トピックス

6月議会質問

広田みよ

私は、日本共産党市議員団の一員として以下数点にわたり質問致します。
○アベノミクスと本市経済について

最初の質問は、アベノミクスと本市の経済についてです。
安倍政権の発足から6か月が経ちました。マスコミでは「アベノミクス」で景気回復と騒がれましたが、市内の中小業者、商店街、卸売業者などお話を伺うと、「アベノミクスで恩恵なんてここまで来てない。」「むしろ円安で大変」という声もあります。労働者の賃金も上がることはなく、とある市内の食品会社に勤める方は「原材料の小麦粉が値上がりして商品に転嫁できず、給料が5万円減らされた」と言います。燃料費の高騰で漁に出られないという深刻な状況もあります。株高で潤う高所得者の消費は増えているものの、労働者の所得は名目でマイナス、設備投資や雇用も増えていません。一方で、株価の上昇により巨額株を保有している大資産家・大企業は莫大な利益を手にしています。大企業1200社のうち84%以上が内部留保を増やしており、増加額の合計は約15・7兆円にものぼります。そしてついに懸念されていた株価のは急落、乱高下し、バブルの崩壊がはじまっています。
市長!市長は、「所信表明の中でアベノミクスが功を奏し、曙光がみえはじめている」とおっしゃいましたが、それはほんの一握りの資産家、大企業のことなのでしょうか?依然として変わらない市民生活の苦しさをどう認識されているのか。アベノミクスへの評価・認識を明らかにしてください。
アベノミクスの3本の矢には国民の所得を増やす矢は1本もなく、大企業大資産家優遇策そのものです。しかも、消費税増税と社会保障改悪の2本の毒矢も待ち受けています。経済と財政を再建するというなら、まずアベノミクスや消費税増税、年金引き下げ、公務員の給料減らしをストップするべきです。そして以前から70万円も下がった国民の賃金引き上げ、安定した雇用の拡大で国民の消費を増やし、また中小企業の仕事を増やす政策に転換することが必要と考えますが、市長の見解を伺います。
 中小企業をめぐっては、金融円滑化法が3月末で打ち切られたことにあわせ、資金繰りに困った中小企業がサラ金にまで頼らざるを得ない実態もあると言われています。そこで、金融円滑化法失効後の本市中小企業への影響や実態は把握されているのかお答えください。また今年度予算で、金融円滑化法に代わって本市が行っている中小企業振興特別資金について、これまでの実績と今後どのようにすすめていかれるのか教えてください。そして、市長!アベノミクスどころではない、円安や消費税増税、単価たたきで悲鳴をあげる本市中小企業の実態をしっかり把握すべきと考えますがいかがですか?

○憲法と大阪市長の慰安婦発言について

次は、憲法と大阪市の橋下市長の慰安婦発言について市長にお伺いします。
今、日本国憲法第96条に規定する憲法改定の発議要件を緩和して、衆参両院の総議員の3分の2以上の賛成から過半数の賛成に引き下げようとする動きがあります。しかし、憲法は、国家の重要な基本原理を定めた規範であり、基本的人権を擁護するために国家権力の乱用を防止するものです。その時々の政府の考え方によって安易に改定することは許されません。この96条の改定について市長はどのようにお考えですか。そして、自民党が昨年4月に発表した改憲案についてですが、憲法9条2項を削除し、国防軍を書き込むだけでなく、基本的人権を「侵すことのできない永久の権利」とした憲法97条を全面削除することは重大な問題です。さらに憲法を、権力を縛るものから、国民を縛るものへと根本的に変質させるものです。
市長!憲法を守る立場である市長として、現憲法にどう向き合うのかお答えください。      
次に大阪市長・橋下氏の発言についてです。
「日本維新の会」の共同代表で大阪市長でもある橋下徹氏の、「慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」という発言は、人間の尊厳を踏みにじる発言であり、人として、市長としても最低の発言です。「戦場に駆り立てられる男のすさんだ気持ちを、女の犠牲でまぎらわせろというのは、人を駒としかみない権力者の発想です。女性蔑視と言うより人間蔑視です。」作家の吉永みち子さんは話します。
また本市は、蘇州や全州など多くの姉妹都市と歴史や文化を認め合う友好関係をさかんに進めています。今回の発言は姉妹都市と本市との関係にも大きな障害をもたらしかねない重大な問題です。
市長!橋下大阪市長の一連の発言について市長の立場と認識を明らかにしていただきたいと思います。

○競輪場外車券売り場設置に関わる同意書ついて
次は山野市長ご自身の問題です。
大徳の競輪場外車券売場設置に関して、市長が業者との設置同意書に捺印した問題。3月議会終了の翌日に新聞報道で明らかになり、それまでの1年8か月間は、議会も住民も知らされずに、住民は署名運動、議会では議論や採決を行っていたのです。しかも、その同意書は不受理ではなく経済産業省の審査にかかっていたという詳しい内容も、わが会派で経産省へ出向いた中で明らかになりました。
市長!市長はこの間「軽率だった」と繰り返すだけで、本議会の所信表明でも一言もお触れにはなりませんでした。それくらいの反省の程度だったのでしょうか。あなたが市長になって以来、議会の意思は住民の意思と言い続けていたにも関わらず、同意文書に捺印し、1年8ヶ月隠すという市民と議会を欺いていた重い責任はどうとるのでしょうか。「軽率だった」だけでは済まされない重大な問題です。本会議場ではっきりご発言ください。

○生活保護基準の切り下げについて

2点目に生活保護について質問いたします。
アベノミクスの暴走の中で、政府は国民の困窮には目を向けず、生活保護費を減らすことに執着し、生活保護の改悪を続けています。8月からは生活保護基準の切り下げが既に予定をされ、本市でも本議会に生活保護システムの改修という名目で予算が計上されました。水際作戦の合法化や扶養義務を強化したり、自治体の調査権限を強めるなど、生活困窮者を追い込む手はずも準備されています。
 このような生活保護基準の切り下げや水際作戦の強化などによって生活保護を受給しにくくすることは大問題です。また、本市のすでに生活保護を受給されている方にどのような影響を及ぼすのか大変危惧をいたします。具体的にお伺いします。まず、切り下げの影響を受給世帯のうちどれだけの世帯が受けるのでしょうか?また3年間の段階的な切り下げの中で生活保護を受けられなくなる方は出るのかどうか。あきらかにしてください。
 そして、生活保護基準の切り下げは、生活保護だけでなく就学援助や法外援護、最低賃金などさまざまな制度に悪影響をもたらします。就学援助など本市独自の基準の制度は、「できる限り影響を受けないようにする」と3月議会で答弁がありましたが、基準が示されて今、その方針はどうなるのか、就学援助と療養援護についてそれぞれお答えください。
 市長!市民が大変な時に、国で決められたからといってそのしわ寄せを市民におしつけること、そしてその影響をどのように考えておられますか?

○保育所の待機児童について

次は待機児童についてです。横浜市で保育所待機児童がゼロになったと報道がされました。認可保育所を144カ所も整備したといいますが、そのうち利益を出して株主に配当することが目的の株式会社が6割を占め、園庭のない駅の高架下やビルの中に多くの保育所が開設されています。また保育士さんの年収も平均200万円足らずと低く抑えられています。これが横浜市が認可した保育園の姿です。そして認可外施設にも多くの子どもが入っており、この数は待機児童にはカウントされません。
本市ではこの間、待機児童はいないとしてきました。しかし、実態は「探したけれど見つからなくてあきらめた」「保育園が決まらず就職の内定を取り消され、ハローワークからも保育園を決めてから求職に来るように言われ、保育園からも仕事を決めてから入所希望を出すように言われた」などの事例があるのが実態です。なぜ、この方々がカウントされないのでしょうか。それは本市の場合、保護者が直接、地域の保育園などに相談に行き、入れそうなら入所申し込み所を出すという仕組みだからです。よってスタート人数を把握せずゴールした方々だけを見て全員ゴールしたと捉え、厚生労働省に待機児童ゼロと報告しているからです。それには、地域性と歴史的経過もあるように思いますが、本来市が責任をもって入所の采配をする業務を保育所が肩代わりしていることに他なりません。待機児童を正確に把握するためにも、保護者やお子さまに寄り添ううえでも、埋もれている入所できない方々の実態を掴むことが本市の当然の責務と考えますがいかがですか?
また認可保育園に入れないからとりあえず認可外保育園に入ったというお声も聴いています。待機児童の指標となる認可外保育園は現在いくつあり、利用児童は何名いるのか明らかにしてください。
保育は自治体に実施責任がありますし、女性の社会進出、母子父子の孤立を防ぐためにも、そしてなによりお子さまのために、本市が保育環境を整えるのは急務です。
そして、見逃してはいけないのは待機児童の根本には国の補助があまりにも少なく、保育士の賃金が安くて続かないという問題もあることです。保育士が足りなくてお子さんを受け入れられないという声も現場から上がっています。そこで、今年度保育士さんの賃金を上げるために処遇改善交付金が国から出されることになりましたが、暫定的なものです。ぜひとも、国に延長を求めていただきたい。市長にそのお考えがないかお答えください。
また抜本的な保育への充実のために声をあげる必要があります。安倍内閣は「待機児童解消プラン」を掲げ、5年間で保育所の受け入れを40万人増やすとしています。そのために保育所面積や保育士の配置基準引き下げという規制緩和を行い、利益優先の株式会社の参入をいっそう進めようとしています。
しかし、本市は国の基準を上回る基準があります。市長!利益優先の保育ではなくお子さんと保護者に安心安全の保育を行うため、今の基準を後退させることなく充実させる方向ですすめるべきと考えますがいかがでしょうか。

○公園整備について

次は公園整備についてです。
県の中央公園については工事を着手する直前に、その事実を知った県民の思いが吹き上がりました。ほとんどの方が中央公園整備計画事態を知らず、県議会議員でさえ内容もわからないまま議会を通過したとのことです。木を切るか切らないか以前に、情報公開、市民の議論の場が不足していることが明らかになったのではないでしょうか。本市でも玉川公園や城北市民運動公園など、公園整備が予定をされています。玉川公園は近隣町会で住民説明会を開いたところかと思いますが、その説明内容と結果はどうだったのでしょうか、また広く市民への説明と意見交換を行う必要があると考えますが、どのようにすすめるおつもりかお答えください。 
また、城北市民運動公園に増設予定の屋内プールについてです。地下1階地上3階建ての、飛び込みプールに50m、25mプール、観客席2500を兼ね備えた国際レベルの大変おおがかりなプールです。しかし、この計画は昨年の8月にプロポ-ザルで基本計画の契約が成立した後に内容を大幅に変更したものです。25メートルプールがひとつ加わり、観客席も1000追加し、のべ床面積も9000から15500㎡に大幅に増えました。しかし、プロポーザルはやり直さずに進んできています。これだけ大幅に内容が変わったのですから、プロポーザルはやり直すべきではなかったかと考えますがいかがですか?
また、このプールは飛び込みやシンクロも含めアスリートが使い、国際大会にも応じる施設でありながら、市民との共存をコンセプトにしています。しかし、冷暖房や水の温度、手すりが少ないなど、一般市民とアスリートの共存をどのようにするかという工夫が必要となってきます。しかも、アスリートや大会と言っても国際レベルなのか、中高生などの一般アスリートのレベルを対象とするのか議論が必要です。本市でつくるのであれば、一般アスリートが利用でき市民も楽しめるコンパクトなものが求められると考えます。
また直接工事費で当初50億とされた予算も内容変更後どこまで膨らむのか懸念されます。今後、実施設計でつめていくかと思いますがそれらの点で、市民の意見や要望をもっと集めてすすめるべきと考えますがいかがでしょうか。

○原発について

さいごに原子力発電所に関してです。
平成23年3月11日、東京電力が起こした福島第1原子力発電所の事故は、炉心溶融と大量の放射性物質が放出される事態となり、未だに原子炉の中の様子を知ることはできず、安倍首相も今年の3月には事実上の「収束宣言」の撤回をせざるをえませんでした。ネズミが配電盤をショートさせて冷却装置が停止したり、汚染水貯蔵タンクに穴が空いていたりとお粗末な事故を繰り返し先行きが見えない中、約16万人もの福島県民が故郷を離れ、今ももがき苦しんでいます。
市長!そのような現実を目の前に、市長は今原発に対してどのような認識でいらっしゃるかお答えください。
政府や電力会社は「福島第1だから起こった」として、大井原発を再稼働させ、輸出までしようとしています。ご当地の志賀原発においても北陸電力は「活断層ではない」と原子力規制委員会に報告をしたところです。
市長!このような北陸電力の早急に再稼働をおしすすめようとする姿勢についてどう思われますか。
日本の原発はどこでも事故を起こす可能性があり、しかも志賀原発は、みなさんご存じの通り1999年には制御棒が勝手に抜け落ちて臨界事故を起こしていました。ところが、北陸電力は8年間の間隠し続け、この隠し続けた8年間の間に2号機の建設が認可されたのです。
臨海事故を起こしそれを隠し、毎年のように事故を繰り返してきている志賀原発はじめ、全国の原発。このことに科学者や住民運動は警告を出し続けたにも関わらず政府も電力会社も聞く耳をもってこなかったことが福島原発の事故を引き起こした最大の原因です。今でも官邸前や全国各地で毎週金曜日の夜は国民が声をあげていますし、金沢でも続いています。科学者も事故を食い止められなかった責任と反省を胸に、廃炉にするべき根拠を研究し発表しています。
市長!志賀原発を本市として廃炉にさせる決意をしていただきたい。
金沢は独自で水力発電もおこなっていますし、北陸は自然が豊かです。危険な原発から安全な再生可能エネルギーに転換していくことが求められていると考えますが、市長のお考えをうかがい質問を終わります。

再質問

①生活保護の基準切り下げにともなう療養援護も基準が下げられる。ということだが、厚生労働省のいう「できる限り影響を受けないようにしなさい」という点で食い違うがどういうことか。

②待機児については、27年度の認可制がしかれた場合についてお答えいただきましたけど、わたしが聴いたのは今現実に困っていらっしゃる待機児童のことです。その存在をどう考えるのか?どう対応するのかをお答えください。

石川県金沢市の大徳地区への競輪場外車券場誘致をめぐり、山野之義市長が開設に同意する文書に独断で署名していた問題で、日本共産党金沢市議団は18日、議会報告会を開き、この間の調査経過を市民に報告しました。問題は、2011年11月、2012年7月の2回にわたり、場外車券場の設置に同意する旨の書面に山野市長が独断で署名し、私印を押印したもの。これに対し、党金沢市議団は市長と関係者に議会での説明を求める運動や車券場設置の許可権限を持つ経済産業省への調査を進めていました。
報告会では、冒頭に森尾嘉昭市議が調査結果を報告。▽金沢市長の同意文書の印が公印であったなど「書類の不備」で経産省は設置不許可とした▽大徳地区での設置が断念されたとしても、市内の他地区で設置を求める動きもあり、引き続き運動が必要なこと―を説明しました。
結果説明後には、大徳地区で運動を取り組んできた「駅西地区を住みよい町にする会」の澤本裕子代表世話人が約4000人分の反対署名を提出した活動などについて報告。参加者からは「市長の行動は議会や住民の意思に反したもので許せない」「市は健全な社会環境を整備する宣言を出しているのに、それに反する施設を設置するのはおかしい」などと批判の声が相次ぎました。

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もりお よしあき

連絡先
〒920-0841 金沢市浅野本町1丁目15-41-8
電話&FAX 076-252-4236

現職
金沢市議会議員(7期) 日本共産党石川県委員、金沢地区常任委員、金沢北健康友の会副会長、新日本スポーツ連盟副理事長、原水爆禁止金沢市協議会副会長

プロフィール

1951年生まれ。東京教育大学卒。

ひとこと

市民の目線に立ち、その願いと声を届けます。

ホームページ
http://park.geocities.jp/morio_yosiaki/

新日本婦人の会金沢 支部、金沢生活と健康 を守る会、金沢民主商 工会の3団体でつくる「金沢教育運動連絡 会」は4月25日、金沢市に対し、就学援助制度の申請基準や助成金額の拡大、制度の周知徹底などを求める要望書を提出し、20項目の実現を求めました。就学援助の集団申請も行われ、母親ら25人が参加しました。

同連絡会では、40年前から就学援助制度の改善を求める運動を進めており、毎年春に就学援助や教育費の保護者負担の軽減を求める対市交渉を実施しています。

参加者らは、生活必需品の値上げや社会保 障支出の負担増などで、子育て世代の生活が苦しくなる中、就学援助の受給率増加が示すように支援強化が求められていると強調。申請 基準を現行の生活保護 基準の1.3倍から 1.5倍にし、支給額も拡大すること、教材費や部活動費への補助拡大などを要望しました。

応対した市の担当課 は、「現行の生活保護基準の1.3倍の申請基準を守っていきたい」と回答。国の生活保護基準引き下げに伴い、今後就学援助への影響が出るおそれがある点については、国の動向を見守る考えを示すにとどまりました。

金沢市では、近年児 童・生徒数が減少傾向にある一方で、就学援 助受給者数は大幅に増加。2012年度は全 児童・生徒数のうち19.22%が制度を利用し、受給者数は約7000人にのぼってい ます。

また、要請行動の前には、元小学校教諭の東孝二さん(いしかわ 県民教育文化センター 前所長)が「子どもの権利条約といじめ・体罰」と題して講演しました。要請行動には、日本共産党金沢市議団 が同席しました。
出典元『しんぶん赤旗』日刊紙4月27日付・東海北陸信越のページより

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