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金沢市議会

認定第1号 平成27年度金沢市歳入歳出決算認定について・討論

2016年12月15日 森尾嘉昭

 

 私は、日本共産党市議員団を代表して、認定第1号 平成27年度金沢市歳入歳出決算認定について、認定できないことを表明し、その主な点について討論を行います。

 第1に、地方自治体の本来の役割である市民生活と福祉の向上とは逆行する施策が打ち出され、実行されたことです。

具体的には、介護保険料が3年ごとの改定によって、基準額の月額料金が5680円

から6280円に引き上げられました。その結果、47ある中核市の中で、高い方から4番目となりました。

国民健康保険料についてです。この保険料は、平成25年度からその算定方式が住

民税方式から旧但し書き方式へと変更され、加入世帯の4割が保険料の引き上げとなりました。その結果、従来の2倍の保険料となるなど深刻です。そのため激変緩和措置が取られたものの、一般世帯を対象とする激変緩和措置は、27年度で終了しました。国民健康保険会計は、5年連続の黒字となっています。その黒字額によって、27年度最終補正で16.5億円の基金を創設しました。さらに、国からの保険基盤安定繰入金4.3億円が新たに措置されていることから、保険料の引き下げの財源は、十分にあり、保険料の引き下げが可能です。

長寿お祝い金が削減され、医療・介護、福祉の自己負担が増やされたことも決算を

通じて指摘しなければなりません。

 長寿お祝い金は、88歳、99歳、100歳、101歳以上を対象としていたものが、88歳

と100歳だけとなり、お祝いの内容も変更され、その結果、6500万円の事業費が2345

万円に減少しました。ふれあい入浴補助金の利用負担が100円から150円に。すこ

やか検診、大腸がん検診の自己負担が100円増えました。また、在宅寝たきり高齢者

への歳末見舞金と高齢者施設入居者への夏季見舞金3000円を廃止し、事業費を720

万円削減しました。

 

 第2に、市民の負担を増やし、医療、介護、福祉の分野の事業費を削る一方で、大

型開発事業には大盤振る舞いが続いています。

金沢港湾建設事業は、大手企業であるコマツのために、金沢港の深さを10mから

13mに深くし、道路などを整備するものとして行われています。これまでに304億円が投入され、本市の負担が51億円にのぼっています。

金沢外環状道路整備事業は、大友、直江、近岡の区画整理事業とともに、大型の事

業として進められています。

片町A地区市街地再開発事業は、事業費57億円。そのうち公的補助金は、35億

4900万円と実に62%にのぼり、本市の補助金は、8億5000万円となりました。

 

 第3に、先端産業を誘致するとした呼び込み型の企業立地は、ゆきづまり、市民負

担が押し付けられる一方で、伝統産業など地域産業が衰退してきていることです。

金沢テクノパークは、先端産業を誘致するとして280億円を投じて造成されました

が、いまだ4分の1にあたる6区画8.5ヘクタールが売れ残ったままです。平成19

年度1社が立地したのを最後に、平成27年度まで8年間立地はゼロとなっています。工業用水を維持するために毎年約3000万円が一般会計から投入がされています。

投資動向調査として約250万円が毎年支出されています。もはや、この事業の再検

討が必要です。

 一方で、加賀友禅、金沢箔、金沢漆器、金沢仏壇など伝統産業は、半分から3分の

1にまで減少しています。本市の製造業、小売業もこの10年間で2割の減少となっ

ています。

 地域経済を支えてきたこうした地域産業を重視する施策への転換が求められてい

ます。

 

 第4に、この間進められてきた事業や施策について指摘しておきたいと思います。

マイナンバー制度の実施についてです。

 税金や保険料、社会保障給付の記録などを一元的に管理するとして国民一人一人

に12ケタの番号を付け、申請によって、そのカードを発行するとして事業が始まり

ました。ところが、プライバシーが守れるのか、国民に役立つどころか国が一方的に

管理するものだとして批判の声が高まり、普及は一部にとどまっています。本市は、

その導入に平成26年度と27年度の2か年で4億2000万円を投じています。問題が

多い事業となっているだけにやめるべきです。

泉小学校・泉中学校建設事業費についてです。これまで指摘してきたように、古く

なった小中学校を新しくしてほしいとの要望を逆手にとって、2つの小学校を統廃合し、小中一体校の建設へと進めてきたものです。統廃合した泉小学校と泉中学校を合わせると1,000人近くの児童・生徒数を抱えることになります。幼児期を過ぎた小学生と思春期を迎えようとする中学生を小中一体校と称して学ばせることには、各方面から疑問の声が出されているだけに、十分な理解と合意が得られていません。なお、平成27年度までの事業費は、約9億円となっており、今後建設事業費は、全体で40億円を超え、さらに、用地の取得と体育館の建設と続き、更なる事業費が増大するだけに市民と議会への公開をもとめておきたいと思います。

職員定数の削減です。

 平成27年度本市正規職員3269人、非常勤職員901人、臨時職員296人。合計4466

人となっています。非常勤職員と臨時職員とを合わせると1197人となり、職員の約

3割にのぼっています。平成21年度と27年度とを比較すると正規職員は101人減

り、非常勤職員は、367人と急増しています。各学校に配置されている公務士が削減

され、教育現場への影響が指摘されています。ごみ業務や学校給食の分野などでも民

間委託化が進んでいます。正規職員の配置を通じて、職場の働く環境を守り、向上さ

せ、市民の要望や負託にこたえることが大切だと考えるものです。

 以上で、討論を終わります。

12月議会質問    おおくわ初枝

 

質問の機会をえましたので、日本共産党金沢市議員団の一員として以下数点にわたり質問いたします。

 

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  • インターナショナルブランドホテル・土壌汚染問題

はじめに、インターナショナルブランドホテル事業と用地の土壌汚染についてです。

オリックス株式会社に売却予定の駅西広場隣接地に土壌汚染が確認された問題は、9月議会でも取り上げました。その際、市長並びに当局の答弁によれば、「議会に方向性を示しながら計画を進める」「実際の除去作業の時期や方法などを優先交渉権者と協議のうえ、土壌汚染対策法に基づく措置を行う」とのことでした。

 本年8月31日にオリックスと交わした「土地売買に関する基本合意書」では、11月18日までに土地の売買契約ができるようにとしていました。ところが、土壌汚染が明らかとなり、基本合意書で定めた11月18日までに土地売買ができなくなりました。すると契約を「本市が土壌汚染対策工事を開始する日までに土地の売買契約ができるように」と変更しました。この契約変更には問題があると指摘しなければなりません。土壌汚染対策工事を開始する期日はいつになるのか、どのような方法で汚染土を除去するのか、また鉄道・運輸機構との協議はどうなのか、そのプロセスなどをあきらかにし市民に知らせるべきです。

すべてに置いて契約ありきで物事を進めることに、市民の理解は得られません。

また、土壌汚染が完了しなければ土地の売買契約はできないはずではないでしょうか、あきらかにしてください。

また、本市がホテル建設のため、周辺環境整備に着手するとしていますが、市民から見ると、「また、駅の整備ですか?無駄遣いだ」との怒りの声があがっています。市民がそれによって利益を享受することはなく、オリックスやホテル側への利便をはかるものではないですか?市長の見解を伺うものです。

 次に、ブランドホテルを誘致する必要性について、改めて問いたいと思います。市長は、たびたび、ブランドホテルを誘致して、都市のステータスを高めるとか、ネットワークを利用するとか、ランドマークにするなどと発言していますが、本市にはもともと魅力ある歴史や食文化、伝統工芸などが存在しています。それを市民とともに受け継ぎ市民とともに発信していくことが求められているのではないでしょうか。外資系ホテルを誘致するために様々な利便をはかり、市民の税金を投入することは、到底、市民の理解を得ることはできません。

 また駅前に、地上15階、地下2階の巨大なホテルが建つ無機質な光景よりも、市民が活き活きと生活し、細部にまで行政が行き届き、子育てしやすい環境や高齢者福祉が充実した街づくりを進めることこそが本市のブランド力強化につながるのではないかと考えます。また、これまで通り駐車場として残すほうが、市民のニーズにも応え、5億、10億と言われている土壌汚染対策費やおそらく何千万という費用がかかる周辺整備の予算もまさに無駄使いではないでしょうか。

ホテル開業ありきで物事を進めるのではなく、計画を白紙に戻すべきです。市長のお考えを伺い、次の質問に入ります。

 

  • 交通問題

 ここ数年、高齢者のドライバーによる事故が連日のように報道されています。高速道路を逆走していた、アクセルとブレーキを踏み間違えた、左右確認が十分ではなかった、反応ができなかったなど、その理由は多岐にわたります。

 もちろん、一般ドライバーでも同様の事故は起こりますが、警視庁の資料によれば、平成26年度の全運転者の事故件数は3万7000件余り。平成17年度が8万件余りだったことから比べると、総数自体は約半数となっているものの、高齢者の事故に限ってみれば、平成17年度の総件数に占める割合が10.9%だったのが、平成26年度には20.4%となっています。

 私のもとに相談に来られた方も、「日に日に、運転に自信がなくなっているが、車がないと買い物や病院さえも行かれない。ましてこれから灯油を買ったりしなければならず、車と運転免許は必需品だ」とおっしゃっています。周りの方も 運転に不安を抱きながらも、本人が車を手放なさないことに対して強く言えない事情や、手放せない環境があると思います。運転免許が返納できない問題のひとつに、本市の公共交通が高齢者にやさしいとは言えないと指摘しなければなりません。

 私やわが党市議団は、公共施設や病院などを結んだコミニュティバスなどの交通手段の充実を求めてきました。高齢者の事故対策が注目されている今こそ、またコミニュティバスの要望が郊外や旧市街地ほど強く上がっている現状からしても、コミニュティバスの実施をするお考えがないのか、改めてお尋ねします。

 

 本市では、免許を自主返納された70歳以上の方には、1カ月のシルバー定期券7200円のうち2000円を市が助成するという制度があります。しかし、免許返納から1年間のみで、使いづらい制度だという声を多数いただいています。

 ドアツードアとまではいいませんが、車がなくても買い物、病院に行くことができる環境を整えることも市として取り組むべきではありませんか。

 津幡町では65歳以上の免許返納者に対しては、「津幡町営バス無料回数利用券」(1回の申請で50枚)の交付がされ、利用券がなくなればまた申請できるという制度をとっています。

兵庫県では、免許返納をすると、路線バスの運賃が半額になります。

 本市も、こうした他の自治体を参考に、制度の拡充をするべきです。車に依存することなく自由に移動することができるように様々な制度を考えるべきと思いますが、市長のご所見をお聞かせください。

 

次に、バス停から離れた地域に住んでいる方、バスの本数が少ない地域に住んでいる方への対策について伺います。

 バス停から遠い方は、バス停にたどり着くまでが一苦労で、目的地が乗り換えを必要とする場合には予定よりも1時間以上も早く家を出なければなりません。

 このような実態が免許返納を躊躇することにもつながっています。

 交通事業者も努力していると思いますが、乗客が少ないところは、ますますバスの本数がなくなって不便となり利用が減るという悪循環を繰り返します。

 そこで交通事業者とも協力をし、バスの本数を増やしたり、利用しやすい環境整備を市としても事業者にはたらきかける必要があるのではないでしょうか? 

市民の誰もが自由に移動できる交通権を確保する、これが行政に課された交通対策です。市民優先の交通政策を実施することこそやるべきではないでしょうか。市長の見解を伺います。

 

  • 除雪問題

 次に除雪に関してお尋ね致します。

 近年、地球温暖化の影響もあってか、本市での降雪量や積雪量は減っています。しかしながら、これから冬本番を迎えます。

 今月一日に除雪作業本部が開設され、3月末日まで24時間体制で道路の除雪や管理にあたるとのことですが、除雪計画書によれば、職員約100人で735路線、879㎞の市道に責任を持つとなっています。具体的にどんな内容を担っているのか、お尋ねいたします。一次路線の除雪は、積雪10cmのときに行われます。その後、第二次~四次路線と行くのですが、この路線は積雪が20㎝以上でないと除雪はされません。そのため雪が積もると、除雪が終了した一次路線の幹線道路に朝の通勤、通学などの車が集中し、大渋滞を引き起こしています。幹線道路だけでなく二次~四次路線の除雪の積雪の深さ見直し、雪の日の道路のトラブルを解消すべきと考えますが、市長にお伺いいたします。

住宅地や市街地の除雪対策について、お尋ねします。幹線道路やバス路線には融雪装置があったり、除雪されたりしますが、幹線道路から外れると、町会や近隣住民が雪かきをしなければなりません。町会によっては、除雪対策費を町会費で積み立てているところもありますが、その対応や使い道はまちまちで、実際に雪が降ってみないと業者に依頼できない、予想以上に雪が降ったために業者への依頼が、複数回になり結果的に支出が予算をオーバーしてしまったというお話も伺います。

 また、除雪機を購入した町会でも、それを動かせる人がいないという問題も起こっているところもあります。高齢者が多く暮らす町会は特に大変で、除雪がなかなか進まないといいます。高齢者や障がいをお持ちの方にとっては、数センチでも大きな負担です。「市民協働」や「ボランティアの協力」といいますが、それが可能な地域もあれば、地域によっては難しい所もあります。学生ボランティアとの協定を今年も結んだとありますが、多くの町会は、自力で生活道路の雪かきをしなければなりません。

生活道路も本市が行うべきですが、まずは、町会が除雪を業者委託した際の費用の補助制度を設ける事を考えられないか、お尋ねいたします。

 

次に、歩道の除雪についても伺います。28年度の当初予算の除雪費の全体は1億円余りです。27年度は、除雪費は1億7200万円で、そのうち、歩道の除雪費は990万円。わずか5.8%にすぎません。ここでも、20cmの積雪でないと除雪がされないという問題が横たわっています。

子供たちが朝の、通学のとき歩道からおりて、車と融雪装置の水を気にしながら車道を歩いている光景をよく目にします。

通勤通学下校時に合わせ、歩道の除雪を行い、車道を歩かざるをえない事態を一刻も早く解決しなければ危険です。

歩道が狭く、除雪機が入らないために放置されているところなどにも予算を使い、市として努力と工夫をすることで歩道の除雪を強化すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 

 また、子どもたちが安心して通学できるよう、学校周辺には一刻も早く融雪装置を設置するよう求めたいと思いますが、市長のご所見はいかがでしょうか。

 

④市営住宅について

 さいごに、市営住宅についてです。

 「貧困」「格差社会」が問題となっている今、住まいに対する市民の不安と不満は深刻です。安全に安心して暮らせる公営住宅の役割はますます大きくなっています。

 しかし、本年3月に「市営住宅のあり方検討会」で取りまとめられた市営住宅の今後の運営方針に対して、見過ごすことのできない内容が盛り込まれました。10年間で5パーセントの市営住宅の戸数を減らすというものです。少子高齢化と人口減少が理由として挙げられていますが、若い方々や単身世帯、障がい者の方々など、多様なニーズに合わせて住みやすい環境を提供することが公営住宅の役割であり、戸数を削減することは市営住宅の役割を後退させていくことになります。定住促進で戸建てやマンション購入者に奨励金や補助金を出すことも必要かと思いますが、住みやすく周辺設備も充実している市営住宅を増やせば、「1戸建てやマンションは買えなくても、金沢市に住める」「金沢市の公営住宅に住みたい」と、本市に移り住んでこられる方も増えるのではないでしょうか。よって、市営住宅の戸数を減らすという施策を行わないよう、いま一度強く求めますが、市長のお考えを聞かせてください。

 

 「市営住宅のあり方検討会」の運営方針には、ほかにも課題を挙げています。耐震化があまり進んでいない、という点です。5階建て14棟が耐震不足住宅とされていますが、市営住宅にお住まいの方からは、「耐震工事は終わっているのか」「築年数が古いが大丈夫なのか」といった心配の声も寄せられています。耐震工事がなされていない市営住宅は、早急に工事に取り掛かることを強く求めたいと思います。

また、浴槽が標準装備されていない住宅が69%にのぼることも大きな問題です。今時、浴槽の付いていないアパートはほとんどありません。近年になって、ようやく浴室の整備に取り掛かっていますが、今年度浴槽が設置された戸数は市内すべての市営住宅で何戸だったのか、まずお聞かせください。

 市営住宅の定期募集の申し込み状況を伺っても、風呂のスペースしかない、設備があっても一部しかないという円光寺や額新町、上荒屋、河原市町では近年は申し込みが激減し、ゼロという時もあります。

 浴室が標準整備されているかいないかによって、募集申し込みが大きく変動することは明らかです。であるならば、市が計画をしている以上のスピード感をもって方策をすすめるべきであり、速やかに全ての市営住宅に浴室を設置すべきではないでしょうか。

 

 コミュニティの再生も大きな問題となっています。

緑市営住宅は本市の住宅の中で、最大規模の市営住宅団地でありながら、高齢化が急速にすすみ、町会運営も大変な状況となっています。これからは、地域に見守りやコミュニケーションをとる活動がますます重要になるのではないでしょうか。誰もが安心して気軽に立ち寄れる場所をつくるため、集会所や空き部屋などを利用することは考えられないでしょうか。おたずねいたします。

緑団地についてもう一点お尋ねいたします。

緑団地の7階建てや12階建ての高層階の住宅は、冬になると大変です。海からの風をまともに受け、雪が降れば廊下に雪が横殴りで舞い込み、それが凍ると、「滑って、歩けない」という状態です。高齢の方も高層階に多く入居されていることから、早急に何らかの対応をしなければと思いますがいかがでしょうか。過去に滑って転び、骨折をしたとか、子供が滑って脳しんとうを起こしたとかという話も聞きます。命のにもかかわりますので、早急な手立てをお願いし、質問を終わります。

金沢市議会・2016年12月一般質問(一問一答)
2016年12月13日 日本共産党金沢市議会議員 森尾嘉昭

私は、日本共産党市議員団の一員として、以下の質問を行います。

1 最初の質問は、安倍内閣が暴走し、その施策破たんが明らかとなる中、平和と市民生活をどのように守るのか。についてです。

%e2%91%a12016-12%e6%a3%ae%e5%b0%be%e8%ad%b0%e5%93%a1質問1-1
 80歳を迎えた市内に住む主婦の方が地元紙の声の欄に次のような意見を述べています。
「日本は、太平洋戦争を敗戦という形で終えた」と始まり「わずか10歳で戦争という悲惨な環境で生きてきた私は、この誰もが当たり前と思っている。『平和』を日々味わえることの幸せを、何よりもうれしく感じる。日本政府は、平和友好条約、平和交流ととにかく『平和』という言葉を使って、自衛隊を内戦がある外国の戦地へ派遣するようになってきている。私はこのことにすごい不安を持っている」と述べ、この方は、最後に「日本は絶対戦いに参加してほしくない。声を大にして叫びたい」と結んでいます。
 去る11月30日、自衛隊員の息子を持つ北海道千歳市の50歳代の母親が、南スーダンPKO派遣差し止めを求めて国を提訴しました。
 安倍政権が安保法関連法に基づき南スーダンへの自衛隊の派遣部隊に対して「駆け付け警護」を付与したことによるものです。提訴したお母さんは、「『駆け付け警護』で隊員が犠牲になる自分が産んだ子も、誰の子も死なせたくない」と訴え、弁護団は、
安保法関連法で新たに加わったPKOでの任務についても「武力が行使されれば『交戦権』に発展する危険性は極めて高くなる」とし、憲法が禁じる「戦力不保持及び交戦権否定規定に反する」と断じています。
 自衛隊の基地をもつ本市の市長としてこうした母親の気持ちをどのように受け止めますか。平和都市宣言をした市長として平和への決意を伺うものです。

回答

問1-2
 安倍内閣の暴走が続いています。
 TPP(環太平洋連携協定)承認案・関連法案、年金カット法案、カジノ解禁推進法案が強行に採決されるなど異常な事態となっています。これらは、国民多数が異議を唱えているものばかりです。
 メディアの世論調査でもTPPについて慎重・反対が82%、年金カット法案について反対が58%、カジノ解禁推進法案に対しては、大手新聞社がこぞって反対を表明し、十分な審議もせずに採決するのは国会の責任放棄に等しいと批判しています。
 安倍内閣が深刻な行きづまりに直面し、国民との矛盾を広げています。
 地方自治体の仕事は、「住民福祉の向上」です。国の悪政から住民の利益を守る防波堤としての役割を発揮しなければなりません。
来年度予算編成にあたって、市民の暮らし向上、地域経済の振興を最優先にすべきと考えますが、市長の見解を伺います。

回答

 

質問1-3
 市民生活は深刻です。平成27年厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると生活が苦しいと答えた方が60.3%にのぼりました。平成28年の内閣府による「国民生活に関する世論調査」では、これから先の生活について聞いたところ、「良くなっていく」と答えたのは8.7%。一方、「悪くなっていく」25.8%と3倍となっています。日常生活での悩みや不安をたずねたところ、3人に2人にあたる65.7%が悩みや不安を感じると答えています。
 市長は、市民生活の現状についてどのように受け止めておられるのか伺うものです。

答弁

質問1-4
一人親家庭の相対的貧困率は国の調査では、2012年では、54.6%と大人2人以上の世帯の12.4%に比べ、4倍以上と深刻です。本市が今年実施した調査では、母子世帯の平均的年間就労収入が190万円。収入よりも生活費の方が多くかかると答えた方が35%。不足している生活費の補てん方法では、預金を切り崩しているが62%。クレジットカードの利用が18%となっています。不安や悩みについて聞いたところ、「生活費が不足して困った」56%と最も多く、「こどもの養育費・教育費に困った」が33%にのぼっています。
 市長は、こうした現状を踏まえ、今後の一人親家庭に対する支援策をどのように進めて行かれるのか伺います。

回答

質問1-5
 国民健康保険料の引き下げについてです。
  本市の年間保険料平均額は、一世帯あたり、医療分11万6千円。支援分3万6千円。介護分約4万円となっています。これらを合わせると19万円を超える保険料となります。保険料の最高額である賦課限度額は、医療分、支援分、介護分を合わせると年間85万円にのぼっています。市民生活の中での保険料の負担感は大きくなっています。今年度、保険料を引き下げました。この間の黒字額を財源に基金を創設し、それを活用したものです。その基金は現在14.4億円あります。国から新たな財政支援が4億円あります。こうした財源を活用し、保険料を引き下げることは可能です。 市長の見解を伺います。

回答

まとめの意見。
市民生活の現状を考えるなら、こうした分野こそ、必要な対策を講ずることを求め、次の質問を移ります。

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2 質問の第二に、第二庁舎建設についてです。
質問2-1
 この建設は、市役所庁舎裏にある南分室が老朽化したため、そこに第二庁舎等を建設するとして当初、地下二階、地上三階建て、総工費65億円とし、議会棟、危機管理センター、市に関係する団体などが建物の構成として計画されました。その後、地下一階、地上三階建て、総工費64億円に変更され、市役所との連絡通路は、地下通路とするとして計画が進められてきました。ところが、地下通路は、安全性、費用がかかるなど問題があるとして上空通路の建設に変更されました。これに対して、10月25日市景観審議会で、上空通路が金沢城西外惣構跡と用水の真上に計画され、用水と石垣、樹齢300年の樹木がある周辺の景観にそぐわないとして反対の意見が相次ぎ、計画の了承が得られませんでした。地元経済界からも反対の意見が述べられ、地元新聞でも社説で批判の見解が表明されるなど一気に批判の声が広がりました。こうした中で、市議会の特別委員会は、上空通路を取りやめ、連絡通路と議会棟の移転も断念することを決定し、市長に報告したところです。
 市長は、議会からの報告を提言と受け止め、その方向で整備計画の見直し作業を進めるとしました。
 市長は、議会が上空通路と議会棟を断念したので、その代わりにどんな施設を入れるか見直しますというのですか。この建設計画を通じて何が問われたのか。その責任をどのように受け止めているのか。市長の見解を問うものです。

回答

質問2-2
 市民から地元紙に「景観保全への本気度は疑問」と題する次のような意見が掲載されました。
 「迷走した金沢市役所の上空通路問題は市議会の断念表明で決着がついた」と始まり、「城下町金沢の遺産の保全と活用を全国に発信してきた市の本気度が、疑われたことも確かである」と述べ、「今回の事態を山野之義市長は、手続きを踏んで議論した結果と釈明するが、詭弁だ。市の歴史都市構想への取り組みの姿勢が問われている」と結んでいます。
 地元紙は、「景観重視の原点を忘れずに」と題する社説を掲載し、「一連の経緯を教訓にしてほしい」と述べています。
 市長の認識と見解を伺います。

回答

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質問2-3
 今回問われたのは、景観行政だけでなく、強引な市の手法についても指摘しなければなりません。
 市長は、先の9月議会で、景観審議会の建物部会においても、その方向性について基本的な了解を得られたと述べ、上空通路で第二庁舎建設に向けての実施設計を進めていくと述べました。
 ところが、本市のいわゆる景観条例では、第46条に金沢市景観審議会の設置を明記し、第47条でその任務として、市長の諮問に応ずるほか市長に意見を述べるとしています。
 専門部会は、第49条で、景観審議会に必要な事項を専門的に調査研究するため、専門部会を置くことができるとしています。
 したがって、建物部会は、景観審議会に報告し、景観審議会が市長に意見を述べることがこの条例で明記されています。すると8月30日建物部会が市長に提出した答申はいかなるものなのか。市が条例違反を承知で、この答申を求めたならば重大ですし、この答申を根拠に進めてきた市長の責任も問われることになります。
市長の見解を伺います。

回答

質問2-4
 市長はこの第二庁舎建設は議会側からの要望を受けて進めてきたことをことさらに強調してきました。議会は議会棟と連絡通路の断念を決定しました。本市の景観行政が問われ、条例違反までしての強引な進め方の点でも問題を指摘してきました。こうしたことから、この計画を白紙に戻し、一からやり直すべきではありませんか。このことを持って、景観審議会、建物部会、建築審査会など関係する機関に陳謝と報告を行うべきです。市長の見解を伺います。

回答

質問2-5
 第二庁舎建設工事実施設計業務の委託契約は、来年2月28日までとし、株式会社五井建築研究所と9180万円で結んでいます。
 したがって、この委託契約は終了することとなるのか。見解を伺います。

回答

次の質問に移ります。

3-質問の最後に、家庭ごみ有料化制度導入についてです。
質問3-1
 この12月定例月議会では、家庭ごみ有料化制度導入のための本市条例の改正提案はありませんでした。市長としては、導入を見送ったのは、市民的な理解と合意形成がいまだ得られていないとの判断からですか。市長の判断を伺います。

回答

質問3-2
 市内の単位町会への説明会が行われています。10月末現在、1359ある町会のうち、本市が直接出向いて説明した町会は545町会で全体の約4割です。その参加者は、町内住民の1割程度にすぎません。その説明会での内容は、家庭ごみ有料化導入への具体的説明となり、参加された方からは、いつ実施するのか。もう決まったのか。その徹底はどうするのかなど有料化が決まってしまったかのように受け止められています。市長は、提案説明の中で、「一定の理解も得られつつある」と述べていますが、その実態と内容は、到底市民的な理解と合意が得られたものとは言い難い状況です。市長は、どのように受け止めておられますか。伺います。

回答

質問3-3
市民からは、有料化は最後の判断と考えるなら、それ以前にやるべきことがあるのではないか。市民は、ごみの分別、資源化に取り組み、町会をはじめ、住民がステーションの管理などに努力し、ごみ行政に協力してきた。その結果、家庭ごみは減少傾向となってきていることから、これをさらに進めていくことが大切ではないか。とのご意見です。
そこで、本市の家庭ごみの排出状況の推移を明らかにしてください。

回答

質問3-4
 商品の大量生産、大量消費の中にあって、本市の家庭ごみの排出状況が近年減少傾向にあるというのは、市民の皆さんの協力と本市のごみ行政が市民と一体となって取り組んできた結果だと考えるものです。したがって、第一に、家庭ごみ有料化が先にありきではなく、その前にやるべきことに取り組むことが大切である。第二に、家庭ごみ有料化は、市民に負担をおしつけるもので、いまだ、中核市では8割が実施していないことから、本市が急いで実施することではない。との意見について市長はどのように考えるのか伺います。

回答

まとめ
有料化はしない。との決断を求めます。

金沢市議会 定例12月議会がはじまりました。

日本共産党金沢市議員団は、開会のときに行われた議長表明に対し、

金沢市議会 福田太郎議長へ 申し入れを行いました!

 

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PDFファイルは、こちらをクリックして下さい。

 

事務スタッフです。

師走!

平成28年度12月定例月議会の日程です。

各議員の日程は決まり次第おしらせしますね。

 

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お天気にも恵まれた、午後。

 

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金沢市役所七階、第5委員会室にて。

 

 

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新たに建設予定の、金沢市役所第二庁舎について説明しました。

 

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質疑応答の時間はあっというまにすぎ、

 

 

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参加者のみなさんと、上空通路予定地を視察。

 

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参加人数(議員団除く)はなんと、48人でした!

 

社会保障推進協議会の、予算要望が行われました。

 

032

 

 

 

あと、ご存じでしょうか?

金沢市役所七階には、

どんぐりみたいな木の実が生る木や、

ツワブキの黄色い花、時には野鳥が訪れることもあります。

それはまるで、四角く切り取られた、空中庭園のよう。

みなさんが傍聴に来られる12月議会の頃には、どんな景色が見られるでしょうか?

 

 

023

 

最近ちょっぴりシオシオ、共産党議員団控室の癒し系たち。

久しぶりの日光浴。

元気にな~れ。

(事務所スタッフ)

おおくわ初枝 2016.9月議会 一般質問・答弁

                 2016.9.14               

 このたび発言の機会を得ましたので、日本共産党市議団の一員として以下の数点にわたり質問をさせていただきますが、その前に一言申し上げます。

 8月に入り、台風が相次いで日本列島を直撃しました。とりわけ台風10号は東北地方並びに北海道に上陸をし、多大な被害をもたらしました。岩手県岩泉町では高齢者グループホームで9名が亡くなられただけではなく、岩手県内でも15名の尊い命が奪われました。また、床上・床下浸水された家も多く、被災された皆様に対し心からお見舞いとお悔やみを申し上げます。そして、生活再建の手立てと地域復興にむけ国が一刻も早くしっかり対策を講じることを願って質問に入ります。

  1. 憲法と安全保障関連法について

 7月10日投開票で行われた参議院選挙の最大の争点は、安倍政権の下で強行採決され施工された安全保障関連法の廃止、憲法を守る政治を取り戻すかにありました。

 日本共産党は、市民・国民の「野党は共同」との願いに応え、全国32にある1人区すべてで野党統一候補を擁立。そのうち11の選挙区で勝利を制せました。なかでも、米軍基地を抱える沖縄県では、当時の現職閣僚に対して野党統一候補が10万票以上の差をつけて勝利したことは、もう新基地建設はいらないという沖縄県民の総意の表れであるととらえなければなりません。又、全国で野党と市民が肩を共同し、新たな連帯と信頼の絆も生まれ、政治は変えることができるとの確信が広がっています。

 安倍政権は、選挙で国民に語らなかったことを次々に打ち出しています。選挙中は選挙の最大の争点は経済だと訴え、もっぱら『アベノミクス』とやり過ごしながら選挙が終われば、公約にふれなかった事を次々に具体化するというだまし討ち的なやり方です。

 憲法改正についても、安倍首相は遊説で一切口にしませんでしたが、選挙直後の7月の会見では、憲法審査会で自民党改憲案をベースにした憲法改正をしていく野望をむき出しにしました。改憲発議ができる2/3の議席、改憲勢力を後ろ盾にしての暴走に批判が相次いでいます。 市長はこのような安倍政権をどう考えているのかお尋ねします。

 南スーダンの国連平和維持活動に11月から派兵予定の自衛隊部隊が襲撃された他国の部隊を守る『駆け付け警護』など実施するための訓練を始めるとしています。自衛隊の任務が拡大され、任務遂行のための武器使用が可能になれば本当に『殺し殺される』深刻な事態が現実のものになってしまいます。

 本市には野田町に陸上自衛隊の駐屯地があります。戦前、本市には旧日本軍の第9師団が置かれ、そして戦争で多くの尊い命が失われ悲しみにつつまれたのは金沢も例外ではありませんでした。そして今また、かって国民がお国のためという名目で戦地に送り出されたように、部隊が行かざるを得なくなります。

 ある雑誌に自衛官の息子さんを持つお父さんが「私の息子は自衛官です。誰の子どもも私の子どもも殺させないで下さい」と話された文を目にしました。私の近所に住んでいる方の息子さんも自衛隊員で県外に住んでいらっしぃます。年に何回か連絡を取り合っていましたが、今は連絡も途絶えがちとなりとても心配だと言います。

 戦後71年、海外で『殺し、殺される』ことなく平和な日本を築き、本市も平和都市宣言を行って30年が経過し、平和なまちとして発展してきました。ところが安保法制によって、自衛隊に新たな任務が課せられ戦後初めて自衛隊が『殺し、殺される』危険に遭遇することになります。市長はこうした認識をお持ちでしょうか。市長に求められることは、市民の命と暮らしを守ることであり、本市に暮らす自衛隊と家族を守ることも大切ではないでしょうか。市長の所見をお伺い致します。

 9月3日に平和町で行われた自衛隊の市中パレードについてお伺い致します。今回のパレードは2014年のしいのき迎賓館一帯で行われたものに続いてのものでした。2014年のものよりも小規模ではあったものの、公道を小銃や迫撃弾を持った自衛隊員約300名が行進するという光景は、市民に大きな不安を与えるものとなりました。そのパレードをし、自衛隊の存在をアピールした金沢市陸上自衛隊普通科連隊員が南スーダンに派遣され、無事に帰国したばかりです。

 市長は南スーダンから帰国した際の行事にも参加されたとお聞きしています。今回の市中パレードにも前回に続き、参加されたとのことです。今回の自衛隊による市中パレードの際に平和町の方々が掲げた横断幕には「あなたを戦場に行かせたくない」と書かれていました。自衛隊が戦場のような危険な場所に送り出されようとするなら、それにストップをかけることこそ市長としてやらなければならないことではないでしょうか。お考えをお聞きします。

 平和への願いは、誰もが共通したものであります。

 

(市長)

 憲法に違反する安保法制について、と題して何点かお尋ねがございました。

憲法に書いてありますように、国会は国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関であります。その国会は、選挙によって選ばれた国民の代表である国会議員の先生によって構成されています。唯一の立法機関で選挙によって選ばれた国民の代表が議論をして、お決めになった法律であります。その法律に対して、ご自身がいかがなものか、という思いの中から、憲法違反ではないかということは、私は違和感を持つものであります。

 自衛隊を守る立場にある市長として、新任務に対してどう思うかというおたずねがございました。平和の実現に向けて世界各国の協力が求められる中、わが国としても国際法に則って、必要な場所に赴き、平和維持のための活動をしていくことは、私は大切なことだというふうに思っています。自衛隊員を守る立場ということで言わしてもらうならば、私は自衛隊のみなさんが安心をして誇りを持って任務にあたっていただける、そういう環境を創っていくのが市長の責務だと思っていますし、帰ってこられた時には、私は心からの敬意と尊敬をもってお迎えをすることが、私は自衛隊を守る立場である市長の責務だと思っています。

 南スーダンの派遣を取りやめるように、というご提案をされました。大桑議員のご質問の中でも出られたように、南スーダンから帰ってきた自衛隊の金沢駐屯地の方が、市長室にお起しをいただきました。私は、今ほど申し上げましたように心からの敬意と心からの尊敬を持ってお迎えをさせていただきました。市中パレードにおきましても、全く同様であります。感謝の思いを持って、感謝の言葉を申し上げたい、そういう思いから私は、市中パレードにも出席をさせていただきました。多くの市民のみなさんに、ぜひ感謝の気持ちを述べてほしい、そういう思いから私は自宅の前にもポスターも貼りました。自分のブログ、フェイスブック、ツイッター、メール、さまざまな手法を通じて、情報を発信させていただいたところであります。市長としての立場は鮮明にしているところであります。

 

  1. 第2次交通戦略について

 次に、第2次新交通戦略についてお尋ね致します。

 金沢港や金沢駅、市中心部を結ぶ新しい交通システムの導入に向けての検討が進められています。公共交通の整備は市民の交通権を守り、生活を保障し支える重要な課題です。市が設置した有識者による検討会議で、費用対効果や整備スケジュールが討議され、11月に予定される市民フォーラムやアンケートなども踏まえ、3回目の検討会議で機種を選定するとの報道がありました。これまでの検討委員会で、どのような議論がされているのかお伺い致します。

 都心軸中心の都市交通をどのようにするか。との考えで検討が進められ、多くの市民は置き去りとなってははいないでしょうか。市民の足としての公共交通をどのように作るのか。高齢化社会の中で、生活弱者といわれる方々の願いをどのように実現していくのか。そのことをまず考えていただきたいと思います。

 我が党議員団は、LRT計画が進む宇都宮市を視察して参りました。宇都宮市では、2013年に基本方針を策定し今年度にLRT着工、2019年度の開業を目指しているとのことです。しかし、優先整備区間追加区間併せて581億円かかるといい、そもそもの計画は1,000億円かかると言われます。宇都宮市民からは「市の暴走だ」と多数の反対の声が寄せられていると伺いました。

 連携中枢都市圏都市交通特別委員会では、野々市、白山、津幡町との意見交換会を行いました。どの市町にも住民の立場に立った交通システムがあります。野々市市では『ノッティ』がしっかり市民の中に定着し利用度が高くなっています。津幡町では民間バスの廃止路線を町が引き受けておりさらに住民の為にと、より良い方法を探っていました。一方本市の交通不便地域では、地域住民が運営するコミュニティバス運行事業に市からの支援の制度がありますが、これは地元住民の負担が重くなかなか広がりをみません。

 そこで市長に第2次新交通戦略についてお伺いいたします。市長の新しい交通システムのお考えはLRTを軸と考えていらっしゃるのではないでしょうか。宇都宮に次いで中核市の2番手で名乗りを上げ金沢港から景観的にもすぐれている、集客効果もあるということでLRT構想をすでにもっていらっしゃるのではないでしょうか。お伺い致します。共産党議員団は、LRT構想はバス路線や車との競合性に困難があり、巨額の財政出費、新たに軌道を引くことをどう解決するのか。更には、利用する人がいるのか、採算がとれるのか、という大きな困難がいくつもあるところから、コミュニティバスを積極的に市の責任でより多くの地域で広げ、実施することを検討してほしいという思いがあります。誰もが願うコミュニティバスの実施におけては主要道路を走る交通手段を決めてからでないと考えられないといいます。

 高齢社会を迎え、高齢者が地域で買い物をし、そして通院ができる…その様な交通機関の充実こそ第1の緊急の課題だと思います。市長のお考えをお聞かせください。そして、コミュニティバスの実現に向けては、市民の意見が交通政策に反映されるよう市民参加の仕組みを作って欲しいと思います。内外共に市長は金沢の伝統、文化を発信しています。その金沢を支えているのが市民であり、そして住み続けられる地域づくりを考えても交通政策は本市の大きな仕事です。

(市長)

 新しい公共交通のことについて、お尋ねがございました。

現在、検討委員会において、交通機能、市民生活、本市のまちづくり等の観点から、専門的な議論を深めていただいておりまして、今後、市民フォーラムや市民アンケート等も実施をしながら、本市にふさわしい導入機種やルートについて提言をいただきたいと思っています。

 LRTにこだわっているのではないか、ということですが、私はこの議場でも何度も申し上げておりますけれども、機種にこだわるものではありません。さまざまな機種もありますし、そのことについて専門家の先生や多くの市民のみなさんから、今、議論をしていただいているところであります。また、議会の都市交通特別委員会からも、LRTありきの議論ではなく、さまざまな選択肢を検討すべきだというご提言もいただいておりますし、私はこの議会からの提言というのは、たいへん重たいものだと思っていますし、その提言も含めて、今、懇話会でご議論をいただいているところであります。

 コミュニティバスのことについてですけれども、まちなか以外で市が運営するコミュニティバスの導入につきましては、既存バス路線との競合、採算性の確保などから課題が多く、私は難しいと考えています。郊外等の交通不便地域における移動手段の確保は、ここは同じ思いです。たいへん重要だと思っています。バス路線の段階的再編に合わせ、現行の地域が主体となるバス等の運行を支援する制度の充実も含め、取り組んでまいりたいと考えています。

 バス公共交通のことについては、市民の意見が大切ではないかということでした。私もその通りだと思っています。地域住民の提案に、これまでも提案をいただきながら、その意見に基づきながら、運行実験等、これまでも何度も行ってきたところでありますし、市との共同によって本格運行につなげてきたところもあります。今後も、郊外地域の移動手段の確保につきましては、地域の実情をふまえ地域住民の意見が反映されるよう、努めてまいります。

 

  1. 金沢駅西広場隣接地ブランドホテル誘致、土壌汚染について

 

 次の質問は、金沢駅西広場隣接地へのブランドホテルの誘致に関するものです。

 この件につきましては、すでに『ハイアットセントリック』を提案したオリックスに決定しました。ホテルの誘致の目的の一つに、海外からの富裕層の為にということをあげています。日本各地でホテルなど宿泊施設の建設計画が急増し、東京や大阪などに旺盛な観光需要を取り込もうとする企業の投資が目立ちます。しかしここにきて円高により海外からの旅行者に限りが見え始めたとの報道もあります。

 そういう中、オリックスに売却予定の駅西広場隣接地に今回、土壌汚染が確認されました。金沢市が国鉄清算事業団より購入して以来暫定駐車場として使用してきました。この用地は旧国鉄の時代は、国鉄金沢機関区の作業場となっていて、昭和40年代まで現存していた蒸気機関車の機関庫になっていました。当時、働いていた方の話では、ここでは動輪の修理や点検を行い、軸受けに鉛を使っていたとのことです。こうした作業で使われた鉛を加工する作業がこの場所で行われていたとのことです。旧国鉄跡地の鉛等重金属汚染は仙台市で2000年に判明して以来全国で続発しています。この問題を受け平成16年12月2日我が党の紙智子参議院議員が「旧国鉄跡地等重金属汚染対策に関する質問主意書」で取り上げました。この中で旧国鉄跡地の汚染原因は関係者によると『鉛合金を使った部品の加工作業で出たカス』『昔の鉛塗料』などと指摘されている。このため汚染された跡地は全国各地にあると推定される」と指摘し、政府として実態を把握し、JR各社や鉄道・運輸機構に汚染除去等の必要な指示をすべきではないか」と質しました。

 これに対し、政府は答弁書の中で、土壌汚染対策法に基づく対応を述べると共に、環境省においても必要に応じ都道府県等に助言していくことを明らかにしました。こうした経緯から、今回の土壌汚染について、JR西日本及び鉄道・運輸機構に対し、土地利用地汚染に関係すると思われる原因等を聞くことが必要です。そのお考えはありませんか。そして、すでに本市が土地を所有したものの、過去に汚染した原因が考えられるとしたら必要な対策にかかる責任と費用負担を鉄道・運輸機構に対し求める必要があるのではないでしょうか。そのお考えについてお尋ね致します。

 更に、今後の対策について環境省へ助言を求めることも必要かと思います。そのお考えについてもお尋ね致します。金沢市のブランド力、高上の為という大義のもとオリックス一社の為ホテル周辺の交通対策やホテルまでの歩行空間の確保に向けた調査、検討し高級ホテルにふさわしい整備を行うとしています。このことが駅西広場の再編整備事業、再開発を起こすことになるのではないかと懸念致します。そして、街づくりの一環であると言いますが、ホテルの事業化促進の為に市民の税金を使い1つのホテルに利便を図ることに、市民の理解は得られるのか疑問です。市長のお考えをお聞きします。

(市長)

 駅西地区のインターナショナルブランドホテルのことですけれども、市民の理解が得られるのかということでした。本事業はまちづくりの一環として国際的な知名度と高い評価を得ている外資系ホテルを誘致することで、都市のステイタスを高めるものであります。またそのホテルが持つネットワーク、そのホテルを利用される方の持つネットワークを通して、金沢という都市の発信力を高めることができると思っています。またこの地区の新たなるランドマークとなることによって、賑わい交流拠点が形成されるということも期待をしておりまして、それらに資する周辺環境整備につきましても、引続き議会にお諮りしながら進めてまいります。

(都市政策局長)

 インターナショナルブランドホテルの用地における土壌汚染についてのご質問にお答えします。今後の対応ですが、今般の補正予算等をお認めいただけたならば、今後行う土壌汚染の除去にかかる措置との検討結果をふまえまして、実際の除去作業の時期や方法等を優先交渉権者と協議の上、本市の負担で土壌対策法に基づく措置を行うこととなります。なお、ご指摘の鉄道運輸機構、それから環境省を含めます国に対して、働きかけないのか、ということですが、当該用地につきましては、過去に旧国鉄のてん車台などに使用されておりました。土壌汚染の原因の把握、ならびに負担の扱い等につきましては、今後の調査結果をふまえながら対応を検討してまいります。

 

  1. 金沢美術工芸大学移転について

 最後の質問は、金沢美術工芸大学についてです。

 金沢美術工芸大学は、金沢大学工学部跡地に移転されることが決まりました。金沢美大は戦後間もない時期に設立され、伝統工芸、物づくり文化の歴史が根付く金沢で、市民と教職員が一緒になって育て作り上げてきました。その歴史を想いが新キャンパス構想の中にも取り入れ、金沢の文化、伝統を支え、これからの金沢をけん引する大学になっていくことが期待されます。

 新しい大学は、今問題になっている、バリアフリー化や、耐震化、作品を保管できる場所の解決はもちろんのこと、付属の美術館や社会連携センター、国際交流センターの新設も含め更に充実することを求めています。合わせて、金沢美大に通う学生の方から、「石材を裁断する大きな機会がない。制作スペースが狭い」などの声もあり、制作環境への配慮も行って欲しいと思います。県図書館の移転も重なることから市民、学生、教職員が触れ合えるコミュニティが作れる場になればと思いますし、また、学生の方からも期待が寄せられています。金沢美大の移転敷地面積は、現状の5,480平方メートルから4,700平方メートルと狭くなり今の86%になります。

 更に、移転先は住宅地の中ということもあり、建てる上で色々な制約もあるのではないでしょうか。新ビジョンそのもの全て限られた土地の中で誰もが納得できる大学の建設ができるのかお伺いして、私からの質問と致します。

(市長)

 金沢美術工芸大学の移転のことについてですけれども、今般県との合意により、取得する敷地は現在の金沢美大の斜面緑地を除いた有効面積4.4haと比較し、広い面積を確保することになります。今後は、この敷地面積を前提に、金沢美大が策定した新キャンパス構想をふまえながら、懇話会での議論を進め、基本構想を策定してまいります。

 

 

◆質疑

 

大桑

 土壌汚染のことですが、やはり土壌汚染があるという経過から見て、金沢市のブランド力をアップするようなホテルを誘致すること自身が、やはりホテルに対して失礼で、適切ではないのではないでしょうか。

(市長)

 午前中の議論もありましたけれども、市が取得した段階では全くそういうことは、わかっていたものではありません。今、新たにわかったことでもありますので、局長答弁で答えましたように、これから事業主と相談しながら進めていくことになります。

 

森尾

 憲法と安保法制に関して市長は答弁の中で、自らの行為と対応を市長の立場として鮮明にしたと、答弁されましたが、鮮明にすべきは、憲法が明記しているように、憲法の平和原則をはじめ、憲法の主旨にそってこれを守るのが鮮明にすべき立場であり、本市が平和都市宣言で述べたように、平和な都市として守り発展させていくという立場こそ、市長として鮮明にすべきであると述べておきたいと思います。

 なお、今の答弁の中で、インターナショナルブランドホテルの誘致に関わっての答弁ですが、

市長は提案理由説明の中で、今回基本合意書を先月末に交わしたと述べられました。では、今回の基本合意書を経て、土地の売買の契約を11月に交わし、12月の本議会に上程するというスケジュールを考えているようですが、売買契約を交わそうとする11月末までに、土地の汚染対策を完了して契約を交わすと考えているのか、それとも土地の土壌汚染対策が完了しないとするならば、この売買契約はできないと考えているのか、どちらですか?

(市長)

 先ほど局長答弁で申し上げたように、事業者とこれから協議をしていくところであります。その方向性を含めてこれから議論をしていくことになっています。

森尾

 本会議でのやりとりと答弁でも鮮明にできないとするならば、これはホテル側との秘密協定じゃあるまいし、しかと議会への説明と情報公開が必要であります。でないと議論できない!そして、本市としての立場も鮮明にして臨むべきだと考えます! いかがでしょう!?

(市長)

 当然、方向性を議会に報告をしながら進めていくべきものだと理解をしています。

10月19日(水)PM13:30~15:00
金沢市役所七階 第5委員会室にて

 

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金沢市役所第二庁舎って、どうなの?
新議会棟って?
上空通路って?
金沢市共産党市議団が、現地視察と共に説明します。

みなさまのご参加、お待ちしております。(控室スタッフ)14625584_1108040049281109_1375333482_o

【政治資金】 

福田太郎市議会議長に対し政務活動費の透明化などを求め、申し入れを行いました。 

 

400

 

議会事務局長に書面を手渡す、市民本位の金沢市政をつくる会。

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