人規模、J1に上がるなら一万五千人規模となり、一定の余裕ある施設を作るためにはどうしても移転新築しなければならないということで、今回の方向になったと。するならば、私は改めて、今日のコロナの現状、感染状況を考えると、スポーツ界にも大きな影響をもたらしています。プロ野球もサッカーJリーグも新たな運営方向を今模索している状況です。無観客試合、観客の人数制限と感染対策など、それぞれの課題を抱えています。したがって、私はこのサッカー場の移転・新築についても踏みとどまり、もう一度関係機関ともよく協議を行って、状況を見極め、計画の見直しが必要だと考えますがいかがでしょうか。

-山野市長

 ごまかし云々というお話がありましたので、まずそのことについて。当然、サッカー場を整備しますので、ツエーゲンであったりJリーグ関係者との相談をさせていただいています。金沢市サッカー協会の皆さんのご意見もお聞きをしています。少年サッカーの関係者のご意見もお聞きをしています。いろんな関係者のご意見をお聞きをしながら計画を進めているところであります。議会での議論も私はそういうものだというふうに思っています。多くの皆さんのご意見をお聞きをしながら、丁寧に進めていきたいというふうに思っています。

-森尾議員

 新たなサッカー場の建設計画について、現在の進捗状況と今後のスケジュールについて、担当局長より答弁を求めます。

-坪田都市整備局長

 5月に実施設計業務委託の契約を行いまして、現在設計作業を進めているところでございます。今後は年度内に実施設計を終えまして、2023年度中の完成を目指し、来年度から工事に着手する予定でございます。

-森尾議員

現在の状況や今後のスケジュール等から考えますと、これから建設への着工へ進むという計画ですので、今の時点では基本計画、設計へと移る段階です。私は改めて、今の状況や環境を踏まえたならば、今一度、この移転・新築計画について計画の見直しを求めたいと思いますが、市長の懸命な判断を求めたいと思います。

-山野市長

 繰り返しになりますけれども、サッカー関係者のご意見、それは選手であったり経営者であったり愛好者であったり、この長い間お聞きをしながら準備をしてきました。財源の確保につきましても議論をしながら進めてきているところでもあります。また、北部地区の防災拠点としての役割も担うということも前提にして取り組んできているところでもあります。関係団体の動向・ご意見もしっかりとお聞きをしていきながら、準備を進めていきたいというふうに考えています。

-森尾議員

 次に、本市ガス・発電事業の株式会社への譲渡計画について伺います。全国初めてとなるガス・発電事業をセットで株式会社に譲渡するという方針について、納得できる説明がされていません。ガス事業は8年間連続黒字。発電事業は黒字経営が継続され、昨年度は3億円の黒字、起債残高はゼロです。今年度10億円が予算化され、上寺津発電所をリニューアルし、発電能力を年間300kwhアップするとのことです。企業局が2016年に打ち出した今後10年間の経営戦略方針に沿って、公営事業として運営することこそ、とるべき方針ではないかと思います。新型コロナウイルス感染が拡大し、今後数年間は続くとしています。こうした状況から、公営事業としての役割が増大しています。ガス・発電事業をセットにして株式会社に譲渡するとの方針をやめるべきと考えますが、公営企業管理者の見解を伺います。

-平嶋公営企業管理者

 国の制度改革によりまして、電力・ガス小売り全面自由化に伴いまして、総合的なエネルギー市場が創出されてきております。そういった中で、法令等の制約があります公営でのサービスがなかなか難しいということ、またここにきて家庭用ガスの需要が大幅に減少しているといったようなことも含めまして、経営の柔軟性を高め、事業の持続性を高める、確保するといったようなことが必要だと考えておりまして、昨年度のあり方検討委員会での答申等々を踏まえまして事業譲渡を進めてまいりたいと考えております。

-森尾議員

 ガス・発電事業をセットにして譲渡する、一体なぜだろうかと。コンサルタントが報告の中で述べています。それは、セットにすることによってより利益が確保できる、こうしておりますが、その内容について明らかにしてください。

-平嶋公営企業管理者

 先程申し上げましたけれども、国の制度改革によりまして、電力とガスを合わせた総合的なエネルギー市場が創出されてきております。いわゆる地域独占の撤廃、あるいは異業種間の連携といったようなものが非常に全国的に進んできている。そういう中で、地方公営企業にありましては法令の制約によりまして多様なサービスの展開が難しいということ、そこで金沢市の場合にはガス事業・発電事業を合わせて行っているといったことも踏まえまして、株式会社への譲渡によりまして電力とガスのセット販売も含めた、あるいは通信との融合も含めた多様なサービスの展開が可能になるといったような分析がなされております。そういったところで市民の皆さんへの一日も早い自由化の享受といったことが求められていると考えております。

-森尾議員

 聞いても語りたくない、というのがよくわかりました。そこで、私が述べます。発電事業は、ダムを利用して発電した電力を北陸電力に売電しています。この価格は全国の売電価格の中でも下から二番目の安い価格となっています。その契約を全国平均並みにすると、年間の利益は15億円になるという試算が、このコンサルタントより報告されています。そして、その契約が終了するのは令和7年(2025年)です。したがって、契約終了前となる令和4年度までに譲渡し、有利な条件で契約更新をしたいとの考えがあるわけです。要するに、発電事業は儲かる事業なんです。さらに、全国平均並みの売電価格で契約すれば、年間15億円の利益をあげられる、ここに着目したんです。市民のために果たしてきた公営事業を民間に売り渡して、公共性及び公益性の確保という公営事業としての誇りと責任を投げ捨ててよいのか。このことが私は問われていると思います。公営企業管理者は、どのような見解をお持ちでしょうか。

-平嶋公営企業管理者

 ご指摘いただきましたように、調査研究の中では発電事業につきまして複数の売電単価というものを設定いたしまして、あくまでも現行の長期契約を前提として試算を行っておりまして、ただその設定単価の違いによりまして、今議員の方からご指摘のありましたような利益の金額も含めて、様々なパターンが提示されてきております。一方で、発電事業は先程も申しましたが国の制度改革に伴いまして長期契約終了後は一般競争入札に移行するということになりますので、売電価格というのは非常に変動し不安定化するといったようなことも検討されておりまして、そういったことも踏まえて昨年度の検討委員会の中からも卸供給のみでは地産地消が困難になるということに合わせて、地方公営企業としての役割が希薄化してくるといったようなご指摘もいただいているところでございます。

-森尾議員

 市長がこの問題について「スピード感を持ってすすめる」と度々述べてこられました。経過を見ますと特徴があります。まず、企業局が2016年に打ち出した今後10年間の企業戦略方針を見直すという行為ではなく、「あり方検討委員会」を設置し、3回の議論と、最後の会議は答申のとりまとめを持って市長に答申するという、まさにスピード感を持って今回の株式会社への譲渡方針を打ち出したのが第一の特徴です。第二に、市民に実態が知らされることなくパブリックコメントを行いました。そして、このパブリックコメントの集計においても、株式会社への譲渡方針の賛成・反対を聞いていないにもかかわらず、市民は賛成の意見が多くあるような集計結果を発表し、あたかも市民の理解を得られているようなものとなり、この点では市民から厳しい批判が相次ぎました。こういう二つの特徴をもって「スピード感を持って」と、こう進めてきたわけです。そこで市長に伺いたいと思います。今回のガス・発電事業の株式会社への譲渡計画について、市民の理解と合意が得られていると考えておられるのですか。

-山野市長

 あり方検討会の検討資料というものも議事録として公開をしています。随時検討状況を議会にも報告をさせていただいています。今ほどパブリックコメントのお話もありましたが、パブリックコメントの実施など幅広い意見募集に努めて、本年3月に基本方針を策定したところであります。企業局のホームページ等での情報提供や、市政情報コーナーへの閲覧用資料の配置等により、市民・市内の事業者に対する広報活動へもこれから努めていくことによって、引き続き市民の皆さんの理解を得られるように取り組んでいきたいと考えています。

-森尾議員

 本市企業局は、「譲渡ありき」ともいえる手法をもって進めてきました。「あり方検討委員会」へ提出した資料は、民間コンサルに依頼した資料です。そして、今年度譲渡するための基礎資料とスムーズに譲渡するためのアドバイザリー業務委託は、この民間コンサルタントを依頼した業者に決まりました。情報を得たところ、あり方検討委員会の委員長も、そしてアドバイザリーの業務委託を選定する委員会の委員長も、同じ委員長なんです。まさにスピード感を持って譲渡を進めてきたと、そういう手立てをとってきたということが言えると思いますが、公営企業管理者の見解を伺います。

-平嶋公営企業管理者

 アドバイザリー業務の委託先の選定にあたりましては、本市の委託業務公募型プロポーザル方式実施要項など、市所定の契約手続きに基づきまして適切に実施したところでございます。プロポーザルには3社から応募がございまして、選定委員会では提案企業名を伏した上で公平公正に審査を行ったものでございます。

-森尾議員

 市長、この「譲渡ありき」という方針をもって進めてきたものをいよいよ、とんでもない事までやろうとしています。それはなにかと。今年度、譲渡選定委員会を設置し、優先交渉権者を決定するとしています。そして、次の年度、令和3年度に関係条例議決と事業譲渡契約締結となっています。市民の代表である議会が譲渡を認めるのかどうか。条例や契約事項を審議する前にすでに、優先交渉権者が議会での審議がないまま決定されていることになります。これでは、「譲渡ありき」で、行政の決定を議会が追認するということではないかと思います。市長はかねがね、二元代表制について述べてきました。今回の方式が、あなたの言うスピード感をもって進めるというのはこういう手法か、というふうに思うのですが、いかがでしょうか。

-山野市長

 森尾議員、ご理解をいただきたいのは、財産処分を伴う重要な案件であります。譲渡先となります優先交渉権者を明確にしたうえで議会にお諮りすることは、私は適切であるというふうに思っています。

-森尾議員

 公営企業管理者に伺います。譲渡先を決めるために選定委員会を開き、まず優先交渉権者を決める。そのために、10月までに募集要綱を公表するとしています。そこには、最低譲渡価格が明示されると考えます。管理者はこれを仮契約だと表現されたものですが、明らかに本契約である来年度予定するとしている事業譲渡契約締結への前提となるものです。したがって、関係条例議決もされない下で、最低譲渡価格が明示された募集要綱によって、優先交渉権者を決定することは何らの法的根拠のないものではありませんか。見解を伺います。

-平嶋公営企業管理者

 仮契約につきましては本市の契約規則の中の規定に準じまして取り扱う予定でございます。他の先行の同様の案件、これは金沢市あるいは金沢市以外でもありますけれども、同様に同じような手続きを経て議会のご判断をいただいているというふうに理解をしております。

-森尾議員

 市長、私も調べてみたんです。地方自治法第96条で、議会での議決を明記しています。したがって、譲渡のための関係条例議決と事業譲渡契約締結について、議会議決を必要としたものです。事業譲渡契約締結への前提となる優先交渉権を企業局が決めてしまうことは、地方自治法第96条に反しています。ガス・発電事業は100年近くにわたって築かれてきた市民の財産であります。議会での審議、議決がないまま譲渡先へと導く優先交渉権者を決めてしまうことは許されないと思いますが、市長いかがでしょうか。

-山野市長

 管理者も申し上げましたように仮契約でありますので、議会の皆さんの決議をいただいた上での本契約になるというふうに理解をしております。

-森尾議員

 法違反を前提に仮契約なんてありえません!もう一度、今回の議論を真摯に受け止めて、私はこれからの方針についての見直しを強く求めておきたいと思います。

次に、市民の飲み水を供給する末浄水場と犀川浄水場があります。犀川の水を利用し、この二つの配水場で、飲み水として市民に供給しています。この犀川浄水場の上流に二つの発電所があり、末浄水場の上流に3つの発電所があります。議長の許可をいただき、配置図を作成しましたものを示します。こうした配置となります。(模式図提示)今述べたのがこの模式図です。要するに、水をダムで発電に利用し、その後浄水場で飲み水として市民に利用しているというのがこの模式図となっています。市民の飲み水を供給する末浄水場と犀川浄水場の上流に発電所があるわけです。この発電所が民間に譲渡されることによって、市民の飲み水まで民間にゆだねることになります。市民生活を支えるライフラインとして、市が責任をもって行ってきた事業のことを考えると、私は発電を民間に譲渡して、市民の飲み水まで深く関わる事業を民間に任せてよいのかと、これがこの模式図から読み取った点でありますが、市長、率直な見解を伺います。

-山野市長

 これまでも本会議において上水道の民営化は考えていないと明言をしているところであります。発電事業者が水を利用する際には、法令等によりまして水道を含めた水利権を有する他の利水者に支障を生じさせないということが義務付けられているところであります。これは事業譲渡後も変わりません。

-森尾議員

 したがって、この飲み水の問題とも関連するならば、ガス発電事業の株式会社への譲渡をやめるよう強く求めておきたいと思います。

 最後に、市長をはじめとする本市幹部職員の綱紀粛正について伺っておきたいと思います。去る2月25日。市長、あなたと当時の松村議長が連名で、市民に対して新型コロナウイルス感染対策を呼びかけました。3月24日新型コロナウイルス対策にかかわる追加補正予算と新年度予算を議決すると共に、松村議長が退任いたしました。その二日後、26日退任する本市幹部職員など40名から50名で宴会を開いていたと松村前議長が自ら明らかにしました。市長、このことは把握されていますか。市長はこの宴会に参加されましたか。伺います。

-山野市長

 把握はしていません。よって参加もしていません。

-森尾議員

 必要な調査と、今後の綱紀粛正について見解を求めたいと思います。

-山野市長

 勤務時間外でもありますし、私的なものでもあります。個人の情報でもありますので、調査をすることは考えてはいません。いかなる場合であったとしても、公務員として市民の皆さんのために資する行動をしていかなければならないと思いますし、綱紀のことにつきましては常に意を用いていかなければいけないというふうに思っていますし、徹底をしていきたいと考えています。

1、新型コロナウイルス感染症対策について

 質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一人として質問をいたします。

 初めに、この度の新型コロナウイルスの感染症によってお亡くなりになられた方々のご冥福、そして、今なお入院・療養されておられる方々の一日も早い回復を心よりお祈り申し上げます。また、この感染症に対し、最前線で献身的にたたかっておられる医療関係者のみなさんに敬意を表します。

 この新型コロナウイルスの世界的感染大流行に対する懸命の対応が、地球規模で続けられています。感染は、五大陸全体に広がり、今もなお、世界全体では勢いが衰えていません。日本でも17,000名以上の方々が感染し,900名を超す尊い命が失われました。また、感染対策のための経済・社会活動の大幅縮小などによって、人びとの命と暮らし経営が深刻な事態に陥っています。私たち日本共産党市議員団はこの間、11回にわたって市民の皆さんや現場の声を市政に届けようと、休業補償や医療支援の拡充を求め申し入れを行ってきました。

安心して経済・社会活動を再開していくには感染防止をしながら進めていく必要があります。ウイルスによる感染はまだ続いており「第2波」へのしっかりとした備えが必要で、医療と検査体制を抜本的に強化することが求められています。PCR検査はこれまで発熱など強い症状がある人だけを対象にしてきましたが、対象を大規模に広げ、先手を打って感染拡大を防止する積極的な検査の必要がありますがいかがでしょうか。今後第二波、第三波に備える体制をどう考えているのか、また、本市における検査体制はどうなっているのもあわせておうかがいいたします。

同時に「第2波」に備えて、医療崩壊を防ぎ、医療体制を確立することも必要です。新型コロナウイルス感染症患者を受け入れるほど、病院が減収となるとの問題が指摘されています。コロナ患者を受け入れる病院の減収・負担分を補償することは不可欠です。そして医療全体を支える為にはコロナ患者を受け入れていない、医療機関や地域診療所の財政支援もする必要があります。さらに保健所との連携も必要です。保健所の体制強化、予算、人員体制の補強、拡充について、検討されているのかどうか、お聞きします。 

 次に自粛と保障についてお伺いいたします。

自粛と補償は一体に、という大きな国民の声が政治を動かし、一律10万円の給付、雇用助成金の上限額引き上げ、家賃支援など一連の前進が見られるようになりました。しかし、改善すべき最大の問題点は、支援が現場に届くのが決定的に遅く失業や倒産廃業が増え続けていることです。

雇用調整助成金の相談件数はすでに44万件を超えていますが申請書提出件数は約13万件、支給決定件数は6月8日時点でわずか7万件に留まっています。雇用を守る支援が迅速に支給されるかどうかが大きく問われています。

収入が半減した中小企業、フリーランスを含む個人事業主が対象となる「持続化給付金」が届かないことにも、「遅すぎる」「必要な時に届かないなんて」などの怒りの声が上がっています。安倍首相は「政府の総力を挙げて、スピード感をもって支援を届けていく」としていますが、持続化給付金をめぐっては、不透明な事務委託が今大きな問題になっています。 

経済産業省から769億円で受託した一般社団法人サービスデザイン推進協議会から大手広告代理店の電通とその子会社を通じて複数社に、再委託と外注を重ね電通に丸投げの構図が明らかとなりました。経済産業省と電通との癒着が問題となっています。

これら国の経済対策の問題点について、市長はどのように考えておられるでしょうか。お尋ねいたします。

クリーニングを営んでいる方のお話です。昨年まで月18万円ほどの売り上げがあったそうです。今年は3月から外出が自粛となって、外出を控えるようになったため、コート類や、セーター、ワイシャツなどの洗濯の注文がほとんどなく、4月・5月になるとさらにお客さんの来店もまばらになり、機械の修理を見込んでいたが、できるかどうかわからない大変な状態だと話をしてくれました。持続化給付金の申請をしたいのだが、パソコンでの手続きをするのが難しく、関係書類を集めるのにも時間がかかりなかなか前に進まないと、こぼしておられました。こうした市民の声を本市としても受け止め、国の制度ではありますがどのように援助や支援をしているのかお伺いいたします

また、県の休業協力金に対しても同様です。

学習塾経営者の方に話を伺ったところ、県の休業要請に応じて4月下旬から休業したが、100平米未満のため協力金の申請ができなかった。オンライン授業を開始しようにも設備を整える資金もないし、生徒さんのなかにはパソコンやスマートフォンを持っていなかったり、親がいないと動かせなかったりとの問題があり、結局はオンライン授業もできていないとおっしゃっていました。6月からは塾を再開したものの、学校の授業時間が長くなったため、塾を辞める生徒さんも続出し、このままでは経営が続けられないという声も届いています。

こうした声は、氷山の一角です。                       

これは、本市が財政負担を折半しながら行う石川県新型コロナウイルス感染拡大防止協力金の事業ですが、本市としてこの協力金が十分に自粛店舗に届けられたと考えていらっしゃいますか。また、すでに期限が来ていますが、さらに支援を行うべきと考えますがいかがでしょうか。お伺いいたします。

医療と介護事業所に対する支援策について質問します。

新型コロナウイルスの感染拡大は介護現場にも、深刻な危機をもたらしています。介護従事者は感染の不安を抱えながら介護を必要としている利用者の生活を支えています。緊急事態宣言の後、デイサービスやショートステイを休止したり、営業時間の短縮をしたりする事業所が増えています。

また、感染するのは怖いからということで、デイサービスの利用を制限する人も出てきています。デイサービスの利用を制限し、訪問介護に移行する方が増えましたが、新規の利用者まで支援が回らないということで、受け入れを断っているところもあります。職員が少しでも発熱すれば、仕事を休まなければなりません。子どもの学校休業に合わせて休む方もいて、ただでさえ人手不足だったところに出勤できる職員が減って、現場の疲労がピークに達しています。新型コロナが収束しても人手不足が解消されるわけではありません。

介護サービスの利用控えの背景には、医療機関以上にマスクやアルコール消毒液などの衛生用品が足りない問題もあります。特に小規模事業所は買いそろえるのに消費のお金が大きく採算的にも大変だと言います。いつでも衛生用品の配給が、できるよう感染症対策をしてほしいという要望が医療機関からも届いています。

こうした声に対して、市は、しっかりと答えていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。

6月補正予算の中で事業所に対して感染症対策の必要経費の予算がくみこまれましたが、デイサービス中止などによる減収分の全額保証の支援策はありませんでした。

感染への不安からサービス利用の控えなどで、事業の維持・継続を見通せない事業所も少なくありません。介護事業所の経営が安定し、介護職員が安心して働くことができなければ、わたしたちの生活の基盤が脅かされ新型コロナウイルスの第二波、第三波に備えることができません。新型コロナウイルスに伴う減収分の補償を行うべきと考えますがいかがでしょうか。市長のお考えをお聞きします。

次に国民健康保険についてです。

新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した方の国保料減免についてお聞きします。国保料納付証が届く時期を迎えております。「ホテルの清掃の仕事がなくなった。給料が少ししか出ないので、国保料などが払えない、減免はどうしたらいいのか」「売り上げがない、無収入だ、支払おうにも手元にお金がない」などの深刻な相談が来ています。国民健康保険料については、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う政府の「緊急経済対策」に、収入が減少した世帯へ「減免等」を行うことが盛り込まれました。

新型コロナウイルスで経済が急速に冷え込む中、早急に減免措置が取れるように準備を進めることは、必要な措置です。早急に申請受付を開始して行くべきと考えますがいかがでしょうか。

本市では以前から独自の減免制度を設け、生計維持者が失業などで収入が前年比3割減収になった世帯や、生計維持者が亡くなった場合などを対象としています。が、コロナ下における減免制度は3割収入減の方が対象になるとの事で、この減免制度は広く周知するべきと考えますが、方策はお考えでしょうか。私は保険料の納入通知書の送付の際に制度の承知を図るべく、保険料の減免のお知らせも一緒に同封し制度を知らせるべきと考えますが、いかがでしょうか。また減免制度の申請の内容がどういうものなのかもお尋ねいたします。

2. 学童保育について

国は新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言の下で医療従事者の方が引き続き業務に従事できるように、学童保育に対して、開所継続の要請を行いました。

緊急事態宣言後、要請を受けて学童保育は、「利用を控えていただくよう保護者にお願い」をし、「社会の機能を維持するために就業を継続することが必要な者」「ひとり親家庭等で仕事を休むことが困難な者」など対象を限定して受け入れました。利用する子どもの人数が、少なくなっている所があります。子どもの人数が縮小しても学童保育には、それまでの収入を保証する措置が取られています。

感染リスクの高い3密を避けることが困難な学童保育に子供を通わせることに不安を感じている保護者も大勢いて、仕事を調整したり、親族のサポートで学童保育を休ませたりする家庭がある一方、どうしても仕事を休めない家庭もあります。

指導員はマスクなどの衛生用品、特に消毒液が足りない不十分な環境の中で、子どもたちを守ることができるのかという緊張や、重圧の中で、「自分が感染したら」という不安も抱えながら保育にあたったといいます。

内閣府の子ども・子育て本部と厚生労働省子ども家庭局子育て支援課は20日、事務連絡「FAQ」(よくある質問)を各自治体宛てに発出しています。

この中で、「新型コロナウイルス感染症対策のため、放課後児童クラブが臨時休業等をすることになった場合、自宅待機となった職員の給与について、どのように対応すべきか」との問いに対して、「もともと開所の予定があったものについては、通常どおり開所したものとして交付金を交付し、減額は行わないようにしており、放課後児童クラブを運営する事業所の収入を保障している」と回答。その上で、臨時休業などで自宅待機となった職員の人件費の支出について「これを踏まえて、適切にご対応いただくべきもの」とする見解を明記しています。

本市においても、自粛対応費として3500万円が計上され、午前中から開所した施設には300万円の予算を付けて対応をしています。

市が求めた登園自粛に伴って、出席する子どもの数が四分の一以下にまで大幅に減った所もあります。そういう中で、保育体制を縮小したシフトが組まれ対応したところもありました。事業所には、収入が、補償されています。しかし、学童保育によっては、休業補償を行わない事態も生じています。

パートや派遣、アルバイトの方はシフトの中に組み込まれても、働いた分しか給料がでなかったので、生活ができるかどうか心配だ、と言っています。国が示した保障の内容とは大きく違うと思いますので以下お伺いいたします。本市において、コロナの自粛要請の中で、学童の子どもたちの人数の変化などの実態をつかんでいるのかおたずねします。そして、国の事務連絡の中に「休業等をすることになった場合、自宅待機となった職員の給与に対する対応」についての回答が記されていますが、国が示した「休業等」の中には、「開所したものの子どもの数が減少した学童保育」も含まれるのかどうかお尋ねいたします。そして国の通達、文章は、わかりやすく各学童にしめすことが重要と考えますがいかがでしょうか。

最後に学校再開についての子どもの心のケア等についてお尋ねいたします。

子ども達や保護者にとって、3カ月にわたる学校休業の影響は大きく、不安の中での学校再開となりました。休みの間、学校での学びや仲間と過ごす時間を奪われた子どもたちは、学校から配布されるプリントなどで家庭学習を促されていました。まだ習っていない基本的な知識を、授業なしで理解させるのは無理があり、なかなか勉強に集中できずにスマホやゲームに興(きょう)じてばかりいたという話も聞きます。

子どもたちは、かつてないような不安とストレスを抱えています。一人一人の子どもに寄り添い心のケアにしっかり取り組む手厚い教育が大切ですが、その方策をどのように行っているのかお尋ねいたします。

また新しい内容を家庭学習で習得するのは難しく、子どもの状況に応じて、理解できるまで学校が指導することが大切です。ただ、例年通りの授業をしようと、土曜授業、夏休みや学校行事の大幅削減、7時間授業などで授業を詰め込むやり方では、子どもたちにさらなるストレスをもたらし、学力の格差を広げることになりかねません。教科書すべてを駆け足で消化するやり方ではなく、子どもたちの立場に立ち柔軟な授業の進め方が大切だと思いますが、お考えをお聞かせください。

あわせて、学校行事なども子どもたちの成長に欠かすことができません。授業が遅れているからと言って、学校行事を安易に削減するのではなく、「子どもたちに必要な行事は大切にする」という考えで、感染症対策をとりながら開催する方向で取り組んでほしいいと思いますがいかがでしょうか。

感染症対策によって、毎日の消毒、清掃、健康チェックなど今までにない多くの業務が生じ、第2波、第3波に備えての整備なども必要となっています。教職員に、これ以上の負担をかけてはさらなる長時間労働をしうることになり教育活動への注力が出来なくなってしまう心配があります。

次年度に学習内容を移すことなど、無理なく学びを保障する必要性は国会でも議論され首相も認めました。その為には教職員を急いで増員する必要があります。日本教育学会は提言の中に10万人の教職員を増やすことを提案しています。全国の多人数のクラスに配置すれば全国的にほぼ20人程度の授業が可能となります。このことはコロナ対策にとっても有効な対策となります。少人数学級実現で、教員の多忙化など現在の国難を乗り越え、子どもたちに希望ある教育の実現を図ることは政治の責任です。見解をお伺いいたします。

-山野市長

 7番大桑議員にお答えをいたします。

 コロナ対策のことについて何点かお尋ねがございました。

まず新型コロナウイルス感染症に関しまして、保健所と医療機関との連携のことについてお答えいたします。PCR検査の結果に基づき診断した医療機関の医師から保健所に発生届が提出をされます。それを受けて、感染拡大を防止するため、保健所が患者調査等を開始しているところであります。日頃から医療機関とのやり取りは迅速かつ確実に行っているため、有事の際にも信頼関係に基づいた連携が取れており、引き続きこうした連携を大切にしてまいります。

保健所の機能強化についてですけれども、4月に感染者等が急増した際には、全庁をあげて最大18名の保健師、17名の事務職員等を派遣いたしました。加えて、保健師の今年度中の人員増を目指しまして、先日採用試験を行ったところであります。また資機材につきましては、感染者の移送のための自動車を追加購入するなど、保健所の機能強化に努めているところであります。

国の緊急経済対策について、いろいろと国会で議論があるがということでありました。私も国会において様々な議論がなされているということは承知をしているところでありますし、必要であるならば見直し等が行われてくるであろうというふうに理解をしていますし、市民の皆さんにご理解いただける説明をされてくるのだというふうに理解をしています。本市の事業者にもこれらの支援策が行き届くよう、引き続き決まったことにつきましてはしっかりと取り組んでまいります。

持続化給付金のことについて市としての取り組みですけれども、まず4月の末に緊急経済対策相談窓口を開設いたしました。この窓口は本市の支援制度だけではなく、国・県の支援制度につきましてもご相談にお越しになられた事業者の皆さんに丁寧に説明をさせていただいています。当然、持続化給付金のことにつきましても説明をさせていただき、また国・県の支援策も含めて独自のメニュー表を作成し、わかりやすく相談等に応じているところであります。また金沢市役所に足を運べない方もいらっしゃいます。金沢青年会議所と連携をし、個別相談会、さらにはWEB相談会も実施をしており、様々な機会を通じて必要な支援に繋げているところであります。

県、そして市も行いました感染拡大防止協力金のことについてですけれども、新型コロナウイルス感染拡大防止協力金の支給対象につきましては、県の方で先行自治体の事例を参考にしながら適切に判断をされたものだというふうに考えています。また受付の期間につきましても、休業要請の期間・申請にかかる時間等を考慮し、適切に設定されたものというふうに理解をしているところであります。なお、対象から外れた事業者のことについてもお触れでございましたけれども、先程申し上げましたように市の窓口に相談にお越しになられた事業者の方に対しましては県の事業はもちろんのこと、市の事業、国の事業、ご相談にいらっしゃった方にふさわしい適切なアドバイスをさせていただいているところであります。様々な国・県・市、それぞれ補完をしながら支援策を作っておりまして、そのことをお伝えすることが相談窓口の役割だというふうに思っていますし、しっかりと取り組んできているところであります。

医療機関に対しての衛生用品の配給についてお尋ねがございました。衛生用品につきましては4月に、国・県と連携をし、保健所でマスクの配布を実施いたしました。さらに今月ですけれども、これは本市独自でマスク・フェイスシールド・医療用ガウンを配布させていただいたところであります。今後とも、4月に行ったように国・県と連携をし、適時適切に対応をしてまいります。

介護事業所に対する感染防止体制作りについての市の考え方についてお尋ねがございました。介護事業所に対しましては、これまでも国・県からマスクと消毒液の配布が行われています。今後も備蓄用の衛生用品や防護用品の配布が予定されているところであります。こうしたことも考慮をしながら、継続的に必要な介護サービスが利用できるよう、介護事業所の感染予防対策に取り組んでまいります。

介護事業所の減収のことについてお尋ねがございました。新型コロナウイルス感染症の影響により、通常の介護サービスの提供が困難な場合には、事業が継続できますように、通所事業者が訪問サービスを提供するといった代替サービスの提供を認めているところであります。また収入が減少した場合には、先程来お話させていただいています持続化給付金制度など、国の制度を活用すべくご提案をさせていただいているところであります。

国民健康保険の減免についてお尋ねがございました。この感染症の影響により、収入が減少した世帯等の保険料については国の緊急経済対策を踏まえ減免することとしております。今後、国からの申請に必要となる詳細な基準等が示されるのを待って、今月の末にも受付を開始する予定となっています。その通知方法についていくつかご助言をいただきました。すでに公式ホームページで案内をしているところでもありますが、十分に行き渡らない可能性もありますので、ここは大桑議員からご提案をいただきました、近日中に発送を予定しています今年度の納入通知書に制度案内チラシを同封をし、全加入世帯に周知して行きたいと考えています。また4月以降に新型コロナウイルス感染症の影響により納付が困難であると相談があった方々に対しましては、受付を開始する際に案内に合わせて申請書等を送付をする予定であり、困っている方々にしっかりと情報が届くように努めてまいります。

放課後児童クラブのことについて、何点かお尋ねがございました。私の方からは、国の通知で言う休業等につきまして、市町村の通所自粛要請により利用児童が減少した場合も含まれるのかというお尋ねでございました。含まれています。これまでも国からの通知の中で、児童クラブの適切な運営を確保するために必要な内容は市から各クラブに対して通知をしているところであります。ご指摘の国からの通知ですけれども、本市が児童クラブの通所自粛要請を解除したあとのものではありますが、今後とも新型コロナウイルスに関する通知につきましては、各クラブが適切に対応できるように周知に努めてまいります。

-荒舘保健局長

 PCR検査体制についてお尋ねがありました。PCR検査につきましては県が国の基準に基づき行政検査として行っているものでありまして、感染防止のために必要な人に検査を実施しているところでございます。

次に、国民健康保険料に関する減免制度の内容についてお答えいたします。今回の国基準に基づく制度では、令和2年2月分から令和2年3月分の保険料について、新型コロナウイルス感染症により納付義務者等が死亡または重篤な疾病を負った世帯は全額免除し、また所得制限はありますが納付義務者等の収入が前年から30%以上減少することが見込まれる場合は、前年の所得に応じて対象となる保険料を20%から100%の範囲で減額するものでございます。

-高柳福祉局長

 新型コロナウイルス感染防止のために行っておりました放課後児童クラブの通所自粛期間中に利用していた児童数の実態についてでございますけれども、本市が児童クラブの通所自粛を要請しておりました4月13日から5月19日までの利用児童数は、4月現在の登録児童5338人のうち、1日平均750人でございまして、利用割合は14%でございました。

-野口教育長

 学校再開にあたりまして、はじめに、学校では子どものケアをどのように行っているのかとのご質問にお答えいたします。各学校に対しましては個人面談やアンケートなどを行うよう指導するとともに、健康観察や身体測定等で子どもの状況をきめ細かく把握し、虐待が疑われる場合は児童相談所等へ通告するよう指導いたしております。また、昨年度から市内全ての小中学校にスクールカウンセラーを配置するとともに、保健室を活用した養護教諭との相談体制の確立、また子ども専用相談ダイヤル等の連絡先を周知するなど、学校や第三者に相談することができるような体制整備を図っており、今後もきめ細かく子どもたちの心のケアに努めてまいります。

次に、駆け足でなく柔軟に授業を進めることが大切だと思うがいかがかとのご質問でございました。各学校では学校再開後、可能な限り感染症対象対策を行いながら、市統一で指導に必要な授業時数を確保し、年度内に当該学年の学習活動を終えることができるよう努めております。各学校に対しましては感染症対策を講じながらもなお、感染リスクが高い学習活動に関しましては、金沢市立学校再開ガイドラインを踏まえて、可能な限り3つの密が重なることを避けるよう指導しており、活動に当たりましては時間や方法等を工夫して授業を行っております。今後も市統一で取り組んでいくこと、また学校が主体的となり取り組んでいくことを見極めながら、適切に指導助言をしてまいります。

また子どもにとって必要な学校行事は大切にするという考え方で取り組んでほしいと思うがいかがかとのお尋ねでございました。学校行事は児童生徒にとって学校生活に潤いを与え、心身の発達にとって大切な学習活動であると考えております。各学校におきましては今後の状況を踏まえて、新型コロナウイルス感染防止対策を十分に講じて、実施内容や方法を工夫するなどして実施することが望ましいと考えております。

最後に、感染症対策だけでなく教員の多忙化改善のためにも、全学年を少人数学級とするべきと考えるがいかがかとのお尋ねでございました。現在学校では、新しい生活様式によって、ひとりひとりの児童生徒の間隔の確保やマスクの着用など、3つの密を避けるために必要な感染症対策を行っているところでございます。一方で、感染症対策や子どもと向き合う時間の確保に繋がる少人数学級の実現は、教員の多忙化改善の観点からも有効な手段の一つであると考えており、引き続き今年度も全国都市教育長協議会や中核市教育長会などを通じて国に要望してまいりたいと考えております。

再質問

-大桑議員  先程学童保育の質問にお答えいただきました。お答えの中にもやはりこの新型コロナウイルスの対応で子どもの出席人数が14%と、そういう少ない中でシフトが組まれて、シフトに入れなかった方の給料が本当に少なく、通常の賃金の4分の1にしか満たないという方がいらっしゃって、これでは生活ができないので真剣に転職を考えている方もいらっしゃる、そういう中でやはり指導員の生活をきちんと保障してあげるということが市としても大事ではないか、その辺の指導をお願いしたいと思うのですが、いかがですか。

2020年6月8日

日本共産党金沢市議員団 森尾 嘉昭
広田 美代
大桑 初枝

 本日、6月8日金沢市議会本会議が行われ、松村理治・前議長の議員辞職勧告決議について、その取り扱いをめぐって、本会議で議論が続き、6月22日本会議最終日に採決が見送りとなりました。

1. わが党は、松村理治・前議長の議員辞職勧告決議が本日6月8日に議決・採択されるよう他の会派と共に取り組み、会派の金沢保守から提出された議員辞職勧告決議に関する動議が成立しました。しかし、この動議の議事日程追加が否決され、その結果、採決が見送りとなりました。これまで、市民から500件を超える批判・抗議の電話やメールが届けられており、このことから、わが党は、本日の本会議で採択されるよう議事進行に関する動議を提出しましたが、採決は、22日の最終日に見送りとなったものです。

2. 議員辞職勧告決議に関しては、市議会自民(8人)、金沢保守(6人)、日本共産党(3人)、創生かなざわ(2人)などが議案や動議を提出し、賛同していることから、金沢市議会では、多数となってきています。(みらい金沢・6人と公明党・4人から問責決議が提出。自民党・8人は、松村市議の会派離脱を検討)
また、市民から議員辞職勧告決議を求める陳情書が提出されています。
私どもは、22日の本会議に於いて、議員辞職勧告決議が採択され、議会の意志となるよう引き続き力を尽くす決意です。

*わが党は、松村前議長の行動は、
第一に、5月19日県から休業要請のあった市内のパチンコ店で3時間から4時間パチンコしていたこと。本人は、4月4日新型コロナウイルス感染が確認され、一か月入院。5月7日に退院し、その際、医師から2週間程度の自宅療養を指示されており、5月15日の金沢市議会総務常任委員会には、欠席していました。議長が本人に確認したところ、19日だけでなく、17日にもパチンコ店で1時間から2時間パチンコをしていたことが明らかとなりました。

第二に、2月25日市長と共に、松村議長(当時)の連名で、市民に対して新型コロナウイルス感染対策を呼びかける訴えを出しにもかかわらず、3月24日本会議において議長を退任し、3月26日退任する本市幹部職員など40名から50名と共に、宴会を開きいていたことが明らかにされました。こうした行動は、市議会に対する市民の信頼を著しく損い、金沢市議会基本条例第26条にうたっている「高い倫理観と品位を保持し、議員として誠実かつ公正に職務を遂行する」ことにもとる行為だと考え、自らが議員の職を辞するよう求めてきました。しかし、本人からは、これを拒否したことから、議会として議員辞職勧告決議を行うよう求めてきました。

5月27日、本人に対する議員辞職勧告に関する動議を議長に提出しました。

野本議長へ提出

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