金沢市議会 |日本共産党 金沢市議員団 |14ページ

金沢市議会

森尾議員

-森尾議員

私は日本共産党市議員団の一人として、三つの課題について質問いたします。

ガス・発電事業について

最初に、本市ガス・発電事業の譲渡方針についてです。市長は本議会の提案説明の中で、本市ガス・発電事業について「民間事業者に令和4年度を目途に譲渡したい」と述べました。この問題について私は、昨年の9月と12月議会で取り上げました。12月議会で私は「100年近くにのぼる本市ガス・発電事業について公営事業としての役割は終えたと考えるかどうか」と質問し、市長は次のように答弁されました。「公営企業としての役割が終わったとは思っていません。やはり公的な関与というものも必要だ」と述べました。そこで、市長が述べた公的役割とはどういうものか。その考えをお聞きしたいと思います。

-山野市長

 一番は市民の安心感であるというふうに思っています。あり方検討会の答申の中にも市民の安全・安心の確保、人材や技術力を有する市内事業者の活用、技術・技能の伝承などに十分配慮をし、市として円滑に事業を継承する責務があるというふうに考えています。市からの出資や法に基づく市職員の派遣、経営状況の確認などを通じて、私は市民に安心感を持ってもらって公としての一定の役割を果たしていかなければいけないというふうに思っています。

-森尾議員

 本市企業局が2016年に今後10年間にわたる経営戦略方針を打ち出しました。その中で、ガス、水道、公共下水道、発電、工業用水道の5つの事業について、地方公営事業として「公共の福祉の増進」を本来の目的に、経済性の発揮に努めながら事業の持続的な成長発展に努めてきたと、こう述べています。安定した事業の継続、安価な料金の維持、そして何よりも安全・安心を提供するというのが本来公営事業としての大きな役割だと考えます。改めて市長の見解を伺います。

-山野市長

 ガス・発電事業はまさに市民生活のライフラインであります。安全で安心、そして安定ということが私は大切なんだというふうに思っています。ただ、このことは公営であろうが民営であろうが市民のライフラインの中で私は果たすべき役割なんだというふうに私は思っています。そんな視点も踏まえまして、譲渡先の選定に当たりましても安定供給や保安の確保、サービスの向上に加えまして、ガス料金は一定期間現行料金を上限に設定するなど選定要件として定め、市民の安全・安心の確保を図ってまいります。

-森尾議員

 公営事業としてもう一つ大きな役割があると考えています。地域の雇用や所得、消費の源泉となり、公共発注を通じて仕事出しを行い、いわば地域経済への貢献という点では大きいものがあると考えています。これは利益を最優先し、市場経済のなかでの民間企業とは大きく異なる点だというふうに私は考えます。公営事業として本市の地域経済を支えていると、こういう点も大きな特徴であり大切だと考えていますが、その点は市長のどうお考えでしょうか。

-山野市長

 管工事であったりだとか保守点検であったりだとか、市内の事業者に力を発揮していただいているところでありまして、そのことが地元の雇用の確保であったりだとか経済の循環に繋がっているんだというふうに思っています。譲渡先の選定要件といたしましても、本市に本社をおく新設の株式会社ということを期待をしているところでありますし、積極的な地元雇用の創出も促していきたいと思いますし、市内事業者との連携ということも進めていきたいというふうに思っています。地域経済への貢献に資するということを求めていかなければいけないと思っています。

-森尾議員

 公営事業の民営化が、全国で今なぜ進められているのかという点について。安倍内閣が掲げる成長戦略、いわゆるアベノミクスによる公共サービスの規制緩和、新たな市場を民間に開放するという方針に基づいて、これが進められてきているからです。2016年12月19日、安倍内閣の下で開かれた未来投資会議の第3回会議が開かれました。その中で「民間にできることは民間に」を主張し、郵政3事業や道路公団などの民営化と規制緩和を強く主張してきた竹中平蔵氏が次のような主張をしました。「成長戦略をさらに進めるうえで、『公的資産の民間開放』は最重要テーマだ」として、上下水道を取り上げ、民間への市場開放を行うよう強く求めました。その後、水道事業への民間参入が可能とする法改正が行われ、次々に民間参入が進められてきました。市長。公営事業の民営化は、こうした安倍内閣が進めている成長戦略として『公的資産の民間開放』との方針であると言えます。あなたも、こうした方針に従って進めていくおつもりですか。その見解を伺います。

-山野市長

 昨日も企業局管理者が答弁いたしましたけれども、安倍内閣以前からガスや電気の自由化が進められてきているところであります。法律ができたことによって大きく動いてきたという側面はありますけれども、誰かの内閣だから特別変わったというふうに私は認識はしていません。やはり今回の譲渡の理由は、何度も同じことを申し上げて恐縮ですけれども、やはり法律が変わってルールが変わったということ、そして利用者に対して自由化のメリットを享受できるような環境を整えていかなければいけないということ、そして公正・公平な競争であり共存というものを求めていかなければならない、そういう視点からあり方検討会からもご提言をいただきまして順次手続きを取りながら進めてきているところであります。

-森尾議員

 公営企業管理者に伺います。本市企業局が2016年に今後10年間にわたる経営戦略方針を打ち出しました。その中で「現在企業局が所管する5つの事業(すなわち、ガス、水道、公共下水道、発電、工業用水道)には、公共性及び公益性の確保が求められるため、今後も引き続き企業局が経営する」としているわけです。これは、市民と議会に示した企業局としての基本方針だと考えます。その点、公営企業管理者の認識を伺います。

-平嶋公営企業管理者

 経営戦略はガス・発電を含む5事業の適切な経営を通じまして豊かな市民生活に貢献することを理念として、平成28年3月策定したものでございます。しかしながら、その後のガス電気の小売り全面自由化によりまして、事業を取り巻く環境が大きく変化してきたことから、局内におきまして調査・研究を進めますとともに、今後の経営形態のあり方に関して検討委員会からの答申を踏まえ、両事業を譲渡する方針を固めたものでございます。

-森尾議員

 こうした今後10年間にわたる方針と、今回示された本市ガス・発電事業について民間事業者に譲渡するとの方針とは相容れないものです。とすると、企業局自らが2016年の今後10年間にわたる経営戦略方針は、撤回・破棄したという意味で受け止めてよいですか。

-平嶋公営企業管理者

 ガス発電事業につきましては、あり方検討委員会からの答申を重く受け止め、経営形態の見直しは避けることができないものと考えております。公営民営を問わず、エネルギーサービスを通じて豊かな市民生活に貢献する、そういった基本的な考えというのは共通であると認識しております。

-森尾議員

 議長もお聞きになったように、答弁になっていないんです。私は、2016年に示された方針は撤回・破棄したのか、と問うたんです。答弁になっていないと思うんですよ。改めて答弁を求めます。

-平嶋公営企業管理者

 ガス発電事業を除く3事業につきましては、今もその経営戦略の理念のもとに運営をしております。

-森尾議員

 であるならば、経営戦略方針を見直すためにまた再検討をするというのが本来企業局として取るべき取り組みではないですか。

-平嶋公営企業管理者

 経営戦略2016は、2025年度までの計画でございますけれども、事業環境が大きく変化した場合等には随時改定をすることとしておりまして、ガス発電事業の廃止に伴い必要な見直しを検討することとなります。

-森尾議員

 10年間に渡って公営事業として経営するというふうに打ち出し、これについては議会と市民に約束しておいて、一方状況が変わったと称してあり方検討会を開き、今回の民間事業への譲渡を打ち出すというのは筋が通らない。ならば経営方針について撤回したのかといえば答弁はしない。であるならば、経営戦略方針を見直し再検討するのが筋ではないですか。なのにあり方検討会を作って、今回の「経営については譲渡する」という方針を突き進むというのでは、当初約束をして議会にも示した経営戦略方針というのは一体何だったんですか。改めて求めたいと思います。

-平嶋公営企業管理者

 公営企業を運営するに当たりまして、当然事業の計画を立てながら実施をしていくということは基本であります。ただ先程も申しましたが、事業環境が大きく変化をした場合にどのように対応していくか、それはやはりその時々の状況に合わせて有識者等のご意見もお伺いしながら慎重に判断をしていくことが求められるものでございますので、今回、昨年開催した検討委員会からの提言を重く受け止め、様々な議論も踏まえ、両事業を株式会社へ事業譲渡するという方針を固めたところでございます。それに伴いまして両事業が廃止ということになれば、現在の経営戦略を改定するということになります。

-森尾議員

 ではなぜ、本市が全国初めてとなるガス事業と発電事業をセットで譲渡するのか。この点で、みなさんが示したコンサルタントの報告によると、本市発電事業において、売電価格の見直しにより収益が大きく増加し、事業価値が確保できる。したがって、ガスと発電事業をセットで譲渡すべきというのが、このコンサルタントの報告となっています。この点について、説明を求めたいと思います。

-平嶋公営企業管理者

 あり方検討委員会からの答申におきましても、電力ガスを合わせた総合エネルギー市場が進展する中で、株式会社で両事業を一体運営することによりましてサービスの多様化が図られ、市民サービスの向上やガス事業の営業力の強化、再生可能エネルギーの地産地消等を実現することが可能となるとのご指摘も踏まえ、両事業を合わせて事業譲渡することとしたものでございます。

-森尾議員

 発電事業は5つの発電所、ダムと発電所をもって運営されているものです。そのうちの1つ、上寺津発電所について、新年度の予算でこの発電所のリニューアルをするために10億円の予算が計上されています。説明を求めます。

-平嶋公営企業管理者

 上寺津発電所は運転開始から54年が経過しておりまして、老朽化した水車等、いわゆる発電の基幹の設備になりますけれども、水車等を更新するものでありまして、機器製作に時間を要しますことから平成30年度から当初予算におきまして債務負担行為を設定させていただき、令和2年度までの3年をかけて実施をしているところでございます。

-森尾議員

上寺津発電所のリニューアルは、全体計画で13億3千万円を投じて、今年度10億円の予算を計上し、終了します。本市の発電事業の企業債残高は、現在ゼロです。そして、全国的にも安い価格で売電している契約が令和7年に完了します。その後、全国平均的な価格で売電契約をすれば、現在2億7千万円くらいの黒字が、年間15億円程度の純利益を継続的に確保できるというのが、コンサルタントの示した内容です。こういう状況から考えると、発電事業を民間に譲渡する必要はないんじゃないですか。見解を求めます。

-平嶋公営企業管理者

 発電事業は現在のところ、ご指摘のように経営は安定しております。ただ、国の制度改革に伴いまして電力会社との売電に係る長期契約が終了した後は、一般競争入札へ移行しますことから、売電価格が変動し経営が不安定化するおそれがあると見込んでおります。また、あり方検討委員会からの答申におきましても、電力小売りの地域独占撤廃により、卸供給のみでは地産地量が困難になり、地方公営企業としての役割が希薄化しているということも指摘をされているところでございます。こうしたことから、事業環境の変化に柔軟かつ迅速に対応できる株式会社に事業譲渡することで、事業の持続性の確保に繋がるものと考えております。

-森尾議員

市長、今お聞きになった通りです。市長はこの問題について「スピード感をもって」ことをすすめると述べました。しかし実態は、譲渡を受ける民間事業者が早く譲渡をしてくれと、利益の拡大を進めたいと、こういう民間事業者の希望に応えたものが、市長のいうスピード感ではないですか。本市のガス・発電事業が100年近くにわたって継続されてきました。私は、これは市民の財産であり、次の世代に引き継ぐべきレガシーだと考えています。私は、あらためて今回示している民間企業への譲渡という方針はやめるべきだと考えますが、この問題についての市長の見解を求めます。

-山野市長

 まず誤解があるようですので訂正させてください。私はどこかの企業から頼まれているわけではありません。法律が変わりました。ルールが変わりました。利用者の皆様に、他の多くの自治体と同じように私はメリットを享受させる、そんな環境が必要だというふうに思っています。管理者も申し上げました、これまでの議会でも同じことを申し上げていますので重複は避けたいというふうに思いますが、私はこれは大切な案件だということで議会の皆さんにお諮りをしているところであります。

歌劇座の建替えとまちづくりについて

-森尾議員

 質問の第二に、歌劇座の建替えと街中でのまちづくりについて伺っておきたいと思います。市長は昨年3月議会でこの問題について、「まずは財源の確保を最優先に予算の平準化も図っていきながら十分に時間をかけて検討していく必要がある」との見解を述べました。今回の市長の提案説明では、「金沢歌劇座の建替えにつきましては」と述べ、すでに「建替えありき」という前提から「技術的検討に入る」ことを表明しています。しかし、現在地での建替えとは表明していません。市長の真意を伺います。

-山野市長

 午前中の議論でも出ましたが、提言をお受けをしました。またこれまでの議会でも申し上げておりますけれども、明年度は懇話会の提言を受けまして現地での建替えを念頭に、課題の解決に向けて技術的な検討を進めていきたいと思っております。

-森尾議員

 市長は「先月のあり方検討懇話会の取りまとめ」を自らの方針転換の根拠にしておられるようですが、そこで、この取りまとめの内容について伺います。市長が2月5日に受け取られた文書には次のように記載されています。「3つの機能を満たすため、整備区域等に係る課題の解決を図った上で金沢歌劇座を建替えるべきである」これが、取りまとめた文書となっています。いわば建替えには条件が必要だと明記され、その解決が先だというのがこの内容となっています。そこで、建替えるために解決が先だとするその課題とは一体なんですか。

-山野市長

 あり方検討会から課題の提言をいただきました。ひとつには、整備区域のことであります。高さ制限であったり、敷地内での建物配置等の対応が必要になってきます。ふたつには、周辺エリアにおける位置付けであります。歌劇座があって本多町芸術ゾーンと私は普段から言っておりますが、あのエリア全体の価値向上をどうやって図っていくことができるのか、多くの文化施設、学校もあります。その中であのエリアの価値を図っていくためにはどんなことが可能なのか、そのことであります。三つめには、その他の課題としていくつか挙げられております。ソフトの検討であるとか財源の確保というのも大きな課題だと思っております。そんなことが提言の中でいただいているところでありまして、しっかりと議論していかなければならないと思っております。

-森尾議員

 そこで、建替えのために解決しなければならない課題のうち、ふたつの点をお聞きしたいと思います。ひとつめは建物の高さ規制です。現在この区域では、建物の高さは18mとしています。景観を守るために市民に示してきた高さ規制を勝手に緩和するというのはとんでもないと考えます。第二に、財源の確保の問題です。この点について市長は、建替えには100億円を超える事業費が想定されるというふうに述べていますが、この認識に変わりはありませんか。

-山野市長

 高さのことにつきましては懇話会でもいろいろ議論されたというふうにお聞きをしています。必要な建物の規模を設定したうえで、地下化など規制に対応していく調査検討が必要だと考えています。財源の確保につきましては、100億円を超える整備費が必要だというふうに認識をしているところでありまして、ただやはり大変大きな金額でありますので、予算の平準化であったり財政の健全性を担保できるような整備スキームというものを検討していく必要があると思っています。

-森尾議員

 オペラを上演する機能をもった施設を建設するとした場合に、どの程度の事業費がかかるのかという例として、例えば高崎芸術劇場は、2027席の施設として2019年に建設され、建設事業費は260億円です。熊本市のホールは、2300席で2019年に建設され、投じた建設事業費は303億円です。石川県立音楽堂は、2001年に開設され、邦楽ホール720席、コンサートホール1560席、交流ホールとなっています。建設事業費は250億円です。こうした点から、100億円程度ではオペラを上演するホールは建設できません。市長、改めて見解を伺います。

-山野市長

 100億円程度だとは申し上げておりません。100億円を超えるものだというふうに認識をしております。まだ具体的にそこまで議論をしているところではありません。課題としていただいているところでありますので、しっかり受け止めていかなければいけないと思っております。

-森尾議員

そこで、現在地での建替えが無理ならば、香林坊の日銀が移転した跡地で建替えたらどうかとの議論が起こっています。街中の回遊性を高めるまちづくりだとしています。市長は、この議論についてはどんなふうに思っていらっしゃいますか。

-山野市長

 私のところにも、まじめに真摯に考えられたいろんなご意見をいただいています。現地での地下化ということであったりだとか、今のお話であったりだとか、また人様の地面ではありますけれども別な場所が良いのではないかだとか、いろんなご意見をいろんな方が真摯におっしゃっているというのは良く理解しているところではありますけれども、まず私どもとしましては、私どもが議論をお願いした懇話会、検討会からいただいた案に真摯に対応していくことが、一義的に必要なことだというふうに思っています。

-森尾議員

 金沢歌劇座の問題を巡って、市民からは現在の施設を活用することを望んでおり、建替えという声はあまり聞こえてきません。そこで、この施設が観光会館としてスタートして60年が経過し、市民に親しまれ、利用されてきました。現在の歌劇座は、平成22年に大規模な改修が行われています。現在の歌劇座は、年間32万人が利用し、そのうち学校行事に43%、コンサートに27%となっています。こういう状況からみると、この施設そのものについては引き続き市民に親しまれる施設として、大きな役割を担い、発揮していると考えますが、改めて市長の見解を求めたいと思います。

-山野市長

 ご指摘のように、今も多くの市民の皆さんに利用していただいています。中学生や高校生の合唱であったり、吹奏楽の発表であったり、ママさんコーラスの全国大会でも先般ご利用いただきました。この提言の中にも、やはり市民の様々な文化芸術活動を発表披露する場、さらには交流する場という機能も添えた上でご提言をいただいているところであります。どういう形であろうが、私はやはり多くの市民の皆様にご利用いただける、そういうものが望ましいのだというふうに考えています。

生活保護行政と資産調査について

-森尾議員

 最後の質問は、生活保護行政と資産調査について伺います。

 昨年本市は、生活保護受給者に対して、「資産申告書」なる文書を送り、記載、提出を求めました。これは、いかなる目的と法的根拠をもって行ったのか。伺います。

-山田福祉局長

 資産申告書は、平成27年4月に改正施行されました、国の生活保護法による保護の実施要領に基づき、福祉事務所が生活保護世帯の預貯金等の資産状況を適切に把握するため、12ヶ月毎に提出を求めるものでございます。これに基づき実施をしております。

-森尾議員

 これを受け取った方から、貯金があったら生活保護が打ち切られるのか。意味が分からないし、どのように対応したら良いのかわからない、など不安の声が寄せられています。この「資産申告書」の提出は、任意の協力であり、提出する、しない、によって、不利益が生ずるものではないと考えますが、その見解を伺います。

-山田福祉局長

 資産申告書の提出は預貯金の把握が目的であり、提出されないことが直接生活保護の停廃止に繋がるものではないというふうに考えております。なお、資産申告書の提出は国の実施要領に基づき全ての生活保護世帯に対し求めているものであります。任意の協力ではないというふうに認識をしております。

-森尾議員

 生活保護行政は、法定受託事務として本市社会福祉事務所がその任にあたり、憲法と生活保護法に基づき、進められています。その点で、今回の資産申告書をめぐって、過去の判例や、国の見解について確認しておきたいと思います。最低限の生活を保障するとして支給されている生活保護費から食べるものまで削り、保護費を原資とした預貯金は、収入認定せず、その保有は、認められてきました。これは、1993年4月23日秋田地裁における加藤訴訟の一審判決で示され、その後確定しました。生活保護実施要領にも明記されてきました。こうした点について、本市は、当然認識していると思いますが、見解を求めたいと思います。

-山田福祉局長

 資産申告書の提出により、預貯金があった場合は訪問等により個別の聴取を行っております。その結果、預貯金の使用目的が生活に必要な備品の買い替えや子どもの進学費用など、生活保護の主旨に反しないと認められた場合には、収入とは認識しないと考えております。

-森尾議員

 ところが、本市の社会福祉事務所は、重大な誤りを行いました。本市の生活保護受給者が預貯金を保有していることを理由に、一方的に生活保護を打ち切ったのです。これに対して不服審査請求が行われ、その結果、2015年2月10日、石川県知事は「本市社会福祉事務所長が決定した保護廃止処分の取り消し」を行いました。その後、本市社会福祉事務所は、この方の生活保護を打ち切った日にさかのぼって生活保護を開始しました。手続き的な誤りが指摘されたわけですが、預貯金について、原資が生活保護費などであり、法の趣旨目的に反しない限り保有を認めるというこれまでの過去の判例や厚生労働省の見解に沿った対応を改めて求めたものです。本市は、こうした立場にしっかり立ち、今後の行政にあたらなければならないと考えます。その後、どのような対応が行われてきたのか、明らかにしていただきたいと思います。

-山田福祉局長

 生活保護世帯が保有しております預貯金につきましては、生活保護の主旨目的に反していないかどうか、個々のケースごとにしっかりと精査をして収入として認定するかどうか判断を行っているということでございます。

-森尾議員

 誤りを認めて正していくというのが、取るべき対応ではありませんか?先程示したように、皆さんがとった決定が誤りだったと、知事が皆さんの決定の取り消しを行ったわけです。ですので、この決定について真摯に誤りを認め、法の主旨に沿って行政を運営するという立場に立つべきだと思いますが、改めて伺っておきたいと思います。

-山田福祉局長

 繰り返しになりますけれども、その後は生活保護世帯の預貯金につきまして、いわゆる主旨目的に反していないかどうかということを個々のケースごとにしっかり精査をさせていただき、収入として認定するかどうかの判断を行っているということで、適切な業務を行っているということでございます。

-森尾議員

適切じゃなかったから、知事が処分をしたんですよ。そんな曖昧な対応を取ったらいかんですよ。

生活保護法第61条は、生計の状況に変動があった場合に届出の義務を課していますが、機械的定期的に届出義務を課したものではありません。28条1項には、一般抽象的な調査権限を福祉事務所に認めてはいません。したがって、個々の状況と内容によって福祉事務所が判断をするというのが法の主旨です。そこで、今回「資産申告書」を送り、記載、提出を求めたこの行為は、私は重大だと考えます。資産調査については、法の趣旨に沿って生活保護の申請の際に具体的・個別的な事例に応じて資産状況の把握を行う、これが法の主旨なんです。したがって、本市が行ったように、網羅的に行い提出を求めるというのは、法的根拠はありません。過去の誤りにただして、しかと法とその精神に基づいて運用するというのが法の建前だと思いますが、改めて伺っておきたいと思います。

-山田福祉局長

 生活保護業務は法定受託事務でございます。生活保護法はもとより、生活保護による保護の基準や、生活保護法による保護の実施要領等の基準により、事務を行っておるものでございます。今回、資産申告書の提出につきましては、12ヶ月毎に書面で提出を求めるという国の実施要領に基づき行っておるものでございます。よって、全ての生活保護世帯に対して求めていくということでございます。

-森尾議員  しかも、本市は、この調査書を独自に作成して、網羅的な調査を行う。この行為はやめるべきだ、ということを指摘し、憲法と生活保護法に基づく行政を進めるよう、改めて求めて質問を終わります。

1.新型コロナウイルス対策について

―広田議員

 わたしは日本共産党金沢市議員団を代表して質問を行います。

まずは、新型コロナウイルス感染対策についてです

世界で猛威をふるう新型コロナウイルスは、ここ石川県でも感染者を発生させ、本市でも対応が行われています。まずは、感染された方々やご家族へお見舞いを申し上げます。

 9日に、国の専門家会議が開かれ、「このコロナウイルスは暖かくなると消えてしまうものではなく、半年、1年を超えて対応を続けなければならないと考えている」など長期化する見通しが示されました。翌日10日は、政府が特措法の改定案を閣議決定し、政府の緊急対策第2弾が出されましたが、緊急事態条項を含む特措法の改定案は撤回を求めますし、今やるべきはさらなる予算措置の具体化、国民の暮らしや自治体の検査体制整備への支援です。

政府の対応について

これまでの政府の対応は遅く、と思ったら、突発的に専門家や現場の意見を聴かずに進められてきたことに批判の声があがっています。本市の新型インフルエンザ等行動計画においても国の役割として「医学・公衆衛生等の専門家を中心とした学識経験者の意見を聴きつつ、対策を進める」と書かれています。今、行うべきは「政治決断」ではなく、専門家の知見を踏まえ、現場のみなさんを信頼し、現場の意見聞き、進めるということではないでしょうか。市長の見解を伺います。

-山野市長

 27番広田議員にお答えをいたします。

まず、新型コロナウイルス感染症のことについて何点かお尋ねがございました。

政府の対応についてですけれども、私は、政府はこの様々な状況を把握をし、専門家の方のご意見もお聞きをしながら対策についての基本的な方針を定めてきているというふうに思っております。もちろん、最終的なご判断は総理であります安倍総理が責任を持ってご判断をされたものだというふうに考えています。

休校について

―広田議員

 このような場あたり的な「政治決断」で行った全国一律休校要請について、本市でも不安と混乱が広がっています。首相は、専門家の意見を聴かず独断であったことを明らかにし、政府の結論としては各自治体の判断を尊重するという立場となりました。

 市長は、首相が要請した当初は判断を見送りました。市長が会見で述べた「市民に説明ができない。エビデンスがない」というお考えはわたしも同感であり、全校一斉に休校にする科学的な意義がなく、休校によって生じる影響に無策のままでは、判断に戸惑うのも無理はありません。

しかし、その後市長は首相の記者会見のあと休校を決断しましたが、本市対策本部で決定したプロセスについてあきらかにしてください。

―山野市長

また、一律休校要請につきましての金沢市の措置につきましてお尋ねがございました。本市は国内での感染者が確認された時点で危機管理連絡会議を開催し情報の共有を図ったほか、県内での感染者確認後は新型コロナウイルス感染症対策本部を設置をし、対応を協議してきたところであります。市立小中高校の一斉休業につきましては、当初私は2月28日朝のこの対策本部におきまして、まずは3月2日からの休校はしないと、そして国からの通知、県の対応をみた上で判断をするということを対策本部の皆さんに申し上げた後、記者会見でその旨を伝えさせていただいたところであります。そしてその後、総理の強い思いをお聞きをし、そして総理が政府だけでは対応できない、与野党の協力、国民の皆さんとともにやっていきたい、断腸の思いで決断したということをお聞きをしまして、その総理の思いを受けて施策に取り組んできたところであります。可能な限り現場であったりだとか、学校現場だけでなくて働くお父さんお母さん、企業への影響を少なくすべく、時間的な猶予も持たせながら取り組んできたところであります。そんな思いから今回の市としての休業措置等を決定したものであります。

関係機関や保護者への支援について

―広田議員

5日からの休校で、現場は対応を迫られています。本市は、学校においては特別支援学級や特別支援学校、低学年の受け入れなど柔軟な対応をとりました。学童保育も多くのところが開所や見回りをし、子どもたちのために精いっぱい対応をしていただいています。

しかし、ご家庭によって事情は異なり、学校への送迎ができない、小4でもお留守番がむずかしいなど、さまざまな保護者のみなさんのお声もあります。第一義的な目的は感染を広げないことですが、さらに工夫をし柔軟な対応ができないか求めるものですがいかがですか。

-野口教育長

 学校において、様々な事情があるご家庭へのさらなる柔軟な対応が出来ないかとのお尋ねでした。本市の小学校におきましては、希望に応じて1年生から3年生までの児童を受け入れておりますが、ご家庭の状況等に応じて4年生から6年生の児童を受け入れたり、送迎を保護者以外の方も可とするなど、柔軟に対応しているところでございます。これからも様々なご事情から保護者等からのご希望があれば柔軟に対応して参りたいと考えております。

―広田議員

そのためには、もちろん補助や支援が必要です。学童保育について本市は、通常通りの開所を求めました。しかし、午前から開設した施設もあります。国は、午前中から運営する学童保育への補助額を、全国からの声によって、国が全額負担することとしました。本市もこの補助を使い、午前中からの開所分も含め、満額の財政補助や人的配置を含めた運営支援を行うべきではないですか、見解を求めます。

―山野市長

 放課後児童クラブのことについてお尋ねがございました。臨時休業期間中の各学校において、まずは希望する児童を受け入れ見守っていただくということを小学校低学年でさせていただきました。放課後児童クラブにつきましては原則、通常通りの時間で実施をしていただいているところであります。ただ、これは広田議員もご指摘がありました、地域によって事情がいろいろありますので、児童や保護者等の事情等に応じた開所時間の前倒しについても柔軟に対応していただくよう各クラブに依頼を行っているところであります。午前から開所をしている放課後児童クラブに対しましては、まずは保護者負担を徴収しないということにしたうえで、春休み夏休みなどの長期休業期間中に準じた運営委託費を追加交付することにしているところであります。

ー広田議員

次に、臨時休校で休まざるをえない親御さんへの助成制度が発表されましたが、独自の有給休暇を設けたところしか適応できない、中学生以上は対象外など条件が厳しいものです。またフリーランスの方については、4100円とほぼ半額であり、不十分だと批判の声があがっています。増額と同時に必要な方すべてに行き渡るよう制度改正を求め、また市としても支援する考えはないか伺うものです。

―山野市長

フリーランスの方に4100円、これは余りにも少ないのではないかと、国に働きかけるべきではないかというご指摘がありました。昨日取りまとめられた国の緊急対応策第2弾の中で、雇用調整助成金の対象事業主の拡大、企業や個人との間で業務委託契約を結んで働くフリーランスや個人事業主の保護者に対する給付制度など、各種支援策が示されたところであります。それを受け、本市としてはまずはこの国等の関係機関と連携を図り、情報収集をしっかりと行っていきたいと思っています。そして制度が効果的に活用いただけるように周知広報を行ってまいりたいと思っています。

保健所の体制について

―広田議員

保健所の相談体制について伺います。保健所の相談窓口は、相談センターもあわせて1日100件近くの対応をされ、これまで2000件以上の相談が寄せられています。現場のみなさまには敬意を表すものです。そうした環境から、一般の窓口相談を今週月曜日からコールセンターに委託したとのことです。こちらも丁寧な対応を求めておきます。

しかし、帰国者・接触者相談センターでは本市の保健師が対応を続けていくことになりますが、これまで土日や夜間も対応されてきており、現場の疲弊が心配です。申し入れもしてきたところですが、さらなる人員配置や支援を求めますがいかがですか。

―山野市長

職員が疲弊をしているのではないか、定数の在り方も含めて考えるべきではないかということでした。専門的な知識が必要となる相談には、保健所の保健師等の医療職に加え、福祉健康センター等の保健師が当たり、その他の業務には事務職員等を従事することにより、局をあげて対応する体制を構築しているところであります。保健所内の電話相談につきましては、これまでの職員による対応に加え、新たに委託によるコールセンターを設け、相談体制を強化したところであります。

―広田議員

そして、改めて定数改善を求めたいと思います。本市の保健師数は、中核市の中で人口あたりの数がもっとも少ない状況です。通常の業務でもめいっぱいなうえに、こうした感染症対応となると休日も夜間も返上でのぞむことになりますが、本来の力が発揮できるのでしょうか。保健師の定数を増やすべきです。

―山野市長

保健師の人員配置につきましては明年度以降の人員計画の中で検討させていただければというふうに思っています。

PCR検査について

―広田議員

次に、PCR検査との関係を伺います。保健所での相談はPCR検査の判断が行われるものでもあります。全国的にも検査を受けるのが厳しいと言われ、本市でも相談センターに相談しながら複数の医療機関を受診している例もあり、その背景には各自治体で行われるPCR検査の能力に限りがあると報道されている状況です。石川県では3月6日までに、153件の検査を行ったとされていますが、どのような実態なのでしょうか。

―山野市長

PCR検査のことについてお尋ねがございました。PCR検査は県内分を一括して県の保健環境センターで実施をすることとなっており、その検査能力に余裕があることに加え、今後検査体制が拡充される見込みだとお聞きをしています。

―広田議員

いよいよ6日以降は保険適応で、医師からの検査依頼を行うこともできるようになりました。本市においても、疑いのある場合はスムーズに検査が行えるよう求めますが、どのような状況なのかもあわせお答えください。

―山野市長

保険適用による検査につきましては今後県と連携をしながら体制を整えてまいります。

マスクや衛生資材の不足について

―広田議員

次に、医療現場などで最も切実なのが、マスクなど資材が入荷されないことです。国が生産ラインへの補助を出し供給を増やすとしていますが、いまだ現場ではほとんど供給がありません。医療機関や介護福祉施設など必要なところに行き渡るよう、国や県に働きかけるべきですがいかがですか。

―山野市長

 マスクにつきましては、国が製造や流通関係の業界に増産と流通の円滑化を要求しているとお聞きをしています。今後受給が好転することを期待しているところであります。また、市長会等を通じて国にマスク等の適正な市場供給が図られるように要望をしていきたいというふうに思っています。

―広田議員

  さらに、市が備蓄しているマスクはどれほどあるのか。活用方法を検討するべきではないでしょうか。

―山野市長

 マスクや衛生資材のことについてですけれども、本市では感染症指定医療機関である市立病院分を含め、サージカルマスク29000枚を保有しています。その使途につきましては、未だ供給が安定した状態となっていない状況でありますので、緊急度に応じ慎重に対応していかなければいけないと思っております。

市民の命を守る取り組み

―広田議員

次に、市民の命を守る取り組みとして、低所得者や無保険者、在留外国人を含め、すべての方が必要な検査や治療を受けられるようにすべきです。本市では、国民健康保険においておよそ830名の方が資格証明書となっています。本市は、通常から、資格証であっても受診した際は短期証へ切り替えるよう取り組まれています。しかし、資格証による受診抑制は続いています。今回この緊急事態に鑑み、短期証明書を発行して郵送するよう求めますがいかがですか。 

―山野市長

 国保資格証明書を短期保険証に切り替えることについてお尋ねがございました。本市ではこれまでも資格証明書を交付している者から医療を受ける必要が生じ医療費の支払いが困難である旨の申し出があった場合、特例として短期被保険者証を交付をしているところであります。ただ、緊急に受診する必要が生じたときは、その交付前であっても本来の負担割合で医療機関に受診できることとしているところであります。今回の感染拡大に伴い、医療機関への受診抑制とならないよう、この取り扱いについて資格証明書を交付している方に対し、さらに周知をすることとしており、一律に短期被保険者証を交付することは考えてはいません。

市内経済への対策について

―広田議員

新型コロナウイルスの感染拡大は世界にもそして市内の経済にも大きな影響を与えています。すでに、消費税10%増税が深刻な打撃となり、新型コロナウイルスの影響が加わりました。

本市では新年度、中小企業振興特別資金において新型コロナウイルスによる影響分も対象としました。国の特例貸付同様、無利子、無担保の支援を行うべきですがいかがですか。

―山野市長

中小企業、また雇用調整助成金の拡充のことについてですけれども、まずは国の特別貸付制度につきましては、売り上げが急減した中小企業や小規模事業者向けに政府系金融機関が実質無利子・無担保で融資をするものであり、本市としても市の公式ホームページや金融企業支援相談窓口で周知を図ってまいります。ご提案いただきました、市の制度融資を無利子・無担保で行うことにつきましては、当該制度が市内金融機関と協調して運用しているものであり、金融機関が独自で行う貸付に影響を与えるところから、今のところは考えてはおりません。

―広田議員

雇用調整助成金については、雇用保険に入っていない非正規やフリーランスは対象外でしたが、国会での追及により、生活福祉金貸付に特例を設けることになりましたが、あくまでも貸付であり給付にすべきです。本市独自の給付制度も検討するべきですがいかがでしょうか。

ー山野市長

 生活福祉資金貸付の特例、さらには本市独自のことについてですけれども、これも昨日国の緊急対応策第2弾でフリーランスや非正規労働者などに対し、新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減った際、無利子で最大20万円借りられる生活福祉資金貸付制度の特例措置が設けられる他、フリーランス等の保護者に対する給付制度が示されたところであります。本市としては当貸付制度の実施主体である石川県社会福祉協議会や、受付窓口の金沢市社会福祉協議会など関係機関と連携を図り、まずは制度が効果的に活用されるよう周知広報を行うとともに、引き続き国の動向を注視して対応して行きたいと考えています。

―広田議員

 そして、すでにこのような制度を使わず、本市でも雇止めが起こっている状況です。着実に行き渡るよう早めに周知していただきたいですし、市内業者の実態調査や特別相談窓口を設けるよう求めますがいかがですか。

―山野市長 

 実態調査を把握すべきではないかということでした。本市では先月末から今月初めにかけまして、機械・金属・食品・繊維等の製造業、さらには商店街などに対しまして、新型コロナウイルス感染症に関する影響等について聞き取り調査を行っているところであります。その聞き取りの中では、もうすでに影響を受けている業者、さらには今のところ影響は少なくとも先行きを心配するという不安の声もお聞きをしているところであります。これを機に、企業内の業務改善や人材の確保に積極的に取り組むなど、中期的な視点で捉える企業もありますことから、現在設置しています経済局の金融企業支援の相談窓口等において企業に寄り添ったきめ細やかな助言や支援に取り組んでまいります。

―広田議員          

ホテルや旅館なども深刻です。

市長、宮城県や奈良市では、新型コロナウイルスの影響による経営悪化に配慮するとして、宿泊税の導入を見送りました。市長、本市も宿泊税は一定期間中止するべきではありませんか。

―山野市長

 宿泊税をこの際一旦中止すべきではないかということでした。仮に宿泊税の課税を一時的に中止したといたしましても、宿泊者の増など私はこの段階で見込めるものではないと思っています。加えて、課税の停止及びさらに再開をする際に料金システムの変更、予約済みの宿泊者への対応など、宿泊事業者に多大な事務負担を結果としておかけすることにより、一定期間であったとしても課税中止は私は考えるべきではないというふうに思っています。

―広田議員

これらの経済支援や、一斉休校に伴う支援、保健所の相談窓口へ充実のために、予備費だけではなく、緊急に補正予算を組むべきですがいかがですか。

―山野市長

 補正の緊急予算を組むべきだというお尋ねがございました。同感であります。昨日制度は放課後児童クラブや放課後等デイサービスへの支援を含めた追加の緊急対策を決定されたところであり、市が取り組むべき施策について迅速に対応していかなければいけないと思っています。地域経済の活性化になし得る最善を尽くしていきたいと考えており、宿泊業や飲食業など一部の業種で影響が危惧されますことから、市として必要な対策をできるだけ速やかに取り組んでいきたいというふうに思っています。

2.新年度予算案について

ー広田議員

続いて、新年度予算について伺います。

市長は、提案理由説明の中で、政府の月例経済報告「景気は緩やかに回復している」を引用しました。

しかし、先月17日発表のGDPは大幅なマイナス成長となり、内閣府の景気動向指数は12月の景気の基調判断を「悪化」とし、8月以来、5カ月連続です。景気動向指数の基調判断は雇用や消費、生産などの指標の動向から機械的に割り出されるものであり、政府の思惑で、「景気回復」に固執しても、実態経済は深刻で、市民のくらし、地域の事業者は見通しがない状況に陥っています。

アベノミクスは破綻し、消費税頼みの税制をすすめ、軍事費などは突出する一方、自然増すらも切り捨てる社会保障、地方交付税も減らす、そうした中で、地方自治体は厳しい状況です。

市長も、当初予算については、歳入全体に大きな伸びは見込めず、厳しい財政環境下での編成だとしています。

しかしながら、公共事業には271億円の公共事業規模を維持、ごみの有料化の基金や、宿泊税の基金も取り込んで一般会計で過去最大の1741億円にものぼりました。

過去最高の予算を組みながら、その中身は、大型公共事業、観光についても大手資本誘致と一体となったインバウンドや富裕層目当ての呼び込み型施策であり、市民のくらしや、持続可能な観光、地元の商店、中小企業対策など、地に足のついた予算とはなっていません。

大型公共事業については、老朽化や耐震化に伴うものは必要です。しかし、全体で100億円ものサッカー場建設、クルーズ船誘致に伴う金沢港整備、まだ使える建物を壊し立て替える学校、図書館建設、そして市民の声なき歌劇座の立て替え検討など、不要不急の事業であり、見直しが必要です。

呼び込み型事業のほころび

そして、呼び込み型事業にはほころびが見られます。

金沢駅西口では、市長自らが市民の土地を安く大手企業に売り渡しました。6月オープンとのことですが、富裕層向けの外資系ホテルやマンションが中心なのかと思っていたら、大規模な商業施設がセットで、1階2階で飲食や物販など計34店舗もある複合開発プロジェクトであったのだと知りました。北陸3県や観光客をターゲットにした集客が見込まれます。

しかし、本市は都心軸活性化と称し、片町や香林坊の出店に多額の補助金を出し、竪町を中心に各商店街にも家賃補助をして、商店街とともに取り組んできたのではないですか。片町の再開発では数十億もの市税を投入しています。市長、市長自身が誘致した事業がそれらの脅威となっていきますが、見解を求めます。

―山野市長

現在整備中のクロスゲート金沢のことについてお尋ねがございました。ホテルを核とする複合施設、クロスゲート金沢の開業には、国内外の富裕層を始めとした多くの方々にお越しいただくことで経済効果ももたらすこともできますし、本市のブランド、ステータスも高まっていくものと考えています。その効果は広域からの集客や買い回りなど街中商店街や店舗へも波及をしていくものと期待をしており、今後とも商店街の方々と意見を交わしていきながらまちの魅力を高めるとともに、受け入れ環境の整備、回遊性の向上など積極的に取り組んでまいります。 

ー広田議員

ほかにも、観光客を目当てにホテルや飲食店の出店が続いていますが、これらも県外資本が多く、利益が外に出てしまうと専門家からも懸念がされています。

本市は、県外の大手資本、チェーン店で塗り固めた町になりつつあり、本当に市長の言う「個性際立つまち」と言えるのでしょうか。「元気で活力あふれるまち」ではなく、富裕層と観光客を目当てに大手資本がもうけるためのまちと化してしまったのではないでしょうか。

市民のくらしや地元企業応援への転換を

その一方で、市民生活は大変です。実質賃金の減少、少子高齢化は止まりません。地方創生と言っても、移住相談会は「さくら」の存在が報道をされ、首都圏への若者流出は止まりません。旧市街地は空き家が増え、コミュニティが保てなくなっています。

大手資本誘致と一体となった呼び込み型施策や不要不急の大型建設予算ではなく、地に足のついた予算編成、市民のくらし、地元企業応援で、市民一人一人が経済力をもって豊かに過ごせる市にするための方向に転換すべきではないですか伺います。

―山野市長

 もっと地元事業者を応援すべきではないかという主旨のご提案をいただきました。本市の公共事業は将来に向けた街の発展基盤、生活に身近な社会資本として整備してきており、地域の活性化や市民生活の向上に繋がる必要不可欠な政策であります。一方、地元の中小企業者に対しましても資金繰り、円滑化、後継者育成、企業支援に努めるなど、きめ細やかな支援に取り組んでいるところであり、市としてどちらの施策も均衡を図りながら積極的に取り組むことが大切であるというふうに考えています。

中小企業支援を

―広田議員

具体的に伺います。まずは中小企業支援です。

本市の企業のうち中小企業は99.6%であり、本市経済の根幹をなしています。しかし、この間、企業数は減り続け、現在は消費税増税やキャッシュレス対応、コロナウイルス、など対応を迫られています。

本市は、昨年中小企業振興・経営強化懇話会を設置し報告書も出されていますが、新年度予算では、あらたな分野や起業については支援を打ち出していますが、これまでがんばってきた中小業者をどう支え、育てていくかが見えません。

とくに、今年度の中小企業の資金繰り支援については、4300万円ほど。昨年度は5000万円であり、消費税増税が通年化されているのに、なぜ減らしたのか。もっと支援を充実すべきではないでしょうか。

―山野市長

 金融対策のことについてお尋ねがございました。本市では金融に関する相談窓口を開設をし、専門員による相談や助言指導を行っており、その内容に応じ政府系金融機関、地元の金融機関、県の信用保証協会、それらと連携をし、経営安定化に向けた資金繰りの支援を行っているところであります。ご指摘の予算額の減額につきましては、景気の緩やかな回復基調を受け、中小企業が過去に借入した景気対策分等の残高が少なくなったものであり、新規融資分につきましては例年同様83億円を確保していることから、今後とも金融機関等と協調し、きめ細やかな中小企業への金融対策へ取り組んでまいります。

子育て支援を

―広田議員

次に子育て支援についてです。

本市は、第二次金沢版総合戦略の基本目標の1番で、「若い世代に優しく、子育ての喜びを分かち合うまちをつくる」と掲げています。しかし、その中には「市の外郭団体と連携しイベントを開催し、 結婚や子育てに関する意欲の向上を支援する」とありますが、結婚や子育ては意欲で解決するものではなく、経済的な障壁をとりのぞくことが求められています。

地に足のついた取り組みが求められるにもかかわらず、本市は来年度も県内で最低の子ども医療費助成制度を続ける予算となっています。

子ども医療費助成が中学生までなのは県内で本市だけですし、窓口負担が残っている市町もわずかです。この窓口負担は、ひとり親世帯の窓口負担にも連動しています。

対象年齢を18歳まで延長し、窓口は無料にするべきですがいかがですか。

―山野市長

 こどもの医療費のことについてお尋ねがございました。子育てをしやすい環境を作っていくためには、こどもの医療費の助成だけでなく様々な施策を取り組み合わせていくことが大切であると思っております。施策の充実を様々な面から取り組んでいるところであります。こども医療費の助成に関しましては、安定した制度運営と適正な受診を確保するためにも、今のところ助成対象の拡大、窓口負担の無料化は考えてはおりません。

保育について

―広田議員

保育についてです。新年度から通年で行われる保育料無償化によって、これまで本市が保育料を据え置くための費用およそ2018年度17億6千万が、2020年度は5億7千万円と大幅に減りました。その浮いた財源は、保育料無償化のあらたな市費負担分を差し引いたとしても残るはずです。保育士の処遇改善など保育の充実のために使うべきではないでしょうか。見解を求めます。

―山野市長

 子育て応援予算のことについてお尋ねがございました。幼児教育・保育の無償化に関連してご提案もいただきました。国の徴収基準額より低く設定していることに伴います本市保育料の市費負担分は減額となりますが、保育所や認定こども園に係る運営費が増加するとともに、新たに幼稚園や認可外保育施設の保育料、利用料相当分を行政が負担することになることをご理解いただければというふうに思っております。今年度は保育士の負担軽減を図るために保育の周辺業務などにあたる補助者の配置、市内の保育施設への就労促進などを目的とした保育士の宿舎の借り上げに対する支援制度も新設をし、こちらは大いに活用をいただいているところであります。明年度におきましても、施設整備に対する支援制度を拡充をいたしました。潜在保育士の掘り起こしや仕事の魅力発信など、保育人材の確保策も進めていきたいと思っております。そういう様々な施策に取り組むことによって、保育士の処遇改善など保育の充実を図っていきたいと考えております。

学童保育について

―広田議員

学童保育については、新年度予算で施設の改修や指導員の処遇改善など予算の強化がされました。しかし、新年度の事業計画では、市の把握を超えた待機児を見込んでおらず、現場からは待機児を解決できないと不安の声があります。

そんな中、市長は突然、提案理由説明の中で「学校法人とNPOに受け皿を拡大する」と表明をしましたが、委員会で報告された新年度事業計画案に、その方針は一文もありませんでした。

一体、いつどこで運営主体を拡大する方針を決めたのか。先月19日の子ども子育て審議会で議論がされ全体の了承を得たものなのか。なぜ、学校法人とNPOなのか。学童保育は、これまでの運営形態では実務的に難しいことも指摘されていましたが、その解決や求められる支援も行われないまま、突然、あらたな参入を認めるのはあまりに短絡的ですし、競争原理によって既存のクラブが脅かされる心配もあります。具体的にあきらかにしてください。

―山野市長

放課後児童クラブを新たに学校法人やNPOに拡大することについてのお尋ねがございました。待機児童が地域によっては放課後児童クラブにつきましては発生していることに加え、今後も利用児童数が増える見込みであると思われています。施設環境や受け入れ児童数に地域間の格差があるなど課題もこれまでこの本会議場におきましても指摘をされているところであります。ただ金沢市はこれまでも地域の社会福祉協議会や地域の社会福祉法人が地域の実情に即した運営を行っていただいています。こどもたちの保育環境をより高めるために、金沢市児童クラブ協議会と協議を行った結果、利用児童の増加などにより既存クラブでの運営が難しい場合には、地区の社会福祉協議会の了承、皆さんのご理解をいただいた上で、幼稚園などを運営する学校法人、子育て支援事業などを実施しているNPO法人に運営主体を拡大をしていきたいというふうに考えています。

国民健康保険について

―広田議員

国民健康保険についてです。

今年も県が示した標準保険料はあがりました。

本市は今回、全体で4億7千万円の負担の抑制を行ったとしています。しかし、モデルケースでみても、保険料が年収にしめる割合は多く、年収500万円の妻夫子二人では、年間60万5千円と12%もを占める状況です。

基金も予算上25億円以上残っており、保険料を減らすために使うべきですがいかがですか。

―山野市長

 国民健康保険料のことについてお尋ねがございました。財政調整基金につきましては、これまでも子育て世帯等に配慮をし、保険料負担の軽減を図るための繰り入れを行ってきたところであります。今後の国保の財政は、被保険者の高齢化の進展に伴う1人当たりの医療費の増加などにより、厳しい状況が見込まれます。保険料の引き上げが必要となった場合におきまして、急激な引き上げとならないように、負担緩和の財源として効果的な活用を図っていくこととしており、さらなる保険料の引き上げに使用することは考えてはいません。

―広田議員

そして、本市は来年度もまた法定外繰り入れを減らしています。国は保険者努力支援によって、自治体の法定外繰り入れをやめさせようとしますが、それに従うのではなく、国の負担こそさらに求めるべきです。ほかの保険にはない赤ちゃんにもかかる「均等割り」をなくすため、国へ強く声をあげていただきたいと思いますがいかがですか。

―山野市長

 こどもの均等割り保険料の軽減についてお尋ねがございました。これは被保険者の保険料の負担を緩和するには、国の責任ある財政措置が不可欠であります。今後とも引き続き全国市長会、さらには国民健康保険中央会を通じ、国庫負担の拡充、こどもの均等割り保険料を軽減する支援制度の創設などを国に強く働きかけてまいります。

介護保険、高齢者施策について

―広田議員

介護保険など高齢者施策についてです。

介護保険料は低所得者層の保険料は消費税による影響緩和で引き下げられましたが、本市の介護保険料は依然として高い水準のままです。年金も目減りし、高齢者の暮らしは深刻です。引き下げるよう求めますがいかがですか。

―山野市長

 介護保険の保険料についてですけれども、介護保険料につきましては法令に基づき3年間のサービス給付費を推定して算定をしているところであります。来年度までの今期介護保険事業計画中の引き上げを行うことはありません。

―広田議員

次に新年度予算でついに、県が65歳以上心身障がい者医療費の窓口無料化を打ち出し、10月から実施するとしたことについてです。市民のみなさんと求めてきたことが実現しますが、本市はどのような実施計画をもっているのか、あきらかにしてください。

―山野市長

 また、心身障害者医療費助成の県の対応についてのお尋ねがございました。障害のある65歳以上の方への医療費助成の現物給付化につきましてはこれまでも石川県市長会を通しまして県に要望をしてきたところであります。県は明年度の当初予算において、本年10月からの現物給付化を決定をしていただいたところであります。本市といたしましても、今後県と連携、歩調を合わせながら、導入に向けた準備を進めてまいります。しっかりと取り組んでまいります。

3.公的な役割の維持を

ガス・発電事業について

―広田議員

まずは、ガス・発電事業についてです。市長が昨年の6月にあり方検討会に諮問をし、わずか4回で、「民間への譲渡が適当だ」と答申が出されました。その方向性でパブリックコメントが行われ、議会の議論も経たとして、先月の常任委員会でパブリックコメントの結果とともに、「民間譲渡する」と記した基本方針案が出されたわけです。

しかし、公営事業である以上、拙速なやり方は許されませんし、市民の声をしっかり聴くことが大前提です。

その点でまずは、パブリックコメントについて伺います。

パブリックコメントは6万件の世帯や事業所に直接送付したこともあり、701件もの返答がありました。

その回答に対して本市は、推進、維持、不明と分類をし、推進派が公営維持派を上回ったというような説明をしたのです。しかし、パブリックコメントは賛否を問うものではありません。市は、数が多く意見を整理するためと言いますが、過去5年間の結果をすべて振り返っても、一度もそんなケースはありませんでした。そして701名分すべて拝読しましたが、賛否を判定できないものが大多数です。市が民営化の方向に議論を誘導するために使ったとしか考えられません。もし賛否を問いたいのであれば、再度、市民全体に周知し賛否も含め問い直すべきではないですか。

さらに、このパブコメで気づいたこと。それは、企業局に対して、民営化への批判はあっても、日頃の業務に対しては「本当にいつもよくしていただいている」「このままでいてほしい」と公営企業への期待と感謝の言葉が並んでいます。市長、お読みでなければぜひこれらすべてに目を通してください。そして、一度方針を撤回し、まずは市民に説明からはじめることを求めますがいかがですか。

―山野市長

 公的役割のことについて、まず、ガス発電事業の民営化についてお尋ねがございました。ガス発電事業は市民生活や産業活動の発展を支えてきた大切なライフラインでありますことから、あり方検討委員会からの答申に基づく検討内容につきまして広く意見を聞く必要があると考え、パブリックコメントを実施いたしました。多くのご意見をいただいたものでありまして、参考までに、検討案推進と両事業とも公営維持とする意見者の状況を合わせてお示しをしたところであります。いただいたご意見はいずれも私も拝読いたしました。真摯に受け止め、事業譲渡に向けた基本方針に反映をしていきたいというふうに考えています。パブリックコメントは今ほど申し上げましたように、市の広報やホームページだけでなく、すでに都市ガスや簡易ガスの利用者にも呼びかけ、広い意見をお伺いしたいということで努めてきたところでもあります。検討委員会からの答申、これまでの議会での議論、パブリックコメントの結果等も踏まえて、ガス発電事業に合わせ新設の株式会社に譲渡をすることが、市民サービスの向上に資するものと決断をしたところであります。

市立病院について

―広田議員

次に市立病院のあり方検討会についてです。出された提言では独立行政法人化、現地からの移転が求められています。しかし、独立行政法人化は、独立採算を要求され、サービスの引き下げや職員の勤務条件を引き下げるものであり、自治体病院の機能を維持するうえでは行うべきではありません。また現在地からの移転は地域住民や患者さんに大きな影響を与えます。患者さんや地域住民のご意見をしっかり聴くよう求めますがいかがですか。

―山野市長

 市立病院のことについてですけれども、今後の方向性につきましては、昨年度から2年間に渡り今後の在り方検討会でご議論をいただき、提言を先般いただいたところであります。建て替え場所や独立行政法人化につきましては、その提言の内容も踏まえ、課題も合わせてご提示いただいたところであります。その課題点等を整理して行く中で、市民、そしてなんといっても現場で働く病院職員の声にも耳を傾けていきながら、さらに検討を重ねていきたいと思っています。

市立保育園のあり方について

―広田議員

新年度予算ではじめて「市立保育園のあり方検討費」が盛り込まれました。この間の「あり方検討会」と名がつくものは、「民営化」につながるものが多いので大変心配です。公立保育園も民営化ありきで議論が進められるとすれば許されません。まずは、どのような検討が行われるのか、あきらかにしてください。そして、公立保育園の役割について市長はどのように受け止めておられるのか、あわせてお答えください。

―山野市長

 市立保育所の検討会ですけれども、金沢市立保育所の多くの築年数は、45年を超える施設が半数を占めるなど、老朽化が進んでいる状況にあります。将来を見据えた改築や移転等についての方針を定めていきたいというふうに思っています。私は毎年、金沢市立の保育所全て回らせていただいて、いろんな意見交換をさせていただいているところであります。多くの保育士さん、園長先生とお話するんですけれども、やはり老朽化のことについて言及をされる方が多くいらっしゃいます。あわせて、場所によっては周辺道路や河川の状況など、地理的条件についても不安をお持ちの園長先生、所長先生が多くいらっしゃいます。地域毎に様々な保育事業の推移を踏まえた対応も必要と考えており、学識経験者や保育関係者に加え、地域の声を聞くなど、幅広く意見を聞きながら進めていきたいと思っています。公立保育所の役割のことについてですけれども、一般的に統合保育の実施や、配慮を必要とする家庭のこどもの受け入れなど、セーフティネットとしての役割が求められていると思っています。民間施設が多い本市において、市立保育所が果たす役割は私は極めて大きいと思っています。また市立保育所での保育業務等を通じ、職員を継続的に育成することで児童相談所や幼児相談所における相談支援業務の他、明年度開設いたします幼児教育センターで行う幼児教育・保育の質のさらなる向上のための取り組みに対応できる人材の養成にも繋がっていると考えています。

4.ごみ処理、環境施策について

東部環境エネルギーセンターの延命化について

―広田議員

第6期ごみ処理基本計画の中で、これまでごみ有料化の目的としてきた、東部エネルギーセンターの建て替えが突如「延命化」と打ち出されました。

市長は29年の3月議会で、「この時期に家庭ごみ有料化議案を提出したのは、何といっても東部環境エネルギーセンターの立て替えのことがある。基幹的改良工事によって平成39年度までもたせる手立てをとっているが物が物だから」とし、市民の中にはそれなら仕方ないと思った方もいるはずです。

ところが、平成39年度に新施設へ移行するには、来年度は環境アセスメント調査が必要でしたが、環境アセスどころか延命化が打ち出されたのです。

12月の答弁では「今ある施設を少しでも長く大切に使ったうえで建て替えを検討することは将来世代の負担につながる」としました。それでも、39年度に使えなくなるのにどうするのだろうと思い調査したところ、家庭ごみが減り、西部環境エネルギーセンターのほうへ多めにごみを運んだ結果、東部の焼却炉の痛みが少なくなり、延命化できるとしたそうです。であるならば、それはごみの有料化以前に計画できたことではないですか。方針が変わったことについて具体的に説明を求めます。

そして、もちろん焼却炉が減ることは環境にとってもよいことですが、今後東部環境エネルギーセンターをどう位置付けていくのかあきらかにしてください。

―山野市長

 東部環境エネルギーセンターのことについてお尋ねがございました。第6期ごみ処理基本計画においては、第5期同様、ごみ量やごみ質に合わせた、適正で効率的なごみ処理体制の再構築を掲げており、その方針は変わっていません。東部環境エネルギーセンターの将来的な建て替えの必要には何の変わりもありません。ただ、ここにきて、市民の皆さんが大変真摯に取り組んでいただきました。当初見込んでいたごみ量の平均削減率14%という全国平均は、ここで何度も申し上げていますけれども、今のところまだ2年あまりではありますけれども、現状約20%となってきました。またこれは広田議員からもこの議会で何度も、事業系ごみの減量のことについてもご提言もいただいているところであります。全く同感でありまして、明年度から事業系ごみの減量化・資源化にさらに重点的に取り組むことによって、焼却炉の運転負荷がさらに軽減することができるのではないかというふうに思っています。東部環境エネルギーセンターのより一層の延命化が可能となってくるのではないかというふうに思いますし、そのことが将来世代に対する負担を減らすことにも繋がってくるものだと思っています。東西ふたつの環境エネルギーセンターで効率的な運転に努めながらごみ処理を行っているところであります。第6期ごみ処理基本計画におきまして、東部環境エネルギーセンターは必要な施設であるとも捉えています。今後とも、市民・事業者と協同により、減量化・資源化に取り組むことによって一層ごみ量を減らし、施設のコンパクト化を図ることで将来世代の負担軽減に努めていきたいと思っています。

有料ごみ袋の基金について

―広田議員

つぎに、市民が購入した有料ごみ袋のお金を積み立てた基金についてです。

市はごみ有料化の説明時には、地域の負担をへらすためごみステーションや環境整備に使うとしてきましたが、それがコミュニティ基金へと拡大し、さまざまなことに使われてきました。そして、今回は公民館の整備などに拡大するというのです。もちろん、市民の負担を減らすために必要な項目ですが、一般財源で行うべきです。

そして要援護者ごみ出しサポート費は3500万円から1000万円に削るとのこと。利用実績が低いからだと思いますが、実績が低いのは基準が厳しいからです。受けられる基準を要介護から要支援1以上などに引き下げ、もっと多くの方が使える制度にすべきですがいかがですか。

―山野市長

 要援護者ごみ出しサポートのことについてですが、本市におきましては良好な地域コミュニティにより家庭や地域の支え合いで円滑なごみ出しが行われているケースが多く、これまでの実績をもとにごみ出しが困難な世帯への予算を十分確保しているところであります。この事業の対象となる世帯の要件が他都市と比べ利用しやすいものになっていることや、基準の引き下げがかえって地域コミュニティの阻害に繋がることなども懸念されますことから、今のところ制度の見直しは考えてはいません。

―広田議員

ごみ有料化の基金は新年度予算で6億1千万円にもなり、その使い方があらゆるところに及んでいますが、なぜ環境やごみ施策に使わないのかと、疑問の声がひろがっていますし、市民が努力した分、ごみ袋の値段を下げて還元してほしいというのは当然の願いです。

ごみ有料化の目的としてきた焼却炉の状況も変わり、基金もこれだけ多いのですから、いったん有料化制度や袋の値段を見直す議論が必要だと考えますがいかがですか。

以上伺いまして質問を終わります。

―山野市長

 手数料の引き下げなどが必要なのではないかということであります。目的は歳入を増やすことではありません。この活動を通すことによって指定袋制を通すことによってごみの減量化を図り、さらに資源化を高めていくということが目的であります。私は市民の皆様のご理解をいただきまして大きな効果が出てきているというふうに思っていますし、実務的には対応しなければいけないことはその都度対応して行きながらも、私はこの制度が市民の皆様の間で定着しつつあると思っています。引き続き、先程来申し上げております、家庭系だけではなく事業系のごみのさらなる減量化・資源化にも、明年度は積極的に取り組むことによって、金沢市全体の環境施策に寄与する、そういう仕組みを作っていきたいというふうに思っています。制度の見直しは考えてはおりません。

-広田議員

 再質問いたします。

 まず、新型コロナウイルスへの経済的支援ですけれども、今聞き取り調査をされているということは大変良いことだと思います。ただそのもう雇い止めという話が出てきてしまっているというのが実態で、ぜひこれからまだ聞き取りをするのであれば、そのときに雇う側に対してこういう支援があるんだと、雇い止めしなくても大丈夫だということをぜひもう一度周知をいただきたいということがひとつと、もう回ってしまったところには、ホームページに載せても伝わらない可能性があるので、ぜひ再度丁寧なお知らせなりを送っていただきたいと思います。そして、やはり国の支援から漏れる方というのはもうだいたい明らかになっているので、もう自治体として上乗せを検討しているところもありますから、市も待ったなしの状況だと私は思うので、すぐ対策を検討するように再度求めたいと思いますがいかがでしょうか。

-山野市長

 ・・・・ホームページだけでは十分浸透しないかもしれません。様々な形で国の制度の周知、徹底を図っていきたいと思っています。2点目ですけれども、昨日国の方で発表になったところでありますので、それをしっかりと受け止めて、本市として出来る限りの対応を速やかに取り組んでいきたいというふうに思っています。

-広田議員

 ぜひ速やかな対応をお願いしたいと思います。私たちは補正予算で緊急対応も、それについては賛成をいたしますのでよろしくお願いいたします。

 次に国保証ですけれども、先程資格証明書の人には周知を今一度していただくということはわかりました。ただやっぱりそれでも、資格証明書を持っているということだけで受診抑制になるんですよね。今みたいに感染が広がっているときは命の危険につながるし、他の方に感染をさせてしまうということにも繋がります。さらに昨日の専門家会議でも感染症の長期化の可能性が示されました。となると、多くの国民健康保険に入っている高齢者は外出を自粛しているので、長期にわたって納付相談にもいけないという状況にもなるわけですよね。なので、やはり郵送で短期保険証を、今は緊急事態だということで郵送してほしいと、そういうことを求めているのですが、再度検討だけでもお願いいたします。

そして確認ですけれども、ガス発電のパブリックコメントの何が問題だったかというと、当局側が賛否で、建設企業の常任委員会なんかでも推進と維持とで推進が上回っているというような表現を持って賛否でこの結果を返してきたということが私は問題だと思うんですけれども、1点だけ一般論としてパブリックコメントは賛否を問わないものだということで、市長の認識はそれで良いか伺っておきたいと思います。

-山野市長

 資格証明書のことにつきましては、申し訳ないですが同じ答弁になりますが、この資格証明書を交付する者に対し、さらに周知することによって対応して行きたいと思っています。これも答弁でも申し上げましたけれども、緊急に受診をする必要が生じた場合には、その交付前であったとしても本来の負担割合で医療機関に受診できるものでありますので、ご理解をいただければというふうに思っております。

 パブリックコメントのことにつきましては、いろんな方からそのテーマについてのご意見をお聞きをするものであります。

私は、提出者の1人として、議会議案第15号大学入試共通テストにおける英語民間試験利用と記述式の導入を中止するよう求める意見書について、提案理由の説明を行います。

 日本の大学へ入学するための共通入学試験である大学入試センター試験が独立行政法人大学入試センターによって、行われてきました。

試験会場は、国内ほとんどの大学が主となり、一部の高校や予備校でも行われ、今年1月に行われた試験の受験者数は、55万人近くにのぼっています。

来年2020年1月を最後に、廃止され、2021年1月から新しい共通テスト「大学入学共通テスト」に移行される予定となっています。 その大学共通テストに導入予定であったのが、英語民間試験の活用と国語と数学の記述式問題でした。

 英語民間試験の活用については、受験会場が大都市部に集中し、受験費用が多額となるなど、経済格差、地域格差が指摘され、入学試験の公平性が確保されないとの批判が相次ぎました。こうした中、萩生田文部科学大臣の「身の丈」発言に対して批判と怒りが全国に広がりました。その結果、2024年度まで延期すると表明せざるを得ない事態となりました。

 国語と数学の記述式問題です。

この導入には各方面から問題が指摘されてきました。この試験の受験者は、50万人以上が予想され、その採点を民間業者に全部まかせるとしています。20日以内に採点するために、学生アルバイトを含む約1万人が採点を行う予定だとしています。記述式の回答に対して、公平な採点がきわめて困難であり、受験生の自己採点も難しい事が指摘されてきました。

こうした採点について、大手教育関連会社のベネッセコーポレーションの子会社である「学力評価研究機構」が62億円で請け負っており、大学入試改革を民間事業者のビジネスチャンスにしている実態も明らかとなっています。

大学入試は、若者の進路を大きく左右する制度で有り、すべての受験者に公平・公正な試験として保障されなければなりません。

この問題で、政府与党からも延期を求める声が上がり、12月5日には、公明党からも延期の提言が行われています。

大学入試共通テストにおける英語民間試験利用と記述式の導入をめぐって、各方面から問題が指摘され、批判の声が広がっていることから、きっぱりと中止するべきです。

この意見書は、国に対して、大学入試共通テストにおける英語民間試験利用と記述式の導入を中止するよう求めるものです。 議員各位から是非とも賛同いただきますようお願いし、提案理由の説明といたします。

私は、日本共産党市議員団を代表いたしまして、議会議案第14号公立学校教員への変形労働時間制適用の撤回を求める意見書について提案理由説明を行います。

安倍政権は、公立学校の教員に対し「1年単位の変形労働時間制」を導入する法律を先の臨時国会で強行、可決しました。

1年単位の変形労働制とは、1ヶ月を超え1年以内の期間を繁忙期と閑散期に分け、繁忙期は1日10時間までを所定勤務時間とし、閑散期は勤務時間を短くして期間全体の平均時間が8時間に収めるようにするという制度です。

しかしこの法案を審議する中で、文部科学省は、この制度が「恒常的な時間外労働がない事を前提にしたもの」であると答弁しました。教員の長時間労働が社会問題になっているにもかかわらず、問題が解決されないままに制度設計をしたことが明らかになったものです。

また文部科学省は、制度適用の教員は残業時間45時間という国のガイドラインの順守が必要で、守れなければ途中で適用を止める、勤務時間の延長日は「時間外勤務ができない、導入で年休取得が減ってはならない」とも答弁しました。大多数の教員が国のガイドラインを上回り、なかには過労死ライン月100時間以上の残業をしている教員がいるなかでの規定は、守れないものばかりであることは明らかです。

変形労働時間制の唯一の目的は、授業がある日は長く働いてもらうのだから繁忙期として労働時間を延長し、その分、夏に休みがまとめてとれるようにするというものです。しかし、これは教育現場の実態からかけ離れています。教員は子どもが夏休みの間でも研修や部活動指導などの業務が続き年休も取れないほどです。

教職員の働き方を改善する取り組みはますます重要になっています。多すぎる業務を放置したまま、仕事が残っているのに、早く帰れと言われ、時間外労働の報告もできにくい状況が進んでいます。過大な授業時間数や行政研修などの、思い切った業務削減をすることが喫緊の課題です。

そして、問題解決は、必須の教職員定数の抜本増や、4%の教職調整額支給と引き換えに、時間外勤務手当を支給せず、際限のない長時間勤務を引き起こしている公立学校教員給与特別措置法の抜本的改正です。

教職員の働き方は、子どもの教育に直結する国民的な課題です。 よって、国におかれては、公立学校教員への変形労働制適用を撤回するよう強く要望いたします。議員各位のご賛同を求めて、提案理由の説明といたします。

わたしは、日本共産党市議員団を代表いたしまして、討論を行います。

わが党は、上程されました議案9件のうち、議案第43号 特別職の職員の給与に関する条例等の一部改正について、反対です。

 その理由は、この議案が本市特別職である、市長をはじめ、7つの分野の特別職に対して期末手当を0.05カ月引き上げる内容となっていることです。計上された予算額は230万円です。消費税が10%にひき上がり、大変な市民生活の現状から考え、こうした特別職の期末手当を引き上げることに、市民の理解は得られないと考え、反対です。

 なお、本市職員を対象に、人事院勧告に基づき給与を0.15%、4月から引き上げ、勤勉手当についても、12月支給分から0.05カ月引き上げるもので、計上された予算は9260万円であり、予算には賛成いたします。

 請願第3号「自衛官募集に関して対象者名簿の提供を行わないよう求める請願書」に賛成の立場です。この請願は、新日本婦人の会金沢支部の代表者から出されたものです。

 今年の6月議会本会議において、山野市長は自衛官募集に協力するため、求めがあれば本市の若者のデータを電子媒体で提供すると表明しました。

 市長は、法定受託事務だと言いますが、自治体が必ず応じる義務はなく、本市の情報管理のあり方が問われます。

 個人情報が外部に出ることのリスクは、昨今のニュースからもあきらかでありますし、そもそも、本市の情報公開及び個人情報保護に関する条例では、本人の同意なく個人情報を提供することを禁じています。本市は、市民の安全とプライバシーを守る責任を全うするべきであり、自衛隊への名簿提供は行うべきではありません。  しかし請願第3号は、市民福祉常任委員会において不採択となりました。この不採択に対して反対するものであります。 以上で討論を終わります。

 私は、日本共産党市議員団を代表して、認定第2号 平成30年度金沢市公営企業特別会計決算認定について、認定できないことを表明し、その主な理由について述べます。

第一に、水道事業特別会計です。平成30年度決算では、13億4,973万円の黒字となっています。平成27年度から4年連続して、毎年10数億円にのぼる黒字がつづいています。

大きな要因は、平成27年度から県水受水契約に於いて責任水量制が70%から60%に引き下げられたことによるものです。年間県水受水費が30億円だったものが、25億7千万円と4億3千万円の削減になりました。

もう一つの要因は、平成29年1月から能美市が県水受水を開始したことによって、本市の年間県水契約量が削減されたことです。
これによって年間の県水受水費が3千万円削減され、水道事業特別合計に於いて支出額が減り、その結果大幅な黒字が続くことになりました。

ところがこの黒字額を建設改良積立金にほとんどを積立てました。平成28年度からその名称を老朽管更新対策積立金としました。その額は平成27年度から30年度まで4年間で51億7700万にのぼります。本来、県水受水契約の変更によってもたらされた利益剰余金であり、水道料金の引下げによって市民に還元すべきであります。
公営事業は本来、年度ごとに計画的に事業すすめていく。必要な事業は長期計画と資金確保によってすすめていくものです。こうした公営事業のあり方とはかけ離れたかたちで事業がすすめられています。

どのような事業にどのくらい使うのか市民と議会のチェックがされにくいことも問題であることを指摘しておきます。

本市の水道はすでに半分が県水となります。その県水は1㎥あたり99円です。一方本市の自己水は1㎥あたり25.59円です。県水は自己水の約4倍も高い単価となっています。
しかも契約水量が膨大な上に、その6割を受け入れるという責任水量制となっています。
安くておいしい本市の自己水を利用せず、その結果配水能力の3割台しか利用していません。

したがって、安くておいしい自己水を基本とする水道行政に切り替えることを強く求めるものです。

第二に、工業用水道事業特別会計です。

森本にある金沢テクノパークは先端企業を誘致するとして、平成4年1992年着工・造成され、参入した企業が最初に操業開始は、平成7年1995年ですからそれ以来24年が経過しました。昨年から今年にかけて新たに4社が参入することになりました。現状では、3区画6.05㏊。これは東京ドーム1.3個分に相当します。全体の約2割が埋まらないままとなっています。

この会計は進出した企業への工業用水道を提供するとして、平成9年度から始まったものです。当初から利用する企業が支払う水道料金ではまかなえないとして、赤字額は全て一般会計で補填してきました。

さらに資本的収入にも一般会計から補填し、その合計額は30年度決算で2,678万円にのぼっています。
一方現状では、配水能力に対して施設利用率は37%にとどまり、利用する企業は3社にすぎず、その内1社の利用が9割を占めています。

水道料金は開設以来22年間ずっと変わっていません。その際に、国からの通達によって上限単価が決められている。と説明してきました。しかし、その通達は平成26年度をもって廃止されました。

本市の事業が計画通り進まず、そのツケを市民に負担を押しつけている現状はとうてい市民の理解を得られるものではありません。

最後にガス事業、発電事業について、

さる10月8日「あり方検討委員会」が「株式会社」に事業譲渡することが適当との答申を市長に提出しました。
30年度決算の審議を通じて、こうした方向は全くもって出てきませんでした。

第1にガス、発電事業ともに経営的にも健全であり、安定した事業が行われていること。

第2に2つの事業とも100年近くの歴史を刻み、安全で安定したエネルギー関連事業として築きあげられてきたものです。

市民の財産であり、次世代に引き継ぐべきレガシーである。 この点を述べ、討論を終わります。

平成30年度金沢市歳入歳出決算認定について、認定できないことを表明し、主な理由を述べます。

 第1に、地方自治体は市民の福祉を守るという自治体本来の役割を果たさなければなりませんが、国民健康保険や介護保険など高過ぎる保険料が市民の暮らしに大きな負担となっています。

国民健康保険料は、30年度から都道府県化され、県が国保の財政運営の責任主体となりました。県から示された標準保険料をもとに保険料を定めたわけですが、国民健康保険料が高くて払えない世帯が加入世帯の2割近くに上るような状況は変わりません。

国民健康保険特別会計は、実質収支から返還する支出金や交付金などを除いても6355万円の黒字繰越、さらに、5億1500万円を基金に繰り入れていて、その結果、財源調整基金は合計で29億6800万円にまで積み上がっています。

国民健康保険加入者には、非正規雇用者や年金生活者が多く、その生活は厳しい現状であることを考えると、基金にため込むのではなく、保険料の引き下げにこそ活用すべきではないでしょうか。

また、都道府県化は県と市町に責任を押し付け、さらに市町が黒字を出すには保険者努力支援金で競争をさせる仕組みになっており問題です。国へ都道府県化の中止と抜本的な国庫補助の増額を求めるよう要望します。

介護保険は、30年度が第7期の保険料改定の最初の年でありましたが、一部引き下げもあったものの全体としては大幅な引き上げとなり、基準月額が6590円と制度開始からほぼ2倍、中核市で54市中8番目に高いものとなりました。しかし、実質収支から返還する支出金や交付金などを除いても5億5千万の黒字繰り越し、基金は13億円に積みあがっており、保険料引き下げに使うべきです。

不能欠損の原因の65%が生活困窮と市の調査であきらかになるなど、高い保険料に市民は苦慮しています。よって、払える保険料に引き下げるとともに、生活状況に応じた対応が必要です。一方的なペナルティとなる給付制限も増えていますが行うべきではありません。

保険料を上げたり給付を削減するのではなく、介護給付が増えれば保険料があがるという構造的な問題の矛盾について、国へ責任と負担を求めるよう要望します。

 第2に、そのような市民の暮らしが大変な中で大型開発が進められたことです。金沢港の港湾整備事業は、これまでも多大な予算がつぎ込まれ、30年度だけでも事業費総額はおよそ54億で、このうち市負担分はおよそ13億円です。外資系のホテルのためとも言える金沢駅西口の整備は全体でおよそ6億6000万円規模となるなど、特定の企業に便宜を図るために多額の税金が投入され問題です。

 第3は、家庭ごみの有料化に係る問題です。制度開始から30年度末で1年以上が経過しましたが、市民の負担はごみ袋購入実績でみると6億2300万円近くにも上ります。それだけの負担があるわけですから生活防衛も含め、市民の多大なご努力もあり、家庭ごみは大幅な減少を見せています。しかしその一方で事業系ごみは減少どころか横ばいであり減少しません。そもそも有料化前も家庭ごみは減ってきており、いっぽう事業系ごみは増加傾向であったことから、我々は市民の負担ではなく事業系ごみの対策をまず行うべきだと再三求めてきました。今後、事業系ごみについては、特に大型店舗への指導や資源ルートの確立など本腰を入れた減量対策を求めておきます。

 またごみの有料袋の販売収益であるコミュニティ基金については、当初予算より5000万円使われていません。特に、市民が求める要援護者ごみ出しサポート事業が予算の3%の利用であり、73世帯しか使われていない現状があります。対象範囲の拡大を求めておきます。販売収入の伸びもあり、積立額が2億5千万円にもの上った以上、ごみ袋の価格を引き下げるよう求めておきます。

 さいごに2点求めておきます。

市民税の滞納件数が減る一方で、差し押さえ件数が増えています。30年度からは生活実態調査も行っていますが、市民の生活状況、負担能力にあった相談を行うよう求めておきます。

 商店街開業の補助事業については、定着率がよいとは言えず、中心市街地の活性化に寄与しているのか疑問であり、調査・分析を求めておきます。

 さいごに、市長の交際費において領収書のないものが複数ありました。お香典などはもいただけませんが、議員後援会の行事など、当然発行しているようなケースについてはもらうようにするというご答弁がありましたのでそのように求めておきます。

私は、日本共産党市議員団の一人として以下質問いたします。

  最初に、「核兵器のない世界」をめざす取り組みについてです。

 来年は、被爆75年を迎えます。
 「ノー・モア・ヒロシマ・ナガサキ」との被爆者の声と運動は、「核兵器のない世界」をめざす方向へと世界を動かしてきています。
 核兵器廃絶を願う「ヒバクシャ国際署名」は1千万名を超え、広がっています。 2017年7月国連で、核兵器禁止条約が圧倒的多数で採択され、人類史上初めて核兵器を禁止とする条約となりました。現在、33カ国が批准し、条約発効に必要な50カ国まであと17までに迫っています。
 これまで国際的な舞台で、核兵器を所有・独占する大国がイニシアチブを持ち続けてきました。しかし、植民地体制が崩れ、100を超える国々が独立し世界の構造的変化が起こりました。その結果、世界のすべての国々が、対等・平等の資格で、世界政治の主人公になる新しい時代を迎えています。今回の国連での出来事は、それを象徴するものとなりました。
 核兵器禁止条約の批准と参加を日本政府に求める地方からの意見書は424議会に広がり「ヒバクシャ国際署名」に賛同・署名した知事は、20府県となり、市区町村長が署名した自治体は、1197を数えるまで広がっています。県内でも、すでに9割の自治体の長が賛同し、署名を寄せています。
 市長。あなたも核兵器廃絶を願う「ヒバクシャ国際署名」に賛同し、署名した一人とのことですが、どんな思いで署名されたのですか。その決意を伺いたいと思います。
 先日、世界の宗教界の最高指導者の一人であるローマ教皇フランシスコが38年ぶりに日本を訪れ、長崎、広島で、世界に向けて核兵器廃絶へのメッセージを発しました。
 教皇は、核兵器禁止条約の名を挙げ、教会が「迅速に行動していく」と力強く宣言しました。
 市長。あなたは先般ローマでフランシスコ教皇とお会いし言葉を交わしたとのことです。教皇のメッセージと決意を受け、あなたが署名した核兵器廃絶を願う「ヒバクシャ国際署名」に基づいてどのように行動していかれるのか伺います。
 本市も加わっている平和市長会議が去る10月24日25日第9回の総会が開かれ、日本政府に対して、核兵器禁止条約に署名・批准することを求める要請文が承認されました。また、本市は、平和都市宣言の中で、核兵器廃絶への決意をあきらかにしています。
 市長。来年、被爆75年を迎え、本市独自に「ノー・モア・ヒロシマ・ナガサキ」の決意で、市民と共に具体化することが求められています。見解を伺います。

 質問の第二に、本市のガス事業・発電事業のあり方をめぐってです。

 市長は、今議会の提案説明の中で、「検討委員会から『両事業を合わせて株式会社に事業を譲渡することが適当である』との答申を受け、パブリックコメントを経て、「年度内には、今後の経営形態の市としての方針を示す」と表明されました。そこで、伺います。

 第一に、100年近くにのぼる本市のガス事業、発電事業について公営事業としての役割は終えたと考えるかどうかです。
 私は、平成30年度公営企業会計の決算審議を行ってきました。
 まず、ガス事業です。供給戸数6万280戸、経常利益は、8億5755万円で、8年連続黒字となりました。平成22年度119億4600万円の累積欠損金は、30年度決算で58億7835万円にまで減少しています。本市監査委員の意見書では「資金面から見た経営は安定している」と述べています。
 次に、発電事業です。市内5ヶ所の水力発電所をもち発電した電力を北陸電力に売電し事業が継続しています。地方自治体が独自の発電所を持ち、発電事業を行っているのは特色あるもので、全国に発信されています。
 平成30年度では、経常利益が2億7361万円で黒字経営が続いています。資産が87億円、負債は12億円。現金預貯金が23億円あります。優良事業体です。本市監査委員は、その意見書の中で「毎年度安定した利益確保しており、財政状況は健全な水準にある」と述べています。
 以上の点から、この二つの事業は、公営事業として市民の負託にこたえ、安全で安定したエネルギーの供給・提供を行ってきたものと言えます。
 市長。あなたはこの点についてどのように考えますか。その見解を伺います。

 第二に、最初から両事業を民間へ譲渡することを前提に議論が進められたのではないか。という点です。
 検討委員会は、4回開催され、実質3回の議論で結論を出されました。この検討委員会に提出された資料の中で、「本市の自由化の影響について」と題する資料があります。
 ガス事業では、「平成29年4月の小売全面自由化から2年を経過したが、現在までのところ新規参入なし」と記述しています。
 発電事業では、「平成28年4月の発電全面自由化から3年を経過したが、北陸電力との長期契約の下、大きな影響なし」と記載しています。
 この点では、民間への譲渡という方向性が出てこないため、次に出されたのが、今後の経営形態のあり方検討を行う背景をとりあげました。
 その内容を次のように記載しています。「電力・ガス自由化や人口減少等により事業環境が大きく変化していく中、地方公営企業という形態で事業を続けていくことが、市民にとって有益なものであるか否かを。明らかにすることが求められている」と記述しています。何が何でも、公営企業という形態を否定し、民間企業への譲渡の方向へ導き出すために、持ち出されたものです。そして、家庭用需要の減少を指摘し、公営企業としては、サービス提供の範囲に制限があることをとりあげています。また、新規水力発電所の建設適地がなく、出力増強も限界だと指摘しました。その結論は、地方公営企業という形態で事業を続けていくことは限界があり、市民にとって有益なものではないとの強引な結論を導き出しています。そして、どのような経営形態が適切かとその選択へと議論を進めて今回の結論を導き出しています。
 公営企業管理者に伺います。今回の検討委員会への提出した資料は、民間のコンサルタントに委託したものだと聞いています。
 2つの事業を民間への譲渡するとの方向を導き出すためにコンサルタント依頼したのではありませんか。答弁を求めます。

第三に、公営企業としての目的や役割と責任をどのように果たしていくのか。という点についてです。
 すでに本市企業局は、2016年に今後10年間にわたる経営戦略方針を打ち出しています。その中で、ガス、水道、公共下水道、発電、工業用水の5つの事業について、地方公営事業として「公共の福祉の増進」を本来の目的に経済性の発揮に努めながら、事業の持続的な成長発展に努めてきた。と振り返り、今後、水とエネルギーを総合的に担う総合ライフライン事業者として豊かな市民生活に貢献していくとして10年間の経営戦略を明らかにしています。
 市長。こうした方向性をさらに進めていくことこそ、市民の期待に応える方向ではありませんか。その見解を伺います。

 質問の第三に、本市に於ける洪水浸水想定区域図と今後の対策についてです。

 2015年の水防法の改正に伴い、従来の「50年から100年に一度」の想定雨量から新たに「1000年以上に一度」の新基準が明らかにされました。
 この新基準に基づき石川県が堤防の決壊や河川の氾濫などから予測した「洪水浸水想定区域図」を公表し、地図上に色分けしたものです。
 浅野川では、洪水浸水想定区域の面積は、旧基準では16.2㎢だったものが2.4倍の38.4㎢と広い範囲に広がっています。浸水の深さは、建物1階の軒下まで水がつかる0.5mから3m未満の色で埋め尽くされ、2階部分まで浸水する3mから5m未満の色の区域も一定範囲広がっています。
 犀川沿いを見ると洪水浸水想定区域の面積は、旧基準では14.9㎢だったものが38.2㎢と2.6倍に広がっています。浸水の深さは、建物1階の軒下まで水がつかる0.5mから3m未満の色が広い範囲に広がり、2階部分まで浸水する3mから5m未満の色の区域が市役所裏から犀川まで片町の一帯に広がっています。
 さらに、片町から野町へ通じる犀川大橋の上流、下流域については、右岸も、左岸も堤防が削られ、建物の倒壊が想定される河岸浸食区域となっています。
 私は、これを見て、日本が巨大地震に襲われるというSF小説『日本沈没』を思い出しました。まさに、金沢水没のような気持ちに襲われました。
 台風19号による各地での水害の実状を考えるとこの洪水浸水想定区域図が現実味を感じます。
 市長。今回明らかにされ洪水浸水想定区域図をどのように受け止め、今後の対策を考えておられるのか伺いたいと思います。具体的に伺います。

 第一に、本市でのハザードマップの作成は、いつまでに完了されるのか。市民への周知はどのように考えておられるのか伺います。

 第二に、新基準に基づく洪水浸水想定からすると、これまでの災害対策、避難対策を根本から見直す事が必要ではありませんか。

 例えば、避難所です。旧基準では、市内に207の避難所が設置されています。新基準では、水没することが想定される避難所があります。作成された15校区のハザードマップではどうなったのか明らかにしていただきたいと思います。

 さらに、新しく第二本庁舎につくられる危機管理センターです。

建設が進められている第二本庁舎の場所は、ハザードマップによると一階の軒下まで水につかる0.5mから3mの色の洪水浸水想定区域に位置し、近くには、2階部分まで浸水する3mから5m未満の色の区域も広がっています。危機管理センターは水没しませんか。洪水浸水対策について伺います。
 旧菊川小学校は堤防が削られて、建物の倒壊が想定される河岸浸食区域に隣接し、2階部分まで水につかる3mから5mの色の洪水浸水想定区域に位置します。したがって、避難所として利用不可と判断されました。ここに新しく犀桜小学校を建設するとしています。昨年9月議会で、広田議員が指摘した際、本市土木局長は、「小学校の建築には大きな支障があるとは考えていない」と答弁されました。 しかし、こうした区域に新しい小学校を建設することは再検討が必要ではありませんか。その見解を伺います。

 この質問の最後に、居住誘導区域についてです。
 本市は、まちなかの中心部に住宅や公共施設などを集約する区域として居住誘導区域を指定し、様々な支援策を講ずるとしています。
 ところが、この区域が洪水浸水想定区域と重なるのです。
 安心して住み続けられるまちづくりをめざすのなら、居住誘導区域は、より安全な区域にしなければならないのではないですか。根本的な見直し、やり直しが求められます。災害に強いまちづくりは、最重要課題です。市長からその見解を伺います。

 質問の最後に、市内にある市営医王山スキー場についてです。

 市内にあるこの市営スキー場は、ファミリースキー場として家族連れや小中学生などに人気です。さらに、上級・中級コースもあり、幅広い利用者でにぎわうスキー場となっています。
 昨シーズンは、雪が少なく、1万4千人ほどの利用となりましたが、雪のあるシーズンには4万人の方々が訪れています。
 いよいよスキーシーズンを迎えます。
  私は、毎年、11月になるとこのスキー場を石川勤労者スキー協議会の役員の方々と現地を訪れ、12月には、市に対して施設の改善、安全対策などを要望してきました。そこで、伺います。 

第一に、今回、スキー場に行き驚いたことは、ゲレンデが穴だらけになっていたことです。イノシシがミミズなどを狙って穴を掘ったのです。200ヶ所以上の穴がゲレンデ一面に広がっていました。今後どのような対策を講ずるのか明らかにしていただきたいと思います。

第二に、安全対策についてです。
 昭和59年に設置されたファミリーゲレンデのリフトは、一昨年リニュアルされました。もう一つ、昭和61年に設置されたペアーリフトがあります。すでに33年が経過しています。更新する時期を迎えています。どのように考えているのか伺います。なお、ペアーゲレンデについて、休憩所などの設置が要望に上がっています。合わせて今後の対策を伺います。

第三に、安全でだれもが楽しんで利用できるスキー場に整備していくことが大切です。その点で、ファミリーゲレンデに残る民有地を買い取り、ゲレンデを整備すること。上級者向けのチャレンジコースについて、ゲレンデの整備が出来ないか。今後の対策について伺います。
 この質問の最後に、本市教育委員会に伺います。 子どもたちのスキー体験実習が減っています。スキー体験や、雪遊びなどこのスキー場を利用した行事や企画を検討していただきたいと思います。その見解を伺い、私の質問を終わります。

-山野市長

 30番森尾議員にお答えをいたします。

 「ヒバクシャ国際署名」に署名をした経緯ですが、世界の恒久平和、核兵器なき世界の実現は人類全ての願いでもあります。私自身、広島・長崎のような惨禍が二度と繰り返されぬよう不断の努力をしていかなければならない、そういう思いで署名をしたものであります。今後は具体的に市の施策のことについてお尋ねがございました。ローマ教皇のことに合わせてお尋ねがございました。個々にお会いできたことは有意義だというふうに思っております。また教皇が広島・長崎にご訪問をされたことにつきましても感慨深い思いで報道に触れさせていただきました。今まで同様、毎年夏の原爆と人間展の開催などを通して広く市民に平和の尊さ、戦争の悲惨さを伝える取り組みを継続していくことが大切であると考えています。

ガス発電事業のことについてお尋ねがございました。企業局ではガス発電を含む5事業の適切な経営を通じて豊かな市民生活に貢献することを理念とし、経営戦略2016を策定したものであります。しかしながらその後、ガス電気の小売り全面自由化が決まりました。両事業を取り巻く環境が大きく変化しました。ルールが変わりました。企業局内における調査研究を踏まえ、今後の経営形態の在り方を諮問したところであります。検討委員会の中では、ひとつにはこのガス電気小売り全面自由化になったこの時期、このタイミングで地方公営企業として事業を行う今日的意義、さらには市民にとって最も有益な経営形態、この小売り全面自由化が市民にどんなメリットを提供できるのか、最大限に提供できるようなことも考えていかなければなりません。このふたつの論点で議論が進められました。そしてひとつに、地方公営企業では多様なサービスの提供が困難であること、ふたつには地方公営企業の役割が希薄化しているということ、みっつには経営の柔軟性を高め事業の持続可能性を確保する必要があること、そういう理由から金沢市ガス事業及び発電事業は両事業を合わせて株式会社に事業譲渡することが適当であるとの答申がなされたものであります。公営企業としての役割が終わったとは思っていません。やはり公的な関与というものも必要だと思っていますし、在り方検討会の中でもそういう議論をお聞きをしているところでありますので、一定の関与は私は必要であるというふうに思っております。ただ、何度も申し上げますが時代も変わりました。ルールも変わりました。役割が希薄化しているということは否めないと思います。そういう答申をいただいたところでありますので、それらの答申を重く受け止め、今後市民から寄せられる意見、議会での議論も踏まえ適切に判断をしてまいります。

洪水浸水想定区域図のことについてお尋ねがございました。洪水浸水想定区域の見直しをもとに作成された15校下・地区の水害ハザードマップですけれども、全国で災害が激甚化する中、平成27年の水防法改正により、降雨量が想定最大規模に変更となり、洪水浸水想定区域が拡大することとなりました。今年10月の台風19号による被害状況も踏まえ、激甚化する災害に対応するためには命を守る行動をとることが重要であるというふうに痛感をした次第であります。今回の見直しにより改めて的確な避難を促していく必要があると考えています。残りの校下・地区の水害ハザードマップの作成ですが、犀川左岸地区や浅野川右岸地区などの地域について県による洪水浸水想定区域の公表を受け、新たな水害ハザードマップを今年度末までに作成の上、ホームページなどで公表し、明年度全戸配布を予定しているところであります。水害ハザードマップの配布や地元説明会、出前講座等により周知の徹底を図るとともに、地域の自主防災会等と連携をしながら防災意識向上に努めてまいります。

第二本庁舎に予定されています危機管理センターは大丈夫かというお話がありました。第二本庁舎は市民生活の安全安心確保の拠点となる庁舎として整備をしており、危機管理センターにつきましては非常用電源等の整備を含め、水害による被害の可能性がより少ない2階に配置をしており、浸水時にも機能できるよう万全を期しているところであります。

旧菊川町小学校の位置のことについてお尋ねがございました。旧菊川町小学校敷地に建設する予定の犀桜小学校新校舎は、河岸浸食想定区域から距離を置くために校舎レイアウトに工夫をしたほか、教室や電気室等は2階以上の上層階や屋上に配置するなど、児童生徒等の安全確保と学校の機能性維持に万全を期しているところであります。

居住誘導区域と洪水浸水想定区域が重なっているところがあるのではないかということでした。新たな洪水浸水想定区域は、まずは命を守る行動を取ってもらうことを目的に想定最大規模の降雨による水害の範囲を提示をしたものであります。一方、居住誘導区域は歴史的な市街地の形成過程を踏まえ、本市の持続的な発展に必要な人口分布の実現を目指して設定をしており、その際3メートル以上の浸水区域や土砂災害警戒区域など命に関わる区域は除外をしているところであります。まずは新たな水害ハザードマップが今後活用されていく中で、まちづくりやコミュニティに与える影響について適切な把握に努めてまいります。

医王山スキー場のことについてお尋ねがございました。私の方からはペアリフトの更新についてであります。ペアリフトにつきましては設置から33年が経過をし、老朽化が進んでいることは十分認識をしております。しかしながら、ペアリフトの過去3年間の平均稼働日数は30日であります。更新につきましては今後の利用状況を見極めていきながら、費用対効果も考慮をし、慎重に検討する必要があると考えております。

-平嶋公営企業管理者

 ガス事業発電事業につきまして、昨年度実施いたしました民間コンサルタントの調査の件についてお答えいたします。電力ガスの小売り全面自由化によりまして全国的に料金メニュー等のサービスの多様化や新規参入、企業間連携が進む中、企業局内におきまして国の制度改革の進捗状況や都市ガスの需要構造、他の公営事業者の動向など様々な観点から調査研究を行ってきたところでございます。加えて昨年度には、さらに検討を深めるためコンサルタントに委託をし、全国的に進展している事業者間競争の現状やサービスの地域差等について分析を行ったところでございます。これらを踏まえまして今後の経営形態の在り方を検討する必要があると判断したものでございます。

-川島土木局長

 洪水浸水想定区域につきまして、作成済みの15校下地区の避難所につきましてお答えをいたします。この15校下・地区におきましては、これまで指定しておりました避難所53施設のうち、新たに26の施設が洪水浸水想定区域に含まれております。なお、この水害ハザードマップの作成にあたりましては地元の自治防災会等と十分に協議を行い、見直しを行ったところであります。

-嶋浦文化スポーツ局長

 医王山のスキー場につきまして数点お尋ねがございました。まず、イノシシに荒らされてできたゲレンデの穴について抜本的な対策が必要ではないかというお尋ねでございました。イノシシの数が年々増加傾向にあることに加えまして、医王山スキー場の敷地が広大でございまして、周囲を策で囲むなどの対策も困難でありますことから、現在発生の都度補修を行っているということでございます。今後専門家等の意見を聞きながら忌避剤の設置など有効な対策につきまして研究をしてまいりたいというふうに考えております。

次に、医王山スキー場ファミリーゲレンデ内にある民有地を買い取りましてきちんと整備するべきではないかというお尋ねでございました。ファミリーゲレンデ内に地番の特定が困難な民有地があり、その部分を避けてゲレンデを整備をしておりますことから、滑走ルートの一部が狭くなっていることは認識しているところでございます。ご提案の件につきましてはまずは当該民有地の所有者を特定しました上で整備について検討をしてまいりたいというふうに考えております。

それに加えまして休憩所の件についてお尋ねがございましたけれども、休憩所は現在はペアリフトの車庫横に自動販売機と椅子を設置しまして休憩所としてお客様にご提供申し上げておりますのでご利用いただければというふうに考えております。

-野口教育長

 医王山スキー場の利活用につきましてお尋ねがございました。医王山スキー場では例年冬季にはキゴ山ふれあい研修センターが主催しておりますキゴ山雪まつり、またキゴ山親子自然体験塾などの企画でファミリーゲレンデを利用した雪上ハイキングやスノーチュービングなどの体験に多くの方々のご参加をいただいております。医王山スキー場ではスノートレッキング教室での自然体験や、クロスカントリーコースを使ったスキー体験が出来ることに加え、費用面につきましてもスキー用具やリフト等が無料となるなどの利点もありますことから、改めて校長会議やキゴ山ふれあい研修センターを通してスキー遠足等での利用を促してまいりたいと考えております。

-森尾議員

 市長に伺いたいと思います。東日本大震災の津波で大きな被害が発生しました。宮城県石巻市立大川小学校では児童74名、教職員10名が犠牲となりました。遺族が訴えを起こし、去る10月10日最高裁による決定が出され、震災前の学校の防災体制に不備があったとする高裁判決が確定しました。この中で問われた点があります。それは、事前の備えの必要性を自治体と教育現場に改めて求めた点です。子どもたちの命を守るための手立てを尽くす責務があるというふうに判決の中で明確にされました。今回改めて県が発表した洪水浸水想定図を見ますと、先程指摘したように犀川沿いの洪水浸水想定区域であり、ここに新しい小学校を作るというのは、こうした状況を考えると自治体の長としても私は慎重に考えるべきであり見直しが必要ではないかというのが先程指摘した点です。私は災害の教訓から学んでも、このことを改めて市長としては慎重に考えるべきではないかと思いますので、再度答弁を求めたいと思います。

-山野市長

 答弁の繰り返しになりますが、距離を置くということ、また校舎レイアウトに工夫をしているということ、また教室や電気室等は2階以上または屋上に配置をするということ、そういう工夫をすることによって対応させていただいているところであります。

-森尾議員

 お聞きしますと、この大川小学校は洪水浸水区域ではなかったんです。そこに大きな津波が来て大きな災害を起こしたということを、改めて裁判を通じて問われたわけです。今回、金沢市の施策の中で改めてこの場所が犀川で大きな水害が生じた場合に沿線に決壊が起こって建物が壊れる区域があるんですね。そこに今回の場所は接するんですよ。しかも洪水浸水区域としては3メートルから5メートルくらいの浸水予想図があるんですよ。あえてここに作らなければいけないのかという点が、私は問われると思いますし、立地上の問題に提起をされているのに構造的な対応で済まされるのかという根本問題が、先の判決の中でも問われたと思うんです。私はこの点を本当に真摯に受け止めて、今回の問題についての再検討が必要だし、あらゆる角度から検討を加え、子どもや保護者を含めて皆さんが納得できる方法を見出すことが必要ではないかと思います。再度答弁をお願いします。

-山野市長

 児童の安全は一番であります。その中で最大限の工夫をすることによって、児童の安全を確保する、そのことを先程来申し上げているところであります。

-大桑議員

質問の機会を得ましたので、日本共産党市議団の一員として質問いたします。

安倍政権の下、介護保険制度のあいつぐ後退が続いています。多くの方々から保険料が引きあがり必要なサービスが受けられないとの声、介護の現場では人手不足が深刻となり、怒りと悲痛な訴えが広がっています。その一つが、特別養護老人ホームへの入所にあたって、「要介護1・2」の方が対象から除外されたことです。それでも、現時点、本市に、おいて、入所を待っている方が446人にものぼります。

現在、国民年金のみを受給する人の平均受給額は月約5,5万円程度、厚生年金を受給されている方でも、女性に限ってみれば平均受給額は基礎年金部分を含めて、月約10.3万円程度という統計が出ています。こうした低年金の方が要介護状態になった時、入居できる施設として特養ホームがあります。

にもかかわらず、国は給付費抑制に舵を切り、特養ホームの増設を抑えて、有料老人ホームやサービス付高齢者住宅などへの入居を進めてきました。有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅では月額利用料が平均で月12~15万円必要となり、とても低年金受給者には利用できなくなっています。

特養ホーム入居待機者家族会のみなさんが行った、介護保険に関するアンケートの中で最も多かったのが特養ホームの充実を求める声です。

80代の男性の方は、「妻を在宅で介護している、老々介護で、自分も病気で通院している状態だ。月曜日から金曜日まで、ディサービスを利用している、介護も限界で、特養ホームを希望しているが、なかなか入所できない。もっと特養ホームを、作ってほしい」と訴えています。

本市では新たに建設される特養ホームは、ユニット型の施設が多く、その費用負担は月15万円前後です。施設の待機者をカウントしてみると、利用料の安い多床室を希望している方が多く、入居できない間は、自宅で老老介護せざるを得ない現実があります。

待機者を1日も早く解消するために、ひき続き特養ホームの建設整備を進めると共に、経済的な理由で施設入居を断念することがないよう、低年金でも入居できる従来型特養ホーム等の施設整備も検討して欲しいと思いますがいかがでしょうか、お伺いいたします。

また、介護職員の処遇改善や介護報酬の改善も急務です。介護職員の不足を感じている事業所が多いと聞きますが、不足の理由は「採用が困難なためとのことです。なぜ採用が困難なのか。理由は明白です。他産業の一般職の賃金と比べて6割~7割という低い賃金に加え、労働環境の充実、整備が遅れていることがあげられます。2018年度の介護報酬改定が事業所の大幅減収を招き、人件費削減が余儀なくされています。このような中で、人材確保の困難は、慢性化し深刻さを増しています。近年では、人材紹介、派遣業者からの就職も増えており、その手数料負担も施設経営を圧迫している現状があるといいます。国にさらなる制度改善を求めるとともに、市民の生活を守る為にも、事業所の安定経営や職員が希望を持って働き続けることを保障する立場からも、特養ホーム等へ就職する方への援助金等の処遇改善や、市独自で積極的な介護職員の人材確保、定着促進をはかる、具体的な対策を打つべきだと考えますが、市長のお考えをお尋ねしたいと思います。

また、特養入所要件から外れた介護1,2の方の状況も大変です。待機者・軽度者の介護で深刻な事態を起こさない為にも、施設の検討、実施が求められています。

ところが国は、今後も「ケアプランの有料化」や「要介護1・2の方のディサービスやホームヘルパーの総合事業への移行」など、介護保険の改悪が議論されています。さらなる自己負担の増加や、初期段階での介護サービスの利用を抑制することになり、かえって重度化、家族介護の負担を増やすことになります。
必要な介護のサービスを受ける事によってその人らしい日常生活を営むことができるよう、求めたいと思いますが市長のお考えをお聞きします。

次に、65歳以上で心身に障害のある方の医療費窓口負担についてお伺いします。

本市では現在、65歳未満の障害のある方の医療費窓口負担は無料となっています。いわゆる現物給付という制度です。
ところが65歳になったとたんに償還払いに変わり、一旦窓口で自己負担分を支払い申請して、払い戻しを受ける必要が生じます。

障害のある方は特に高齢になるほど、生活環境は悪化し、毎月、払い戻しの申請手続きにでかけなければならない困難さや、窓口での一時支払いという経済的にも大きな負担が強いられています。

高齢期になっては、病気も増えてきて医療機関への受診の必要が高まってくる時期です。

高齢の障害のある方からお話をお聞きしました。ひと月の年金が約、10万円程度で医療費や、薬代だけで3万円前後の支払いがあり、医療費が償還払いとはいえ、生活のやりくりが大変だと話されました。先月は滞納になっていた電気料が払えず、電気が止まりました。幸い、第3者が立て替えてくれたため電気は、数時間後に復活されたものの、「来月以降もぎりぎりの生活が続くかと思うと、気が気でならない」と言います。
この方は、医療費が償還払いでなく現物支給であればお金の心配をしなくても、安心して医療を受けることができると話されています。

他の自治体の中には現物給付を行っているところも増えてきました。心身障害者医療費助成制度について、年齢に関係なく現物給付制度をするように求めますがいかがでしょうか。多くの方から年齢に関係なく窓口無料とする改善を、求める声が上がっています。

また、所得制限を設けず、障害を持っているすべての方にこの制度を適用することを求めますがいかがでしょうか。お伺いいたします。

3点目に不登校の児童、生徒への支援についてお伺いいたします。

文部科学省から不登校に対する取り組みをまとめた、「不登校児童・生徒への支援の在り方について」が全小,中学校に向けて通知されました。11月に開かれた金沢市総合教育会議の中で、本市における不登校対策についての話し合いが行われています。不登校の子どもは、子どもの数が減っているのに増え続け本市においても、右肩上がりに増加、保健室登校や校門に、一歩入って引き返すだけの子どもなども含めれば、規模の面でも非常に深刻な状態になっています。神戸大学名誉教授で不登校・登校拒否問題について研究や講演活動をされている広木克行氏は「不登校の子どもは管理的な学校生活や人間関係の苦悩に悩んでいるし、さらに学校に行けないことで自己否定を深める二重の苦しみを抱えている。」と指摘しています。そして、「不登校問題をどう解決していくかは、まずは子どもの話をよく聴き、真剣に子どもと向き合って、子どもが求めていることを理解することだ」と問題解決の糸口を提示され「不登校の子どもたちの心は、様々なもつれを持っている。もつれの原因は社会や教育の在り方が一因になっている」ともおっしゃっていて、このことからも不登校を本人や家庭の責任とすることは間違いだという事は明らかです。

私がお聞きした不登校の子どもの親は、「勉強がつまらない」「みんなに合わせる事が辛い」「学校に行かなければと思うけれど、どうして自分が学校にいけないかわからない」といった子どもの苦しみを、どう受け止めればいいのか親子ともども本当に悩んだと語ってくれました。

文科省の通知を受けて本市として今後どのような不登校対策を行っていくのか、今までの不登校対策とどう違いがあるのかお聞かせください。

自分の子どもが不登校になったことをきっかけに、同じような悩みを抱えている親御さんに寄り添い支援している方にお話を聞きました。「不登校の子は、みんな様々な理由を抱えている。大切なのは、安心できる子どもたちの居場所の確保が必要だ」と言い、「同時に家族や学校を支援する仕組みも必要」だとしています。子どもたちに、学校強制でない教育の権利、自分らしく生きられる権利を保障する立場から、子どもと親が安心して相談できる窓口の拡充や、学校以外の様々な学びの場を、きちんと認め、公的支援を行いながら子どもを緊張感から解放していくことが大切です。

本市は、「不登校の子どもたちを支える民間団体と市の連絡会の設置をし、子どもを支えるネットワークづくり」を、構築するとしています。

子ども支えるネットワークをいつまでに整えるのかお聞きします。また、体制がつくられた後、どのように不登校の児童生徒や保護者の方と向きあっていくのか、具体的なビジョンもお示し下さい。そして、不登校または不登校傾向にある児童生徒のうち登校した場合、安心して過ごせる居場所や、そしてやりたい事学びたい事を支援していく教職員の配置を求めますがいかがでしょうか。

また、学校側からの情報が得られる体制を作ってほしいと思いますが子どもや親がさらに追い詰める事のないように配慮が必要かと考えます。いかがでしょうか

次に、学校給食の共同調理場新設についてお尋ねします。

 市長は提案理由説明の中で、泉本町6丁目にある石川県県央土木総合事務所跡地の取得を県に申し入れ、隣接する旧県警交通機動隊舎敷地と合わせた同地に学校給食の大規模共同調理場を新設したいとの考えを説明されました。 本市において、2010年に示された学校給食調理場再整備計画では、すべての単独校調理場を廃止、中規模共同調理場の統廃合、そして新たな大型共同調理場の建設を打ち出しています

2013年に小学校と中学校の子ども達の給食6000食用意できるとする東部大型共同調理場が建設されました。 子ども達に暖かい美味しい給食の提供、又食育の面からも、自校方式の、給食施設は多くの市民や、保護者から指示されてきましたが新しい学校が新設されると自校式の給食調施設はなくなっていきました。大型の共同調理場は、業務は民間に委託される為、業者は経済効率を追い求める結果、献立の簡略化や加工食品を多用することになります。大雪などの自然災害が発生すれば給食が届かないという問題も起こりかねません。今、大型共同調理場計画が示されましたがどういう計画なのか、明らかにしてください。規模、運営についてもうかがいます。そして鞍月調理場の代替施設でもあるとおっしゃいますが、鞍月調理場はその後新しく建て替えするつもりなのかもお尋ねいたします。

これまでも、学校給食調理場計画の見直し、自校方式の調理場の存続をもとめてきました。全国的にも自校方式と大型調理場の給食施設は50%、50%の立地です。本市の自校方式の給食施設の全面廃止は類を見ません。できたての温かい給食が提供できること、個々の生徒へのきめ細やかな食物アレルギー対応が出来る事、震災時の指定避難場になる学校で食事の炊き出し施設になるなど、子供と学校にとって自校方式の良さは十分わかります。自校方式の調理場で、働いている方「子どもの声を聴きながら調理している。私が子ども達の食べる給食を作っているのだという喜びがある」と語ってくれました。そこでお伺いいたします。自校方式から大型共同調理場に移行する理由は何なのでしょうか。また、開かれた懇話会の中で自校方式への評価はなかったのでしょうか。お答えいただきたいと思います。

高崎市では学校や給食センターの建て替え時期に合わせて単独校調理場に順次移行したと言います。全国的にもこのよう大型調理場方式から自校方式に大胆に方向転換した自治体が、見られます。本市として自校方式をなくして大型調理場方式に移行することについては、保護者の意見を聞いて進めるべきと思いますがいかがでしょうか、お伺いいたします。

次に教職員の、長時間勤務の是正についてお尋ねします

この問題は何度も議会で取り上げられてきました。教職員の長時間の働き方は深刻であり早急に改善をはかることは、待ったなしの状況です。

教育に関わるほとんどの人が、学校現場に教職員を増やすことこそ最も効果的な問題解決の道だと考えています。直ちに改善が必要な差し迫った状況にあると認識し、国において教員の定数増員を求めていくとの回答を教育長からいただいております。中核市の役員をしている立場からも、どのような強いメッセージを国に届けていらっしゃるのかお尋ねいたします。

さらに、今般、国会において「1年単位の変形労働時間制」を導入する法が可決されました。これは教職員の働き方をより劣悪なものにする悪法だとの非難の声が、現場の教職員だけでなくいろんな所からも上がっています。

「一年単位の変形労働時間制」とは、1年間の中で閑散期の労働時間を短くしその分だけ繁忙期の労働時間を長くしようというものです。「1年単位の変形労働時間制」において閑散期として想定されているのが夏休みです。授業のある日は長く働いているのだから繁忙期として労働時間を延長しその分夏に休みを長くとるという事です。

教員は夏休みも出勤して仕事をしています。夏休みに今までの分を確保するという理由は成り立ちません。休みの間も研修や部活動の指導などで年休も取れないほどです。

問題の根本にある教員定数や残業代ゼロの見直しを行わず、「変形労働時間制」の導入によって、見かけの残業時間を減らすやり方は新たな矛盾も生じ解決できません。考えなければならないのは、教員の労働条件の悪化が子供の教育に何をもたらすかです。私たちと教員が求めているのは、こうした状況を解決し、教員が元気に心に余裕をもって、子どもの教育に当たれるようになることです。この「1年単位の変形労働時間制」では、教員が元気になるどころか長時間労働が固定化、助長されます。

長時間労働をなくする抜本的な対策をとらないで「1年単位の変形労働時間制」を教育現場へ導入することに対する教育長のお考えをお聞かせください。 以上で私の質問をおわります。

-山根市長

 7番大桑議員にお答えをいたします。

 特別養護老人ホームのことについてお尋ねがございました。昨年度に2施設が完成するとともに、今期の介護保険事業計画の期間中に新たに2施設を整備することとしています。今後も待機者や施設の空き状況等を勘案し、次期介護保険事業計画の中で適切に対応してまいります。また本市では入居者のプライバシーを確保し、個人の尊厳を重視した介護を実現する観点から、条例で個室を原則としています。加えて低所得者に対しては居住費を軽減していますことから、多床室がある従来型の特別養護老人ホームを整備する予定はありません。

 介護職員の人材確保のことについてお尋ねがございました。人材確保策につきましては、広域的な取り組みが必要でありますから、基本的には国・県が主体となって取り組んでいるところであります。本市におきましてはケアワーカーカフェの開催、新採介護職員サポーター導入助成制度の実施など、働きやすい職場環境の整備改善を支援することで、人材の確保定着に努めているところであります。なお、今年度ですけれども、県と共同して介護労働実態調査を行っているところでありまして、その調査結果を踏まえて本市としてどのような対応が出来るのか検討をしてまいりたいと考えています。

制度改正等々で必要なサービスが提供され、介護を必要とする方の尊厳が保持され、能力に応じたその人らしい生活が送れる、そんな改正を求めたいということでありました。現在国におきましては、次期介護保険事業計画に向けた制度改正が検討をされているところであります。保険料水準の上昇を極力抑制するなど、持続可能な介護保険制度の確立を図ることについて、全国市長会から国に要望しているところであります。引き続き動向に注視してまいります。

障害者施策のことについてお尋ねがございました。65歳以上の心身障害者医療費助成に関してですけれども、65歳未満の方と同様に現物支給をするべきではないかということです。現在の償還払い方式につきましては、石川県の制度に基づき、県内市町が統一で実施をしており、本市独自で現物給付方式に変更することは難しいと考えています。これまでも65歳以上の方への現物支給の導入につきまして市長会などを通じて国に要望してきたところであり、今後とも導入に向けた働きかけを行ってまいります。

すべての年代において助成対象者の所得制限をなくすべきではないかというご提案をいただきました。心身障害者医療費助成制度の所得制限につきましては、平成20年8月、低所得者に配慮をして特別障害者手当の所得制限基準を準用することにより、本市独自で支給要件を緩和しているところであります。今のところ制限の撤廃やこれ以上の緩和は考えておりません。

-野口教育長

 教育に関しまして大きく3点についてご質問がございました。

1点目の不登校対策についてでございますが、はじめに10月25日付の文部科学省の通知をどのように受け止めたかについてお答えいたします。本市ではこれまでも不登校児童・生徒への個別面談、家庭訪問の実施などを通して不登校対策の強化を図ってきておりますが、おおせの通知を踏まえ管理職や生徒指導主事を対象とした不登校対策研修会を実施するなどして取り組みの一層の充実を図ってまいりたいと考えております。次に、市と民間団体等との連絡会をいつまで設けて、その後どのように児童生徒や保護者と向き合っていくのかとのお尋ねがございました。民間団体等との連絡会につきましては、今後民間団体等と調整をし、出来るだけ早く設けたいと考えておりますが、まずはその中で民間団体等との情報共有を図りながら、ひとつひとつの課題の解消に向けて取り組み、児童生徒や保護者の支援に繋げてまいりたいと考えております。また、不登校傾向の児童生徒の安心して過ごせる居場所と、学びたいことを支援する教員の配置についてもお尋ねがございました。学校では不登校児童生徒が安心して過ごせる居場所づくりのために、不登校対策担当教員を中心に、心と学びの支援やスクールカウンセラーを活用して学習支援や相談体制の充実を図っており、加えて児童生徒支援を担当する加配の教員を小学校14校、また中学校では12校に配置をしているところでございます。次に、不登校児童生徒が登校児童生徒と同じように情報を得られる状況を学校側に求めるがいかがかとのお尋ねがございました。これまでも不登校児童生徒に対しましては定期的に家庭訪問を行い、本人の状況を把握するとともに、学校で配布しました各教科の学習プリント、また学校だより等につきましても本人や保護者に確実に渡るように努めております。また、必要に応じて担任だけではなく管理職や教育相談担当教員、心のきずなサポーター等が組織的に連携しながら本人や保護者と面談を行っているところでございます。

2点目に、学校給食の共同調理場についてのご質問がございました。はじめに、自校方式ではなく共同調理場方式をとる理由ということについてお答えしたいと思います。より安全な給食を安定して継続提供していくためには、共同調理場の衛生水準が施設設備等の機能性等をこれまで以上に高めていくことが必要であります。そのために老朽化が進む学校併設の単独校調理場等は敷地面積等の関係から十分な再整備が難しく、引き続き共同調理場方式を基本としていきたいと考えております。次に、先に設置をいたしました懇話会での自校方式に対する評価と共同調理場での給食の提供についてお答えをしたいと思います。本年11月に保護者・有識者・学校関係者・調理場関係者からなる新たな学校給食調理場再整備計画に関する懇話会を設置をいたしましたが、委員からは昔を懐かしみ「匂いや香りが校内に漂うことによって給食を楽しみにする子どもが多かった」等の意見が出された他、「安全安心な給食が一番大切である」との声や、「調理員等の代替や他からの応援など人の確保が出来ない場合円滑な給食提供に支障が生じるのではないか」等の懸念等が示されました。これまでも本市の学校給食では地場産物等を多く使用した多彩な献立により、地元の食文化への興味・関心を高めるとともに、安全安心な給食の提供に努めており、引き続き共同調理場方式を基本とすることで児童生徒が安心して美味しく食べることができる給食提供が可能になると考えております。次に、旧県央土木総合事務所跡地に設置する共同調理場についてでございますが、新たな共同調理場は老朽化が進む鞍月共同調理場の代替機能や、今後の単独校調理場等の統合集約を図るために建設を予定しており、施設規模や運営方式等も含め新たな学校給食調理場再整備計画に関する懇話会の意見を踏まえ、検討して行きたいと考えております。共同調理場の建設は保護者の意見を聞いて進めるべきと思うがいかがかとのお尋ねがございました。共同調理場の再整備計画の策定にあたりましては、保護者等の意見を聞くことは大切なことであります。今回、そういたことから保護者等からなる懇話会を設置し、ご意見をいただくものとしたところでございます。 3点目に教職員の時間外勤務時間についてお尋ねがございました。1点目として、中核市教育長会の役員としてどのようにメッセージを国に届けているのかということについてお答えいたします。中核市教育長会の役員として、本年も8月9日に文部科学省を訪問いたしました。基礎定数の見直しによる教職員の確実な配置、また少人数学級の実施などについて、所管の局長、また審議官、関係各課の課長等に直接お会いして要望してまいったところでございます。最後に、「1年単位の変形労働時間制」の導入についてお尋ねがございました。大桑議員がお話された通り、様々に課題があるのではないかということがありますので、私なりにも整理をしていきたいと思っております。そうしたことに基づきまして、今般、改正教職員給与特別措置法が成立したばかりでありますので、詳細なものが示されておりませんことから、今後国の動向を注視しつつ対応してまいりたいと考えております。

質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として以下、質問致します。

「桜を見る会」は、安倍政権になってから参加者が1万人から1万8千人に増え、公的行事にも関わらず、安倍首相の後援会員や妻の関係者も多数招待されていた実態があきらかとなりました。さらに、多くの被害者を出したマルチ商法企業が招待状を利用し被害者の拡大につながった可能性まで問題は深まったにも関わらず、証拠である招待名簿は、わが党の国会議員が資料要求したその日に破棄されるというありさま、情報管理の問題にまで拡がっています。「桜を見る会」は、国民の大事な税金が投入されてきました。国会閉会で幕引きをはかろうとも「税金や国家を私物化するな」と厳しい批判の声が続いています。

そこで、伺います。

第一に、まず、山野市長は、国家や税金はだれのものとお考えでしょうか。

-山野市長

 憲法の前文で、我が国の主権は国民にあるとされております。国民が負担する税金は国の発展基盤や公共福祉の向上のために使われるべきであると考えます。

-広田議員

国民主権に基づけば、国家や税金も国民のものであるということが共通認識だと思いますが、「桜を見る会」が税金や国家の私物化だと批判を呼んでいることについて、今年の4月に市長もご出席されていたとブログに書かれていましたが、今この問題についてはどのような見解をお持ちでしょうか。

-山野市長

 「桜を見る会」のことにつきましては私は申し上げる立場ではないというふうに思っています。報道等を通じ、政府において見直しに向けた検討が進められているというふうに承知をしており、今後その方向で議論がされていくものと思っています。

-広田議員

確かに見直しの方針は出ましたけれども、ことはマルチ商法の被害者の拡大にまで繋がったかもしれないという問題に及んでいます。にも関わらず事実が一切明らかにされないまま国会が閉幕をしてしまったということについて、やはり行政をあずかる市長として、厳しい目でこの件に当たっていただきたいと思いますけれども、もう一度その見解を伺います。

-山野市長

 「桜を見る会」そのものにつきましては今ほど申し上げましたように国の方で見直しを図っていくということですのでそういう方向で議論が進んでいくものだというふうに思っています。

-広田議員

わたしは、税金や国家は国民のものであり、今回のことについて首相は事実を明らかにし説明する責任があると考えています。

転じて金沢市は市民のものであり、市長は市民全体の奉仕者です。しかし、市長はその任務につかれてから、広く市民のための市長と言えるでしょうか。いつしか異論を唱える市民には、予定をいくら合わせると言ってもお会いにならないことが当たり前となっています。それはある意味、市政の私物化とも言えるのではないですか。さまざまな立場やお考えの市民にお会いするべきと今一度求めますが、いかがでしょうか。

-山野市長

 私なりに時間を調整しながら様々な会合に出席したり多くの方にお会いして意見交換をしたりしています。時には厳しいご指摘をいただくこともありますし、時にはお互いに厳しい声で言い合いをすることもあります。ただ、「金沢市のために」「金沢市の将来のために」という同じ思いを共有しながら議論を重ねてきているところであります。以前も同様のご指摘をいただきました。私は決してそんな気はないというつもりでおりましたが、もしそういうふうに見えているところがあるのならば反省しなければいけないという思いもありまして、一度広田議員や会派の森尾団長にもお話させていただいたこともあります。全く違うベクトルを向いている方と議論をしてもなかなか上手く議論が合いませんので、ベクトルは同じ方向に置きながら手法が違ったりとかそういう方とはいろんなご意見をお聞きをしているところであります。今後も事前にいろんなお話をお聞きしながらまた私の日程も調整しながら、また合うようであればいろんな方たちと意見交換をしなければいけないと思っています。

-広田議員

 私が言っているのは、ベクトルが違っても会うのが市長の務めだということではないでしょうか。可能な限りお会いしているとおっしゃっていますけれども、1年以内どこでも市長のスケジュールに合わせるという言い方を秘書課を通してしたとしても、内容の問題で会えないというふうにこの間言われてきたことからすれば、やはりそれは市長の市政の私物化だと私は考えております。

そして本市の有する情報、これもまた市民のものです。昨今問題が市立病院でも起こりましたけれども、自衛官募集に関して突然、電子データで名簿を提供する旨の答弁がありました。6月議会の答弁では、市長の自衛隊に対する感謝の気持ちが語られ、その後「自衛官募集の事務負担の軽減に協力する」という唐突な流れです。感謝の気持ちと個人情報管理はわけて考えるべきと考えます。各種団体が申し入れもし、やめてほしいという市民がいる以上、市長の思いで審議会も開かず独断で行うのは、まさしく市の保有する情報の私物化と言えるのではないでしょうか。

-山野市長

 まず大前提としてご理解をいただきたいのは、私はメッセンジャーボーイではありません。誰とでも会うということは、私は政治家の仕事だとは思っておりません。そこはご理解をいただきたいというふうに思っております。自衛隊の情報提供のお話がありましたが、自衛隊への募集対象者情報の提供は法定受託事務です。違法ではありません。加えて個人情報は法令及び条例に基づき適正に取り扱っており、自衛隊への募集対象者情報の提供も自衛隊法及び同法施行令、さらには国会の議論並びに金沢市情報公開及び個人情報保護に関する条例に基づき適正に行うものであります。

-広田議員

 違法ではないのはもちろんですが、金沢市がやらなければならないという法的義務もありません。市民が自分の持つ情報についてやめてほしいと言っている以上、私はその声を真摯に受け止めるべきだと重ねて申し上げておきたいと思いますし、先程のメッセンジャーボーイとおっしゃいましたけれども、山出市長の時代には会っていたのに市長になってから会わなくなったという例もあります。私はメッセンジャーボーイとは思っていませんよ、ちゃんと市民の声を聞いてほしいという意味です。

30年度の決算委員会で市長の交際費を調査しました。一部の議員後援会がホテルなどで行なう議会報告会兼懇親会やビアパーティー、こうした行事に税金で会費を払い、22件参加されていることがわかりました。しかし、これは政治活動であり、しかも30年度は市長選挙の年でもありました。多様な市民を代表する市長であるならば、交際費つまり税金を充てるのは、税金の私物化という見方もあり、行うべきではないと考えますがいかがですか。

-山野市長

 選挙のためにいろんな方にお会いしているわけではありません。特定の国会議員もしくは県会議員・市会議員の後援会が主催する会合に招待を受けた場合、市政と県政・国政が密接な関連を有し、市長として相応の儀礼を尽くすことが市政の執行上必要性を有していると考えています。なお、公務としてこのような会合に出席する場合は、判例があります。もっぱら特定の議員ないしは政党を支援することを目的として行われるものではなく、かつ社会的な儀礼の範囲で相当な程度の金額に留まる限り許容される。その判例に従って対応をしているところであります。

-広田議員

 私は判例というよりも、やはり一部の議員であるということ、そして市長選挙の年でもあったということもあり、やはり特定の部分に税金を充てているのではないかという市民の見方があるということで言っております。以前、一部議員との連名ポスターを指摘されて「市民に公平公正を感じてもらえるようこれからも取り組んでいきたい」とおっしゃっておりましたけれども、市民からすればそのこととも矛盾するように思います。ぜひ見直しを求めておきたいと思います。

  • 次に、消費税10%増税と市民のくらし、来年度の本市予算編成方針について伺います。

安倍政権が10%への増税を強行して2か月以上がたちました。各種調査でも、増税は国民の消費生活を冷え込ませ、日本経済を低迷させています。市長は6月議会で、消費税を容認されていました。しかし、消費不況は増税前から深刻で、実質消費支出は年20万円、実質賃金も年15万円も落ち込んでいます。景気悪化が鮮明な中で、10%への増税強行は無謀の極みであり、さらなる景気悪化は必至です。政府は景気対策を行っているとしますが、一部の店舗と消費者しか利用できない「ポイント還元」は税の公正さを損ない、「ただでさえ収益も少ないのにもう複雑でやっていけない」と市内の飲食店は廃業を決断しました。本市では、国費5億円の予算がついたプレミアム商品券。およそ6割の非課税世帯は申請もしておらず、「商品券を買うための2万円が用意できない」というお声、これが実態です。消費税の逆進性により、貧困と格差はさらに深刻です。本市もそれらを真摯に受け止め、市民のくらしをいかに守るかが問われます。そこでお聞きいたします。

第一に、消費税10%増税が中小企業の経営を圧迫し、例年になく年末の資金繰りへの対策が求められています。経産省は、中小企業・小規模事業者等が年末の資金繰りに困らないよう対策を求める「通知」を先月、全国の関係機関に発出しています。本市でも、融資の迅速化、相談窓口の拡充・開設、利子補給や保証料の免除など、年末の特別対策をとるよう求めますがいかがですか。

-山野市長

本市では金融相談に関する相談窓口を開設しております。専門相談員を配置しているところであります。中小企業・小規模事業者の相談内容に応じ、県の信用保証協会や政府系金融機関、地元の金融機関と連携し、事業者の資金繰りへの支援を行っているところであります。ご指摘のことにつきましては、本市の経営安定化支援策として中小企業庁が定めるセーフティネット保証に基づく利子補給に加え、市制度融資の中小企業振興特別資金や季節的な資金需要に対応する短期資金への利子補給を行っているところであります。金融機関と協調し、速やかな金融支援に努めているところであります。なお、利子補給により借入利率の低減が図られているところから、事業者が負担する保証料については今のところ市として支援する考えはありません。

-広田議員

 更なる拡充と、そしてやはり年末の特別体制を組んでいただくよう求めていきたいと思います。

第二に、来年度の予算編成方針の中にある、市長の「雇用情勢や所得環境の改善が見られる」という認識は改めるべきです。消費増税の影響調査を行いつつ、政府の「景気回復」論を引用した来年度予算編成方針は改め、くらし最優先に切り替えるべきです。税金や国民健康保険料など公共料金の引き下げ、社会保障施策の拡充こそを求めますがいかがですか。

-山野市長

 なんといっても町の発展、そして今ご指摘がありましたように市民福祉の向上というものが私は大切な視点であると思っております。必要な施策の積極的な予算化に努めていかなければいけないというふうに思っています。地域経済の活性化や町の発展基盤の整備に加え、福祉・環境・教育・安全・安心といった市民生活に身近なサービスの充実に十分配慮をしながら、均衡を図った予算編成に取り組んでまいります。

-広田議員

 景気回復論に立っている予算編成なので、本当に市民の実態が見えているのかと、そして消費増税の影響が見えているのかと大変心配をしております。是非とも増税による影響調査を行っていただき、本当に実態に合った経済対策、そしてこれから社会保障のことも質問しますが、やはり市民の求めている社会保障の拡充を引き続き求めていきます。

第三に、安倍政権は20年度税制改定の議論を始めましたが、この消費不況にもかかわらず、さらなる大企業優遇税制の拡大内容です。今でも輸出大企業には年間1兆円もの還付がされるなど、この消費税は大企業の税制優遇と併行して行われていることは明らかです。国民が求めているのは大企業、富裕層向けのばらまきではなく、庶民の負担を減らすことです。消費税は減税し、大企業と富裕層への優遇税制を改め、応分の負担を求めるという考え方を我が党はしていますが、市長のお考えはいかがですか。

-山野市長

 これまでも国が責任を持って消費税率の見直しをはじめとした税財政改革の実践をしてきたところであり、そのことが国家財政の再建、少子高齢化社会の対応に繋がるものと思っています。

-広田議員

 消費もGDPも低迷しているわけでなかなか国家財政についても寄与しているのかということも明らかですし、今少子高齢化とおっしゃいましたが、社会保障についてもこれから質問したいと思います。社会保障費の削減がまた行われようとしています。消費税は社会保障に使うと言ってきたにもかかわらず、このような中身です。診療報酬は2・5%以上のマイナス改定、後期高齢者医療では、新たに75歳になる方から自己負担を1割から2割に引き上げ、介護ではケアプランの有料化や要介護1、2についても「地域支援事業への移行」を検討、保育の公定価格の引き下げ案など、とんでもない中身が今議論をされています。このような社会保障費の削減に、地方自治体の長としてぜひ反対の声をあげていただきたいと思いますがいかがですか。

-山野市長

 持続可能な社会保障制度の構築は国家的な課題であると思っております。国が責任を持って行うものというふうに理解をしています。ただ少子高齢化が急速に進展していく中で、今のままでは限界があるということから、社会保障と税の一体改革を着実に実行していくことは私は避けては通れないのではないかというふうに思っています。ただ、地方自治体を預かる立場としては住民生活や地方財政に与える影響に十分配慮をした改革になることも大切な視点であると思っておりまして、今後の動向も注視をしながら必要に応じて全国市長会等を通じ地方負担等に対する適切な対応を求めてまいります。

-広田議員

 これまで消費税を増税された分が地方消費税分として余計に来ることがわかりましたけれども、その余計に来た分、結局地方交付税で減らされて結局調整されるということもこの本会議場で明らかになりました。地方にとってはなんらメリットがないわけです。このような社会保障削減をされても。だから今言ったように全国市長会を通して声を上げていただきたいと思います。

  • 続いて、本市の非正規職員の現状と会計年度任用職員制度について伺います。

本市の雇用では、全体のおよそ3割にあたる1320名が臨時、非常勤などの非正規職員です。しかも、保育士では42%、学校給食調理では66%、図書館では73%、学校校務士ではシルバー人材を加えると60%、消費者生活相談員は100%が非正規職員であり、もはや補助的役割とは言えません。この自治体運営に欠かせない「非正規職員」をめぐって、総務省は来年度から「会計年度任用職員」制度を導入するとし、本市でも9月議会で条例化したところです。総務省は、ボーナスの支給などの待遇改善ができるとし、「年収が数万円から数十万円アップする」と見込んでいます。たしかに、全国的にボーナス支給の報道がありますが、代わりに月の給料を減らすところが出ており、本市もボーナス支給の一方で、月の給料をおよそ2万円引き下げることになりました。年間の収入にするとほぼ変わりません。そうした個別のお知らせが、11月半ばから臨時、非常勤の方々にはじめて配られ、戸惑いや怒りの声が寄せられています。「働く時間も内容も変わらないのになぜ2万円もさがるのか」「手取りで10万円を切りそう。生活がやっていけない」「ボーナスがほしいと思っていたが、月給を削って自分で積み立てるだけのことじゃないか」など、転職も検討しているとのことです。そこで何点か伺います。

第一に、今でも非正規職員は、年収200万円以下の官製ワーキングプアと呼ばれている中で、来年度から生活の要である月の給料を2万円も減らすことは、日々のくらしをこわすものですが、どのようにお考えでしょうか。

-山野市長

 今回の制度導入に当たりまして、総務省から示されたマニュアルに沿って報酬額を設定したものであります。職務経験等に応じ年収で最大15万円程度増額となること、また減額となる場合であったとしても本市独自の対応として年収ベースで現給保障を行う経過措置を取っていることをご理解いただきたいと思います。

-広田議員

 ボーナスを出すのであれば、現在の給料月額を変えずに上乗せするのが本来のボーナスの考え方だと思うのですが、その点、月給を変えずにボーナスを支給すべきではないでしょうか。

-山野市長

 会計年度任用職員は一般職となります。職務給の原則、均衡の原則等を定めた地方公務員法の適用を受けることになります。従って、従事する職務の内容、責任の程度、職務経験等の要素を考慮し、総務省から示されたマニュアルに沿って報酬額を設定したものであり、期末手当については正規職員と同じ月数で支給をすることとしています。

-広田議員

 なので、その月の給料を変えて、ボーナスを減らしたということになると思うのですが。今回、通年で計算してもらったのですが、月額給料を全体で7100万円下げているんですよ。もし下げなければ、ボーナスを合わせた給与全体では4億4000万円の財源が必要でしたけれども、9月議会の答弁では通年で2億6000万円の上乗せだと。つまりは実際差し引きで1億8000万円を出し惜しんだというふうに受け止めております。誰も月額給与を減らしてボーナスがほしいなどと望んでいないのではないでしょうか。月額給与そのままでボーナスを、もちろん正規職員と合わせた月数でやってもらえばいいと、それを求めている、それが本当の働き方改革だと私は思いますが、その点いかがでしょうか。

-山野市長

 法律であります。制度であります。そして今ほど申し上げましたように総務省の示されたマニュアルに沿って決めているものでありますのでご理解をいただきたいと思います。

-広田議員

 財源を補填できれば別にマニュアルを上回るやり方をしても問題はないはずです。4億4000万円財源を出せれば、今の月額でボーナス支給ができたということではないですか。私は元々民間で働いていたときも団体交渉などでやはり月額の給与を減らすというのはとんでもないことでした。一般的にボーナスは予算の調整役とされています。だから今後下げることもできるんです。なので私は今回の改定は、今は目先のボーナスでいいように見せているけれども、本丸はなかなか下げられない月給を下げたかったということのように思いますけれども、いかがですか。

-山野市長

 繰り返しになりますが、法律で制度として行っているものであります。職員の皆さんに不都合のないような形で運用していかなければならないという気持ちは同じでありますが、法律・制度で動いているということをご理解ください。

-広田議員

 金額の部分については法律ではなくマニュアルで動かしているのではないかと思うんです。だから市の財源4億4000万円さえ確保できれば非正規の職員も今の月額のままボーナスを支給できるというふうに思いますが、総務局長いかがですか。

-太田総務局長

 ただ今議員からマニュアルのお話が出ましたが、今回の初号給がありますが、初任給に当たるものですが、それの設定につきましても総務省から示されたマニュアルの中で手法が書かれています。そのマニュアルによりますと、当然常勤の一般の職員との均衡を考慮してということですが、その職務の級の、事務であれば行政職給料表ということですが、その初号の給料月額を基礎としてという一文がありまして、具体的にはそれは行政職給料表の1級1号を基礎としてというふうに読みとれます。その上で、1年1年の雇用ではありますが実質的な昇給をかけるというふうなことになりますし、こういった措置につきましては厚労省等が出しておりますガイドラインにも違反していないということもマニュアルに明記されております。

-広田議員

 あくまでもマニュアルであって、私は同一労働同一賃金と今国も言っているわけですから、その視点に立って元々の月額で行くべきだと引き続き訴えていきたいと思います。

 さらに、こういう2万円の引き下げがあるからなのか、これまで原則禁止とされていた兼業について検討していると聞きました。これまでの考え方は職務に専念するということももちろん、市の仕事だけで生活が成り立つという前提があったわけです。その立場が変わっていくのかどうか、詳細もあきらかにしてください。

-山野市長

 パートタイムの会計年度任用職員につきましては、勤務時間が限られているということ、またこれらの職員の生計の安定、多様な働く機会の確保のためにも柔軟な対応が必要であること等から、地方公務員法の改正がなされ、営利企業への従事等を制限しないことが新たに認められたものと理解しています。法の主旨を踏まえつつ、副業に従事する際には公務への支障や信用失墜行為の禁止などの服務義務などについて対応をしてまいります。

-広田議員

 なので、兼業が解禁されるわけですけれども、私は非常に残念だと思います。もちろん2万円引き下げれば生活して行けないという方が、私が相談に乗った方もそうでしたが、副業せざるを得ないという状況に市が先程のマニュアルでもって給料表を変えてしまったためにそうなるということなんです。これまではやはり職務に専念するという前提で副業禁止としていたものが、大きく生活のためには仕方ないという矛盾を孕んだ給料体系になっていくものだと思いますが、その点矛盾しませんか、市長。

-山野市長

 矛盾しません。

-広田議員

 矛盾しますよね。金沢市自らが金沢市の仕事一本では生活していけないという人々を堂々と生み出すということになります。ぜひ真剣に考えていただきたいと思います。

第四に、雇用の上限、これは5年ということでありましたが、撤廃に向けて検討すべきだと思いますがいかがですか。

-太田総務局長

 本市の、今現在で言いますと非常勤臨時職員でございますが、職員本人に対しましてあらかじめ任用期間をお示しをしております。その了解を得た上で任用を開始するとともに、仕事そのものが定型的・補助的な業務が多いということがございます。また、就労の機会を広く市民に提供する必要があることもありまして、見直しは考えておりません。

-広田議員

 就労の機会を広くと言っても、人手不足だということは皆様もご存知ですよね。そのうちこの公務職場でも人手が足りなくなる、募集をかけても来なくなるということが言われている中でその考えはないのではないかと思いますし、やはり不安定雇用、先行きの見えない働き方を生み出すというのは、私は公的な立場を逸脱していると思います。先程言った同一労働同一賃金の原則からも外れている。市は労働相談にも乗っている立場ですよね。なのにこのような改悪を行うというのは私は絶対に認めるわけにはいかないと思っています。

最後に、これだけ重要な改定ですから、当事者の声を聴くのは当然のことだと思いますが、11月の半ばまで一切説明はなかったとのことです。改めて、納得のいく話し合いをしてほしいと思いますがいかがですか。

-太田総務局長

 非常勤臨時職員の方々は、そもそも組合には加入しておりません。ただ一部のそういった方々から本市の組合に対していろいろな相談が寄せられているということもお聞きをしましたので、人事当局の方は今回の人事制度設計に当たりまして組合とも意見交換をしております。当事者の方には会計年度任用職員に移行する際の個別の面接を今現在やっておりますけれども、その中で必要に応じて制度の説明を行っているところであります。

-広田議員

 もちろん組合はないですが、労働契約は一人一人のものですし、私は事前に説明があってしかるべきと考えます。他都市ではアンケート調査なりがあったというふうにも聞いております。ぜひ今相談のある分についてもしっかり受け止めていただきたいと思いますし、その面接の相談の中でも生活実態について本当に配慮してお聞きしていただきたいと思います。これ以上非正規職員が働きにくい、そして生活できないという実態を金沢市から生み出してほしくないと訴えておきたいと思います。

  • さいごに、第6期ごみ処理基本計画、コミュニティ活性化基金について伺います。

第6期ごみ処理基本計画の骨子案が発表され、現在パブリックコメントが行われています。骨子案の中身は、事業系ごみについて、ようやく明確な目標値と対策が打ち出されています。いくつか伺います。第一に、市は第5期計画でごみ量の推計値を出していますが、30年度1年間有料化をやってみての実測値との比較はどうなのでしょうか。とくに燃えるごみにおいて基準点の25年度と比較すると、家庭系は2割減で推計値に対しほぼ達成と言っていいと思いますが、事業系が減らないため、燃えるごみ全体の推計値を2割減としていたのが、1割減に留まっている状況です。このことについて見解を伺います。

-佐久間環境局長

 まず燃やすごみのうち家庭系排出量は昨年度の実績が6万9251トンということでございまして、指定ごみ袋収集制度の説明を始める前の2014年度と比較すると19.8%の減となっております。第5期計画の目標とする2024年度に向けまして順調に削減できているものの、議員がおっしゃられたように事業系につきましては同じく5万1290トンということでございまして、ほぼ横ばいの状況にございます。

-広田議員

第二に、事業系ごみの減量化では、これまでも各事業所への丁寧な指導を求めてきましたが、今度の計画では焼却施設への搬入規制が唐突に盛り込まれました。しかし、搬入規制をすれば、解決するわけではありません。市が受け取らず、単に行き先が変わるだけでは意味がありません。各事業所の古紙を資源にまわす具体策、そしてさらなる丁寧な指導が必要かと思いますが、どのようにお考えでしょうか。

-山野市長

 これまでも内容物調査や減量化計画書に基づく立ち入り指導などにより、古紙の資源化を促してきたところであります。引き続き効率的なリサイクルルートの確立に向けて、搬出事業者への意識啓発や古紙回収事業者との連携強化に努めてまいります。

-広田議員

 搬入規制までするわけですから、私はもっと突っ込んだ具体的な計画があるのだと思うのですが、この計画にあたってもう少し突っ込んだ計画があれば教えてください。

-山野市長

 今年度からですが大規模事業者に加えまして中小事業者を対象とした減量計画書の提出により、ごみの適正処理やリサイクルへの取り組みを促してきているところであります。その中で事業所ごとの減量目標の設定、フォローアップに至るまで丁寧な指導・助言に努めてきているところであります。

-広田議員

 是非ともその搬入規制の前にできることをやっていただきたい、今言った計画に基づいた丁寧な指導、そして各業種別の取り組みなんかも各自治体ではやっていますので、ぜひやっていただきたいと思います。

東部の焼却施設のことについて伺います。燃やすごみが減ると東部の焼却施設の建て替えをコンパクトにできる、そのように住民に説明されてきたはずですが、第6期骨子案では、延命化の検討が突然打ち出されています。有料化後、方針を変えたのか、なぜなのか、あきらかにしてください。

-山野市長

 これまで全国でも9割近い地方自治体が取り組んでいますので参考にしながら平均で14%減量がなされてきたと。その場合はということで建て替えのことについてお話させていただきました。多くの市民の皆さんのご理解をいただきまして、家庭ごみの燃やすごみが大幅に減量をされました。また今ご指摘いただきましたように事業系のごみの減量化・資源化に向けてさらに取り組みを強めていかなければいけないというふうに思っています。今ある施設を少しでも長く大切に使った上で建て替えを検討することは、将来世代の負担に繋がるものであり、私はこれまでの方針に合うものだと思っておりますし、多くの市民の皆さんのご理解をいただけるものと思っております。

-広田議員

今年の3月に、環境省から「ごみ処理の広域化とごみ処理施設の集約化」についての通知が出ています。

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