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金沢市議会

世界平和統一家庭連合(旧統一協会)と本市との関係について

本市の対応と市長の見解

-森尾議員
 私は、日本共産党市議員団の一人として以下、質問します。
 最初の質問は、世界平和統一家庭連合、いわゆる旧統一協会と本市との関係についてです。私ども市議員団は、去る8月31日、市長に対して申し入れを行いました。その内容は、①旧統一協会及び関連団体と本市との関係を明らかにし、その関係を止めること。 ②本市関連の外郭団体においても統一協会及び関連団体との関わりがないか、調べ、明らかにすること。 ③霊感商法など被害に関する相談を行うと共に、本市に対策協議会を設置すること。 この三点について、市長の見解を求めます。

-村山市長
 本市におきましては、雪かきボランティアや公園等里親制度への参加が確認されておりますが、社会的に問題が指摘されている団体との関係については市民の不信感を招くことのないよう対応する必要があると考えています。今後国の動向等も見極め対応してまいりたいと考えています。また外郭団体についても市に準じて適切に対応するよう求めていきたいと思います。なお、本市ではこれまでも消費者トラブルなどに関する相談は近江町消費生活センターで受け付けているところであります。また現在国において、霊感商法等の悪質商法への対策検討会を開催し、議論がなされているところから、対策協議会を本市で設置する考えはありません。

-森尾議員
 具体的な内容は以下伺ってまいりますが、その際、この申し入れを行ったときに市長はわが党市議員団との面会を拒否されました。親和力を掲げる市長が、テーマや団体を区分けして対応をされることは、あってはならないと。ましてや議会を構成する議員団に対しての対応としては問題があると。そしてそれは市長の任務放棄ともいえるものだと考えますが、見解を伺います。

-村山市長
 これまでも各種の要望や面会等の依頼につきましては、これは要件の内容や他の日程等も踏まえて秘書課において応接者を総合的に判断してきております。ただ、案件は数多くあります。極力対応したいとは考えておりますけれども、すべての案件に対応できていないことはご理解いただければと思います。なお、いただいた申し入れの内容につきましては承知してございます。

-森尾議員
 承知するなんてのは当然です。市長と議会は二元代表制だと、あなたもそれは尊重すると表明してきました。市民に選ばれ、活動を行っています。従って市長は、二元代表制を尊重するというならば、議会会派からの要請に応えるのは当然だと。また、お会いする、お話を聞くというのは当然だと考えるものです。面会を拒否するということはあってはなりませんし、二度とないよう求めておきたいというふうに思います。
 具体的な内容について伺います。市長は、この旧統一協会についてどのような認識をお持ちですか。そしてどのような対応が必要だと考えておられますか。この旧統一協会は、信者からの多額の寄付による家庭崩壊や、霊感商法や合同結婚式などによる被害を引き起こし、社会的批判を受けてきた反社会的集団・カルト集団です。従って、この集団と行政や政治家が様々な形で関係をもち、その活動に参加・支援し、容認することは、統一協会が社会的に承認され、問題のない団体であるという「お墨付き」を与え、さらなる被害拡大につながりかねません。こうした認識について、市長はどう考えますか。

-村山市長
 私個人的にということであれば、学生時代には私の部活の先輩がオウム真理教に行って帰ってこなかったという経験もあります。その同時期に統一教会は様々な問題が取り沙汰されていた団体というように把握しております。好ましいかというと、好ましいと思っていないということになりますが、また市としてどのように対応することになるかというと、現在報道等で社会的に問題が指摘されている団体だというように認識しています。ですので、国の動向を踏まえながら対応してまいりたいというように思っております。

-森尾議員
 その国の動向について。岸田首相はこの旧統一協会について、「今後、国民の不信を招くことがないよう社会的に問題が指摘されている団体との関係を持たないことを党の基本方針として徹底していきたい」との見解を表明しています。市長は、社会的に問題が指摘されている団体、こういう認識を持ったと。すなわち旧統一協会との関係を持たないと、明確な態度表明できませんか。

-村山市長
 岸田総裁が自民党として関わりを持たないことを宣言されたということは承知しております。私も個人としては関わりを持たないというように考えております。

-森尾議員
 南野・九州大学教授、憲法学の専門家は、次のように述べています。「旧統一協会は、他の宗教団体とは異なります。宗教であることを隠して近づく手法や、家族や知人との接触を断ち切っての洗脳・教化、霊感商法や法外な金額の献金強要など、多くの違法行為・不法行為が裁判で認定されています。」こう述べ、旧統一協会との問題は、不法行為を繰り返す団体の問題であると理解して対応するべきと、こういう見解を述べています。これを受けて多くの皆さんが、この団体との関係は問題があるという認識に立っていますので、先ほど市長もそういう認識に立っているというのならば、この旧統一教会との関係は絶つべきという認識に立つのではないですか。改めて伺います。

-村山市長
 私もかつて大学の教授を務めていたことがありますけれども、一学識経験者の考えということで、先ほどの憲法学者の方のお話は認識させていただきます。自分がどうしたいかということと、市の行政がどう関わるべきかという問題は全く別だというように考えています。

-森尾議員
 では、市の行政はどうあるべきかについて伺います。私の住む浅野校下・東大通り沿いに旧統一協会の施設がありました。その隣にはオウム真理教の施設が当時あり、撤去を求める取り組みを行い、撤退しました。その後、新たな名称で浅野校下の別の場所で事務所を構えています。一方、旧統一協会は、2015年名称を変更すると共に、施設を浅野校下の別の場所に移動し、現在も活動を行っています。実際、被害を受けたことのある住民がいるだけに、地域からは不安の声が続いています。去る9月3日、元町福祉健康センターで市長との「まちづくりミーティング」が開かれました。この会で意見表明された浅野校下の代表は、市長にこのように述べました。「校下には、旧統一協会があり、オウム真理教もいました。安心安全のまちづくりを進めるには、安全が担保されなければならない。市としても努力してほしい」という発言でありました。市長はどのように受け止め、対応されるのか。見解を伺います。

-村山市長
 このまちづくりミーティングの場で宗教団体について非常に心配をおかけしており、厳しく見ていかなければならないというようなお話をさせていただきました。市民の安心・安全を確保していくためにも、まずそうした声を担当部局でも十分把握したうえで対応・検討することが大切であると考えております。

-森尾議員
 地域からこれだけ不安の声が出され、直接市長もその声を聞いたと。責任ある対応をしなければならないと考えます。地域住民の安心・安全を届けるのが、市長としての責任ではありませんか。ここは明確に述べていただきたいと思います。

-村山市長
 市民の安心・安全を確保していくということは、市長の責務であるというように考えております。

本市公園里親事業において、本市が世界平和統一家庭連合金沢家庭教会と交わした合意書を解除することについて

-森尾議員
 では具体的に伺います。本市公園等里親事業において、本市が世界平和統一家庭連合金沢家庭教会と交わした合意書を解除することについて伺います。令和元年7月、世界平和統一家庭連合金沢家庭教会が、浅野本町第三児童公園を活動区域とする公園ボランティア活動である本市公園等里親事業に申請しました。本市はこれを許可し、合意書を交わしました。活動実態は、市としては把握していないということです。地域では全く知らないことです。去る9月8日、この合意書の解除を求める要請書が、浅野校下住民146名の署名を添えて、市長に提出されました。市長はどのように受け止められたのか。今後の対応と合わせ、伺います。

-村山市長
 公園等里親制度でございますが、身近な公共空間である公園・緑地等の利用および美化を促進し、まちづくりに対する市民の意識の高揚を図ることを目的としておりまして、里親となっている団体の清掃活動のみを支援するものであります。住民の方々からの署名をいただいたということでございますけれども、町会から直接こちらに対して申し入れがあったということではないと承知しております。一方で、社会的な問題が指摘されている当該団体との関係につきましては、市民の不信感を招くことのないよう、対応する必要があると考えております。繰り返しになりますけれども、国や他自治体の動向なども見極めて対応してまいりたいと考えております。

-森尾議員
 市長は、去る8月19日の記者会見において、「地域の人からやめてほしいということがあれば検討する必要がある」と述べたことが報道されました。こうしたことから地域住民は「合意書の解除を求める要請書」を校下住民の署名と共に、市長へ提出したのです。先の市長の見解、そして地域から署名が提出され解除してほしい、この事実の経過はどう市長として判断されるのですか。

-村山市長
 地域の方々の署名をいただいたというのは事実として承っておりますけれども、また町会の方々から直接いただくという形ではないというように思います。地域でどのような判断かということは尊重してまいりたいと考えております。

-森尾議員
 市長自らの発言に責任を持たなければいけないと思うんです。「地域の人からやめてほしいということがあれば、検討する必要がある」と述べたんですよ。これは、自らの発言に責任を持って対応しなければならないんじゃないですか。なお、金沢市公園等里親事業実施要綱では、その第5条に合意の解除というのが明記されています。その2項(4)その他市長が特に必要があると認めるときは解除できる、と書かれています。自らの判断をもって、解除する必要があるんじゃないですか。伺います。

-村山市長
 署名をいただいたということの思いは受け止めました。また今後どう対応していくかということは国の動きも見極めながら対応してまいりたいというように申し上げました。これは検討しているということにも当たると思います。一方で、地域の中には様々な意見があるというようにも思います。署名を書かれた方とそうでない方がいらっしゃると思いますので、地域の方々の総意であるかどうか、またそのあたりも意見を伺いながら対応してまいりたいと考えております。

-森尾議員
 ここは、市長の見解をもって、地域の方々が146名の署名を持って解除を求めたという経過からして、判断をしなければならないというふうに思っているんです。ここは明快に述べなければいけないと思いますよ。自らが「地域の方々がやめてほしいということがあれば検討する必要がある」と述べたじゃないですか。そして、地域の方々が146名の署名を持って解除してほしいと市長宛に要請書が出された。ここはどうですか。再度、私は決断を求めたいというふうに思いますが、明快に述べていただきたいと思います。

-村山市長
 最初から申し上げている通り、私は旧統一教会が好きではありません。これと、146名の方の署名をいただきましたけれども、その方々が住まわれている地域の他の方々がどう思われているかということも、これは考えなければいけない内容だと思います。市の対応としてどうするべきかというところは、その判断基準が必要だというように思っております。ですので、国の動向を見極めながら対応してまいりたいと思っています。

国際勝共連合と本市庁舎内での政党機関紙購読・配布について

-森尾議員
 市長から「好きでない」という発言はびっくりしましたが、旧統一教会が反社会的集団であるという認識のもとに立って、住民の声も聞いて、市長としての判断を行うよう、今回の要請に従って解除を行うよう強く求めておきたいと思います。
 もうひとつ、この旧統一協会のもう一つの顔が国際勝共連合です。旧統一協会の教祖、文鮮明(ムン・ソンミョン)が1968年韓国で創設し、すぐに日本でつくられ、旧統一協会と一体となって活動しています。その関連会社が世界日報社で、発行する新聞が『世界日報』です。この『世界日報』2019年6月16日には、「金沢市庁舎内の政党機関読者が大幅減」と題する記事が掲載されました。記事はつぎのように報じました。「金沢市は今年2月下旬、課長補佐級以上の一般職667人に対して、政党機関紙の購読勧誘に関する無記名調査を行った」と報じ、続いて「調査から3ヶ月がたったが、この問題を平成27年の議会から取り上げてきた坂本泰広市議によれば、坂本氏と市の両方の調査で『パワハラ勧誘』の実態が明らかになったことと、市長の『是正』文書により職員が政党機関紙購読を断る根拠となり、既購読者の解約が進み、購読者数は大きく減った」という記事です。市長は、この報道をご存じですか。

-村山市長
 承知しておりません。

-森尾議員
 お渡ししてありますのでまたご覧になってください。国際勝共連合がその機関紙とも言える世界日報で「金沢市庁舎内の政党機関読者が大幅減」と報じ、その5ヶ月後の11月6日には「世界の交流拠点都市」へ邁進する 石川県金沢市長 山野之義氏 と題するインタビュー記事が掲載されました。山野前市長は、市長室でこの世界日報の記者からインタビューを受けたこと。そして、旧統一協会の関連団体である認識はあったことを認めています。国際勝共連合は、旧統一協会を母体として韓国の文鮮明(ムン・ソンミョン)を教祖とし、KCIAによって組織育成され、反共謀略宣伝や活動を繰り広げてきました。本市において、一部の議員と共に、山野前市長が反共の旗を振りかざし、本市行政を歪めたとすると重大です。市長。この点について、調査する考えはないか見解を伺います。

-村山市長
 私は議員がおっしゃるような問題認識はありませんので、調査をするつもりはありません。

-森尾議員
 政党機関紙に関して、平成27年6月議会、坂本市議は、次のように本会議質問を行いました。また平成30年12月にもこの問題は取り上げられました。「係長以上の職員からランダムに選んだ100名に電話調査を実施。課長以上の職員87%が政党機関誌を購読。一般市民は『なんだ。市役所の幹部は真っ赤っかじゃないか』と思いますよ。」と発言されました。山野前市長は答弁の中で「この資料は重たく受け止めている」そして「市役所庁舎内での政党機関紙の購読斡旋行為が本市庁舎等管理規則の禁止行為である」との見解を表明し、今度は課長級補佐以上の一般職667人を対象に政党機関紙の購読勧誘に関するアンケート調査を実施しました。憲法で保障された思想信条の自由に触れるような電話による調査、アンケート調査が行われ、本市庁舎等管理規則を持ち出し、市役所庁舎内での政党機関紙の購読斡旋行為が禁止行為であるとの見解まで表明しました。明らかに本市行政を歪めたのではありませんか。その構図が今回明らかになった。市長。調査する必要はないですか。

-村山市長
 ただいま議員が質問の中でおっしゃられたように、その新聞報道から5ヶ月経ってのインタビューとのことも関連付けが難しいと思いますし、ここが問題になったという旧統一教会関係誌とのつながりがあるとも関連性が薄いと思っています。ですので、そのような事実という問題認識がまずありません。

本市中央卸売場市場再整備について

-森尾議員
 憲法第99条は、国会議員や公務員に対して憲法を尊重し養護する義務を負う、と明記されています。市長は、憲法を守り、生かしていく立場にあることを改めて申し述べておきたいと思います。
 質問の第二に、本市中央卸売市場再整備について伺います。昨年6月に「再整備基本構想」が策定され、8月にはその策定業務委託が実施されました。ところが、計画策定の履行期間が二度にわたって延長されました。市長は今年3月に選挙によって選出されましたが、この二度にわたる履行期間の延長、これはいつ、どのような説明を受けたか伺います。

-村山市長
 当時、所管の副市長として今年1月の令和3年度補正予算並びに令和4年度当初予算の編成過程で、民間活力の導入に関する聞き取り調査の実施について議論をし、4月上旬には市長として改めて説明を受けております。また7月には市場内の事業者による検討をさらに深めるため、再度延長することが必要だというように説明を受けております。

-森尾議員
 この事業は、新しく市場を現在地に建設するという方針で進められています。100億円かかるのか、150億円かかるのか、こういう事業です。この建設について言わば最後の段階ともいえる基本計画策定が二度にわたって延期されると。一体、どこで、どのような議論がされたのか。市民と議会には報告がありません。説明を求めます。

-山森農林水産局長
 整備内容につきましては、市場内事業者の経営に関わる事項もございまして、議論の内容を広く公開できないことはご理解いただきたいと存じます。先般、一定の方向性が明らかになりましたことから、8月の経済環境常任委員会におきまして再整備基本計画の中間報告をさせていただきました。なお、今年3月の経済環境常任委員会における予算説明におきましても、繰り越しと期間延長についてご報告をさせていただいているところでございます。

-森尾議員
 本市の事業について、議論を報告できない、公開できない。これは、許されません。市長、この事業は、本市の税金をもって行う本市の事業ですよ。その内容を報告できないなんていうのは、どういうことですか?

-村山市長
 事業者の経営内容に関わる部分があります。ですので、そこをつぶさにしてしまうということは、逆にこれは難しいというように思っております。

-森尾議員
 議論の内容や、ここに至った経緯について、市民と議会に明らかにするよう強く求めておきたいと思います。
 ここで、議長の許可をいただきグラフをお示ししたいと思います。

各議員のタブレットからも見ることができます。本市中央卸売市場における水産部の取扱量を年次毎に示したものです。一目瞭然で、減少傾向がずっと続いています。ところが、再整備基本構想における計画量は、現状の125%を想定しています。青果部も同じ傾向です。取扱高の金額を見ると、市場の水産部は1000億円の取扱高が400億円にまで減少し、青果は300億円の取扱高が240億円を下回ってきています。再整備基本計画策定の履行期間が二度にわたって延長されました。こうした市場での取扱量の減少傾向が続いている中で、125%をも想定して市場の建設を進めてきたと。これについてどう説明されるのでしょうか。

-山森農林水産局長
 令和3年度に行っております基本構想で掲げた目標取扱数量は、令和元年度に開催しました再整備の在り方検討会のときに掲げた数字でございます。ご指摘ある通り現状の取扱高と比較して大きな乖離が生じてきておりますことから、現在改めて市場内事業者が主体となって取扱数量の将来予測について精査しているところでございます。

-森尾議員
 花き市場は深刻な課題を抱えたままとなっています。それは、民間と公設市場との統合が進んでこなかったことです。今日の経済状況を大きく反映し、経営自体も大変な事態に直面しています。昨年の決算の中では、この取扱高は民間が55%、公設が45%となっています。コロナ感染の拡大や物価の上昇が進んでいる中、新しく建設される市場に入ることで、民間との競争を考えるとますます花き市場を民間に奪われることが予想されます。奪われるどころか、その前に倒産しちゃうという危機感が大いにあったと思います。民間と公設市場の統合問題、そして花き市場をどうしていくのか、市長から見解を伺いたいと思います。

-村山市長
 花き市場の統合の問題は、公設市場の開設当時からの課題というように認識しております。今後も引き続き本市からの働き掛けも必要であると認識しております。ただし、それぞれの市場内で営業する企業の意思も考慮しながら対応していくこととなりますので、そちらをご理解いただければと思います。

-森尾議員
 市長、今回の問題をいろいろ説明を受けたんですが、結局、多少の手直しで新しい市場建設をすすめてよいのか、ここに私はたどり着きました。改めて、建設計画を一からやり直すことが必要ではありませんか。あれやこれやの手立てでこの計画を進めることはできません。根本的に一から計画を見直し、新しい市場をどうするのか、これは議会とも大いに議論しましょう。どうですか。

-村山市長
 先ほどお示しいただいたグラフは、右肩下がりになってきております。これは令和2年のコロナ禍での外食需要あるいは観光での客の落ち込みなども含めてなってきております。一方で、コロナ後でどのような食の需要になるのかも再検討しなければならない中ではありますけれども、その中で現在の中央卸売市場はかなり老朽化してきているというのも事実です。今回の再整備計画は、市場を取り巻く環境の変化、これはHACCP対応も含めて、柔軟に対応できる施設となるように市場内の事業者と議論をしながら進めてきております。策定中の基本計画については年内を目途に取りまとめていきたいと考えております。

埋蔵文化包蔵地・高尾城跡と国史跡チカモリ遺跡公園において法違反が見つかったことについて

-森尾議員
 最後の質問に移ります。
 埋蔵文化財包蔵地・高尾城跡と国史跡チカモリ遺跡公園において、文化財保護法に違反する事案が見つかったことについてです。なぜこうした事案を起こしてしまったのか、改めて市長に見解を求めたいと思います。

-村山市長
 それぞれの場所におきまして、工事担当課の職員が手続きに関する知識が不足していたこと、また庁内の連絡体制が不十分であったことが原因と考えております。再発防止の徹底を図るため、このことに関する庁内研修会を9月1日に開催しました。直接私からも注意を喚起したところでございます。

-森尾議員
 去る8月30日、本市文化財保護審議会が開かれました。今回の件について、専門家の皆さんからはどのような指摘があったのか伺います。

-東文化スポーツ局長
 文化財保護審議会では、これまでも指摘されている庁内の連絡体制の評価や、文化財に対する意識の醸成などについて委員からご意見をいただきました。真摯に受け止め対応していきたいと思っております。

-森尾議員
 今後の対策についてです。このチカモリ遺跡は、今から35年前の昭和62年に国の指定史跡となりました。縄文時代の後期から晩期の遺跡ということです。3000年から2300年前にあった大集落の遺跡とのことです。大変貴重な遺跡であり、直径80cmに達するような巨大な木柱根(もくちゅうこん)が40本にも及ぶ数が発見されたという点でも、非常に貴重な遺跡です。今後、このチカモリ遺跡公園の保存活用計画を策定し、後世に伝えていく責任があると思いますが、最後に市長から見解を伺いたいと思います。

-村山市長
 文化財毎に定める保存活用計画は、史跡等の指定を受けて、それらを後世に確実に継承するために守るべきルールを定めるもので、チカモリ遺跡公園につきましては現在、保存活用計画は定めておりません。今回の事案を受けて市としてもその必要性を感じているところであり、今後国・県の指導を踏まえたうえで、保存活用計画の策定について検討してまいりたいと考えています。

大桑初枝議員

-大桑議員

 このたび質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として以下数点に渡ってお尋ねいたします。

安倍元首相の「国葬」と本市の対応について

 岸田政権は、安倍晋三元首相の国葬を9月27日に東京・日本武道館で行うことを閣議決定致しました。先日閉会中審査が行われました。この中で岸田首相は、安倍氏の国葬を行う理由について「首相在任期間が史上最長だった」などと繰り返し、国民の疑問や批判に対する説明とは程遠いものでした。安倍元首相の内政・外交については国民の中でもその評価は大きく分かれています。にもかかわらず国葬を行えば、安倍氏の政治的立場や政治姿勢を国家として全面的に公認し、賛美・礼賛することになりかねません。なぜ、安倍氏だけ特別扱いして全額税金で賄う国葬を行うのか。憲法14条が規定する法の下の平等と相容れないのではないでしょうか。また、憲法19条が明記する「思想及び良心の自由」にも反するものとの指摘が相次いでいます。国葬にかかる約16億6000万円の概算費用の根拠も踏み込んだ説明はありません。国民の理解が得られないまま国民の税金を使って国葬を開くべきではありませんが市長の見解をお聞きします。

 国民の国葬反対の世論が高まっています。読売新聞などをはじめ、多くのマスコミの最新の世論調査では、国葬を行うことを「反対」「評価しない」が多数を占めています。また国葬中止を求める署名も40万筆以上集まっているといい、その声は急速に広がり続けています。国葬に国内外から約6000人もの参列者を予定し大々的に国葬を行うこと自体、国民の納得は得られません。9月初めに招待状が送られるとの報道があります。市長に「国葬」参加の招待があった場合でも参加しないことを求めますがいかがでしょうか。

-村山市長

 安倍晋三元首相の国葬と本市の対応についてですが、国葬については国が閣議決定を経て実施されるものと認識しております。石川県市長会の会長として招待状・案内をいただいており、出席する予定でございます。

-大桑議員

 岸田首相が国葬について、「国全体で弔意を表す」としています。国民主権の国では、国全体とは国民も当然含まれるとし、国民全体に弔意を求めることは憲法19条が保証する内心の自由の侵害に当たります。国葬を行うことで、安倍元首相に対する弔意を国民に強制することにつながることが強く懸念されます。審議の中で首相は、国葬の基準を定めた法律がないことを認めました。法的根拠のない国葬を時の政府の判断で強行することはあってはなりません。国民の声を聴くというなら首相は国葬の中止を決断するしかありません。本市においても半旗掲揚などの依頼を出すことはもちろん、職員や市民に弔意を強要することのないよう求めるとともに、国に対して国葬の中止を求めるべきですが、市長のお考えをお聞きします。

-村山市長

 半旗等の対応につきましては、国として協力要請は行わないものの各府省庁で弔旗の掲揚と黙祷を実施すると聞いております。本市においても過去の合同葬と同様に半旗の掲揚と黙祷を行う予定であります。なお、国葬については国が閣議決定を経て実施するものであり、市として反対を表明するつもりはありません。

物価高騰が続く中、市民生活をどう守っていくのか

-大桑議員

 次に、物価高騰が続く中、市民生活をどう守るのかについてお伺いいたします。今年に入ってから物価高騰が急速に進み、市民生活は深刻な打撃を受けています。円安や原油価格の上昇に伴う輸送費の高騰のあおりを受けて、生活必需品の値上げが加速しています。帝国データバンクによると、食品の値上げは8月に2431品目に上り、9月以降の値上げ予定は8043品目に達します。この異常な物価の高騰は市民生活を直撃しているにもかかわらず、国民年金は4月から支給額が0.4%削減されました。年金の支給額は2年連続で引下げです。さらに10月から一定以上の収入がある75歳以上の高齢者の医療費が1割から2割に引き上げられます。この物価高騰の影響をもっとも大きく受けるのが低所得世帯です。総務省の「家計調査」をもとに推計すると、年収200万円以下の層では物価上昇による家計の負担が年収比で4.3%増加し、消費税が5%増税されたことと同等の負担増となっています。「何もかも値上げでやっていけない、」「やり繰りも限界だ」と生活に困窮される一方で、猛暑にもかかわらず、電気代を浮かすため「光熱費が心配だからエアコンを利用しない」と言われる高齢者の方がいらっしゃいます。家計のやりくりだけではどうにもならない極めて深刻な状況だと言わざるを得ません。また、困窮する子育て世帯にとっては、この夏休みは三重苦だったとする新聞記事がありました。「例年、給食がなくなる夏休みは困窮する世帯にとって生活が苦しくなる時期。今年はそこにコロナ第7波と物価高が重なり、三重苦となった」といいます。9月補正予算には、物価高高騰対策として電気、ガス料金の高騰により福祉施設等への光熱費の一部を助成する支援が盛り込まれましたが、低所得者やひとり親世帯等、助けを必要としている市民に対しての支援がありません。支援を必要としている市民に、直接支援が届くような手立てを検討すべきと考えますが、見解をうかがいます。

-村山市長

 物価高騰に対しましては、これまで国の制度である住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金や、住居確保給付金等の支給を行うとともに、本市独自に低所得世帯やひとり親世帯等に対して福祉暖房費助成金や福祉光熱費助成金を支給してきたところでございます。現在国では、新たな物価高騰対策として、住民税非課税世帯に対する一世帯当たり5万円の給付を予定しており、詳細が決定次第速やかに対応してまいりたいと考えております。

コロナ陽性者、濃厚接触者に対するフォローアップについて

-大桑議員

 コロナ感染症対策についてお伺いいたします。コロナに罹患された市民の方から、このような声を伺いました。80代の、肝臓に持病を抱える夫を自宅で介護している方からです。「私が感染し、翌日には夫が感染した。38℃台の熱が続き、関節痛や倦怠感から夫の介護をする余力はなかった。幸い、同居している子ども夫婦が介護してくれたが、結果的に全員が感染した。かかりつけ医が保健所に掛け合ってくれて、なんとか総合病院に入院することとなったものの、病床が空くまで待ってほしいと言われ、その間、重症化しないか、食事やおむつの交換はどうしようか、という不安で眠れなかった」とのことです。また1歳のお子さんがいる親御さんからは「家族全員が感染した。夜になると子どもがぐずり、1時間泣き続けた。何を訴えているのかわからず、病院に行こうにもコロナ感染者は受診を控えてほしいと言われた。保健所からは感染3日目に健康状態を確認する電話が1本かかってきただけで、メールは送られてこず、ハーシスへの入力もできなかった」とのことです。また、ほかにも食糧支援が届かないという話もあり、幼児を抱えた方は買い物にも行けず、おむつがなくなりほんとうに困ったともお聞きしました。陽性者はもちろん、疑いのある方も含め、安心して検査や医療を受けられるよう、体制を強化してほしいと思いますがいかがでしょうか。あわせて、自宅で療養していても食糧や物資などの支援が確実に届くよう体制の構築が必要ではないでしょうか。

-村山市長

 今年度より、陽性者の同居家族で濃厚接触者となっている方に対しましては、申請により抗原検査キットを送付しているほか、7月末からは医師会の協力のもと日曜・祝日において通常の当番医に加え発熱外来を開設し、検査や診療の体制を強化しているところでございます。また、単身者または同居者の全員が陽性の方で食料調達が困難な自宅療養者への食事等の支援サービスについて、こちらは県で実施しております。保健所では申請受付業務を担っております。今般の感染拡大に伴う申請数の増加により、一時的に配送が遅れることがございましたが、現在は通常通り配送されており、今後とも県と連携しながら必要な支援を行っていきたいと考えております。

-大桑議員

 支援体制の構築のためには、保健所の体制強化こそ必要です。人的にも財政的にも保健所をバックアップしていくことが必要ではないでしょうか。お伺いいたします。

-村山市長

 保健所の体制強化につきましては、今議会において疫学調査等にかかる人材派遣職員の確保や、濃厚接触者からの相談などを受け付けるコールセンターの継続等に必要な補正予算をお諮りしているところでございます。また庁内から保健所への応援職員派遣も継続するとともに、電子申請システムの活用など効率化を進めており、今後も必要に応じた体制強化策を講じていきたいと考えております。

 

-大桑議員

 同時に、市民に対して適切な情報発信と注意喚起を行ってほしいとも思います。行動制限がないというのは感染対策不要ではないという明確な情報発信を行うよう求めますがいかがでしょうか、お伺いいたします。また、医療機関等の負担を減らす対策も必要です。今回県が、無症状で重症化リスクの低い方に特化したフォローアップセンターを設置しましたが、市民に対しての周知をしていただくよう求めます。

-村山市長

 情報発信につきましては、本市ではこれまでも新聞広報やホームページのほか、LINEなどのソーシャルメディアを活用して必要な情報発信を行っております。私自身も記者会見の場で市民の皆様に感染予防を呼び掛けてきたところでございます。今後とも市民の方々にわかりやすい情報発信に努めていきたいと考えております。

医療・介護現場における、現状把握と支援策について

-大桑議員

 医療機関や高齢者施設等では深刻な事態となっています。高齢者施設にお話を伺ったところ、急激に感染が広がりクラスターが発生したと言います。入居者の命、そして働く職員の命を守るため、一部の事業などを停止して全力を尽くしているとのことでした。職員の中でも、コロナ陽性になったり、小さい子どもさんがいる職員や、持病のある職員がいたりするため、限られた人しか対応できない状態だったと言います。高齢者施設で感染者が発生した場合、基本的には施設で留め置きし対応します。その施設では、陽性になった入居者にワンフロアを用意し、他の入居者たちは他のフロアに移し対応したと言います。そうした苦労をして何とか運営してきたものの、施設は一部の事業を停止したことで、大きな減収となっています。また、訪問介護や通所介護などを行う小規模な事業所などは、コロナ禍前の水準に利用者が戻らず苦しい経営が続いています。コロナ支援策が徐々に縮小し、円安の影響で食材や衛生用品などの値上げにも繋がっています。コロナ対応終了後に経営破綻を迎えることがないように、減収補填を県や国に求め、本市としても独自支援策を構築してほしいと思いますがいかがでしょうか。必死で介護している献身的努力に応えるうえでも、そして、今後の介護基盤を守るうえでも財政的支援が必要です。

-村山市長

 感染症にかかる財政支援についてでございます。国に対しては全国市長会から介護事業所が安定した事業運営を継続できるよう、新型コロナ対策に要する費用や必要な物資の供給等について、財政措置を含めた適切な支援措置を講じるよう要望しているところでございます。本市においても新型コロナの影響が長期化する中、電気・ガス料金等の高騰に対応するため、介護事業所等を対象に光熱費の一部を市独自に助成する予算案をお諮りしており、今後とも各事業所が適切にサービスを提供できるよう支援してまいりたいと考えております。

-大桑議員

 さらに、逼迫している介護福祉の現場の状況を把握してほしいと思います。施設内療養者数に加え、介護施設で陽性もしくは濃厚接触者として就業できない職員数も把握するよう求めますがいかがでしょうか。この調査で逼迫時の現場の実態を具体的に把握し、改善の方向を探ってほしいと思います。また、定期的なPCR検査を行っているところですが、事業所での自主的検査の費用補助など行ってほしいとの要望がありますが、いかがでしょうか。重ねてお伺いいたします。 

-村山市長

 介護現場の現状についてでございます。介護現場で従事されている方々におかれては、入浴の補助などの感染のリスクが高い、そういった現場で活動しておられるということも承知しております。あらためて感謝を申し上げたいというように思っています。介護事業所において感染者が発生した場合は、市ではその都度各事業所から報告を受けることとなっております。施設内の感染状況や職員の就業状況などを把握しております。報告を受けた事業所に対しては、必要に応じ施設内のゾーニング等の感染対策や人員配置等に関する指導・助言を行い、介護サービスが継続できるよう支援しているところでございます。また、感染が疑われる入所者や職員がいち早く検査ができるよう、定期的なPCR検査に加えて、県と市が連携し今月上旬、高齢者入所施設等に対して抗原検査キットを配布したところでございます。これを有効活用していただきたいと思っております。

大雨災害に対する今後の対策について

-大桑議員

 つぎに、豪雨災害対策についてお尋ねいたします。近年、全国的に集中豪雨がおこり深刻な災害に発展しています。本市においても、8月の豪雨では各地に被害が発生しました。被災された方々にお見舞い申し上げると共に、1日も早い復旧と生活再建に向けて取り組まれるよう本市に求めます。今回浸水被害に遭われた間明町の床上浸水、床下浸水ですが、この地域は以前にも大雨で用水の水があふれ被害にあった事があると言います。被災された住民の方は「大雨での浸水被害の経験は今でも心に残っている。だから、ちょっと雨が降っただけでも心配になる」と言っておられます。「用水の掃除はもちろんのことだが、用水に堤防を作ってもう水がつかないようにしてほしい」などとまで、真剣に要望していました。住民の要望に応え用水の管理が必要だと思いますが、今後どのような対策をとっていくのかお伺いいたします。

-村山市長 

 間明町2丁目地内の浸水被害につきましては、伏見川が一時氾濫危険水位に達し、当該地域における強い降雨の時間と重なり、内水側の排水が流れにくくなったことが主な原因と考えております。他方、浸水被害を未然に防止するためには、堆積土砂の浚渫やごみなどの除去によって排水能力を高めることが効果的であります。地域の皆様に少しでも安心していただけるよう、先般、排水路の緊急浚渫工事を実施したところでございます。今後とも、河川パトロールの評価に加え、地域の皆様のご協力も仰ぎながら、用排水路の適切な維持管理に努めてまいりたいと考えています。

-大桑議員

 内水管理体制の強化として600万円が今回9月補正予算に計上されていますが、どのような目的と内容なのか市長にお聞きします。

-村山市長

 今回お諮りしている内水管理強化対策検討費につきましては、先般の浸水被害の状況を踏まえ、伏見川沿いの地域を対象に内水管理の強化策を検討するものであります。具体的には雨水ポンプ場などのこれまで行ってきた対策や、当日の水位、降雨の状況を整理したうえで、浸水要因の分析や日常管理を含む課題の抽出を行い、排水機能や水防体制の強化など検討していきたいと考えております。

大雨災害に対する生活再建支援について

-大桑議員

 被災された方は「床下を乾かすための扇風機の音で眠れない夜が続いた」「また浸水被害に合って同じ苦労をしたくないから、部屋の畳敷きからフローリングにした。その工事で蓄えがなくなり、これからの生活が不安だ」と訴えておられました。被災された方の被災者生活再建支援金や、市民税・社会保険料などの負担軽減などが9月補正で予算化されていますが、これについて内容等を含め周知をしっかりとっていただき、手続きなどは簡素化を求めますがいかがでしょうか。

-松田総務局長

 被災された方が市税や社会保険料の減免を等しく受けられるよう、今回補正予算でお諮りしております生活再建支援金も含めまして、被災状況に基づき対象となる方に直接連絡をし、必要な手続きを案内することをしておりますほか、提出書類につきましても簡素化を図ったところでございます。なお被災された方々にもれなく制度が活用されるよう、周知にも努めていきたいと思っております。

学校給食無償化について

-大桑議員

 質問の最後に、学校給食の無償化についてお伺いいたします。

 給食費を無償にしてほしいという保護者の願いを6月議会でも取り上げてまいりました。市長は、就学援助制度の活用や、経済的に苦しい方は申し出ていただくということでの答弁でした。しかし憲法26条では「義務教育を無償とする」と定めています。また、学校給食法は「学校給食とその完全無償化の実施」を各国に促したユネスコの勧告を受けて制定されています。いま、全国的にも小中学校の給食費無償化を実施する自治体が増えています。県内でも小松市や輪島市で一部無償化を実施、さらに穴水町、加賀市では全小中学校を対象に9月から給食費の無償化を実施します。本市でも実施するお考えはないのかまずお伺いいたします。 

 新型コロナウイルス感染症の影響が長期にわたり、生活困窮に陥るお子さんのいる世帯も少なくありません。こうした中、子育て世帯への経済的支援策の一つで、緊急の物価高騰対策として国の地方再生臨時交付金を活用し、期間限定などで学校給食費の無償化に踏み出した自治体が現れています。文部科学省は急激な物価高騰を受け、全自治体に学校給食の保護者軽減に取り組んでいるかどうかの調査を行いました。7月29日を基準に1793自治体から回答を得、保護者負担軽減を実施または予定している自治体は1491自治体で、83.2%に達しています。そのうち、地方創生臨時交付金を活用する自治体は77.3%にあたる1153自治体でした。長岡文科相は「自治体に対して物価高騰を踏まえ、引き続き臨時交付金を活用した学校給食費保護者負担の軽減を進めるように促したい」としています。学校給食の全面無償化は、就学援助制度による対応とは異なり、学校給食費の徴収・管理業務自体が不要となるため、教育行政の費用負担軽減にも資することになります。

 学校給食費の無償化は、教育費の負担軽減と同時に、子育て世帯の支援や少子化対策など、多様な課題に位置付けられることから、ぜひ実施すべきと考えますがいかがでしょうか。

-野口教育長

 学校給食費の無償化は、教育費の負担軽減とともに子育て支援策に位置づけられることから実施すべきと考えるがいかがかとのご質問にお答えをいたします。学校給食法では給食の実施に必要な経費のうち、保護者は人件費や施設整備費以外の経費を負担することになっておりますけれども、本市におきましてはこのうち光熱費についても負担をしておりまして、保護者のご負担は食材費のみとなっております。本市では教育費の負担軽減や子育て支援の観点からも、経済的な理由で就学が困難な場合は就学援助制度によりまして、現在、児童・生徒合わせて約5000人の給食費、2億3千200万円余を全額支給しておりますことからも、現時点で給食費の無償化については考えておりません。

-大桑議員

 保護者の物価高騰にあっての負担を軽減し、子育てを応援するということは本市の未来にとって最も重要な施策だと考えますが、いかかでしょうか。

-野口教育長

 昨今の物価高騰の中で、給食費の無償化は保護者の経済的負担軽減のために必要だと思うがいかがかというご質問がありました。全国的な物価高騰の中で、学校給食費における保護者の経済的負担の軽減を図るために、本市におきましては国の地方創生臨時交付金を活用し、食材費の不足分を全額市で補填する補正予算を6月定例月議会でお認めいただいたところであり、繰り返しになりますけれども現時点で学校給食費の無償化は考えてはおりません。なお、地方創生臨時交付金は、先に触れましたように保護者の経済的負担の軽減を図るためにも必要であると考えまして、先般、国に対しまして中核市教育長会の会長として、国の方に交付金の増額と次年度以降の継続について要望を行ってまいりました。対応いただきました方からは「前向きにしっかりと検討していきたい」そのようなご回答をいただいております。

*追加質疑*

-大桑議員

 ただ今、給食費の無償化について答弁いただきました。もう一度お伺いいたします。学校給食費は1日250円、保護者が負担するのは1ヵ月20日計算で約5000円。2人お子さんがいる場合は10000円となって、本当に子育て世帯には多大な出費になっています。そして今後も物価高騰は収まる兆しがありません。県内でも給食費を無償化すると、先ほど私が述べましたけれども、そういう自治体が増えています。その取り組みを参考にしながら、本市においても学校給食無償化というのを前向きに考えてほしいと思いますが、市長に答弁をお願いします。

-村山市長

 先ほど教育長からお答えを申し上げましたが、経済的な理由で就学が困難な方に対して就学援助制度によっての支援もしております。また物価高騰ということでは、すべての就学される児童に対しての制度でありますので、経済的に困難な方に対しても、また今般物価高騰によってそれに影響を受ける方々に対して、これはすべての方になりますけれども、対策を講じているところでございます。

-森尾議員

 国葬に関して、市長は反対をしないと、案内を受けたので出席すると答弁されました。多くの市民はこれに対して、疑問や反対の声も出されており、市長としてはこの見解について市民にどのような説明を行うのでしょうか、改めて伺います。というのは、市民の側から見れば多くの皆さんが国会の決議もないまま、法的な根拠のない国葬をやっていいのかという疑問がひとつあります。ふたつ目、コロナのもとで、家族葬を含め、人々の死を悼み、心して送っている中で、なぜ一人の人間が16億6千万円まで投じて国葬をしなければならないのか。ここに市民の声が出されていると考えます。なお、わが党としては、平等を定めた憲法14条に違反し、思想信条を定めた憲法19条に違反した声だと、反対を表明しています。そのことも付け加えて述べておきたいと思います。どのように市民に説明責任を果たされるのでしょうか。

-村山市長

 先ほど答弁した通り、閣議決定を経てこの国葬が行われるというものでございます。また、この参列の依頼につきましては、石川県市長会から会長である金沢市長にということでご推薦もいただいているところであります。またさきほど質問の中でお触れでありましたけれども、岸田総理からの説明の中で在任期間史上最長ということであります。また日米関係の強化、あるいは東日本大震災からの復興、また経済を含めた復興などもあり、非常に功績が大きいというように個人的には思っております。様々なご意見があることは承知しておりますけれども、そういった経緯から国葬の方に出席したいと考えております。

(クリックするとPDFが表示されます。)

2022年9月2日


自由民主党金沢市議員会会長 横越 徹 様

日本共産党金沢市議員団
森尾 嘉昭
広田 美代
大桑 初枝

 岸田首相(自民党総裁)は、去る8月31日「党(自民党)と世界平和統一家庭連合(旧統一協会)との関係を断つ」と記者会見で明らかにしました。さらに、所属国会議員に、過去を真摯に反省し、『しがらみを捨てる』ことを指示したとのことです。
世界平和統一家庭連合(旧統一協会)は、世界基督教統一神霊協会との名称でしたが、2015年8月に名称変更を行いました。本市には、浅野校下・京町に施設がありましたが、現在は、昌永町に移転しています。
 この旧統一協会は、信者からの多額の寄付による家庭崩壊、霊感商法や合同結婚式などによる被害を引き起こし、社会的批判を受けてきた反社会的集団・カルト集団です。
霊感商法被害救済担当弁護士連絡会によるとこの統一協会による被害は、1987年から2021年までに、3万4537件、被害総額約1237億円にのぼり、現在も続いているとのことです。
私どもは、市長に対して、旧統一協会と本市の関係を調査・公開し、関係を断つよう申し入れを旧統一協会や関連団体との関係について自ら調査し、その内容を市民に公表するよう呼びかけていただくよう要請いたしました。議長は、「時期尚早」との見解を示し、坂本副議長は、関係団体が行った「ピースロードin石川」に参加したことを表明。その後、報道関係者に2019年の市議選では無償ボランティアに信者が約10人いたことを明らかにした報道が行われました。
 現時点で私どもは、貴会派の高市議と野本市議が旧統一協会の関係団体と関係があったとの情報を得ています。
本市議会基本条例は、議会と議員の役割を述べ、議員の活動について、「市民全体の奉仕者として福祉の向上を目指して活動し、自らの議会活動について市民に対する説明責任を果たすものとする」(本市議会基本条例第7条第2項)と明記しています。
 よって、貴会派におかれては、各議員が旧統一協会や関連団体との関係について自ら調査し、その内容を市民に公表し、関係を断つよう貴会派として責任ある対応を要請いたします。

2022年8月31日

金沢市長 村山 卓 様

統一協会(世界平和統一家庭連合)及び関連団体と本市との関係を明らかにし、その関係をやめるよう求める申し入れ

                          日本共産党金沢地区委員会

                          日本共産党金沢市議員団

 

 統一協会及び関連団体と行政、政治家との関係やその被害の実態が明らかにされ、驚きと批判が高まっています。

 この統一協会は、信者からの多額の寄付による家庭崩壊や、霊感商法や合同結婚式などによる被害を引き起こし、社会的批判を受けてきた反社会的集団・カルト集団です。

この集団と、行政や政治家が様々な形で関係をもち、その活動に参加・支援し、容認することは、統一協会が社会的に承認され、問題のない団体であるという「お墨付き」を与え、さらなる被害拡大につながりかねません。

 市長は、8月19日の記者会見で、統一協会と金沢市が公園里親事業、「雪かきボランティア」などで関係があったことを明らかにしました。その中では、統一協会との関係を絶つことは表明されませんでした。これに対して、市民から疑問や批判の声もあがっています。

市長に対して、以下の点を対応されるよう申し入れます。

1.統一協会及び関連団体と本市との関係を明らかにし、その関係を止めること。

2.本市関連の外郭団体においても統一協会及び関連団体との関わりがないか、調べ、明らかにすること。

3.霊感商法など被害に関する相談を行うと共に、本市に対策協議会を設置すること。

以上


2022年8月31日

金沢市長 村山 卓 様

『統一協会(世界平和統一家庭連合)及び関連団体と本市との関係を明らかにし、その関係をやめるよう求める申し入れ』に関して、面会拒否に対する抗議と申し入れ

                    日本共産党金沢地区委員会

                    日本共産党金沢市議団

 統一協会に関しては、大きな社会問題となる中、金沢市との関係が明らかにされました。よって、市長としての判断と対応が問われています。

こうした下で、わが党と市議員団は、統一協会の問題に関する市長への申し入れを行うとして、市長とお会いすることを要請いたしました。

ところが、市長は、面会を拒否いたしました。申し入れる内容や政党・会派によって、対応を異にすることはあってはなりませんし、こうした対応は、市長としての責任を放棄するに等しいものです。

 よって、今回の面会拒否に対して、抗議すると共に、今後二度とないよう申し入れます。

2022年8月30日

金沢市議会副議長 坂本 泰広 様

日本共産党金沢市議員団
森尾 嘉昭
広田 美代
大桑 初枝

 統一協会(世界平和統一家庭連合)は、世界基督教統一神霊協会との名称でしたが、2015年8月に名称変更を行いました。本市には、浅野校下・京町に施設がありましたが、現在は、昌永町に移転しています。
 この統一協会は、信者からの多額の寄付による家庭崩壊、霊感商法や合同結婚式などによる被害を引き起こし、社会的批判を受けてきた反社会的集団・カルト集団です。
霊感商法被害救済担当弁護士連絡会によるとこの統一協会による被害は、1987年から2021年までに、3万4537件、被害総額約1237億円にのぼり、現在も続いているとのことです。
 今日、統一協会と国会議員、中でも閣僚との関係について次々に明らかとなり、県内でも、馳知事が統一協会との関係が明らにされ、大きな問題となっています。本市との関係についても、市長の記者会見で明らかにされ、本市議会常任委員会でも具体的にただされています。
 本市議会基本条例は、議会と議員の役割を述べ、議員の活動について、「市民全体の奉仕者として福祉の向上を目指して活動し、自らの議会活動について市民に対する説明責任を果たすものとする」(本市議会基本条例第7条第2項)と明記しています。
 よって、坂本泰広市議が統一協会や関連団体との関係について自ら調査し、その内容を市民に公表するよう要請するとともに、関係を断つよう要請いたします。

左から、坂本副議長、森尾議員、広田議員、大桑議員
左から大桑議員、広田議員、森尾議員、高岩議長

2022年8月30日

金沢市議会議長 高岩 勝人 様

日本共産党金沢市議員団
森尾 嘉昭
広田 美代
大桑 初枝

 統一協会(世界平和統一家庭連合)は、世界基督教統一神霊協会との名称でしたが、2015年8月に名称変更を行いました。本市には、浅野校下・京町に施設がありましたが、現在は、昌永町に移転しています。
 この統一協会は、信者からの多額の寄付による家庭崩壊、霊感商法や合同結婚式などによる被害を引き起こし、社会的批判を受けてきた反社会的集団・カルト集団です。
霊感商法被害救済担当弁護士連絡会によるとこの統一協会による被害は、1987年から2021年までに、3万4537件、被害総額約1237億円にのぼり、現在も続いているとのことです。
 今日、統一協会と国会議員、中でも閣僚との関係について次々に明らかとなり、県内でも、馳知事が統一協会との関係が明らにされ、大きな問題となっています。本市との関係についても、市長の記者会見で明らかにされ、本市議会常任委員会でも具体的にただされています。
 本市議会基本条例は、議会と議員の役割を述べ、議員の活動について、「市民全体の奉仕者として福祉の向上を目指して活動し、自らの議会活動について市民に対する説明責任を果たすものとする」(本市議会基本条例第7条第2項)と明記しています。
よって、議長におかれては、議長自らをはじめ、各議員が統一協会や関連団体との関係について自ら調査し、その内容を市民に公表するよう呼びかけていただくよう要請いたします。

(クリックするとPDFが表示されます。)

私は、日本共産党市議員団を代表して、議会議案第3号「緊急事態条項に関する国会審議を求める意見書」について、反対であることを表明して討論を行います。

本案は、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、医療提供体制の崩壊の危機を招く事態が発生したこと、自然災害等による地方自治体の行政機能が、停止したことなどを理由にあげ、緊急事態に強い社会をつくることが必要であるとしたものです。その上で、国会で議論を行う事や、国民的な議論を喚起することを求めているものです。

まず、新型コロナウイルス感染症や自然災害等への対応については、憲法の下での法制度と体制が整備されています。現行の法律で対応できるものであり、憲法に緊急事態条項を置く必要などは全くありません。仮にいまの法律で十分に対応できないことが明確になった場合には、法律を改正すれば良いことです。

また、神戸や東日本大震災、並びに、新型コロナウイルス感染拡大などの経験から言われていることは、せっかく高度に整備された法制度があるにもかかわらず、平時から災害やパンデミックに備えた事前の準備が不十分であったため、それをうまく運用できなかったという事です。その点の検証と改善こそが、緊急に必要であり、改憲議論に結びつけるような緊急事態条項は、不要であるばかりか、災害やパンデミックから国民の命を守るために、真に必要な議論ができるのか疑問です。

さらに、被災経験のある福島県弁護士会は「被災地の復興のために何より必要なのは、政府に権力を集中させるための法制度を新設することよりも、事前の災害・事故対策を十分行うとともに、既存の法制度を最大限活用することである」と意見を表明しています。

これらのことから、中央政府に権限を集中させるのではなく、被災者に一番近い自治体である市町村に主導的な役割を与えることが重要なことは明らかです。

憲法の「緊急事態条項」が乱用され、人権を侵害し、言論抑圧につながる危険は、世界の歴史からも明らかです。第2次世界大戦前のドイツでは、ワイマール憲法48条の「大統領非常権限」が乱発された結果、ナチス・ヒトラーの独裁政権に道を開きました。日本でも明治憲法下の1923年の関東大震災の際、戦時に軍隊に権限を集中する戒厳令の一部を緊急勅令によって施行した結果、朝鮮半島から日本に移り住んでいた人々への虐殺といった事件が引き起こされました。戦後制定された日本国憲法で「緊急事態条項」を設けなかったのは、こうした痛苦の経験を踏まえたものです。

私たちはこうした歴史の教訓に学び、立憲主義や三権分立、そして人権を尊重する現行法体系の下で、国 民の命暮らしを守る政治の実現をはかることこそ重要であるということを強調したいと思います

以上の理由から本意見書に、反対することを表明致しまして、討論を終わります。

金沢市議会議員 森尾 嘉昭

私は、日本共産党市議員団を代表して、

議会議案第4号「我が国の平和と安全を確保するための防衛力の充実強化を求める意見書」に対して、反対討論を行います。

ロシアによるウクライナへの軍事侵略は、国連憲章に違反し、他国へ軍事力をもって侵略するという許しがたい暴挙です。国際世論でロシアを包囲し、一刻も早く軍事侵略をやめさせなければなりません。

 こうした中、自民党は、敵基地攻撃。その後、反撃能力としましたが、相手の基地を攻撃できる能力の保有が必要で、日本が保有すべきと述べています。さらに、安倍元首相や日本維新の会からは、日本も核兵器を共有するという核共有について、主張や提言まで行われています。さらに、国会の議論では、防衛費をGDP比2%に強化すべきという防衛費予算の増強に関する主張が始まっています。そうした方向に沿ったのが、この意見書です。

明らかに、日本を戦争しない国づくりから戦争する国づくりへと導くものとなっています。

20日ウィーンで「核兵器の非人道性に関する国際会議」が開かれ、日本から参加した被爆者が「原爆は非人道的絶対悪」と述べすみやかな核兵器廃絶を訴えました。

「軍事対軍事」による軍事同盟の強化と軍事ブロック的対応では、さらなる軍事衝突へと導くものです。そうした方向ではなく、すべての国々を包括した平和の枠組みをつくり、対話を通じて戦争を回避していくという外交を通じた政治の力こそ発揮しなければなりません。

6月28日発売の雑誌「女性自身」は「防衛費5兆円増しで苦しい生活」と題する特集が組まれました。

その中で、「軍備増強で国民の暮らしはどうなるの」と問いかけ、「2022年度の防衛費はGDP比約1%で約5兆4千億円。これを2%にした場合、新たに5兆円が必要となる。

各国の軍事支出の総額を比較すると、日本は現在9位の位置にいるが、これを2倍するとアメリカ、中国に次ぐ世界第3位となる。資料を示すと共に防衛費5兆円を増やすとしたら、国民のくらしが大変になることを提示し、関心を集めています。

国会でも、財源として考えられるのは、消費税増税するのか。社会保障制度の国民負担を増やすのか。国債などの借金でまかなうのか。との議論がされました。これに対して、岸田首相は「具体的数字については差しひかえる」と発言し明確にはしませんでした。

この意見書は「平和と安全」を守るためには、防衛力の強化こそ重要であるとして、防衛予算の対GDP比2%を念頭に必要な予算を講ずることを求めています。

この道は、日本の平和と安全を守る方向ではなく国民の暮らしをこわし、戦争へと国民を導く危険なものです。

私どもは「軍事対軍事」ではなく、外交で東アジアに平和をつくる友好協力条約を提唱し、「対抗でなく、対話と協力の地域」とすることが平和への道につながると考えています。

この意見書はこうした点から国民の平和への願いとは全くかけ離れたものであり、我が党は反対であります。

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