市役所から、「思想信条の自由」、議員の「政治活動の自由」を奪ってはならない
2018年12月20日 日本共産党金沢地区委員会・同市議会議員団
19日金沢市12月議会において、自民党の坂本泰広議員が、「政党機関紙の勧誘」に関する質問を行い、山野市長は「職員への調査」を答弁した。これは憲法が保障する「思想信条の自由」「政治活動の自由」にかかわる重大な問題である。
そもそも庁舎内で政党機関紙の購読をすることは、本人の自由、「思想信条の自由」の問題であり、任務遂行のために政党機関紙を活用することは全国の自治体で広く実態としてあり、これを制限することは司法も認めていない(川崎市で行われた市職員の政党機関紙購読調査実施をめぐる裁判の一審判決。「市職員が任意に政党機関紙を購読して各種の情報を入手し、それを職務に生かすことは最大限に尊重されるべきであって、いかなる者であってもそれを制約することが許されないことは当然」)。
さらにその政党機関紙の購読を勧誘することは「政治活動の自由」である。そもそも地方議会は市民要求を市政に反映し、行政をチェックすることであり、議員の政治活動は保障されなければなりません。しんぶん赤旗には、市民要求も行政へのチェックについても広く全国の経験が紹介されており、少なくない職員、ましてや購読されている国民・読者から広く歓迎されている。その活動にあれこれ介入し、制限を加えることは、政治活動の自由を奪うものであり、許されない。
したがって政党機関紙の購読を調査することは、それらの自由を侵害するおそれのある重大な問題であり、ましてや公共機関や議員が行ってはならないものである。
これまで山野市長は、政党機関紙の購読の勧誘にあたっては「強要することがあってはならない」と答弁してきたが、「職員への調査までは考えていない」とも述べてきた。今回の答弁はこれを大きく超えるものであり、重大と言わなければならない。いわんや坂本議員が調査したことは、きわめて重大である。
坂本議員は、質問の最初では「政党機関紙」と言いながら、実際問題にしているのは、「しんぶん赤旗」のことである。坂本議員は購読料総額の推計や「市役所は真っ赤じゃないか」という市民の声まで推測し、さらに「搾取」とまで言って躍起になって「しんぶん赤旗」を「攻撃」している。しかしその「しんぶん赤旗」は、今年「米の核削減、日本が反対」などの記事でJCJ(日本ジャーナリスト会議)賞を受賞するなど、「タブーなく真実を伝える新聞」として、また「国民共同の新聞」として大きな役割を果たしてきている。9条改憲を声高に叫ぶ自民党坂本議員や山野市長にとっては、こうしたわが党と「しんぶん赤旗」の役割が目障りなのかも知れないが、憲法に保障された「思想信条の自由」「政治活動の自由」を率先して守る立場でなければ、市役所が市民の願いが届かず、「批判的」な意見にも耳を傾けず、自由に物言えぬ暗い職場になってしまうと警告せざるを得ない。
わが党と議員団は、「住民の苦難解決」「住民こそ主人公」の立党の精神にそって、どんな圧力にも屈せず、市民のみなさん、こころある野党のみなさんと力を合わせ、いのち、くらし、平和守る「新しい政治」をめざして奮闘する決意である。
経過と対応については、以下です。
憲法が明記した言論の自由、結社の自由、政治活動の自由を守って、市民のみなさんとご一緒にがんばります。
2018年12月20日 日本共産党金沢市議員団
1 金沢市議会12月定例議会の一般質問の中で、自民党坂本泰広議員(自衛隊出身)が、市庁舎内での政党機関紙の勧誘問題を取り上げ、平成27年9月金沢市議会で山野市長が「今のところ、職員への調査までは考えていない」との表明を変えるよう迫りました。これにたいして、山野市長は、「どういう文言か、どういう内容が適切なのかと言うところを慎重に精査したうえで、職員への調査を行いたい」と答えました。
憲法が明記した言論の自由、結社の自由に照らして重大であり、市長たるものが、市職員からこうした自由を奪いかねない調査などは断じて許されません。
2 坂本議員は、この質問の中で、自らがこの11月市役所職員の係長級以上100名に対して、電話調査を実施。その結果、課長級以上の市職員の87%が政党機関紙を購読していると述べ、あげくの果てに「一般市民は、『なんだ。市役所の幹部は真っ赤かじゃないか』と思いますよ」とまで述べました。こうした行為は、市役所職員の思想信条の自由、内心の自由を奪いかねない憲法違反に当たるもので断じて許されることではありません。
3 坂本議員は、この質問の中で、庁舎等管理規則を適用し、政党機関紙の購入・あっせんを禁止し、実行するための細則や通達を求めましたが、市当局は、そのことまでは考えていないと表明しました。
4 関連質問にたった自民党の高岩勝人議員は、しんぶん『赤旗』を購読することは、日本共産党への支援につながり、政治的中立であるべき公務員として問題だとして、市役所内での購読をやめるよう求めると共に破壊活動防止法まで質問に取り上げ日本共産党への誹謗・中傷を繰り返しました。これに対して、山野市長は、一つのご意見として承ると表明しました。
5 日本共産党の森尾嘉昭市議団長は、発言の訂正と削除をもとめ動議を提出。この中で、市役所内での政党機関紙の問題は、すでに決着した問題であることを明らかにし、憲法が明示している結社の自由、言論の自由、政治活動の自由は、何人たりとも侵してはならず、これに対する規制、調査、介入は、あってないことを明らかにしました。そして、市役所職員であっても、だれがどんなものを購読するか。どの政党の機関紙を読むかは自由であり、保障されなければなりません。したがって、市長が権限を行使してこの購読を含めた調査する権限はありませんときっぱり述べると共に、日本共産党としんぶん『赤旗』に対する誹謗・中傷の発言の全面的撤回・削除をもとめました。
この中で、森尾団長は、日本共産党が結党以来、多くの国民に支えられ、活動し国会議員、地方議員をもち、本市議会でも伝統ある議席として堂々と活動してきたこと。選挙を通じて、議会や国政を変えようと呼びかけ、たゆまず活動してきたこと。そして、多くの国民の支持を集め、悪政を進める今の政治を変えようとがんばっていることを述べました。
また、しんぶん『赤旗』について、次のように述べました。本来、政党は、主義主張を通じて多くの国民の理解を得て、選挙を通じて議席を得ていくというのが本来の政党であり、議員の活動であること。そのために、政党機関紙を発行し、多くのみなさんのご理解を求めるのは、政党のあるべき姿であると述べました。企業から献金をもらい、片方で、政党助成金をもらうという政党とは違い、多くの国民のご理解と支持を得て、堂々としんぶん『赤旗』を発行し、活動を行っていることを述べました。今回の議場でのやりとりの中で、問題のある発言の訂正、削除を求める動議を提出しました。
これに対して、起立採決が行われ、日本共産党の森尾嘉昭、広田みよ、大桑初枝市議とともに、社民の森一敏、山本由起子議員が賛成しましたが、否決されました。
わが党は、平和と民主主義を守り、市議会と市役所が自由で闊達な場所として市民の願いにこたえられるよう引き続きがんばる決意です。
以下は、12月19日の質問から動議までを、市議団でテープ起こししたものです。
本市庁舎内における正党機関紙の勧誘に関する問題についてです。あらかじめお断りをしておきますが、わたくしは憲法第19条に規定をされる思想信条の自由を侵害するつもりは毛頭ありません。
H27年6月定例月議会において、正党機関紙に関する質問をさせていただきましたが、その後も全国各地の市議会で同様の問題が取り上げられており、全国的にはまだ収まっていないようですので、改めて本市の現状についておたずねいたします。
山野市長におたずねいたします。
H27年6月議会において、「全国各地の市役所庁舎内において、政党機関紙購読の勧誘・集金・配布が議員、元議員によって行われている実態があるということをご存知か」という私の質問に、「報道でいくらか知っている」「実態まで把握しているわけではない」「本市の状況について正確なところはよく理解をしていない」とのお答えでしたが、今もその認識はお変わりはありませんか。
そのときにわたくしは、「伝統と良識のある金沢市議会でそんなことは行われていないとかたく信じて疑わない」という趣旨のことも申し上げさせていただきました。今もそういうことを信じたいという風に思っています。ただ、残念ながら、さまざまな声がわたくしのところにも届いていることも事実でありましたので、H28年2月から毎年度、市長名で議長に「政党機関紙購読の勧誘にかかる配慮」を何人もの弁護士の先生に見ていただきながら、文書を作らさせていただきました。配慮について申し入れを行ってきたところです。
山野市長は、一般論としたうえで、「ある自治体の議員が、その自治体の職員に対して、議員の立場を利用してとは言いませんけれども、直接電話をしたり、直接訪問したりして、その政党機関紙の定期購読を強要することがあっては、わたしはあってはならないという風に思っています。」ともお答えになっています。その認識については、今もおかわりありませんか。
あってはならないことだという風に思っています、と強く申し上げておきます。
H27年9月定例月議会においてわが会派の高岩勝人議員から、「政党機関紙の件について、その後の対応はどうなったか」という質問がなされました。それに対して山野市長は、「弁護士の先生ともいろいろ相談をさせていただき、他市の事例もいろいろと調べさせていただきましたし、判例も参考にしていますが、今のところ職員への調査までは考えていません。」との答えでした。これについてもお変わりはありませんか。
さきほど申し上げましたように、H28年度以降、議長に申し入れをさせていただいてきたところでもあります。それから毎年度、出させていただいています。その時々の議長さんも、代表者会議でお配りもいただいているという風に、お聞きをしているところであります。ただ、残念ながら、必ずしも守られていはいないんではないかという話しを側聞するところでもありますのでこちらも改めて先行自治体の事例や弁護士の先生にもご相談をさせていただきながら、どういう文言かどういう内容かが適切なのかというところを慎重に精査したうえで、職員への調査を行いたいと考えています。
本市の庁舎管理規則について総務局長におたずねをします。本市の庁舎管理規則を見ますと、第5条 禁止行為において、なん人も庁舎等において次に掲げる行為はしてはならない、としたうえで、1項目において、物品の販売、寄付の募集、署名を集める行為、その他これらに類する行為、を記されています。新聞の販売は、物品の販売にあたると思いますが、政党機関紙の購入・あっせん行為はこれに該当しませんか。
政党機関紙の購入・あっせん行為は、庁舎等管理規則第5条第1号に定めます、物品の販売・寄付の募集、署名を求める行為、その他これに類する行為に該当するとともに、市の中立性・公正性の観点から、同条第14号で規定する、庁舎等の管理上支障のある行為に該当することとなるため、禁止行為であると考えております。
今、はっきりと、禁止行為にあたるという風なことになるという答弁だったと思います。総務局長は庁舎管理者として、本庁舎での物販行為を許可する立場ですが、そもそも本市の庁舎管理規則の実際の運用にあたっての細則、あるいは通達などはどのようになっているでしょうか。
庁舎管理規則には、細則や通達といったものはなく、庁内LAN等を介して、職員間で共有をしているところであります。今のところ、大きな支障もないことから、細則等を設けることについては考えていません。
設けてはいない、という答弁だったと思います。特段定めがなく、個別に判断をしている状況なのではないかと思われますが、その時々で変化をしていき、一貫性を欠くということも考えられますから、せっかくの庁舎管理規則の規定が骨抜きになっては困りますから、明文化を図るべきではないかと思うがいかがですか。
本市の庁舎等管理規則は、かなり詳細に定めておりまして、中に禁止規定がたくさん列記されております。そうしたことから、それのさらなる説明の細則は今のところは設けることは考えておりません。
庁舎管理規則においてさまざまなことが詳細に定められているという形で、それについては今のところ変えるつもりはない、とお答えでした。私は、なにもお弁当やさんであったり飲料品の販売であったり、そういった職員のみなさんの福利厚生にかかるようなところを規制するつもりは毛頭当然ございません。ただ、そういったことを明確にしておく必要があるのではないか、という趣旨でお伝えをさせていただきました。
2017年12月5日の全国紙で次のような報道がなされました。兵庫県加古川市の複数の共産党市議が20年以上にわたり、市役所内で係長級以上の職員に政党機関紙「しんぶん赤旗」の購入の勧誘をしていたことがわかった。加古川市では庁舎内で物品の販売や勧誘を行う場合、職員側が依頼したものを除く全ての物品について、市長の許可が必要と庁舎管理規則で定めていますが、市議らはこの許可を得ずに機関紙の勧誘を続けていた、というものです。これを含め、他市の事例などからすると、係長以上になると勧誘の対象になるようです。加古川市では係長級以上の職員約750名のうち、約100名が私費で購読をしていたそうです。調べてみると、日刊紙で3497円、日曜版で823円ですから、あわせてつきに4320円、年間で51840円ですから、加古川市では実に約500万円以上売り上げていたことになります。山野市長はこの数字を聞いて、率直にどのようにお感じになりましたか。
他自治体のことでもありますし、全国紙と言うことでもありましたけど、その情報源というものも明確ではありませんので、確たることを申し上げることはできませんけれども、報道の限りにおいては、びっくりしました。あってはならないことだと思います。ひどい話しだという風に思います。ただ、これは報道の限りの話しにおいてでありますので情報源もはっきりもしていませんから、その段階でコメントは変わってくるかもしれませんけれど、報道の限りにおいてはわたくしはそんな感想を持ちました。
ちなみに日曜版に関しては、来年1月から930円と13%も値上がりをするそうです。ホームページには、「安倍政権の悪政のもとで国民生活が厳しさを増しているのに心苦しい限りです」と書いてあります。だったらなおさら値上げをしないほうがいいのではないかと思いますけれども、余計なお世話だという風に思います。
さて、これまでとってきた本市の対応ですが、さきほど市長も述べられましたH28年2月28日の代表者会議において、当時の福田太郎議長から各会派代表に対して政党機関紙の勧誘にかかる配慮についてお願いする旨の通知が出されました。その翌年のH29年3月27日、当時の黒沢和規議長から議員各位あてに市長からの依頼に基づく依頼がなされました。そして、今年4月6日にも同様の依頼がなされています。通算3度にわたって依頼がなされているということは先ほどの市長のお話にもありました。わたくしはH27年6月議会の質問で、「瓜田に履を納れず李下に冠を正さず」という表現で申し上げました。ところが、「未だに瓜田に履を納れ李下に冠を正す」ということが横行しているそうです。
山野市長、職員の間で不安が渦巻いています。職員のつぶやきに耳を傾けませんか。さきほど調査と言う話しがありましたが、調査しませんか。
前にも述べました通り、慎重に対応しなければならないと思ってはおりますけれども、しっかりと調査をさせていただきたいという風に思っています、文言であったりとか、対応につきましては慎重にも慎重を期して対応していきたいと考えています。
市長と職員という関係性から、調査を行うということは今ほどありました、慎重に、問題が生じる恐れがあるということなので慎重を期す、ということ今ほどもお伺いをいたしました。
わたし自信、議員が調査を行うということに問題はないということを弁護士の先生に確認をしたうえで、本市の職員対象に調査を行いました。しつこいようで恐縮ですが、そもそもこの調査は思想信条の自由を問うものではなく、購読の実態を調査するものであります。先月末現在で、本市の職員のうち、主査級以上で係長職をとる職員は764名いるということです。これは加古川市とほぼ同数です。調査では、係長以上の職員からランダムに選んだ100名に電話調査を実施しました。そして、その全員から回答を得ました。その結果、課長級以上の職員の87%以上の人が政党機関紙を購読していることがわかりました。本市では4月1日現在、課長級以上の職員が278名いるということです。調査で得た比率を単純にあてはめてみますと、本市では約242名が政党機関紙の購読をしていると推計されます。購読金額にすると、これも推計値ですが、約1250万円にもなります。さきほどの加古川市の2倍以上です。この部分だけつまめば、一般市民は「なんだ。市役所の幹部は真っ赤っかじゃないか」と思いますよ。まだ続きます。購読者のうち、約85%が議員たちからの勧誘によって購読をしており、さらにそのうちのおよそ半数45%の人が、圧力を感じ、しかもその全員が「断りにくい」と感じていたということがわかりました。残りの人も「慣例的なもので仕方がない」そういうお声をお聞きをしました。本来、売買契約というものは、双方の合意によるものであるはずが、買いたくもないものを買わされる、つまりこれは立派な押し売りです。強制しているつもりはないし、購読するか否かは最後は本人の意思だという声も聞こえて来そうですが、心理的な圧迫を感じやむを得ず買わされている、言わば「泣き寝入り購読をしている」と言う職員が事実、これだけいるということがはっきりしたわけです。これはとても市民の理解を得られるものではありません。搾取ですよ、これは。
山野市長は、この実態をどう受け止めますか。
先ほどは、他自治体のことであり、情報源があきらかでないと申し上げましたが、今は金沢市のわたしの仲間に対するアンケートであります。情報源も坂本議員が行ったということでありますので明らかなものと、言う風に思っています。大変、この資料は重たく受け止めているところであります。大変残念、残念というのは職員ではなくて、議員の働きかけがそんなにあったということは大変残念だという風に思っています。押し売り等々という言葉もありました。表現はともかくとして、心理的圧迫を受けた職員がこれだけだということは大変残念ですし、私の立場からすると申し訳ないと、心からお詫びを申し上げたいという風に思っております。そんな思いもありましたので、H28年度から議会のみなさんにお願いしかできませんので私の立場から、議会のみなさんにお願いの申し入れをさせていただいたところであります。議長もご理解いただいて、会派の会長さんもご理解いただいたとお聞きをしています。それ以降は、わたくしはないという風に、これがあったらですね、市長や職員に対する冒とくであり、議長や会派の会長に対する蔑みというかそういうものを感じてしまいますが、そういうものはない、と言う風にそこはかたく信じておりますけれども、ただ今一度職員の調査を慎重に行いたいと思ってます。あわせて、これからもしそのような議員からの働きかけがあったとするならば、これは職員の判断によりますけれど、職員の判断で庁舎管理者であります総務局長にそのことを報告する連絡することができるという旨を文書で通知をすることによって、しっかりとした対応をとって職員に申し訳ないといいう気持ちでいっぱいでありますので、今わたしができる職員のみなさんに対するせめてもの罪滅ぼしとして、そういうことをやっていきたいという風に思っています。
申し訳ないというのは率直な意見ではないかと、思います。売る側は思想信条の自由だとおっしゃいますが、買わされる側の思想信条の自由を蹂躙されている、という風なことがあってはならないと思います。わたくしのもとに1通の手紙が届きました。この手紙には職員の悲痛な叫びがつづられていました。「大学に通う子どもを抱えているのに無駄な支出が増えいい迷惑だ。彼らが反対している家庭ごみ有料化よりもはるかにお金がかかります。家庭ごみ有料化でごみは減るが、政党機関紙はごみを増やすだけです。」さらに、議員の個人名、そして複数の政党機関紙名をあげたうえではっきりと、パワハラだと。パワハラを受けている、と書いているんです。職員に対するパワハラです。内部告発です、これは。今ほども市長おっしゃいました。3254名の本市職員を守れるのは山野市長、あなただけなんです。わたしはこの問題に関する調査委員会の設置と庁舎管理規則の運用整備を含めて毅然かつ厳正な対応をとることを求めますが市長の考えを伺います。
具体的な数字、具体的な提案でいろいろとお話もいただきました。今、パワハラと言う言葉もありました。市長、職員を守れるのはあなただけだというお言葉がありました。わたくしがそこでなにもしなければ、不作為のパワハラだという風に思っています。そこは職員を守るために、しっかりとした対応をとっていきたいと思っています。
冒頭にも申し上げた通り、わたくしは思想信条の自由や議員個々の政治活動の自由を制限しようということは全く考えておりません。そして、どこの政党機関紙を読もうが、構いません。ただ、本市の職員が市民の公僕として安心して職務に精励をできる環境を保障するべきだ、そうしてほしいと訴えたいと思いますが、改めて市長の決意をお聞かせいただければと思います。
繰り返しになりますが、具体的な事例を交えてお話をいただきました。なにもしないということは不作為のパワハラになっていきかねないというわたくしの思いもありますし、何度も申し上げますけれども、職員に対して本当に申し訳ないという気持ちでいっぱいです。慎重に対応しながらも毅然とした対応をしていきたいと思いますし、引き続き議会のみなさんにも申し入れ等でお願いをさせていただきたい、と思っています。
今、そのような形で市長のご決意、考え方を聞かせていただきました。同時にここにいる、この議場にいるすべての方がその言葉をしっかり耳にした、というところで、わたくしも今後ともこのことをしっかりと関心をもって取り組んでいきたいと思いますので引き続きご対応をお願いしたいと申し述べて、わたくしの質問を終わります。
議長!30番 動議
議長! 関連
今ほど市長は、職員の方々に申し訳ないという風なお話でありました。
総務局長にお聞きします。職員の方々はさきほど坂本議員が言われた45%の人が圧力を感じた、と。そのほとんどの全員が断りにくかったという風に言っています。が、わたしは職員の方々もそんな簡単な話じゃないという質問をしたいと思います。この、しんぶん赤旗を購入するということは、どのようなことかということなんです。しんぶん赤旗を発行しているのは日本共産党であります。日本共産党は、政党助成金ていうのを受けてないんです。だけど政治をするうえではどうしてもお金がかかる。みんなが集って会議をする場所であったり、また職員さんであったり、通信、事務費、経費かかるわけですよ。そういった経費はどこで賄っているんだという話しになるんですね。わたし、調べました。ちょっと古いと言えば古いんですが、2014年、これはすでに政治資金収支報告に載っている数字ですから、確認していただけたらと思いますが、その年の収入は約224億7700万円です。そのうちわけを見ますと、党費は約7億、寄付が約5億、支部からの収入と言うことで12億強、となっています。残りの193億6300万円がこの機関紙からの収入なんですね。実に全体の86%。新聞ですから当然紙代とか、経費がかかります。これを引いた場合63億の粗利が出ると言われています。で、支出は38億ですね。光熱費とか人件費とか。要はこの38億を新聞の収入で賄っているということなんですよ。ということになれば、職員さんは圧力を感じて、やむなく買わざるをえなかったというようなことだそうですけれども、結果的には日本共産党を財政面で支援しているということになるんですね。このことは公務員法による政治的中立性に違反するんじゃないか、という疑念を私はもってしまうんですけれども、総務局長どう思いますか。
私の申し入れに対する議論ですから私のほうから、お答えをさせていただきたいと、思います。職員のみなさんはそんなことは毛頭考えてらっしゃらない、と思います。どなたを支援するとかではなくて、さきほどあったような心理的圧力を感じて購入せざるを得なかったということで、誰かを支援するとかそんな思いはきっとなかったと思います。そういう風に思われかねないという状況に結果として追い込んでしまったのも私が職員に対して申し訳ないという思いがしておりますので、これからしっかりと対応していきたいと思います。
私も職員さんはおそらくそういうところまで、考えが及んでいないということは往々にして想像できますが、実態がそうだということでありまして、もう1点、破壊活動防止法というのがあります。その調査対象団体というのがあるんですね。ここは総務局長かと思いますけれど、破壊活動防止法というものはどういった法律で、どの団体が調査団体になっているのか教えてください。
政治的なテーマですのでわたくしのほうから答えさせていただきます。今、少し確認をしましたけれども法律そのものはわくしも総務局長ももちろん理解をしているところではありますけれども、その対象団体というところまでは詳しくはありません。
そしたら最後にですね、職員の方々は個人で買われているんだと思いますけれど、個人で買われているのなら庁舎内で買うんではなくて、自宅で買うべきじゃないかと思います。わたしもアマゾンでもの買って、届け先が市役所ということはありませんので、やっぱりあくまでも個人と言うことであれば、自宅、でこのあたりも守らないと地方公務員法による政治的中立性をおかしてしまう恐れがあるんじゃないかな、ということで、この議論があってそれでも買うという方は個人なんでしょうから、その場合はご自宅でやっていただきたいということを思うわけですけど、市長どうですか。
ひとつのご意見として承らせていただきました。繰り返しになりますけれど、慎重にさまざまな対応をしていきたいと考えています。
議長 30番 動議!
賛成!
ただいまのやりとりは、憲法に照らして重大な発言があったことに対し、発言の内容について訂正と削除を求める動議を提出をいたします。
二つあります。今回の庁舎内の政党機関紙の問題については、すでに決着済みの問題であります。それは、本議場においても、また、全国のいくつかの議会でのやりとりを通じて決着した内容とは、すなわち、憲法が明示している結社の自由、言論の自由、政治活動の自由は何人たりとも侵してはならず、したがってこれに対する規制、調査、介入、これはあってはならない、ということが決着済みの内容でございます。したがってH27年9月議会において、市長は、「市役所内における政党機関紙に係る調査をすることは考えておりません」という答弁を行いました。市役所職員であっても、誰がどんなものを購読するか、どの政党の機関紙を読むかは自由であり、補償されなければなりません。したがって、市長たるものが、権限を行使してこの購読を含めた調査をする権限はありません。こんなことをやったら憲法に照らして、重大な問題に発展しかねないことを改めて述べておきたいと思います。
そして、わたくしども日本共産党としんぶん赤旗に対する誹謗中傷の発言がありました。これは全面的に撤回・削除を求めたいと思っています。それは二つあります。わが党は結党以来、多くの国民に支えられて活動して参りました。国会議員をもち、地方議員をもち、本市議会でも伝統ある議席として堂々と活動して参りました。選挙を通じて、議会や国政を変えようということを呼びかけてたゆまず活動して参りました。そのことは多くの国民の支持を集め悪政である今の政治を変えようとがんばっています。このわが党に対する誹謗中傷は許されません。また、もう1点。しんぶん赤旗にについても許されない発言が続きました。本来、政党は主義主張を通じて、多くの国民の理解を得て、選挙を通じて議席を得るっていうのが、本来の政党であり、議員の活動です。したがって、政党機関紙を発行し、多くのみなさんにご理解を求めるのは本来政党のあるべき姿です。ところが一方では、企業から金をもらい、一方では政党助成金、もう手がないくらい、そんな政党はあってはならない。わが党の活動は、本来多くの国民のご理解とご指示を得て、正々堂々としんぶん赤旗を発行し、活動を行っています。このことはわが党だけではありません。そのことを改めて述べ、今回のやりとりの中で問題のある発言の訂正、削除を求める動議を提出したいと思います。以上です。
ただいま、森尾議員から発言の内容の訂正と削除について動議が提出されました。所定の賛成者がありますので、動議は提出いたしました。よって、本動議を直ちに議題とし、採決いたします。
お諮りします。本動議の通り決することに賛成の議員の起立を求めます。
起立者:大桑議員、広田議員、山本由紀子議員、森一敏議員、森尾議員
起立少数であります
よって、本動議は否決されました。
ちなみに、坂本議員の質問の前半は憲法改正についてです。ご参考にどうぞ。
●坂本議員
自由民主党金沢市議員会の一員として質問の機会を得ましたので以下数点にわたり質問をさせていただきます。まずはじめは憲法改正についてです。9月の自由民主党総裁選において安倍晋三氏が三選を果たしました。いよいよ我が党の結党生興の一つである憲法改正に向けその議論が本格化をしていきます。長年、棚上げ、先送りされてきた課題が、強いリーダーシップのもとで、いよいよ現実味を帯びてきました。何よりも国民的議論が必要であり、地方においては、我々がその議論の中心的な役割を担っていかなければなりません。日本国憲法においては所謂、マッカーサー草案を突然提示され、GHQにより押しつけられたものであり、国民的な議論を経ずに制定されたものであって、十分ものとはいえないとする考え方や、その逆の考え方などが言われておりますが、我々は政治家ですから、そうした議論は学者に委ねるとして、理想ではなく現実的視点で見たときに、そして何よりも国内外情勢、国家的課題に照らして考えたときに、必ずしも時代変化に則していない、果たして日本国憲法はこのままでいいのか、少なくとも私はそういうことが言えると思っています。そこで、金沢市を預かる山野市長として、この点についてどのようなお考えをお持ちであるかお聞かせください。
●山野市長
日本国憲法96条にはすでに改正の規定が盛り込まれています。ですので、私は憲法改正について議論をすることは、憲法の趣旨に沿ったことだというふうに思っていますので、そのこと自体は私は大切なことだというふうに思っています。そして今ここに先の総裁選であったり、選挙のテーマにもその議論がなされてきたところでもあります。区議の状況も変わりつつあります。この幹の所は私は、理念の所は変えてはいけないというふうに思っていますけれども、様々な状況に合わせて議論をして変えていくということが私は大切だという、変えていくこと議論をしていくということが大切なことだというふうに思っています。憲法のあり方について国内外において広く議論をしていくことは私は大切なことだと理解しております。
●坂本議員
憲法改正については、総裁選以前から政府与党内でも議論されており、中でも特に憲法第9条のことがクローズアップされています。私は自衛官出身ですから、自分の人生の約半分を捧げてきた自衛隊が憲法に明記されていないことにとても違和感を覚えています。覚えていました。国民の命と主権、領土を守るという崇高な使命を与えられた自衛隊がこの国の憲法に明確に位置付けられていないということはあってはならないことだと考えています。某政党代表の言葉をそっくりそのままお返しをするならば、このことこそが立憲主義に反するものだというふうに考えています。わが身の危険を顧みず、いざという時はその命をかけて困難に立ち向かう自衛隊が日本国憲法を土台とした法治国家において、憲法に明記されていないという現実について山野市長のお考えをお聞かせください。
●山野市長
わたくしは自衛隊の皆さん方が、今お話しありましたように、時には自らの危険も顧みず国民のために献身的に取り組んでいることに関しまして、心から敬意をもっておりますし、心から感謝の気持ちも表したいと思っています。議員時代も市長になってからも、どんな形であらわすことができるのか、常に考えてきました。もちろん言葉でこうやって表すことも大事なことではありますけれども、議員として市長として、自衛隊の会合等々に、さまざまな事業に、ご案内をいただいて日程等々でやりくりつく限りはできる限り出席、参加をして感謝の気持ちを伝えていくことについて常に心がけて来たことでもあります。
憲法の中に、自衛隊を明記をするということもご議論がなされているとお聞きをしているところでありますし、わたくしも、それもひとつの考え方だと、思っています。一方では、9条2項との関係の整合性ということも、これもこうかんで議論されているところでもあります。そんなことも含めて国民的な議論が起こってくることは、わたくしは大切なことだという風に思っています。
●坂本議員
憲法改正についての議論は国会でやれという風な声が聞こえて来そうですが、憲法改正については、憲法第96条第一項で憲法の改正のためには、各議員の総議員の3分の2以上の賛成で、国会がこれを発議し、国民に提案をして承認を経なければならない、と書かれています。つまり最後は国民投票によって決めることです。このことからも最初に述べたように、地方政治の場に憲法改正について議論して当然という、歴史的結節点であるこの場面で、国民にいちばん近い立場で、政治を担うのは、市議会議員であります。私を含め、ここにいる議員全員が、このことをしっかりと肝に銘じていかなければならないと思います。
改めて、政治家、山野市長として、市民目線に立った憲法改正について、どのような考えをお持ちであるか、お聞かせください。
●山野市長
憲法改正について、わたしひとつ思いがありまして、ある方から、わたくしは私立大学を出ました。憲法89条において、それは憲法違反だと、いう風にある方がおっしゃいました。たしかに文言を読むと、間違いなくそういう風にとれます。私立学校振興助成法という法律をもって合法的なものにしているところではありますけれども、憲法違反だということをある方から指摘をされて重たく受け止めたところであります。今議会におきましても、LGBTや性的マイノリティの方へのさまざまな施策についてもご提案もいただきました。また、さまざまな書類における性別のところについても配慮が必要ではないかというご提案もいただきました。憲法24条には「婚姻は両性の合意のみによって成立する」と書かれています。わたくしはLGBTの議論をしていくにあたりまして、ここのテーマというものを真剣に考えていく必要があるんではないか、わたしはそれは素朴な感情であるという風に思っています。さきほど自衛隊のお話もありました。多くのテーマがダブルスタンダードで、これまで進んできたところであります。それはそれでひとつの考え方かもしれませんが、今ここで、安倍内閣がそういう議論を起こしてるここで、我々は、9条はもちろんのこと、そんなことも踏まえて議論をしていく、そのことが憲法96条の中で担保をされているんだと、わたしは考えています。繰り返しになりますが、国民的議論が大切なテーマだと思っています。
●坂本議員
今ほどダブルスタンダードというお話もありました。さまざまな部分でやはり時代に整合性を欠くような状況になってきているんじゃないかな、と考える中で、ぜひ多くの国民がこの国の行く末を、そして子どもたちの未来を考えて、まずはひとりひとりがですね、憲法のことを考えていただいただきたいということを申し上げて次の質問に移ります。