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金沢市議会

賛成討論   広田みよ

 

わたしは、日本共産党市議員団の一人として、ただいま上程されました議会議案第8号「金沢市歯と口の健康づくり推進条例」に関し賛成討論をいたします。

2011年の「歯科口腔保健の推進に関する法律」によって、全国の自治体で「歯と口の健康を推進する条例」が拡がっています。

本市では、「健康プラン2013」において、「自分の健康は自分でつくる」という考えのもと、10年間の市民の健康づくりに関する目標と方向性が明確化され、その中に「歯・口腔の健康」についても書かれています。

今回の条例案では、市民だけではなく、第3条で市への役割も明記したうえ、第7条では関係者との連携や協議をすることなどが盛り込まれており、市民のいのち・健康に大きく関係する歯科口腔保健行政、健康プランのさらなる推進のため意義のあることです。

近年、むし歯自体は減少しているものの、経済格差や貧困が影響する、むし歯の健康格差が表面化し、個人や家庭だけの問題ではないとう共通認識が広がり、健康日本21でもむし歯の地域格差をはじめとする健康格差対策に取り組むことが明記されています。

本市の歯科医院からもお話を伺いましたが、非正規労働者や失業者、一人親世帯の親や子、無保険、低年金受給者など、労働環境が不安定であったり、経済的に困難な方が、極端にむし歯が多かったり重度化した状態である、口腔崩壊を起こしてから来院する、治療を始めても経済的な理由で中断するという事例が多数存在しています。

特に成長過程にある子どもへの影響は深刻な問題です。

金沢市医師会の勉強会でもご報告があった通り、子どもひとり平均のむし歯は減少していると言われますが、健康格差はむしろ拡大し、一人で多数のむし歯をもつ子どもが増えています。先日のNHKの番組で子どもの歯の健康の二極化、口腔崩壊について特集があり、福岡市内でのアンケートの結果、「口腔崩壊」状態の子どもがいる学校が3割以上に上っていたとのこと。

「前歯は歯ぐきから上の部分がなくなって、根っこだけになっている。」

市内の病院に通うひとり親世帯では、3歳の子どもが20本の乳歯のうち17本が虫歯になっていました。販売員をする母親は忙しい生活の中で、歯磨きが行き届かず、虫歯ができても、なかなか歯科医院に連れて行けなかったのです。

本市学校健診の結果では、28年度のむし歯罹患率が小学校41.4%、中学校 50.4%のうち、「う歯未処置者」すなわち、むし歯の処置を完了していない子の割合は、小学校 23.4%、中学校は19.3%であり、罹患者の半数近くにのぼります。

学校現場に伺うと、年度当初の検診で虫歯があった子どもには受診促進をするけれども、夏休み明けの9月になっても治療されず何本もむし歯のままの子どもたちがおり、その家庭は複雑な背景を抱えていることが多い、とのことでした。

内閣府が発表した2014年度子ども・若者白書では、健康格差の背景には増え続ける子どもの貧困があることが指摘されています。

歯と口の問題は個人、家庭だけの問題ではなく、労働環境の悪化、格差と貧困、地域の環境整備の差に、歯と口の健康を阻害する原因があるということはあきらかで、今回の条例化で「市の役割」や各課と関係機関との連携で健康格差、子どもの貧困について具体化することが期待されます。

 子どもの医療費助成制度の拡充や一人親家庭などへの支援、無料定額診療事業所の拡大などが必要ですし、労働者にも、検診、保健指導を受けることができるように職場環境の整備の推進が必要です。

 尚、この条例が提案された背景には、歯科医師会のみなさんなどの取り組みがありますが、よりよい条例にするため、議会として歯科現場や、関係機関、そして市民にパブリックコメントなどでさらに広く意見を聴くべきであることをわが会派は主張してきました。今回それは叶いませんでしたが、今後この条例の実行にあたっては、第7条を活かし広く意見を聴いてすすめていくよう求め討論を終わります。

 

①北朝鮮、核兵器禁止条約、子どもの貧困についての市長の見解

 

広田

 北朝鮮は先日、6回目の核実験を強行しました。

北朝鮮の核実験は、ミサイル発射とともに、世界と地域の平和と安定にとっての重大な脅威であり、国際社会が追求している「対話による解決」に逆行する行為です。

さらに核兵器禁止条約の採択など「核兵器のない世界」を求める世界の大勢に逆らうもので、強い憤りをもって、この暴挙を糾弾し、抗議します。

いまの最大の危険は、米朝両国の軍事的緊張がエスカレートするもとで、偶発的な事態や誤算などによって軍事衝突が引き起こされる現実の可能性が生まれ、強まっているということです。おびただしい犠牲をもたらす軍事衝突は、絶対に回避しなければならず、危機打開のためには、米朝の直接対話が必要です。日本政府が、「対話否定論」に固執する態度をあらため、「いまこそ対話に踏み切るべき」ということを米国政府に説くことを、強く求めておきたいと思います。

一方、国際社会は核兵器禁止の動きを大きく前へ進めています。

国連会議は7月7日、核兵器禁止条約を国連加盟国の6割を超える122か国の賛成で採択をしました。

第1条で、核兵器を抜け穴なしに全面的に禁止している画期的なものです。ホワイト議長が「日本の被爆者の出席は、会議を成功に導く推進力でした。」と述べたように、まさに唯一の戦争被ばく国である日本の被爆者の声と市民運動が世界を動かしたのです。それにも関わらず、日本政府は会議をボイコットし、日本の政界から参加したのは日本共産党だけ。政府は条約参加にも背を向けています。「総理、あなたはどこの国の総理ですか。いまこそ日本が核兵器廃絶の先頭に立つべきです」長崎の被爆者団体の代表は8月9日、安倍首相に、核兵器禁止条約への参加を迫りました。

本市は、平和都市宣言の中で、「世界の恒久平和と核兵器の全面禁止・廃絶の実現に向けた不断の努力の必要性」をうたい、平和首長会議にも加盟をしています。

・そこで市長、まずは国連会議での核兵器禁止条約の採択についてどう受け止めておられますか。また、平和首長会議が、2020年までに核兵器廃絶をめざし取り組んでいる「核兵器禁止条約の交渉開始等を求める要請書」に市長自らも賛同し積極的に取り組むべきですがお考えをあきらかにしてください。

 

市長

核兵器禁止条約のことについてお尋ねがございました。核保有国と非保有国の溝が深まるということへの懸念、さらに広田議員もおっしゃいました、北朝鮮の脅威が迫る中で、必ずしも現実的な対応とは言えない面もあるということ、そうしたことなどについて熟慮された上で今回の核兵器禁止条約の締結に慎重な姿勢を国の方で示されたんだというふうに理解をしています。人類が核兵器の廃絶を目指すことは私は当然のことだというふうに思っています。

市長としてどのような取り組みをしていくかということですが、核兵器の廃絶、世界の恒久平和の実現は今ほど申し上げましたが私は地方自治体としてできうる限りのことをしていくべきだというふうに思っています。人類共通の悲願であると言っても過言でないと思います。本市においてもご指摘にありましたけれども昭和60年平和都市宣言、平成21年平和首長会議にも加盟をしたところであります。私も毎年戦没者慰霊式に参加をさせていただき、二度と戦争を起こしてはいけないという思いを強くしているものであります。平和都市宣言を行った市の市長とし、姉妹都市や創造都市との海外の都市とのその交流を図っていく中で世界の恒久平和に些かなりとも貢献をしていきたいというふうに考えています。

 

広田

・さて、子どもの貧困については、本市でも子どもの貧困対策チームがつくられていますが、その現状と今後の方向性をあきらかにしてください。10月から就学援助の入学準備金の制度がはじまり、金額も拡充されます。他にも子どもの医療費助成など、私はこうした公的財政投入や仕組みづくりが不可欠と考えるものですが、市長の見解を伺います。

 

市長

こどもの貧困対策チームのことについてお尋ねがございました。現在こどもの貧困対策チームにおきましては、市民からの個々の相談ケースについて具体的な対応を行っている所であります。今後も対策チームを中心に各部署において「気付き」から「支援」へ繋げる実践的な能力を高め、児童家庭相談室を核とした支援を充実してまいります。その支援はこどもや保護者へ経済的な支援はもちろん必要なことではありますが、それだけではなくて、生活・教育・就労など多方面からのサポートを行っていくことが必要だというふうに考えています。まずはそれぞれのご家庭の自立に向けて何が必要な支援かを見極めながら、各部局の連携を図り、きめ細やかな対応に努めて参ります。

 

 

②防災対策について

 

 

広田

 次に、防災対策についてです。7月から8月にかけ、各地で大雨や台風による被害が相次ぎました。本市でも、道路の冠水、土砂災害などが起こり、日頃の対策が問われました。そこで具体的に伺います。

鈴見台の土砂崩れでは、11世帯に対し避難勧告が出され、住民が避難を余儀なくされました。

・今回は、住宅裏の100mに及ぶ法面が崩れ、木が倒れ土砂とともに住宅のすぐ裏手まで押し寄せました。また、崖上の市道が一部陥没し、現在も片側通行となっています。職員のみなさんが、発生当日に住民説明を行ったことや、24時間住民のそばで待機という対応には敬意を表します。

しかし、住民と市道へ影響を与えたことは重大です。この法面は土砂災害特別警戒区域に指定されていると同時に、ほとんどが市の所有地であり、住民が以前から対策を求めてきた場所です。市の責任が問われます。そのような中で起こった災害を市長はどう受け止めているでしょうか。

・そして、今議会で対策について予算が計上されましたが、その中身をあきらかにしてください。地元要望に添った抜本的対策が必要と考えますし、周囲の市所有地についても改めてボーリング調査など実施すべきですが見解をお聞きします。

・今回の災害で改めて痛感したのは、市内各所で指定されている土砂災害警戒区域の具体的対策の遅れです。民地が多いことを理由の一つに挙げられていますが、民地、公有地を問わず災害が起これば市民の生命と財産が危うくなることは明らかです。公有地は言うまでもなく、民地だからと言い訳にせず、対策を今後どのように進めるのか伺います。

・近年全国各地で起きている異常な自然災害を見るにつけ、日ごろの防災対策と発生時の緊急対応が市民生活の安全安心につながります。日ごろから安全安心を強調する市長の決意を伺います。

 

市長

土砂災害、道路崩壊についてお尋ねがございました。鈴見台地区のことについてですけれども、この崖地の安全対策工事には多大な時間と経費がかかるということはご理解をいただけるんではないかと思います。まずは福祉施設などの要配慮者利用施設に隣接する市所有の崖地の安全対策を優先して進めてきたところでありまして、昨年度ようやくそれらの工事が完了をしたところであります。当該崖地ですけれども、平成23年度に土砂災害特別警戒区域として県から指定されたことを受けまして、危険性や警戒避難体制などについて地域住民に周知を行うとともに、定期的にパトロールも実施をし、点検も行うなど、現時点で可能な施策に取り組んできたところであります。現在ですけれども、早期の本格復旧工事に向けまして地質調査や実施設計を行い、効果的な工事手法を検討しているところであります。今回の補正予算におきまして災害復旧費を計上したところでありまして、今後地元と協議調整をしながら、斜面の安定、道路復旧などの工事を進めてまいります。また近年の異常気象に伴います大雨の影響に備え、周囲の市有地につきましても重点的な調査・パトロールを強化し、危険度が高い箇所のさらなる把握に努め、災害の防止に繋げて参ります。公有地・民有地ともにもっとスピード感をもって取り組むべきだというお言葉でした。土砂災害警戒区域等において、県・市ともに急傾斜地崩壊対策事業などの対策工事を順次実施しています他、民地崖の防災工事に対しましても助成制度を設けて支援をしているところであります。ただ先ほど申し上げましたように、対策工事の実施に多額の経費・時間を要します他、民有地の場合には所有者の負担も必要となってまいりますので、調整に時間がかかるなどの課題もあるところであります。国・県などの補助金も含め、必要な財源の確保にこれまで以上に努めていかなければいけないと思いを強くしているところでありますし、危険箇所の所有者に対し早期の対応に向けて一層の理解を求めていきたいと考えています。そういうハード的な対策と同時に合わせて、ハザードマップの配布による避難体制の構築など、ソフト対策も充実をして行きながら、安全・安心の確保に努めて参ります。

 市長の改めての決意についてお尋ねがございました。今ほど申し上げました被害を最小限に留めるための各種ハード対策、情報収集・発信、さらには訓練などのソフト対策の重要性というものを改めて強く感じた所であります。町内はもとより地域の自主防災組織や県・関係機関等との連携を一層強化をし、市民生活の安全・安心の確保に引き続きこちらは本当に全力で取り組んでいかなければならない、その思いを強くしているところであります。

 

広田

 一方、湯涌への動脈とも言える県道10号線が、8月の台風5号による大雨の影響で、一部崩落しました。

わが会派でも発生直後から現場に伺い、住民の皆さんや関係者のご要望もお聞きしました。

・まずは、県道の早期復旧を誰もが願っています。生活道路であることはもちろん、10月には湯涌温泉街最大のぼんぼりまつりで、全国各地から大勢の方がいらっしゃいます。9月中にも片側通行ができる見通しとのことですが、引き続き、県道の完全復旧を市としても取り組んでいくべきと考えますがいかがですか。

・また、市民の足への影響については、う回路が指定をされ、はしご車が通れるように一部拡幅工事も行われた他、誘導や案内板も拡充されました。北鉄バスが住民のご協力によりワゴン車でつなぐことができ、今予算にも経費が計上されたのは住民の要望が反映されてのことです。

引き続き、う回路や公共交通において、市民の声を大事にした取り組みを求めますがいかがですか。

 

市長

県道 金沢湯涌福光線のことについてお尋ねがございました。道路管理者である県の方からは、完全復旧の見通しはまだ立ってはいないが、今月中には片側交互通行による復旧を目指していきたいというふうに聞いているところでありますし、私は県ご当局はこれはもう本当に昼夜を問わず対応をしていただいていることに心から感謝を申し上げたいというふうに思いますし、今月中の復旧を期待をしていきたいというふうに思います。う回路のことについてお尋ねがございました。今後も県やバス事業者としっかりと連携をし、地元の方々の声もお聞きをし、協力もいただきながら、う回路や公共交通の確保に努めて参ります。

 

③保育士の処遇改善について

 

 

広田

次は、今議会で予算化された保育士の処遇改善事業についてです。保育士の処遇が低く、なり手がいないという現状から、国の処遇改善事業に、金沢市も取り組むものです。処遇改善はわが会派も再三要求をしてきたもので前進だと考えます。しかし、この事業では、経験年数や研修受講を要件にして、一部の職員にだけ昇給を義務付けるものです。「人間関係をこわしかねない」「園長や主任よりも副主任の給料が高くなる」、「研修に人を出すのが大変」など現場から声が上がっています。中でも園長や理事会が人事を決定しなくてはならず、みんなでつくりあげてきた保育園の中で、特定の人だけへの大幅な賃上げに頭を抱えています。

国会でも議論があり、「実情に応じ柔軟に配分できるようにしていく」と答弁がありました。

・現場の実情やお声にあわせ、本市独自の支援や取り組みを行うべきですがあきらかにしてください。

・そもそも現場からの要求は、保育士の賃金単価の引き上げ、配置基準の見直しです。市長、この実現に向けてはどう取り組むのか、あきらかにしてください。

 

 

市長

保育士の処遇改善について何点かお尋ねがございました。今回の処遇改善のことについてですけれども、今後担当職員が地域に出向いての制度説明会を予定をしているところでありまして、各施設の状況に応じた処遇改善額の配分方法など、個別・具体的な相談にも応じ、丁寧な説明を行っていくこととしています。今年度から公定価格において、保育士等の研修参加に伴う代替職員の配置に要する費用が拡充されたところであり、本市としても研修実施機関である県と連携をしっかりしていきながら、受講しやすい体制の充実に努めて参ります。現場の声をしっかり聞くべきだというふうにお話をいただきました。今回お諮りしています処遇改善加算が本年度創設されましたことから、まずはこの制度の適正な実施により保育士の処遇の向上を実現していきたいというふうに考えています。本市ではこれまでも国を上回る保育士配置基準を定めているところでありまして、今後とも保育の質の充実に努めて参ります。

 

④介護の総合事業について

 

 

広田

続いて、この4月からはじまった介護の総合事業について伺います。これは、要支援1,2の方を介護保険から切り離し、市区町村の事業に移行するものですが、報道機関のアンケートでは回答した自治体の45%が運営に苦慮していることがあきらかとなりました。

この間も発言してきましたが、この総合事業は、事業者に対する介護報酬の切り下げなども含め、「早期発見・早期対応の介護予防の推進」からは逆行し、軽度者のサービスの切り下げ、切り捨てにつながるものです。

本市の現状と課題について具体的に伺います。

・総合事業では、これまでの要介護認定ではなく、医師の意見書もいらないチェックリストのみでサービス提供を行うことができるとしています。

ご本人、ご家族が要介護認定を希望しているのにも関わらずチェックリストへ誘導するようなことがあってはならないと再三求めてきましたが、チェックリストの利用状況とあわせ、現場の対応についてあきらかにしてください。

・ところで、総合事業の際、医師の意見書が必要ないチェックリストの際は必要ないにも関わらず、現場では医師の意見を書面で問い合わせる仕組みがあると聞いています。しかも本市が様式例や医師会への通知を出しています。どのような位置づけ、運用をしているのか、最終的な責任はどこにあるのか、また現在の使用件数などあきらかにしてください。

・このような法令上の根拠もない、保険診療の点数もつかない用紙の運用は問題です。医師の意見が必要な方は本来の要介護認定を受けるようにするべきですが、見解をあきらかにしてください。

 

市長

介護の総合事業のことについて、基本チェックリストのことについてお尋ねがございました。私の方からはご質問の「様式」についてですけれども、地域包括支援センターからの要望もあって、本市が作成したものであります。使用するにあたりましては事前に利用者本人の同意をいただいているところであります。ケアプランを作成、または変更する際など、医学的な見解が必要になった場合に活用されているとお聞きをしていますが、これまで活用された件数は十数件であります。なお、医療依存度が高い方につきましては、主治医意見書を徴した上で、要介護認定の手続きをとるようケアマネジャーへの指導を徹底しているところであります。

 

広田

サービスの状況についてお聞きします。

・全国では、基準緩和型では採算がとれず事業者が手を挙げない、ヘルパーの不足に加え、基準緩和対応のヘルパーも講習を受けても実際は勤めないなど問題が報告されています。

本市では、総合事業が始まったタイミングで、これまで身体介護のないヘルパーサービスを受けていた方が、基準緩和型でもない、家政婦にと案内された事例がありました。

・その背景には、本市でも事業所不足やヘルパー不足の問題があるのではないでしょうか。実態をあきらかにしてください。

そして、ケアプランをつくる際は、本人やご家族の意思を尊重すること、介護は家事援助ではないという認識を現場には改めて徹底するべきですがいかがですか。

・基準緩和型のサービスはこれまでの報酬の8割しか事業所に支払われません。訪問について市は、ヘルパーではなく12時間の講習を受けた方に担ってもらうので人件費が少なくていいという算段ですが、現場では、やはり専門性の高いヘルパーさんが用いられており、12時間講習済みの161名のうち、実際従事している方の数は5名となっています。

これは経営にも深刻な影響を与えています。採算がとれないからと、基準緩和型に事業登録しなかった事業所もありますが、利用者のニーズになんとか応えようと報酬カット分を持ち出して充てている事業所もあります。採算がとれず、支援時間の短縮や、お休みの週を設けるなど利用者にもしわ寄せがおきています。市長は、この実態をどのように受け止めていますか。

・事業所、利用者双方にとって、本来の介護予防が行えないのでは本末転倒です。基準緩和型はなくすべきですが、いかがですか。

 

市長

基準緩和型サービスの課題についてお尋ねがございました。サービスを提供する事業者や従事者につきましては、現状では概ね不足はないものと認識をしているところでありますが、今後の利用者の増加を見据え、提供体制の拡充を図ってまいりたいと考えています。また総合事業の理念・及び運営基準に関しては、先般指定事業者を対象とした研修を開催し、改めて徹底を図ったところであります。引き続き適正な運営に向けた指導・監督に努めてまいります。いくつかご心配も頂きましたこの基準緩和型サービスにつきましては、基本報酬が引き下げられることになる反面、人員基準等が緩和されたことで、事業所の必要経費が圧縮されるものであり、必ずしも経営の悪化につながるものとは考えてはいません。本市ではこれまでに多くのケアサポーターを要請しており、経営の安定化とサービスの充足に努めてもらえるよう事業者の理解を求めて参ります。なお、基準緩和型サービスは身体介護の必要がない方にとって通常のサービスの8割の負担で生活援助などのサービスを受けられることが利点であり、廃止することは考えてはいません。今後とも適正なサービス提供体制を確保できるよう、運営状況に留意をして参ります。

 

広田

さいごに、このような状況で要介護1,2の保険外しはとんでもないですし、政府はがさらにすすめようとしている「成果主義」の自立支援は問題です。社会保障審議会でも「状態の改善が見込めない要介護者を排除する事業所が出かねない」とする意見が出ていますし、すでに取り組みを行っている自治体では、「本来必要なサービス提供」のかたちが「報酬」によって左右され、現場に混乱が起きています。成果主義の導入はするべきではありませんが、市長の見解をあきらかにしてください。

 

市長

要介護1・2の介護保険からの切り離し、また成果主義による自立支援の推進はすべきではないのではないかというご意見をいただきました。制度改正にあたりましては適正な介護保険制度の運営を確保されるよう国に要望していくとともに、引き続き国における議論の動向を注視をして参ります。

 

⑤ごみの有料化について

 

 

広田

続いて、ごみの有料化についてです。3月議会でごみの有料化が決まりましたが、住民の中には知らない、納得できないという声があふれています。それというのも、決まる前に行われた説明会でも、世帯数で1割ほどの市民しか参加できていないのが実態です。

市民に知らせることは、本市の責任です。

・2月実施が目前ですが、町会やアパートなどの説明会の進捗状況をお知らせください。まだ予定のないところ、やらないとしているところについては、町会加入を問わず、町会長さんや関係者任せにせず、市が責任をもって行うべきですが、どのようにすすめていくのでしょうか。

・また、町会に入っていない方や、仕事などで町会の説明会に行けないという市民のために、誰でも参加できるオープンな市民説明会を開くべきです。いかがですか。

 

市長

ごみの有料化のことについて何点かお尋ねがございました。全1360町会ありますけれども、今月中に9割近くの町会で説明を終えたいと思っています。できる限り来月中に説明会を完了して行きたいと思っています。アパート・マンションなどにつきましては、不動産関係団体約400社を対象に説明会を行ってきており、引き続き関係団体の協力を得て、入居者やオーナーへの制度の周知を図ってまいります。全ての町会に開催を要請をさせていただいているところであります。できる限り日程や会場の調整にも合わさせていただきたいというふうに思っていますし、これまでもそうしてきたところでもりますし、引き続きその思いで取り組んでいきたいというふうに思います。開催することまでは求めないという町会もあることは事実でありまして、その場合であったとしてもお試し袋やごみの分け方・出し方パンフレットの全戸配布に合わせ、有料化の内容を記載した資料を配るなど、市が責任を持って周知に努めてまいります。説明会ですけれども、これまでもこの4月から私も出席した町づくりミーティングでの説明、さらには各校下や地区の町会連合会や市内全町会を対象にした説明会、先ほど申し上げましたように数百を超える事業者への説明会、さらには婦人会・各種団体への説明会、さらにはかがやき発信講座で広くお声かけをさせていただいて、要請がありましたところにも出かけて行って説明をさせていただいているところであります。なお説明会にいろんな事情で参加できないという方もいらっしゃるかもしれません。お声かけをいただければ、先ほど申し上げましたように出かけて行ってできる限り会場や日程を調整しながら、説明をさせていただいているところでありまして、市内全世帯へのお試し袋・パンフレットの配布を、さらには新聞・テレビを通じて周知を図って参りたいというふうに思っています。

 

広田

さて、説明会で出された意見のひとつに「有料のごみ袋に入っていないごみが出されたらどうするか」という声についてです。市の回答は、「不適切廃棄として置いていくが、連絡をくれたら取りに行く。待てるものであれば、ボランティア袋に入れて次のごみの日に出してください」というものです。市長、なぜ町会がさらなる負担を負わなければならないのですか?市民からはお金を払ってさらに負担とは意味がわからない、と怒りの声があがっています。

6月の委員会で不適切廃棄の扱いについて、環境局は、「町会が不適切廃棄のシールが貼られたごみを引き上げて、町会の倉庫においたり、誰かの家に持って帰ることは推奨していない」と答えています。

よって、ステーションに出されたごみはすべて本市が回収するべきです。マナー違反のごみがあれば、それは別の形で周知・啓発するのが市の役割であり、町会に負担を課すべきではありません。そのほうが、収集する職員の手間や、人件費も省けるのではないですか。見解を求めます。

 

市長

マナー違反のものについてですけれども、現在もそうですけれども違反ごみが出された場合には、間違って出した方もいらっしゃいますので、気付いてもらうという観点からも警告シールを貼り、一時的にステーションに置かせていただいているものであります。今後、ボランティア・清掃ごみ袋の活用、監視カメラの貸与、啓発看板の設置、ステーション管理サポーターとの連携などに取り組むことにより、地域の方々と連携をし、マナー違反ごみ対策の強化に努めていきたいと考えています。

 

広田

基金について伺います。ごみ袋で市民が払うお金は、年間4億数千万円を見込んでいます。そのうち2億数千万円がごみ袋を製造し販売する経費となり、残りの2億数千万をコミュニティ基金に積んで使うとしています。

市長は繰り返し、この基金の使い道を透明化するとしてきました。

・したがって、3月議会で出された詳細な資料をホームページなどに乗せて透明化をはかるべきですがいかがですか。

・さて、10月から工事がはじまるESCO事業。すなわち防犯灯のLED化事業です。今年は債務負担で11億4千万。来年より毎年基金から支払う予定と聞いています。

今後、どのような支払い計画を考えているのでしょうか。また、町会連合会のご意見の中には、「LED化事業に基金を使うべきでない」という主張がありますが、どのように考えていますか。

かりに、基金ではなく一般財源で行っていくとすれば、市民・議会に対して説明してきた方針を変えることになります。あきらかにしてください。

・ごみの有料化実施まであとわずかです。しかし、市民の理解と合意はまだまだ不十分です。2月実施は中止すべきですがいかがですか。

 

市長

基金の使い方ですけれども、当初予算資料としてホームページにも掲載もさせていただいておりますし、説明会等で配布している家庭ごみ有料化制度の説明資料の中にも掲載をしているところであります。町会連合会の中におきまして、防犯灯のLED化事業に基金を使うことについてのいろんなご意見もお聞きをしているところであります。この事業は町会の負担を町会費等々で直接軽減につながるところでもありますし、地域コミュニティへの支援にもつながるところであります。なお基金の充当する具体的な事業や金額につきましては毎年度の予算編成の中で調整をして行くことになるというふうに思っています。私は議会の皆さん、市民の皆さんもご理解をいただいているというふうに思っております。引き続き丁寧な説明を重ねていきたいというふうに思っています。

 

⑥印鑑登録証明書などの性別欄における合理的配慮ついて

 

 

広田

さいごに、トランスジェンダーや性的少数者への性別欄における合理的配慮についてです。昨年も取り上げましたが、そのときの回答から、図書館カードの申し込み用紙の性別欄が7月に改善し、「記入は任意」という言葉が入り、当事者から歓迎されています。

さて、印鑑登録証明書についてはどうですか。昨年私が取り上げた際は、「法令等の規定により記載を撤廃することは困難」という理由から性別欄の廃止はできないということでした。しかし、もともと印鑑登録証明書に性別記載欄を設けるかどうかは自治体が決められるうえ、昨年の12月に総務省から「性別記載欄を省略することは可能」と全国の自治体に通知がされています。

・そこでお聞きします。国の通知に基づいて、印鑑登録証明書の性別欄は廃止すべきですがいかがですか。

 

市長

印鑑登録証明のことについて、性別の記載をしない取り扱いというふうにお話がございました。ご指摘がありました昨年12月、国の方から印鑑登録証明書に男女の別を記載しない取り扱いとして差し支えないというふうにご判断をいただきました。ただ性別欄を廃止するには自動交付機やコンビニ交付サービスを受けるシステムを改善しなければならないなどの課題もありますことから、今後これは検討させていただければというふうに思っています。

 

広田

・また、本市が各書類の性別欄の確認を行った2004年以降、あらたに作られた書類についてもチェックすべきですし、それ以前のものについても再度チェックを行うよう求めますがいかがですか。

誰もがくらしやすい金沢にするため、性的マイノリティに対する一層の制度の充実を求めて質問を終わります。

 

市長

申請書等につきまして男女の別は必要ないんではないかということであります。人権尊重の立場から、申請書等の性別記載欄につきまして、法令等に定められている場合をのぞき、市の判断によるものについて合理的な配慮のもと様式を定めてきたところであります。その方針を遵守していきたいというふうに思っています。またご指摘の点もいただきましたので、そのことにつきましても適正に対処をして参ります。

反対討論                              大桑初枝

 

私は日本共産党市議員団を代表して討論を行います。わが党は上程された議案19件の内、議案第18号、議案第21号、議案第26号、議案第34号について反対であります。その主な理由について述べます。

議案第18号の補正予算では金沢港建設事業費負担金についてであります。大浜岸壁では、大手企業コマツの工場を誘致するとして大水深岸壁の事業や周辺の道路整備など336億円が投入され、事業がすすめられています。本市の負担は、57億円にのぼります。今度はクルーズ船を誘致するとして無量寺岸壁改良事業に60億円が投入され、本市の負担は、12億円となっています。さらに、みなと会館の改築など次々に事業拡大がすすめられ、総事業費は、400億円以上にも膨れ上がっています。大手企業と一部の企業のために巨額の税金を投入することは、市民の理解を得られるものではありません。

 

次に、東京国立近代美術館工芸館移転整備費についてであります

我が党は工芸館が金沢に移転することによって、この工芸館がどのように発展していくのかそして、日本の工芸分野の振興にどう寄与し、どのような役割を担っていくのかなどが、今なお不透明であり、課題が多く残されていると指摘してきました。また、この文化庁や国の文化施設の地方移転には、多くの芸術文化団体の方方からも懸念と批判の声が相次いでいます。先般新たな工芸館となる施設として県が鉄筋コンクリート造りの建物を新築し、金沢市の国登録有形文化財の建物の外壁を貼り付ける案を提案しましたが工法について文化庁から見直しを求められました。計画の全容と費用負担がどのようになっていくかも依然として明確でなく移転スケジュールありきでは県民市民の理解と合意は得られないと考えます。

泉小中学校建設事業費についてです。古くなった小中学校を新しくしてほしいとの、地域の要望を理由に、2つの小中学校を統廃合し、泉小中学校を新築するとしましたが、小中一貫校を進めるものだとして、我が党は指摘してきました。小中学校合わせるとこれは、1000人近くの児童生徒数を抱えるマンモス校になり、子どもの発達に合わせた6・3制の理念が失われると、各方面から懸念の声が上がっています。今回の予算は弥生地区の金沢大学用地の取得に合わせ、既存建物の解体工事に着手するというものです。これまでの建設事業費は用地費なども加えると62億3000万円にも上りこれから進めていく体育館の建設も鑑みると、70億3000万円にもなります。十分な理解と合意がないままの建設には反対です。

議案第21号金沢市本社機能立地促進のための金沢市税賦課徴収条例の特例を定める条例の一部改正については大手企業の本社機能立地促進を図るために、大手一部企業に税制上のさらなる軽減措置を拡大することに基づく条例改正であり反対です。むしろ本市にある中小企業や地場産業、そして働く人々への支援こそ必要であります。

議案第26号インターナショナルブランドホテル事業用地の土壌除去工事については、用地全体の土壌11.660立法メートルのうち、汚染されていない土壌3780立方メートルを内川第一建設発生土処理施設に、7880平方メートルの汚染土壌は平栗の処理施設に持っていくとのことで外資系ホテル誘致のために様々な利便を図っていくための一環であり税金を投入することは市民の理解を得ることができません。 

なお、自転車の安全な利用の促進に関する条例の一部改正については、市民に新たな負担を強いるものとなります。自転車保険の加入の義務化、中学校以下の子どもや、70歳以上の高齢者のヘルメット着用を促進するとしていますが、市民に丁寧な説明や、支援策をもとめます。

 

 

次に請願についてです。

請願24号は所得税法第56条廃止の意見書採択についての請願で、金沢白山民主商工会から提出されたものです。所得税法56条では個人事業者と生計を共にする配偶者や家族が、受け取る報酬を事業の必要経費と認めず、配偶者や家族の働き分は事業者の所得に合算するとしています。控除されるのは配偶者の86万円と家族の50万円に限られています。戦後税制の民主化が進められましたが、個人事業者については所得税法第56条の規定は残され今に至っています。しかし家族の人権をも認めない所得税法56条の廃止を求める声が全国で広がっています。男女共同参画社会基本法に基づく第4次計画の中でも家族従業者の実態を踏まえ、所得税法56条の改善を求めています。国連においても、女性差別撤廃委員会が昨年、「女性の経済的自立を、事実上妨げている」と指摘して日本政府に所得税法の見直しを勧告しています。

また、本市においても男女共同参画施策の中で男女の働き方、暮らし方を見直すことで、社会、経済の活性化につながるとしています。よって我が党はこの請願に賛成であり本市議会総務常任委員会での不採択に反対いたします。

請願第25号は、日本政府に核兵器禁止条約の調印を求める意見書採択についての請願で、新日本婦人の会金沢支部から提出されたものです。

去る7月7日国連において人類史上初めて核兵器を違法化する核兵器禁止条約が122か国の圧倒的賛成で採択されました。しかしながら日本政府は、会議に不参加だったばかりか、「署名することはない」と表明しています。広島・長崎に原子爆弾を投下された唯一の被爆国が署名を拒否するというのは世界の流れに背を向ける行為でもあり許されないものです。わが党はこの請願に賛成であり、本市議会総務常任委員会での不採択に反対いたします。

 

次に陳情第13号政務活動費に関する陳情で市民オンブズマンから出されています。政務活動費の領収書、その他の支出を証する書類の写しを市議会のホームページ上に公表することを求めています。市民の税金でもある政務活動費の運用については一層の透明性の確保と厳格な運用が求められています。わが党は、この陳情に賛成するもので本市議会の議会運営委員会での不採択に反対いたします。

議会議案第9号労働法制改悪の中止を求める意見書の提案理由の説明

2017.9.19 日本共産党金沢市議会議員 森尾 よしあき

 私は、日本共産党金沢市議員団を代表して議会議案第9号労働法制改悪の中止を求める意見書の提案理由の説明を行います。

 広告代理店最大大手の電通に勤務していた24歳の新入社員だった高橋まつりさんが自殺するという痛ましい出来事が起こりました。その原因が、労使協定が認めていない月70時間を超えての時間外労働など具体的な法令違反があったとして労働基準監督署は、電通本社に強制捜査を行いました。大企業における過酷な労働実態と過労死の起こっている深刻な実態が明らかとなり、大きな社会問題となってきました。

 去る4日には、全国医師ユニオンや過労死弁護団全国連絡会議、東京過労死を考える家族の会が、過労死が相次ぐ医師について、働き方の改善を求める共同声明を明らかにしました。その中で、過労死ラインを超える長時間労働の改善。労働基準法の徹底。使用者の労働時間管理の適正化。などを訴え、長時間労働の背景にある医師不足を指摘し改善を求めました。

 一方、首都圏青年ユニオンに加わる青年たちは、さようなら!「働きすぎ」キャンペーンとして、8時間働けば暮らせる社会に。と訴えて反響を広げています。

一方、安倍政権は、この臨時国会で、働き方改革関連法案を提出しようとしています。その内容は、「残業代ゼロ法案」と言われるものと月100時間までの残業を認める法案を一本化したものとなっています。

 先の15日に開かれた労働政策審議会では、労働者側の反対にもかかわらず、こうした内容を盛り込んだ「働き方改革」関連法の要綱について、「おおむね妥当」との答申を強行しました。

 高度プロフェッショナル制度の導入は、朝から夜中まで働いても残業手当がいっさい支払われないなど、労働時間に縛られることなく働く現場に導入される「裁量労働制」を拡大させるもので、「残業代ゼロ法案」と言われ、長時間労働に拍車をかけ過労死をさらに生み出すものです。残業の上限規制も「月100時間未満」などとして、月平均80時間を超えることを過労死ラインと言われますが、これをさらに超えるものとなっています。

一日の労働時間は、8時間、週40時間という大原則を突き崩し、現在でも深刻な長時間労働に拍車をかけることは明らかです。今必要なことは、過労死をなくし、笑顔で働ける労働環境を確保するための具体的対策です。

 この意見書は、国に対して残業時間の上限規制と高度プロフェッショナル制度は、長時間労働、過労死促進法案との認識を持ち、労働法制改悪法案の国会提出を断念し、改悪を中止するよう強く求めるものです。

こうした本意見書に対して、議員各位の賛同を求め提案理由の説明を終わります。

議会議案第5号大麻の吸引に対する規制の抜本的強化を求める意見書の反対討論

2017年6月26日 日本共産党金沢市議会議員      森尾 嘉昭

 私は、日本共産党金沢市議員団を代表して議会議案第5号大麻の吸引に対する規制の抜本的強化を求める意見書の反対討論を行います。

 大麻や覚せい剤など薬物依存者の実態が、芸能人などにも広がるなど大きな社会問題となっています。そうした薬物が暴力団など反社会的団体の資金源となっていることからも重大です。したがって、こうした薬物依存者の社会復帰をすすめるとともに、薬物による暴力団などの資金源となっている実態にメスを入れ、断ち切ることが何よりも求められています。

 薬物による犯罪検挙人数は、平成26年度全国では、13,437人で、そのうち、覚せい剤よるものは、11,148人と全体の83%を占めています。大麻によるものは、1,813人と全体の13%となっており、覚せい剤による犯罪件数が大半を占めています。

 全国薬物依存症者家族連合会は、薬物依存者の治療・回復施設を充実するよう国に要望しています。家族からは、「薬物依存は精神疾患であるという社会的理解が少なく、医療機関に行っても『犯罪者』と決めつけられ、親身に相談にのってもらえない」と訴え、「回復施設などの受け入れ皿が足りないため、家族が抱え込み共倒れになってしまう」との声が出され、専門知識を持った職員の配置や行政と支援グループが連携して犯罪を犯した者に対して治療プログラムにつなげていく仕組みをつくっていくよう国に対して要望しています。

 ところで、大麻取締法によると大麻の所持、譲り受け渡しをした場合、5年以下の懲役や罰金が定められています。しかし、大麻の使用については、罰則規定がありません。これに対して、覚せい剤の場合、所持、譲り受け渡しの他、使用した場合についても罰則があり、10年以下の懲役となっています。

 この大麻の場合、使用についての罰則がなぜないのか。その理由として、大麻草の栽培や利用が古くから一般的に行われてきたことが指摘されています。

 例えば、七味唐辛子に入っている麻の実は、もとをたどれば大麻草から取られたものです。神社にあるしめ縄の原材料の麻も大麻草の茎から作られています。これらは、まったく健康には問題ありません。したがって、日本では、大麻栽培に免許制度を採用しており、産業的栽培は、法的に可能です。しかし、大麻の所持、譲り受け渡しは、れっきとした犯罪です。ましてや、暴力団などの資金源となっている場合もあるだけに、法に基づく対応が求められています。

こうしたことから、わが党は、覚せい剤や危険ドラック、大麻などによる薬物被害をくい止め、実効ある規制の実施、検査体制の拡充を進めること。同時に、薬物依存症を治療する医療・福祉体制を強め、「一般市民から薬物中毒による被害が及ばないようにする」ことを提案し、その実行を求めてきました。

この意見書は、表題にも書かれているように処罰など規制の抜本的強化を求めるものとなっています。処罰を強化するだけでは大麻をはじめとする薬物被害をなくすことはできません。全国薬物依存症者家族連合会の方々の要望にも答えたものではありません。覚せい剤や危険ドラック、大麻などによる薬物被害をくい止め、実効ある規制の実施、検査体制の拡充を進めるとともに、薬物依存症を治療する医療・福祉体制を強め、明るい社会づくりを目指すことが大切だと考えるものです。国においても、2016年法改正を行い、薬物依存症者に対する刑の一部執行猶予を取り入れ、処罰よりも治療を優先する方向に踏み出しています。

よって、わが党は、処罰の抜本的強化を求めるこうした意見書には同意することはできません。

大麻や覚せい剤など薬物依存者が一日も早く、社会復帰を遂げ、こうした薬物による暴力団などの資金源をたちきり、安全・安心の社会づくりの実現を目指す決意を述べ、討論を終わります。

2017年 6月26日 金沢市議会最終本会議 

「共謀罪」法の廃止を求める意見書の提案理由説明      広田みよ

 

私は、日本共産党市議員団を代表して、議会議案第3号「共謀罪」法の廃止を求める意見書の提案理由説明を行います。

「共謀罪」法は、参院法務委員会の審議を打ち切り「中間報告」で本会議採決するという“おきて破り”の経過をたどりました。国内外から多くの批判や警告が出されようと、なりふり構わぬ手段で会期内成立に突き進む。閉幕直前の「共謀罪」強行は安倍政権の異常極まる強権姿勢をまざまざと示しました。

NHKの日曜討論でこれについて、自民党の下村幹事長代行は審議が不十分だと認め、民進党の野田幹事長は「強行採決の中の強行採決」とし、自由党の玉城幹事長、社民党の吉川副幹事長も「疑惑の隠蔽だ」と批判。維新の会の馬場幹事長さえ「さすがに『中間報告』は遺憾だ」と苦言を呈しました。

国民の世論調査でも、このやり方について、良かったとは「思わない」が65・1%で、良かったと「思う」は16・6%にとどまるのも当然です。

 

共謀罪法は、犯罪の具体的行為があって初めて処罰されるという日本の刑法の大原則をねじ曲げ、思想・良心の自由をはじめとする基本的人権を侵害する、紛れもない違憲立法です。

それをごまかすため安倍政権は「テロ対策」とか「一般人は対象外」と主張し国民を欺こうとしましたが、国会審議での野党の追及に答弁は迷走を続け、審議をすればするほど、政府の説明は破綻してきました。

「中間報告」という国会ルール無視の“禁じ手”を行使したことは、安倍政権が追い詰められた結果です。

国民の異論に何ら答えることなく、「数の力」による強行を繰り返したやり方に一片の道理もありません。

 

この共謀罪法はじめ、第2次安倍政権は毎年のように国民の声に逆らって、日本を「戦争する国」にするための違憲立法を次々と強行しています。

国民の目と耳と口をふさぐことを狙った言論規制の秘密保護法の制定(13年)、自衛隊が海外で武力行使をすることを可能にした安保法制の強行(15年)、そして今回の「内心」を処罰する「共謀罪」法の強行。

加えて5月の憲法記念日に安倍首相は自衛隊の存在を憲法に明記する改憲を20年に施行することを明言し、先日は、今年秋の臨時国会で改憲案を提出するとまで表明しました。 こんな暴走を絶対に認めるわけにはいきません。

「共謀罪」法などの違憲立法をそろって廃止し、立憲主義、民主主義、平和主義を日本の政治に取り戻すことが必要です。よって、共謀罪法の廃止を求めるこの意見書を本市議会からも国へ届けようではありませんか。

議員各位の賛同をお願いし、提案理由説明といたします。

2017年6月26日 6月議会最終本会議 最終討論  大桑初枝

 

私は日本共産党市議団を代表して討論を行います。

わが党は、上程された議案第6号金沢市税賦課徴収条例の、一部改正についてに、反対でありその主な理由を述べます。

 本改正案は待機児童解消の為、保育の受け皿整備等を促進するとして、

企業主導型保育事業に係る固定資産税、都市計画税及び事業税の課税標準の

特例措置創設が明記されています。

この企業型保育事業とは、安倍内閣が、待機児童解消加速プランの柱として5万人の受け皿にするとしているものです。

しかし、児童福祉法で規定する保育の質を実現しようとするなら、待機児童の解消はあくまでも公的責任で認可保育所を増設して対処すべきであり、企業主導型保育事業については賛成できません。

企業主導型保育事業は、認可保育所のような市町村が関与せず、責任の所存が 設置する企業にあるのか、委託された運営側にあるのか明確ではなく保育の公的責任を大きく後退させ規制緩和を促すものです。

 保育士の人数も保育従事者全体の二分の一でよいとされ、保育室の広さや、

園庭、調理施設などの施設整備の基準も単なる努力義務にし、調理業務の委託を容認するなど、子供たちの命と食の安全さえも軽視するものです。

 企業主導型保育事業で行う、「24時間サービス」や「一時預かり」について

子どもの健やかな育成よりも、企業に都合のいい「柔軟で 多様な働き方」が

保護者に強いられていく可能性も、否定できません。

待機児童対策を理由に規制緩和を進めることは「安心安全な認可保育園で子育てをしたい」「認可保育所を増やしてほしい」という保護者の願いに逆行するものです。

公的責任での認可保育所の増設、職員配置基準と保育士給与の引き上げこそ緊急に行うべきであると思います。

 以上のことから議案第6号については反対であることを述べて結論といたします。

 

 


2017年6月22日 6月議会一般質問       森尾よしあき

森尾

私は、日本共産党金沢市議員団の一人として二つの点について質問いたします。

第一は、金沢プールの人身事故の原因と責任についてです。この3月25日、金沢プール内にある飛び込み用トレーニング施設で事故が発生しました。4月9日には金沢プールがオープンを迎えることになっており、その直前の事故でした。この施設を調整する目的で飛び込み選手が使用していたところ、中学1年生の女子選手が高さ1.5メートルの練習用の飛び込み板から深さ1.8メートルのピットと呼ばれるスポンジが敷き詰められた場所に着地したところ、スポンジをすり抜けそこのコンクリートに激突し両足を骨折するという重大事故が発生いたしました。私共市議団は、事故の発生後、現場を訪ねるとともに市長に対して怪我をされた生徒への責任ある対応や、原因調査と安全対策を申し入れました。市長は今議会の提案説明の中で、「事故の責任は本市にあるとの認識」を示されるとともに、負傷された生徒に対して「市としてなしうる限りの対応」をしていくと表明されました。今回の人身事故の重大性にも関わらず、事故の調査体制も明らかにされないまま断片的な経過だけが出され、疑問に対してきちんとした対応がされていません。市長。今回の事故について、市にどのような責任があったのか。負傷された生徒に対して「市としてなしうる限りの対応」とはどんなことなのか、まず明らかにしていただきたいと思います。

 

-山野市長

 金沢プールの事故のことについてお尋ねでした。まず冒頭に怪我をした生徒さんの1日も早い回復を心から祈念をさせていただきます。今ほど仰っていただきましたように、原因は市にありますので市としてなしうる限りの対応をさせていただきたいと思っています。経緯ですけれども、設計の段階で各関係者ともいろいろと意見交換をしまして、競技力向上のために必要な施設であるというふうに判断をし、設置を決めさせていただいたところであります。当然日本水連はじめ飛び込みの関係者にもいろいろと意見交換をさせていただいたところであります。日本にない施設ということもありまして、その段階で日本水連の方でも特別な決めというものがありませんでした。いろいろとご助言もいただいて、先進的に取り組んでいる国の情報も集めながら最終的に金沢市の方で基準を決めて取り組んだところであります。ただ、今回3月に事故が起きてしまいました。恥ずかしいことではありますけれども、その段階で日本水連がお決めになられた基準の存在を把握しておりませんでした。ピット基準は、ピットの底に厚さ0.3~0.5メートルのマットを敷くというふうになされておりました。その基準を把握しておりませんでした。そのことが今回の事故の最大の原因であるというふうに私共は深く反省をしているところであります。先般、私も議会の提案説明でそのことを明確に申し上げて当然議会の皆さんも含めた関係者にお詫びを公の場でさせていただきました。その後、ご本人と保護者にもお会いさせていただき直接お詫びをさせていただきました。私の方からも誠意を持った対応をさせていただきたいというふうに申し上げさせていただいて、ご両親からは市長のその言葉を信じるというふうに仰っていただきました。ただ逐次ご連絡・ご報告を密にしながら信頼関係回復に努めていかなければならないというふうに思っているところであります。

 

森尾 

ではこの飛び込み用トレーニング施設はどのように設置されたかと、調べてみますと、当初の計画にはありませんでした。当初の計画は器具庫でした。しかも日本で初めての施設だと。ではいったい、いつどのような経過で飛び込み用トレーニング施設となったのか明らかにしていただきたいと思います。

 

-山野市長

 実施設計の段階で競技力向上のために必要な施設であると判断をし、設置を決めたものであります。

 

森尾 

金沢プールは当初、25メートルのサブプールはありませんでした。設置基準が変更されるということで新たに25メートルのプールの建設となったものです。さらにワンコースの幅が2メートルだったものが、50メートルプールと同じワンコース2.5メートルの幅ということで建設を変更したものです。すると建物が拡張され、2階の部分が広がりました。これによって当初の器具庫の計画が飛び込み用トレーニング施設となったものです。当初からこの計画があったものではありませんでした。では、この日本初めての施設だとするものが一体誰の責任でどのように建設されたのか、説明を聞くと競技団体が担当して、そこからの情報を集めて設計したと、いうふうに説明をされています。とすると、市が責任を持って建てるはずの金沢プールの建設が、いつの間にかこの飛び込み用トレーニング施設は競技団体に任せ切りということで建設されたんですか?

 

-山野市長

 いろんな方の専門家の方の知見を総合的に集めながら市が責任を持って判断をしたということです。

 

森尾 

市が責任を持って設計し建設をしたという形跡はありません。私が調べてみると、本市は平成29年3月14日付でトランポリン・スポンジなど5件が契約通り物品が納入されていたとする検査調書が作成されています。トレーニング室ピットとトランポリンの上に設置する装置についての工事も、平成29年2月28日確認が行われ、平成29年3月27日付での支払命令書が作成されています。したがって用具と物品の設置に関わるチェックはさ行われても、トレーニング施設そのものの安全チェックがされたことを裏付け証明するものはありませんでした。それぞれのものや物品のチェックはしたけれども、施設全体の安全対策とチェックは、市として責任あるチェックと体制は行われたんですか。

 

-山野市長

 逐次、議会にも報告もさせていただきながら取り組んでいるところでありまして、専門的な知見の部分は市として把握できるものではありません。きちんと専門家の皆さんと連携・連絡を密にしながら、最終的に市の判断で行ったというところであります。

 

森尾 

この施設が日本水泳連盟が示していた公認基準を満たしていなかったということが明らかにされ、飛び込み板からピットと呼ばれる1.8メートルの深さにスポンジが敷き詰められており、その場所に着地するのですが、その底にマットが敷かれていなかったという説明でした。この施設設置に当たって、安全対策とチェックがされたのかと、これを証明するものはありません。一体、スポンジが敷き詰められ、底に着地する、その底にマットが敷かれていなかった、それだけが原因なんでしょうか?どのような調査と対応が行われたのか、明らかにしていただきたいと思います。

 

-山野市長

 今ほど申し上げましたように、私はやはり最終責任は市がその基準を満たしていなかったということにあります。そして3月の下旬に中学生・高校生が石川県内の主だった選手でありますので、その選手の皆さんに練習を行っていただいたところであります。その過程の中で怪我をしてしまいました。その責任も含めて金沢市に最終的な責任があるというふうに認識しています。

 

森尾 

3月25日に日本で初めて設置されたこの施設を調整する目的で飛び込み選手が使用していた際に事故が発生しました。事故の対応は、救急車による医療機関への搬入ではありませんでした。しかも本市への連絡は事故発生から4日後でした。当日の指導に当たっていた方は「自家用車の方が速い」と判断して救急車を呼ばなかった。骨折だと知りながら「重要だとは思わず、報告が遅れた」と述べたと報じられています。当日の対応は市の水泳連盟との説明が後に、県の水泳連盟だったと変わりました。市の職員が現場にいたのではないのかとの指摘に対して、後に、当日指導していたのは本市の職員だが、県の水泳連盟の役員として携わっていたとの説明でした。事故発生時には金沢プールの館長がいたとのことです。さらに、この市の職員は新年度から本市のスポーツ振興の部署に配属されたとのことです。こうした状況からしますと、客観的に事故の原因と責任について検証するには、専門家を含む第三者からなる調査委員会が必要ではないでしょうか。市長の見解を求めます。

 

-山野市長

 第三者の評価委員会を設置することは考えてはおりません。当事者や多くの専門家の方の意見を丁寧に集約をしていきながら、対応策を考えていきたいというふうに思いますし、確認できたことは逐次議会の皆さんにもご報告させていただきたいというふうに思っています。

 

森尾 

指定管理者が導入され、昨年の12月議会で議決されたものです。本市は5つの共同事業体と協定書を結んでいます。今回の事故を通じてこの指定管理の在り方と責任が問われています。事故の発生から3カ月が経過しましたが、未だ指定管理者から説明や釈明が行われていません。裏返せば指定管理者に金沢プールを安全に管理運営する責任と能力が問われる事態だと考えます。事故発生から4日後になって市への連絡がされるなど危機管理体制の上からも欠如しているものと言わざるを得ません。そこで、この協定書の第18条ではどのように記載されていますか。担当局長の答弁を求めます。

 

-相川 総務局長

 指定管理者は速やかに報告をするという形のことが記載されているというふうに思っております。

 

森尾 

協定書の中には第18条で、金沢プールでの事故があった場合は速やかに金沢市に報告しなければならないと明記されています。本市は金沢プールの指定管理者が行う業務内容及びその範囲について、仕様書を示して契約を結びました。その仕様書の中に、指定管理者の賠償責任と保険加入を明記しています。ところが3月25日今回の事故発生の時点では保険加入がされていませんでした。なぜこうした事態になったのか、担当局長から説明を求めたいと思います。

 

-相川 総務局長

 指定管理者の業務につきましては、プール開設前からの業務が該当いたしますけれども、プール開設時までに保険を具備しておればいいという形での条件になっていたと思います。

 

森尾 

そんな説明は詭弁です。指定管理を結んだ時点での仕様書に基づいてプロポーザルを行い、指定管理を行い、議決を経て、指定管理が発生したわけです。従って、指定管理者は結んだ仕様書及び協定書に基づいて履行しなければならない、その責任が発生しています。そうしてみると、今回の事故が発生した時点での保険加入をしていなかったという事実、先ほど協定書に基づく速やかな市への連絡を怠った事実、この点からも協定書に違反しています。従って、指定の取り消しを明記した協定書第23条に基づいて金沢プールの管理を継続させることはできないとの判断で、指定の取り消しを行うべきではないかと考えますが、市長はどうお考えでしょうか。

 

-山野市長

 ご指摘のことも含めて、指定管理者にまずは弁明書を提出させることになっておりまして、その後の対応になってくるかと思います。

 

森尾 

明確に協定書に違反し、仕様書に基づく保険加入を怠っていたという点からも、協定書第23条に基づき、私は指定管理の取り消しを行うべきだと考えます。同時に、金沢プールが市民にとって安心して利用できるようなプールとして運用する責任は市にあります。来年2018年に福井国体の水泳会場として利用されるなど国民的な利用が計画をされています。市長、この金沢プールは本市が直接責任を持って管理し運用する形態に改めるべきではないでしょうか。見解を伺います。

 

-山野市長

 今ほど森尾議員が仰ったように来年には福井国体の水泳競技として利用されます。そのほかフランスのオリンピックの合宿地であったりだとか、またいくつか決定はしておりませんけれども全国大会国際大会についての申し入れが今のところあるところであります。このクラスのプールになりますと、やはり全国的な経験を持った業者のアドバイスも直接必要になってくるというふうに私は思っています。引き続き指定管理者をきちんと指導をしていかなければならないというふうに思っています。先ほど申し上げました弁明書を提出をさせまして、その後注意文書を発行する予定になっています。改めて、今のご指摘の点も含めて、指定管理にはしっかりと伝えていき、また連携を取って行くことによって二度とこういうことがないようにしていかなければならないというように思っています。

 

森尾 

事故の究明や責任も曖昧にしてはならないと思いますし、様々な配慮やその他を排除して、冷厳たる事故が発生したという事実に向き合い、市民と議会にしかとその事故の究明と責任を果たす責任が私は市長にあると、そして皆さんが進めてきた指定管理に基づく今回の事故の発生については、指定管理に基づく仕様書や協定書に基づいて私は、冷厳たる事実を積み重ね判断をすることこそ、公正公平な本市の行政として取り組むべき責任があるということを改めて指摘をしておきたいというふうに思います。

そこで、飛び込み用トレーニング施設を安全なものにするためにどうしたら良いか。私は先日鯖江市にある体操専用の体育館を見てきました。そこで、体操選手が技を習得するために設置されているピットと呼ばれる施設を見学し、底で使用されているスポンジがこれです。一方、金沢プールに設置されたスポンジはこのサイコロ型のスポンジです。違いがあります。そこで、なぜこのスポンジを使ったのかということを聞いてきました。いろいろ研究をしたんだと、これ(サイコロ型)ではだめだと、安全は保てない。従って、こっち(直方体)の方に変更をしたんだというふうに聞いてきました。市としての見解・考えをお聞きしたいと思います。

 

-山野市長

 先ほども申し上げましたけれども、日本水連はじめ飛び込みの関係者の皆さんからいろいろなご意見をお聞きをし、知見をお聞きをしながら対応している所であります。森尾議員の今のご提案も、一つのご提案として受け止めさせていただきます。

 

森尾 

さらに私は日本の飛び込み競技に携わるトップコーチにお話を聞いてきました。この施設を安全なものにするためにどうしたら良いかというお話を聞いてきました。このトップコーチは本市のトレーニング施設を見られたそうです。その時の率直な感想は「この施設はなんなの、とても使えないわ」という感想だったと。そこで、このトレーニング施設の安全対策として取り組むべき課題は、まずトランポリン施設はプールサイドにも設置できることから、この場所での設置をやめて、ピットのある施設を中心に余裕あるものにすること。二つ目は、ピットの深さを現在の1.8メートルから3メートル以上の深さに改善すること。スポンジはサイコロ型から細長いものに変えること。スポンジの弾力性を維持するために時々混ぜるためにピット内にネットを設けること。三つ目は、選手を支えるスパッティングと呼ばれるものは、設置場所が高いことから下げて、選手に近い位置に変更し、ロープで支えるコーチが移動しやすいようにピットの周辺のスペースを十分に確保すること。以上、三点の改善を通じて、安全な施設へと改善を図るべきだと考えますがいかがでしょうか。

 

-山野市長

 先ほど申し上げましたように、日本水連はじめ多くの、今ほどの方がどなたかはわかりませんけれども、多くの経験者の方からの知見を集めながら万全の安全対策を取らなければいけないと思っております。今ほどご提案いただいたその方のご意見なども参考にさせていただきながら、安全の万全を期して参ります。

 

森尾 

金沢プールが市民にとっても安全な施設として改善されるように、競技選手にとっても安心してトレーニングができる環境整備をする、そしてその信頼を得ていくという責任は本市にあると。あんな施設は危なくて使えないよという状況を一刻も早く改善をするとともに、何よりも怪我をされた生徒が一日も早く回復できるように、本市の責任を果たすよう強く求めて、次の質問に移ります。

 

森尾 

市役所庁舎前広場の使用をめぐる問題について、伺っておきたいと思います。この3月、市役所前広場がリニューアルオープンしました。市民の税金3億4千万円が投入されました。この5月3日、市民団体の石川県憲法を守る会が憲法施行70周年集会を開くためにこの広場の使用許可を申請したところ、市はこれを不許可にしました。これまで許可していたにも関わらずなぜ不許可としたのか、怒りと不信が表明されました。一方、核兵器廃絶を目指す国民平和大行進が毎年行われている平和行進のパレードと集会の開催を6月19日開催するとしてこの広場の使用許可の申請に対しては、許可いたしました。許可・不許可を判断したのは本市庁舎等管理規則に基づく市の判断でした。その規則が、この3月21日に市が一方的に改正し、今回の判断となったものです。その改正した項目はどんな内容か管理者である総務局長から明らかにしていただきたいと思います。

 

-相川 総務局長

 これまでの管理規則では、禁止行為の内容が必ずしも明確ではなかったことから、今回庁舎前広場の開始も視野に、特に示威行為について市民に分かりやすい表現に改めたものでございます。

 

森尾

 わかりやすい内容どころか、とんでもない改正をして文章を挿入したものです。管理規則第5条12項「特定の政策、主義又は意見に賛成し、又は反対する目的で個人又は団体で威力又は気勢を他に示す等の示威行為」と、こう改正されたものです。一体、どんなことをもって賛成・反対を判断するのか。中立ならば許可するものなのか。市民が自由に意見を表明し、表現することに本市が一つ一つチェックすると、主義主張のチェックを行うことにならないのか。反響を呼んでいます。憲法第21条は、集会の自由、結社の自由、検閲の禁止、通信の秘密などを定めた民主主義の基本をなすものです。この点に照らして、今回の規則の改正で行われた文言について、私は重大だと考えますが市長の見解を伺います。

 

-山野市長

 私は表現の自由、集会の自由というものは大切だというふうに思っていますし、守らなければならないというふうに思っています。ただあの施設は市庁舎と一体となった公用財産でありますので、市庁舎の建物や広場の管理上支障がない場合に限って認めることとしているところでありますので、ご理解をいただければというふうに思います。

 

森尾 

市長は市民の税金を使って現在の広場に改修をいたしました。そして許可する・不許可するその権限を市が持ち、その規則まで改正をして一つずつチェックをすると。問題が指摘されると今度は広場は庁舎と一体となった公用財産だと、こう述べました。しかし市長、税金使って今のような改修をしたのはあなたなんです。誰が見ても、前の施設よりも現況は一般的な公園と同様な形態と見られます。それを理屈を立てて庁舎と一体だと、こう言って自らの判断を合理化するのはとんでもないと、私は思います。まして、先ほどの規則の文言を一方的に改正して、憲法にも抵触するものを定めてはいけません。改めて税金使って改修し、誰が見ても一般の公園のように改修したこの広場が、市民が広く利用できるように対応することこそ市長としての対応ではないでしょうか。改めて伺います。

 

-山野市長

 多くの方にご利用をいただいて、町の賑わいに繋げていただければと思います。ただしここは、繰り返しになりますけれども、市庁舎と一体となった公用財産でありますので、その限りにおいてご理解いただいて、是非多くの市民の皆さんにご利用いただきたいというふうに思っております。

 

森尾

 今度は「市役所庁舎前広場使用行為審査会」というものを立ち上げました。広場使用許可の権限を持つ本市総務局長と都市政策局長、3人の市民関係者の5人で構成され、広場の使用行為について審査の上了承するとしています。この審査会が明確な根拠がない上に、公平・透明性が確保されないもので、市民からみれば到底認知されるものではありません。結局、改正された規則に基づき許可・不許可の判断も含めて、その管理責任者である本市総務局長の判断を追認するというだけの審査会ではないでしょうか。私は改めて規則の改正を行った、そして改正に基づいて審査会なるものまで持ち出して自らの判断を合理性を整えるなんていうのは役所のやるべきことではないと、いうふうに思いますが市長どうでしょうか。

 

-山野市長

 原則、審査会に諮るものではありません。原則この管理規則に則って判断をし、適正に許可を行うこととしているところであります。ただ判断の極めて難しい案件が出てきた場合のみ、先ほどおっしゃっていただきましたメンバーによる審査会でご議論をいただくものであります。

 

森尾 

この審査会なるものは先ほど判断の基準とした規則の中に明記されたものではありません。皆さんが合理的な判断だと称して持ちだされた規則、その規則の中に明記もない審査会なるものまで立ち上げて、許可・不許可についての審査を行って了承すると、いう点ではとても合理性・透明性が確保されたものではないんじゃないでしょうか。こんな審査会が正当なものだという根拠は私はないと考えますがいかがでしょうか。

 

-山野市長

 繰り返しになりますが、基本はこの管理規則に則って私共が判断をするものである、ただ極めて判断が難しい案件が出てきた場合に限って、審査会の皆さんのご意見をお聞きしながら判断をするところであります。

 

森尾 

規則の中に明示をされない審査会、これが合理性があるのかと、いうふうに思います。しかも許可・不許可に関わる問題について、審査会が判断をするというのです。しかし、情報公開があるわけでもなく、市民からの意見表明がされるわけでもなく、しかも構成メンバーは5人のうち市の局長2人が占めているという点からも、私はこの審査会なるものは規則にも定められたものでもない上に、その内容や運営、この点からしても到底市民の理解と合意を得られるものではないと考えるものです。従って、先ほど示しました、一方的に改正して新たな文言を付け加えたこの文言、そして審査会なるものは廃止をするように求めたいと思いますが、市長いかがでしょうか。

 

-山野市長

 審査会にご意見をお聞きをいたしますけれども、最終的に市が判断するものでありますし、この改正は市民の皆さんにわかりやすいように改正をさせていただいたものでありますので、これに沿った形でこれからも対応していきたいというふうに思っています。逐次様々な場面で市民の皆さん、議会の皆さんに報告させていただければと思っています。

 

森尾 

最後に述べておきたいと思うんですが、市長が当初の市長選挙で公約に掲げた中に、ドーム型の施設を庁舎前広場に作るんだと、そしてイベントやその他について広く活用できるようにということを公約に掲げました。しかし、現実調べてみると、あの広場の地下には駐車場があって、あの広場の上には構造物は建てられないという結論に達しました。そして今度は「白いキャンバス」こういって現在の広場に改修をされました。3億4千万の市民の税金を使っての改修です。まさに市長自らの公約の、私は破綻そのものの結果の広場だというふうに考えます。そしたら一般的な広場のような形態になったから、当然市民は広く使わせてくれと、これ当然なんです。ところが今度は、規則を一方的に改正し、あれは一般的な広場じゃないんだと、庁舎と一体になったものなんだと、こんな理屈を立てて自らの許可・不許可の正当性を主張するのは、到底市長としてやるべきことではない、しかもその判断を正当な判断だと言わんばかりの審査会まで作ってやるなんてのは、とても認められるものではないと。このことを改めて述べて、私の質問を終わります。

 

一般質問終わりました!

傍聴やネット中継いただきありがとうございました。
見ていただいてわかるように、こういうやりとりの中で、しわが増えていくのを実感。
まあ、見た目はさておいて、精一杯がんばったつもりですが、まだまだだとも感じています。市民のくらしがよくなるように、市民の声が反映されるようにという思いで質問つくっていますが、それは日々の調査や聴き取り、学習に尽きるのですが、技術的な面での質問の論点整理や明確化、やりとりの間合い、声の大きさ、スピードなど、質問の内容が活きる手法にも今後取り組みたいとも思います。
そして、肝心の内容。
はしかについては、「職員や教員の予防接種や市民への補助など今後研究する」「感染拡大時など緊急時の際は、市内の医療機関でのワクチン情報を把握したい」「医療機関に今回の件でアンケート調査もしている」というような前向きなご答弁。
ごみの有料化については「半世紀ごみが減っていない」と市が説明しているもんだから、「事実と違う」と指摘すると、市長は「5年単位でみてる」と、苦しい答弁。
学童保育については、指導員さんの処遇改善について、市長は「処遇改善は必要だ」と認めました。そのうえで、保育料にも負担を求める今年度の処遇改善事業はおかしいので100%市が負担するべきと求めました。
民泊については、民泊新報の緩さをあきらかにし、本市では住民と旅行者の安全安心を最優先にした条例化をすべきと求めました。
国民健康保険の都道府県化については、保険料の値上げにならないよう強くもとめると同時に、国の責任にも言及。市長は保険料の大きなかい離がないようにという答弁、国の責任は引き続き求めていくというものでした。
 
以下、質問&答弁全文です。
 
 
 
 

2017年6月21日 6月議会 一般質問       広田みよ

 

①はしかの感染対策について

 

広田

質問の機会を得ましたので、共産党市議員団の一員として、質問いたします。

まずは、はしかの感染対策についてです。4月上旬、本市では、インドからの帰国者がはしかに感染していることが判明し、計4名が感染をしました。はしかは、麻疹ウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症で、空気・飛沫・接触で感染し、その感染力は非常に強いものです。広い体育館のような場所でも、そこに患者が1人いれば感染するといいます。高熱が続き、免疫機能が落ちるので、重い肺炎やまれに脳炎などを合併し、健康な人が命を落とす危険性もあり、妊婦が感染すると重症では流産の可能性もある怖い病気です。昨年夏は、大阪、兵庫、千葉などで発生した集団感染で年間159人もの患者が出ました。日本は、麻疹排除状態と認定されていますが、厚生労働省も海外からの輸入に注意を呼びかけています。今回本市では、3次感染はなく、すでに流行の収束宣言がされましたけれど、今回のことを教訓に今後の取り組みが必要ですし、現場からは当初の時点でさまざまなお声が寄せられていますので、今回の本市の対応についていくつかお聞きします。まず情報開示についてです。本市は、最初に発生した小学校名を、プライバシー保護の観点から伏せていました。しかし、知らされていない医療機関に、該当の小学校の保護者と児童が体調が悪いと来院し、そこではじめて医療機関側は知ることになったのです。来院する側にも病院へ行く前にまずは保健所に連絡をするということが徹底しきれていなかったのも問題ですが、医療機関側については、予め発生の詳細を知っていたならば、もっと適切な対応ができたのではないでしょうか。そのようなことが、小学校だけではなく、写真館、医療機関、その他の感染者が立ち寄った場所について、情報が知らされておらずさまざまな場所で無用な不安と混乱が起きたのが実態です。プライバシー保護はもちろん重要です。しかし、国立感染研のガイドラインにある「感染拡大防止の公衆衛生学的意義」からすると、今回のことを振り返って、必要なところには必要な情報を明らかにすべきではなかったのでしょうか。見解を伺います。

 

-越田 保健局長

 今回の事案に関しましては、当初より当該小学校の教職員をはじめ、保護者や児童には麻しん感染の事実を公開しておりましたが、諸感染者のプライバシーの保護に配慮する必要がございましたので、報道資料提供では小学校名を非公開といたしました。しかしながら二次感染者が発生した時点で、さらなる感染拡大の防止を図るため、学校名を公表いたしました。今後もプライバシー保護に留意をいたしながら感染拡大防止のために必要な情報を提供して参りたいと考えております。

 

広田

二次感染者が出たので発表したというようなふうに聞こえましたけれども、やはり病院で混乱が起きたということが実際あったわけですし、現場のそうした実態を踏まえてマニュアルを見直すと仰ってましたので、是非見直しを求めたいと思います。

次にあきらかにしてほしいのは、感染者と接触した方や空間共有者への対応についてです。抗体の有無の確認、緊急ワクチンの接種などはスムーズに行われたのか。今回は、入学式に居合わせた学校の教員2名が発症を実際してしまいました。学校や保健所の対応がどうだったのか、今後に向けて改善するべき点をあきらかにしてください。

 

-越田 保健局長

 一例目の患者さん、所謂初感染の患者さんが明らかになった直後から、当該小学校はじめ本人が立ち寄られた全ての施設に対して麻しんについての情報提供及び注意喚起を行いました。また施設ごとに接触者をリストアップいたしまして、予防接種歴の把握を行った上で、積極的にワクチンの接種勧奨を行いました。同時に接触者の方々には日々の健康観察を指示いたしまして、不調を感じた場合には必ず保健所に連絡するようお願いいたしました。連絡のあった方に関しましてはあらかじめ医師会と協議をしまして決めておいた医療機関への速やかな受診をお勧めいたしました。

 

広田

保健所にどれくらいのスピード感でそれが行われたかと聞いてもまだ開示がされない状況、まぁプライバシーのこともあると思うので、実際にはどのくらいのスピード感があったのかわかりませんけれども、少なくとも、今回の教員の方々には抗体がなかったということは言えるわけです、発症したわけですから。それでいくと、それを教訓に、学校関係者、保健所、市立病院、QQ隊など、最前線で直接感染者と接する可能性のある職員は、起こってからではなくまず入職時に、はしかなど基本的な抗体を確認をし、なければ予防接種するという取り組みが求められたのではないでしょうか。

 

-越田 保健局長

 予防接種に関しましてですが、金沢市の職員の採用時にははしか等の抗体検査を行っておらず、金沢市立小中学校の教職員につきましても同様であると石川県教育委員会からお聞きしております。保健所に配属された感染症業務に関わる職員は、自主的に抗体検査をいたしまして、必要に応じてワクチン接種を行っております。また金沢市立病院におきましては採用時あるいは他部署からの異動になった際には全ての職員に抗体の確認検査とワクチン接種を義務付けております。消防局の救急業務に関わる職員につきましては、今回の事案を受けまして麻しんの抗体検査を行い、十分な抗体がなかった職員72名にワクチンを接種いたしました。

 

広田

市立病院や保健所は対応されていたけれども救急隊はやはり今回を機にということでしたし、学校関係者については採用時にされていなかったということが明らかになったわけですし、実際学校関係では感染が広がったということもありますから、是非とも採用時の抗体確認及び予防接種を進めるよう強く求めておきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

-野口 教育長

 学校関係の者が接種していなかったということになります。学校の教職員につきましてはこれから校長会議が行われますし、また今後はしかなど感染症に関係する研修会を予定しておりますので、この中で理解を深めながら十分な抗体がない教職員につきましてはワクチンの接種を促して参りたいと考えております。

 

-山野市長

 教職員だけではなくて一般職員のことも触れられましたので。拡大を防ぐためにもワクチンを2回接種していない方への対応は大変大切であるというふうに思ってまして、他都市の例なども参考にしながら今後少し研究させていただければというふうに思います。

 

広田

起こってからではなく、未然に防ぐという対策をお願いします。

2点目に、市民に向けた予防接種についてです。

金沢市は今回、はしか予防には予防接種が有効だとして、市民に呼びかけを行いました。

しかし、私のところに届いたお声は、「接種したいんだけど、いくつかの病院に行ってもワクチンがないとかそもそも大人にはやっていないと言われる」というものです。その中には市立病院の名前もありました。私から保健所に問い合わせると、「どの病院がワクチン接種できるか把握していない」というご返答でした。これでは、せっかく1万円前後の高いワクチンを接種しようと決心しても二の足を踏んでしまい、感染拡大を防ぐ手立てになりません。病院によっては、子どもの定期接種しかしないところもあったり、ワクチンのストック量などにも差があるようですし、今回はワクチンが不足しているような情報もあり混乱もみられました。よって、このような緊急時はもちろん、海外渡航時など日ごろの接種にも市民が困らないよう、保健所として各病院の実態を予め把握するなど、市民がいつでもスムーズにワクチン接種ができるように求めますがいかがですか。

 

-越田 保健局長

ワクチンに関しましては平時においては市内の医療機関のワクチンの在庫状況を金沢市が把握することは困難でございます。しかしながら今回のような事案ではワクチンの緊急接種は感染拡大防止の有効な手段であるため、今後ともこのような有事の際には必要なワクチン量を確保することを県とも相談いたしまして進めて参りたいと考えております。

 

広田

日常的にもお願いしたいところですけれども、まず緊急時に把握という答弁があったので、まずはそこに力を注いでいただきたいと思います。しかし、ワクチン接種は1万円前後と高いものです。定期接種以外の補助制度を設けるお考えはないか伺います。

 

-山野市長

 先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、大切なことでもありますので、他都市の事例も参考にしながら少し研究させていただければと思います。

 

広田

さいごに。はしかが収束した今、医療機関など現場の最前線に立たれたみなさんに今回の本市の対応はどうだったか、今後の要望などないのか話し合うべきではないでしょうか。

 

-越田 保健局長

 今回は二次感染者が出た直後、4月26日に、県と市の医師会と、県及び市の行政関係者による合同対策会議が持たれました。ここでワクチンの確保、及び連休を挟みましたので連休中の医療体制などについての協議を行いました。さらに5月23日の収束宣言の3日後には患者受け入れてくださいました医療機関も交えた会議を開催し、今回の一連の対応についての検証を行いました。また、金沢市医師会では今回の事案を受けまして、すでに全ての医療機関にアンケート調査を実施しております。このアンケート結果がまとまりましたら我々も市医師会と情報を共有いたしまして、今後の感染症対策に活かして参りたいと、そのように考えております。

 

広田

現場で最前線にたたれた皆さんのお声を聞くというふうに受け止めたいと思います。

 

②ごみの有料化について

本市はごみの有料化を来年の2月から実施するとしていますが、いまだ市民の理解は得られているとは、とうてい言えません。しかも、今行われている各地の説明会では、これまでのやりとりを覆すようなことが本市から説明されており、市民のみなさんから疑問の声があがっています。それは、説明資料に新たに書かれている「家庭ごみ有料化の目的」という部分です。

(2)で、「半世紀にわたり取り組んできたが、ごみ排出量が依然として減少しておらず」というふうに書かれています。が、半世紀にわたってという資料を出してほしいと言いましたがそれは難しくて、昭和58年からの資料を出してもらいましたけれども、ご覧の通り、半世紀に渡ってごみが減っていないというのは事実とは異なると言えるのではないでしょうか。(図を提示)家庭系ごみは、ピーク時からみると200gもひとりあたり減っています。ピーク時から25%削減です。一方で増えているのは事業系ごみであることはあきらかです。こうやって事実をねじまげてごり押しするのではなく、正しい情報を市民にお伝えすることがまず必要だと考えますがいかがですか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



-山野市長

 半世紀以上に渡り市民のみなさんと様々な工夫をしてごみの分別や減量化、資源化を高める努力をしてきた、これは間違いないというふうに思ってます。ごみの総量というものは重量で換算をされるものであります。例えば飲料だけをみてもガラス瓶からスチール缶、スチール缶からアルミ缶、アルミ缶からペットボトル、ペットボトルにおいても重たいものから触ったら紙のようなペットボトル、事業者も様々な工夫をしながら減量化に取り組んでこられました。ごみの量を見るときに、私はある程度の近年のスパンで行くべきだというふうに思っています。ですので金沢市においてもごみ処理基本計画は常に5年ごとのスパンで見ていきながら提案をさせていただいているところであります。家庭ごみを減っているということですけれども、その中でもこの5年のスパンで今回ご提案をさせていただきました一番量が多い燃やすごみについては、この5年間はほとんど変わっていません。そういう事態からみても、私はこれは仕組みを変えていくことも大変大切だというふうに感じているところであります。

 

広田

5年5年と仰いますけれども、半世紀と書かれたのは市の方なので、半世紀で検証していただきたいと思います。減っていますし、もしこれを認めないということであれば、私はこれまで市民がごみ行政に対して行ってきた負担と協力の成果を市長は認めないということになると受け止めます。本当に残念です。

次に、基金の使い方について伺いたいと思います。ごみの有料化にまつわる基金です。

町会が管理する防犯灯をLEDへ更新するESCO事業がこの基金の使い方で挙げられ、来年度から開始されます。そのために今年度は債務負担行為を行い、器具は全てとりかえるということで間違いありませんか。そしてそれは当初予算でごみ有料化の基金から全て出すと説明されてきましたが、その具体化についてあきらかにしてください。

 

-佐久間 環境局長

 本市が実施いたしますESCO事業につきましては、今年度事業者が資金を調達し、LED照明の取り換えを行うものでございます。翌年度から10年間に渡り維持管理を含めた費用を支払うこととなりますが、具体的な金額・支払い方法については今後のESCO事業者との契約によって決まるものでございます。なお、ESCO事業の導入により温室効果ガスは従来と比べ6割を超える大幅な削減となり、電気量につきましても町会負担分を含め4割以上が削減できるものと見込んでおります。

 

広田

当初予算のときにヒアリングいたしましたけれども、11億4千万今年債務負担行為して、10年間に渡ってだいたい1億ずつ払い続けると、基金から出すんだという説明だったと思うんです。今ちょっとなんとなく濁されたような感があるんですけども、これを聞いておかしいなと思っているのが、基金はごみが減れば市民の方はごみ袋を買わなくなるので減って行くと、尻すぼんでいくはずなのに、1億ずつ多額の定額が基金から出されるということ。そして昨日も質問でありましたけれど、一方で町会の補助などがもし資源回収などみなさんがんばれば増えていくと。基金が足りなくなるみたいなことが起こるんじゃないかっていうふうに思うんです。これは有料化のごみ袋のお金を基金にし、そして多額の歳出をしようとした制度的矛盾ではないかと思うんですが、その点いかがでしょうか。

 

-山野市長

 これまで多くの自治体の事例を参考にしながらシミュレーションを立てた上で基金を組ませていただいているところであります。ご指摘ありましたように、市民の皆さんのより一層のご理解・ご協力をいただいてごみが減量化されるのが望ましいことだというふうに思ってまして、基金に何か事情があるとするならば速やかに対応しなければいけないというふうに思っております。

 

広田

もし仮に基金が足りなくなって、一般財源に手を出すというようなことがあれば、当初東部の建設費を減らすためにやるんだと言ったことから、市民にとっては矛盾することになりますので、絶対そういうことがあってはならないと考えます。やはり制度設計に矛盾を抱えていると言わざるを得ないと思いますし、最初の質問で確認したように事実に基づかない説明を行い市民の納得のいく説明はされていないということから、ごみの有料化を中止することを改めて求めておきたいと思います。

 

 

③学童保育について

広田

 

次は学童保育についてです。

本市では学童保育の待機児が発表されました。37名、しかし実態はもっと多いとも言われ、深刻な状況です。学童に入れない子どもの中で、習い事に行ける子は習い事に、経済的な問題で難しい子どもは、公園で一人で遊んでいると、地域の住民から心配のお声をいただいています。学童保育の施設整備と保育料の引き下げや無料化を行い、誰もが安心して入れる学童保育が必要です。また、場所があっても指導員が確保でき、定着するということも重要課題となっています。大変責任のあるお仕事でありながら、賃金が低く、やりがいがあっても辞めていくという流れを止めなくてはなりません。学童保育連絡協議会の調べでは、2014年の調査結果、週5日以上勤務する指導員であっても、年収150万円未満が46.2%もいます。三重県での直近の調査では、非常勤が7割、年収200万円以下が8割以上を占めるという結果です。ここ金沢でも、私の周りの指導員さん、家族を養えず2つ3つと仕事をかけもつというお話を聞いています。長く働き続けられるよう、指導員の処遇改善が必要ですが、山野市長の見解を伺います。

 

-山野市長

 放課後児童クラブは利用児童数がここにきて大変増えてきているところであります。子供たちの健全な育成、さらには子育て支援をする場としても大切な地域資源であるというふうに思っています。そこで働いていらっしゃる方たちの役割は大変重要であるというふうに思っていまして、処遇を改善することは大切なことであるというようにも思っています。

 

広田

市長の言う通り、大切なことだと思います。ところが、今年度金沢市がうちだした指導員の処遇改善に疑問の声があがっています。「児童クラブ職員賃金改善事業」という名称で、放課後児童支援員認定研修を受講した方を対象に、質の向上と「長く働くことができる」職場の構築のために賃金改善をするものです。市の単独事業として、支援員となった方に年間37800円増額するというものです。しかし、施設や保護者側の負担がなぜあるのか、と疑問の声があがっています。なぜですか?

 

-太田 福祉局長

 本市の児童クラブの職員の給与あるいは共済費等につきます人件費に関わります委託料ですが、地区の社会福祉協議会、また社会福祉法人が実施するクラブにおいては4割を、また児童館実施のクラブには5割をそれぞれ負担していただくことに従来からなっておりまして、児童クラブの職員賃金改善事業につきましてもこれと同様の扱いとさせていただいたものでございます。

 

広田

運営費と同様の扱いにしたということだと思うんですけど、では支援員のいる学童すべてが自動的に対象となるのか、加算を実施したところだけの任意の事業となるのかあきらかにしてください。

 

-太田 福祉局長

 この児童クラブ職員賃金改善事業は、放課後児童支援員の認定資格、県の講習を受ける必要がございますが、この資格を有する方に対しまして、なおかつ実際に賃金改善分を支給したクラブを対象として市の委託料を加算支給することにしています。

 

広田

今県の研修を受けた方111名いらっしゃると聞いています。どこのクラブにもいらっしゃるでしょう。ところが今回の事業は加算をしたところだけの事業だということが今わかりました。

ということは、(加算を実施したとしても)財政基盤が薄い学童保育であれば保護者負担や指導員への負担になりかねませんし、実施できるところだけが享受できる制度となれば、もともと大変なところは手を挙げられないということになります。これは処遇改善とよべません。市が直接、全額負担をすべきです。いかがですか。

 

-山野市長

 金沢市は多くの都市と比べてもこの児童クラブというものは数も多いですし通ってらっしゃる児童の数も多いと思っています。これはこれまでも我々の先輩方が地域の社会福祉協議会さらには地域の社会福祉法人と市が連携をしながら行ってきたからだというふうに思ってますし、地域のコミュニティにも大きく寄与しているものだと思っています。これまでも今ほど局長が申し上げましたように市から交付される委託金に各クラブが徴収する保護者負担金を併せて運営を行われてきましたし、これまでも職員の人件費にかかる市独自の加算も同様に一定の負担をしていただいているところであります。今回も同様なお願いをさせていただきたいと思っています。

 

広田

児童館なら5割、地域の学童保育なら4割、保護者負担で今回の処遇改善を行えと今言っているわけですけれども、今保護者のみなさんの保育料負担は月1万円前後と、とても高い料金になってるんですね。これ指導員さんのために引き上げようとしたら保育料を上げるということにもなりかねないんですよ。手を挙げられる学童保育も、もともと独自で昇給のために費用を用意していたというところもあるんです。現場の努力が報われないことにもなるんです。

市長もさっき処遇改善が必要だとおっしゃいましたし、現場の経営の大変さも保育料の高さもご存じだと思います。これは市の姿勢が問われると思っていますので、是非全額負担の検討をお願いしたいと思います。

 

広田

併せて検討していただきたいのは、今年からはじまった国庫補助事業としてキャリアアップ処遇改善事業というものがあります。これは財政負担は国県市があわせて保護者負担なしに100%出すことになっている事業です。大変現場にとっては歓迎したい制度です。であるならば、本市としてこちらこそ実施を決意すべきですが、お考えあきらかにしてください。

 

-山野市長

 今年度、今ほど議論がありました市独自の処遇改善を始めたばかりでもあります。国の新たな制度にどう対応していくか、今後研究させていただければと思います。

 

広田

このキャリアアップ処遇改善事業は昨年度から現場の方々も知っているほど国もしっかり宣伝をし、皆さん方も知っていた事業のはずなんだけれど予算化されなかったと大変現場は残念に思ってるんです。その代わり保育料で負担をしなければいけない処遇改善が出てきたと、これどう考えても現場の理解なんて得られないです。是非ともこれ国庫補助で、県市も合わせて100%出せるこちらのキャリアアップ処遇改善事業を実施するよう改めて求めておきます。

 

 

④民泊について

広田

 

次は民泊です。

住んでよし訪れてよし。自分の地域に対する愛着や誇りがもてる。そうでなければ真のおもてなしはできません。そのためには、地域の人が楽しく住んでいて、ホスピタリティを発揮できる形での宿泊施設ができていくことこそ重要です。しかし先日の国会で成立した「民泊新法」は、今の違法民泊の現状を解決するどころか、さらに住民に犠牲をしいるものです。現在の許可制から届け出制へと緩和し、施設について要件が揃っているかを手書きの図面で添付すればよい、インターネットの登録だけになるかもしれないという話もあります。これまでしていた現地確認もなく、営業許可のために必要な建築確認検査済証や消防法適合通知書も必要なくなるのです。しかし今でさえ、違法民泊の所在さえつかめず、保健所のみなさんが悪戦苦闘している、これが現実です。昨年の厚生労働省が行った調査では、調査1万5千件のうち、営業許可を受けているのは16.5%にすぎないという結果です。83.5%が許可を受けていません。本市では、保健所のみなさんががんばっていますが、許可をうけていない民泊は部屋数ベースで33%です。件数にして63部屋が所在もわからない、指導のしようがないという状況です。今、求められているのは、民泊新法ではなく、地方のこうした実態をかんがみ、違法民泊の取り締まりこそ強化すべきです。市長、本市がすべきは、こうした民泊の現状を把握し、違法な民泊への対策を講ずることが先決ではありませんか。お考えを伺います。

 

-山野市長

 旅館業法の許可を得ずに営業をしている宿泊施設につきましては、引き続き現状の把握に努め、取り締まりという表現はともかくとして、適切な指導を行ってまいります。

 

広田

適切な指導と言いますけれどもなかなか所在が確認できない、仲介業者側もホームページに載せようにも困るし、泊まる観光客だって本当は許可を得ている所に泊まりたいという実態もあります。具体的な提案を行いますけれども、現在でもできることとして、住民被害が深刻な京都では、旅館業法に基づく許可を受けた施設を,市のホームページに掲載しています。本市もこうした公表によってとりしまるべきだと考えますがいかがですか。

 

-山野市長

 現在旅館業法で許可をされた施設の情報につきましては、公開という意味では市政情報コーナーで公開をしているところでありますけれども、今ほど京都の例を出していただきました、京都の例に倣いましてホームページ上でも公表するということについても検討して参りたいと考えています。

 

広田

今ある違法民泊をしっかり取り締まるということと同時に、新しくできた「民泊新法」にどう立ち向かうかということですけれども、海外の趨勢は、ロンドン、パリ、シンガポール、ニューヨークなど世界の各都市がいったん規制緩和してみたものの、テロの住処になったり事態の悪化を前に規制強化する方向にかじを切っています。そういうことからすれば、本市は世界の交流拠点都市と名乗っているわけですから、是非、本物の日本、安全安心な観光を提供するためにどういう条例を作るのかとをいうことが今後問われますが、具体的には詳細はわからないと仰ってましたけれども国会でいろいろ議論されています。住居専用区域でも認めるのか、営業日数をどうするのか、住民への事前の情報共有をどうするのか、そういうことを今どんなふうに考えているのか明らかにしてください。

 

-山野市長

 国におきまして政省令等で詳細なルールが定められるというふうにお聞きをしているところであります。先月庁内プロジェクトを設置いたしました。今ご懸念のことも含めて課題をしっかりと整理をし、条例制定の際には何といっても地域の実情を反映する仕組みなどについて検討していかなければならないと考えています。

 

広田

わたしたち共産党市議団は、市民と旅行者の安全安心を第一に、最低でもこれまでの旅館業法に基づいた宿泊施設を基軸にするよう求めておきます。最後に、市民が周囲の民泊について困っていても、相談できる窓口がどこにあるのかわからないという声があります。こういう相談を受け付ける窓口を設けるべきだと思いますがいかがですか。

 

-越田 保健局長

 旅館業や民泊についてのご相談につきましては現在、金沢市保健所衛生指導課で行っており、必要に応じて関係各課と連携致しまして鋭意対応しております。

 

広田

窓口が明らかなのであればあとは実務上のことだと思うので、ホームページに相談窓口、通報窓口などわかりやすい表示でお答えいただくようにお願いします。

 

⑤国民健康保険の都道府県化について

広田

 

県のほうでは、保険料については2回の試算がされましたが公表はされておらず、夏ごろ3回目の試算が行われるとしています。国からの公費は1700億と報道では出されています。今後、県の運営協議会が立ち上がり、具体的な議論がされていきますが、本市に具体的な納付金などの数字が示されるのはいつ頃になるのでしょうか。

 

-越田 保健局長

 県は現在、石川県国民健康保険運営協議会での審議を経まして、都道府県単位化後の国民健康保険運営指針を定めることになっていると聞いています。これに基づき本年末に国から示される基礎数値などによりまして、標準保険料率や納付金等算定し、来年の1月頃に県内の各市町に通知するとお聞きしております。

 

広田

最大の懸念である保険料ですけれども、市長は3月議会での「保険料を上げるべきではない」というわが党の質問に、「現在の保険料からかい離することのないように」という答弁をしていますが、仮に県から今の保険料収入を上回る納付金が示されても、具体的にどのような方法で保険料をあげないよう取り組むのか、あきらかにしてください。そして、現在ある市独自の減免制度も維持するよう求めますが、お考えをあきらかにしてください。

 

-山野市長

 都道府県化単位後の保険料につきましては、来年1月に県から通知をされる標準保険料率を参照の上、県への納付金を考慮して算定する予定であり、現時点ではまだ未定であります。これまでの保険料と大きく乖離をしないように、今後とも県と十分に協議をしていきます。また自然災害等で被災された方、さらに倒産等で廃業を余儀なくされた方には、本市の条例に基づいて保険料の減免を行っており、今後も継続して参ります。

 

広田

県にも聞き取りしてきたんですけれども、なかなか地方の厳しい実態は数値的に把握してはいるけれども、結局国から示されればその通りに納付金を示すしかないというような感じでした。是非金沢市民、2割の方が今保険料を払えていないんだということ、資格証が届けば病院に行くことすら危惧してるんだという実態を運営協議会の中でお話しいただきたいと思いますし、今後おそらく保険者努力支援制度というものが強化されていきますけれども、本市はすでにすこやか健診や予防啓発などで力を入れてきています。やはりネックは国が持つ国保の構造的な問題があるということ、公費の増額がなによりも必要だということを引き続き求めていただきたいと思いますが、市長の見解を伺います。

 

-山野市長

 この国民健康保険は我が国が世界に誇る国民皆保険制度の最後の砦というふうに思っています。最終的には国の責任で財政措置がなされるのが大切だというふうに思っています。これまでもそうでしたけれども引き続き全国市長会や国保中央会を通しまして、国庫負担率の引き上げなどの国保財政基盤の強化を国に強く働きかけて参ります。

 

広田

これ以上保険料を上げないことを改めて求めますし、引き下げをお考えいただくようまた求めて、質問とさせていただきます。


2017年 6月20日 6月議会一般質問     大桑初枝

 

日本共産党市議団の一員として以下数点にわたって質問いたします。

6月15日安倍政権は内心を処罰対象にする『共謀罪』法を強行可決しました。いわゆる「共謀罪」の導入を巡って、参院法務委員会での採決を省略し、本会議で「中間報告」を行う異例の手法で自民、公明の与党が維新の賛成で、強行に「共謀罪」法を成立させました。多くの国民が不安と疑問がうず巻く中で安倍内閣の横暴に対して、全国各地で抗議と批判の声が上がっています。直近の世論調査では、激変が起こっています。19日の新聞報道は一斉に内閣支持率の急落を報じました。

ある新聞では、内閣の不支持率が44%で、支持率36%を上回ったとしています。多数の市民の抗議や国民世論を無視し『数の力』で共謀罪の採決を強行した暴挙が国民の新たな怒りを呼び『共謀罪』法がもたらす深刻な危険と矛盾が浮きぼりになった結果です。

『共謀罪』法は犯罪の具体的行為がなくても相談・計画しただけで罪に問われるもので、日本の刑法の大原則を大きく変えるものです。この法案が国会で審議されればされるほど問題点が増え、多くの国民に不安と批判の声が広がってきました。たとえ『内心を罰するものではない』として名称を『テロ等準備罪』に変え対象犯罪を絞ってもこれまで3度も廃案になった『共謀罪』に変わりはありません。

多くの国民が利用しているLINEが、1,000件もの個人の情報提供を行っていたことが明らかになり、また、『一般人は対象にならない』と言いますが、国会答弁で誰もが対象になりうることも明らかになりました。この法律によって私たちの健全な社会生活が著しく阻害されることになるのです。かつての治安維持法のもと市民や宗教者の皆さんなど数十万人が逮捕され、虐殺された方や、獄死者もでたという歴史の事実があります。

安倍内閣は、この法律が「テロ対策だ」と述べましたが。これに対して、学者、研究者の方々が声明を出し次のように述べています。「テロ対策の主要な国際条約を批准しすでに国内法の整備は終わっている。オリンピックのため、テロ対策のため という政府の説明は虚偽だ」と抗議しています。

本市におきましても、金沢弁護士会を始め広範な市民が怒りの声を上げています。内容的にも、手続き的にも、民主主義を壊す暴挙です。市長はこの「共謀罪」法をどのようにとらえているのか、また、市民を不当な取り締まりの対象にさせない為にも反対の意を示していくべきではないか、先ずお尋ねいたします。

安倍首相はさらに本年5月3日の憲法記念日に2020年までに憲法改正をすると言明致しました。これは憲法99条が定める国会議員、公務員などの憲法尊重擁護義務に反する暴挙です。安倍首相の発言内容は憲法9条に3項を設け、自衛隊を書き加える憲法の明文改憲です。

この発言に対して多くの方から批判の声が上がっています。自民党の元総裁の河野洋平氏は

「人によっては自衛隊の存在がある以上9条に書くべきだというが、それは間違っている。

憲法は現実に合わせて変えていくのではなく、現実を憲法に合わせる努力こそすべきではないか。憲法には一つの国家理念が込められていなければならない」と、こう述べています。

平和都市宣言をしている本市としても平和憲法の理念を尊重していく立場から、市長は憲法9条の改正に反対の意を示すべきと考えますがいかがでしょうか。

市長の見解を求めます。

 

 次に介護保険について、お尋ねいたします。

2015年4月の介護保険法の改定で、要支援者の受ける予防給付サービスのうち訪問介護と通所介護が、市町村の事業へと移行する「総合事業」がスタート致しました。これまで全国一律の報酬であった訪問介護と通所介護は、市町が独自に人員基準や報酬を決めることとなり本市は、本年4月から、自治体が実施主体となる総合事業へと、移行しました。

要支援1,2の方の認定更新の時や新規に介護の必要が生じた方に対して、わずか25項目のチェックリスト判定で総合事業が導入されることになります。我が党は以前から安上がりなサービスへの誘導や、縮減、質の低下などとなるのではないかと問題点を指摘し、要支援1,2の方を対象とした総合事業移行の悪影響について、昨年の12月議会でもとりあげてきました。

市長は、「ケアマネージメントの過程で必要なサービスが決まるので、利用者が従前と同様にサービスの選択を行うことが可能である」と答弁致しました。しかし、4月1日から事業が開始されてまだ二か月余りしかたっていませんが、すでに、あちこちで利用者の方から混乱の声が出ています。

要支援2の方が今回の更新で同じく要支援2との結果が出ましたが「身体介護が必要、認知症がある、医療の依存度が高い」の三要件には該当していないため、基準緩和型に移行になりました。今まで受けていたデイサービスは、午後4時30分までの利用で午後からの行事やイベントがあり、とても楽しみだったといいます。しかし基準緩和型に移行になったため、利用時間が午後1時30分までと短縮されました。今までの生活が変化して、心にポッカリ穴が開いたようで寂しいと言われました。

また、基準緩和型のサービスは、行わないと決定した事業所に通っている方は、移行となると新しい事業所に移らなければなりません。

慣れた事業所の通所が生活の一部となっていて、事業所の変更はかなりの精神的苦痛となっているようです。

現実には、介護認定更新時に振り分けられ従前と同様のサービスが受けられない実態が進んでいるのではありませんか。市長はこうした現状をどうかんがえておられますか。お伺いいたします。

通所サービスについては、利用者の機能訓練、入浴等で清潔の保持、社会参加や交流など多彩な機能を持っております。また訪問型サービスの生活援助は、ホームヘルパーが、利用者の在宅生活を支える様々な支援や見守り、相談援助、情報収集などを行なっています。先行して総合事業を実施している自治体では、これまでの介護保険サービスは卒業したとして、このサービスを人員基準緩和型により地域ボランティアなどの無資格者が、行う様にしたところもあります。しかし、資格を持った専門家が、高齢者を継続してみることで 症状や心身の変化に気づき 介護計画の見直しや医師による対応につなぐことができます。現行の介護予防の基準を維持し利用者の方を基準緩和型サービスに誘導することがあってはなりません。

介護事業所も、大きな問題を抱えています。基準緩和型のサービスは、資格がなく13時間の講習を修了した方が行うことを前提にし、これまでの8割の報酬でおこなうとしています。しかし、今、実際には専門的な知見を持った介護福祉士が担ってっているのが現状です。事業所はサービスをやればやるだけ赤字になるといいます。

報酬額が見合わない基準緩和型のサービスは実施しないという事業所も多くあるといいます。ある包括支援センターの方に現状をお聞きしたところ、総合事業の登録はしたが、指定を受けるかどうかは、まだ検討中で、ヘルパーの派遣を見合わせている事業所が多いとのことです。今、現在の介護保険の指定事業所数に占める総合事業の基準緩和型事業所の件数と占める割合についてお尋ねいたします。また、基準緩和型の指定を受けなかった事業所はなぜ指定を受けなかったのかその理由をお聞きいたします。

事業所側からするとこれまでとの関係では収入も減り職員配置も困難という事もお聞きしていますがいかがでしょうか。地域の介護基盤を保証するためにも、介護事業所の抱える問題を真摯に受け止め地域の介護基盤を維持、向上できる総合事業にすることを求めます。  緩和型のサービスを受け入れている事業所のヘルパーさんは、毎日休む暇がないといいます。緩和型の指定を受けなかった事業所からの、利用者の方も引き受けることで、「報酬が少ないは、ただ件数は増えるはで、毎日大変や、やめたくなる。」と、こぼしています。基準緩和型サービスは、報酬も少なく、人員も不足する中、ヘルパーに負担が大きくかかります。本市として、こうした現状をどう受け止めどの様に対応していくのかお伺いいたします。

また、誰もが安心して住み慣れた地域で生活ができるよう地域の介護基盤をしっかり維持してほしいと思います。その為に介護事業所が継続して運営ができるように、総合事業の改善を図るべきと思いますが、見解をお伺いいたします。

 市長は提案説明の中で善隣館活動の在り方にも言及されました。善隣館は、市民にとって、地域の中で一番身近かな施設であり一番身近な福祉の場所でした。しかし介護保険制度の開始から金沢市の財政援助がなくなって以来、資金力もない善隣館は、衰退の一途をたどるようになりました。善隣館は、介護保険制度の矛盾を一番に受けている所と言わなくてはなりません。今後、研究会などを立ち上げて、善隣館のあり方を検討されるとのことですが、しっかり地域の要望を聞き各地域の実情に即した検討を行うよう要望しますが市長のお考えをお聞きいたします。

次に、家庭ごみ有料化について質問いたします。

3月議会の中で家庭ごみの有料化の条例が可決されました。4月から5月にかけてまちづくりミーティングが開催され、その後全町会での説明会が開かれていくことになりました。

そこでまず、まちづくりミーティングで市民の方からどのような意見が出ていたのかお聞きいたします。

あるまちづくりミーティングの中で市民の方から「私の家では毎日の出るごみをできるだけ減らしている。有料化にしてもごみはこれ以上減らない」という発言がありました。その発言に対して「山野家でも残念ながらこれ以上ごみは減らない」と市長が答えられました。

市民はこの間ずっとごみの分別を行い、家庭ごみの減量に取り組んでいます。

その結果家庭ごみの排出量が減っていることは、我が党議員団が本会議や委員会でも指摘しています。今本当に有料化が必要でしょうか。お伺い致します。

家庭ごみ有料化を行った自治体で、確かに導入した当初は減りますが、その後はまたごみの量が増えています。お金を出せばごみをいくら出してもいいという意識も生まれ、ごみを出すことに痛みを感じなくなるということです。住民へのごみの有料化の押し付けではごみ問題の解決にはなりません。市民と自治体の協力が必要です。

有料化せずに処分するごみの量を減らしたという自治体も少なくありません。有料化ありきの上からの押し付けの説明会や、話し合いではなく市民の要求に基づいて自発性を引き出され施策を作っていくことが今必要なのではないでしょうか。

「生活と健康を守る会」の方達から、家庭ごみ有料化の中止を求める要望書が提出されました。本来なら本市がやるべきごみ行政を市民に負担をさせることは、あってはならないことです。とりわけ低所得の方にとってはごみの有料化は新たな負担を強いることになります。家庭ごみの有料化を導入した場合でもごみ袋は無料にしてほしいと切実に訴えています。この市民の声に市長はどう答えますか。ごみの有料化は未だに市民の合意は得られていません。市民への説明不足で有料化を強引に進めていけば市民との間に溝が深まるばかりです。

ごみを減らし環境を守るためには市民の理解と協力が、何よりも大切です。家庭ごみ有料化をせずに市民とともにごみ行政に取り組んでいくことを強く求めたいと思いますがいかがでしょうか。市民の合意が得られない有料化はやめるべきです。

次に インターナショナルブランドホテル事業と用地の土壌汚染対策についてお尋ねいたします。本市はさる6月1日オリックス株式会社と市有財産売買契約に関する合意書を締結するとともに6月7日本市とオリックス株式会社、ハイアットホテルズアンドリゾートの3社が東京で記者会見を行いました。合意書に基づく土壌汚染対策について、その内容規模とそのスケジュールをお示しください

また除去した汚染土をどの様に処分するのかもお伺いいたします。引き受けた業者に処分を任せるとするなら、汚染土の処分の量が大きいことから大型の運搬車両の往来や、処分した汚染土が環境破壊に、つながらないのか、懸念いたしますが、お伺いいたします。

我が党議員団はこの事業について、ホテル誘致のためだとしてオリックス一社に対して様々な利便性を図ることは、市民の理解を、得られるものではない、やめるべきだと指摘してまいりました。安く土地を提供するだけでなく土壌汚染対策交通対策、無電柱化など、今年度5億1千万円を投入しこの事業を進めようとしています。とうてい市民の理解を得られるものではありません。市長の見解をお伺いいたします。

 また、鉄道運輸機構との交渉の進捗状況をお伺いして私の質問を

終わります。

 

 

-山野市長

 

 7番 大桑議員にお答えをいたします。

 まず私の政治姿勢のことについて2点お尋ねをいただきました。今回成立いたしました所謂 テロ等準備罪法は、組織的な重大犯罪を計画・準備段階で阻止しようというもので、国民・市民の生命と財産を守るためのものであると認識をしているところであります。頻発する悲惨なテロへの対応が喫緊の課題となる中で、広く国際社会と連携をし、テロ対策を進めていくためにも意義があるものと考えています。安倍首相が発言をされた憲法改正についてお尋ねがございました。軍事力を拡大する中国、またミサイルにより挑発を繰り返す北朝鮮の動向など、日本を取り巻く環境が大きく変化をしているこの状況であります。防衛を含めた憲法の在り方について広く議論をしていくということは、私は意義があるものだと思っています。日本一国ではありません。アジア太平洋地域はもとより、世界の平和と安定のために我が国が積極的な役割を果たしていくためにも、憲法改正の必要性について国民的な議論が深まり、適正な方向性が見出されることを私は期待をしています。

 

介護保険事業について、何点かお尋ねがございました。

総合事業についてですが、総合事業における介護予防型サービスと基準緩和型サービスの選択に際しましては、利用者の意向と心身の状態を踏まえてケアマネジャーが専門的に判断をするということになっています。利用者への周知とケアマネジャーへの指導を、徹底をしているところであります。基準緩和型サービスに誘導をするということがないように、というご指摘がございました。本年度、ケアマネジャーを対象として総合事業のケアプラン作成能力の向上を目的とした研修を開催することとしています。利用者を基準緩和型サービスに誘導する実態があるということは聞いてはいませんが、必要なサービスが適切に受けられるように、引き続きケアマネジャーの指導を徹底をしてまいります。基準緩和型サービスは報酬も少ない、人手も不足している中、現行のヘルパーの負担も大きい、この状況をどのように受け止めているのかということでした。基準緩和型サービスの需要は高くありまして、今後も利用者が増加して行くものと見込まれます。サービスを提供する事業者の拡充、従事者の確保が急務であるというふうに考えています。本年度、このサービスを実施していない事業者を対象とした基準緩和型サービスに関する事業説明会を開催し、事業への参入を呼び掛けることとしています。また訪問サービスにつきましては、本市が指定する研修の修了者が従事できることとしておりまして、引き続きこの研修を開催することで人材の養成を図ってまいります。地域の介護基盤を維持・向上できるような総合事業にしていくべきではないか、というご指摘でありました。総合事業は高齢者の介護予防と自立支援に向けた重要なサービスであるというふうに認識しておりまして、適正な運営の確保と拡充に努めてまいります。

善隣館のことについてお尋ねがございました。私はこの善隣館こそが、この善隣思想というこの考え方が、金沢の地域コミュニティの要諦であるというふうに思っています。先輩方が善隣思想という考え方を大切にし、善隣館を運営をされてこられました。個々の善隣館が地域の実情に応じた活動をしているということは承知をしているところでありまして、様々な環境が変化していく中で善隣館の活動につきましてもなかなか厳しいところもあるということもお聞きをしています。今後の善隣館活動の在り方に関する研究会、先般発足させていただきました、その点を踏まえて検討を進めていきたいと考えています。

 

家庭ごみ有料化について、何点かお尋ねがございました。

 町づくりミーティングについてお尋ねがございました。町づくりミーティングにおきましては、私が全国の状況、金沢市の状況、それぞれを時系列に沿って具体的に数字を交えて説明をさせていただいたところであります。またこれからのシミュレーションにつきましても、やはり具体的なテーマについてこちらも数字を交えて説明をさせていただいたところであります。私は多くの市民の皆さんは避けて通れない課題だということでご理解をいただいたというふうに思っています。ただ、感情の問題もあります%

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