金沢市議会 |日本共産党 金沢市議員団 |14ページ

金沢市議会

広田議員

-広田議員

質問の機会を得ましたので、日本共産党金沢市議員団の一員として、以下数点質問致します。

1.地域医療の存続について

はじめに、地域医療の存続について伺います。新型コロナウイルスにより、「医療崩壊ギリギリ」という訴えが医療現場から相次ぎました。医療従事者のみなさんの奮闘により持ちこたえていますが、いまの時期に「第2波」に備えるためには、その要である医療体制の確立抜きには語れません。しかし、その大きな障害となっているのが医療機関の経営危機です。感染症受け入れのための病床確保や、医師や看護師の特別体制をとったこと、一般診療や入院患者数を縮小したほか、手術や検査、健康診断の先延ばし、感染をおそれ外来患者が受診を控えたことなどを要因として、大幅な減収を引き起こしています。日本病院会など3団体の5月末の調査によれば、感染者を受け入れた病院は4月は平均1億円の赤字、受け入れていない病院も6割以上が赤字という結果です。全国の開業医・歯科医でつくられている全国保険医団体連合会の調査でも、保険診療収入が減少した医療機関が9割にのぼったとしています。本市では市立病院をはじめ、県立中央病院では4月の前年同月比で1.5億円の減収、金大病院、民間病院からも大幅な減収が伝えられています。医療系の労働組合からは、複数の病院ですでにボーナスカットの動きもあり、職員の離職が心配されるなど、先日市長あてにも申し入れを行ったところです。まずは、感染症指定病院として位置づけられ、感染者の受け入れと治療に取り組んでいる、本市市立病院の経営状況をあきらかにしてください。

-西尾市立病院事務局長

入院と外来を合わせました5月の医業収入は、昨年5月と比べまして約8400万円の減収となりました。

-広田議員

4月ではすでに8200万円の減収と伝えられ、5月分では8400万円の減収とのこと。この市立病院での減収分を、今後どのように補填していくのでしょうか。先日成立しました第二次補正予算だけで補填ができるのか。あきらかにしてください。

-山野市長

国の方では緊急包括支援交付金を創設し、空床確保料を補助することで医療提供体制を維持して行くというふうにお聞きをしています。また県におきましても、感染患者の受け入れ医療機関に対し独自の協力金の支給を検討しているとお聞きをしています。まだ詳細な具体的な金額は確定しているわけではありませんけれども、これらによって減収分が補填されるというふうに考えています。

-広田議員

 今おっしゃられました交付金で空床確保、県の協力金もこれはベッドに対するものです。補填というのは、今出されているメニューでは感染症受け入れのベッドに対してのものであって、例えば看護師さんを市立病院も増員しましたけれども、その人件費であるとか通常より使っている医療敷材であるとか外来が減った分であるとか、こういったものもすべからく減収分ですけれども、補填されるとお考えでしょうか。

-山野市長

詳細な金額は発表されておりませんので、細かいところまで申し上げることはできませんけれども、概ね補填されるのではないかと期待しているところでありますし、そうでない場合があるとするならば、様々な形で現場の声を県・国にもお伝えをしていきながら、市としてもなし得る限りのことをしていきたいと考えています。

-広田議員

すでに民間の病院ではもうそれでは足りないと、感染症を受け入れたところであってもですね、そういう声が出されております。補填してみてどうかというのを待っていたのでは、経営破たんを招くという病院もありますので、ぜひすぐにでも国に声をあげていただきたいと思います。ただ、市立病院は感染症指定病院でもあり感染者を受け入れましたので、まだ予算が来る方ですが、それでも今言ったように減収分を全て補填できるのかはわからない大変厳しい現状だというのは共通認識だと思います。そして今言ったように他の民間病院はもっと大変な現状であるということは、同じく共通認識だと思います。国の第2次補正予算には、感染者対応の医療機関に1.2兆円規模の財政支援を行うとしていますが、4、5月診療分の減収補填への対策は含まれていないのが実態です。再度お尋ねしますが、市長、感染者を受け入れた病院であってもそうでない病院であっても、例年より減った分の補償を行うという観点で国の財政支援が必要だと考えますがいかがですか。

-山野市長

 今ほどのご提案についても全く同じ認識であります。私も現場の先生方、また医療関係者から直接そういう切実な声をお聞きしているところであります。これは金沢だけではなくて全国的な問題だと思います。全国市長会としても声を上げていって取り組んでいかなければいけないと思っています。

-広田議員

 その部分は同じ認識だということです。

政府は、4月分診療報酬の減収分について5月診療分の一部を概算前払いするといったことも出しておりますけれども、これは7月以降に前払い分は返金しなくてはなりません。しかも5月診療分の減収については救済策は全くなしです。コロナ感染と必死にたたかった医療機関に対して、あまりにも冷たい対応だと言わざるを得ません。全日本病院協会など四病院団体協議会が、日本医師会とも連名で申し入れた要望は、「災害時と同様に前年度の診療報酬支払額に基づく概算請求を認めてほしい」というものです。政府は実施を拒否していますが、市長、阪神淡路大震災でも東日本大震災のときも、昨年の台風19号のときもやっています。ぜひ災害時と同様の対応が必要だと思いますが、その見解を伺います。

-山野市長

 私もこれは災害と言っても過言ではないのではないかというふうに思っています。ただ法的な位置付け等々がありますので、ここで軽々には申し上げることはできませんけれども、切実な声を様々な場面、私の立場からすれば全国市長会等を通して国に伝えていきたいというふうに思っています。

-広田議員

 さらに石川県は人口当たりでみると、ご存知の通り感染者が本市を中心に全国で2番目に多い状況です。本来は率先して、県や市としても国へしっかり声をあげるべきですので、よろしくお願いします。

次に、今回の国の第二次補正予算で示された医療従事者への慰労金は、現場の実態に答えるものではありません。直接感染者の対応をしたかどうかで額が5万円から20万円と差がありますが、どの現場でも誰が感染者か分からない中、緊張状態に置かれ、みなさん奮闘をしてきたのはご存知かと思います。よって、一律20万円を幅広い職種に配布すべきだと考えますが、ぜひ国へ求めていただきたいと思います。

-山野市長

 まさに今ほどおっしゃいましたように、感染をする可能性、リスクと常に背中合わせの中で取り組んでいらっしゃる方たちが医療関係者でありますので、その思い、気持ちは全く同じだというふうに思っています。これも金沢市だけではないと思います。石川県市長会、北信越市長会、そしてなんといっても全国市長会を通して、国にそういう切実な現場の声を伝えていきたいと思っています。

-広田議員

 医療従事者という明確な区分がされてしまうと、出されない人も出てくる。そして感染症対応の病院とそうでない病院で違いが出てくる。こういった壁を取っ払って全員に配れるように、ぜひお声をあげていただきたいと思います。

次に、本市の独自支援ができないか伺います。直接感染者を受け入れていない、地域の身近な病院・診療所であっても、感染者受け入れ同様の体制をとってこれまで患者さんに対応しています。たとえば、保健所で検査の対象ではないとされ、かかりつけの病院に行くよう言われた方に対し、発熱外来で対応しています。クラスターが起きた病院から陰性になった患者を受け入れ、特別の体制をとって現在も治療にあたっている病院もあります。石川県の要請でPCR検査の採取を請け負ってきた病院もあります。それにもかかわらず、これらの病院は今回の第二次補正予算では感染者を受け入れたかどうかで区別され、国からも県からもほとんど財政的な支援がないといった状況です。PCR検査を受け入れ、本当に緊張状態の中頑張ってきた病院が、まだ労使協議中ですが夏のボ-ナスが0.5ヶ月分カットされて、12万円も下がるような状況が現場から出されています。こうした市民の第一線でがんばっている民間の病院や診療所に対し、第二波に備えるためにも、そして私たちの地域医療を存続させるためにも、市として独自の財政支援を行うべきですがいかがですか。

-山野市長

 これまで国や県が主体となって行ってきました。市としてもマスクであったり衛生用品であったりの医療物資の配布を通して、医療機関に直接関わってきたところでもあります。引き続き国と県と連携をしながら、市としてなし得る限りのことをしていきたいと考えています。

-広田議員

 国・県主体というご答弁が続いてきましたけれども、もうここまで来ましたら中核市として、市としてなし得る限りの姿勢を見せるということが、私は必要かと思っています。

6月補正で、寄付金である金沢版ふるさと納税を使って医療従事者や子どもたちへの支援をするとしているわけですけれども、これは独自の財政支援策と言ってもいいと思うのですが、どれくらい集まることを見込んでいるのですか。またこれは、集まった分だけで行うということなのか、それとも集まった分を一般財源に織り交ぜて使うということなのか、あきらかにしてください。

-山野市長

 ふるさと納税ですので、まだはっきりと数字がわかるわけではありません。一生懸命告知をしていくことによって、お1人でも多くの方のご理解をいただいて、ご協力いただけるようにしていきたいと思っています。ふるさと納税でしていただいた分だけということでは決してありません。そういう形ではなくて、しっかりと取り組んでいかなければならないというふうに思っています。感染症の緊急対策につきましては、国の支援等を始め市単独でも財政支出を行っているところでありますし、4月の臨時会のときにも提案をさせていただいたところであります。ご寄付をいただいた皆さんの支援に対するお気持ちを十分に活かしていきながら、有効に大切に使わせていただけたらと思っています。

-広田議員

 寄付金ですから、これからどれくらい集まるのかということになるわけですけれども、今のご答弁ではふるさと納税だけではなく、それも使って行うということでした。であれば、やはり医療機関、従事者の支援になりうる具体的施策を最初から計画したうえで、必要な財源を確保すべきだと考えますがいかがですか。

-山野市長

 ふるさと納税のことについては今ほど申しましたようにいくらというわけではありませんけれども、医療機関に対する支援というのは、やはり一義的には国・県が主体で行っていただいております。ただ金沢市としてもしっかり連携をしながら、できる限りのことを取り組んでいかなければいけないと思いますし、そういうふうにしてきているところでありますし、これからもそういうふうにしていきます。

-広田議員

 できる限りのことをしたいというお気持ちはわかったんですけれども、寄付金という見込めない予算で行うのではなく、具体的にこれくらいのことをすれば支援になるんだということを見据えて、財源を確保するべきではないかということを申し上げておりますが、再度いかがでしょうか。

-山野市長

 今数字を明確に申し上げることはできませんけれども、繰り返しになりますができ得る限りの施策に取り組んでまいりたいと考えています。

-広田議員

 できる限りのことを、早急に、数字で表していただくように再度求めておきたいと思います。

次に、政府がすすめる地域医療構想、市立病院のあり方についてです。「地域医療構想」については、加藤厚生労働相が5日の記者会見で、「再編統合の議論が必要」とした公立公的病院をめぐり、都道府県に求めていた今年9月までの結論取りまとめの先送りを認める考えを示しました。ですがこれは先送りにすぎず、県内では7つ、本市内でも2つの公的病院が再編統合の名指しをされ、石川県では2700床もの病床削減を迫られていることに変わりはありません。しかし、このコロナウイルス感染症のもとでは、日頃からいかに病院が人員体制やベッド数もぎりぎりの状態でやってきていたかがあきらかとなりました。県内での公立公的病院が主体となったのだと思いますが、感染症病床の使用率は一時ひっ迫をし、用意できた病床の9割にも達していましたし、ホテルで軽症者を受け入れなければ足りなかったというのが実態です。公的・公立病院を再編統合する地域医療構想は先送りではなく、撤回すべきです

その地域医療構想の中で、あり方検討会を行ってきた市立病院についてまず伺います。患者数の増加にあわせ、確保病床を増やしてきたかと思います。まずはこのコロナ危機において、市立病院の接触者外来や感染者の受け入れ状況、病床の確保、使用率の推移をあきらかにしてください。

-山野市長

 感染者の受け入れは当初6床でありましたけれども、28床へと段階的に受け入れ病床を拡充をし、公立病院としての役割を果たしてきたところであります。使用数・使用率の推移ということでありますけれども、これは県の方でも医療従事者や受入施設への風評被害などを考慮をし、これは当初から公表しない方針としており、市立病院もそれに合わせているところでありますので、公表していないということをご理解いただければと思います。

-広田議員

 接触者外来の状況であるとか感染病床の使用率の推移をみることで議論をしたかったのですけれども、今は公表はむずかしいというご判断です。新聞等でも出ていますけれども、この県のこうした感染症に対する情報公開の問題については、今後取り上げていきたいと思いますが、今は私はこの状況を受けて、実態としては、具体的な数字が出て来なかったとしてもやはり病床はひっ迫し対応に追われたということは明らかなわけです。なので、県からの情報が出て来なくとも、コロナ危機を受けて、医療や保健機能についてとりまとめや検証を行わなくては、病院の再編統合や市立病院のあり方についても議論はすすめられないはずだと思いますが、その点はいかがでしょうか。

-山野市長

 コロナ対応に限るというわけではありませんが、普段からこれはあり方検討会の中でもご提案をいただいておりますけれども、やはり周辺病院であったり機能連携や機能分化、そういうことの課題点を洗い出し、調査研究をしていくことは大切だというふうに思っています。その調査の中で、今まさに議論しています今回の新型コロナの対応等を検討して行くことで、今後の感染症対策に望んでいきたいと考えています。

-広田議員

 普段からの調査、公表調査というのは当たり前ですけれども、このコロナ危機については次元が違うわけですから、必ず調査検証をやっていただきたいと思います。ただ市立病院については、このコロナ危機において、感染症指定病院として重要な役割を発揮し、公的役割を再確認したところです。しかし、実態としては感染者を受け入れるためのベッドも増やし、看護師も増やして対応した事実からして、現状のままでは今回のような規模の感染症には十分対応できないというのも明白になったと思います。よって、調査は今後されるということもご答弁としていただきましたけれども、2月に出されたあり方検討会の提言については、コロナ危機の前に議論されたものであり、見直しという方向性を出していただきたいと思いますがいかがでしょうか。

-山野市長

 この提言の中でも再三、厳しい災害医療であったり今回のような感染者の医療であったり、これは公立病院としてしっかり担っていかなければならないというふうに明言もされておりますし、今回はまさにそうであったというふうに思っています。むしろ今回その役割がよりしっかりしなければならないということだというふうに思っていますので、提言のベクトル・方向性と一致しているものだと思っています。

-広田議員

 災害対応であるとか感染症対応も維持して行くというのは提言の中にありますけれども、やはりそのコロナ危機の前に議論されたということが私はまだひっかかっていて、ここは明確に「感染症の拡充をする」といったことが提言として見直されるべきだというふうに思うんです。ですから、今の論調ですと、感染症の対応については拡充の可能性もあると受け止めてよろしいですか。

-山野市長

 これからいろんな議論を重ねていかなければならないというふうに思います。今回のコロナ禍の中でいろんな課題も見えてきましたので、先程申し上げましたように周辺病院との連携であったりだとか、機能の連携を含めた中で、議論を重ねていければというふうに思いますし、その中で必要性が認められるということであればそんな方向でも議論を進めていかなければならないんだと思っています。

-広田議員

 他の病院とどう機能を分担したとしても、感染症指定病院は県立中央病院と金沢市立病院しかないわけですから、どう考えたって拡充の方向だろうということを私は思っておりますので、ぜひその方向で議論を求めたいと思います。また、提言の中では独立行政法人に移行する案も出ていますが、これはやはり公的役割を担う、そして感染症指定病院の役割を担う市立病院としてはふさわしくないと、これまでも言い続けてきたわけですが、その独立行政法人についての検討の提言も見直すべきではないかと思いますがいかがでしょうか。

-山野市長

 大きな流れとして、少子化・高齢化というものは避けることができないんだと思っています。先程来申し上げておりますような病院の機能の分担であったり周辺病院との連携を進めていく中でも、経営の効率化であったりだとか、またこれは本会議でも議論されておりますけれども事務部門の専門性ということも求められるというふうに思っています。そういうところから、地方独立行政法人化を検討する必要があるのではないかという提言もいただいているところであります。課題等を今一度精査・整理をしていく中で、検討を重ねていきたいと考えています。

-広田議員

 経営効率化、そして事務部門の専門性を独立行政法人に求めるとするならば、やはりこれまでの市立病院の機能・役割は、私は失われる可能性が非常に高いというふうに思います。このようなパンデミックの状況であっても、経営を考えて受け入れない、患者さんを受け入れないという判断だってあり得る可能性も出てくるわけですから、私はやはり独立行政法人にするべきではないと思いますし、少なくとも市長、このコロナ危機を経験したのであれば、この提言について独立行政法人ありきの検討ではないと、それだけはご発言いただきたいと思いますがいかがでしょうか。

-山野市長

 経営の効率で(患者を)断るのではないかということでしたけれども、再三申し上げておりますけれども、採算が厳しい災害医療や感染医療というものは公立病院は担っていかなければいけない、その使命は公立病院としてしっかり担っていきたいと思っています。独立行政法人のことにつきましては、今後課題を整理しながら議論をしていきたいと考えています。

-広田議員

 ぜひ「ありきではない」というふうに明言していただきたいところでしたが、検討するということはそういうことだというふうに受け止めておきます。

もうひとつ。これからは有識者会議に議論の場が移るとされていますが、やはり今回の状況を経験し、その構成の中に感染症の専門家をぜひ入れてほしいと思いますがいかがでしょうか。

-山野市長

 繰り返しになりますけれども、採算が厳しい災害医療というものは公立病院としてしっかり担っていかなければならないと思っていますし、提言の中でも明記をされていますし、今回の新型コロナウイルス感染につきましての検証も含めて、委員の選任に当たっていきたいと考えています。

-広田議員

なかなかこの場では明言できないかもしれませんが、ぜひ専門家を入れるよう求めておきたいと思います。市長は、これまでの答弁をお聞きしますと提言を根本的に見直すということはしないものの、感染症や独立行政法人化などは、コロナ危機を踏まえ、まだまだ議論の余地はあるんだということが今のやり取りで交わされたのではないかなと思っています。であるとするならば、やはりまずは最初に出しました国の地域医療構想、これはやはり実態に基づかないということで、撤回を市長として国へ求めていただきたいと思いますし、市立病院のあり方検討についても、今回のコロナ危機を踏まえた議論になることを再度強く求めますがいかがですか。

-山野市長

 今回の地域医療構想ですけれども、今回のコロナ禍の中でこの石川県だけではなく全国の中でも名前の出た病院も大きな役割を果たしたと私はお聞きしているところでもあります。国の方ではそういう実態も踏まえた上でこれからさらに議論を進めていくのだと思っています。まずはその議論を注視して行きたいというふうに思っています。市立病院としては、繰り返しになりますので申し上げませんが、公立病院としての役割をしっかり担っていくということと、金沢市の南部エリアの地域の拠点病院としての役割をしっかり担っていかなければいけない、そんな思いで取り組んでいければと思っています。

-広田議員

この質問のさいごに、これまでの議論の元になると言っても過言ではありませんが、安倍政権以降、診療報酬は4回連続で引き下げられ、全国の病院の統廃合も進められようとしています。コロナ危機のもと、こうした効率性や経済性を重視し医療・社会保障を抑制する政策の破綻は明らかだと言えます。社会保障・福祉に手厚い国、金沢市にするため、政策の転換が大元から求められると思いますが、見解を伺います。

-山野市長

 今回のコロナ禍におきまして、医療についての考え方というのはいろんな視点が新たに議論が必要になってきたというふうに思っています。感染症に対する支援、考え方であったりだとか、行政としての考え方、またオンライン受診というものも全国的に議論をされて、一部モデル的に行っているところもあるというふうにお聞きをしています。初診におきましてもオンライン受診ということを議論されているところであると思っています。まさに新しい生活の行動様式なんだと思っています。一番は、市民・県民・国民の皆さんが安全に、そして安心して生活でき、万が一のときには医療機関でしっかりとサポートしていただける、そんな体制を作っていかなければならないという思いは、全く同じだというふうに思っています。そのためになし得る限りのことに取り組んでまいりたいと思っています。

-広田議員

 オンライン受診、方法についてはたくさん議論ができるかと思いますが、やはりここで根本的に見直すべきは、そうした安全・安心のために医療や社会保障というものが儲けや利益では計られない分野であるということが、再度確認しなければならないことかなと思いますので、ぜひその視点で今後市政運営を進めていただきたいと思います。

2.大学生等への支援について

続いて、大学生等への支援について伺います。コロナウイルスの影響で、5人に1人の学生が退学を検討しているなど、学生の生活や学業に影響が出ており、学生のみなさんのお声で国の緊急給付金が実現をしたところです。本市では、石川県内の青年団体が取り組んだアンケートでも、学生がバイトができず困窮しているといった声が寄せられていますし、不動産関係者からは市内の大学生でアパートを退去した学生もいるという情報も寄せられています。本市が責任を持つ美大の学生さんも大変な状況にあります。金沢美大の自治会アンケートでは、新型コロナの影響で収入が減ったという回答がおよそ7割、休学を検討したことがあるとした回答が3人に1人にのぼっている状況です。そこで、授業料減免や猶予の制度が元々ありますが、今年の減免申請は5月中旬では昨年比78%増とのことですが、現時点では決定者などが例年よりどれくらい増えているのか、明らかにしてください。また今回の追加補正予算で対象の拡大があるようですが、どれくらいの方を対象として見込んでいるのか、教えてください。

-鳥倉都市政策局長

 美大の授業料減免件数に関するご質問についてお答えいたします。金沢美術工芸大学の前期授業料に対する減免件数でございますが、今月17日現在、申請89件のうち減免決定が61件、不採択が21件、審査中が7件となっております。また昨年度との比較におきましては申請で41件、減免決定で34件の増加となっておりますが、これは新型コロナウイルス感染症の影響も理由の一つと考えております。また今回の授業料減免制度の拡充についての見込み件数におきましては、公立大学である金沢美術工芸大学におきましても国立大学に準じた減免措置となるよう市として支援したいという考えでございますが、現在のところ国からは詳細な基準が示されておりませんことから、見込み件数については不明となっております。

-広田議員

 授業料の減免の対象を増やすというのは大変重要なことなのでぜひ進めていただきたいと思いますが、現時点での状況は前年度の比較として、前期分ですけれどもおよそ2.3倍に増えているといったところです。これだけ困窮する学生が例年との比較では増えているというのも実態として言える状況です。そんな中、美大生自らが署名を集め学長に提出をされました。授業料の一部返還や就学支援金の給付、貸付制度の返済期日の統一などを求めています。市長もご存知とは思いますが、どのように受け止めていらっしゃるでしょうか。

-山野市長

 事務局から報告も受けているところでありますし、内容も拝見させていただきました。内容もそうですけれども、学生が自らの学びの機会を確保するために自らの意思で行動を起こされるということは私は大変良いことだというふうに思っています。要望には3つの内容についてお聞きしているところであります。近々大学側の方から学生さんに対して文書で回答をするということをお聞きをしておりまして、大学の判断を尊重したいと思っております。

-広田議員

その学生さんの要望の中にあります短期貸付制度についてまず伺います。今その貸付制度の利用状況は、始まってからどのくらいの申請件数が寄せられているでしょうか。

-鳥倉都市政策局長

 金沢美大が創設しました短期貸付金制度でありますが、今月17日現在、学生3名の利用があったと聞いております。

-広田議員

 3名なんですね。大変少ないと思うんです。というのも、学生さんからはすでに「前期の授業料も払えないのに、今お金を借りても後期の授業料はどうやって払うのか、救済になっていない」というようなことが報道で述べられています。奨学金をすでに借りているという人もたくさんいますから、追加で借金というのはなかなか考えられません。さらに院生の皆さんにとっては非常にタイトな返済期日であることも言われています。私は、全学生に対し卒業後の返還も認め、事情があれば免除するなど柔軟な対応をとるべきだと考えますし、本市は、大学側がそう決断できるようにぜひ財政支援を行うべきと考えますがいかがでしょうか。

-山野市長

 大学側の方から返還時期につきましても一つの方向性を出しましたが、学生の負担や個々の状況に配慮の上、返済期日の延長等にも柔軟に対応するということをお聞きをしています。まずは大学の自治を大切にしていきたいというふうに思っています。

-広田議員

自治ももちろんそうですけれども、財政支援があればその自治も判断ができるという部分が大いにあると思いますので、これは学生さんの学業の保障ですから異論はない点だと思いますので、ぜひよろしくお願いします。

次に、国の学生支援緊急給付金が始まりましたけれども、この利用状況がどのようになっているのか伺います。

-鳥倉都市政策局長

 国が実施します学生支援緊急給付金ですが、今月17日現在111件の申請があったと聞いております。

-広田議員

 速やかに支援金を受け取れるようにご配慮いただきたいと思います。しかしながら文部科学省はこの審査につきまして、「最終的には大学側が状況によって総合的に判断する」としています。困っている学生が救済されない制度であっては意味がありません。大学側は柔軟に審査するべきだと考えます。また、留学生だけに要件としている成績についても、これも柔軟に対応していただきたいと思います。第一次募集は6月12日に締め切られましたが、今後第二次募集もあると聞いておりますので、その予定も含め柔軟な対応を求めておきたいと思いますがいかがでしょうか。

-鳥倉都市政策局長

 受給対象となります学生ですが、家庭から自立してアルバイト収入で学費を賄っていること、あるいは既存の支援制度を活用しても学費等の支出が困難であること等の条件を考慮した上で、大学が給付の必要を認める学生となっており、大学側からは学生からの申請書類に基づき、不明な点がございましたら丁寧な聞き取りを行うなど、学生の実情をしっかり把握したうえで、日本学生支援機構に推薦リストを提出する予定と聞いております。また一次募集の締め切りは今月19日となっておりますが、二次募集の日程等については未だ確定していないと聞いております。

-広田議員

 最後に、やはり市の姿勢としては大学の学生さんは金沢の文化の担い手でもある、大切な学生さんです。経済的理由で1人の退学者も出してはならないと考えます。ぜひ一律就学支援金であるとか、授業料の返還であるとか、ぜひ支援金を出していただきたいと、市長の決断を求めて質問を終わります。

以上

で、実はまだ大学生支援については用意していたのですが、タイムオーバーでできませんでした。用意していた原稿はこちらです。

 しかし、それらの制度や、追加議案で出された授業料減免に該当しない方も出てくるはずです。学生の求める独自の就学支援金を給付することや、一律授業料の一部返還も検討すべきです。

その際、美大の財政だけではむずかしいと思いますので、市として一般財源から拠出して行うことを求めます。

学生ひとりにつき10万円出したとして、700人の学生さんに対して7000万円です。 

金沢の文化の担い手でもある大切な学生の中から、経済的理由でひとりの退学者も出してはなりません。市長の決断を求めるものですがいかがですか。

―市長

昨日も、国県市の事業をまずは使ってもらうというような答弁でしたけれど、学生さんへの支援というのはなかなかむずかしく、たとえば、福祉という切り口では緊急小口や住居確保給付金も親御さん含めた世帯という見方をされ、なかなか受けることができません。なので、独自支援をと言っているのです。

 さらに、バイトをしないと賄えないような高い授業料が学生の学業と生活を脅かしているということもはっきりしました。日頃は学生のがんばりでなんとかなっていても、こういう事態ではあっという間に困窮するということが浮き彫りになったのです。学生が本来の学業や創作活動に集中できるよう、そもそもの学費の引き下げの検討を始めるべきですがいかがですか。

―市長 

 最後に、美大生のほかにも、市内の多くの他大学生や専門学校も同様に困窮をしています。ぜひとも国にさらなる支援を求めてほしいですし、市としても財政支援を行うべきですがいかがですか。

―市長

というものです。
で、これで終わりというわけにはいかないので、総務常任委員会にて、市長は出席しませんのでお聞きできませんが、美大事務局長に質問をしました。
その内容はこちらからご覧ください。↓

6.19 総務常任委員会 美大の学生支援についての質問

-森尾議員

森尾議員

私は、日本共産党市議員団の一人として、質問いたします。

最初に、新型コロナウイルス感染対策と本市重点戦略計画の見直しについて伺います。新型コロナウイルス感染症は世界的規模に広がり、人類の歴史の中でも最も深刻なパンデミックの一つになっています。今後、私たちが安心して日常生活を送り、経済・社会活動を再開していく上で、感染拡大の「第2波、第3波」への対策が重要となっています。感染拡大を抑止するための医療と検査体制を抜本的に強化し、安心して経済・社会活動の再開が進められるようにすることが求められます。そこで、市長は今後、感染対策をすすめていく上で、どこを重点に取り組んでいかれるのか伺います。

-山野市長

 5月に国の方から「新しい生活様式」というものが発表されました。全国に共通のものだというふうに理解をしています。身近なところでは、マスクをする、うがいをする、手を洗う、そういう励行と同時に新しい生活様式の浸透に努めていくことによって、市民の皆さんとともに第2波、あってはならないんですけれども、備えていきたいと思います。

-森尾議員

 「第2波」の感染拡大を的確に把握し、早期に封じ込めるためには、PCR検査体制の拡充が欠かすことはできせません。この点では18道県知事が積極的な検査体制への転換を求める国への提案が行われました。去る6月10日国会・衆議院予算委員会で、わが党の志位委員長の質問に答え、安倍首相は、濃厚接触者については、「症状の有無にかかわらず検査することにした」と述べました。医療・介護・障害福祉事業関係者に対して、症状の有無を問わないPCR検査を実施する等、積極的検査への転換が求められます。市長はどのように受け止め、検査体制の拡充を国や県に対して求めていかれるのか伺います。

-山野市長

 PCR検査につきましては、県が国の基準に基づき行政検査として行っているものであります。市独自で行うということは考えてはおりませんけれども、ただ森尾議員から今ご指摘があったようなご意見であったりだとか、多くの医療・福祉関係者からもご意見をお聞きしているところでもありますので、全国市長会等々を通じましてPCR検査の充実というものも伝えていきたいというふうに思っています。

-森尾議員

 本市では、感染者が5月13日から1か月あまり確認されていません。北九州市では、感染者が4月30日から5月22日まで23日間確認されていませんでしたが、その後5月29日には、一日で26件と感染拡大が広がり、小学校でクラスター発生となるなど第2波の感染拡大となり、対策がとり組まれています。その基本は、感染者を早期に発見し、症状に応じた医療と隔離を行うとする独自の考えで取り組みが進められています。そのため、PCR検査体制を強化し、濃厚接触者すべてにPCR検査を実施し、無症状であっても感染者を確認し、対策をとっています。市長はこうした取り組みをしっかり受け止め、本市における検査体制の抜本的強化に取り組むことが求められていると考えますが、その見解を伺います。

-山野市長

 先程申し上げました、これまでも申し上げておりますけれども、県としっかりと連携をしながら抜本的な考え方も改めていかなければいけないところも改めていきながら、国・県と連携してしっかりと取り組んでいきたいというふうに思います。そのことが抑制に繋がってくるんだというふうに確信をしております。

-森尾議員

 県がPCR検査体制の強化に向け、8日からドライブスルー方式によるPCR検査の実施を開始しました。本市として、市内にPCR外来・検査センターを設置する考えはありませんか。また国は、唾液によるPCR検査の実施を打ち出しています。この点でも本市での実施についてその考えを伺います。

-山野市長

 繰り返しになりますけれどもPCR検査は、県は行政検査として国のもと行っているところでありまして、これまでも県と連携をして行ってきているところもあります。市独自として外来センターを設置することは考えてはおりません。また唾液による検査というのも、国が通知で示されています。現在県においても検討しているというふうにお聞きしているところであります。

-森尾議員

 感染の広がりを把握し、感染対策への判断にいかしていく上で、幅広く抗体検査の実施が有効だとしています。市長は、国に対してこの点での実施と必要な予算を確保するよう求めるべきと考えますが、その見解を伺うとともに、本市としてこの抗体検査の実施についてどう考えておられるか伺います。

-山野市長

 抗体検査につきましては現在、東京都・大阪府・宮城県で試験的に行われているところでありまして、その結果を踏まえて国が今後の方向性を示されるというふうに理解をしています。抗体検査というものは疫学調査でありますので、全体の中ではなく金沢市単体として行うことの意義というものは私はなかなか難しいのではないかというふうに思っていまして、今、国の指導のもと3都府県で行われておりまして、そこから出される疫学的な調査をもとにして方向が示される、その方向性に沿った形で様々な施策を打っていければというふうに考えています。

-森尾議員

 新型コロナウイルス感染症がもたらした経済的な影響は極めて甚大です。ある民間の研究所の調査によると2020年から2021年に生じる経済損失額は、世界全体で800兆円から1300兆円にのぼるとしています。日本経済にも内需、外需の大幅な落ち込みが予想されます。これらの点で、市政運営の重点は市民のいのちと生活を守り、地域経済を支えている本市の商店や事業者の存続と経営を支援していくことが何より重要だと考えます。したがって、本市重点戦略計画とその具体化について、見直しが求められていると考えますが、市長の見解を伺います。

-山野市長

 重点戦略計画は、平成25年度から向こう10年間の、まさに名前の通り重点的に取り組む政策をまとめました。当然時代の流れの中であったり景気動向によって見直しが求められてきますので、毎年度見直し・ローリングを行っているところであります。おそらく来年度の税収も大変厳しいものがあるというふうに思われますので、早い段階から情報を収集しながら重点戦略計画の見直し・ローリングについても議論を深めていきたいと考えています。

-森尾議員

 市長はこれまで、次々に大型事業を打ち出しています。サッカー場の移転・新築、既存の移転計画などで100億円が予想されます。歌劇座の新築、現在地改築としても200億円から300億円が予想されます。中央卸売場の新築には50億円規模が予想されます。市立病院の移転新築ともなると100億円規模が考えられます。さらに、新しい交通システムの導入ともなると事業費は数百億円~1000億円規模となります。新たに大規模共同調理場を2ヶ所建設するとしていますが、その事業費は40億円から50億円が予想されます。引き続く学校施設の移転、統廃合もかなりの財源投資となります。まさに、新たな大規模事業のバブルではないかと思われます。市長、一旦とどまって考えてみる必要があるのではありませんか。市長の見解を伺います。

-山野市長

 これまでも議会で申し上げておりますけれども、高度成長時代から昭和の後半にかけて建てられた公共施設が、大規模修繕もしくは建て替えが求められる、そんな時期になってきました。中期財政計画を作りながら、財政の平準化を図っていき、重点戦略計画の中で優先順位を確保しながら、また様々な財源を確保しながら計画的にやっていかなければいけないというふうに思っています。先程の答弁の繰り返しになりますが、時代の流れ、また財政状況によって変更を余儀なくされる場合は、毎年度重点戦略計画の見直しをしていく中で考えていきたいと考えています。

-森尾議員

 市長はその時々に大型事業の打ち出しをしています。改めて私がメニューを示し財源の規模も示すと、今度は優先順位の問題だと、こう言い逃れしています。私は、これは優先順位の問題ではないと思います。市民の現状や地域経済の現状を考えて、これらの事業について見直すよう強く求めておきたいと思います。

そこで、具体的な問題として新たなサッカー場建設について伺います。城北市民運動公園内にあるサッカー場は現在、収容人数3000人のサッカー専用スタジアムです。隣には人工芝のサッカー用のグラウンドも整備されており、周辺には金沢プール、野球場、屋内交流広場・あめるんパーク、少年サッカー場などがあります。このサッカー場を収容人数1万人規模として、現在地改築から突然、移転・新築するとの方針が打ち出され、計画が進められています。その経過について、説明を求めます。

-山森文化スポーツ局長

 市民サッカー場の再整備につきましては、仰せの通り当初は既存施設の改修を予定しておりましたが、観客等へのおもてなし空間の確保や、Jリーグのスタジアム基準にも対応するため、スポーツ推進審議会での審議を経て、施設整備計画を変更し、金沢城北市民運動公園内での移転再整備としたものです。

-森尾議員

 公園内にある少年サッカー場のある場所に移転・新築するとして、工費は75億円。現在地に少年サッカー場を移転するとしてその費用が20億円から25億円、占めて今回の事業展開は100億円規模にのぼるとされています。一体なぜ、現在ですら使える施設であり、現在地での改築から移転新築へと方針が転換されていくのかということになります。この現在ある少年サッカー場の中には、オランダ・クライフ財団が子どもたちのために、世界にサッカー場を設置するとして、サッカー元日本代表の本田圭介氏の紹介もあって、本市に設置されたものです。いったい、今回の移転・新築計画が十分検討され、合意のもとで進められてきたのか、あらためて問われるものだと考えます。市長。J2のツエーゲンのホームグランドは、県の陸上競技場です。新たなホームグラウンドを建設するというならば、県を含め関係機関とも十分協議し進めるべきではありませんか。その見解を伺います。

-山野市長

 ホームスタジアム云々ということは、一義的にはクラブ側のご意向によるものであるというふうに思っています。施設運営につきましても、石川県当局はもちろん、サッカー関係者、また議会の皆さん、利用される市民の皆さんのご意見をお聞きをしながら情報共有を図っていって取り組んでいかなければいけないというふうに思っています。

-森尾議員

 市長、ごまかしちゃいけませんね。この現在地での改築計画から移転新築へと移った要因は、Jリーグの規模の問題を検討して、J2ならば一万人規模、J1に上がるなら一万五千人規模となり、一定の余裕ある施設を作るためにはどうしても移転新築しなければならないということで、今回の方向になったと。するならば、私は改めて、今日のコロナの現状、感染状況を考えると、スポーツ界にも大きな影響をもたらしています。プロ野球もサッカーJリーグも新たな運営方向を今模索している状況です。無観客試合、観客の人数制限と感染対策など、それぞれの課題を抱えています。したがって、私はこのサッカー場の移転・新築についても踏みとどまり、もう一度関係機関ともよく協議を行って、状況を見極め、計画の見直しが必要だと考えますがいかがでしょうか。

-山野市長

 ごまかし云々というお話がありましたので、まずそのことについて。当然、サッカー場を整備しますので、ツエーゲンであったりJリーグ関係者との相談をさせていただいています。金沢市サッカー協会の皆さんのご意見もお聞きをしています。少年サッカーの関係者のご意見もお聞きをしています。いろんな関係者のご意見をお聞きをしながら計画を進めているところであります。議会での議論も私はそういうものだというふうに思っています。多くの皆さんのご意見をお聞きをしながら、丁寧に進めていきたいというふうに思っています。

-森尾議員

 新たなサッカー場の建設計画について、現在の進捗状況と今後のスケジュールについて、担当局長より答弁を求めます。

-坪田都市整備局長

 5月に実施設計業務委託の契約を行いまして、現在設計作業を進めているところでございます。今後は年度内に実施設計を終えまして、2023年度中の完成を目指し、来年度から工事に着手する予定でございます。

-森尾議員

現在の状況や今後のスケジュール等から考えますと、これから建設への着工へ進むという計画ですので、今の時点では基本計画、設計へと移る段階です。私は改めて、今の状況や環境を踏まえたならば、今一度、この移転・新築計画について計画の見直しを求めたいと思いますが、市長の懸命な判断を求めたいと思います。

-山野市長

 繰り返しになりますけれども、サッカー関係者のご意見、それは選手であったり経営者であったり愛好者であったり、この長い間お聞きをしながら準備をしてきました。財源の確保につきましても議論をしながら進めてきているところでもあります。また、北部地区の防災拠点としての役割も担うということも前提にして取り組んできているところでもあります。関係団体の動向・ご意見もしっかりとお聞きをしていきながら、準備を進めていきたいというふうに考えています。

-森尾議員

 次に、本市ガス・発電事業の株式会社への譲渡計画について伺います。全国初めてとなるガス・発電事業をセットで株式会社に譲渡するという方針について、納得できる説明がされていません。ガス事業は8年間連続黒字。発電事業は黒字経営が継続され、昨年度は3億円の黒字、起債残高はゼロです。今年度10億円が予算化され、上寺津発電所をリニューアルし、発電能力を年間300kwhアップするとのことです。企業局が2016年に打ち出した今後10年間の経営戦略方針に沿って、公営事業として運営することこそ、とるべき方針ではないかと思います。新型コロナウイルス感染が拡大し、今後数年間は続くとしています。こうした状況から、公営事業としての役割が増大しています。ガス・発電事業をセットにして株式会社に譲渡するとの方針をやめるべきと考えますが、公営企業管理者の見解を伺います。

-平嶋公営企業管理者

 国の制度改革によりまして、電力・ガス小売り全面自由化に伴いまして、総合的なエネルギー市場が創出されてきております。そういった中で、法令等の制約があります公営でのサービスがなかなか難しいということ、またここにきて家庭用ガスの需要が大幅に減少しているといったようなことも含めまして、経営の柔軟性を高め、事業の持続性を高める、確保するといったようなことが必要だと考えておりまして、昨年度のあり方検討委員会での答申等々を踏まえまして事業譲渡を進めてまいりたいと考えております。

-森尾議員

 ガス・発電事業をセットにして譲渡する、一体なぜだろうかと。コンサルタントが報告の中で述べています。それは、セットにすることによってより利益が確保できる、こうしておりますが、その内容について明らかにしてください。

-平嶋公営企業管理者

 先程申し上げましたけれども、国の制度改革によりまして、電力とガスを合わせた総合的なエネルギー市場が創出されてきております。いわゆる地域独占の撤廃、あるいは異業種間の連携といったようなものが非常に全国的に進んできている。そういう中で、地方公営企業にありましては法令の制約によりまして多様なサービスの展開が難しいということ、そこで金沢市の場合にはガス事業・発電事業を合わせて行っているといったことも踏まえまして、株式会社への譲渡によりまして電力とガスのセット販売も含めた、あるいは通信との融合も含めた多様なサービスの展開が可能になるといったような分析がなされております。そういったところで市民の皆さんへの一日も早い自由化の享受といったことが求められていると考えております。

-森尾議員

 聞いても語りたくない、というのがよくわかりました。そこで、私が述べます。発電事業は、ダムを利用して発電した電力を北陸電力に売電しています。この価格は全国の売電価格の中でも下から二番目の安い価格となっています。その契約を全国平均並みにすると、年間の利益は15億円になるという試算が、このコンサルタントより報告されています。そして、その契約が終了するのは令和7年(2025年)です。したがって、契約終了前となる令和4年度までに譲渡し、有利な条件で契約更新をしたいとの考えがあるわけです。要するに、発電事業は儲かる事業なんです。さらに、全国平均並みの売電価格で契約すれば、年間15億円の利益をあげられる、ここに着目したんです。市民のために果たしてきた公営事業を民間に売り渡して、公共性及び公益性の確保という公営事業としての誇りと責任を投げ捨ててよいのか。このことが私は問われていると思います。公営企業管理者は、どのような見解をお持ちでしょうか。

-平嶋公営企業管理者

 ご指摘いただきましたように、調査研究の中では発電事業につきまして複数の売電単価というものを設定いたしまして、あくまでも現行の長期契約を前提として試算を行っておりまして、ただその設定単価の違いによりまして、今議員の方からご指摘のありましたような利益の金額も含めて、様々なパターンが提示されてきております。一方で、発電事業は先程も申しましたが国の制度改革に伴いまして長期契約終了後は一般競争入札に移行するということになりますので、売電価格というのは非常に変動し不安定化するといったようなことも検討されておりまして、そういったことも踏まえて昨年度の検討委員会の中からも卸供給のみでは地産地消が困難になるということに合わせて、地方公営企業としての役割が希薄化してくるといったようなご指摘もいただいているところでございます。

-森尾議員

 市長がこの問題について「スピード感を持ってすすめる」と度々述べてこられました。経過を見ますと特徴があります。まず、企業局が2016年に打ち出した今後10年間の企業戦略方針を見直すという行為ではなく、「あり方検討委員会」を設置し、3回の議論と、最後の会議は答申のとりまとめを持って市長に答申するという、まさにスピード感を持って今回の株式会社への譲渡方針を打ち出したのが第一の特徴です。第二に、市民に実態が知らされることなくパブリックコメントを行いました。そして、このパブリックコメントの集計においても、株式会社への譲渡方針の賛成・反対を聞いていないにもかかわらず、市民は賛成の意見が多くあるような集計結果を発表し、あたかも市民の理解を得られているようなものとなり、この点では市民から厳しい批判が相次ぎました。こういう二つの特徴をもって「スピード感を持って」と、こう進めてきたわけです。そこで市長に伺いたいと思います。今回のガス・発電事業の株式会社への譲渡計画について、市民の理解と合意が得られていると考えておられるのですか。

-山野市長

 あり方検討会の検討資料というものも議事録として公開をしています。随時検討状況を議会にも報告をさせていただいています。今ほどパブリックコメントのお話もありましたが、パブリックコメントの実施など幅広い意見募集に努めて、本年3月に基本方針を策定したところであります。企業局のホームページ等での情報提供や、市政情報コーナーへの閲覧用資料の配置等により、市民・市内の事業者に対する広報活動へもこれから努めていくことによって、引き続き市民の皆さんの理解を得られるように取り組んでいきたいと考えています。

-森尾議員

 本市企業局は、「譲渡ありき」ともいえる手法をもって進めてきました。「あり方検討委員会」へ提出した資料は、民間コンサルに依頼した資料です。そして、今年度譲渡するための基礎資料とスムーズに譲渡するためのアドバイザリー業務委託は、この民間コンサルタントを依頼した業者に決まりました。情報を得たところ、あり方検討委員会の委員長も、そしてアドバイザリーの業務委託を選定する委員会の委員長も、同じ委員長なんです。まさにスピード感を持って譲渡を進めてきたと、そういう手立てをとってきたということが言えると思いますが、公営企業管理者の見解を伺います。

-平嶋公営企業管理者

 アドバイザリー業務の委託先の選定にあたりましては、本市の委託業務公募型プロポーザル方式実施要項など、市所定の契約手続きに基づきまして適切に実施したところでございます。プロポーザルには3社から応募がございまして、選定委員会では提案企業名を伏した上で公平公正に審査を行ったものでございます。

-森尾議員

 市長、この「譲渡ありき」という方針をもって進めてきたものをいよいよ、とんでもない事までやろうとしています。それはなにかと。今年度、譲渡選定委員会を設置し、優先交渉権者を決定するとしています。そして、次の年度、令和3年度に関係条例議決と事業譲渡契約締結となっています。市民の代表である議会が譲渡を認めるのかどうか。条例や契約事項を審議する前にすでに、優先交渉権者が議会での審議がないまま決定されていることになります。これでは、「譲渡ありき」で、行政の決定を議会が追認するということではないかと思います。市長はかねがね、二元代表制について述べてきました。今回の方式が、あなたの言うスピード感をもって進めるというのはこういう手法か、というふうに思うのですが、いかがでしょうか。

-山野市長

 森尾議員、ご理解をいただきたいのは、財産処分を伴う重要な案件であります。譲渡先となります優先交渉権者を明確にしたうえで議会にお諮りすることは、私は適切であるというふうに思っています。

-森尾議員

 公営企業管理者に伺います。譲渡先を決めるために選定委員会を開き、まず優先交渉権者を決める。そのために、10月までに募集要綱を公表するとしています。そこには、最低譲渡価格が明示されると考えます。管理者はこれを仮契約だと表現されたものですが、明らかに本契約である来年度予定するとしている事業譲渡契約締結への前提となるものです。したがって、関係条例議決もされない下で、最低譲渡価格が明示された募集要綱によって、優先交渉権者を決定することは何らの法的根拠のないものではありませんか。見解を伺います。

-平嶋公営企業管理者

 仮契約につきましては本市の契約規則の中の規定に準じまして取り扱う予定でございます。他の先行の同様の案件、これは金沢市あるいは金沢市以外でもありますけれども、同様に同じような手続きを経て議会のご判断をいただいているというふうに理解をしております。

-森尾議員

 市長、私も調べてみたんです。地方自治法第96条で、議会での議決を明記しています。したがって、譲渡のための関係条例議決と事業譲渡契約締結について、議会議決を必要としたものです。事業譲渡契約締結への前提となる優先交渉権を企業局が決めてしまうことは、地方自治法第96条に反しています。ガス・発電事業は100年近くにわたって築かれてきた市民の財産であります。議会での審議、議決がないまま譲渡先へと導く優先交渉権者を決めてしまうことは許されないと思いますが、市長いかがでしょうか。

-山野市長

 管理者も申し上げましたように仮契約でありますので、議会の皆さんの決議をいただいた上での本契約になるというふうに理解をしております。

-森尾議員

 法違反を前提に仮契約なんてありえません!もう一度、今回の議論を真摯に受け止めて、私はこれからの方針についての見直しを強く求めておきたいと思います。

次に、市民の飲み水を供給する末浄水場と犀川浄水場があります。犀川の水を利用し、この二つの配水場で、飲み水として市民に供給しています。この犀川浄水場の上流に二つの発電所があり、末浄水場の上流に3つの発電所があります。議長の許可をいただき、配置図を作成しましたものを示します。こうした配置となります。(模式図提示)今述べたのがこの模式図です。要するに、水をダムで発電に利用し、その後浄水場で飲み水として市民に利用しているというのがこの模式図となっています。市民の飲み水を供給する末浄水場と犀川浄水場の上流に発電所があるわけです。この発電所が民間に譲渡されることによって、市民の飲み水まで民間にゆだねることになります。市民生活を支えるライフラインとして、市が責任をもって行ってきた事業のことを考えると、私は発電を民間に譲渡して、市民の飲み水まで深く関わる事業を民間に任せてよいのかと、これがこの模式図から読み取った点でありますが、市長、率直な見解を伺います。

-山野市長

 これまでも本会議において上水道の民営化は考えていないと明言をしているところであります。発電事業者が水を利用する際には、法令等によりまして水道を含めた水利権を有する他の利水者に支障を生じさせないということが義務付けられているところであります。これは事業譲渡後も変わりません。

-森尾議員

 したがって、この飲み水の問題とも関連するならば、ガス発電事業の株式会社への譲渡をやめるよう強く求めておきたいと思います。

 最後に、市長をはじめとする本市幹部職員の綱紀粛正について伺っておきたいと思います。去る2月25日。市長、あなたと当時の松村議長が連名で、市民に対して新型コロナウイルス感染対策を呼びかけました。3月24日新型コロナウイルス対策にかかわる追加補正予算と新年度予算を議決すると共に、松村議長が退任いたしました。その二日後、26日退任する本市幹部職員など40名から50名で宴会を開いていたと松村前議長が自ら明らかにしました。市長、このことは把握されていますか。市長はこの宴会に参加されましたか。伺います。

-山野市長

 把握はしていません。よって参加もしていません。

-森尾議員

 必要な調査と、今後の綱紀粛正について見解を求めたいと思います。

-山野市長

 勤務時間外でもありますし、私的なものでもあります。個人の情報でもありますので、調査をすることは考えてはいません。いかなる場合であったとしても、公務員として市民の皆さんのために資する行動をしていかなければならないと思いますし、綱紀のことにつきましては常に意を用いていかなければいけないというふうに思っていますし、徹底をしていきたいと考えています。

1、新型コロナウイルス感染症対策について

 質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一人として質問をいたします。

 初めに、この度の新型コロナウイルスの感染症によってお亡くなりになられた方々のご冥福、そして、今なお入院・療養されておられる方々の一日も早い回復を心よりお祈り申し上げます。また、この感染症に対し、最前線で献身的にたたかっておられる医療関係者のみなさんに敬意を表します。

 この新型コロナウイルスの世界的感染大流行に対する懸命の対応が、地球規模で続けられています。感染は、五大陸全体に広がり、今もなお、世界全体では勢いが衰えていません。日本でも17,000名以上の方々が感染し,900名を超す尊い命が失われました。また、感染対策のための経済・社会活動の大幅縮小などによって、人びとの命と暮らし経営が深刻な事態に陥っています。私たち日本共産党市議員団はこの間、11回にわたって市民の皆さんや現場の声を市政に届けようと、休業補償や医療支援の拡充を求め申し入れを行ってきました。

安心して経済・社会活動を再開していくには感染防止をしながら進めていく必要があります。ウイルスによる感染はまだ続いており「第2波」へのしっかりとした備えが必要で、医療と検査体制を抜本的に強化することが求められています。PCR検査はこれまで発熱など強い症状がある人だけを対象にしてきましたが、対象を大規模に広げ、先手を打って感染拡大を防止する積極的な検査の必要がありますがいかがでしょうか。今後第二波、第三波に備える体制をどう考えているのか、また、本市における検査体制はどうなっているのもあわせておうかがいいたします。

同時に「第2波」に備えて、医療崩壊を防ぎ、医療体制を確立することも必要です。新型コロナウイルス感染症患者を受け入れるほど、病院が減収となるとの問題が指摘されています。コロナ患者を受け入れる病院の減収・負担分を補償することは不可欠です。そして医療全体を支える為にはコロナ患者を受け入れていない、医療機関や地域診療所の財政支援もする必要があります。さらに保健所との連携も必要です。保健所の体制強化、予算、人員体制の補強、拡充について、検討されているのかどうか、お聞きします。 

 次に自粛と保障についてお伺いいたします。

自粛と補償は一体に、という大きな国民の声が政治を動かし、一律10万円の給付、雇用助成金の上限額引き上げ、家賃支援など一連の前進が見られるようになりました。しかし、改善すべき最大の問題点は、支援が現場に届くのが決定的に遅く失業や倒産廃業が増え続けていることです。

雇用調整助成金の相談件数はすでに44万件を超えていますが申請書提出件数は約13万件、支給決定件数は6月8日時点でわずか7万件に留まっています。雇用を守る支援が迅速に支給されるかどうかが大きく問われています。

収入が半減した中小企業、フリーランスを含む個人事業主が対象となる「持続化給付金」が届かないことにも、「遅すぎる」「必要な時に届かないなんて」などの怒りの声が上がっています。安倍首相は「政府の総力を挙げて、スピード感をもって支援を届けていく」としていますが、持続化給付金をめぐっては、不透明な事務委託が今大きな問題になっています。 

経済産業省から769億円で受託した一般社団法人サービスデザイン推進協議会から大手広告代理店の電通とその子会社を通じて複数社に、再委託と外注を重ね電通に丸投げの構図が明らかとなりました。経済産業省と電通との癒着が問題となっています。

これら国の経済対策の問題点について、市長はどのように考えておられるでしょうか。お尋ねいたします。

クリーニングを営んでいる方のお話です。昨年まで月18万円ほどの売り上げがあったそうです。今年は3月から外出が自粛となって、外出を控えるようになったため、コート類や、セーター、ワイシャツなどの洗濯の注文がほとんどなく、4月・5月になるとさらにお客さんの来店もまばらになり、機械の修理を見込んでいたが、できるかどうかわからない大変な状態だと話をしてくれました。持続化給付金の申請をしたいのだが、パソコンでの手続きをするのが難しく、関係書類を集めるのにも時間がかかりなかなか前に進まないと、こぼしておられました。こうした市民の声を本市としても受け止め、国の制度ではありますがどのように援助や支援をしているのかお伺いいたします

また、県の休業協力金に対しても同様です。

学習塾経営者の方に話を伺ったところ、県の休業要請に応じて4月下旬から休業したが、100平米未満のため協力金の申請ができなかった。オンライン授業を開始しようにも設備を整える資金もないし、生徒さんのなかにはパソコンやスマートフォンを持っていなかったり、親がいないと動かせなかったりとの問題があり、結局はオンライン授業もできていないとおっしゃっていました。6月からは塾を再開したものの、学校の授業時間が長くなったため、塾を辞める生徒さんも続出し、このままでは経営が続けられないという声も届いています。

こうした声は、氷山の一角です。                       

これは、本市が財政負担を折半しながら行う石川県新型コロナウイルス感染拡大防止協力金の事業ですが、本市としてこの協力金が十分に自粛店舗に届けられたと考えていらっしゃいますか。また、すでに期限が来ていますが、さらに支援を行うべきと考えますがいかがでしょうか。お伺いいたします。

医療と介護事業所に対する支援策について質問します。

新型コロナウイルスの感染拡大は介護現場にも、深刻な危機をもたらしています。介護従事者は感染の不安を抱えながら介護を必要としている利用者の生活を支えています。緊急事態宣言の後、デイサービスやショートステイを休止したり、営業時間の短縮をしたりする事業所が増えています。

また、感染するのは怖いからということで、デイサービスの利用を制限する人も出てきています。デイサービスの利用を制限し、訪問介護に移行する方が増えましたが、新規の利用者まで支援が回らないということで、受け入れを断っているところもあります。職員が少しでも発熱すれば、仕事を休まなければなりません。子どもの学校休業に合わせて休む方もいて、ただでさえ人手不足だったところに出勤できる職員が減って、現場の疲労がピークに達しています。新型コロナが収束しても人手不足が解消されるわけではありません。

介護サービスの利用控えの背景には、医療機関以上にマスクやアルコール消毒液などの衛生用品が足りない問題もあります。特に小規模事業所は買いそろえるのに消費のお金が大きく採算的にも大変だと言います。いつでも衛生用品の配給が、できるよう感染症対策をしてほしいという要望が医療機関からも届いています。

こうした声に対して、市は、しっかりと答えていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。

6月補正予算の中で事業所に対して感染症対策の必要経費の予算がくみこまれましたが、デイサービス中止などによる減収分の全額保証の支援策はありませんでした。

感染への不安からサービス利用の控えなどで、事業の維持・継続を見通せない事業所も少なくありません。介護事業所の経営が安定し、介護職員が安心して働くことができなければ、わたしたちの生活の基盤が脅かされ新型コロナウイルスの第二波、第三波に備えることができません。新型コロナウイルスに伴う減収分の補償を行うべきと考えますがいかがでしょうか。市長のお考えをお聞きします。

次に国民健康保険についてです。

新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した方の国保料減免についてお聞きします。国保料納付証が届く時期を迎えております。「ホテルの清掃の仕事がなくなった。給料が少ししか出ないので、国保料などが払えない、減免はどうしたらいいのか」「売り上げがない、無収入だ、支払おうにも手元にお金がない」などの深刻な相談が来ています。国民健康保険料については、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う政府の「緊急経済対策」に、収入が減少した世帯へ「減免等」を行うことが盛り込まれました。

新型コロナウイルスで経済が急速に冷え込む中、早急に減免措置が取れるように準備を進めることは、必要な措置です。早急に申請受付を開始して行くべきと考えますがいかがでしょうか。

本市では以前から独自の減免制度を設け、生計維持者が失業などで収入が前年比3割減収になった世帯や、生計維持者が亡くなった場合などを対象としています。が、コロナ下における減免制度は3割収入減の方が対象になるとの事で、この減免制度は広く周知するべきと考えますが、方策はお考えでしょうか。私は保険料の納入通知書の送付の際に制度の承知を図るべく、保険料の減免のお知らせも一緒に同封し制度を知らせるべきと考えますが、いかがでしょうか。また減免制度の申請の内容がどういうものなのかもお尋ねいたします。

2. 学童保育について

国は新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言の下で医療従事者の方が引き続き業務に従事できるように、学童保育に対して、開所継続の要請を行いました。

緊急事態宣言後、要請を受けて学童保育は、「利用を控えていただくよう保護者にお願い」をし、「社会の機能を維持するために就業を継続することが必要な者」「ひとり親家庭等で仕事を休むことが困難な者」など対象を限定して受け入れました。利用する子どもの人数が、少なくなっている所があります。子どもの人数が縮小しても学童保育には、それまでの収入を保証する措置が取られています。

感染リスクの高い3密を避けることが困難な学童保育に子供を通わせることに不安を感じている保護者も大勢いて、仕事を調整したり、親族のサポートで学童保育を休ませたりする家庭がある一方、どうしても仕事を休めない家庭もあります。

指導員はマスクなどの衛生用品、特に消毒液が足りない不十分な環境の中で、子どもたちを守ることができるのかという緊張や、重圧の中で、「自分が感染したら」という不安も抱えながら保育にあたったといいます。

内閣府の子ども・子育て本部と厚生労働省子ども家庭局子育て支援課は20日、事務連絡「FAQ」(よくある質問)を各自治体宛てに発出しています。

この中で、「新型コロナウイルス感染症対策のため、放課後児童クラブが臨時休業等をすることになった場合、自宅待機となった職員の給与について、どのように対応すべきか」との問いに対して、「もともと開所の予定があったものについては、通常どおり開所したものとして交付金を交付し、減額は行わないようにしており、放課後児童クラブを運営する事業所の収入を保障している」と回答。その上で、臨時休業などで自宅待機となった職員の人件費の支出について「これを踏まえて、適切にご対応いただくべきもの」とする見解を明記しています。

本市においても、自粛対応費として3500万円が計上され、午前中から開所した施設には300万円の予算を付けて対応をしています。

市が求めた登園自粛に伴って、出席する子どもの数が四分の一以下にまで大幅に減った所もあります。そういう中で、保育体制を縮小したシフトが組まれ対応したところもありました。事業所には、収入が、補償されています。しかし、学童保育によっては、休業補償を行わない事態も生じています。

パートや派遣、アルバイトの方はシフトの中に組み込まれても、働いた分しか給料がでなかったので、生活ができるかどうか心配だ、と言っています。国が示した保障の内容とは大きく違うと思いますので以下お伺いいたします。本市において、コロナの自粛要請の中で、学童の子どもたちの人数の変化などの実態をつかんでいるのかおたずねします。そして、国の事務連絡の中に「休業等をすることになった場合、自宅待機となった職員の給与に対する対応」についての回答が記されていますが、国が示した「休業等」の中には、「開所したものの子どもの数が減少した学童保育」も含まれるのかどうかお尋ねいたします。そして国の通達、文章は、わかりやすく各学童にしめすことが重要と考えますがいかがでしょうか。

最後に学校再開についての子どもの心のケア等についてお尋ねいたします。

子ども達や保護者にとって、3カ月にわたる学校休業の影響は大きく、不安の中での学校再開となりました。休みの間、学校での学びや仲間と過ごす時間を奪われた子どもたちは、学校から配布されるプリントなどで家庭学習を促されていました。まだ習っていない基本的な知識を、授業なしで理解させるのは無理があり、なかなか勉強に集中できずにスマホやゲームに興(きょう)じてばかりいたという話も聞きます。

子どもたちは、かつてないような不安とストレスを抱えています。一人一人の子どもに寄り添い心のケアにしっかり取り組む手厚い教育が大切ですが、その方策をどのように行っているのかお尋ねいたします。

また新しい内容を家庭学習で習得するのは難しく、子どもの状況に応じて、理解できるまで学校が指導することが大切です。ただ、例年通りの授業をしようと、土曜授業、夏休みや学校行事の大幅削減、7時間授業などで授業を詰め込むやり方では、子どもたちにさらなるストレスをもたらし、学力の格差を広げることになりかねません。教科書すべてを駆け足で消化するやり方ではなく、子どもたちの立場に立ち柔軟な授業の進め方が大切だと思いますが、お考えをお聞かせください。

あわせて、学校行事なども子どもたちの成長に欠かすことができません。授業が遅れているからと言って、学校行事を安易に削減するのではなく、「子どもたちに必要な行事は大切にする」という考えで、感染症対策をとりながら開催する方向で取り組んでほしいいと思いますがいかがでしょうか。

感染症対策によって、毎日の消毒、清掃、健康チェックなど今までにない多くの業務が生じ、第2波、第3波に備えての整備なども必要となっています。教職員に、これ以上の負担をかけてはさらなる長時間労働をしうることになり教育活動への注力が出来なくなってしまう心配があります。

次年度に学習内容を移すことなど、無理なく学びを保障する必要性は国会でも議論され首相も認めました。その為には教職員を急いで増員する必要があります。日本教育学会は提言の中に10万人の教職員を増やすことを提案しています。全国の多人数のクラスに配置すれば全国的にほぼ20人程度の授業が可能となります。このことはコロナ対策にとっても有効な対策となります。少人数学級実現で、教員の多忙化など現在の国難を乗り越え、子どもたちに希望ある教育の実現を図ることは政治の責任です。見解をお伺いいたします。

-山野市長

 7番大桑議員にお答えをいたします。

 コロナ対策のことについて何点かお尋ねがございました。

まず新型コロナウイルス感染症に関しまして、保健所と医療機関との連携のことについてお答えいたします。PCR検査の結果に基づき診断した医療機関の医師から保健所に発生届が提出をされます。それを受けて、感染拡大を防止するため、保健所が患者調査等を開始しているところであります。日頃から医療機関とのやり取りは迅速かつ確実に行っているため、有事の際にも信頼関係に基づいた連携が取れており、引き続きこうした連携を大切にしてまいります。

保健所の機能強化についてですけれども、4月に感染者等が急増した際には、全庁をあげて最大18名の保健師、17名の事務職員等を派遣いたしました。加えて、保健師の今年度中の人員増を目指しまして、先日採用試験を行ったところであります。また資機材につきましては、感染者の移送のための自動車を追加購入するなど、保健所の機能強化に努めているところであります。

国の緊急経済対策について、いろいろと国会で議論があるがということでありました。私も国会において様々な議論がなされているということは承知をしているところでありますし、必要であるならば見直し等が行われてくるであろうというふうに理解をしていますし、市民の皆さんにご理解いただける説明をされてくるのだというふうに理解をしています。本市の事業者にもこれらの支援策が行き届くよう、引き続き決まったことにつきましてはしっかりと取り組んでまいります。

持続化給付金のことについて市としての取り組みですけれども、まず4月の末に緊急経済対策相談窓口を開設いたしました。この窓口は本市の支援制度だけではなく、国・県の支援制度につきましてもご相談にお越しになられた事業者の皆さんに丁寧に説明をさせていただいています。当然、持続化給付金のことにつきましても説明をさせていただき、また国・県の支援策も含めて独自のメニュー表を作成し、わかりやすく相談等に応じているところであります。また金沢市役所に足を運べない方もいらっしゃいます。金沢青年会議所と連携をし、個別相談会、さらにはWEB相談会も実施をしており、様々な機会を通じて必要な支援に繋げているところであります。

県、そして市も行いました感染拡大防止協力金のことについてですけれども、新型コロナウイルス感染拡大防止協力金の支給対象につきましては、県の方で先行自治体の事例を参考にしながら適切に判断をされたものだというふうに考えています。また受付の期間につきましても、休業要請の期間・申請にかかる時間等を考慮し、適切に設定されたものというふうに理解をしているところであります。なお、対象から外れた事業者のことについてもお触れでございましたけれども、先程申し上げましたように市の窓口に相談にお越しになられた事業者の方に対しましては県の事業はもちろんのこと、市の事業、国の事業、ご相談にいらっしゃった方にふさわしい適切なアドバイスをさせていただいているところであります。様々な国・県・市、それぞれ補完をしながら支援策を作っておりまして、そのことをお伝えすることが相談窓口の役割だというふうに思っていますし、しっかりと取り組んできているところであります。

医療機関に対しての衛生用品の配給についてお尋ねがございました。衛生用品につきましては4月に、国・県と連携をし、保健所でマスクの配布を実施いたしました。さらに今月ですけれども、これは本市独自でマスク・フェイスシールド・医療用ガウンを配布させていただいたところであります。今後とも、4月に行ったように国・県と連携をし、適時適切に対応をしてまいります。

介護事業所に対する感染防止体制作りについての市の考え方についてお尋ねがございました。介護事業所に対しましては、これまでも国・県からマスクと消毒液の配布が行われています。今後も備蓄用の衛生用品や防護用品の配布が予定されているところであります。こうしたことも考慮をしながら、継続的に必要な介護サービスが利用できるよう、介護事業所の感染予防対策に取り組んでまいります。

介護事業所の減収のことについてお尋ねがございました。新型コロナウイルス感染症の影響により、通常の介護サービスの提供が困難な場合には、事業が継続できますように、通所事業者が訪問サービスを提供するといった代替サービスの提供を認めているところであります。また収入が減少した場合には、先程来お話させていただいています持続化給付金制度など、国の制度を活用すべくご提案をさせていただいているところであります。

国民健康保険の減免についてお尋ねがございました。この感染症の影響により、収入が減少した世帯等の保険料については国の緊急経済対策を踏まえ減免することとしております。今後、国からの申請に必要となる詳細な基準等が示されるのを待って、今月の末にも受付を開始する予定となっています。その通知方法についていくつかご助言をいただきました。すでに公式ホームページで案内をしているところでもありますが、十分に行き渡らない可能性もありますので、ここは大桑議員からご提案をいただきました、近日中に発送を予定しています今年度の納入通知書に制度案内チラシを同封をし、全加入世帯に周知して行きたいと考えています。また4月以降に新型コロナウイルス感染症の影響により納付が困難であると相談があった方々に対しましては、受付を開始する際に案内に合わせて申請書等を送付をする予定であり、困っている方々にしっかりと情報が届くように努めてまいります。

放課後児童クラブのことについて、何点かお尋ねがございました。私の方からは、国の通知で言う休業等につきまして、市町村の通所自粛要請により利用児童が減少した場合も含まれるのかというお尋ねでございました。含まれています。これまでも国からの通知の中で、児童クラブの適切な運営を確保するために必要な内容は市から各クラブに対して通知をしているところであります。ご指摘の国からの通知ですけれども、本市が児童クラブの通所自粛要請を解除したあとのものではありますが、今後とも新型コロナウイルスに関する通知につきましては、各クラブが適切に対応できるように周知に努めてまいります。

-荒舘保健局長

 PCR検査体制についてお尋ねがありました。PCR検査につきましては県が国の基準に基づき行政検査として行っているものでありまして、感染防止のために必要な人に検査を実施しているところでございます。

次に、国民健康保険料に関する減免制度の内容についてお答えいたします。今回の国基準に基づく制度では、令和2年2月分から令和2年3月分の保険料について、新型コロナウイルス感染症により納付義務者等が死亡または重篤な疾病を負った世帯は全額免除し、また所得制限はありますが納付義務者等の収入が前年から30%以上減少することが見込まれる場合は、前年の所得に応じて対象となる保険料を20%から100%の範囲で減額するものでございます。

-高柳福祉局長

 新型コロナウイルス感染防止のために行っておりました放課後児童クラブの通所自粛期間中に利用していた児童数の実態についてでございますけれども、本市が児童クラブの通所自粛を要請しておりました4月13日から5月19日までの利用児童数は、4月現在の登録児童5338人のうち、1日平均750人でございまして、利用割合は14%でございました。

-野口教育長

 学校再開にあたりまして、はじめに、学校では子どものケアをどのように行っているのかとのご質問にお答えいたします。各学校に対しましては個人面談やアンケートなどを行うよう指導するとともに、健康観察や身体測定等で子どもの状況をきめ細かく把握し、虐待が疑われる場合は児童相談所等へ通告するよう指導いたしております。また、昨年度から市内全ての小中学校にスクールカウンセラーを配置するとともに、保健室を活用した養護教諭との相談体制の確立、また子ども専用相談ダイヤル等の連絡先を周知するなど、学校や第三者に相談することができるような体制整備を図っており、今後もきめ細かく子どもたちの心のケアに努めてまいります。

次に、駆け足でなく柔軟に授業を進めることが大切だと思うがいかがかとのご質問でございました。各学校では学校再開後、可能な限り感染症対象対策を行いながら、市統一で指導に必要な授業時数を確保し、年度内に当該学年の学習活動を終えることができるよう努めております。各学校に対しましては感染症対策を講じながらもなお、感染リスクが高い学習活動に関しましては、金沢市立学校再開ガイドラインを踏まえて、可能な限り3つの密が重なることを避けるよう指導しており、活動に当たりましては時間や方法等を工夫して授業を行っております。今後も市統一で取り組んでいくこと、また学校が主体的となり取り組んでいくことを見極めながら、適切に指導助言をしてまいります。

また子どもにとって必要な学校行事は大切にするという考え方で取り組んでほしいと思うがいかがかとのお尋ねでございました。学校行事は児童生徒にとって学校生活に潤いを与え、心身の発達にとって大切な学習活動であると考えております。各学校におきましては今後の状況を踏まえて、新型コロナウイルス感染防止対策を十分に講じて、実施内容や方法を工夫するなどして実施することが望ましいと考えております。

最後に、感染症対策だけでなく教員の多忙化改善のためにも、全学年を少人数学級とするべきと考えるがいかがかとのお尋ねでございました。現在学校では、新しい生活様式によって、ひとりひとりの児童生徒の間隔の確保やマスクの着用など、3つの密を避けるために必要な感染症対策を行っているところでございます。一方で、感染症対策や子どもと向き合う時間の確保に繋がる少人数学級の実現は、教員の多忙化改善の観点からも有効な手段の一つであると考えており、引き続き今年度も全国都市教育長協議会や中核市教育長会などを通じて国に要望してまいりたいと考えております。

再質問

-大桑議員  先程学童保育の質問にお答えいただきました。お答えの中にもやはりこの新型コロナウイルスの対応で子どもの出席人数が14%と、そういう少ない中でシフトが組まれて、シフトに入れなかった方の給料が本当に少なく、通常の賃金の4分の1にしか満たないという方がいらっしゃって、これでは生活ができないので真剣に転職を考えている方もいらっしゃる、そういう中でやはり指導員の生活をきちんと保障してあげるということが市としても大事ではないか、その辺の指導をお願いしたいと思うのですが、いかがですか。

2020年6月8日

日本共産党金沢市議員団 森尾 嘉昭
広田 美代
大桑 初枝

 本日、6月8日金沢市議会本会議が行われ、松村理治・前議長の議員辞職勧告決議について、その取り扱いをめぐって、本会議で議論が続き、6月22日本会議最終日に採決が見送りとなりました。

1. わが党は、松村理治・前議長の議員辞職勧告決議が本日6月8日に議決・採択されるよう他の会派と共に取り組み、会派の金沢保守から提出された議員辞職勧告決議に関する動議が成立しました。しかし、この動議の議事日程追加が否決され、その結果、採決が見送りとなりました。これまで、市民から500件を超える批判・抗議の電話やメールが届けられており、このことから、わが党は、本日の本会議で採択されるよう議事進行に関する動議を提出しましたが、採決は、22日の最終日に見送りとなったものです。

2. 議員辞職勧告決議に関しては、市議会自民(8人)、金沢保守(6人)、日本共産党(3人)、創生かなざわ(2人)などが議案や動議を提出し、賛同していることから、金沢市議会では、多数となってきています。(みらい金沢・6人と公明党・4人から問責決議が提出。自民党・8人は、松村市議の会派離脱を検討)
また、市民から議員辞職勧告決議を求める陳情書が提出されています。
私どもは、22日の本会議に於いて、議員辞職勧告決議が採択され、議会の意志となるよう引き続き力を尽くす決意です。

*わが党は、松村前議長の行動は、
第一に、5月19日県から休業要請のあった市内のパチンコ店で3時間から4時間パチンコしていたこと。本人は、4月4日新型コロナウイルス感染が確認され、一か月入院。5月7日に退院し、その際、医師から2週間程度の自宅療養を指示されており、5月15日の金沢市議会総務常任委員会には、欠席していました。議長が本人に確認したところ、19日だけでなく、17日にもパチンコ店で1時間から2時間パチンコをしていたことが明らかとなりました。

第二に、2月25日市長と共に、松村議長(当時)の連名で、市民に対して新型コロナウイルス感染対策を呼びかける訴えを出しにもかかわらず、3月24日本会議において議長を退任し、3月26日退任する本市幹部職員など40名から50名と共に、宴会を開きいていたことが明らかにされました。こうした行動は、市議会に対する市民の信頼を著しく損い、金沢市議会基本条例第26条にうたっている「高い倫理観と品位を保持し、議員として誠実かつ公正に職務を遂行する」ことにもとる行為だと考え、自らが議員の職を辞するよう求めてきました。しかし、本人からは、これを拒否したことから、議会として議員辞職勧告決議を行うよう求めてきました。

5月27日、本人に対する議員辞職勧告に関する動議を議長に提出しました。

野本議長へ提出

-森尾議員

私は、日本共産党市議員団の一人として、提出された補正予算と関連する議案について質疑いたします。

 新型コロナウイルス感染が急速に広がっている状況をどのように受け止め、今回の補正予算を提出されたのかまず、市長に伺いたいと思います。この7日に政府が緊急事態宣言を行い、28日で3週間となります。国内感染者数は3906人から1万4308人と約4倍に増加し、死者は407人、本県では6人の方が亡くなっています。16日には、緊急事態宣言が全国に拡大され、本県など6道府県は特定警戒都道府県に位置づけされました。4月以降、本県・本市での感染者数は増え続けています。市長、どのように受け止め、補正予算に取り組まれたのか、まず伺いたいと思います。

-山野市長

 まず、森尾議員がおっしゃいました亡くなった方にご冥福を申し上げると同時に、感染された方の一日も早い完治を祈念したいと思います。どのように思ったかというと、大変にショッキングな数字であります。石川県は東京都に次いで多いとも言われています。金沢市は人口割で言えば全国でも、本当に不名誉なことではありますが上位にランクされてしまっています。改めて気を引き締めて取り組んでいかなければいけないと思っています。13日に金沢市独自、そして石川県独自の緊急事態宣言を発出いたしまして、様々な施策に取り組んできました。連休前にあたりまして、改めて市民・県民の皆様としっかりと取り組んでいかなければいけない、そんな思いを強くしているところであります。

-森尾議員

 感染者の急増に伴って、医療の現場が深刻な状況となっています。感染者が急増し、県が確保したとする170床では対応することが難しく、すぐには入院できない事態となっています。全国では、軽症との判断で自宅待機を指示されている方が容体の急変で亡くなる事態が発生しています。市長、どのように受け止めて補正予算に取り組まれたのか。そして本市として、本市市立病院での受け入れ体制の拡充と保健所の体制強化が求められます。市長の見解を伺いたいと思います。

-山野市長

 私も、ご自宅で待機されている方が急変してお亡くなりになったという報道に触れまして、やはり大変ショックを受けました。改めて、出来得る限り医療関係者の目の届くところでの療養というものが好ましいのだと思っています。市立病院におきましては、今回予算をお認めいただきましたら、看護師の補充等、様々な対応をしていくことによって、一般病床での軽症患者の受け入れというものもさせていただきたいというふうに思っています。これにより28名の受け入れが可能となります。

-森尾議員

 医療体制の強化についてですが、本市市立病院と保健所の体制強化に向けて人員の強化が打ち出されています。医師の体制強化はどのように進めるのか伺います。さらに、福岡市では医療・介護関係者への特別給付金、愛知県では医療従事者応援金が創設されました。市長は自らの給与を削減し、その費用を医療関係者への支援に充てるとしていますが、他の自治体から学び、人的・財政的支援について検討すべきと考えますが、市長の見解を伺います。なお、昨日、七尾市の公立能登総合病院で感染症病棟に勤務する看護師が感染したと報じられました。本市としても医療現場での感染防止対策の強化に向け、一層の努力を求めたいと思います。合わせて伺います。

-山野市長

 感染症患者の入院の措置であったり病床の確保であったりにつきましては、一義的には県の業務であります。市としても県としっかり連携をしながら取り組んでいかなければいけないというふうに思っています。今ほど森尾議員にお話しいただきましたように、今回の補正予算におきましても病院にというわけではありませんけれども、医療関係者、医師や看護師への感謝の気持ちを表すという意味も込めまして、団体への協力金を盛り込んだところであります。引き続き、国・県としっかり連携をしていきたいと思っています。また、安全の確保が大切だということであります。私も全く同感であります。一般のマスク等々につきましては少しずつにではありますけれども製造や流通というものが回ってきましたけれども、医療用の資材というものが不足をしているというふうに言われています。しっかりと対応しなければいけないというふうに思っています。今のところ、民間の医療機関から金沢市の方に対して備品の充実を求める声はありませんけれども、やはりこれは大切な課題だというふうに思っています。必要な資材の確保につきましては、県とも連携し、要望があったときには迅速に対応できる環境を作っていきたいというふうに考えています。

-森尾議員

医療現場から感染防止対策のための医療資材が不足しているとの声が相次いでいます。県内、市内の開業医などでつくられている県の保険医協会によると、医療用のN95マスク、ガウン・エプロン、ゴーグル・フェイスシールドの不足が深刻で、この22日に県に対して緊急要望が提出されました。また、介護施設からも要望が出されています。本市としても、医療、介護施設などの実状を把握し、確保するための独自の対策が求められていると思いますが、市長の見解を伺います。

-山野市長

 まず、金沢市としては一義的に市立病院の充実を図っていきたいというふうに思っています。様々な医療資材の必要な数等々を精査した上で、今回予算をお諮りいたしました。お認めいただきましたなら様々なルートを通してしっかりと確保していきたいというふうに思っています。今お話いただきましたように、他の医療機関や福祉施設に対しても、要望等々ありましたら県と連携してしっかりと対応できるような環境を作っていきたいというふうに考えています。

-森尾議員

 次に、本市補正予算と感染防止対策についてです。今回の補正予算の規模は487億円となっています。そのうち、一人当たり10万円を支給する「特別定額給付金事業」として、455億5千万円が計上されています。また、財源として国が地方に1兆円規模とする「臨時交付金」が充てられています。一方、本市単独事業の予算は約12億円で、全体の2.4%にすぎません。市長から、補正予算の提案にあたって、どのような考えで取り組んだのか伺います。

-山野市長

 単独事業としての予算は今お話いただいた通りであります。午前中の議論でも申し上げましたが、私はかねがね休業要請と保障はセットであるというふうに申し上げていました。残念ながら、国の方で対応されませんでしたけれども、石川県当局の方で積極的に対応していただけるということで、ここは金沢市と折半、半額ずつ負担しているところであります。この分で12億円を負担しています。そして今回は国の緊急予算に対応した予算を一義的なものだというふうに思っていますので、雇用調整助成金の上乗せであるとか様々な施策をとることによって、まずは市民の皆さんに国の予算を利用しやすい環境を作っていきたい、そんな思いからも予算を組ませていただきました。

-森尾議員

 感染対策が長期化することから国による1兆円規模の交付金について、さらなる拡充を求める要求が全国知事会からも上がっています。市長の見解を伺いたいと思います。また、一人当たり10万円を支給する「特別定額給付金事業」についてですが、第一に、本人確認書類のコピーを送らなくても受給できるように対応できないか。第二に、DVの被害者などシェルターに居住していて住民票が無い方が現在住んでいる所でも受け取れるようすること。こうした要望に対応しての見解を伺いたいと思います。

-山野市長

 まず国におきまして、特別定額給付金の申請につきましては、郵送申請とオンライン申請を基本と考えているというふうにお聞きをしています。郵送申請の場合は、本人確認書類としてマイナンバーカードや運転免許証等の写しを必要とするとされています。オンライン申請ではマイナンバーカードの電子署名により本人確認を実施しますことから、本人確認書類の添付が不要になりますので、そちらをご利用いただければというふうに思っています。DV被害者のことについてお尋ねがございました。こちらの方も、基準日として4月27日に住民基本台帳に記載されているということが基本になっています。ただ、様々な事情でそれ以前に住民票を移すことができない方がいらっしゃることも事実でありますので、そういう方には4月30日までに金沢市の人権女性政策推進課にご連絡をいただくことによって適切な対応をしていきたいというふうに思っています。

-森尾議員

 感染対策としてPCR検査体制の抜本的な改善と拡充が緊急の課題として提起されています。先の県保険医協会によると7割以上の医療機関で、PCR検査依頼をしたが断られた経験があるとのことです。検査体制の拡充を大幅に進めるべきと考えます。すでに何回か提案をしてきましたが、全国的にもPCR検査センターの設置、ドライブスルー方式の導入、公的機関や民間への依頼など取り組みが進められていますが、本市としての取り組みを伺います。

-山野市長

 県におきましてはこれまで積極的に対応されてきましたけれども、患者数が増加しているということ、また退院する患者の方への対応ということもありまして、今回、県の要請を受け保健所においてPCR検査を開始したところであります。なお、県と調整をいたしまして、当面確実に実施できる件数として検査件数を一日最大12件としているところであります。ただ、今後職員の検査技術の向上や、手順の効率化を図り、検査体制の充実を図っていきたいと考えています。

-森尾議員

13日に私は、この対策強化を求めて文書質問を提出し、今答弁があったように市長から昨日27日に回答がありました。その中で、市長は本市保健所でのPCR検査を開始したことを明らかにされました。17日に厚生労働省が通知を出しました。この中で、各地域の自治体に「PCR外来・検査センター」の設置を促しました。中核市にも要請が行われました。改めて市長から、PCR検査体制の拡充について具体化を伺いたいと思います。

-山野市長

 これまでも金沢市は石川県と連携をしながら取り組んできたところであります。この度、県の要請を受けて、退院する方たちのための検査をさせていただいたところであります。必要とあるならば、県と連携をしながら金沢市としてできることを精一杯やらせていただきたいと思っています。

-森尾議員

市長も述べたように、自粛要請とセットで補償することが必要だと、この課題について伺います。国の「持続化給付金」は50%以上の売り上げ減少などが要件です。県の「感染拡大防止協力金」は、対象業種と店の規模などが要件です。本市は、国の給付金の対象とならない方や事業者に対して独自に実施するとしていますけれども、売上高30%から50パーセント未満減少や対象の業種についてなどの要件を示しています。私は、これらの要件をなくすことが必要だと考えます。また、一回きりではなく、継続した支援が必要だと考えますが、市長の見解を伺います。

-山野市長

 まず休業要請の要件は、これは特措法に基づきまして石川県がお決めになることでありまして、金沢市としては精一杯一緒に取り組んでいきたいというふうに思っています。また30%から50%未満という基準を設けさせていただきました。やはりここは一定の線引きが必要だという観点から、政策的な配慮の中で一定の線引きをさせていただいたところであります。また継続的な支援が必要ではないかということであります。まずは5月6日までの緊急事態宣言を念頭に置いて、国も県も市も様々な施策を打ってきているところでありまして、今後この対応がどうなるかということによって状況が変わってくるのではないかというふうに思っています。必要が求められるならば、金沢市としてできる限りのことをやっていかなければいけないというふうに思っています。

-森尾議員

 観光地域づくり緊急支援給付金事業が補正予算で計上されました。前回の補正予算ではホテル・旅館などに対する支援として1億7千万円が予算化されましたが、今回の支援として対応が組み込まれているのか伺います。昨日、市内の主なホテル等の方々が本市に対策強化を要請されました。この中で、市内の宿泊施設の現状を調べたところ、21施設からの回答では、宿泊のキャンセルなどで被害総額は25億5千万円にのぼるとのことです。このことから、2月から8月の被害総額は76億円にのぼるとの試算を明らかにされました。このままでは事業の継続ができないというふうに強く訴えておられます。今後の財政的支援を強く求めておられますので、必要な対策が求められると考えますが、市長の見解を伺います。

-山野市長

 昨日の皆さん方もそうですし、様々な方たちから切実な声をお聞きしているところであります。先程、飲食関係・観光関係の話が出ました。また今回の観光地域づくり緊急支援給付金事業におきましても、ホテル・旅館等宿泊業者を該当とさせていただくところでもあります。引き続き強力な支援というものも考えていきたいというふうに考えています。繰り返しになりますけれども、まずは5月6日までのことを念頭に置いて取り組んでいるところではありますけれども、状況を勘案しながら様々な施策に速やかに取り組んでいきたいというふうに思っています。必要とあるならばできる限りの施策に取り組んでまいります。

-森尾議員

 今回の補正予算に当たって、どういう考え方に立って組まれたのかという点において、改めて伺っておきたいと思います。感染拡大防止対策を重視するということならば、自粛要請に伴って休業など協力をいただいた全ての業種に対して、条件を付けることなく支援策を講ずるべきではないかと考えます。一方、経済的支援だとするならば、市内のホテル関係者が調べたところでも大きな影響額が示されています。しかし、現実に本市としての補正予算は、前回のホテル・旅館への支援の1億7千万円に過ぎません。あまりにも影響額が大きく、すでに倒産する事態が生まれています。一体、感染拡大防止策を本当に重視するという立場で補正予算を組まれたのか、それとも市内で現実に起こっている経済的支援を本気で行おうとしたのか、改めて伺いたいと思います。

-山野市長

 提案説明でも申し上げましたけれども、4つの柱を念頭に置いて、いずれも本気で組ませていただいたところであります。必ずしも充分ではないというお声があるならば真摯に受け止めて、できる限りのことはしていきたいというふうに考えています。

-森尾議員

市民生活に関わって、2点お伺いします。今回提案されている国民健康保険及び後期高齢者医療における傷病手当金の支給についてです。他の医療保険制度の中で制度化されている傷病手当が実施されることとなりましたが、負担と給付を等しく制度化し、病気による賃金や収入が得られない場合、傷病手当として3分の2程度を補てんするという考え方に立つならば、今回の条例改正案で「給与等の支払いを受けている被保険者」を対象とすると明記されていますが、この対象としてフリーランスや個人事業主など雇用主についても適用する考えはないでしょうか。市長の見解を伺います。

-山野市長

 フリーランスや雇用主の方につきましては、国・県・市で重層的に融資制度や給付金などの支援措置を講じておりますことから、本市において傷病手当を支給することは今のところ考えてはおりません。

-森尾議員

もう1点、収入の減少により家賃が払えず、住居を失う恐れのある方への支援事業が打ち出されています。また、休業や失業で生活資金の支援などについても、本市生活支援課を窓口に本市社会福祉協議会が対応するとしています。現在の実施状況と今後の取り組みについて明らかにしていただきたいと思います。また、相談窓口の設置や体制の強化も含めて、答弁をお願いしたいと思います。

-山野市長

 まず住居確保給付金事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した方を対象に加えるなど、制度の拡充がされ、その受付を4月20日から始めたところであります。24日までの受付件数ですけれども7件ありました。ただ相談はいくつも受けているところであります。さらに生活福祉資金貸付事業につきましては、休業や失業等に対する特例貸付が3月25日から実施されておりまして、4月24日までの受付件数は、緊急小口資金424件、総合支援資金30件であります。窓口の体制作りについてですが、住居確保給付金も生活福祉資金貸付の窓口も、金沢市社会福祉協議会に一本化するとともに、来所による感染リスクを軽減するためにも郵送による申請を受け付けしているところであります。市からも職員を派遣し、相談体制の強化を図っています。また市役所に生活費の相談に来られる方に対しましても、これらの制度についてご案内をし、申請書類をお渡しして説明するなど、相談者の負担を軽減しているところであります。引き続き、相談される方に対して寄り添った形で取り組んでいきたいと考えています。

-森尾議員

連休が始まります。期限も明記をされている状況で5月6日までということなんですが、市民への相談窓口の設置という点は、この連休中どういうふうに考えていらっしゃるでしょうか。

-高柳福祉局長

 このGW中につきましても、この住居確保給付金と生活福祉資金貸付事業につきましては受付、あるいは電話相談等対応できるよう体制を整えているところでございます。

-森尾議員

 最後に、教育長に伺っておきたいと思います。学校休校が継続し、今回の補正予算の中でも小中学校臨時休業対応費が計上されています。こうした中、21日に文部科学省が「最低限取り組むべき事項」という通知も出されています。子どもたちの学びの保障は大切であり、重要だと考えます。家庭や学校、教師を細かく拘束する内容に現場からは懸念の声が上がっているだけに、地域や学校の状況を的確に把握し、現状に即した対策と実施が何よりも重要だというふうに考えています。本市教育委員会の取り組みについて伺っておきたいと思います。

-野口教育長

 まず子どもたちの声をしっかりと聞くということが大事だと思っておりますので、担任を通して1週間に1回、児童・生徒への電話連絡を通して、様々に学習の状況や健康状態について把握させていただいております。午前中も答弁させていただきましたけれども、学習支援につきましては学校が作成しましたプリントに加えまして、教育委員会におきましても独自にチャレンジワークというものを作成しておりまして、そうしたものを郵送しながらしっかりと教科書を使って予習ができるような工夫もさせていただいております。また、担任が児童・生徒へ電話した折には、今取り組んでいる学習についてわからないことがないか等について尋ねさせていただいておりまして、もし質問があった場合には丁寧に対応させていただいております。

-森尾議員

今お話があったように、臨時休業期間中の学習用プリントを児童・生徒に届けるとしています。その際に、電話等で子どもたちの様子などを把握し、相談などに対応されているかと思います。子どもたちは大変大きな不安と、長期に渡った休校でストレスも高まっています。子どもへの虐待も見えにくくなっています。子どもたちからのSOSをキャッチするために、様々な方面での努力が必要だと考えています。ぜひ、教育委員会としてもこうした子どもたちの現状に寄り添い、対策と取り組みを行っていっていただきたいというふうに思っています。改めて、答弁を求めたいと思います。

-野口教育長

 先程もお話させていただいた通り、やっぱりしっかりと子どもと直接対話をして子どもの様子をしっかりと把握するというのが大変大事だと思っておりまして、しっかりと電話の中で健康状態とか学習状況を確認しておりますけれども、その際一番大事にしていることは、やはりこの子どもが悩みとか不安を訴えてくる、そうしたときには、担任とか教育相談の担当教員がおりますので、そうした教員を中心として対応したり、またスクールカウンセラーと連携するなどして、できるだけきめ細かく対応するように努めております。合わせまして、教育委員会の方で「こころの相談窓口」をまとめた一覧表を作成して、学校を通して児童・生徒に配布しておりますし、その他にも家庭において気になる様子が感じられる場合には児童相談所と連携し、児童・生徒の安全を最優先に対応できる体制を確保しているところでございます。今後も児童・生徒と定期的な連絡を継続いたしますとともに、悩み等に丁寧に対応して参りたいと考えております。

-森尾議員  以上で質疑を終わります。

私は、日本共産党市議員団を代表して討論を行います。

 我が党は、上程された議案71件のうち、議案第51号、議案第53号、議案第54号、議案第58号、議案第59号、議案第61号、議案第62号、議案第63号、議案第64号、議案第65号、議案第72号、議案第77号、議案第81号、議案第82号、議案第83号、議案第87号、議案第97号、議案第99号の議案18件について反対であります。その主な理由について述べます。

安倍政権が編成した一般会計総額で102兆円を超す2020年度予算案が3月1日衆院本会議で、自民・公明などの賛成多数で可決され、衆院を通過し、現在参議院で審議中です。大軍拡と社会保障切り捨てが際立つ予算案です。昨年10月に消費税率を10%に引き上げた後、日本経済は新たな消費不況の様相を示しているのに、暮らしを守る姿勢がありません。

 増税後の昨年10~12月期の国内総生産(GDP)は前期(7~9月期)に比べ1・6%も低下しました。個人消費も企業の設備投資も住宅投資も輸出もすべて落ち込んでいます。増税がもたらした経済の悪化は深刻です。

 本来財政の役割は、国民の税金を使って景気を調整し、所得を再分配することです。新たな消費不況が鮮明になっている今こそ暮らし応援を最優先すべきです。ところが20年度予算案は、軍事費ではアメリカ製高額兵器の大量購入など過去最大の5兆3千億円に拡大する一方、社会保障費は高齢化にともなう「自然増」を約1200億円カットするなど冷たい中身です。

 安倍首相の政権復帰後の13年度予算から20年度予算案までの社会保障費の「自然増」カットは1兆8300億円にも上ります。さらに20年度も年金給付の抑制などで暮らしを痛めつけようとしています。一方、大企業向けの税負担は軽減し、大型公共事業も拡大します。国民には顔を向けず、軍拡と大企業応援を鮮明にした「逆立ち」した予算案という他ありません。

 消費税増税の打撃に加え、さらに新型コロナウイルスの影響が経済に追い打ちをかける中、暮らし応援の経済・財政政策に抜本的に転換することが必要です。消費税の税率を緊急に5%へ戻すなど安倍政権の失政を改めることが急務です。

こうした中で編成された本市新年度予算案は、市民生活を守り、本市の地域経済を振興していく上で重大な問題があります。

第1に、消費税による影響です。

消費税が昨年10月から8%から10%へ増税されました。その結果、市民生活と地域経済は、深刻な事態に追い込まれています。さらに、新型コロナウイルス感染拡大による影響が加わり、大変な状況となっています。

本市予算では、消費税増税によって、歳入における地方消費税が前年度92億円から113億円と21億円の増額となっています。一方で、地方交付税が前年度98億円から88億円と10億円が減額となっています。臨時財政対策債で補てんされたとしていますが、地方交付税の削減が進み、国も、地方も、ますます消費税による財政構造が進んでいる状況となっており、消費税に頼らない税制の改革と税金の使い方の改革を求めます。

第2に、市民の命と健康を守る予算についてです。

国民健康保険料については、2018年4月から国民健康保険の都道府県化が始まりました。県から標準保険料率が示され、その実行が求められるわけですが、2020年度について県が示した標準保険料率を適用すると、本市では1人当たり保険料は5,582円引き上がることになり、世帯の構成と収入によっては、34,700円引き上がる計算になります。本市は一般会計からの繰り入れや基金の財源を活用し、保険料の抑制を行いました。しかし、保険料は1人当たりでは731円引き下げとなったものの、世帯や年収によっては年間2,240円もの負担増になるほか、夫妻子ども二人で500万円の年収の家庭では年間60万円、年収比12%以上もの負担となります。賦課限度額も年93万円から96万円へと引き上げが盛り込まれました。

さらに国の保険者努力支援にしたがって、出産育児一時金の支給に要する一般会計からの特別繰り入れを廃止し基金から補填をするというものですが、これは国が強引に公費削減を進めるもので問題です。繰り入れを減らすのではなく、国の責任ある財政措置が必要不可欠です。公費の1兆円の投入で、均等割りをなくし保険料を協会けんぽ並みに引き下げることを強く国に求めるものです。そして、本市では、25億円に上る基金などを活用し、保険料の引き下げを強く求めます。

また、医療保険においてもマイナンバーカードの健康保険証利用が進められ、「オンライン資格確認導入費」4400万円が計上されていますが認められません。

介護保険料についてです。新年度では、昨年度行われた消費増税の影響緩和が通年化され、低所得者層において保険料の引き下げられました。しかし、これは全国一律に下げられるものであり、本市の保険料は中核市では8番目の高さに変わりはありません。国による介護保険制度の改悪が続き、必要な介護保険サービスが受けられない、介護施設に入れないなど、事態が起こっています。介護の現場では、働きたくても賃金が低く、介護の担い手が不足する事態が恒常化してきています。さらに、年金から引かれる介護保険料が高いとの悲鳴が続いています。こうした事態を打開することを国に強く求めるとともに、本市介護保険事業には19億7千万円の基金があります。その活用などで、さらなる保険料の引き下げが求められています。

なお、後期高齢者医療制度については、75歳以上の方に別枠の医療制度を押しつけるものであり、新年度は賦課限度額も引き上げられ反対です。

反対の主な理由の第3は、国・県言いなりの事業が進められていることです。

金沢港建設事業は、新年度予算7億1700万円が計上され、最終年度補正予算7140万円と合わせ、約8億円の事業費規模となっています。この事業は、大手企業のコマツの進出に合わせた大浜岸壁改良事業とクルーズ船の入港促進を図るとした無量寺岸壁改良事業と施設整備事業などです。全体の金沢港建設事業費は、440億円の規模となり、本市の負担は、84億円となるものです。県が国に提出した資料によると、金沢港建設事業は全体の事業費が870億円に上る巨額の事業費を投ずるもので巨額の税金投入は、やめるべきです。

 東京国立近代美術館工芸館の移転は、移転とスケジュールが先にありきで進められ、関係者の中でも十分な理解と合意のないまま進められてきました。総事業費は33億5,000万円で、県が6割、本市が4割を負担しました。今年夏の開館予定ですが、今後の美術工芸品の移転費用や運営にかかわる点などが不透明であり、市民の理解と合意は得られているものではありません。

マイナンバーカードに係る予算についてです。

本市新年度のマイナンバーカード交付に係る予算は2億4556万4千円となっており、昨年度費では2.2倍もの増額です。政府の思惑に反して、マイナンバーカードの普及が進まないため、総務省は新年度マイナンバーカード普及推進事業費に1365億円、マイナポイント制度に2458億円の予算を計上し、マイナポイント制度が始まる9月に向け目標値を定め、各自治体に交付のテンポアップを求めているものです。本市では、交付窓口を2から4へ、正職員の配置を一人増やし、会計年度任用職員を3名増やします。企業や町会などへも出張受付することまで予定しています。しかし、マイナンバーカードの普及が本市では11%、全国でも15%にとどまっているのは、多くの個人情報が本人の同意なしに広がってしまうリスクが高まるなど国民の不安があるからです。こうした不安の声があるにも係わらず、国民の血税を使ってマイナンバーカードの普及を図るのは許されません。

さらに、本市では新年度末、現状で6万1千件の市民利用がある7台の自動交付機を廃止し、コンビニで各種証明書の交付へと移行しますが、これはマイナンバーカードを持っている方しか利用ができず、持っていなければ本庁や市民センターの窓口で手続きをしなければなりません。

また、内川や湯涌には、代替としてコンビニと同様の端末を設置することになりましたが、マイナンバーカードをもたない方は利用できません。

さらに、コンビニ交付を利用した場合に限ってのみ、住民票の写し、印鑑登録証明書などの交付手数料が300円から200円に、戸籍全部事項証明書は450円から350円に引き下げの予算案であり、物理的な不便さと価格の差をつけてまで市民にマイナンバーカードを取得させようとするものです。

しかし、総務省は、マイナンバーカードの取得は、公務員なども含めて、強制ではなくあくまで任意であること。カードを取得しないことによる不利益もないこと、をあきらかにしており、本市もその立場です。

よって、国のいいなりでマインナンバーカードの普及に血税をつぎ込むのではなく、市民の不安に応えること、カードのあるなしで、制度の利用に差がでないように求めるものです。

本市中央卸売市場と公設花き地方卸売市場についての条例改正についてです。

市場法の改定によって、中央卸売市場での「取引原則」とされた卸売り業者の「第三者販売の禁止」、仲卸業者の「直荷引き(ちょくにびき)の禁止」、卸売市場での「商物一致(しょうぶついっち)原則」が、法規定から削除され、国による規制は行わず、各市場の判断に委ねられました。

そこで本市は、今回の条例改正でこれらの規定をすべて削除(廃止)したものです。

これらが実施されれば、これまで卸売市場を支えてきた中小の仲卸業者にとって、卸売市場での生鮮食料品の購入が困難となり、仲卸業者の「目利き力」に依存していた専門小売商、料理店、すし店などの買出人の仕入れを困難にします。

そもそも、市場法改定の契機は、この財界の要求に沿ったものであり、安倍政権下での某国農政の推進です。これまで新鮮で、安全な生鮮食料品の生産、流通、消費を支えてきた本市の卸売り市場制度を守ることが必要であり、条例は変えるべきではありません。

反対の主な理由の第4は、市民のために税金が使われていないことです。

金沢駅西口広場横での外資系ホテルの誘致に関連する事業です。市長が提案し始まったこの事業は、本市が所有する用地を安く業者に売却し、外資系ホテルを誘致するとして進められてきました。さらに、周辺の整備事業だとして、金沢駅西口からホテルまでの約130メートルにわたって屋根つきの歩道を整備し、融雪対策、無電柱化など、7億5,000万円余の税金を投じ夏前に完了するとのことです。

さらに今後、外資系ホテルのネットワークで、世界の3分の2の富裕層がいるアメリカをターゲットとしてインバウンド戦略を推進するとし、予算を投じています。外資系ホテルのためにさまざまな利便を図り、税金を投ずることは、行政がやるべきことではありません。そして、オープン6月を前に、この施設がクロスゲートという34店舗の商業施設を併せ持った複合施設であることがあきらかとなり、より一層、大手資本が地元資本を脅かす様相を呈していくのではないでしょうか。こうした、大手資本呼び込み型、インバウンド頼みの事業ではなく、地元商店、中小企業への育成、支援を求めます。

また、大型公共事業にかかわる予算が次々打ち出されていますが、新年度では金沢美大や1万人規模の市民サッカー場、学校建設など124億の予算が計上され、2021年度以降もわかっているだけでも、200億もの事業費です。

中には、不要不急の事業もある他、金沢歌劇座については、経済界の求めに応じ、突如建て替えありきで進められており問題です。10年前に改修し、市民利用も進んでいる施設として、さらに市民のための改善をすること。また、工業用水道事業特別会計です。先端産業を誘致するとして造成されたテクノパークに進出した企業に工業用水道を提供するとして設置されたものです。当初から、利用する企業からの給水収益では賄えないとして、赤字は全て一般会計から補填するとして、およそ3,000万円が支出されてきました。改善を求めるものです。

反対の主な理由の第5は、市民の理解や合意がないまま進められていることです。

「ガス・発電事業の民営化について」です。議案第62号ガス事業特別会計、議案第64号発電事業特別会計には、「ガス・発電事業譲渡先選定委員会開催費」450万円および、「事業譲渡アドバイザリー業務委託費」が債務負担行為を入れて2億円が盛り込まれています。

今議会でも多くの議員から質問があった事業ですが、今議会中に「本市ガス・発電事業を株式会社に譲渡する」という基本方針が出され、令和4年度 4月1日に譲渡するという詳細まで盛り込まりました。

2016年に定めた企業局の今後10年間を見通して経営方針を打ち出した「経営戦略」の中でも、ガス・電気の自由化の情勢を踏まえながらも、「エネルギー自由化対応戦略」として、ガスについては「新たな営業戦略を展開する」とし、発電についても、「公営水力としての事業価値向上のため、北陸エリアの電力会社への卸供給というこれまでの事業形態を再検証し、適切な見直しを図る」としています。にも拘わらず、この経営戦略を見直すこともなく、たった4回の「あり方検討会」で民営化が打ち出されました。民営化すると、これまでのように議会や市民の関与はできなくなりますが、今は公営事業です。まずは、市民と議会に説明し、本市の環境施策にとってガス・発電事業がどうあるべきか議論をすべきであり、ルールを逸脱した拙速なやり方は許されません。よって、議案第62号、64号に反対するものです。

市立病院のあり方についても検討がすすめられ、現在地からの移転や独立行政法人化が求められていますが、独立行政法人化は自治体病院としての役割が果たせなくなることから反対であり、建て替えや移転、中身についても地域住民や患者さんからのお声、議会での議論をもとに慎重に議論をすすめるよう求めておきます。

家庭ごみ有料化についてです。2018年2月から実施され、2年が経過しました。市民のみなさんのご協力で、家庭系の燃やすごみがおよそ20%も減少をしている一方で、市民にさまざまな影響をもたらしています。これまでに比べ、高い有料ごみ袋を買わなければならず、市民生活に新たな負担を強い、町会のステーション管理は、今まで以上の負担です。ごみの有料化を未来永劫市民に負担させるのではなく、有料化せずとも、ごみを減らし、環境を守る施策こそ、本市が進むべき道です。

ごみ有料化の基金も新年度で6億1千万を見込むなど膨れ上がっていますが、当初説明されたごみや環境施策ではなくコミュニティと称してあらゆる事業に使われており問題です。必要な予算は一般財源で行い、基金については直接還元する、すなわちごみ袋の値段を引き下げるなどすべきです。

宿泊税にかかわる予算についてです。

昨年4月から導入され、新年度1年間の税収は、8億2千万円にのぼります。

昨年の状況から見ると、一人一泊の宿泊料2万円未満の方から200円の宿泊税は、税収全体の97%で、宿泊料2万円以上の方から500円の宿泊税は、わずか、3%です。

東京、大阪では、1万円や1万5千円未満の宿泊料金には、税金をかけていません。また、京都市では、修学旅行生の宿泊料金には、課税しないこととしています。

ビジネスホテルや小規模の宿泊業者から一人一泊3000円や3500円の方から200円の宿泊税徴収はやめてほしいとの声が引き続き上がっています。改善を求めます。

反対の主な理由の第6に、教育と職員定数にかかわる点です。

学校教育施設ICT教育環境整備事業費です。補正予算の全小中学校及び市立工業高校で校内LAN環境の整備18億3千万円とあわせ、23億6千780万円もの大型予算であり、児童生徒への一人一台学習用端末の配備をするための予算です。

文部科学省は、GIGAスクール構想を打ち出しました。具体的には、2023年度までにすべての小中学校の校内LANの整備と児童生徒一人に一台のPC端末の整備を一体的に進めるとして、国の補正予算で2318億円が計上されました。

なお、教育のICT化に向けた環境整備5ヶ年計画(2018年~2022年)に基づき、地方財政措置が単年度1805億円で進められ、4123億円と一大国家プロジェクトとなっています。

教育のICT化は、公教育への企業参入をいっそう進め、集団的な学びの軽視、教育の画一化につながる恐れがあるとの問題が指摘されています。

いじめをなくし、学校に通えない子どもへの取り組み、教師の長時間労働をなくす取り組みなど教育をめぐって、解決が求められる課題に直面しています。そのために、教職員などを増員するための教育予算を抜本的に増やし、少人数学級など教育環境の整備が求められています。こうした課題にこそ、優先して取り組まなければならず、わが党は、この予算に反対であります。

学校給食の共同調理場についてです。

本市は新年度予算で、新たな共同調理場の整備に向けて、泉本町地内の用地を先行取得します。

本市教育委員会は、今議会の文教消防常任委員会で「新たな学校給食調理場整備計画」を示し、その内容は、学校給食調理場施設について、現在17施設を6施設に最大15年間で統合集約するものです。そのために、泉本町を6000食から8000食に拡大、駅西・臨海に11000食と大規模共同調理場を2つ新たに建設し、4つある単独調理場をなくし、鞍月共同調理場と8つある学校併設の調理場を廃止するとしています。大規模化して業務の効率化を優先するのではなく、本市がほこる食の教育、地産地消、直接雇用、災害からのリスクを減らすなど、子どもたちや地域経済にとってよりよい給食にするため、単独方式こそ増やすべきです。

学校建設費についてです。小将町中学校を現在の中央小学校に移転、中央小学校はこども図書館の用地に移転、こども図書館は現在の付近に新築移転し、公文書館を併設するという中央地区での建設が本格化します。また、新竪町小学校と菊川町小学校を統廃合し、新たに犀桜小学校を建設しますが、洪水浸水想定区域にあたり地域住民からも不安の声があがっています。いずれも、関係者を初め、市民の理解と合意を十分得られたものではありません。

本市職員の定数と会計年度任用職員の導入に関わる点です。

本市職員の定数が3343人で維持されますが、34人を増員する一方で、34人を減らします。その内容は、学校施設でかつて校務士さんと呼ばれてきた方が定年を迎えるなどで10名が削減されます。ごみ収集体制では、同じく定年を迎えるなどで7人が削減されます。ごみ収集の民間委託化がさらに進められていくことになります。必要な職員の増員を求めるものです。

一方、この4月から会計年度任用職員制度が導入されます。本市では、1500人規模となります。

これまで通り、1年間の雇用で再雇用は、5年までであり、この点は改善されません。さらに問題は、月額給与が約2万円下がることです。期末手当が支給されることになりますが、日々の生活を支える月額給与が引き下げられることは、重大です。総務省は、昨年通達で、月額給与の引き下げは法改正の趣旨とは異なるものとして改善を求めました。ところが、本市は拒否しています。あらためて月額給与の引き下げをやめるよう求めます。

予算のさいごに、新型コロナウイルスについては、本市も追加補正が決まり、国も30兆規模の対策を打ち出しています。引き続き全力で取り組むよう求めます。

次に、請願・陳情についてです。

請願第4号は、「金沢市におけるコミュニティバスの導入促進に関する請願」で、「金沢市にコミュニティバスを走らせる会」の代表から提出をされました。交通弱者や免許返納された方にとって公共交通は不可欠であり、日常生活に必要な拠点を結んだコミュニティバスの導入や「地域運営交通運行費補助制度」がより利用しやすくするなど、住民参加の下、市の責任においてコミュニティバスの導入を計画的に実施するよう求めるもので、我が党は賛成です。

 陳情第2号は、「妊産婦医療費助成制度等の創設を求める陳情書」で、「石川県保険医協会」の会長から提出されたものです。2018年12月8日の参院本会議で「成育基本法」が全会一致で成立しました。

妊産婦の体には様々な変化が生じるため、特別な配慮を伴う医療が切れ目なく、提供されることが重要です。

現在、全国的には岩手県・茨城県・栃木県・富山県の4県が全市町村で妊産婦への医療費助成が実施、石川県でも能美市が実施していることなどうけて、日本産婦人科医会などが全都道府県での妊産婦医療費助成制度の創設を訴えています。

本市においても妊産婦がお金の心配なく安心して医療が受けられるよう制度の創設が必要です。

「妊産婦健診」についても、本市では数や助成限度額が設定されており、費用の心配なく受けられるようにすることが必要です。よって、我が党は賛成です。

 陳情第3号は、「金沢市のガス・発電事業の事業譲渡について慎重な検討を求める陳情」で、「金沢市のガス・発電の民営化を考える市民連絡会」の代表から出されたものです。

文面にある通り、本市ガス・発電事業は公営事業として100年近くにわたって、市民の信頼を得て続けられてきた、市民の貴重な財産です。また、ガスや発電に関する方針転換は、本市エネルギー政策の大きな転換となります。

その点もふまえ、方針決定を急ぐことなく、各方面、広く市民の意見を聞き、慎重な検討を深めることが必要です。よって、わが党は賛成です。

以上の請願・陳情がいずれも付託された各常任委員会において不採択となり、その決定に反対するものです。

 以上をもって、反対討論を終わります。

-森尾議員

私は、日本共産党市議員団の一人として、補正予算・追加分について質疑いたします。

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、その対策として緊急に補正予算が提出されました。そこで、今回の補正予算の提案にあたって、新型コロナウイルス感染拡大の現状と政府の対応についてどのように受けとめられたのか伺いたいと思います。3月19日の政府専門家会議と翌日20日の政府対策本部会議について、市長の受け止めを伺います。

-山野市長

 19日の専門家会議及び20日の政府対策本部会議におきましては、いわゆる密閉・密集・密接の3条件の回避を引き続き要請するとともに、感染が落ち着きつつある地域におきましてはリスクの低い活動から解除を検討するというふうにお聞きをしています。このことを踏まえまして、本市では小中学校及び高等学校の授業を、この3条件を回避する担保をしっかり取った上で再開をしたところであります。

-森尾議員

 今回打ち出した本市補正予算の追加分について、その柱と、どこに重点を置いたのか、改めて伺いたいと思います。第一の柱は、感染防止対策です。第二の柱は、地域経済緊急対策について本市として重点とした内容についてそれぞれ伺いたいと思います。

-山野市長

 今お話をいただきましたように、大きな柱は今森尾議員がおっしゃいました二つであります。感染症防止対策といたしましては、感染症防止用資材の配備を始め、保育所・児童クラブ等における衛生健康管理に必要な物品の購入支援、こどもの健康と保護者の安心を確保するための施策に特段の意を用いたところであります。地域経済対策におきましては、中小企業の資金繰りを支援する施策を創設いたしました。特に影響が顕著となっていますホテル・旅館業等の宿泊事業者や、飲食業、商店街に対する支援を強化するなど、緊急対策として思い切った施策を取ったつもりでおります。

-森尾議員

 今回の追加補正予算の内容を見ると、本市単独事業が20項目となっています。感染防止対策については11項目、地域経済緊急対策としては9項目となっています。それぞれの単独事業と合わせて全体の予算規模が5億1千万円となっています。これだけの市単独事業の計上が行われました。改めて、追加補正予算の編成にあたって、どのような考えでこうした事業を盛り込んだのか、伺います。

-山野市長

 先程ご質問をいただきました19日の専門家会議、そして20日の対策本部会議を受けまして、石川県は比較的落ち着きつつあるのではないかと、これは市民・県民の皆さんのご努力もあって落ち着きつつあるのではないかというふうに思っています。引き続き安心することなく、国の専門家会議から示された3条件が重なる状況を回避することによって、市民生活を正常な状態に戻していくことはできないのか、そんな思いから組ませていただいたところであります。あわせて大きな影響を受けています中小企業の支援についても、意を用いて取り組んだところであります。

-森尾議員

 私どもも市民の皆さんの各方面からのご意見を伺い、この間5回にわたって市長あてに要望書を提出し、補正予算の内容についても具体的に提案してきました。その中から、今回打ち出された感染予防対策について伺っておきたいと思います。マスク・消毒液などの確保について支援が打ち出されましたが、本市としては予算上の支援策という措置はされましたが、現実問題としてはなかなかマスクと消毒液の確保が難しいという声をお聞きしています。あらためて、市として確保し、配布するという方法は取れなかったのか。また、地域サロン・介護施設やデイサービスへはどのような対策を検討されているのか伺っておきたいと思います。

-山野市長

 森尾議員が今おっしゃいましたように、現実問題なかなか市中に出回っていないということもありますし、なかなか厳しい状態であると思っています。市の方では全国市長会等を通じまして国に対して速やかな対応を強くお願いしているところでありますし、政府の方でも理解をいただきまして様々な施策に取り組んでいただいているところであります。布製マスクをメーカー等から一括購入をし、高齢者施設や介護サービスの事業所等につきましては4月上旬にかけて直接一斉配布をするというふうにお聞きをしています。また地域サロンのことについてお尋ねがございましたけれども、地域において高齢者が集まる生きがい活動については現在自粛を要請しているところであります。また、いろんな方々が集まる場合であったとしても、先程来申し上げております3つの条件が重ならない、そんな環境をお願いをしながら様々な施策に取り組んでいるところでありまして、現時点でマスク等の配布を行うことは予定しておりません。

-森尾議員

 第二に、医療施設への支援についても、現状の深刻さや支援策についてお聞きしてまいりました。3月19日政府専門家会議では、拡大防止策として患者の早期診察、重症者への集中治療の充実と医療体制の強化が打ち出されています。本市として、市立病院の体制強化ならびに市内各医療機関へのマスクや防護資材・消毒液などの資材確保と施設内の改善による安全対策などが求められていると考えています。今回の補正予算・追加分では、どのような具体化がされているのか、明らかにしていただきたいと思います。

-山野市長

 医療施設のことについてお尋ねがございました。今月上旬、県が医療機関ごとの在庫状況を調査し、国の備蓄250万枚から割り当てられたマスク約17300枚を、先週在庫が乏しい医療機関に配布されたというふうにお聞きしています。また国の緊急対策第2弾におきましては、医療機関に対し1500万枚を国が購入し、県を経由して配布することとなっています。国から石川県への割り当て分が届いた場合には、一刻も早く医療機関に届けられるよう、本市としてもその配布作業に協力してまいりたいと考えています。

-森尾議員

 第三に、検査体制の充実についてです。今回の補正予算・追加分の中で、検体検査費が計上されていますが、PCR検査の強化が課題だと考えています。名古屋市、新潟市で始まっていますドライブスルー方式の検査の実施について、本市保健所での実施を検討できないか伺います。

-山野市長

 今ほどお話がありましたように、検体採取している帰国者・接触者外来は、一般の患者と交錯しないように動線を分けるなどしておりまして、かつ、職員は感染防御策を講じて作業を実施しています。院内感染の恐れも極めて低いと考えています。現行の検査体制を引き続きしっかりと続けていきたいと考えています。

-森尾議員

 県の保有しているPCR検査機器は、1台あたり1日12件の検査能力だと聞いています。現在県が2台保有し、さらに追加補正予算で2台追加するとしています。しかし、計4台としても一日あたり48件の検査件数となります。私は、今後予想される事態を考えると十分な備えかと言われれば、現状では大変少ないのではないかというふうに考えています。県は県としての方針を持っておられると思いますが、保健所を持つ本市として、現在でも2台のPCR器があると聞いております。問題は機材の確保と人的なトレーニングが必要だというふうにも考えます。したがって、今後予想される事態を考えると本市保健所としてもこのPCRによる検査体制の充実は、私は大きな課題であり、市民の命を守る上では重要だと考えますが、その点についての見解はどうでしょうか。

-山野市長

 大切なことはピークカットと、もうひとつは重篤な患者を出さないことだというふうに思っています。県と連携をしながら様々な施策に取り組んでいるところでありまして、今のところ今の体制をしっかりと守っていく、そのことが市民・県民の安心安全に繋がっていくのだというふうに理解をしています。

-森尾議員

 韓国、台湾の経験を報じた点をみると、PCR検査体制の充実はこの感染予防対策にとっては非常に重要だと考えています。したがって、今後予想される事態を考えると、十分な備えという点を含めて考えると、ぜひとも先程提案した本市保健所での体制の強化と準備について求めておきたいと思います。

次に、本市追加補正予算の中には、ホテル・旅館等誘客対策が盛り込まれています。3月19日の政府専門家会議では、引き続き全国的な大規模イベントは慎重な対応が求められるとしています。翌日の政府対策本部は、慎重な対応を要請するとしました。そこで、本市として今後の大規模イベントに対する対応はどのように臨むのかというのが大きな課題だと考えています。4月28日から5月5日開催の「風と緑の楽都音楽祭2020」、6月5・6・7日開催の百万石まつりに対してはどのように考えるのか、明らかにしていただきたいと思います。

-山野市長

 先程申し上げましたように、石川県は県民の皆様のご努力もありまして比較的落ち着きつつあるのではないかと認識はしておりますけれども、この新型コロナウイルスの状況が日々変化をしているところでもありますので、まず音楽祭のことにつきましては国の動向も注視しながら、県と連携をしながら適切な対応をしていかなければならないというふうに思っています。また百万石まつりのことにつきましては、本市の新型コロナウイルス感染症対策本部会議と協議をし、百万石まつりは実行委員会方式で取り組んでいるところでありますので、開催の可否をそちらの方で判断していただくことになります。本市とともに事務局を務めていただいております金沢商工会議所とも慎重に協議を進めてまいりたいと考えています。

-森尾議員

市長も、政府専門家会議の内容についてはご承知だと思います。私が注目したのは次の点です。『特に、気づかないうちに感染が市中に広がり、あるときに突然爆発的に患者が急増する・オーバーシュートすると医療提供体制に過剰な負荷がかかり、それまで行われていた適切な医療が提供できなくなる事が懸念されます。こうした事態が発生すると、既にいくつもの先進国・地域で見られているように一定期間の不要不急の外出自粛や移動の制限・ロックダウンに追い込まれることになります。』こう述べています。これを受けて、昨日東京都の小池知事は「新型コロナウイルスの大規模な感染拡大が認められた場合は首都の封鎖・ロックダウンもあり得るとして、都民に対して大型イベントの自粛などを改めて求めました」と、記者会見で述べました。先程言いましたように、今後予定される大規模イベントを本市でも控えています。改めて、このイベントに臨む市長としての見解を伺っておきたいと思います。

-山野市長

 楽都音楽祭も金沢百万石まつりも、金沢市単独で行っているものではありません。慎重に関係機関と協議して行く中で、適切な判断をしていかなければいけないと思っています。政府の専門家会議のご意見というのは大変重要なものでありますので、しっかり受け止めながら関係機関と協議を図ってまいります。

-森尾議員

 政府専門家会議の中の報告文書というのを改めて読んでみました。その中に、『全国から不特定多数の人々が集まるイベント』についてコメントした文章があります。『イベントそのものがリスクの低い場で行われたとしても、イベントの前後で人々が交流する機会を制限できない場合には、急速な感染拡大のリスクを高めます。また、規模の大きなイベントの場合は、会場に感染者がいた場合にクラスター(患者集団)の連鎖が発生し、爆発的な感染拡大のリスクを高めます』という報告文書が載っていました。今後の動向を注視しながら本市として取り組む2つを取り上げましたが、大規模イベントに対する対応は十分、そして慎重に、各方面の専門家の意見を聞いたうえで対応されることを望みます。

次に、教育長に伺います。今回の追加補正予算の中で、小中学校での感染防止対策に関する予算が計上されています。さらなる対策の強化が必要だと考えています。こうした中、文部科学省が本日、新学期再開についてのガイドラインを打ち出しました。本市としては入学式、新学期への対応についてどのように臨むのか、伺いたいと思います。

-野口教育長

 今日の文科省からのメッセージもそうですが、3月19日に開かれました国の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議で示されております感染拡大を防止するための3カ条、森尾議員もご存知だと思いますが、一つ目は換気の悪い密閉空間、二つ目に人が密集する、そして三つ目にに近距離での会話や発声、このことを回避するよう徹底をしながら、適正な管理下のもとで十分な感染防止策を講じ、4月7日から予定通り新学期を始めていきたいと考えています。まず入学式にあたりましては参加人数の抑制や式典時間の短縮などに留意いたしますとともに、この日は同じように始業式とか新任式も行われますので、こういったものにつきましても校内放送で行うなど対策の方を講じてまいります。また合わせまして、こどもたちが学ぶ教室環境におきましても一時間に一度は換気を行いますとともに、マスクの着用を呼びかけるなど、感染防止対策をしっかりと講じてまいりたいと考えております。

-森尾議員

臨時休校についても、文部科学省がひとつのガイドラインとして指針を示しています。①児童や生徒、教職員が感染した場合は臨時休校、感染者と濃厚接触者の出席停止、②爆発的患者急増の発生時は一定期間の休校、としています。本市としてはこの間、野田中学校そして市内全小中学校の休校を実施しましたが、改めて考えると関係者との合意づくりが非常に重要であることを示したと考えています。この間の教訓を、今後予想されるであろう対応策にどう活かしていかれるのか伺います。

-野口教育長

 今回の新型コロナウイルスの対策につきましては、未曾有のできごとであり、また初めての経験をたくさんさせていただきました。この教訓を活かしながらこれからしっかりと対応していかなければならないと思っておりますけれども、まずは野田中学校で発生しましたときにたくさんのノウハウを作らせていただきましたので、そんなことを元にしながら今後とも対応をしっかりと取り組んでいきたいと思っております。

-森尾議員

地域経済緊急対策についても本補正予算の中に柱として打ち出されています。そこで、国が国税や社会保険料の原則1年間の納付猶予、生活困窮者世帯を対象に公共料金や税金の支払い猶予などを打ち出しています。さきほど市長が提案説明の中で、ガス・水道・下水道など公共料金や市民税、宿泊税、国民健康保険料、介護保険料などについて、その一部を支払い猶予することを表明されましたが、現状から考えると本市のこれらの公共料金を減免実施することが必要ではないかと考えますが、この点での見解を伺います。

-山野市長

 今ほどお話いただきました、国からの要請を受けまして公共料金や市税等の支払い猶予を行いたいというふうに考えています。まずは国の方針にそって適切に対応をしていきたいというふうに考えておりまして、今のところ市独自の減免制度までは考えておりません。

-森尾議員

 市内の中小企業への支援策についてです。相談窓口の設置が表明されました。各種融資制度に対する対応が今回の追加補正予算でも盛り込まれています。ぜひとも融資に対してスムーズな対応と実施に向けて関係機関への協力を求めるべきと考えますが、見解を伺います。また、ホテル・旅館に対して奨励金として基本額30万円が盛り込まれました。この点で、ホテル・旅館以外の他の業種などへ対応ができないか、あわせて伺います。

-山野市長

 今日予算をお認めいただければ、明日から相談窓口をすぐ開設させていただければというふうに思っています。この窓口は金沢市の施策はもちろんのこと、国・県とも連携し、国・県の施策についてもお伝えをしていきたいと思っています。当然、各部局を横断して取り組んでいかなければならないと思っておりまして、ご利用される皆様に様々な選択肢をしっかりとお伝えしていきたいというふうに考えています。また金沢市の様々な広報媒体も活用しながら、この存在をお伝えしていきたいと考えています。旅館・ホテルのことについて、まずは旅館・ホテルのサポートをしっかりとしていきたいというふうに思っています。観光庁の観光地域経済調査というものがありますけれども、宿泊業は地域経済への波及効果が高い業種であり、宿泊客が増えることによって周辺にある商店街の店舗や飲食店にもその効果が及ぶとされています。しっかりと宿泊業者へのサポートをしながら、その波及効果を広げていくことができればというふうに思っています。地域経済の回復に、そういう側面から取り組んでいければと考えています。

-森尾議員

 市内の商店や様々な業種の社長さんや関係者の声をお聞きしますと、融資制度の話をしても返ってくる言葉が「返さなきゃいけないだろう」と。融資するには決断が要るという話なんです。今後の見通しを持った対応として、どうやって対応したら良いかというところに非常に困惑をされています。そういう意味では、今回打ち出されたホテル・旅館に対する奨励金制度という点や、誘客のためのキャンペーンへの補助というのは、積極的な対応だと考えています。そうすると、融資制度以外の施策として、ぜひ本市として更なる検討の際にこうした現状や地域の業種の声を十分反映し、助成する制度や企業への応援策としての内容をぜひ盛り込んでいかれるように、求めておきたいと思っています。

 最後に、政府専門家会議でもこの新型コロナウイルス対策は、今後長期にわたるだろうと言われています。追加補正予算の提案を通じて、今後市長としてどういうふうに臨んでいくのか、改めてその決意を伺いたいと思います。同時に、国はその対策として30兆円規模の新たな対策を検討し、この4月上旬にも決定し打ち出すとしています。そうすると、本市としてどういうふうに対応されるのか。追加補正予算の計上と議会への上程が考えられますが、その点、市長としてどういうふうに見解を持っておられるのか伺います。

-山野市長

 まずは、今回上程いたしました追加補正予算をお認めいただきましたならば、迅速な執行に取り組んでいくことによって、中小企業であったり市民の安心感に繋げていきたいと思っています。まずはそのことに全力を傾けてまいりたいと思っています。また政府はさらなる対策についていろいろご議論をいただいて、報道によりますと来月早々には出されるやにお聞きをしているところであります。まずは市としても情報収集にしっかりと努めていきたいと思いますし、その内容も精査して行きたいというふうに思いますし、そのときの本市・本県の経済状況というものも見極めていかなければならないと思っております。必要とあるならば迅速に積極的な対応をしていかなければならないと思っております。

-森尾議員

 以上をもって終わります。

-大桑委員

 本市市営住宅条例についてお尋ねいたします。

 国交省住宅局長は2018年3月に「公営住宅管理標準条例(案)について」の改正についてを、各都道府県知事等に送付しました。この改正の理由は、民法の一部を改正する法律による、債権関係規定の見直しや、単身高齢者の増加など、公営住宅を取り巻く最近の状況等を踏まえるとともに、これまでの公営住宅に係る制度改正の内容を反映する為というものです。国交省は公営住宅の事業主体である地方自治体に対して周知徹底を図るとともに、公営住宅の管理について適切な指導監督を行うように求めています。これによって、全国の地方自治体は住宅条例の改正を行うことになるのですが、本市の今回の市営住宅条例の主な改定の内容についてまずお聞きします。

-坪田定住促進部長

 今回の市営住宅条例等の改正案は、民法の改正に伴いまして連帯保証人の取り扱い、及び退去する際の原状回復義務、明け渡し請求に係る損害金の利率に関する規定等を盛り込んだところでございます。

-大桑委員

 4月からの民法の一部の改正に伴い「国土交通省通知」において、公営住宅に連帯保証人等を求めるべきではないとして、公営住宅の入居に際して連帯保証人等を不要とする条例案を全国の自治体に示しています。本市においては、県内に住んでいる方で、入居者と同程度以上の収入を有する方を、連帯保証人として連署した誓書の提出を求めていましたが、この国土交通省通知によって、本市はどのように改正されるのかお聞きします。

-坪田定住促進部長

 今回の改正案では、連帯保証人につきましては特別な事情があると市長が認める場合は免除する規定を新たに設けることとしたほか、連帯保証人の県内居住要件を削除することが主な改正内容でございます。

-大桑委員

 ただ今お答えいただいたその見直しの中で、「市長が特別の事情があると認める者に対しては、第1項第1号の請書に連帯保証人の連署を必要としない事とする」としていますが、この特別な事情とはどのような事情を指すのかお尋ねします。

-坪田定住促進部長

 特別な事情とは、親族や知人等の身近な関係者が死亡または音信不通など、実態として連帯保証人が確保できない場合などを想定しております。

-大桑委員

 本市においては、入居を希望する方の連帯保証人の免除の判断は、本市の裁量で認められるという極めて抽象的な規定であります。連帯保証人になることに同意を得られない、見つからないという場合などが、特別な事情であるならば、保証人規定を無くすべきではないでしょうか。国土交通省は、改正についての説明の中で「住宅に困窮する低額所得者への住宅提供という公営住宅の目的を踏まえると、保証人を確保できないために入居できないといった事態が、生じることがない様、保証人の確保を公営住宅への入居に際しての前提から転換すべきと考えられる、このため、本条例から保証人に関する規定を削除した」と、しています。本市においても公営住宅が住宅セーフティーネットとしてその役割が期待されていることに鑑み、前にも述べましたように、「保証人規定の削除」を明確にすべきではないでしょうか。お伺いいたします。

-坪田定住促進部長

 連帯保証人は、国土交通省住宅局からの国土交通省通知に基づきまして免除規定を設けることとしたものでありますとともに、県及び県内各市町におきましてもこれまで通り条項を残す方向としておりますことから、本市においても連帯保証人の条項を削除することは考えてはおりません。

-大桑委員

 国土交通省の改正と足並みをそろえて、保証人規定を削除することを求めていきたいと思います。

 次に、住宅の修繕費用の負担区分についてお伺いいたします。

「公営住宅標準条例案」では家主側の修繕費用の負担については、「費用負担の義務の範囲は最小限度であり、義務の範囲をこれよりも縮小することは、違法である」とし、逆にこの範囲を超えて修繕を行う事はむしろ望ましいとしています。国土交通省が、賃貸住宅準契約書を改定し見直した中で、経年劣化による修繕費については家主側の負担となるよう変更しました。畳やふすま、障子などで、長年使用していると劣化した場合や、故意に破損させたものではない場合に適用されると思います。これは民間の賃貸契約に関してのもので、契約形態の相違はありますが本市においても適用がされるようにしてほしいものです。市営住宅を退去する方の中には、高齢で施設入居の方など年金生活でぎりぎりの生活をしている方が含まれます。そのことを鑑みても、この契約書にもあるように故意ではなく、基本的に自然劣化した、障子やふすまの替えなどの原状回復義務を、本市においても見直してもらいたいと思いますがいかがでしょうか。

-中村市営住宅課長

 退去時に障子やふすまを張り替えをしていただくことは、次の入居者の方への配慮としてお願いをしているものでございます。なお、県及び他市町におきましても、同様の措置が取られておりまして、見直しについては考えてございません。

-大桑委員

 これからもこういう方がたくさん出ると思いますので、次の方に対してはまた別問題でありますので、考えていってほしいと思います。

風呂釜の問題も同様です。入居の際に風呂釜を設置した入居者は、退去時には原状回復義務ということで、風呂釜の撤去が課せられます。これは、お風呂の設置がなかった古い市営の住宅で、当時は入居者が風呂釜の設置を余儀なくされていました。入居者の退去に合わせて本市が部屋のリフォームと新しい風呂の整備を行うなかで風呂釜の撤去も行うよう見直されないかお伺いいたします。

-中村市営住宅課長

 入居時に入居者が風呂釜を設置する場合には、退去時にご自身で撤去していただくということは、ご理解をお願い申し上げます。市といたしましては浴室改善につきまして引き続き計画的に実施をしてまいります。

-大桑委員

公営住宅の大きな目的は住宅に困窮する低額所得者への住宅提供という事にあります。原状回復義務を課すのではなく、入居されている方々の退去時に多額の負担とならないよう配慮されることを求めます。風呂釜の撤去には本当にお金がかかって大変な部分がありますので、どうぞこれからも考えていってほしいと思います。

次の質問に移ります。学校給食について質問いたします。1954年に旧文部省が「学校給食法」を制定、学校における児童・生徒の健全な育成を担うため、学校給食を教育の一環として位置づけました。しかし1964年共同調理場への補助金を導入、1981年には国によって「第2次臨時行政調査会」が組織されて、民間活力の導入を推し進める中で、学校給食業務の運営の合理化を通達され、これにともない、一転して学校給食の民間委託や共同調理場の大型化推進が打ち出されました。今回、「新たな学校給食調理場再整備計画」が示されました。その内容は学校給食施設について現在17施設を6施設に最大15年で統合集約するというものです。そのために、大型共同調理場を2つ新たに建設し4つある単独調理場をなくし、鞍月共同調理場と8つある学校併設の調理場を廃止するとしています。この方針が具体化されると本市の学校給食は、中央共同調理場3300食、西部共同調理場4600食、北部共同調理場4800食、東部共同調理場5800食、新共同調理場8000食、そして、新たに11000食の大型調理場です。本市の学校給食から自校方式が消え、すべて共同調理場法式となります。全国では単独調理場と共同調理場方式は半分半分となっている現状からすると、単独調理場をすべてなくし、共同調理場方式にする方針は、金沢市は際立っています。本市において新しい整備計画を立てる上で、単独調理場の役割・優位性が検討されたのか、そして大型調理場の課題も検討されてきたのか、お尋ねいたします。

-加藤教育総務課長

 今回の再整備計画を策定する上で、単独調理場の優位性・役割、大規模共同調理場の課題は検討されたのかというお尋ねでございます。今回策定いたしました再整備計画は、本市の学校給食調理場の今後のあり方等につきまして、有識者や学校関係者、保護者代表、調理場関係者からなる懇話会におきまして、単独調理場等における老朽化等の状況や、地域性を考慮した共同調理場の設置、また食育の充実等にはたす調理場の役割など、幅広くご意見をうかがって策定をさせていただいたものでございます。

-大桑委員

2つの巨大な共同調理場を建設することは、全国的に見ても特異的な方針だと思います。泉本町に建設する予定の共同調理場は10年前の計画では6000食でした。今回の計画では8000食に変更され、さらに新たな学校給食調理場再整備計画では、11000食に対応できる超大型の調理場の建設で、これは全国的に見てもまれにみる巨大な共同調理場となります。文科省が公表している公立の共同調理場規模別でみても10000食以上は全国で26か所、比率にするとわずか1.1%です。この計画の真意は何なのかうかがいます。

-加藤教育総務課長

 平成22年の計画では、鞍月共同調理場の代替施設としまして、新設する調理場の規模は6000食であったと。今回8000食となり、さらに11000食の調理場をということの真意というお尋ねでございます。平成22年度の計画では、老朽化が著しい鞍月共同調理場の機能を代替をし、単独調理場4施設の集約化に向けた施設整備を行う予定としていまして、今回の計画では施設の調理能力は8000食とさせていただいたものでございます。当時の計画の通り鞍月共同調理場を最新の衛生水準を備えた改築を行うとした場合、その調理能力は現在の調理能力を大幅に下回りまして、求められる食数を確保するためには別途調理場の新設が必要になるわけでございます。このことから、11000食程度の調理場を1施設整備させていただければ、鞍月共同調理場分も含め、老朽化が進む他の学校併設調理場の集約化が図られますことから、今回の計画で内容を見直しさせていただいたものでございます。

-大桑委員

泉本町地内の県有地を取得して、町中に新しい共同調理場を作る計画、さらに第2段階としての大型共同調理場設置という案、これは駅西臨海地域で11000食の給食に対応する調理場となっています。なぜ、駅西・臨海地域に大型の共同調理場の建設なのか、お伺いいたします。

-加藤教育総務課長

 なぜ駅西・臨海地区に11000食の調理能力を有する調理場を建設するのかというお尋ねでございます。鞍月共同調理場が位置いたします駅西・臨海地区では、児童生徒数の将来推計におきまして、今後も市全体の必要食数に占める割合が高いことから、同地域で安定的な給食提供体制を確保する必要がございます。また、将来的に駅西・臨海地区に鞍月共同調理場に替わる調理場整備が必要であるという懇話会委員からの意見もありまして、再整備計画に盛り込んだものでございます。

-大桑委員

学校給食は教育の一環であり「設置者」すなわち本市の責任で実施されるものです。大型共同調理場は、調理、運搬、食器洗浄などの仕事を民間に委託するという形をとっていて、場長と管理栄養士が配置されます。そうなると法律上公務員である栄養士は民間企業の調理員に対し、直接的な指導はできなくなります。わが党はこの民間委託方式が偽装請負にあたるとした問題を平成21年の3月議会で提起し、石川労働局から文書による指摘があったものです。また、単独方式なら調理の過程で栄養士と調理員の直接的なやり取りで生まれる調理の工夫や、子どもたちの状況を把握・対応することができます。子どもの食育についても学校栄養教諭が給食現場に配置されている所から指導ができ、また調理員の顔も見え、お昼にはいい香りが漂い食欲がわくのです。地産地消の面からも単独調理場を増やせば、地元の小規模な農家などからの材料調達も増やせるはずです。私ども日本共産党市議員団は、作り手の顔が見える給食を子供たちに提供すべきという立場から、給食調理場を大型調理場に移行するのではなく、単独調理場にすべきと主張しておりますが、いかがでしょうか。

-野口教育長

 学校給食は学習指導要領にも定められております通り、学校の教育活動の一部でございます。そのため、学校給食の実施を通した食育の充実は各学校の教員等による創意工夫や熱意ある指導によるものが大きく、調理場の方式とは直接的には関係ないと考えています。なお、共同調理場におきましては、これまでも各学校の求めに応じまして調理場職員が学校の方に出向き、教員と共に児童等への指導を行うなど、食育の推進に努めてきています。

-大桑委員

 私は先日、西部の共同調理場を見学させていただきました。その中でお話を聞くと、やはり先程教育長がお話されました、学校に出向いて共同調理場の栄養士の方がこどもたちにお話されているということなのですが、なかなか業務が忙しくてそんなに頻繁には行けないというお話も聞くところです。ですから、そういう点から見ても単独調理場に勝るところはないと思っています。

次は、災害時などにおいてリスクの分散や避難所としての機能について伺います。本市では、2年前の豪雪時には、道路の除雪が追い付かず、多くの学校や子どもたちの給食に遅れや部分提供が出ました。また、過去には検食で違和感があって、おかずが子どもたちに行き渡らないこともありました。小規模なら被害は最小限で済みますし、代替の対応も可能です。大規模調理場に子どもたちの給食を集約するのはリスク管理からしても問題ではないでしょうか。また、東日本大震災などを経験し、全国的には災害対応時は学校が避難所となり単独調理場があるとあたたかい食事を被災者に提供できると評価がされていますがいかがですか。

-高村教育次長

 仰せの、自然災害等によりまして各調理場の設施や設備に障害等が生じた場合であっても、大規模共同調理場におきましては調理作業の従事者が多いことから、人手を確保することができ、また損傷を受けている設備を工夫することなどによりまして、調理の実施も可能となると考えられます。また共同調理場は有事の際には大規模な食糧供給の拠点となることが可能ともなります。衛生水準を保ち、安全安心な調理業務が行える面からも、単独調理場より優れていると考えています。加えまして、新たな共同調理場では都市ガスを熱源とする場合であっても、LPガスへの切り替えを行う設備の導入が可能であるなど、様々なリスク等にも柔軟な対応が出来ると考えております。

-大桑委員

今回の新たな学校給食調理場再整備計画は、これまで述べてきた課題や問題に対して向き合うことなく、さらなる経済的効果、効率論に立って学校給食整備計画を新たな装いの下でやり上げようとするものです。全国的な流れを見ても、さいたま市や高崎市は自校式に向かい、江戸川区では全校自校方式、奈良市も自校方式に向かい、大阪市では親子方式を採用しています。本市の今回の方針では6か所の調理場の内1ヶ所だけが直営で、後はすべて民間委託となります。単独調理場方式にして、調理場整備を市内業者に限定した自治体では、大きな経済効果も生まれていることも言われています。そういう点からの本市の見解をお伺いするものです。

-高村教育次長

 学校給食におきましては、安全安心な給食を安定的に提供して行くことが最も大切でありますので、平成22年度に策定しました計画に基づき、敷地に制限があり改修等が難しい単独校調理場等につきましては、高い衛生管理水準や優れた調理作業環境を持つ共同調理場に集約化することとし、順次取り組んできています。現在、各調理場施設の老朽化がさらに進行しており、これまでの取り組みや既存施設、そういった状況等を踏まえまして、早急な統合集約化を図ることが必要であり、そのために必要な整備を行ってまいります。

-大桑委員

本市における学校給食の考え方がこれから問われていくと思います。安全安心な給食、これは大型調理場でなく単独校の中でも安全安心な給食を一番に考えていると思います。「新たな学校給食調理場再整備計画」の名のもとに、経済効率を優先させる大型調理場の整備ではなく、食の安全安心、食育、地産地消などの観点に立って、これから単独調理場を守っていくことを改めて申し上げて、次の質問に移ります。

GIGAスクール構想についてお尋ねいたします。安倍政権が経済対策として2019年度補正予算に2318億円を盛り込んだ「GIGAスクール構想」、小中学生に1人1台の端末を整備することで「誰一人取り残さない、個別最適化された学びを実現する」としています。本市でもそれを受けて補正予算で18億3000万円、新年度予算でも5億3000万円計上しました。今後どのようなスケジュールでICT化教育を全市に環境整備を進めていくのかお聞きします。合わせて学習用端末をどのように授業で活用し導入されていくのか、どの程度授業で活用し、どのような教育効果を期待するのかお伺いいたします。

-寺井学校指導課長

 本市におきましては、令和2年度中に校内LANの整備を行うとともに、小学校5年生・6年生、中学校1年生の学習用端末を整備することとしております。加えて、令和3年度以降、計画的に学習用端末を整備し、令和5年度までに全児童・生徒分の整備を完了する予定でございます。学習用端末の活用につきましては、例えば教科書に記載されているQRコードを読み取り、デジタル教材を活用した学習が可能となることから、一斉学習・個別学習・共同学習等、様々な学びの充実を図ることができると考えております。

-大桑委員

今なぜ教育のICT化を急がなければならないのか。教育専門家からこの「GIGAスクール構想」に対し公教育に企業の参入が進み集団的学びがおろそかになり画一的な教育につながるとの懸念も出ています。本市においては、この「GIGAスクール構想」をどのように受け止められているのかお尋ねいたします。

-野口教育長

 学習用端末を活用して行われる授業を、最近とみに見させていただくようになりました。最近見た授業の中で特に印象的だったのは、小学校2年生の算数科の授業でしたが、タブレット端末の上にタッチペンで自分の思いを書く、そしてそのまとまった考えを教室の前にある電子黒板に飛ばす、それをもとにして教室の皆に授業の様子を説明をする、同じようにクラスの仲間は違う考えを持っていますので、そのことをまた発表する。先生はそれをいったん保存をして、最後に意見交換の中で分割になって字が小さくなりますがいろんな考え方をもとにしてまとめあげていく。非常にすごい授業を見させていただきました。おそらくこういうような授業がこれから現場では増えてくるのかなと思います。また違うところで見させていただいた事例としては、自分の個々の能力に応じて、クラウドの方から自分に合った問題を引っ張ってきて、そして自分の学びを深めていく、そんな授業も見させていただいています。そのほかに、先日の本会議でもありましたけれども、遠隔教育、こんなようなこともこれから行われてくるのではないかと思います。遠隔教育につきましては次年度、金沢市でへき地・複式教育の大会を開きますので、その折に山間地域の学校と繋いで実際見ていただこうと思っています。様々にいろんな可能性があるのではないかと思います。GIGAスクール構想の実現によりまして、児童生徒が多様な考え方に触れられる共同学習の活用とか、また個に応じた指導ができるなど、多様な学びを実現できる、そんなような構想ではないのかなと受け止めております。

-大桑委員

教育専門家の方は、全国で教員不足が叫ばれている中で、1人1台端末は財政的にも優先順位がおかしいと指摘しています。また、政府は初期投資の予算については補助金を出すものの、すぐに新しい機種や機能の対応が求められたりと、数年後にはランニングコストが自治体の財政を圧迫するとの指摘もされています。今必要なのは、国のいうままにGIGAスクール構想を進めるのではなく、いじめをなくし学校に通えない子供への取り組み、教師の長時間労働をなくす取り組みなど教育をめぐって直面する課題ではないでしょうか。教育長の見解をお伺いします。

-野口教育長

 GIGAスクールの構想実現によりまして、教育が抱える今日的な課題解決に向けて、大いに力を発揮してくれるものと期待をしており、具体的な取り組みをこれから推進をしていきたいと考えております。一方で、児童生徒のいじめ・不登校の問題、また教職員の長時間労働の問題などは重要な教育の課題でありますので、これから教育委員会皆で力を合わせながら全力で取り組んでいこうと思っています。あわせまして、こうした教育の課題でありますけれども、この学習用端末を活用しながら、例えば不登校の問題でありましたら別室登校をしたこどもに端末を貸し出ししてリアルタイムで先生の授業を見てもらうとか、また家でもそれが可能になってくると思いますし、様々に効果的な活用があると私は思っています。これからしっかりと研究を進めさせていただきまして、有効に活用させていただきたいと思います。

-大桑委員

教育予算を抜本的に増やしてGIGAスクール構想を進めるのではなく、少人数学級の実現、子どもたちに寄り添った教育を実施すること、一刻も早く教員の長時間労働を改善して人間らしく働ける環境を整えるよう強く求めて質問を終わります。

私は、日本共産党市議員団を代表して討論を行います。

わが党は、上程された議案17件のうち、議案第122号令和元年度金沢市一般会計補正予算について、反対であります。

その主な理由について述べます。

学校教育施設ICT教育環境事業費

今回、大型の補正予算として計上された学校教育施設ICT教育環境整備事業費です。補正予算には、18億3000万円が国の補正予算に伴い、計上されました。内容は、児童生徒への一人一台学習用端末の配備に向けて、全小中学校及び市立工業高校で校内LAN環境の整備を前倒しする予算です。

文部科学省は、新学習指導要領で、「学習の基盤となる資質・能力」と位置付けられたことや、学校でのICTを活用した学習活動の充実の明記を受け、GIGAスクール構想を打ち出しました。具体的には、2023年度までにすべての国公私立の小学校、中学校、特別支援学校の校内LANの整備と児童生徒一人に一台のPC端末の整備を一体的に進めるとして、国の補正予算で2318億円が計上されました。

なお、教育のICT化に向けた環境整備5ヶ年計画(2018年~2022年)に基づき、地方財政措置が単年度1805億円で進められています。したがって、この予算と合わせると予算規模は、4123億円と大規模なもので、一大国家プロジェクトとなっています。

教育のICT化は、より効果的な学習や、遠隔地、病児・特別支援教育などの学習環境整備などメリットがあるのは事実ですが、公教育への企業参入をいっそう進め、集団的な学びの軽視、教育の画一化につながる恐れがあるとの問題が指摘されています。

今、なぜ教育のICT化を急がなければならないのか。莫大な規模の予算を投ずる教育のICT化が最優先課題なのか。教育現場からも疑問の声が上がり、国民的な理解と合意がありません。

いじめをなくし、学校に通えない子どもへの取り組み、教師の長時間労働をなくす取り組みなど教育をめぐって、解決が求められる課題に直面しています。それだけに、教職員などを増員するための教育予算を抜本的に増やし、少人数学級など教育環境の整備が求められています。

したがって、こうした課題にこそ、優先して取り組まなければなりません。よって、わが党は、この予算に反対であります。

なお、第5世代移動通信システムと呼ばれる高速、大容量でリアルタイムの次世代通信が実用化されようとしています。新たな技術革新が進み、すぐに新しい機種や機能への対応が求められることになります。したがって、今後新しい導入の際に、地方自治体や保護者の負担が予想されるだけに慎重な検討が求められることを指摘しておきたいと思います。

金沢港建設事業費

補正予算の中で、金沢港建設事業費です。

この事業は、大浜岸壁では、大型船が着岸できるようにと水深10メートルから13メートルにするための改良事業としてすすめられています。この岸壁の横に大手企業のコマツが、大型土木機械の製造工場を建設し、中国や東南アジアへと製品を船で輸送することを打ち出しました。これに合わせて港の改良事業が打ち出されたものです。

事業費は、336億円が投入され、本市の負担は57億円にのぼっています。

また、金沢港にクルーズ船を誘致するとして無量寺岸壁改良事業が進められています。この事業費が63億円、施設整備などの合わせると104億円で、本市の負担が27億円にのぼります。合わせて金沢港建設事業費の総額は、440億円の規模となり、本市の負担は、84億円です。なお、新型コロナウイルスによる影響で次々にクルーズ船の入港が中止となり、この事業そのものが問われる事態となっています。

宿泊税にかかわる補正予算

次に、昨年4月から導入された宿泊税にかかわる補正予算です。

一カ月遅れで納入されることから、今年度は、11カ月予算となっていますが1億300万円が増え、今年度の宿泊税総額は、7億6300万円とです。

その内訳は、一人、一泊の宿泊料2万円未満の方から徴収される宿泊税が200円で、税収は、7億3869万円となり、全体の97%です。宿泊料2万円以上の方から徴収される宿泊税が500円で、税収は、2431万円となり全体の3%です。

宿泊税の導入をめぐって、ビジネスホテルや小規模の宿泊業者から一人一泊3000円や3500円の方から200円の宿泊税徴収はやめてほしいとの意見が寄せられました。

本市では、宿泊税が導入されていない周辺の自治体との価格競争から宿泊料金の引き下げを迫られる事態となっています。宿泊業者からは、廃業せざるを得ない事態に追い込まれているとの切実なご意見が、議会と市民との意見交換の中でも寄せられました。

また、特別徴収義務者として登録すると事務交付金が交付されますが、いまだ15%の方が登録していないことも業界関係者に十分理解を得られていないことを示しています。

税金の累進課税という考え方から、東京、大阪では、1万円や1万5千円未満の宿泊料金には、宿泊税を課税していません。また、京都市では、修学旅行生の宿泊料金には、課税しないこととしています。本市での改善が求められています。

なお、新型コロナウイルスによる影響で、宿泊者が大幅に減り、深刻な状況となっています。宿泊税の中止、減免などの対応が必要だと考えるものです。 以上で、討論を終わります。

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