金沢市議会 |日本共産党 金沢市議員団 |9ページ

金沢市議会

大桑議員

-大桑議員
 わたくしは、日本共産党市議員団の一員として以下数点にわたり質問いたします。
 菅総理は昨年の自民党総裁選の時から安倍政権の継承と「自助、共助、公助」を政策理念と掲げていますが、新型コロナウイルス感染症がまん延して以降、その色合いが強くなっています。病床の確保や医療体制の構築といった公がやるべき仕事を後回しにした結果、発熱しても自宅で待機するしかない患者の方が全国にいらっしゃいます。

 さて、コロナ禍において、市民の方々は経済的なことはもちろん、さまざまな事柄で悩み、困りごとを抱えていらっしゃいます。先月、西部地域の健康サークルが、地域の皆さんを対象に生活アンケートを取りました。60通近い回答が寄せられ、その中には、貯金を切り崩して生活も切り詰めているという回答が多くありました。生活の切りつめは、食費や、医療費、介護費にまで及んでいるという実態も、明らかになりました。「スーパーのレジをしています。65歳以上のため、いつまで使ってもらえるか不安です。コロナ禍の中、仕事量も減り収入も減りました。自分自身の体力がついていけるかということもありますが、年金だけではとても暮らしていけません。頼る人もいなくて将来不安です。介護施設に入所となると高額なので年金だけになったら無理です。」という声や、「とにかくコロナが怖い。個人経営なので、コロナにかかって長期休みになれば、たちまち倒産してしまう」という方もいらっしゃいました。「仕事がない」という方は、「もらえる支援は全部申し込んだ。コロナがいつまで続くか分からないので、ますます心配だ」と不安の声を寄せています。長引くコロナ禍で、市民は困窮しています。市民が追い詰められないよう、市民一人ひとりに寄り添い支援をしていくのが政治の責任であり、自治体の役目だと思いますが、これまでの支援策の拡充や延長、新規で支援策を打ち出すなどのお考えはないか、お尋ねいたします。

-山野市長
 7番大桑議員にお答えをいたします。

 まず、コロナ禍における生活支援、経済的困窮者の支援について、何点かお尋ねがございました。先般、緊急小口資金特例貸付、さらには総合支援資金の再貸付等、新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金、さらに住居確保給付金の再支給の申請期間が11月末まで延長されたところであります。経済的に困窮されている方たちには、まずはこれらの制度をご利用していただきたいというふうに思っています。生活保護のことについてもご懸念をお持ちの方もいらっしゃいます。安心して相談をし、受給していただける丁寧な対応と支援に努めていきたいというふうに考えています。

-大桑議員
 また、障害のある方の支援も求められます。「精神障害2級です。生活保護を受けているので、食糧などを切り詰めています。」との方や、「視野が不良、脊椎炎で歩くのもやっとです。運動しながら体の回復を待つのですが、今コロナで、運動するところもありません。」また、「難治性喘息を抱えて精神障害もあります。子どもも、ADHDでいろいろ不安や問題がある中、コロナの感染が心配です。いつも一人ぼっちで全て抱えているので、とてもつらく、寂しく孤独だと思ってしまう」との声も寄せられました。
 障害を持った方は、障害者総合支援法に基づいていろいろなサービスがありますが、サービスを知らなく、支援の手が届かない方たちへの対策、特にコロナ禍で、社会的に孤立しやすい方々の、声を把握し支援に結び付けるには、どのようにされているのか、お伺いいたします。

-山野市長
 障害のある方の声をきちんと聞いたうえで支援に結び付けていくべきではないかということでした。障害者手帳を持ちながら、障害福祉サービスを利用していない方の実態を把握することは大切なことだというふうに考えています。昨年度から、療育手帳をお持ちでありながらサービスを利用していない知的障害のある方を訪問する、生活実態調査を行い、本人のニーズに応じた支援に繋げているところであります。今後はこの調査を精神障害者保健福祉手帳をお持ちでありながらサービスを利用されていない方にも拡大をして取り組んでいきたいというふうい思っています。お越しいただく方の対応ももちろんそうですけれども、やはりこれからはこちらから出かけて行って、困っている様子を把握をしながら、適切な対応をしていきたいというふうに思っています。

-大桑議員
 障害のある人もない人も同じように、当たり前の権利と自由を認め、社会の一員として尊厳をもって生活することを目的とした国際連合の「障害者の権利に関する条約」は、2006年に採択され、2008年に発効しています。この条約の理念に基づいた施策が求められます。下肢障害を抱える夫と4人のお子さんを持つ女性は「夫の障害年金と自分のダブルワークで生計をなんとか維持しています。しかし、学校行事があると仕事を休まなければならず、また、コロナの感染が心配で子どもの登校を見合わせたりした場合、仕事を休んでいるので、当然収入が減ります。夫は障害を持っていることで働くことから遠ざかり、3年前からずっと家に閉じこもっています。コロナに感染しないようみんなで気をつけています。夫を、できるなら就労につなげたいが、どうすればいいのかわからない。」との相談を受けました。その方は市役所への相談も考えたそうですが、「市役所まで行く時間的余裕がない」「行ってもいろんなところに回され時間がかかる」との思いと、コロナ禍のこともあり、今に至っていると話していました。この方の夫は片足切断で、障害手帳をもらった後、1年の休職を経て職場復帰をしました。一般就労で、職場がトイレなど車いす対応の環境になっていない事もあり、辛くて辞めてしまったと言います。その時から、福祉のサービスとの接点がなく、「どのような支援があるのかわからなかった」といいます。地域のネットワークがあればいいのですが、コロナ禍においては難しいものがあります。障害の方の相談を、切れ目なくつなげるための支援が必要なのではないでしょうか。そのためにも、障害のある方の声を聴いて、総合的な相談体制ができる窓口がコロナ禍でより必要になっていますがいかがでしょうか。また、市役所まで来られない方に対しては職員を派遣したり、ネットや電話などでも、さらに相談ができるようサービスを提供すべきかと思われますが、市長のお考えをお伺いいたします。

-山野市長
 切れ目のない支援が大切ではないか、やはりきちんと障害のある方の声を聞いたうえで、たくさん回るのではなくて一括して話を聞ける相談窓口が必要ではないかということでした。実は本市では、金沢市障害者基幹相談支援センターが主体となり、約50の相談支援事業所と連携した相談支援体制を構築しており、障害福祉サービスの利用、将来の生活設計など、障害のある方やその家族からの相談も受け、支援に繋げているところであります。現在、今ほど申し上げました基幹相談支援センターを中心に、福祉・保健医療・労働等の関係機関が協同する包括的な支援体制づくりを進めているところであり、今後様々な相談に対応できるよう、さらに体制の充実を図っていきたいというふうに考えています。なかなか障害のある方は市役所まで来ることが難しいという方もいらっしゃると、そうだというふうに思っています。先程来申し上げておりますように、職員が出かけていくこともあります。またインターネットや電話でも相談できるような体制についてもお尋ねがございました。障害のある方からの相談に対し、相談支援事業所に配置されている専門員が相談者の自宅を訪問させていただいて、その声をお聞きをしているところであります。当然、電話での相談にも応じているところであります。ご提案いただきました、インターネットによる相談サービスにつきましては、やはりこれからの時代必要だというふうに思っています。新たな相談支援の方法として、SNSなどの活用ということも研究をしていかなければいけないというふうに思っています。

-大桑議員
 障害者手帳を交付の際に、主な障害者福祉制度一覧表をいただけるのですが、自分の利用できる支援はどれか、解りにくいとの声もあります。適切な支援につながるまで、サポートをする橋渡し支援も大切かと思いますがいかがでしょうか。お伺いいたします。

-山野市長
 障害者手帳交付時に配布される主な障害者福祉制度一覧、わかりづらいのではないかというご指摘がありました。サービスを繋げていくわかりやすい支援が必要ではないかということでした。現在、市役所第一本庁舎と各福祉健康センターに設置しています福祉と健康の窓口において、障害者手帳を交付する際、障害のある方の便利帳と主な障害者福祉制度一覧をお渡しをし、障害の種類や等級ごとに利用できるサービスについて説明をしているところであります。ご指摘のありました制度一覧、みなさんのお声をお聞ききしながら改善にも努めていきたいというふうにも思っています。対応する職員が障害のある方の立場に寄り添って、丁寧でわかりやすい説明をするように心がけてまいります。

-大桑議員
 新型コロナウイルスの感染拡大が広まる中、子育て世帯からも、さまざまな声や相談が届けられました。これは先日、ある団地で開いた日用品・食料配布支援に参加された方からの相談やアンケートに書かれていた内容です。乳児を抱えるお母さんからは、「先日、夫が軽い風邪の症状を訴えていた。PCR検査で陰性と診断されたのでほっとしたが、偽陰性の可能性もあって心配。もしコロナに感染していて、自分や子どもに感染が広がったら、どうなるか心配で眠れない」といったことや、ひとり親家庭で、小学生のお子さんを持つ方からは「学校での感染が心配だ。子どもが感染したらどうなるのか、また、自分が感染したら子どもはどうなるのか心配だ」とアンケートにも何人もの方が書いています。感染には、子どもが感染した場合、親が感染した場合、子どもも親も感染した場合など、いろいろなケースが想定されますが、子どもも親も安心して入院や療養ができるようにと思いますが、現状の対応をお伺いいたします。実際、子どもが濃厚接触者になり、家にこもっている方がいます。他都市では、休校支援や食料支援など市独自の予算で支給が始まっているところがあります。子どもが濃厚接触者となり買い物にも行きにくいという声があり、こうした世帯への食糧などの支援は行えないでしょうかお尋ねいたします。

-山野市長
 コロナ禍の子育て世帯への支援のことについてお尋ねがございました。保護者と子どもの一方が、または双方が感染した場合は、県の方で一定の方針をお示しでありまして、原則親子が一緒に入院、または自宅で療養できるよう、療養先を調整しているところであります。ただ、保護者が感染により重症となり、子どもが感染していない場合に限っては、保護者のみの入院となりますが、子どもは安全に過ごせるように預かり先を調整をしているところであります。子どもだけが濃厚接触者になった場合のことについて、保護者のことについてのご懸念をご指摘いただきました。子どもだけが濃厚接触者となった場合、親が買い物などやむを得ず外出する必要がある場合は、マスク着用の徹底・手洗い・手指消毒を行い、人との接触をできるだけ避け、可能な限り短時間で済ませるように、ここはお願いをさせていただいているところであります。一方、生活に必要な食料品等の配達を宅配または知人等に依頼をし、外出を自粛している世帯も多いとお聞きをしています。市といたしましては仰せの状況になった場合には、直接食料品を配布するというところまではまだ考えてはいませんが、子育て家庭の生活の困りごとにつきましては児童家庭相談所が相談を受けているので、必要に応じて利用をしていただきたいというふうに思っています。症状はお一人お一人、一世帯一世帯だというふうに思っておりますので、その相談に応じて的確に対応していきたいというふうに思っております。

-大桑議員
 学校や保育所が休みとなった場合、親も仕事を休まなければなりません。その場合の休業補償は、どのようなものがあるのか、子育て世帯へ案内されるよう求めますがいかがでしょうか。

-山野市長
 学校や保育所が休みになることがあります。保護者も仕事を休まなければいけない状況も出てきます。そのときの休業補償のことについてですけれども、先般国は、小学校や保育所などの臨時休業により仕事を休まざるを得なくなった保護者を雇用する事業主を支援する、小学校休業等対応助成制度に加えて、同様の保護者が直接申請できる休業支援制度の運用を開始すると発表をいたしました。現場の声としてなかなか職場に言いづらいという声もあるということもお聞きをしております。その声を国の方できちんとお受け取りいただきまして、働き先に言うことなく保護者が直接連絡をする、そういう制度が開始をすると発表をいただきました。これまでも事業主や労働者向けの『金沢市はたらくサイト』で情報を発信してまいりましたが、今回の制度運営を機に、『金沢子育てお役立ちウェブのびのびビ~ノ』を活用し、子育て世帯に対してもこれらの支援策が広く行き届くように努めてまいります。

-大桑議員
 次に、本市の公共交通についてお尋ねいたします。公共交通の持続可能性確保に関する、有識者の意見の中間とりまとめが市長に提出されました。本来ならば3回の金沢市新しい交通システム導入検討委員会の議論の中で新しい交通システムの機種が決定される予定でした。が、今回のコロナウイルス感染拡大に伴い、公共交通の移動需要の激減によりバス路線が甚大な影響を受けているとして、その対策についての議論に一時すり変わってしまいました。新しい交通システム導入検討委員会は、そもそも何のために作られたのでしょうか、まずお聞きしたいと思います。そして、議論の内容が新型コロナウイルスに伴う乗客数の減少対策に変わったことで、検討委員会設立の当初の趣旨から変更したと言えますが、市長は検討委員会をどのように位置づけておられるのか、そして、中間とりまとめも予定されていたのか、この点についても、お伺いいたします。議論の中では新しい需要も大切だが、既存の交通機関の利用を回復させる取り組みが必要だとの意見も出ていました。需要減少が戻るのかどうか、わからない。今後、中長期の施策を考えるうえで人々の暮らしの把握が必要であるとの意見も出されていました。そして市民が安心して暮らせるためにも、公共交通の持続可能性を確保する観点から短期的、早期に検討すべき施策を取りまとめたとしています。新しい交通システム導入検討委員会は今年5月の設置でありながら、コロナ感染症が市民の生活に大きな影響を及ぼすことを想定していなかったのではないでしょうか。7月、8月に開催された委員会の中では、目的・スケジュールが再整理され、議論がされました。この委員会の中で、交通事業者がお礼と現状を述べさせていただくとし、本市において、公共交通が危機的な状態になっていることへの理解をしていただいたこと、さらに運行継続する予定の保障をお願いしたい旨の、発言もしています。全国的に高齢化が進む今日、地域における公共交通の役割は従来以上に増してきています。しかし、少子化やコロナ禍においての乗車率の大幅減が進んでいることも明らかです。本市においては現実に、乗らない人が多くなると公共交通を維持することが困難だということで、路線によっては廃止、大幅減便が相次いでされてます。その結果その地域の不便さが増し、さらなる乗客が減るという悪循環に陥っています。本市公共交通を考えるうえで最も肝心なことは、市民を基本に据えること、とりわけ交通弱者と言われる人々の生活を確保することであり、移動手段をどう作っていくかだと思いますが、どうお考えでしょうか。お伺いいたします。よって、BRTにするか、LRTにするかの議論は、机上の空論だと思いますがいかがでしょうか。新しい交通システム導入検討委員会の議論は、今一度見直していくべきではないでしょうか。お伺いいたします。

-山野市長
 新しい交通システム導入検討委員会の中間とりまとめのことについてお尋ねがございました。まず、この委員会の当初の設置目的と合わせてお答えをいたします。新しい交通システム導入検討委員会は、ひとつには公共交通の持続可能性の確保、二つには歩行者と公共交通優先のまちづくり、それらを目的として平成28年度の検討委員会による提言、これまでの課題解決に向けた取り組みの結果、それらをもとに導入機種に関する方向性を決定するために設置を行ったところであります。コロナ禍における移動需要の激減が想定を上回り、本市の公共交通に甚大な影響を及ぼしている状況を踏まえ、導入機種の方向性の決定に先行をして、委員会の有識者から公共交通の持続可能性を確保するために、短期的・早期に取り組むべき事項をまとめていただいたところであります。人口減少・超高齢社会が進展する中、買い物・通院など、市民の暮らしに必要な移動手段の確保は重要な課題であるというふうに認識しています。本市では鉄道・バスの運行継続のための緊急支援を講じたところでありまして、これまでも郊外部におきましては赤字バス路線に対する助成や地域住民が主体となって運営するバスの支援を行っており、引き続き市民のみなさんの移動手段の確保に努めてまいります。
 新しい交通システムの議論は今一度立ち止まるべきではないかというご意見をいただきました。まずは公共交通の利用回復を図ることが大切であり、中間とりまとめを踏まえてしっかり対応する、そのことが喫緊の対応であるというふうに思っています。ただ一方では、大きな流れとして人口減少・超高齢社会、さらには環境問題という側面からいっても、持続可能な都市構造を実現するため、街中や公共交通重要路線・沿線に都市機能や居住を誘導することとしており、新しい交通システムは本市の公共交通の幹となる都市の装置として重要な役割を果たすものだというふうに考えています。将来世代も安心して暮らせる社会を実現するため、コロナ禍による影響も踏まえつつ、中・長期的な視点により導入検討委員会で適切な議論が行われると考えています。

-大桑議員
 最後に、市民に対し、安心・安全な供給を行う使命を持つ本市ガス・発電事業の譲渡についてお伺いいたします。市民の財産である金沢市のガス・発電事業は、市民に対し、安心・安全な供給を行う使命を持ち、公益性の高い事業であります。引き続き事業を継続していく責務があるとして、多くの市民が望んでいる公営企業です。市民は、民営化すれば、料金はどうなるのか、ガスの保安体制はどうなるのか、また、発電はどうなるのかなどいろんなことがわからないままです。本市のガス・発電事業の譲渡については、すでに新会社との仮契約も行われていますが、多くの市民は疑問を抱え、また、事業譲渡の議論自体を知らない方が多くいらっしゃいます。パプリックコメントの本市の集計では、賛成多数だと発表して売却を進めようとしていますが、実際はよく分からないとする方が多く、市民に説明がないまま進められました。5月から6月に事業譲渡についての市民説明会が開催されました。しかし、コロナのまん延防止等重点措置の中、参加者は少なく抑えられ、開催場所も限定されていました。また、日程の変更があったりで多くの方が説明会に参加できませんでした。にもかかわらず、市長は市民説明会を行ったのだから、市民の理解と合意は得られたと思っていらっしゃるのか、お伺いいたします。

-山野市長
 ガス発電事業の譲渡のことについてお尋ねがございました。市民説明会を行わせていただきました。市民説明会では事業譲渡に対する心配の声など、率直なご意見をお聞きをいたしました。私もすべて出席をさせていただきまして、直接ご意見もお聞きをしたところであります。このコロナ禍でありますので、会場の定員数を考慮し、開催をさせていただきました。会場にお越しいただけなかった方のために、1回目の説明会では公式YouTubeチャンネルによるライブ配信も行いました。その録画映像や説明資料につきましても、ホームページで公開をしたところでもあります。これまでも議会の議論、パブリックコメントの実施に加えて、あり方検討委員会、譲渡先選定委員会の検討状況を踏まえ、ホームページで公表するなど、情報提供に努め、市民説明会でも丁寧な説明に心がけてきたところでもあります。そのときにも申し上げましたけれども、引き続き説明に対する要望がありましたら対応をさせていただいているところであります。私は一定のご理解はいただいているんだというふうには思っています。

-大桑議員
 市民説明会の中では、多くの疑問や批判の意見が出されました。「ガスと水道事業は一体に運営されている。ガスが切り離され水道事業のみになると、24時間対応ができなくなるのでは」「管の更新や災害や事故があったときが心配だ」「きちんと利益が上がっているのになぜ民営化なのかわからない」など様々な意見が出されました。また、市職員を新会社に退職派遣をする形で民営化が進められることへの心配する声も出されました。ガスの供給や、発電事業の保安の業務に従事する根幹部分を市の職員が、退職派遣され担う仕組みです。つまり、供給・保安管理という根幹的な業務について、市の職員に頼らなければできない事業を民間企業に譲渡するということになります。そこまでして民営化するメリットが一体どこにあるのでしょうか。ガス、発電事業は本市の職員の皆さんが、長年培ってきた技術で、安全・安心を連綿と引き継いできました。この事業を、これからもさらに100年の歴史を刻んでいってほしいというのが、市民の願いだということが、市民説明会の中でも発言がありましたが、いかがでしょうかお伺いいたします。

-山野市長
 この100年の歴史についての、さらに100年、公が担っていくべきではないかというお尋ねがございました。今日まで100年近くに渡り都市ガスの安定供給、電力の地産地消を通して、市民生活や産業活動の発展に貢献をしてきたところであります。事業に尽力された先人のご努力の賜物と、改めて諸先輩に敬意を表したいと思っています。ただ国の制度改革に伴い、電力・ガスを合わせた総合エネルギー市場が進展をしていく中、公営では法令等の制約により多様なサービス提供が困難であるということ、家庭用ガス需要の大幅な減少も見られております。これからさらに進んでいくのではないかというふうに見込まれます。発電の卸供給のみでは地産地消が困難なことなど、地方公営企業としての役割が希薄化していることなども踏まえ、事業譲渡を提案をさせていただいているところであります。なお、新会社にはこれまで培ってきた金沢市企業局のノウハウをしっかり学んでいただきたいというふうに思っています。

-大桑議員
 民間になればガス料金について議会の関与もできなくなります。市民の声をガス事業・発電事業に反映させる仕組みが失われることの重大性を、議会も重く受け止めなければなりません。議会においても、市の財産を売却するにあたっての最低譲渡価格算定方法や、金額は適切なのかなど疑問点や論点が次々に出されています。この9月議会でも活発な意見が出たところです。譲渡に対する市民の疑問も深まるばかりです。2017年3月議会で企業局管理者が「4月よりガスの小売り全面自由化が実施されるが、直ちに競争環境になるとは今のところ考えていない。また、ガス管の保有や維持管理は、既存のガス事業者がこれまでどおり地域独占で行う公益性の高い事業であるため、本市は引き続きガスを供給していく責務がある」と述べられています。このように、これまでどおり譲渡するのではなく、本市としての責務を全うするべきだと思いますがいかがでしょうか。そうでないと、到底、市民の理解と合意は得られません。また、再生可能エネルギー源である水力発電所を易々と民間事業者に譲渡するということも怒りと驚きをもって、市民は受け止めています。5つのダムからなる水力発電は、再生可能エネルギーとしてとても重要な施設です。100年もの歴史があり4万世帯分ものエネルギーを作る貴重な本市の誇るべき発電事業でもあります。世界的に脱炭素社会を目指す中、水力発電は評価が高く、貴重な歴史を重んじる本市として市民の宝である発電事業を、将来にわたって管理し生かすことが市民への責任ではないでしょうかお尋ねいたします。今回の民営化方針は、市民へ将来にわたって発電事業を安定的に供給していくために考えられた方針ではありません。公営での発電事業がこれまで果たしてきた役割を市民に知らせ、市民とともに事業を育てることこそ必要です。公営でのガス事業、発電事業を継続し、民営化はやめるべきです。お伺いいたします。

-山野市長
 優先交渉権者の提案では、水力発電による電気の地産地消を通して豊かな市民生活とエネルギーの地産、地域内循環の実現に貢献することが示されています。本市といたしましても、経営状況を確認するため、出資により3%の議決権比率を持つことによって、会計帳簿閲覧謄写請求権等を確保していることに加え、譲渡契約において事業計画、財務諸表の状況等の報告を義務付けることとしています。一定の責任を果たしてまいります。国の制度改革によって、全国的に様々なサービスが提供されている中、市民がエネルギー自由化の恩恵を享受できる環境を創出することも大切だと考えておりまして、今議会に譲渡関連議案をお諮りしたものであります。市民の安全・安心の確保に繋がっていくものと思っています。

広田みよ議員

市立学校の学習用端末利用について

-広田議員
 まずは、市立学校の学習用端末利用についてです。現在、GIGAスクール構想のもと、学習用端末が本市立小中学生全員に貸与されています。5月頃からは家庭へ持ち帰らせ、夏休みはオンライン登校にも利用したと聞いています。まずは、夏休みのオンライン登校の実施状況と子どもたちの参加率はどれくらいだったのか、あきらかにしてください。

-野口教育長
 今年の夏季休業中に学習用端末を家庭に持ち帰ってオンライン登校日を実施いたしましたが、まずはこのことはあくまで長期に渡る臨時休業を余儀なくされた場合を想定しての準備です。このことをまずご理解ください。夏休みのオンライン登校日につきましては、全ての小中学校で実施されておりますけれども、児童生徒の参加率につきましては、8月の最終週まで登校日を実施した学校もありましたので、9月に入りましてからこの調査を始めておりますので、現在調査中ということでお答えをさせていただきたいと思います。ただ調査につきましてはまとまり次第、直近の文教消防常任委員会等でしっかりとご報告をさせていただきたいと思っています。

-広田議員
 発言通告もしてヒアリングもしているわけですから、できる限りわかった数字を提示するというのが本会議の場だと思います。わかっているだけでも教えていただきたいと思いますがいかがですか。

-野口教育長
 今わかっているのは、先程お答えしましたけれども、まず実施につきましては7月中に小学校で9校、中学校で10校、また8月につきましては小学校で45校、中学校では15校でありまして、今その中の主な内容とか実施の日程とか、また今議員からご指摘ありましたがその中での参加率とか参加人数とか、またこの状況下の中でいわゆるWi-Fi環境が整っていない方がどのくらいいるのかということを直近の数値として知るべきだと思いますので、そんなことを含めて今調査をかけていると、そういうことでございます。なるべく早くご報告したいと思っています。

-広田議員
 残念です、本会議の場でお示しいただけると思っていましたので。今手元にないでしょうからこれ以上求めてもあれですけれども、いち早く情報をお出しいただきますようにお願いいたします。ただ昨日の答弁でもWi-Fi環境がないとかいう課題がもう明らかになっているとおっしゃっておられますし、私の方でも何名かの方からご相談をいただいています。家庭内にWi-Fi環境がないのにオンライン登校が始まる、どうしたらいいのかというようなご相談があるんですね。そうした家庭環境が整っていないニーズについても今調査中ということなのかもしれませんけれども、少なくともそういう家庭が存在するということは教育長、断言できるわけですね?

-野口教育長
 昨年までちょっと遡りますけれども、まず去年の4月・5月に長期に渡る臨時休業を余儀なくされました。その折に教育委員会の方から、学校の方からもそうなんですけれども、子どもたちの学習保障をしっかりと図らなくちゃいけないということで、インターネットを通じながら学習動画などを配信させていただきました。その折に、動画の受信状況をやはり知っておかなければならないということで、学校を通して各家庭に5月に調査をかけさせていただきました。その折にはWi-Fi等のインターネット環境がなく、学習用端末を接続できない子どもの数は、その当時で約3,500名いたということを掴んでおります。ただそれから時間が経過をして様々な状況が変わってきて、今我々の方では段階的にですけれどもその数が減ってきているということは掴んでいます。今年の夏休み中に行ったオンライン登校日では、家庭にWi-Fi環境がないなどの理由で学校で参加した児童は約200名ほどいたということは掴んでいます。ただこれについては実数をしっかりと掴まなければいけませんし、今Wi-Fi環境がないなどのというお話をさせていただきましたが、この「など」にもいろいろな理由があると思いますので、そんな理由も含めてしっかりと調査を受けてご報告をしたいと思っております。

-広田議員
 今おっしゃられた「学習の保障」という点で、5月にアンケート調査を行い、そこですでに3,500名がない可能性があるということを掴み、その後も私の元にはどんどん相談がきて対処できていないということが明らかになっているにもかかわらず、その後の調査がオンライン登校まで進んでいないというのが大変残念ですし、調査されていないイコール対策もされていないということで、今回質問させていただいているんです。なので全てがちょっと遅すぎるんですね、学習の保障になっていないということをまず明らかにしておきたいと思います。

 それで私のところにどんな相談がありますかというと、ひとり親で就学援助世帯の方です、オンライン登校に向けて、1学期中に家庭でテスト接続の宿題がありました。無償のルーターを貸し出されましたがそれだけでは使えず、自分ではどうしようもできずに学校に問い合わせても自分でなんとかしてくださいと言われ、何をしたかというと親子で学校の校庭へ行って、学校のWi-Fiを使ってテスト接続をしたんです。それは家庭での宿題ではありませんよね。そういう現状を教育長、どう思いますか。

-野口教育長
 Wi-Fiの環境整備というのは、やはり今後もそうなんですが社会全体で取り組んでいかなければならない大きなインフラ整備のひとつだと思っています。そうした意味で、今我々は学校教育というのを「令和の日本型学校教育」というものの中で進めておりますけれども、その中に「義務教育において決して誰一人取り残さないことを徹底する」ということが述べられています。そうしたことも含めて、Wi-Fi環境が整っていないご家庭にも適切に対応しながら、そうした子が出ないようにしていくのが自分たちの仕事だと思っていますので、その点についてはしっかりとこれから取り組んで活かしていきたいと思っています。まずは3,500人の子どもたちが去年の時点でいましたので、その環境のもとで、いわゆるモバイルルーターなども少し準備させていただいておりますので、そういったものを有効に活用しなければならないと思いますし、今述べたように適切にこれから対応させていただきたいと思います。

-広田議員
 「誰一人取り残さない」という目標がありながら、もう取り残しているという実態について、教育長はどう思うかということを問うたわけです。この間、保護者の方々と申し入れをしてきましたけれども、誰も「申し訳ない」って言わないんです、教育委員会側はね。どういう認識なのかと思うんです。保護者の方は涙ながらに訴えていましたよ。でも誰も申し訳ないって言わない。そのあたりどうですか?

-野口教育長
 昨年の5月の調査をかけた段階で、家庭環境にないというお子さんに対してモバイルルーター貸し出しを準備して貸し出しをしないといけない、そういうことで準備に入っています。そのときにも、一応基本的にはそのモバイルルーターをお貸ししますが、いわゆる通信については各ご家庭の方でご負担いただけませんかということでお貸しをしているということなので、そういうことについてはご理解をいただいたのではないかなと思います。ただ今広田議員の方からそういう話がございましたので、それについては今後しっかりと対応させていただきたいと思います。

-広田議員
 申し訳ないという言葉がなかなか出ないようですけれども、ずっとそうなんです、教育委員会は「ご家庭の協力のもとやる」という案内を何度も出している。だけど、せめて生活保護世帯、就学援助世帯については私は対応できているものだと思ってきたけれど、それについてもなかなか遅かった。それで昨年度、この就学援助世帯と生活保護世帯についての保障ですね、これが昨年度国が自治体に連絡しているわけです、こういうやり方があります、国庫補助も出します、ということで。それがなかなか遅い。どこまで進んでいますか。

-野口教育長
 まず家庭での通信環境の整備に関する支援制度におきましては、生活保護費では国の制度を運用する上で制約がありまして、一部の世帯が対象となりますが、一方で就学援助費では家庭の通信環境によらず一律の支援となりますことから、現在本市におきましては他都市での導入事例を調査している段階であります。今議員がお触れになりましたけれども、たとえば一律にという部分もあるでしょう。ただ違う方法をとっていらっしゃる自治体もあるんではないかなと思いますし、もちろん今検討中であるというところもあると思いますので、そういったところについて調査をかけさせていただいていますので、それを見ながらしっかりと対応させていただければと思います。

-高柳福祉健康局長
 現在生活保護制度では、Wi-Fi環境を新たに整備した費用や毎月の通信費、それからすでに整備して持っていらっしゃる場合に容量の増加、学校の教育のために増加した通信費の増加分については生活保護費で支給するとして対応することとなっておりますので、個々の家庭に応じた対応しているところでございます。

-広田議員
 生活保護は法律でもう成り立っているわけですから、今もう手当てがされていると。ただ就学援助が、もちろんわかります、上限額も非常に少ないですし一律出さなければならないという苦悩もあると思うんです。だけれども検討が遅いんです、今検討しているようではということを言っておきたいと思います。それで金沢市は独自で対策をとっているわけですが、それが、Wi-Fiのないご家庭に貸し出している無償のルーターです。これは国からの予算で本市は、貸し出しルーター4,800台を、4,500万円かけて大量に購入しています。それでは、このルーターが学校から必要な世帯にどれだけ配布できたのか教えてください。

-野口教育長
 モバイルルーターにつきましては、何回も言いますが昨年の5月に学校を通じて行いましたWi-Fi環境の有無についての各家庭への調査に加えまして、今GIGAスクール構想がスタートしています、そうした中で新学習指導要領による学習もスタートして本格化しています。そうした各学校での校外学習などに際してもこうしたルーターは必要であるということもありますので、そうした必要とする台数の調査などを元にして整備をし各学校に配布をしておりまして、その中から80台は教育委員会の方で確保をさせていただいております。現在でありますけれども、小学校で36台、中学校で9台の、これは通信費はご家庭のご負担ということになりますけれども、そうした形でモバイルルーターにつきましては保護者からのご要望があった方に対しては貸し出しをさせていただいていますそのほかのルーターにつきましては各学校での学習、たとえば校外学習も先程触れましたけれども、その他にも校庭に出ていっていろんな野外観察とか、そんな学習等にも有効に使っているという報告を受けております。しっかりと今は活用されていると思っています。

貸与ルーター4800台
うち 教育委員会80台
学校の規模にあわせ4720台
うち 家庭への配布5台(小学校36台 中学校9台)

※どうして4800台も購入したのか、現在家庭に45台しか配布されていないが5月に3500名のネット未整備家庭があったのなら、すぐに配布すべきでなかったか、学校に配布されたものが本当に使われているのか、などもっと確認すればよかった。

※ここからは、答弁確認が続くので読み飛ばして大丈夫です。

-広田議員
 今の答弁でいきますと、4,800台のうち80台を学校が使っている、そのうちご家庭に小学校36台、中学校9台配っているということでいいですか?

-野口教育長
 すみません、答弁が下手だったかもしれません、各学校に対してはそれぞれに学校の規模に対してルーターをすでにお貸しをしています。その中で使われているということでご理解いただきたいと思います。

-広田議員
 4,800台中80台しか使っていないし、当初の目的だったはずのご家庭への配布ですか、これはその45台に留まっているという実態なわけですよね。4,800台、今後どう消化するのだろうというふうに思いますけれど。ご家庭に配布しているうち、ちゃんと使えているのかということも気になるのですが、その点は把握されていますか。

-野口教育長
 もう一度お話しますが、4,800台のうちまず80台は教育委員会で保管をしています。その他のルーターにつきましては、各学校の規模に応じて残りの分をすべて各学校にそれぞれに配布をさせていただいています。そしてその配布をされたものの中から、それぞれの学校で必要ですよという方が使われているということで、先程お話しいたしましたような数だけお貸しをしているということでございます。

-広田議員
 それで、先程ちょっと言い忘れたかもしれませんが、学校が問題ではないんですよ。学校に何度も相談に行っても、学校は教育委員会側から何ら対応策を示されていないと。例えば生活保護、就学援助はどうしたらいいか。そして無償貸与ルーターについても、一定の説明書はありますけれどもどんな契約をしたらよいかということは全く教育委員会から示されていないので、学校は工夫してお便りを出しているわけですがそれがわからないという実態で、私は責任は教育委員会ということでやっていきたいと思いますが、把握されているのかという問いに対しては今お答えが無かったような気がしますが、私は貸し出しルーターは機械だけの貸し出しであって、ということをまず前提ということを説明しておきたいと思います。機械だけの貸し出しで、使うにはSIMカードを入れて、そのSIMカードの契約をしないと使えないということがあります。そういうことがあるものですから、よくわからないという保護者の方と一緒に電気屋さんをまわったんですね。そうすると、仮に就学援助制度のオンライン学習通信費、上限額1,000円/月を使ったとしても、これに見合うような契約はなく月2,000円以上かかります。そして多くは最初に3,000円ほどの手数料がかかります。これは就学援助制度から出ないのではないかと思うのでカバーできない。しかもこのルーターが、電気屋さんの話によると2017年版で、これに使うSIMカードは現在はナノが主流ですが今回のはマイクロであって、何か側をつけないと使用できない。これはネットとかそういうのがわからない人はきっと難しいと思いますよというようなお話を受けて、何も契約できずに帰ってきたという状況です。それで今までの話を総合すると、これまでも求めてきたのですが、私は貸し出しルーターにSIMカードを入れて教育委員会で一括契約するしか道はないと思うのですが、いかがですか

-野口教育長
 まずSIMカードですが、これはご家庭において新たに契約することなくすぐにインターネットに接続できるというようなものでありますけれども、まず教育委員会の方でもいろんなメーカーさんとお話をさせていただきますけれども、今お話をされたようなことはなくスムーズに装着ができるのではないかということは教育委員会としてお話をお伺いしています。やはり教育委員会としては、ご要望があればになりますけれども、臨時休業に限定してになりますけれども、そうしたSIMカード入りのルーターについてはもう準備をさせていただいて貸し出しを少しずつ始めております。やはり今回のデルタ株によって7月・8月と爆発的に子どもたちの感染が増えましたので、非常に危機感を持っておりまして、そういう準備は必要だろうということで準備を進めておりますので、ぜひご安心いただきたいと思いますし、先程、今環境下にない子どもたちを調べていますという話をしましたけれども、そうした環境下にないお子さんが何人いて、各学校でどれくらいのものを準備する必要があるのかということもしっかり調べたうえで、今後の対応をしなくてはいけないと思っていますので、少しお時間をいただいて準備を進めていきたいと思っています。

※メーカーに話しを聞いていると言うが、それは専門家ならそうでしょうが、そもそもネット環境のない家庭の保護者がわかるでしょうか。

-広田議員
 今のご答弁ですと、臨時休業に限定するけれども契約したルーターを貸し出すということをもう始めているということなんですね?臨時休業はそうしたらなんとかクリアできるけれども、学校によっては宿題をそれでやるというところがもう出てるんですね。それについてはどうするんですか。

-野口教育長
 あくまでも、このSIMカードを使って家庭で勉強をするのは臨時休業のときだけなんです。私たちが言っているのは、そんな家庭で宿題をやりましょうということについては教育委員会は言っていません。そのあたりはもしそういうことがあるっておっしゃるのならば、しっかりと調査したうえで、そうじゃありませんよということは学校の方に徹底させていただきます

※教育長はこう答弁しましたが、実際には複数の学校で宿題が出ています。

-広田議員
 接続をするという宿題も宿題ですからね、事例を挙げたんですけれども。じゃあ臨時休業のときには貸し出すし、かつ日々の宿題では家庭内のWi-Fiを使うことはないということを今教育長はおっしゃっているわけですね?といっても、臨時休業が突然多くの学校で、そして全校規模で起こる可能性もありますし、やはり早めに大規模に一括契約できる手段をぜひ検討しておいてほしいと思いますがいかがですか。

-野口教育長
 ですので今、どれくらいの人数がそういった環境下にあるかということを含めながら対応するために、人数を確認をさせていただいておりますので、そうした人数を調べたうえで対応させていただきたいと思います。今教育委員会にあります80台にはSIMカードをつけてありますけれども、それを臨時休業にあたっては学校の方に持っていっているんです。それで時間的なロスもありますし、迅速さがないので、今お話ししたように学校の方ですぐに対応できるような形を取りたいということで、これから準備に入るということであります。なるべく早くやります。

-広田議員
 前からやってるみたいな感じですけれど、初めてですよ、そこまで踏み込んだのは。ずっとこの間保護者の方と言っていて、ずっと家庭にご協力をご協力をと言われて、やっと今教育委員会が足を踏み出したというふうにとらえています。調査も遅いですよね。学びの保障ができていないわけですから、本当ならばもっと早めに調査をするべきだったと思うんです。なんで私がこんなことを言うかというと、やっぱり原点に立ち返ると、本来義務教育は無償が原則ということがあります。なので、いくらGIGAスクール構想であるからといって、Wi-Fiしかり、学校からタブレットのケース購入を迫られている学校もあったりします。なので基本的なお約束として、このGIGAスクール構想によって保護者にあらたな負担を生じさせないでほしいということを求めたいと思いますがいかがでしょうか。

-野口教育長
 やはりこうした声は、我々も大事なんですけれどもいろいろなところから声をあげて国にも要望を求めていくこともとても大事なことだと思っています。今自分の立場でありますけれども、中核市の方で会長をさせていただいていますが、実は中核市教育長会におきましても次年度要望を取りまとめるにあたって多くの教育長さんの方から家庭の環境によらないで公平な学習環境を確保するために、Wi-Fi環境が整っていない家庭に貸与するモバイルルーターの通信費への国庫補助を創設することが必要だという声が届きました。その声をもとにして8月上旬にしっかりと国の方に要望させていただきました。そのときに国の方からは、家庭環境に係る通信費の支援は急務の課題とし、学習用端末の持ち帰り等への対応に伴う通信費の増額を次年度予算の概算要求に計上するというご回答をいただいております。その概算要求は9月の頭に出ていると思います、ご確認になっているかもしれませんが。その中でいわゆる月額1,000円というお話がありましたけれども、これが3,000円増額ということで、12,000円が15,000円になっていますけれども、私たちが求めているのはそうではなくて、Wi-Fi環境が整っていない家庭に貸与するモバイルルーターの通信費への補助、国庫補助を創設をしてほしいということを求めているわけなんで、こうした要望が速やかに課題改善されることを願いながら、またこれからも活動をしっかりと続けていきたいと思っています。今後なんですけれども、もし新たな負担が生じるようなことがありましたら、やはり中核市の教育長会の方でいろんな要望も寄せられますので、こうした意見をまとめて国の方に届けたいと思いますが、中核市教育長会だけでは足りないこともあるかと思います。全国の教育長会とも連携しながら、大きな力として要望していく、そのことも大事だと思っています。がんばります。

-広田議員
 このGIGAスクール構想が見切り発車だったということを、教育長自身も感じているし、国にもそのように求めているということですから、ぜひがんばってください、お願いします。

 最後に、今回の件を通じて子どもの貧困だなんだとか言いながらご家庭の状況とか経済的負担に対する教育委員会の意識の程度が、なんとも露呈したのではないかと私は思っています。これまで教育委員会からは就学援助制度は必要な方は受けているというご認識をお聞きしてきましたが、果たしてそうなっているのかという疑問がふつふつと沸いています。私はやはり、現場レベルの努力だけでは難しいと感じており、システムとして対象世帯を捕捉していただきたいと。10月からは就学援助制度の最初の申請が始まります。今回のことを教訓に、就学援助制度を全員に希望調査するようなやり方に改善してほしいと思いますがいかがですか。

-野口教育長
 経済的な事情に左右されることなく、子どもたちの学びを私たちはしっかりと保障しなければならないと思っています。そうした意味でも、就学援助については希望される世帯が申告漏れとならないように、毎年4月当初に全小中学校の児童生徒の保護者に対しまして就学援助制度の案内のチラシを配布させていただいています。その他、市のホームページや新聞広告等を通して広く周知を図っております。また小学校1年生の保護者に対しましては就学前の健康診断に合わせて制度の説明も行っています。全員に希望調査を行うことまではまだ今は考えてはおりませんけれども、今後とも学校とか関係する部局と連携しながら、制度を必要とする世帯に誤解がなくわかりやすい、そうした周知に努めてまいります。

-広田議員
 チラシ配布とおっしゃいますけれども、入学案内の時に分厚い資料が一気に配られて、そのうちの1枚なんですね。だから気付かない、知らないという人もまだいらっしゃいますし、学校ごとにどれくらいのボリュームで説明するかというのも学校それぞれなんです。なので「システムとして」ということを申し上げているんです。これは引き続き求めていきたいと思います。学校は、私は格差を是正する機関であると思っていますので、それが格差を広げることのないよう、GIGAスクール構想にしっかりご対応いただきたいと思います。

市立学校での生理用品の配布について

 続いて、市立学校での生理用品の配布についてまた教育長に伺っていきますが、生理用品の配布について、わが市議会でも女性議員全員で、教育委員会と市長に対し、学校のトイレにも設置してほしいと申し入れをしてきました。羽咋市では6月の市議会からの要望を受け市内全中学校の女子トイレに試験的に生理用品を配置し、利用があったため2学期も継続するということが報じられました。本市議会でも先日取り上げられましたが、まだ必要性と現状が十分に伝わっていないようですので質問致します。この夏休み、女性団体のみなさんが、市内小中高校生にアンケートをとってくださいました。なかなか答えにくいアンケートなのですが、35名の方にご協力いただき、その中から抜粋した内容をもとに質問いたします。

 まず、これまで、教育委員会は生理用品は保健室に配置していると繰り返してきましたが、アンケート結果では、「保健室に生理用品が置いてありますが、もらいに行きやすいですか?」という質問に対し、「はい」が、28.6%、「いいえ」が71.4%という結果です。

「もらいに行きにくい」理由としては、このような記述回答がありました。

○保健室に行くにはまず職員室に報告してナンバープレートをもらわなければならない、いろいろ書類を書かなきゃいけない
○そもそも保健室にあまり先生がいない、普段めったに保健室を利用しないから行きにくい
○人にわかってしまうのではずかしい、他の生徒や男子のいる保健室に取りにいくのが恥ずかしい
○先生にもらうとき何て言ったらいいのか、生理というのが言いづらいのでもらいに行きづらい 
○行く暇がない
○置いてあることを知らない     という声。

そして、「生理用品が学校のトイレに置いてあったら、いいと思いますか?」には、「はい」が94.3%と圧倒的です。ちなみに、小中学生に絞ると、「はい」が100%です。

その理由としては、

○準備していても足りなかったり、突然生理になったときは、トイレに置いてあれば助かる
○カバンから出すのが恥ずかしいので助かる、生理用品を持って行くのを見られない
○保健室だともらいに行きづらい
○忘れても安心して学校にいられる
○急な生理にすぐに対応できる
○誰でも使いやすい、気軽に取り換えられる
○人に言う必要がなく、自分でその場で対応し解決できる という声。

そこで質問ですが、これらの回答からわかることとして、まず保健室に置いてあるとしても、保健室へ行く許可が必要な学校もあるようですし、保健室に先生が常時いないということ、また保健室自体滅多に行かない、保健室に他の生徒がいる場合など「保健室ではもらいにくい」という実態があるようですが、この点は把握されていますか

-野口教育長
 お答えいたします。まず基本ですけれども、学校には一般的に緊急時以外には保健室に行くときに児童生徒の健康の様子とかまた所在等の把握をする必要があるために、担任の先生もしくは教科の先生等に保健室に行くことを伝えてから保健室に行くように、そういった指導をしていることは承知をしておりますし、私も30年間学校におりましたので、自分の勤めた学校では全てそうなっておりました。それは基本ではないかと思います。

-広田議員
 体調不良時ならそれで良いと思うのですけれども、ナプキンをもらいに行くので例えば男性の先生に保健室行っていいですかと言えるかどうかという話なんですね。また書類をかかなければならないって、仕事か?ということです。実態としてはそういうルールがあるということは把握されていると、でもそれがもらいにくいそうです。そして回答から考える必要があるのは、生理であることをなぜ他人に知られなくてはならないのかということです。もちろん「生理は恥ずかしいこと」というスティグマから脱する性教育は必要だと思いますが、自分が生理であることを言うか言わないかは本人の判断です。他の生徒にはもちろん、保健室の先生であっても言いたくなければ言う必要がないと私は考えるのですが、いかがですか

-野口教育長
 思春期にあります、児童生徒が保健室で生理用品をもらうために養護教諭などの先生方(他人)に状況等を伝えることに躊躇いがあるということは理解できます。ただ、ぜひご理解いただきたいのは、保健室というのは児童生徒の突然の体調不良等の場合に迅速かつ適切に対応する施設でありまして、保健室を訪れた児童生徒が身体の状況を養護教諭に伝えることで、体調に応じた対応とか指導に繋げる必要があり、そうしたために生理用品も含めていろいろな保健備品というものが保健室に配置されている。そのことについてもご理解いただければと思います。

-広田議員
 保健室の先生に相談に行きたい方は行けばいいと思うんです。それも自由です。ただ、月に1回必ず1回来る、もう慣れきっているという方が、たまたま忘れたときに先生に言いづらいから自分で解決できずに、例えばトイレットペーパーを当てているとか、そういう実態があるかもしれないので、トイレに置いたらどうかという提案をしているわけなんですね。教育長は6月議会で「児童・生徒が気軽に生理用品を求めやすい環境づくりに努め、必要とする児童・生徒に行き渡るように配慮したい」とお答えになっているんですね。でもアンケート結果によれば保健室では気軽に求めやすい環境にはなっていませんし、そして行き渡っていないという現状が見えて来たんです。やはり、安心して子どもたちが学校生活を送るために、必要な子どもが誰でも気軽に手に取れる学校トイレに生理用品を配置するよう求めますがいかがですか。

-野口教育長
 生理用品をトイレに置くことにつきましては、引き続いて現在の保健室での使用状況とか養護教諭などの意見も踏まえつつ、トイレに置くことへの管理面や衛生面での課題等をしっかり整理をしていきたいと思います。その上で、合わせて教育的な観点により生理用品を保健室に配置をしながら、思春期にある児童生徒の心情に配慮できる方法が本当にないのかということについて、他の都市の状況とか他の施設での取り組みなどを踏まえながら、今しばらく研究をさせていただきたいと思います。

-広田議員
 管理ってことをおっしゃられますけれども、今やファミリーレストランとか居酒屋とかにも普通に女子トイレに置いてあるんです。で、子どもたちは日々トイレで見てます。そういう状況ですし、子どもたちがいたずらするというのは私は子どもを信頼していないと、まぁそこまでおっしゃっていませんけれどもそういうことを考えているのならそうですし、教育的観点とか先程の体調不良の対応とかいうことであれば、トイレに置いてある生理用品に一言、「何かお困りの方はご相談ください」ってつけてあげれば行きやすいし。今は結局、何にも頼れていない子どもたちがいるということです。保健室にも行けなくて、結局自分で処理されてしまっているという。このまま放置していいんですかっていうことなんですね。研究と言わずぜひ検討を求めますが、いかがでしょうか

-野口教育長
 繰り返しになりますが、思春期にある児童生徒の心情に配慮できる方法が本当にないのかということについて、今一度しっかりと研究させていただきたいと思っています。お時間をいただきたいと思います。

-広田議員
 アンケート結果でわかる通り、保健室に行きづらい理由は、自分が生理であることを他人にも言えない思春期の事情もあるんです。親にも言えない子もいるんですよ。そんな子が保健室で言えるでしょうか?保健の先生は適切な業務をされていると思いますけれども、やっぱり内面の事情として言えないこともあるということも実際あるわけですから、そして多くの自治体で取り組みも広まって、別に問題も報告されていませんし、ぜひ、それこそ思春期の子どもたちに対応する姿だということでお答えをいただきたいと思います。

本市ガス・発電事業譲渡について

 事業譲渡の禁止を巡って、10年間行ってはならないとあるものの最後に但し書きで「市の承認を得た場合はこの限りではない」というふうに書き足してある。これは議事録を読む限り、企業局が書き足したものです。委員さんから提案はありませんでした。あきらかに企業局の誘導だというふうに思います。そして公共施設をもてあそぶということを防ぐという目的にかなっていないと。市長は委員会の議事録とその点についてどのように思われるか、お答えください。

-山野市長
 議事録も拝見しているところであります。適切な形でご議論がなされたというふうに理解しています。

と、タイムオーバーでここまでしか質問できなかったのですが、実際は以下のような質問を準備していました。

 本市の事業譲渡先選定委員会の議論では、出資が3%になった経緯や最低譲渡価格が186億円になった経緯が合理的なものとは言えないことなど、特別委員会であきらかになりました。

さらに、再譲渡の制限に関わる議論にも問題があります。
・まず、市長は再譲渡などの禁止はなぜ必要だと考えていらっしゃいますか。


草薙委員長は、転売禁止がなぜ必要か聞かれ「公的な資産というものをもてあそばれることを避けたい、そしてなにより市民に安心してもらう」と答えています。違いますか?


・しかし、選定委員会で決められた結果、募集要項や仮契約にある禁止事項は、第三者との合併、会社分割、事業譲渡などを10年間行ってはならない、とあるものの、さいごにただし書きで、「市の承認を得た場合はこの限りではない」と書いてあるのです。
・つまり、市の承認さえあれば、譲渡して仮に1週間後でも会社分割や、転売、他社との合併などができるということでいいです。
これは、市長がさきほどおっしゃったことに反するのではありませんか?

しかもね、これは譲渡先選定委員会で決められたものですが、その議論も納得いくものではありません。
再譲渡を5年にするか、10年にするかという議論をしている中で、5年じゃ心配だという意見もある中、このような発言もありました。

委員「要するに5年で転売されたらおかしいんじゃない?と思われないようにするだけの話なのであって、そのところを、さっきおっしゃった金沢駅西口のホテルの話は、あれも10年だけど、市が承認したらいいって書いてある。だから、そのようなことを、要するに、そんな5年で転売するような人を選定していいのかということに対する逃げ口上というか、そういうことを言っているのであって。」

別の委員「10年にしておいたらいいと思います。ただし書に市の承認を受けた場合は変更することができると入っているので10年間でいいんじゃないかと思います。」

・平嶋局長、局長はこの委員会のメンバーでもありますが、この逃げ口上ってどんな意味なのですか?
・草薙委員長はさきほども言いましたが、こう答えているんです。「公的な資産というものをもてあそばれることを避けたい、そしてなにより市民に安心してもらう」

でも、実際は、逃げ口上の議論をしていたわけですよ。
・市長もこの議事録をお読みになったと思いますが、いかがですか?


・そして平嶋局長、昨日もお認めになっていましたが、これは企業局が、「ただし、市の承認があればその限りでない」と入れたものですよね。それは、第3回の委員会のときの提案にはなく、委員からも「ただし書きが必要だ」なんて意見は出なかったのに、第4回の委員会のときに突然、ただし書きが入ったことから明らかです。
なにか委員会以外のやりとりがあったのですか?そうでなければ市が誘導したということですか?

しかも、議会との関係についてもやりとりがあります。
委員「この市の承認というのは、議会にかかった承認という意味ですか。」
事務局「これはやってないです。」
委員「かけないくていいんですか。」
事務局「議会の議決までは必要ないと考えられるところです。」
・そんなに議会に関わってほしくないということでしょうか。

平嶋局長、市の承認というのは、通常は行政だけのことを指すのかもしれませんが、議会の議決も必要ということも議論によっては入れることができるんじゃないのですか。


・一般的にはそうだとしても、この議論は、わたしたち議員も傍聴ができない非公開でしたし、議事録だって、仮契約が交わされた6月30日の翌日からの公開であり、知るすべがなかったのですよ。
このように、市民と議会をないがしろにし、しかも企業局が誘導したような議論によって決まったものを通すわけにはいきません。
・市長は、選定委員会の冒頭あいさつで、「本市にとって、市民にとって、公正・公平な審議を」とおねがいしていましたよね。それに反するのではないですか?

譲渡を見直すべきですがいかがですか。

森尾嘉昭議員

-森尾議員
 私は、日本共産党市議員団の1人として以下、質問いたします。
 最初にコロナ対策について伺います。新型コロナウイルスの感染拡大が急速に広がり、自宅待機中に亡くなるなど深刻な事態に直面しています。これまでの安倍内閣、菅内閣によるコロナ対策には、第一に科学的知見を軽視する傾向が指摘され、第二に国民が納得する説明がされないこと、第三に自己責任がたびたび持ち出されてきたこと、などが指摘されてきました。
 さらに菅内閣が「お酒など販売への強権的な規制強化」を打ち出したことや、「原則自宅療養」との方針には、厳しい批判の声が上がりました。ところが、菅首相はコロナ対策について「明かりははっきり見え始めている」と述べ、楽観的見方を示しました。これに対して、多くの方々は「“明かり”どころか全国各地で赤信号が点灯している」と厳しい批判の声があがりました。3日、菅首相は事実上退陣することを表明するに至りました。

 市長は、こうした事態をどのように受け止めていますか。本市のコロナ感染状況をどのように受け止め、今後の対策に臨んでいかれるのか、まず伺いたいと思います。

-山野市長
 報道で拝見した限りですけれども、総理が「明かりがはっきり見え始めている」というふうにおっしゃったのは、ワクチン接種がデルタ株にも有効であるということ、さらには抗体カクテル療法での重症化を防ぐことが可能であること、そのことを指しながらおっしゃったんだというふうに理解をしています。
 ただ、今ほどお触れでありました、説明不足というお話がありましたが、十分にその思いが伝わらなかったのかもしれません。国の方では様々な施策に取り組んでいらっしゃいますし、市町村といたしましても都道府県・国と連携をしながら様々な施策に取り組んでまいりました。未知の分野でありますから、市民のみなさんと情報を共有しながら私は取り組んできたつもりでありますし、これからも議会はじめ市民のみなさんと情報共有をしながら、しっかりと取り組んでまいりたいと考えています。

-森尾議員
 ワクチン接種の遅れ、学校再開に伴う感染の広がりが憂慮されています。繰り返しクラスターの発生が続いています。医療や保健所の現場もひっ迫しています。こうしたことから、なお一層のコロナ対策が求められています。
 私どもは、繰り返し申し入れを行い、市民から寄せられた声を届け、具体的提言を行ってきました。その柱は、第一にワクチン接種を安全に進めていくこと、第二にPCR検査を広く定期的に実施していくこと、第三に全業種への支援と補償を行うこと、第四に医療体制の強化と財政支援を行うことを提案してきました。今後の本市の対策について、市長から示していただきたいと思います。

-山野市長
 森尾議員をはじめ、議員各位から、様々なご提案をいただいているところでもありますし、本会議におきましても同様であります。ひとつひとつ、真摯に対応をさせていただいているところであります。その表れとして、これまで何度も臨時議会、緊急議会を開催をして、お答えをしてきたというふうに思っています。引き続き、ご指摘ありましたワクチンの体制であったりだとか検査体制の強化、医療提供体制の充実、また経済的な支援等を行っていきながら、なしうる限りの支援策をこれからも取り組んでいきたいというふうに思っています。必要な施策につきましては迅速に対応していきたいと考えています。

-森尾議員
 次に、本市公共事業発注をめぐる贈収賄事件について伺います。金沢地検は去る9月10日、収賄などの容疑で逮捕された本市役職職員を加重収賄罪などで起訴しました。公共事業の入札情報を漏らすなど公務員が職務上、不正行為をして賄賂を受け取った場合、加重収賄罪が成立したとしています。たいへん重大な事件です。市長はどのように受け止めておられますか。
 市長は、この件に関する情報は今年5月には耳に入っていたと述べました。本市役職職員が逮捕されるまでの2か月間は何をしていたかのか、問われます。市長をはじめ市役所全体として重大な問題だとの受けとめはありましたか。やるべきは、第三者による事件の調査委員会を設置し、原因究明と再発防止策をすすめていくことではありませんか。市長の見解を伺います。

-山野市長
 大変重大なことだというふうに思っています。公務員にとって、あってはならないことだと思っています。市政に対する信用を大きく傷つけることになってしまいました。大変重く受け止めています。まず現在は、職員が行ったことでありますので、職員のコンプライアンスの研修であったりだとか倫理研修を行っているところではありますけれども、やはりそういうことができてしまうような仕組みそのものに課題があったのではないかという指摘もあるところであります。
 入札制度評価委員会を開催をし、外部有識者の委員から様々なご意見をいただきながら、再発防止に取り組んでいかなければならないと思っています。ただ現時点におきまして、本人にまだ意見が聞き取ることができておりません。事件の全容について詳細な調査ができる状態ではありませんけれども、調査ができ次第、処分も含め対応策も含めて、厳正に取り組んでいきたいと考えています。

-森尾議員
 本市における建築工事の入札状況は、その4割が最低制限価格で落札しています。複数が最低制限価格で入札していたため、抽選によって落札されています。最低制限価格で落札した件数の実に8割近くが抽選によるものです。平成24年度まで最低制限価格は1円単位だったものが、平成25年度から千円単位となり、最低制限価格での落札が急増してきました。
 こうした事態に議会では、たびたび取り上げられ入札制度そのものの改善が必要だとの指摘が続いてきました。ところが、市当局は改善をすることなく8年が経過し、今回の事件が起こりました。市長、現状をどのようにとらえ、今後の改善に取り組まれて行かれるのか、明らかにしていただきたいと思います。

-山野市長
 透明で公平公正な入札制度を目指し、最低制限価格の算出方法など、情報公開を進めた結果、最低制限価格による応札、くじ引きによる落札決定が増えたものだというふうに認識しています。今回の事件を受けまして、先程申し上げました入札制度委員会におきましても、事前に最低制限価格が知り得ない変動型の制度を検討すべきであるというご意見もいただきました。また事業者から職員への働きかけが起こる余地がない制度ということも、ご意見をいただいているところであります。こうしたご意見を参考に、市として制度の見直しを進めてまいります。

-森尾議員
 次に、本市ガス事業・発電事業譲渡に関連する議案が本議会に提出されました。しかしこの問題は審議・検討が不十分であり、判断を行う環境が整っていないと考えるものです。本市は100年間にわたって市営の発電事業を運営し、現在5つの発電所で、一般家庭で年間4万戸分に相当する電力を北陸電力に売電しています。今回、この5つの発電所と上寺津ダム、これをコントロールする管理センターの機器と機能を、設立された金沢ガス・電気株式会社に売却するとしています。この新会社が発電所を運営するためには、事業認可と水利権の譲渡が必要です。1000kWh以上の能力を要する4つの発電所は国の同意が求められます。水利権は県の認可許可となっています。現状はどのようになっていますか、明らかにしていただきたいと思います。

-平嶋公営企業管理者
 議会にお諮りしております関連議案をお認めいただければ速やかに、新会社への水利権等の譲渡手続きに着手することとなります。

-森尾議員
 現段階では進められていないと。 一般的には、発電所に関する認可許可には、1年前後を要するとしています。来年4月からの事業開始を目指すとの方針からすると、かなり難しい局面を迎えています。本市は、設立された金沢ガス・電気株式会社と、先の6月30日に仮契約書を締結しました。この中の第5条(譲渡対象資産等の引渡し)、第10条(前提条件)、第13条(乙【金沢市】の譲渡目前の契約事項)の中で、必要のある許認可の取得及び届出等が完了することを求めています。来年4月1日午前0時が譲渡日となっています。そうした見通しが明確でないまま本議会に譲渡関連議案を提出したことは、市長としても責任が問われるものだと考えます。見解を伺います。

-山野市長
 議決をいただきましたならば、水利権譲渡にかかる一連の手続きを進め、仮契約に定める期限までに完了する予定であります。

-森尾議員
 そこで、5つの発電所は、内川水系と犀川水系の河川水を取り入れ、発電を行っています。さらに、普通河川から7つの渓流取水ダムが設置され、そこからも河川水を取水し、利用しています。その一つが、小日尾谷渓流取水ダムです。ここで河川水の一部を取水し、犀川ダムに取り込み、下流に設置された上寺津発電所が稼働しています。パネル・タブレットから写真をご覧いただきたいと思います。これが小日尾谷渓流取水ダムです。市長はこの施設はご存じでしょうか。

小日尾谷渓流取水ダム

-山野市長
 施設があることは承知をしております。

-森尾議員
 私はここを訪れて、先人たちの知恵に驚嘆しました。この7つの渓流取水ダムは、普通河川を利用しています。普通河川を管理しているのは本市です。したがって、本市法定外公共物管理条例に基づき、申請・許可を受けています。
 ところが、この条例では許可に基づく権利を他人に譲渡することを禁止しています。この施設を譲渡したとしても、権利の譲渡はできません。この条例を所管する部局に説明を求めます。

-坂本土木局長
 条例の規定上、法定外公共物の権利譲渡はできません。事業者を変更する場合には、現事業者が使用許可の廃止手続きを行い、新たな事業者が使用の許可を受けることとなっております。

-森尾議員
 現状では、水利権の譲渡には大きな課題があります。そして、普通河川を利用している7つの渓流取水ダムの許可に基づく権利は譲渡することができません。よって、現時点での発電事業譲渡はできないのではないですか。市長はこの認識はございますか。

-山野市長
 譲渡関連議案をお認めいただきましたならば、事業譲渡にかかる手続きに要する期間を十分に確保していますことから、河川法に基づく水利権譲渡や法定外公共物管理条例に定める手続きを適切に行うことができると考えています。

-森尾議員
 もうひとつ、重大な問題があります。平成19年4月国土交通省河川局は、水力発電を行っている全国の電力会社10社から報告のあった不適切な発電水利使用に対して、処分と再発防止等について明らかにしました。これは、電力会社が水力発電による電力量をアップする目的で届出以上の取水を行っていたり、無許可で施設を改築していたり、データを改ざんしていたり重大な河川法違反が確認されたとして行われたものです。これを受けて石川県は、5つの発電所をもつ本市に対して調査・報告を求めました。これに対して本市は平成20年3月、回答を県に提出しました。その内容を明らかにしてください。

-平嶋公営企業管理者
 流水の占用、これは法23条関係と言われていますが、その流水の占用につきましては取水量を測定するための流量計の設置位置の関係から、河川法上の許可水量以上に流水を使用する恐れのある個所があるということ。それからもう一点、工作物の設置改修、これは法律の26条関係と言われておりますが、これにつきましては監視カメラ・フェンス、あるいは階段・手すりなど、安全対策に資する工作物などの設置を行ったことを、それぞれ県に報告しております。

-森尾議員
 回答の中では第一に、河川法第23条に基づく許可に係わる違反について「あり」とし、届出以外の水量使用があったことを明らかにしました。第二に、河川法第26条に係わって、許可工作物の申請内容と現状の相違があったとし、13か所の施設を列挙しました。その後、どのような対応がされましたか。伺います。

-平嶋公営企業管理者
 法23条関係の、いわゆる流水の占用につきましては、流量計を追加して設置をし、すでに是正を行っておりますし、そのことについて県に報告済みでございます。
 一方、工作物の設置、法26条関係につきましては、県に報告したのち特段の対応はしておりませんでしたが、ここにきまして許可申請書類の必要性等々を確認をしている途中でございます。すでにこのことについて河川管理者である県と協議を行っておりまして、必要な措置・対応につきましては今後手続きを完了する見込みでございます。

-森尾議員
 河川法に照らして問題があることを明らかにし、違反事実を報告したということです。これに対して、取水に係る是正計画書を提出し、流量計の設置位置を変更し、超音波流量計を設置したとしていますが、河川法に基づく変更申請と許可を受けることはありませんでした。一方、許可工作物の申請内容と現状の相違があった13か所の施設については、その後対応をとることはありませんでした。ところで市長は、こうした経緯と現状をご存じでしょうか。報告を受けたとするなら、それはいつですか。明らかにしてください。

-山野市長
 今回の譲渡に向けた準備を進める中で、8月上旬、担当課から報告を受けています。

-森尾議員
 問題は、河川法に照らして問題がある、違反があるとした施設を譲渡できるのか、譲渡してよいのか。このことが問われているわけです。
 写真を持ってきたので、タブレットからご覧いただきたいと思います。この13か所のうちの1か所、新辰巳発電所への取水口に設置された自動除塵機です。昭和52年11月に2台が設置され、上寺津ダムから取水する際、水面に堆積した枯葉や流木を撤去するために設置されたものです。許可工作物の申請内容と現状の相違があったとし、この13か所の施設が報告されましたが、その一つです。私、現場を見てまいりました。明らかに河川法第26条(工作物の新築等の許可)に基づいて、申請・許可を受けなければなりません。午前中のやりとりで本市企業局は、事実上違法状態であることを認め、先程の私の質問にもそう答弁を行いました。市長。こうした状態の中で、あなたは重大な誤りを行っています。その一つは、違法状態を含んだまま、関係する議案を議会に上程し、議決を求めていることです。こんなことが許されるわけはありません。私は対応が必要だと思いますが、いかがですか。

新辰巳発電所取水口除塵機

-山野市長
 先程管理者が答弁で申し上げましたけれども、すでに河川管理者である県と協議を行っており、必要な手続きが完了する予定だというふうにお聞きしています。

-森尾議員
 河川法に違反状態が明らかとなり、8月上旬に市長自身が認識していたと。にもかかわらず、こうした法違反を前提とした議案を議会に提出するなどとんでもないと。やるべきは、法に照らしてきちっとすることではないですか。いかがですか、市長。

-山野市長
 法に基づいた適切な手続きを行うことが基本だというふうに認識しております。

-森尾議員
 市長、やっていないじゃないですか。これからやるから議会にかけて議決してくださいなんて、私は議会としてこういう取り扱いは前代未聞だと、私の議会活動の中でこんなことはありませんでしたよ。これは、真摯に対応すべきことではないですか。再度求めたいと思います。

-山野市長
 繰り返しになりますけれども、現在河川管理者である県と協議を行っているところであります。

-森尾議員
 もう一つあります。仮契約を結び、議会の議決を経て本契約にしようとしていることです。市長、法令を遵守しなければならない行政が法律違反のままガス事業発電事業譲渡を進め、仮契約を結びました。これは、公序良俗に反する。民法第90条で明記されているように、社会的妥当性に欠く法律行為は無効なんです。したがって、本市が新会社と交わした仮契約は、無効なんです。仮契約を解除すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

-山野市長
 仮契約第18条の契約解除の規定がありますけれども、新会社が契約条項のいずれかに違反した場合等に適用されるものであります。現時点においてそのような状況は生じていないと考えています。

-森尾議員
 民法第90条の中で、公の秩序また最善の風俗に反する行為は無効だと明記されています。これを公序良俗に反する場合、法律行為は無効だというものです。明らかに今回の行為は、河川法に違反する状態のまま契約を交わすとするならば、この仮契約は法律に照らして無効だということになります。しかも、市長はそれを承知の上でことを進めている。このままでは、法律に照らして道理もなければ根拠もない、こういう行為を金沢市政としてやっていいのかということが問われると思うんです。これから法律的手続きを行えばいいじゃないかと、こんな理屈は通らない。私は、この仮契約は法律的に無効だということで、必要な処置を市長はやるべきだと、こう考えますがいかがですか。

-山野市長
 先程の繰り返しになりますけれども、河川管理者である県と今協議を行って、必要な手続きを完了する予定だと報告を受けております。

-森尾議員
 市長がやるべきは、仮契約を解除し、問題の解決に当たるべきではないんですか。譲渡のために締結した仮契約書の第18条(契約の解除)この(3)には、本事業譲渡に著しく支障をきたす事象が認められた場合、契約の解除が明記されています。私はこの条文を適用し、いさぎよく仮契約を解除し、譲渡関連議案を撤回することが求められるのではないかと思いますが、市長、いかがでしょうか。

-山野市長
 繰り返しになりますけれども、すでに河川管理者である県と協議を行っているところであります。

-森尾議員
 公営企業管理者は、これらの一連の問題について、どのように受け止めておられるのでしょうか。

-平嶋公営企業管理者
 当時、県へ報告をした、あるいはその対応ということの中で、これはすでに森尾議員の方にも資料としては行っているかと思いますが、いわゆるご指摘のあったような工作物等々を工事する前には、河川管理者である県と相談あるいは協議というものはその都度行ってきております。ただ残念ながら、その記録というものはございませんし、それからその後、必要なものは許可申請を出すということになりますけれども、その必要性の判断そのものも含めて、今のところ特に措置されてこなかったというような状況がありますので、そのことについて改めて県と現在協議をし、しかるべき対応が必要な場合には対応するということで、今後さらに検討協議をし適切に対応したい、そのように考えております。

-森尾議員
 この事実が明らかになったことを受けて、このまま議会で審議をし、しかるべき議決を行うということは、私はできないと思うんです。法律に違反し、そうした事実を是正しないまま結んだとするこの仮契約は、違法状態のままにあった事案であり、この契約は法律的にみても成立しないと考えるものです。したがって、今の時点で行うべきは、仮契約を解除すること、そして本議会に提出している関連議案についてはいさぎよく撤回すると、このことを改めて市長に求めたいと思うのですが、どうですか。

-山野市長
 仮契約の契約解除規定のことは先程申し上げました。市や新会社が契約条項のいずれかに違反した場合等に適用されるものであります。現時点におきましてはそのような状況は生じていないと考えています。

-森尾議員
 法を守るべき行政が、自ら法律に照らして問題があったことに気が付いた時点で、いさぎよく是正をすることこそ、私は行う最大の責務だと改めて指摘をしておきたいと思います。

 この項目の最後に、伺っておきたいことがあります。市長は、2050年二酸化炭素の排出量ゼロ宣言に基づいて、本市がカーボンニュートラル宣言を行いました。環境省の動画にまで登場するくらい、力を入れておられるようです。その中で、本市企業局が運営する発電事業が市レベルでは唯一のものであり、水力発電へのとりくみを強化し、自治体レベルでも二酸化炭素排出ゼロをめざすと市長が述べられています。その一方で、本市ガス事業発電事業を民間に売却するのはつじつまが合わないんじゃないかとの市民からの指摘があります。見解を伺います。

-山野市長
 ゼロカーボンシティは、国だけ、県だけ、市だけでできるものではありません。公もそうですし、民間のみなさんともしっかり連携して取り組んでいかなければできないことだというふうに思っています。公設か民営かということに言及したというよりも、私はそういう取り組みのことを申し上げたところでもあります。今ほど申し上げましたように、公であり民であり、またコミュニティのみなさんのお力もお借りしながら、しっかり取り組んでいかなければいけないものだというふうに考えています。

-森尾議員
 もう一つあります。仙台市がガス事業の民営化に取り組んでおられます。本市のガス事業の6倍となる周辺7市町村、約34万戸に供給しています。先日7日、譲渡先を審査していた民営化推進委員会は、最優秀提案者が「該当なし」とする答申を市長に提出したとのことです。東北電力、東京ガス、地元のガス事業者など4社がグループを組み、応募していたということです。事実上、仙台市のガス事業の民営化は現時点では破綻したと。市長は、こうした事例からも本市のガス事業・発電事業を市民のために活かす方策こそ検討するべきだと考えますが、その見解を伺います。

-山野市長
 仙台市、私も報道で拝見いたしました。公募に応じた企業グループの提案内容が評価をされなかったということを報道で知ったところであります。本市の場合は複数の企業グループが様々な提案をしていただいたうえで、厳密に審査をしたうえで、評価をされたものだというふうに認識をしています。仙台市とは事情が違うことをご理解いただければと思います。

-森尾議員
 本市のガス事業・発電事業の議論を本会議でも度々交わしてきました。今回の議会で、関連する譲渡の議案が提出されています。こういう中で先程のやり取りがあったように、河川法に照らしての問題があったと、違法の事実もあるという事態を迎えています。私はこういう経過からして、このまま関連する議案を議会に審議して議決をいただく、また法律違反や問題があることを知りながら仮契約を結ぶという行為が、果たして行政として、市としてやるべき行為かということが鋭く問われていると思うんです。100年余に渡るガス事業・発電事業の命運がかかったテーマです。私はこの際、市長として、法律上の手続きに従ってまず問題を正すことこそ、今やるべきことではないかと改めて指摘をし、私の質問を終わります。

広田議員

1.新型コロナウイルスワクチン接種費、接種体制充実費について    

○ワクチン接種について

 まずはじめに、ワクチン接種関係の予算案について伺います。
予算書には、円滑かつ効率的にワクチン接種を実施するとしていますが、そもそもワクチンが足りていません。現在、13クールまでの供給量が示されていますが、わたしの試算ですと、本市の接種券送付人数に対し、医療従事者や県の大規模接種に予約可能な19歳から30歳の人数を除いても、供給量がまだまだ追いついていない状況です。改めて、ワクチン供給と接種券送付者数とを比較して、どれくらい足りていないのか、具体的な数字をあきらかにしてください。

-高柳福祉健康局長

 8月26日現在、本市に供給されたファイザー社製のワクチンの供給量ですが、約43万4千回分でございます。これに対しまして接種券発送対象者数は、約40万4千人でございまして、この8割が2回接種すると想定いたしますと、約64万6千回分のワクチンが必要となりますことから、ワクチン供給量との純粋な差につきましては、約21万2千回分となります。ただしこの計算の中には医療従事者の先行接種ですとか職域接種さらに県の大規模接種等が入っておりませんので、ワクチンの不足数を正確に算定することは困難であるということはご理解いただきたいと思います。

-広田議員

 私の試算(100%接種)では、8月30日に13クールの量が来ると見込んだものでしたけれども、医療従事者と先程の19歳から30歳の人数を差し引きまして、確かに職域接種は石川県で7万7830人予定されていますけれども、金沢市でどれだけ行われるのかという情報がありませんので、正確な数字は出てきませんが、この7万7830人という数字を考慮しなかった場合ですと、20万3千回分足りないと、ほぼ同じくらい足りないと見込んでいるのではないかと思われます。
ワクチン供給が少ないということは、市がいくら接種体制があるとしても、予約枠は少ないわけです。接種を希望していても、まだ受けられない方が大勢いらっしゃるのも当然です。特に、市の集団接種の抽選枠は現在、第5回まで申し込みが終わっていますが、4回までは倍率が5~6倍だったと聞いています。集団接種を希望する方がそれだけ多い状況ですから、市が責任をもつ集団接種をさらに拡充するよう求めたいと思いますが、集団接種の今後の予定をあきらかにしてください。

-山野市長

 今ほどご指摘がありましたように、ワクチンの供給量が絶対的に足りない状態であります。ただ、河野大臣は「9月以降は大丈夫だ」ということもおっしゃっておられます。今ご提案いただいた集団接種の拡充につきましては、その供給量を見極めながら、接種の進捗を見極めた上で、必要な時に速やかに対応していきたいと考えています。

-広田議員

 河野大臣を信じるとおっしゃるものの、もし供給量が間に合わない場合であるとか10月末に終わらないということであっても、集団接種を続けるという理解でよろしいでしょうか?

-山野市長

 集団接種はこれからも続けていきたいと考えています。

-広田議員

 今の国からの供給の件ですけれども、市民は本当に様々な現場で少しでも早くワクチンを打って自分も感染拡大に歯止めをかけたいというふうに願っています。しかし、9月中に契約量が入ると河野大臣が言っても、これまでの経過があるので、なかなか疑心暗鬼になっている状況ですけれども、本当に金沢市として国に求めて入ってくることが現段階でどれくらい可能なのか、見通しはどのくらい立っているのか、教えてください。

-山野市長

 河野大臣という意味ではなくて、これまでも国は3月の段階からいろんな決意といいますかをおっしゃっていただきながら、残念ながら延期延期ということがあったことも事実であります。そんな意味ではいろんなシミュレーションを考えていかなければいけないと思っていますけれども、今はやはりワクチンのロジを担当している河野大臣の言葉を信じて、様々な準備をしていかなければいけないというふうに思っています。当然、いろんな可能性があるわけですので、どんな体制にも柔軟に対応できるような準備はしているつもりであります。

-広田議員

 先程来から、国にもしっかり求めるというお話もありましたし、万が一のことも想定しているということがわかりました。あともうひとつは、県との連携をもっと強めてほしい。大規模接種会場なども、金沢市の市民がもっと受けられるようにならないかという声があがっていますが、県との連携はいかがですか。

-山野市長

 県の方は、当然石川県民全体の集団接種会場でありますので、どこどこの市とかどこどこの町を優先するとか、そういうことは考えていらっしゃらないというふうに思っています。金沢市民も多くの方がご利用いただいているというふうに思います。むしろ我々がしなければならないことは、市の会場もあるけれども県の集団接種の会場もあるということをより多くの方に知らせていくことが大切なんだというふうに思っています。

-広田議員

 知らせていくのはもちろんですけれども、もちろん県民対象にですけれども、もっと県にも拡大してほしいということを合わせて求めていただきたいと思います。

2.職場・学校等感染症検査強化費について             

○クラスター防止対策

 続いて、クラスター防止対策の職場・学校等感染症検査強化費のことについて伺います。これはクラスター発生を防止するため、感染者が発生した際の検査体制の強化ということで聞いていますが、クラスターがまず発生しないためには、少しでも早めの検査が必要だと思うのですが、どのようなタイミングでの検査が有効だと考えているのか教えてください。

-山野市長

 同一の職場や学校において、短期間に複数の感染者が発生した場合、まずは感染者同士の接触の程度、さらには感染者が保有するウイルス量等の感染状況をできるだけ早くに把握をして、一斉検査の必要性を判断し、感染の拡大を食い止めていきたいと考えています。

-広田議員

 中央卸売市場での教訓もあってのことかと思いますけれども、この「短期間で複数」というのは何かもう基準を設けているのか、教えてください。

-越田福祉健康局担当局長

 特別な基準、何人という基準は設けてはおりませんけれど、その集団の中で、我々はPCR検査をすると同時に初発の方のウイルス量をある程度予測できます。ですからその方の持っているウイルス量であるとか、あるいは環境ですね、密閉した空間であったとか広い空間であったとかということ、それから年齢等々、感染した場合のリスク等々、そういったことを含めまして、総合的な判断を保健所の方でさせていただいています。

-広田議員

 少なくとも、中央卸売市場ではかなり広がってしまったわけです。あのときの教訓を踏まえて、しっかり早めに総合的に判断するということで求めておきたいと思います。

○学校の対策

 次に、この検査費の予算については学校も対象にしているということで伺います。先日の教育消防常任委員会の発表では、8月15日現在で、62名の小中学生が感染、すでに半月で7月の34名を上回っている状況です。この状況で9月1日から一斉に登校ということで、保護者・関係者の間で心配の声が拡がっている状況です。本市は、保健所として学校開始に向けてどのような対策が必要だと思われているのか、改めて教えてください。

-山野市長

 児童・生徒、さらには家族に発熱等のなんらかの症状があった場合には、児童・生徒は登校を控えるということを保護者のみなさんに改めて学校を通してお伝えしていきたいというふうに思っています。また、感染防止の基本であります身体的距離の確保、そしてマスクの着用、手洗いを徹底するなど、また不要・不急の外出や混雑している場所・時間を避けるなどの、これまで言われてきた基本的なことを、さらに今一度徹底するように、保護者、さらには児童・生徒に伝えていくことが大切なんだと考えています。

-広田議員

 今おっしゃられた対策の中でひとつだけ伺いますが、教育委員会に聞いても、体調不良時などは登校させないよう家庭にお願いするということを5月のまん延防止のときからやっているということですが、保護者に伺うとなかなかその体調不良という判断が難しいと、それで小児科に相談して小児科も大変だったりということが起きています。そこで、やはりこれは学校や保護者任せにせず、学校・保護者専用の相談窓口を保健所として設ける必要があるかと思うのですがいかがでしょうか。

-山野市長

 学校には学校医であったりだとか養護教諭の先生がいらっしゃいます。感染対策に関する相談対応が可能だと思っています。今のところ、保健所に専用窓口を設けるところまでは考えていませんけれども、学校であったりとか個々の問い合わせに対しても丁寧に対応しているところであります。

-広田議員

 養護教諭だけでは大変な負担、そして責任だと思うんです。なので保健所として対応していただくことを検討いただきたいと思います。

 また政府の方で、症状が出てからの抗原検査、簡易キット配布の話も出ています。私は、やはり無症状でわかる定期的なPCR検査の方がよいと思っていますが、この簡易キットはとても扱いが難しいというふうにも現場から聞いています。今後どのように対応していくのか。その際もやはり学校の負担にならないよう取り組むべきではないかと思うのですがいかがでしょうか。

-山野市長

 私も扱いが難しいということはお聞きをしているところであります。昨日のことですけれども、国・県から本市教育委員会に対しまして、小中学校向けの簡易キットの配布等について、連絡がきたところであるというふうに市教委から報告を受けているところであります。今後の保健所としての対応、教育委員会との連携については、今のところまだ決めているところではありませんけれども、しっかりと連携を取りながら取り組んでいきたいというふうに思っています。

-広田議員

 学校だけの負担にならないよう、ぜひ専門機関として保健所が連携していくようにお願いしておきたいと思います。

3.高齢者施設等従事者感染症検査費           

○保育園・学童保育

 次の質問に移ります。高齢者施設等にPCR検査を開始しています。今回は、前回にくらべ通所系サービスも追加されたのは、国の方針・要綱が変更になったからだと聞いています。これは大事な追加だと思うんですが、現在、県内でもおよそ9割置き換わっているデルタ株、これは若い方や子どもたちへの感染が大幅に拡がっているという状況です。なので、保育園や幼稚園、学童保育の現場からも、定期的な検査をやってほしいと求める声があがっているのですが、この必要性についてはどのようにお考えでしょうか。

-山野市長

 この検査は今ほど広田議員もお触れでしたけれども、基本的にはまん延防止等重点措置区域に指定されたことにより行われるものであります。県の計画に沿って行われるものでありまして、現在の県の計画では検査の対象として今ほどありました保育所・放課後児童クラブ等は含まれておりませんのでご理解いただければと思います。

-広田議員

 であれば、県の計画に含まれればやれるということだと思うんですね。通所系サービスなどが最初入っていなかったことを受けて現場から声があがりました。それで国も要綱を見直したという経緯があると思うので、ぜひ必要性を感じるのであれば、県・国に求めていってほしいというふうに思いますがいかがでしょうか。

-高柳福祉健康局長

 今ご指摘がございました通り、保育園ですとか放課後児童クラブへの検査の追加ですけれども、午前中も議論がございました、学校はどうなのかとかいろいろなニーズがあるところでございます。これはやはり新型インフルエンザの特別措置法に基づく制度として今やっているところでございまして、どこまで範囲とするかはなかなか議論のあるところかと思います。当然経費もかかりますし人員もかかります、検査体制も非常に莫大なものが必要だということで、そこはやはり精査しなければならないというふうに考えております。こういったご意見があるというのも県といろんなかたちで意見交換をしながら、また考えていきたいなというふうには思っています。

-広田議員

 ワクチンが不十分であるならば、こちらの感染防止対策を強めていくというのも、私は国・県に要望してしかるべき事項だと思いますので、ぜひ県に協議をお願いしたいと思います。

4.保健所体制強化費について                    

○感染症対応

 次に、保健所の体制強化費について伺います。まず本市の感染者対応の状況ですが、委員会でお聞きしまして、本市では入院が必要な方は入院できていると、そして妊婦さんなどの受け入れ体制もあるということを今週確認いたしました。しかしながら、やはり7月中旬からの感染者増加に対し、県内では自宅療養が最も多くを占めています。多いときでは384名という状況です。本市では、およそ200名の自宅療養者を保健所が毎日電話連絡で健康管理し、今のところ大きな問題は起きていないとしています。しかし、自宅療養中に亡くなるといった事例が全国で発生している通り、そもそも自宅療養はリスクが高く、療養とは言うものの、これまでは入院が前提だったことからすれば、病床ひっ迫によるトリアージとも言えると考えます。また、保健所の役割からすれば、接触者調査や追跡調査などの疫学調査、そしてそれを通じた対策提案の力をもっと発揮してほしいと思っているんです。しかし現在のままでは、保健所の責任と負担があまりにも大きすぎると言わなければなりません。そこでまずは現在、新規感染者の急増と自宅療養者の支援が増えていると思いますが、少ない保健師体制で、どのようにやりくりしているのか教えてください。

-高柳福祉健康局長

 現在自宅療養されている方に対しましては、保健所の方から必ず1日1回経過観察のため電話連絡を行うこととしています。これにつきましては、保健師だけではなく他部署からの応援職員も分担しまして効果的なかたちで担当しているほか、一部を石川県看護協会の方にも委託しておりまして、保健所の負担が増えないやり方をさせていただいているところでございます。

-広田議員

 看護協会さんにもお願いしてなんとかやれているということですが、報道などでは出ていますけれども、本市の保健所の保健師の時間外勤務の状況はどうなっているのか教えてください。

-高柳福祉健康局長

 7月に時間外勤務が月80時間を超えました保健師は10名いました。非常に多くなっている状況です。

-広田議員

 現在、保健師の正規職員が12名で会計年度の方が6名いらっしゃるということで、おそらく正規職員を中心に残業が多いんだと思うんですけれども、10名という圧倒的に多くの方が残業をされているという状況がわかりました。つまり、足りていないということの反映ですし、7月はまだ新規感染者がの増えている最中で、8月になってドッと増えていきますので、8月の残業時間は本当に大変なことになるんだろうと推測されます。

○保健所の体制

 そこで今回、事務の会計年度任用職員を4名増員という提案ですが、これは保健師の業務を少しでも軽減するためだと聞いています。そこで改めて、現在のコロナに対応する保健師を中心とした保健所の体制をあきらかにしてください。

-高柳福祉健康局長

 議員からも先程お話がありました通り、現在保健師の正規職員は12名、地域保健課に配属しております。それから保健師の会計年度任用職員は6名でございまして、その他に事務の正規職員が7名、事務の会計年度任用職員が3名おります。それから医師・管理栄養士なども地域保健課の職員が新型コロナの対応に当たっているほか、庁内各課から、他局からも含めまして多数の応援職員が土・日も含めて毎日従事する体制となっております。それから保健師は、保健所以外にも福祉健康センターや幼児教育センター等にも多数配置されていますので、そういった職員にも交替で応援に入っていただいている状況です。

-広田議員

 コロナ対応が始まった当初からみれば、今おっしゃられたように保健師も増やし、応援体制もあるということはわかりました。しかし、先程もありましたが保健師の5月補正予算での会計年度任用職員増に対して、2人欠員となっていると伺っています。事務の方ももちろん今軽減のために必要なんですけれども、業務の中心が保健師である以上、非常勤の募集をかけて3か月程度人が集まらないのであれば、やはり困難職場であるということもありますので、正職員で今一度保健師を募集して、すぐにでもこの2人の欠員を補うべきではないかと考えるのですが、いかがでしょうか。

-山野市長

 今準備をしているところでありまして、引き続き会計年度任用職員の保健師採用に全力を傾けていきたい、今はそのことに専念していきたいと考えています。

-広田議員

 募集してから3か月来ないわけですよ。報道でも困難な職場だと報道がされ、やはり安定して、これからずっと続けたいと思う人を募集するタイミングなのではないかと私は思うんです。本市はこれまで年度途中で定員増したこともあります。ですので、正職員の定数を増やして募集をかけることを再度求めておきたいと思います。いずれにしても、さきほどの時間外勤務の状況をお聞きしても、保健師のさらなる体制の拡充は必須だと考えます。改めて正規職員を基本とした保健師の増員を求めておきたいと思います。

5.市内事業者の状況とまん延防止              

○市内事業者の現状について

 さいごに、事業者の補償について伺います。今回、国の月次支援金に対する上乗せ制度が本市でも提案されました。飲食店以外の業種への保障は私たちも求めてきたところです。一方、この長引くコロナ禍で市内業者はどんどん疲弊している状況です。まずは市内業者の状況についてですが、7月に行われた片町地区の集中検査の際に、ご案内を897店舗に郵送したところ336の休業・廃業があったと報告されました。それを受けて、片町地区および市内事業者の調査をされたのか、どのような分析をされているのか教えてください。

-山野市長

 897店舗にお送りをいたしました。これはいずれもスナックやバーといったお店であります。そのお店に郵便で案内をした結果、返却されたもの、また電話番号不明なもの、連絡がつかない店舗等々で336店舗あったところであります。詳細なところまで把握をしているところではありませんが、休業や廃業が多いものだというふうに推測されます。

-広田議員

 この件を受けて、何か特別な調査をされたということはあるのですか。

-山野市長

 特にそういうことはしておりません。

-広田議員

 なかなか飲食店を含め事業者の出店と廃業の様子というのはかなり激しいというふうにはお聞きしておりますけれども、コロナ禍でどういう状況なのかということはやはりつかんでいただきたいと思いますし、その中で特に「自粛には補償」という状況がちゃんと作られているのかということを、その実態調査とぜひ現地で要望を聞き取るということを行っていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

-山野市長

 今のところ、スナック・バー等のお店について、電話等々で確認できる範囲ではさせていただいているところではありますが、改めて実態調査を行うというところまでは考えてはいません。また様々な場面におきまして、まさに議会で議員のみなさんを通しても含めてですけれども、多くの方の声をお聞きをしているところでありまして、できうる限りその声に対応できるような体制をとっていきたいと思っています。

-広田議員

 せっかく廃業が300以上あるということがわかっても、その声がなかなか聞き取れないわけですよね。そのままわからないまま廃業していくということになっています。ぜひそういう方を中心に、聞き取り調査・実態調査を行ってほしいというのが要望です。改めて求めておきたいと思います。

○まん延防止緊急月次支援事業について

 つぎに、今回ご提案のまん延防止緊急月次支援事業は、なかなか難しい申請だとお聞きしているのですが、市内のどれくらいの業者の利用を見込んでいるのかあきらかにしてください。

-山田経済局長

 まん延防止緊急月次支援事業の対象は、今回のまん延防止等重点措置の適用による飲食店の時短要請や外出自粛等の影響を受けた事業者であり、経済センサス調査等を参考に約3000件の申請を見込んで予算を計上しております。

-広田議員

 その数字はつまり経済センサスに載っている統計上の数字だと思うのですけれども、市内業者からはこの国の月次支援制度というのは大変複雑で、しかもオンラインだけでしか申請できないということなのでついていけない、あきらめるというお声がよく聞かれます。私たちも精一杯サポートはしていますけれども、本当に難しいです。それで、受けたくても受けられていないという業者も多くいると私も感じています。国のサポート会場はもちろんあるるんですが、それを利用するにも国のホームページでその存在を知らなければならないし、コールセンターに電話をしてIDをもらうというのも、ガラケーでは対応できないとか、スマホを持っているのが前提みたいな状況で、本当にみなさん困っていらっしゃいます。なので、先程この市の制度については窓口で受付もするということでしたが、この国の月次支援制度の最初の導入部分だけでも、ぜひ本市でもサポートを行うよう求めたいと思いますがいかがですか。

-山野市長

 昨年から中小企業等総合応援窓口というものを設けています。これはいろんな相談を受けるところであります。この窓口におきましては、これまでも市の支援制度だけではなく国・県の支援制度につきましても対応してきているところであります。この度、専用の相談支援受付コーナーを設けるほか、コールセンターを開設する予定でありまして、支援金の円滑な申請・交付に向け、国・県の支援制度を含めて相談に応じるなど、丁寧な対応に努めていきたいというふうに思っています。国のホームページのお話もありましたけれども、もちろんホームページも大事なんですが、やはり我々基礎自治体というのは事業者を含めた市民に最も近い基礎自治体でありますので、相談にいらっしゃる方が一番多いのではないかというふうに思います。その場合は、繰り返しになりますけれども、国・県の制度も含めて丁寧に説明させていただければと思っています。

-広田議員

 相談者と歩んで感じた実態とはちょっと違う部分もあったんですけれども、国・県の制度についても積極的に本市がサポートしていただけるということで、期待をしております。どうかよろしくお願いいたします。

2021年7月30日

金沢市長 山野 之義 様

コロナ感染拡大が爆発的に広がる中、緊急対策等の申し入れ (17回目の申し入れ)

金沢市議会議員
森尾 嘉昭
広田 美代
大桑 初枝
玉野  道
熊野 盛夫

 爆発的感染拡大・オーバーシュートが起こり、一日の感染者数が全国で1万人を超え、東京都で、二日間連続で3000人を超え、石川県では、連日、100人前後の感染者数となっています。

 今後の緊急対策について以下の点を申し入れます。

                     記

  1. 石川県は、7月28日県モ二タリング指標として、ステージ4・感染拡大緊急事態を発出し、国に対し、まんえん防止等重点措置の適用を求めました。翌29日本市は、対策本部会議を開き、対策方針を打ち出しました。

 こうした、事態について、市民に情報提供し、県と市、市民が一体となった協力体制を構築  し、感染拡大防止に取り組むこと。

2 爆発的感染拡大・オーバーシュートに対する全庁あげての対策を実施するための体制を作     り、職員から感染者を出さないよう万全の対策を構築すること。また、保健所の業務が増大しています。感染者の急増に伴って、陽性者、濃厚接触者への対応、自宅療養者への指導・支援など人的体制と機能強化に向け緊急の対策を講ずること。

3 コロナ感染対策として、4つの柱、すなわちワクチンの安定供給、大規模検査の実施、十分な補償、医療体制への支援について、具体化し、全集中で対策を実施すること。

具体的な点として

 第一に、ワクチンの確保について、国・県に十分な確保を要望するとともに、9月以降のワクチン確保の状況を医療機関に早く示すこと。

 第二に、PCR検査を広く定期的な実施を行い、無症状で感染している方を早期に発見し、保護・治療に結びつけていくこと。

 第三に、持続化給付金、国民への支援金などを国に求めるとともに、全業種に対する支援策を実施すること。県に対して、コロナ対策認証店への受付・認証を速やかに実施するよう求めること。

 第四に、医療機関では通常医療体制を維持し、コロナワクチン接種の実施、さらに、発熱患者への対応等厳しい事態に直面しています。人的、財政的な支援を講ずること。また、介護施設や児童福祉施設に対して、コロナ感染対策として衛生資材の確保や、清掃などの人的配置への財政支援策を継続・強化すること。

 以上の点を具体化するために、早急に補正予算を組み、緊急議会の議決を経て実施していくこと。

5 教育関連施設での感染拡大防止策が緊急に求められます。夏休みの中、感染予防対策について、あらためて、徹底すること。なかでも、スポーツ交流、レクリエーション、夏の行事に対する対応について、実施の中止を含め、感染拡大防止策を徹底すること。

6 市民に対して、一人一人の命を守り、大切にすることを訴えるとともに、風評被害をなくし、一日も早い普段の生活を取り戻すために力を合わせることを呼びかけること。

               以上

 副市長からは、保健所の体制を拡充をしてきたことや、ワクチンはいろんな予約方法で受けられるようにしていること、飲食店への支援の期間延長を行うことや、教育委員会からは部活などについて各学校に時間を限定したり、試合などはマニュアルに沿った対応を求めていることなどが話されました。

わたしは、日本共産党市議員団を代表し討論を行います。

わが会派は、今回上程されました議案18件のうち、議案第1号令和3年度金沢市一般会計補正予算の1件のうち、城北市民運動公園整備事業費の歳入歳出に反対です。

 その内容は、市民サッカー場の再整備事業として4億1800万円の補正予算が計上された点です。

これまでも指摘してきましたが、市民サッカー場について当初本市は、現在地で再整備するとしてきました。ところが、Jリーグが示す基準からすると移転新築することが必要だとし、建設時には、観客数は1万人だが、将来的には、1万5千人規模に対応するサッカー場に整備すると計画変更してきました。

その後、事業費は基本設計段階では75億円と示されましたが、実施設計段階になると約80億円に増額されたものです。

 そしてさらに財政規模が膨れ上がろうとしています。

 移転先にある本田クライフコートとジュニアスポーツコートを移設・新築、1900台の南駐車場の建設があきらかとなり、合わせると100億円規模になろうとしています。

現在あるサッカー場はまだ使えるものであり、このコロナ禍で多額の費用をかけて移設・新築しなければならない緊急性・必要性はありません。

また、この事業によって、一番影響を受けるのは、ジュニアサッカーの子どもたちです。今のジュニア用コートの場所に市民サッカー場を整備するので、移転ふくめ4年間にわたって使用できないとのことです。サッカーの普及発展という方向からも相反する事業であり、中止・見直しが必要です。

 陳情第9号は、政務活動費の条例改正についての陳情書で、市民オンブズマン石川の代表幹事から提出されました。政務活動費が本来の目的に沿って運用されるとともに、その透明性を確保し、市民からの理解を得ていくことは大切です。さらなる情報公開による透明性の確保や必要な改善が求められます。この陳情が指摘する法や全国市議会議長会が示した内容と本市議会政務活動費の交付に関する条例との整合について検討が必要との点について、その趣旨を理解するものです。よって、この陳情についての議会運営委員会での不採択の決定に反対するものです。

私は日本共産党市議員団を代表して上程されました議会議案第3号子ども政策の充実を求める意見書について、反対です。その主な理由を述べます。18日に閣議決定された「骨太の方針」は、菅首相が創設に意欲を見せる、子ども庁を念頭に、子ども政策の司令塔となる、新たな組織について早急に検討に着手するよう盛り込みました

今、子どもたちはさまざまな悩みを抱え、傷つき、戸惑いながらも懸命に毎日を過ごしています。子どもの思いを受け止め、一緒に考え、希望ある未来をつくっていく姿勢が、おとなに、そして何より政治に問われます。

国連・子どもの権利委員会の声明は、コロナ禍の緊急事態や都市封鎖などを宣言した国で、多くの子どもが身体的、情緒的、心理的に重大な影響を受けていることを警告し、各国に子どもの権利を尊重・保護する措置を求めています。子どもの命や権利を守ることを政治の中心に位置付けることは極めて重要です。 しかし、にわかに浮上した子ども庁の議論は、子どもにとって真に有益で実効性のある施策になるのかは大きな疑問です。そもそも、子どもをめぐる政策が大きく立ち遅れているのは、歴代自民党政権が、解決を求める国民の切実な願いに背を向けてきたからです。その姿勢に根本的な反省を示さず、新たな省庁設置議論は、どんな期待ができるのか、肝心の政策の中身はどうか、そもそも新組織をつくるべきなのかが問われています。子どもが本当に大切にされる社会の実現につながりません

  子どもをめぐる大きな困難の大本にあるのは、自民党政権のもとで拡大した政治と社会のゆがみです。保育所に入れない子どもが後をたたない待機児問題を深刻化させたのは、歴代政権が公立をはじめ認可保育所の大増設を拒んできたためです。少子化が打開できない事態が続くのも、子どもを産み育てることが過酷な社会のしくみが変わらないからです。

 安心して子育てできる雇用のルールづくりが急がれるのに、政府がやってきたのは、長時間労働や非正規雇用を拡大させる労働法制の改悪です。児童虐待についても児童相談所の抜本的な体制強化を図ってこなかったことが問題になっています。子どもの貧困でも、子どもの多い世帯ほど打撃が大きい生活保護改悪を強行するなど、逆行した政策を進めてきました。  これらの問題は、「縦割り行政」の弊害のせいではありません。大企業のもうけを最優先にして、子どもや子育て政策の拡充に必要な予算を確保してこなかった政治の姿勢こそ厳しく問われます。そのことに無反省のまま、新たに省庁設立「こども庁」を持ち出しても期待は持てません。今一度子供を中心に据えた議論を、起こすことが必要だと訴えて反対の討論といたします。

2021年6月21日 金沢市議会議員 森尾 嘉昭

 私は、日本共産党市議員団を代表し、議会議案第2号 東京オリンピック・パラリンピックの開催の中止等を求める意見書の提案理由の説明を行います。

 2020東京オリンピックは、1年延期され、今年7月23日~8月8日、パラリンピックは、8月24日から9月5日の開催が打ち出されてきました。

 ところが、新型コロナ感染拡大は、全世界に広がり、感染者数は、約1億8千万人、死者数は、約400万人にのぼっています。日本国内では、感染者数は、78万人を超え、死者数は、1万5千人近くとなっています。

 イギリスでは、ワクチン接種が広がる中、感染拡大が収まるかに見えましたが、インド型変異株(デルタ株)による感染者が急拡大し、6月18日には、一日当たりの感染者数がおよそ4ヶ月ぶりに1万人を超える事態となっています。

 こうした状況にもかかわらず、菅内閣は、「安心・安全な大会開催」を言い続け、開会式全体の入場者数を2万人程度とすることを打ち出そうとしています。しかし、開催への不安の声は、広がり、専門家からも厳しい提言が出されました。

共同通信社がこの19日20日に実施した全国電話世論調査によると東京五輪・パラリンピック開催で、コロナ感染が再拡大する不安があるとした回答が86%に上りました。東京五輪についても、「無観客開催」40.3%、「中止すべき」30.8%、「観客数を制限して開催」27.2%となりました。

朝日新聞社が実施した19日20日の世論調査によると「中止」「再延期」と答えた方は、併せて62%、予定通り「今夏に開催」は34%とのことです。

コロナ感染拡大を食い止めるには至らず、ワクチン接種もまだまだ進んでいない状況の下で、東京五輪開催自体への不安の声が世論調査にも示されています。

去る18日には、政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長をはじめ専門家有志26人が「提言」を明らかにしました。

 この中で、東京五輪大会が開催された場合を想定していますが、感染拡大の深刻な危険を突き付けたものとなっています。

政府に対し、緊急事態宣言を出す必要に迫られる状況になれば「予定通りに大会を開催することは困難」とし、感染拡大の予兆を察したら強い対策を躊躇なくとるよう要請しています。また、「無観客が最も感染拡大リスクが少なく望ましい」と提言に明記されました。

19日、東京五輪の事前合宿のために、アフリカ・ウガンダの選手団が来日しました。その一人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。現地で、2回のワクチン接種し、72時間以内に受けた検査での陰性証明書を取得していたとのことです。

東京五輪を開催するとなると選手と関係者だけで約10万人が参加することになります。東京五輪組織委員会は、観客や大会関係者など来訪者が一日最大約34万人となるとしました。

感染が全国に広がる危険性が指摘され、巨大なリスクを抱える東京五輪開催を強行してはなりません。

 したがって、感染リスクを少なくし、人々の命を守ることを最優先にする立場から、東京五輪の開催を中止することが求められます。それは、政治の責任だと考えます。

 すでに、東京五輪への参加を見送ったり、出場できないなど選手間に格差が生まれ、フェアーな大会になる前提がすでに失われています。

 よって、この意見書は、

  1. 新型コロナウイルス感染症の拡大が国内はもとより全世界に解消していない中で、東京オリンピック・パラリンピックを開催しないこと。
  2. 感染拡大防止の徹底による医療崩壊の回避や希望者へのワクチン接種の早期完了、生活困窮者や経営不振に苦しむ事業者への救済措置の徹底に全力を傾注すること。

以上を国に求めるものです。 議員各位の賛意を求め、提案説明を終わります。

森尾 嘉昭議員

森尾市議の質問と答弁です。        金沢市議会6月議会 2021年6月17日

児童福祉施設職員へのワクチン接種実施計画を早く示せ (森尾市議)
⇒ 保育士や幼稚園教諭らには優先的に接種券を送る (市長)

-森尾議員

私は、日本共産党市議員団の1人として、以下質問します。

最初に、新型コロナ感染症クラスター対策について伺います。先月、航空高校石川で発生したクラスターは、120名を超える感染者に広がり、県内最大規模となりました。これまでにも、市内では、医療機関、飲食関係や事業所などでもクラスターが発生し、新たに集団生活の施設や、高齢者、児童福祉施設などでのクラスターが発生しています。こうしたクラスターが発生した場合、どのような対策を講じているのか明らかにしていただきたいと思います。

-山野市長

 同一の施設・事業所などから感染者が発生した場合、特に複数発生した場合、本市の保健所が当該施設等の従業員・利用者などを対象に、症状のある方の有無や濃厚接触者の把握を行い、速やかに検査を実施し、感染の広がりを確認しているところであります。感染拡大を防ぐため、感染経路の探索を行うとともに、消毒や健康観察など感染症予防の助言・指導も行ってきているところであります。

-森尾議員

 国が示すクラスター対策は3つ。第一にクラスターの早期発見・早期対応。第二に医療提供体制の確保。第三に行動変容によるクラスター発生の予防・抑止。この3点を示しています。市内にある児童福祉施設での発生に対してどのような対策を講じたのか明らかにしていただきたいと思います。

-山野市長

 まずは保健所によります感染状況調査の実施に加え、施設の休園及び消毒、園児や職員の自宅待機・健康観察を要請するとともに、家族に対して新型コロナウイルス感染が疑われた場合に家庭で注意してほしいことをまとめたチラシを保護者にお配りするなど、家庭内感染の拡大防止にも努めてきたところであります。

-森尾議員

 今回、児童福祉施設関連でのクラスターは20名を超える規模になってきています。関係者からいろいろご意見や提言をいただきました。その中に、児童福祉関係施設の職員に対してワクチン接種を早期に実施してほしいとの要望が寄せられています。今回、市の打ち出した集団接種実施の中で、空きのある場合エッセンシャルワーカーも対象としていますが、全ての方々が接種できる具体的な実施計画を明らかにしていただきたいと思います。

-山野市長

 全ての人というのは今月中に発表したいと思いますけれども、保育士さんであったり幼稚園教諭、また児童クラブの職員のみなさん方に対しましては、今それぞれ名簿をいただきながら優先的に接種券をお送りしたいというふうに思っています。そして今おっしゃっていただきましたように、今は高齢者のワクチン接種を行っているところでありますけれども、いくらか余裕ができつつある医療機関もあるとお聞きをしていますので、そういうところで接種を促していきたいというふうに思っています。また法人によっては嘱託医があるところもありますので、嘱託医の先生とも相談しながらできるだけ速やかにということでお願いをしているところであります。

-森尾議員

 もうひとつ、児童福祉施設でのクラスター発生に対して、保護者などから正確な情報提供を求める声を伺っています。施設と保健所との連携や情報共有が非常に重要ではないかなというふうに思っています。現場への保健師や心理カウンセラーなどの派遣も検討が必要ではないかと思います。今後の対応について、伺います。

-山野市長

 保護者に対しましては、人権や個人情報に注意をしながら、陽性者の数であったり休園機関、その理由、園児の保護者に症状が発生したときの対応などについて、できるだけ細かく必要な情報をお伝えしてきたところであります。施設関係者や保護者の不安の払拭というものは大切だというふうに思っています。ご提案をいただきました保健師や心理カウンセラーなどの派遣につきましても、要請がありましたらひとつひとつ丁寧に対応をしていきたいというふうに考えています。

ガス発電事業譲渡について
市民への説明会開催の要望にこたえる考えはないか (森尾市議)
⇒ 市民団体からの要望があればご説明させていただく (市長)

-森尾議員

次に、ガス・発電事業譲渡について伺います。市民説明会が先月5月4日と10日に開かれ、市長から説明が行われました。市民からは「本市ガス・発電事業は黒字経営なのになぜ民間に売却しなければならないのか」「市営事業として運営されてきたからこそ、市民は安心して利用してきたのに、今回の売却との方針には納得できない」など厳しい意見が続きました。市長はどのようにこうした市民説明会での市民から寄せられた意見を受け止めておられるのか伺います。

-山野市長

 市民のみなさん方の率直なご意見だというふうにして受け止めさせていただきました。また金沢市からは現状であったりだとか将来想定される状況、そして優先交渉権者からいただいている具体的なご提案も説明させていただいたところであります。

-森尾議員

 私も出席いたしまして、市民説明会の中で印象に残ったことは、本市の元幹部からも意見が表明されたことです。「ガス・発電事業も100年の歴史があり、発電事業は当時、市と議会もそして地元をはじめ、市民が一丸として取り組み実現してきたもので、ある意味市民の財産であり、これからどのように発展させていくか慎重に検討してほしい」という発言がされました。この説明会に参加されたある経済人の方から、のちに要請文をいただきました。その中には「どうも譲渡金額も、市の出資割合等も、市あるいは企業局で決裁済のものをそのまま既成事実として進めていくやのものでした」と述べられ、議会として監視等をお願いしたいと綴られていました。市民説明会開催について、予定していた残り3回の日程が示されました。市長は市民説明会について「その回数を増やしていけばと思う」と初日の質問に答えられました。5つの発電所のある地域での説明会や、希望ある地域での開催など、今後の市民説明会開催の要望にこたえていく考えと受け止めましたが、改めて見解を伺います。

-山野市長

 これまでも担当部署の方で、いろんな市民のみなさん・市民団体等々から説明を求められた際には、説明会を開催をして説明をして、ご理解をいただける努力をしてきたところであります。まずは決められている3回をしっかりとやっていきたいというふうに思いますし、今ほど申し上げましたように引き続き市民のみなさん・市民団体から具体的な説明をということをいただきましたら、その都度丁寧にご説明させていただければというふうに思っています。

-森尾議員

 ところが市長。予定していた3回の市民説明会を開催すれば、本市ガス・発電事業の譲渡方針は市民の理解を得られたとして、仮契約を今月末には結ぶということを明らかにしています。そして譲渡関連議案を議会に上程するとしているわけです。議会の決裁を得られれば正式契約となる。これを従来説明されてきました。この点から考えると、あまりにもこの譲渡方針は強引ではありませんか。市民の理解や議会の議論も十分でないまま、こうした譲渡方針を進めることには問題があると私は考えます。そして市民説明会の中で厳しく指摘された、100年に及ぶ市営ガス・発電事業を民間に売却することを実行してはなりません。改めて見解を伺います。

-山野市長

 まん防がありましたので、3回は当初の予定から日をずらすことになりましたけれども、説明会をさせていただいたうえで手続きを進めていきたいというふうに思っています。繰り返しになりますけれども、これまでもこれからも、市民団体等々から説明を求められた場合には説明を重ねることによって、お一人でも多くの方のご理解がいただけるように努めていきたいと考えています。

市長は、東邦ガスの社長と会って、何を話したのか (森尾市議)
⇒ ご挨拶に来られた (市長)

-森尾議員

 東邦ガスについて伺います。2月18日、ガス発電事業譲渡選定先について優先交渉権者を決定しました。その中に東邦ガスが名を連ねています。この東邦ガスに対して4月13日、公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査に入ったことが明らかとなりました。4月30日、本市は東邦ガスを含む優先交渉権者と基本協定を締結しました。5月13日、優先交渉権者による新会社金沢ガス電気株式会社が設立されました。こうした経過をたどってきましたが、そのさなかの4月9日、東邦ガスの社長が市長、あなたとお会いしています。一体どんなことが話し合われたのか、明らかにしていただきたいと思います。

-山野市長

 優先交渉権者に選定されたことによる企業グループのおひとつとして、ご挨拶にいらっしゃいました。安全そして安定供給等々について、さらには地域活動も積極的に行っていきたい、そんなことをお話をいただいたところであります。報道の方も入っていらっしゃいました。

-森尾議員

 4日後の4月13日、東邦ガスに対して公正取引委員会が立ち入り検査に入りました。この件に関わった話しはありましたか。

-山野市長

 ありません。

-森尾議員

 では22日後の4月30日、本市は東邦ガスを含む優先交渉権者と基本協定を結びました。この件の話はありましたか。

-山野市長

 ありません。

基本協定締結前に東邦ガス社長と会うのは問題ではないか (森尾市議)
⇒ 全く問題はありません (市長)

-森尾議員

 市長は、東邦ガスが本市ガス・発電事業譲渡先である優先交渉権者の有力企業であることは十分認識があったと思います。では、本市が基本協定を締結する以前に締結先である企業の社長とお会いすることの是非について、どのような認識をお持ちでしたか。伺います。

-山野市長

 優先交渉権者に決定した後にお会いしたものであり、全く問題はありません。

-森尾議員

 基本協定を結んだのは4月30日。それ以前に東邦ガスの社長と市長がお会いしたんです。公共事業の入札にあたって、契約以前に契約対象企業の責任者と会うことはあり得ません。一方、契約締結前に契約対象である企業の社長と市長が会っていた。これは、入札及び契約手続等にかかわる不当な働きかけを排除するという立場から問題ではありませんか。市長の認識を伺います。

-山野市長

 全く問題はありません。森尾議員も報道で知ったかと思います。報道の方にも入っていただいておりました。全く問題はありません。社会通念上に照らし合わせても全く問題はありません。

-森尾議員

 報道があったかどうかという問題が問われているわけではなく、契約をする相手と契約以前に会うことを問題にしてるんです。4月30日に「金沢市ガス事業・発電事業譲渡基本協定書」を締結しました。市長と6つの企業の代表者1人1人と書面で確認されています。その中に東邦ガスも社長名が記載され印鑑が押されています。これが4月30日に行ったガス・発電事業の譲渡基本協定の締結なんです。優先交渉権者のグループの一つだから会っても問題はない、仮契約を締結するのは別法人だから問題はない、というのは言い逃れに過ぎません。市長は、東邦ガスの社長とお会いし、その後、基本協定の締結を東邦ガスの社長と確認しているではありませんか。弁解の余地はありません。見解を求めます。

-山野市長

 意図していることがよく理解できませんですけれども、社会通念上も全く問題はありません。優先交渉権者が決まった後でありますので、ご理解をいただければと思います。

東邦ガス社長とお会いした際、ガス発電事業譲渡の話はあったのか。(森尾市議)⇒ 安全・安心・安定供給に努めていくとの話があった (公営企業管理者)

-森尾議員

 では、公営企業管理者に伺います。あなたも4月9日東邦ガスの社長とお会いしたとのことです。本市ガス発電事業譲渡についてのやりとりはありましたか。伺います。

-平嶋公営企業管理者

 優先交渉権者に選定された企業グループを構成する立場から挨拶のために来庁されたものでございます。東邦ガス株式会社の方からは安全・安心・安定供給を第一に努めていくとお話があったものでございます。

-森尾議員

 その翌週の4月13日、東邦ガスに対して公正取引委員会が立ち入り検査に入りました。当日、東邦ガスからその件について企業局に連絡が入り、その後、東邦ガスの役員が企業局に説明にこられたとのことです。公営企業管理者は、東邦ガスの社長とは挨拶以外何物でもないとか、優先交渉権者のグループの一つだからお会いしても問題ない、との認識を述べています。自らの対応を合理化する言い訳に過ぎません。では伺います。公営企業管理者は、東邦ガスに対して今回の公正取引委員会による立ち入り検査について、会社自らが調べ解明することを求めましたか。伺います。

-平嶋公営企業管理者

 東邦ガスの方からは、公正取引委員会の調査が入ったということ、それから社として全面的に協力をするということ、突然のことで社としても驚いているといったような趣旨のお話をいただきました。私といたしましては、公正取引委員会の調査中でございますので今後の状況を注視したいというふうに考えています。

東邦ガスが公正取引委員会から独禁法違反の疑いで立ち入り検査を受けた。
重大だ。仮契約締結は、中止せよ。 (森尾市議)
⇒ 資格喪失事由に該当せず、仮契約を行うのは別法人であり、問題ない(市長)

-森尾議員

 市長。4月13日東邦ガスは、公正取引委員会から独占禁止法の疑いがあるとして検査を受けた。その内容は、ガス料金について3社とカルテルを結び、ガス料金を高値で維持してきたというものだとしています。しかも2018年からというものです。重大な内容です。しかるべき調査によって、全容が明らかにされるものと思います。その4日前に、市長や公営企業管理者が東邦ガスの社長と面会していた。その時点では、譲渡に向けた基本協定の締結は行われていませんでした。なぜ、基本協定の相手企業である東邦ガスがわざわざ愛知から市長と公営企業管理者に会いに来たのか。どんなことが話し合われたのか。疑惑が持たれることは避けられません。改めて今回の東邦ガスの問題についてかかわって考えれば、コンプライアンスにかかわる問題が指摘されている企業に本市ガス発電事業譲渡を進めて良いのか、これが問われると思います。市長、どんなふうに市民に、また議会に説明をされるんですか。

-山野市長

 先程来、契約のお話をされていらっしゃいます。募集要項に沿った形で求めたものであります。この募集要項の中にも資格喪失事由が具体的に書かれているところであります。そこには該当しないということであります。また構成団体ではありますけれど別法人になるところでもあります。そういう視点から議会のみなさんに説明を申し上げているところでもありますし、議会のみなさんを通して市民のみなさんにも説明を申し上げているところでありますし、これまで2回の市民説明会に私も出席して説明申し上げているところであります。

-森尾議員

 言い訳と弁明に過ぎません。公的な入札や契約にかかわって、締結する以前に企業の責任者と会うなんてことはありえない。私は改めて、東邦ガスを含む優先交渉権者によって設立された新会社と本市との仮契約締結を中止するように求めたいと思いますが、市長の見解を伺います。

-山野市長

 東邦ガスのことを通しておっしゃっているんだと思いますので、そのことについてお答えをいたします。繰り返しは避けたいと思います。資格喪失事由には該当しない、そして別法人ということもあります。本市の契約上の問題はないということでありますので、ご理解いただければと思います。

退職派遣(81名の市職員を退職させ、新会社に派遣)は、問題だ。(森尾市議)
⇒ 譲渡関連議案が議会で承認されてから退職派遣の手続きに入る。(本市企業局長)

-森尾議員

 退職派遣について伺います。本市ガス・発電事業譲渡先である優先交渉権者が示した運営方針によると、新会社への職員派遣は、1年目(2022年)は81名、2年目(2023年)は55名、3年目(2024年)は29名としています。この派遣は民間企業への派遣となっているので、退職派遣となります。一旦、本市職員として退職することとなります。この退職派遣は「地方公務員の派遣等に関する法律」これに基づく、本市の条例「公益的法人等への職員派遣等に関する条例」があります。この法律と条例による手続きは現時点においては行われていません。本市公企業管理者に見解を求めます。

-平嶋公営企業管理者

 今ご指摘の職員の派遣に係る手続きにつきましては、まずは譲渡の関連議案をお認めいただくことが前提であるというふうに認識しております。

-森尾議員

 法律と国の通達に基づいて、必要な手順として以下4点があります。

①対象法人について条例で定める。
②任命権者と対象法人との間で業務内容を締結する。
③職員に取り決め内容を明示する。
④任命権者の要請に応じ職員が退職する。書面で確認する。

 ところが本市は、新会社との仮契約を結び、議会の議決を経て正式契約になり、その後、退職派遣の手続きを進めるとしています。退職派遣を前提とした仮契約の締結、そして議会議決を進めるのは問題ではありませんか。本市公営企業管理者に見解を伺います。

-平嶋公営企業管理者

 今後、譲渡関連議案をお認めいただければ、金沢市の公営企業労働組合と交渉を重ねてまいりますし、職員に対しても具体的な条件などを説明して意向の確認を行っていくこととなります。したがいまして今ほどご指摘いただきました手続きにつきましては、まずは、繰り返しになりますが譲渡関連議案をお認めいただくことが前提であるというふうに認識をしております。

-森尾議員

 退職派遣は、労働者にとって重大な労働条件の変更となります。労働組合との労働契約の締結、労使協定の締結などが必要だと考えますが、本市企業局の対応についてはどう考えるのか、伺っておきたいと思います。

-平嶋公営企業管理者

 ご指摘の事項も含めまして、交渉内容の確認など、労働組合からの要請に真摯に対応してまいります。

「片道キップ」 = 退職派遣して、本市にもどってきても職場はない。 (森尾市議)
⇒ 勤務条件が不利にならないように配慮する (市長)

-森尾議員

 これまで市長は「私には、本市職員を守る責任がある」と述べられてきました。本市ガス・発電事業譲渡方針によって、81名の職員を売却先となる企業に一旦本市職員として退職して派遣するとしています。その手続きについても、本市ガス・発電事業を売却する仮契約を先に結び、関連議案を議会に上程し、議決がされれば正式契約となる。その後に、退職派遣についての対応を行うとしています。既成事実化し、退職派遣を進めるということになります。これが、あなたの言う職員を守るということですか。見解を伺います。

-山野市長

 組合のみなさんとも意見交換をし、法律に沿った形で対応していかなければならない、そのことが職員を守ることになるんだと思っています。

-森尾議員

 法的には一旦退職をするわけですが、派遣は3年間だと。しかし今回の場合、帰ってきても元のの職はないんですよ。売っちゃうんだから。ガス・発電事業はなくなっちゃうんですよ。これは私は、本会議場でも市長に「これじゃあ片道キップのようなものじゃないか」ということを指摘してきました。今回の内容も手続きも、本当に本市職員の立場に立ったものではないと私は思っているんですよ。市民のために働こうという高い志を持って本市に就職した職員の一人一人のことを、そしてその背景にある生活のことを考えたら、こんなことをしてはいけない、私はそう思うんです。しかも81名ですよ。改めて、この問題を深く考えて対応すべきじゃないかというふうに思うんですが、いかがですか。

-山野市長

 内容も手続きもというお話がありました。手続きは、先程より私も管理者も申し上げたことですので繰り返しになることから申し上げませんけれども、内容につきましては勤務条件等が決して不利になることがないように、十分配慮をしながら取り組んでいきたいと考えています。

ガス発電事業譲渡を中止せよ。 (森尾市議)
⇒ ご理解をいただけるよう努めていく (市長)

-森尾議員

 今回のガス・発電の譲渡問題は、この角度からしても問題があるんですよ。したがって、6月議会に譲渡関連議案の上程ができなくなりました。しかし来年4月から新会社によるガス・発電事業の開始をするとしています。今月末までには新しい会社との仮契約を結ぶとしています。私は、この退職派遣の問題からしても、今回の譲渡はやめるべきだと思うんです。どうですか市長、このまま進めるのでなく、いったんこれまで打ち出してきた譲渡方針を中止して、この問題について大いに議論しようじゃないですか。

-山野市長

 今も議論をしていると私は思っていますし、これからも機会をとらまえてさせていただければというふうに思っています。市民説明会も予定されています。これも繰り返しになりますけれども、市民のみなさまからそれ以外でも要望があれば、これまで通り説明会を重ねていきながら、一人でも多くの方にご理解をいただけるように努めていきたいというふうに考えています。

-森尾議員

 100年にのぼる本市市営のガス事業・発電事業をいとも簡単に大手の企業に売却するなんてことはあってはなりません。本市の市政の歴史からも、議会の歴史からも、こんなことを私は許してはならないということを改めて述べておきたいと思います。

 最後に、市民サッカー場の再整備について、伺いたいと思います。今議会に4億1800万円の補正予算が計上されています。市民サッカー場の再整備について、その目的、全体の事業費、完成予定について、伺っておきたいと思います。

80億円投入・市民サッカー場再整備は中止を。 (森尾市議)
⇒ スポーツを通してまちを元気にしたい (市長)

-山野市長

 現市民サッカー場が老朽化していることは森尾議員もご存じかというふうに思います。観客数も十分に入ることができません。J1・J2の基準にも該当することができません。またサッカー場ができたときには、女性がサッカーを観に来る・サッカーをするという発想が少ないときにおそらくは作られたのではないかと思います。トイレや更衣室もそういうような対応になっていません。そういうところから、スポーツ施設整備計画を立てながら、その必要性の中で対応してきたところであります。北部地区の防災の拠点にもさせていただきたい、そんなところから国のご理解もいただいているところであります。

-森尾議員

 この事業が、今果たして必要なんだろうかという点と、この事業が際限のない財政投入とならないのかという角度から、伺っておきたいと思います。この事業の方針について当局が示した点は、第一に令和3年度に約1900台の南駐車場を整備する。第二に令和4年度から5年度に新たなサッカー場の建設と周辺の整備事業。第三に令和6年度にジュニアスポーツコート等の移設・新築する。こうしています。総額は100億円にのぼると考えられます。いったい、この事業費をどの程度と考えているのか、そして果たして今しなければならない必要性・緊急性はあるのかという点を伺っておきたいと思います。

-山野市長

 サッカー場の建設費は79.8億円を見込んでいるところであります。国の方からも今回補正予算をいただいたところでもあります。ご理解をいただいているんだというふうに理解をしています。スポーツを通して町を元気にしたいという思いもありますし、この時代という表現もありましたけれどもこのコロナ禍の大変厳しい状況だからこそ、地域経済を下支えする一定の公共事業費を確保していくという点からも、大変意義のあることだというふうに思っています。

-森尾議員

 当初、現在あるサッカー場の場所で再整備を行うとしてきました。ところがJリーグが示す基準からすると移転新築することが必要だというわけです。そして事業費は75億円が現時点で80億円に増額されました。観客数は1万人を予定し、将来的には1万5千人規模に対応するサッカー場に整備するとしました。現状においても今のサッカー場は十分使えるのです。改めて、今だからこそこの事業は一旦中止をして、今後の在り方も含めて検討するという方向に転換すべきではないですか。見解を伺います。

-山野市長

 繰り返しになって恐縮ですけれども、アマチュアの大会であってもトップレベルの大会はできません。J1・J2の大会も行うことができません。あとは女性が活用しやすい視点ということ、防災拠点になるということ、そんなこともありまして今回進めさせていただければというふうに思っています。

100億円規模・全体事業について再検討を。

本田クライフコート、ジュニアサッカーコートが4年間。使えない (森尾市議)

⇒ 南総合運動公園の球技場が使える (市長)

-森尾議員

 この事業によって一番の影響を受けるのは、ジュニアサッカーの少年少女たちです。今あるコートが4年間にわたって使えないとのことです。そもそもサッカーの普及発展という考え方からしても、この事業は一体誰のためなのかということが深く問われると思うんです。再検討を求めたいと思うのですが、いかがですか。

-山野市長

 南総合運動公園の球技場が人工芝化されました。天然芝で使える期間が短かったんですが、人工芝化をされたことによって一年中使えることになりました。サッカーであったりラグビー・アメフトのみなさんもお使いいただいているところであります。ぜひそちらも有効に使っていただくことによって対応していただければというふうに思っています。

-森尾議員

 以上で終わります。

大桑議員

-大桑議員 

 質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として以下質問いたします。

 最初の質問は、新しい交通システムに関してです。去る5月25日、第1回金沢市新しい交通システム導入検討委員会が開催され、委員による意見交換が行われました。あと2回の検討委員会が行われた後、本市の新しい交通システムに対応するためLRT・BRTのどちらを導入すべきかの提言が行われるとのことです。しかし、新交通システムの導入については、市民の利用が本当にあるのか疑問視する声が多くあります。そして大きな負担を後世に残すことになるのではないかとの声も聴かれています。本市は職住近接のまちから、郊外へとまちづくりが拡大され、大学も大型店の商業施設も郊外に移り、車がないと生活ができないようになってきました。また、高齢者の運転免許の返納なども進み、ふらっとバスのようなコミュニティバスの増設を求める声が高まっています。2年前に我が党が行ったアンケートの中で市内の交通施策に対して特に、コミュニティバスの拡充を求める声が多く出されていました。既存路線については、バスの路線、本数の充実、バス料金の引き下げなど、切実な声が寄せられています。ふらっとバスの運行を全市、各地域に走らせてほしいという要望は、以前から出されていましたが、本市はふらっとバスの運行を広げようとはしませんでした。コミュニティバスや、地域運営のバスに関しても、現在3コースしか実現に至っていません。郊外に住んでいる市民からは、「郊外にいると公共交通が整備されていないので、病院や買い物に行くにも不便でストレスを感じる」との訴えがあります。そこで、本市が導入する交通システムの主たる利用者は誰だと想定して考えているのでしょうか。また、市民のどれくらいの方々が新しい交通システムを導入することに関心を持っているのか、導入後は広く市民に利用してもらえるシステムになると考えているのか、まずお伺いいたします。

-山野市長

 新しい交通システムについて何点かお尋ねがございました。誰のためのものかということであります。少子化・高齢化は避けることができません。自家用車をご利用されない方も増えてくるというふうに思っております。また、環境問題というものもこれから避けて通ることはできません。そういう意味から、公共交通の重要性というものはより一層、全ての市民・国民にとって大切な視点だと思うんです。ここはご理解いただけると思っています。本市は平成28年度に検討委員会からご提言をいただきました。公共交通の利用促進、また新しい交通システムの導入空間の確保、様々な課題の解決に向けた取り組みを進めてきたところでもあります。都市交通ネットワークの再構築によりまして、金沢市民はもちろんのこと近隣のみなさんもご利用される全てのみなさんにとっても大切なシステムだというふうに考えています。

 広く市民に利用してもらえるのか、ということであります。本市公共交通ネットワークの幹の利便性・効率性の向上を図り、市内公共交通ネットワーク全体の持続可能性を確保していくことが大切だというふうに思っています。市民の理解も必要だと私も思っています。必要な取り組みを行い、多くの方にご理解・ご利用いただけるように公共交通ネットワークを充実させてまいります。

 郊外部での対応も必要ではないかということであります。今回の導入検討委員会は、導入機種の方向性を議論するものではありますが、交通が不便な郊外の路線との関係性につきましては次期交通戦略における大切なテーマだというふうに思っています。引き続き丁寧かつ着実に検討していかなければいけないというふうに思っています。

-大桑議員

公共交通とまちづくりを車の両輪とした施策を考えるとしていますが、市民の生活実態を考えるといかに利用しやすいか、そして、市民の要求にこたえた公共交通を整備できるかにあるのではないでしょうか。本市は、平成29年2月に新しい交通システム検討委員会からの提言の中で、導入に向けて様々な環境整備の検討が必要との課題の指摘を受けました。それから4年から5年が経ったものの、課題を解決するための積極的な施策も見えません。そこで具体的にお伺いいたします。金沢市新しい交通システム導入検討委員会の議論のなかでは、金沢港から有松までの8.9キロメートルに導入する計画ですが、整備事業費はBRTの場合、路そく走行方式で1キロメートルあたり10億円程度、中央走行方式で1キロメートルあたり20億円程度を見込み、LRTならば1キロメートルあたり60億円程度を想定しているということです。単純に距離をかけると、BRTなら89億円~178億円、LRTなら534億円になります。このうち、国からの補助が二分の一あるというものの、本市が負担する金額はBRTら45億円~約90億円、LRTなら約270億円となります。しかし、これには金沢駅東西接続のための費用や車両基地、維持管理費などは入っておらず、それも加えると莫大な予算が必要となってきます。そして、これはあくまでも試算でしかなく、事業費がさらに膨れ上がることも懸念されます。2023年に開業予定の宇都宮市のLRTの場合、総事業費は当初412億円を見込んでいたものの、実際には1.5倍、603億円になったとのことです。このような財政的な問題を、市長はどのようにお考えですか。

-山野市長

宇都宮市のLRTの事例を出されました。社会情勢の変化や安全性・利便性の向上を高めたいということで変わったというふうにお聞きをしているところであります。今回の金沢市の検討委員会では、導入の方向性を示すために有識者を交えての議論を行っているものあり、より具体的な事業内容につきましては今後段階を踏んでさらに検討を重ねていくことになります。

-大桑議員

私は、現在のコロナ禍において優先すべきは市民の生活だと考えます。ワクチン接種が進んでいるとはいえ、新型コロナウイルスがまん延する以前の社会に戻るには数年かかるともいわれています。コロナ禍で倒産・廃業する事業所や職を失われた方々、収入が大幅に落ち込んだ方々などへの補償をまず優先すべきでありませんか。そして今後、少子高齢化を迎えるにあたって、その対策が最も重要ではないでしょうか。大型開発となる新交通システムの導入は慎重にすべきかと考えますが、市長の見解を伺います。

-山野市長

 まずはコロナ対策が必要ではないかということであります。もちろんコロナ対策も大切なことでありますし、これまでも議会のみなさんと議論をさせていただきながら様々な施策に取り組んできました。一方では、これからのまちの将来を見据えた様々な施策も必要だというふうに思っています。この公共交通の充実ということも、活力と賑わいをもたらす都市の装置として大切であるというふうに考えています。今ほど申し上げました、人口減少・高齢化社会、環境対応のまちづくり、持続可能なまちづくり、そういう視点から必要な投資であるというふうに考えています。

-大桑議員

 さらに交通事情に与える影響です。新しい交通システムの導入目的の一つに、現況の交通量を軽減するためとあります。しかし、LRTや中央走行方式BRTとなれば、専用路を確保するために車線を減らさなければならず、かえって交通渋滞を招くのではないでしょうか。2017年答申が出たとき谷本知事は、まちなかの国道157号線は現状4車線で1日3万2千台の交通量があるとし、新システムの軌道として2車線を確保した場合、残る2車線で処理できる交通量の目安は一万2千台だとしています。2万台を減らす手法が問われるとしました。本市は4%の自動車交通削減での試算を示し、これだけの削減で交通状況を維持できるとしていますが、この点について、見解をお示しください。

-山野市長

 都心軸の交通量のことについてお尋ねがございました。本市が行いました交通シミュレーションの結果では、まちなかの自動車分担率を4%削減できれば専用走行空間を確保しても都心軸や並行する幹線道路の混雑度は現状と同程度とされています。まちなかの自動車分担率は徐々に減少をしているところであります。AIなどの新技術を活用した『金沢MaaS』も推進をしながら、またパーク・アンド・ライドの利用拡大も訴えていかなければいけないというふうに思っています。公共交通の利便性向上により自動車の流入抑制に努めていくことがどういう形であろうが大切なことだというふうに思っています。

-大桑議員

 次に需要・収支予測について、お聞きします。LRT導入なら1日に3万~3万8千人が利用して、収支は3億9千万~6億7千万円の黒字、BRTなら1日に2万5千人から3万1千人が利用して4億6千万円から7億円の黒字が見込めるとしていますが、この数値の根拠はどこにあるのでしょうか。お伺いいたします。前にも紹介した宇都宮市のLRTの需要予測は1日1万6千人です。人口は本市が約46万人、宇都宮市は約52万人で、かつ宇都宮市のLRTのルートには中心部だけでなく、工業団地、学校施設が含まれています。それでも現地においては、需要見込みは過剰ではないかとの指摘もあがっていると聞いています。一方で本市のルートは中心部のみです。金沢港クルーズ船の入港以外はどれだけの市民の利用があるのか疑問視する声が以前から出ています。このことから、1日に2万5千人以上の利用者があるとは思えません。もし仮に、利用者のほとんどを国内外からの観光客と見込んでいるのであれば、それは質問の冒頭で述べた誰のための公共交通かが問われます。改めて市長の見解を伺うものです。

-山野市長

 観光客の利用を見込んでいるとするならば本末転倒ではないかということでした。需要予測につきましては、実際のバスの利用者数をもとに将来の人口減少も見据えて見積もった数字であり、現実に即したものであります。新しい交通システムの導入検討に当たりましては、何よりもまずは市民の移動というものを第一義的に考えています。もちろん、来街者の方々も含めた利用者の利便性の向上も大切でありますし、効率的な運行の確保を通じ、本市における公共交通ネットワークの再構築に取り組んでまいります。

-鳥倉都市政策局長

 新しい交通システムにつきまして、市が試算をいたしました需要・収支予測についての根拠についてお答えを申し上げます。収支試算の基礎となります将来の想定需要につきましては、北陸鉄道より提供されました既存バス利用者数のデータをもとに、国立社会保障・人口問題研究所の示すより厳しい人口推計を踏まえ、算定をいたしております。その上で国の財政的な支援措置を活用することを前提に、まずは初期投資を除いた事業者の運行に関する収支予測をお示ししたものでございます。以上です。

-大桑議員

 新しい交通システムの導入よりも、市民が望んでいるのは、郊外やバスの便数が少ない地域に対して、気軽に利用できるコミュニティバスや、乗り合いタクシーなどを導入するなど、本市の財政基盤に即し、かつ市民からの要望に応じた公共交通の整備検討を目指すべきと考えますが見解をお伺いいたします。

公共交通の整備にあたっては、フィーダーバス運行も検討されるとの事でありますが、フィーダーバスとはどういうものなのでしょうか、お伺いいたします。そして、どのように利用するのかもお伺いいたします。このフィーダーバスが、市民が求めるコミュニティバスというイメージなのであっても、都心軸に新交通が整備されないと実現できないというのであれば、市民の求めることではありません。早急に、生活圏域を大切にした、市民の日々の足となる公共交通を考えてほしいと思います。

-山野市長

コミュニティバス・乗り合いバスが大切ではないか。また郊外部におけるフィーダー交通、フィーダーバスのことについてもお尋ねがございました。本市における公共交通ネットワークは、第二次金沢交通戦略に基づき、大きく分けて「まちなかやまちなかと郊外を繋ぐ公共交通重要路線」と「郊外における支線を意味するフィーダー交通」により構成していくとの方向性をお示ししているところでもあります。事例といたしましては地域住民が主体となる地域運営交通、デマンド交通ともよく言われているところでありますけれども、そういうものなどが挙げられるところであります。本市も郊外における移動手段の確保は大切であると思っています。地域運営交通につきましては大浦・川北、内川、藥師谷の3地区での運行を支援し、住民負担の軽減を図りながら、さらなる運行地区の拡大を目指していきたいと考えています。

-大桑議員

また、住民合意を図ることが前提になります。市民合意の形成についてどのように進めようとされているのか。多額の事業費を要する交通システムの計画を市民に知らせる必要があると思いますがどのようにお考えなのかお伺いいたします。あと2回の検討委員会で市民の合意なく機種を決定するというのは行うべきではありません。市長の姿勢をお伺いして、次の質問に移ります。

-山野市長 

 もっとしっかりと議論をすべきだというご提案でございました。導入検討委員会では有識者等のみなさまより専門的な観点からのご提案・ご提言をいただくべく議論をいただいているところであります。この委員会での議論の状況も踏まえ、市民のみなさんの理解を深めることが大切であるというふうに思っています。その方法やあり方についても検討を重ねなければならないというふうに思っています。

-大桑議員

 新型コロナウイルス感染が広がっています。石川県内に適用されていたまん延防止等重点措置は13日までで解除されました。本市の感染状況は、いまだに収まっていません。この間、県は飲食店に時短要請を出し、金沢市のみ時短要請を午後8時までとした所です。5月16日に政府のまん延防止等重点措置の適用が始まり、対応した事業所に、協力金を支出するとしています。 休業要請にこたえた事業所への補償は当然のことであり、重要なものです。また、協力を求めるのが6月13日までとしていますが、今後もまだまだ感染は続くと思われます。コロナ禍で大きな打撃を受けたのは飲食店だけではありません。クリーニング屋さんは、「皆さんが外出をしなくなったので、洋服などの洗濯物が減った」と言い「4月から特に仕事が落ち込み、本来ならば今の時期は夜遅くまで仕事をしているはずだが、午後3時ぐらいには仕事がなくなっている。これでは生活がやっていけない」といいます。飲食店を含めた他の業種についても、継続的な支援を求めますがいかがでしょうか。

 また、商店街で店を構えている骨董屋さんは「冷やかしに店によってくれる人もいない。一日の売り上げが2500円だった。これでは家賃も払えん」と嘆いていらっしゃいます。家賃を払わなければならない所はどの業種も本当に大変です。今後も事業を継続していただくためにも、全業種の実態調査を行い、要望を聴くなどして支援策を考えてほしいと思いますがいかがでしょうか。

 収入減少に伴う事業所の支援に、国の月次支援があります。いろんな業種が適用となります。この支援策に、県も上乗せで支援しているとのことですが、この月次支援の申請方法が難解です。事業者に対して国・県・市の支援策の相談や申請の仕方をサポートする相談窓口を設けるよう求めますがいかがでしょうか。

-山野市長

 コロナ禍における事業者支援について何点かお尋ねがございました。今回だけではなく継続的な支援が必要ではないかということです。これまでも昨年の3月の議会から本会定例議会はもちろんのこと何度かの緊急議会・臨時議会を通して継続的な支援を行ってきました。今年に入ってからも同様であります。特につい1週間、10日前ですけれども5月の補正予算におきましてお認めをいただきました、市独自の支援金の支給、商店街が実施するプレミアム付き商品券の発行など、すでにその予算の可決を受けて動いていただいている商店街のみなさんもあるところでもあります。そのサポートも引き続きしていかなければいけないと思っています。

 関連事業者のことについてもお触れでございました。国においては月次支援金制度を創設されました。本市に相談があった場合はその制度のご紹介もさせていただいているところであります。そして本市は常に県の当局と連携を取りながら進めているところであります。県の6月補正予算案につきましては、国助成金に上乗せをする新たな支援制度を関連事業者向けにも提示されたところでもあります。今ほど申し上げましたように市の施策、県の施策、国の施策、連携を図りながらコロナ禍における経済対策に全力で取り組んでまいります。地域のみなさんの声を聞きながら、議会のみなさんの声を聞きながら、必要に応じてできる限り迅速に対応していきたいというふうに思っています。

 もっともっと声を聞いていくべきではないかということであります。窓口も設けているところであります。こまめに議会を開催しておりますのは、市民の代表である議会のみなさんからも様々な提案をいただきたい、そんな思いからでありまして、引き続き意見交換を重ねていきたいというふうに思っています。そのことがご提案いただきました実態調査よりもより迅速な形で対応できるものというふうに理解をしています。

-山田経済局長

 コロナ禍での事業者の相談窓口についてお答えいたします。本市では昨年の4月末、新型コロナウイルスの国内での感染拡大を受けまして第一本庁舎の2階に金融相談員等を配置しました緊急経済対策総合窓口を開設し、中小企業等からの融資や助成に関わる問い合わせや相談に対応をいたしました。昨年8月からは、コロナ禍において厳しい環境にある中小企業等の経営強化や企業支援等に関する相談にも対応するため、本庁舎の5階に新たに中小企業活性化推進員を配置いたしました中小企業・小規模事業者総合応援窓口を開設し、事業者の相談等に対応をしているところでございます。これらの窓口では必要に応じ市職員が対応する体制をとっており、本市の支援策のみならず国・県の支援制度にかかる問い合わせにも丁寧に対応をしているところでございます。

-大桑議員

 この間中小業者への融資制度は広くつくられていますが、事業者からの切実な声は「融資ではなく給付の支援がほしい」というものです。中小業者が営業を継続していける様、国の持続化給付金の再支給を、国に求めることが必要と考えますがいかがでしょうか。お伺いいたします。

-山野市長

 持続化給付金の再交付を国に求めるべきではないかということでありました。第4波ともいわれる今回の状態でありますけれども、すでに新聞・テレビ等々でもご存じかと思いますけれども、これまでと違って、いやこれまで以上に地域によって、また産業によって大きな差異が出てきているところであります。国の一律の持続化給付金というよりも、むしろ地域の実情に応じた即効性のある対策、私はこちらの方が必要ではないかというふうに思っています。まん防を指定された都市とも連携しながら、引き続き財政支援措置を国に求めていきたいというふうに思っています。

-大桑議員

次に、高齢者の生活の実態をどう支援するのかお伺いいたします。

 コロナウイルス感染症拡大により、外出自粛などで「外に出歩かないようにしている」高齢者の方が多くいらっしゃいます。天気の良い日にグランドゴルフなど楽しんでいる姿や、外のベンチに座って会話を楽しむ姿を見なくなりました。こうした状況が続けば、高齢者は不安感だけが強まってしまう心配があります。特に一人暮らしの高齢の方の生活が気にかかります。内閣府が行った「高齢者が普段の生活で楽しいとしている活動は何か」との調査では、仲間と集まりおしゃべりすること、同じ趣味の人と交際することなどが上位を占める結果が出ています。しかしコロナ禍で、デイサービスを一年以上お休みしている人がいらっしゃるそうです。配食サービスの声掛けの安否確認も配慮しているとの声もお聞きしています。地域の行事もなくなり、外出や対話をする機会も少なくなった今、「高齢の方が精神的に落ち込んでいないか心配している」と支援センターの方が言っておられました。地域包括支援センターでは、特に気がかりな高齢者の方には、自宅への訪問や介護予防チラシなどの投函、などで安否確認に心がけていると言います。民生委員も、見守りが必要な方への声がけを心がけてはいますが、コロナ禍で感染防止の観点から見守り活動はめっきり減ったと言います。そこで、高齢者が孤立化する恐れが高まっていると思いますが、これまで高齢者の見守りについてどのような取り組みを行ってきているのか、お伺いいたします。

-山野市長

 高齢者の見守りについてお尋ねがございました。これもコロナ禍にありましても配食サービスや一人暮らしの高齢者緊急通報システムの運用などを行ってきました。民生委員のみなさんのお力もお借りしております。まちぐるみ福祉活動推進員のみなさんもこまめな見守りを行ってきているところでもあります。引き続き連携をとっていきたいというふうに思っています。

-大桑議員

 まん延防止等重点措置の解除後の地域の支えあい活動、地域サロンなどの再開の考えをお尋ねいたします。今回の新型コロナウイルス感染拡大に伴い、地域での活動も休止になっています。地域有志のボランティアの方が月一回開催している食事会や毎週開かれていたランチなど楽しみにしていた活動でした。コロナで地域活動そのものが機能しなくなってしまう事態になりました。誰もが生活に不安を感じている中で、地域の共助や、ボランティアに頼るところが大きかった高齢者支援ですが、改めて問われています。本市が主体的に高齢者福祉を進めることが何よりも必要ではないでしょうか。本市の高齢者数は総人口の27%になっています。地域や施設など地域のボランティアが担ってきた定期的な食事会などの高齢者の孤立化を防ぐ取り組みについて、今後本市も積極的に協力してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。

-山野市長

 地域サロンはなかなかこの状態の中では開催が難しいとお聞きをしています。本市では社会福祉協議会と協力しまして、感染防止に配慮した地域サロン開催ポイントというマニュアルを策定をし、これまでも取り組んできました。ただ地域の実情によって様々でありますので、工夫を凝らして地域サロンの運営に取り組んでいただけるよう、市としても支援を重ねていきたいというふうに思っています。

 多くの市民団体のみなさんが、本市が出しております福祉ボランティア活動交付金を活用しながら活動を行ってきていただいているところでもあります。その地域の様々な事情もありますので、地域に精通された多くの方たちの実践も尊重しながら、引き続き求められるならば可能な限りの支援に取り組んでいかなければならないというふうに思っています。

-大桑議員

 孤立化とあわせて懸念されるのが、生活の困窮です。ある75 歳パートのかたは「年金だけでは生活ができないので、この年まで働いている。」マクロ経済スライドによって 年金は減らされ、コロナ禍で収入も減っています。そのうえ病気もあり、少ない年金から医療費の負担が大きくなっています。そういうなかで国は75歳以上の医療費窓口負担について、単身世帯の場合年収200万 円以上、複数世帯の場合 320 万円以上の約 370 万人を1割から2割に引き上げる「高齢者医療費2倍化法」が成立しました。2022 年度後半にも実施しようとしています。75歳以上の窓口負担は現在原則1割です。今でも窓口負担は、通院の頻度が高い高齢者におもくのしかかっています。2倍化されれば大打撃は必至です。治療が長期にわたる糖尿病患者などの受診率が抑え込まれ病状が悪化し入院に至ったケースも少なくないとされています。「若い世代の為」という言い分も成り立ちません。今回の改悪で軽減される労働者1人当たりの保険料は月平均わずか33円と計算されています。コロナ禍の中で、重症化しやすい高齢者は感染してはならない、感染を防止しなければと生活をしています。そういう中で追い打ちをかける様に医療費の2倍化、市長はどう思われますか、お伺いいたします。そして「高齢者医療費2倍化法」はコロナ禍でやる施策ではなく、撤回すべきと国に対してきっぱり言うべきだと思いますが、いかがでしょうか。お伺いをして私の質問といたします。

-山野市長   高齢者医療費窓口2倍のことについてお尋ねがございました。持続可能な制度にしていかなければならないという国の考えは、私は理解できるものであります。国の方でも慎重に議論をし、苦渋の決断の中で、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を継続的に次の世代にも引き継いでいくためにご判断をされたと、私は一定の役割を果たすものだというふうに理解をしています。来年の10月以降が施行だと聞いております。当面は負担増を抑える経過措置も導入されますことから、国に撤回を求めることは考えてはおりません。

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